説明

水はね防止具

【課題】水はね防止具と洗面ボウルとの間に適切な間隙を確実に形成する。
【解決手段】水はね防止具1は洗面台10の蛇口16に取り付けられる。水はね防止具1は、凹状の水受面3を備える水受板2を有している。水受板2には取付孔4が形成されており、取付孔4に蛇口16を挿通させ、吸盤31を洗面ボウル11の内壁面12に吸着させることにより、洗面ボウル11内に取り付けられる。洗面ボウル11から飛散する水滴は水受面3に受け止められ、下方に案内されて洗面ボウル11内に流れ込む。水受板2の下端部外側には、水はね防止具1を洗面ボウル11に取り付けたとき、洗面ボウル11の内壁面12に当接し、水受板2と内壁面12の間に間隙を形成するボス34が突設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗面台や流し台などに取り付けて水の飛散を防止する水はね防止具に関し、特に、防止具の上縁部を覆うエッジカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
洗面所や台所などの洗面台や流し台では、手洗いや洗面、水仕事等の際に、洗面ボウルなどの流しから周囲に水滴が飛び散るのを防止するため、特許文献1,2のような水はね防止具が提案されている。特許文献1の水はね防止具では、洗面ボウルの脇のカウンターに板材を直立させ、カウンターを超えて飛び散ろうとする水滴を板材によって遮断する。特許文献2の水はね防止具は、凹状の水受面を備えた水受板を洗面ボウルの奥壁部に取り付け、この水受板にて飛散する水滴を受け止め、洗面台周りへの水はねを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−225898号公報
【特許文献2】特開2005−34238号公報
【特許文献3】特開2006−152753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来の水はね防止具は、洗面ボウルに水はね防止具を取り付けたとき、水はね防止具と洗面ボウルとの間が密接し易く、両者間に入り込んだ水が流出しにくく、洗面ボウルや水はね防止具の汚れの原因となるという問題があった。また、水はね防止具が洗面ボウルのオーバーフロー口を塞いでしまうおそれがあり、洗面ボウル内の水がうまくオーバーフローしないという問題もあった。この場合、特許文献2の水はね防止具では、水受板を傾斜させて洗面ボウル内に取り付けることにより、水はね防止具と洗面ボウルとの間に間隙を確保している。しかしながら、様々な仕様の各種流しと水はね防止具との間に、水受板をうまく傾斜させて安定的に間隙を形成することが難しく、水はね防止具の取り付けに相当の工夫が必要となる。
【0005】
また、洗面ボウルに水はね防止具を取り付ける際、流しの各種仕様に対応して水はね防止具をうまく固定するのは難しく、これが、水はね防止具と洗面ボウルとの間に適当な間隙を形成できない一因ともなっていた。
【0006】
本発明の目的は、流しの各種仕様に対応しつつ、水はね防止具と洗面ボウルとの間に適切な間隙を確実に形成することにある。また、本発明の他の目的は、水はね防止具を容易かつ安定的に洗面ボウルに固定することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の水はね防止具は、蛇口に取り付けられ、その下端部が流し内に収容される水受板を有し、前記水受板によって、前記流しの外に飛散しようとする水滴を受け止め、前記流し内に案内する水はね防止具であって、前記水受板の外側に突設され、当該水はね防止具を前記流しに取り付けたとき、前記流しの内壁面に当接する凸部を有することを特徴とする。
【0008】
本発明にあっては、水受板の外側に凸部を設け、水はね防止具を流しに取り付けたとき、この凸部が流しの内壁面に当接するようにしたので、水受板と流しとの間に隙間が形成される。これにより、水はね防止具と流しの内壁面との間に、洗面ボウルの仕様によらず、一定の距離を持った間隙を確実に形成できる。
【0009】
