説明

水中用空気/混合ガス排気システム

【課題】水がシステムに入る可能性を低減し、排気弁のシール端を捕らえて排気弁に漏水を引き起こす可能性を低減する構成、および、排気弁を横切る水に層流を導入し、システムからガスがフリーフローする可能性を低減するシステムを提供することを目的とする。
【解決手段】システム60は、レギュレータハウジング22と、ダイアフラム24と、排気弁26と排気口32を含み、排気弁26は円形であって、上部シール端28と下部シール端30とを含む。またシステム60は、排気弁26の外側に隣接するガスポケット44を形成するフード52を含む気泡デフレクタ40を含む。さらにシステム60は、突起50,56を含み、水が円形弁の上部シール端28または下部シール端30および弁座を通過して排気弁26を通ってシステムに入る可能性を低減するように、排気弁26の周辺の水を方向付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、呼気努力を軽減するとともに、水がシステム10に流入し、及び/又はガスがシステム10からフリーフロー(free flow)する可能性を低減するために、排気弁に隣接する水を方向付けるように構成された水中呼吸用排気システムに関する。
【背景技術】
【0002】
システムが正常に機能するとき、排出空気または混合ガスを周辺の水中へと吐出する排気システムを備えた水中装置に関する多くの例が存在する。その1例は、スキューバダイバーが潜る間に使用するセカンドステージレギュレータである。
【0003】
あるスキューバダイビング装備は、ダイバーによって装着される圧縮空気または圧縮混合ガスのタンクと、タンクに取り付けられ、圧縮空気の圧力を3000psiからおよそ150psiに低下させるファーストステージレギュレータと、ファーストステージレギュレータとセカンドステージレギュレータとを接続するホースと、ダイバーの口に保持され、圧力を150psiから周辺圧力まで低下させ、要求に応じてダイバーに供給するセカンドステージレギュレータとを含む。