前記水はね防止具において、前記凸部を、前記水受板の下端部に、長手方向に沿って複数個形成しても良い。また、前記水受板を、略平板状の基板部と、該基板部の両側から前方に湾曲して延びる側方湾曲部を備えた構成とし、前記側方湾曲部に、当該水はね防止具を前記流しに取り付けたとき、前記流しの内壁面に吸着する吸盤を設けても良い。これにより、流しの各種仕様に対応しつつ、水はね防止具を容易かつ安定的に洗面ボウルに固定することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、水はね防止具の水受板に、水はね防止具を流しに取り付けたとき、流しの内壁面に当接する凸部を設けたので、水受板と流しとの間に確実に隙間を形成することが可能となる。これにより、水はね防止具と洗面ボウルとの間が密接しにくくなり、両者間内の水が容易に流出し、洗面ボウルや水はね防止具が汚れにくくなる。また、水受板の下端がオーバーフロー口にかかる場合であっても、水受板と洗面ボウルとの間に、オーバーフロー口につながる排水路を確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施例である水はね防止具の使用状態を示す斜視図である。
【図2】図1の水はね防止具の拡大斜視図である。
【図3】吸盤の取付構造を示す説明図である。
【図4】吸盤固定ピンの変形例を示す説明図であり、(a)はその正面、(b)は側面、(c)はその取付状態を示す説明図である。
【図5】エッジカバーの取付構造を示す説明図であり、(a)はその正面図、(b)は(a)のA−A線に沿った断面図である。
【図6】ボスと奥壁部の当接部の構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施例である水はね防止具1の使用状態を示す斜視図、図2は、図1の水はね防止具1の拡大斜視図である。図1に示すように、水はね防止具1が取り付けられる洗面台10は、流しとしての洗面ボウル11と、洗面ボウル11の周囲を取り囲むように形成されるカウンター13とを備えている。カウンター13の背後には、上方に延びるバックガード14が取り付けられている。バックガード14には、化粧鏡15が取り付けられている。バックガード14と洗面ボウル11との間のカウンター13には、蛇口16が取り付けられている。なお、バックガード14を全て化粧鏡によって覆うようにしても良い。
【0013】
蛇口16は、上方に延びる蛇口本体17を備えている。蛇口本体17の上端には、水栓レバー18が組み付けられている。蛇口本体17の外周面には、ほぼ水平方向に延びる導水管19が設けられている。導水管19の先端には、下方に開口する吐水口20が設けられている。水栓レバー18を操作することにより、吐水口20から水道水が流出する。洗面ボウル11の底面には、排水口21が形成されている。洗面ボウル11内に流された水道水は、排水口21より外部に排出される。洗面ボウル11の奥壁部12aには、洗面ボウル11内の上限水位を定めるオーバーフロー口22が形成されている。上限水位に達した水道水は、オーバーフロー口22から排水される。
【0014】
水はね防止具1は、図1,2に示すように、水受板2によって形成されている。水受板2は、略平板状の基板部2aと、基板部2aの両側から前方(手前側)に湾曲して延びる側方湾曲部2bとを備えている。水受板2には、基板部2aと側方湾曲部2bとによって凹状の水受面3が形成されている。水受板2の上部は、水受面3側(手前側)に湾曲して延びる上方湾曲部2cとなっている。水受板2は、合成樹脂材料を用いて一体に成型されており、樹脂材料としては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂が用いられる。
【0015】
基板部2aの中央部やや上方には、取付孔4が開口形成されている。水はね防止具1は、この取付孔4に導水管19を挿通することにより、図1に示すように、蛇口16に取り付けられる。水受板2の上部にはまた、2つの貫通孔5が形成されている。貫通孔5は、取付孔4の両側にそれぞれ形成されており、各貫通孔5は、取付孔4から水受板2の幅方向にほぼ等間隔の位置に開口している。貫通孔5は、水受板2を安定させるために設けられており、万一、水受板2の取付状態が安定しない場合には、図2に示すように、貫通孔5に紐41の一端を結びつける。そして、蛇口16などに紐41の他端を結び付けることにより、水受板2の揺れ動きを抑制できる。
【0016】
水受板2の側方湾曲部2bの下端部外側には、吸盤31が取り付けられている。図3は、吸盤31の取付構造を示す説明図である。図3に示すように、吸盤31は、側方湾曲部2bに形成された吸盤取付孔32に装着される。吸盤取付孔32に装着された吸盤31は、吸盤固定ピン33によって抜け止め固定される。吸盤31には、ピン孔31aが設けられており、吸盤固定ピン33はピン孔31aに挿入固定される。
【0017】
吸盤固定ピン33は、球状の頭部33aと、頭部33aから突設された脚部33bとから構成されている。脚部33bは、中央にスリット33cを有する二股形状となっている。脚部33bの外径は、ピン孔31aの内径よりも若干大径となっている。吸盤固定ピン33は、スリット33cを縮める形で脚部33bを縮径させ、ピン孔31aに挿入装着される。脚部33bは、ピン孔31a内にて弾性的に拡径する。これにより、吸盤固定ピン33がピン孔31aに固定され、吸盤31が吸盤取付孔32に抜け止めされた状態で装着される。
【0018】
なお、吸盤固定ピン33として、図4のような吸盤固定ピン42を使用しても良い。図4(a),(b)に示すように、吸盤固定ピン42では、脚部33bに返し43が設けられている。返し43は、脚部33bの延伸方向とは逆方向、すなわち、頭部33aに向かって尖った形となっている。返し43は、脚部33bから外側に向かって突出しており、返し43の先端部は、脚部33bの外径よりも突出している。このような返し43は、吸盤固定ピン42をピン孔31aに挿入するときは、ピン挿入の妨げとはならない。従って、ピン42は、ピン孔31aにスムーズに挿入可能である。一方、図4(c)のような状態から吸盤固定ピン42を抜く方向に力が加わった場合は、返し43がピン孔31aの壁面に引っ掛かり、ピン引き抜きに対して抵抗力が生じる。つまり、吸盤固定ピン42は、返し43により、ピン孔31aから抜けにくくなる。従って、図4の吸盤固定ピン42を用いることにより、ピン42は、さらに抜けにくい状態にてピン孔31aに固定される。
【0019】
また、水受板2の下端部には、下縁部2dの長手方向に沿って、上端が平面状となった略半球状のボス(凸部)34が複数個形成されている。ボス34は水受板2の裏面側に突設されており、外方に向かって突出している。ボス34は、2個1組となったペアが、中央に1組、両側部にそれぞれ3組設けられている。洗面ボウル11に水はね防止具1を取り付けると、ボス34の頂部が、奥壁部12aや側壁部12bなどの洗面ボウル11の内壁面12に対向・当接し、洗面ボウル11と水はね防止具1との間に隙間35が形成される。
【0020】
水受板2の上端部には、合成樹脂製のエッジカバー(カバー部材)36が取り付けられている。図5は、エッジカバー36の取付構造を示す説明図であり、(a)はその正面図、(b)は(a)のA−A線に沿った断面図である。エッジカバー36は、塩化ビニルのような柔軟性のある合成樹脂にて形成されており、例えば、半透明な水色に着色されている。図5に示すように、エッジカバー36は断面が略U字形となっており、その中央には装着溝(溝部)37が形成されている。エッジカバー36は、水受板2の上縁部2eを装着溝37に挿入する形で、水受板2の上端部に装着される。なお、エッジカバー36の透明度や色彩は、前述の「半透明/水色」には限定されず、不透明や他の色彩(例えば、赤や黄色など)とすることも可能である。
【0021】
また、水受板2の上縁部2eには、長手方向に沿って、テープ挿入孔38が複数個形成されている。テープ挿入孔38は、エッジカバー脱落防止用のテープ39を取り付けるために設けられている。テープ挿入孔38には、エッジカバー36を上縁部2eに装着した状態でテープ39が取り付けられる。そして、テープ39をテープ挿入孔38に挿入しつつエッジカバー36に複数回巻き付けることにより、エッジカバー36は、水受板2の上縁部2eを挟持しつつ、水受板2の上端部に固定される。なお、図5(b)では、理解を容易にするため、テープ39の厚みを誇張して示している。また、同図では、テープ39が1回巻装されている様子が示されているが、実際は、テープ39を複数回巻装することが好ましい。
【0022】
このような柔軟・有色のエッジカバー36を透明な水受板2に取り付けることにより、水受板2の上端縁の存在が明確となる。このため、洗面や手洗い等の際に利用者の手や顔が上端縁にぶつからないように注意喚起することができる。また、万一、利用者が上端縁にぶつかった場合でも、エッジカバー36が柔軟素材にて形成されているため、エッジのままの製品に比して、利用者の不快感も大幅に軽減される。さらに、板材に割れが生じた場合でも、割れ目がエッジカバー36によって覆われ露出しないため、割れ部分に顔や手が当たってしまうことがない。従って、当該水はね防止具1は、従来の防止具に比して、利用者の使用感が損なわれず、子供や高齢者でも安心して洗面等を行うことが可能となる。
【0023】
加えて、有色のエッジカバー36は、透明な水受板2に対してデザイン上のアクセントともなる。従って、水はね防止具1の意匠的な美観も向上し、デザイン上の特徴を構成しつつ、利用者の使い勝手の向上を図ることが可能となる。
【0024】
一方、当該水はね防止具1は、次のようにして洗面ボウル11に取り付けられる。図1に示すように、水はね防止具1は、水受板2の取付孔4に蛇口16の導水管19を挿入する形で洗面ボウル11に取り付けられる。この場合、水はね防止具1は、導水管19に沿って、水受板2が洗面ボウル11の周縁11aに接触するまで押し込まれる。そして、吸盤31を洗面ボウル11の側壁部12bに吸着させる。これにより、水はね防止具1は、蛇口16に取り付けられる形で、洗面ボウル11に安定的に固定される。なお、万一、水受板2の取付状態が安定しない場合には、前述のように、貫通孔5に紐41を取り付け、それを蛇口16などに結び付けても良い。
【0025】
水はね防止具1をこのようにして洗面ボウル11に取り付けると、水受板2の裏面に形成されたボス34が内壁面12(奥壁部12aや側壁部12b)に当接する。図6は、ボス34と内壁面12との当接部の構成を示す説明図である。図6に示すように、ボス34の頂部が内壁面12に当接すると、水受板2と洗面ボウル11との間に隙間35が形成される。これにより、水はね防止具1と内壁面12との間には、洗面ボウル11の仕様によらず、一定の距離(ボス34の高さH)を持った間隙が確実に形成される。この場合、水受板2は、前述のように、吸盤31によってしっかりと洗面ボウル11の内壁面12に固定されるため、水受板2がばたつかず、隙間35も安定的に形成される。従って、水はね防止具1と洗面ボウル12が密接しにくくなり、両者間内の水が容易に流出し、洗面ボウル12や水はね防止具1も汚れにくくなる。
【0026】
図1の水はね防止具1では、水受板2の下端がオーバーフロー口22の下方に位置しており、オーバーフロー口22は水受板2によって塞がれた形となる。しかしながら、水はね防止具1においては、ボス34によって隙間35が形成されているため、水受板2と洗面ボウル11との間にオーバーフロー口22につながる流路が生じる。つまり、水受板2を取り付けた場合であっても、水受板2と洗面ボウル11との間に生じる隙間35を介して、オーバーフロー口22と洗面ボウル11内とが連通状態となり、オーバーフロー口22からの排水が阻害されることがない。
【0027】
このような洗面台10では、水栓レバー18を操作すると、蛇口16の吐水口20から水道水が流出する。これにより、洗面ボウル11に衝突する際の跳ね返りは勿論のこと、洗面台10で行われる各種作業によって、水滴が洗面ボウル11の四方八方に飛び散る。ところが、図1のように水はね防止具1を洗面台10に取り付けると、蛇口16の方向に飛散する水滴は、水受板2に受け止められ遮断される。水受板2に遮断された水滴は、その後、重力によって水受板2の下方に案内される。その際、水受板2は、その下端が洗面ボウル11内に入り込んだ状態となっているため、水受板2の下方に流れる水滴はそのまま洗面ボウル11内に流れ込み、排水口21から排出される。
【0028】
また、水受板2の水受面3には、内側に向かって湾曲する側方湾曲部2bや上方湾曲部2cが設けられているため、上方や側方に飛散した水滴も洗面ボウル11に向けて跳ね返る。従って、蛇口16からの水量が増大して水滴の飛散状態が激しくなっても、水滴が洗面ボウル外に飛び散らず、飛散水滴を確実に洗面ボウル11に案内することができる。
【0029】
このように、洗面台10に水はね防止具1を装着することにより、洗面や手洗い等の際に飛散する水滴を回収して洗面ボウル11に戻すことができる。このため、洗面台10の周囲に水滴がかかることがなく、洗面台10の汚れを防止できることはもとより、清掃に手間を要する蛇口16や、蛇口付近のカウンター13及びバックガード14の汚れも低減することができる。従って、洗面台10を使用した後の通常の清掃作業は、障害物のない平滑なカウンター13に付着した水滴を拭き取る容易な作業のみで良く、この作業を行うだけで洗面台10を清潔に保つことができる。
【0030】
また、蛇口16の背後に設けられるバックガード14は、図1に示すように、奥に入り込んでいるために清掃が行いにくいが、水はね防止具1を装着することにより、清掃回数を減らすることができ、清掃負担が軽減される。さらに、水滴跡が付きやすい化粧鏡15の下部や、蛇口16の金属面の汚れも防止でき、これらに関する清掃負担も軽減される。なお、特許文献3のようなカバーを蛇口16に取り付け、その状態で水はね防止具1を装着しても良い。この様な蛇口カバーを取り付けることにより、蛇口周りに水滴が付着せず、清掃作業がさらに容易となる。
【0031】
本発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、前述の実施例では、水受板2の上縁部2eにエッジカバー36を取り付ける構成を示したが、水受板2とエッジカバー36を一体に成形した形態を採用することも可能である。この場合、水受板2とエッジカバー36を前述同様の別素材にて二色成形しても良いが、同一素材にて、エッジカバー36相当形状を上縁部2eに拡大形成しても良い。
【0032】
また、水受板2とエッジカバー36の固定方法は、前述のテープ39には限定されず、接着剤を用いて両者を固定しても良い。その場合、前述のテープ挿入孔38を接着剤溜まりとして使用し、その部位に接着を塗布するようにしても良く、テープ39と接着剤を併用することも可能である。さらに、U字形のクリップや、ハトメ、タグピンなどを用いて水受板2にエッジカバー36を固定しても良い。
【0033】
加えて、ボス34の形状は略半球状には限定されず、長手方向が長円形状となった凸部や、星形の凸部など任意の形状を採用可能である。また、上端が平面状ではなく、全体が球面状になった凸部でも良い。
【0034】
一方、前述の実施例では、水はね防止具1を洗面台10に取り付けているが、台所の流し台等に本発明の水はね防止具1を取り付けても良い。また、水はね防止具1の形状は、図示する形状に限られることはなく、洗面台10や流し台の形状に応じて適宜変更しても良い。例えば、前述の水はね防止具1では、水受板2の基板部2aを、ストレートタイプの洗面ボウルに合わせてほぼ平板状に形成しているが、基板部2aの形状はこれに限られず、ラウンドタイプの洗面ボウルに合わせて基板部2aを水平方向に湾曲させても良い。
【0035】
さらに、前述の実施例では、水受板2をPET樹脂にて形成しているが、水受板2の材料はPET樹脂限られることはなく、耐水性を備える材料であれば他の材料を用いて水受板2を形成しても良い。また、貫通孔5の紐41に関しても、前述のように、他端を蛇口16に結び付けるのではなく、他端側に吸盤やねじ部材を取り付け、それらをバックガード14や化粧鏡15に固定することにより、水受板2の取付状態を安定させても良い。なお、貫通孔5の部位に吸盤を取り付け、奥壁部12aに吸着させても良い。
【符号の説明】
【0036】
1 水はね防止具
2 水受板
2a 基板部
2b 側方湾曲部
2c 上方湾曲部
2d 下縁部
2e 上縁部
3 水受面
4 取付孔
5 貫通孔
10 洗面台
11 洗面ボウル
11a 周縁
12 内壁面
12a 奥壁部
12b 側壁部
13 カウンター
14 バックガード
15 化粧鏡
16 蛇口
17 蛇口本体
18 水栓レバー
19 導水管
20 吐水口
21 排水口
22 オーバーフロー口
31 吸盤
31a ピン孔
32 吸盤取付孔
33 吸盤固定ピン
33a 頭部
33b 脚部
33c スリット
34 ボス(凸部)
35 隙間
36 エッジカバー(カバー部材)
37 装着溝(溝部)
38 テープ挿入孔
39 テープ
41 紐
42 吸盤固定ピン
43 返し
H ボス高さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛇口に取り付けられ、その下端部が流し内に収容される水受板を有し、前記水受板によって、前記流しの外に飛散しようとする水滴を受け止め、前記流し内に案内する水はね防止具であって、
前記水受板の外側に突設され、当該水はね防止具を前記流しに取り付けたとき、前記流しの内壁面に当接する凸部を有することを特徴とする水はね防止具。
【請求項2】
請求項1記載の水はね防止具において、前記凸部は、前記水受板の下端部に、長手方向に沿って複数個形成されてなることを特徴とする水はね防止具。
【請求項3】
請求項1または2記載の水はね防止具において、前記水受板は、略平板状の基板部と、該基板部の両側から前方に湾曲して延びる側方湾曲部とを備え、
前記側方湾曲部に、当該水はね防止具を前記流しに取り付けたとき、前記流しの内壁面に吸着する吸盤を設けたことを特徴とする水はね防止具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−101036(P2012−101036A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−192435(P2011−192435)
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【出願人】(593187364)ト−タルプリント豊工業株式会社 (15)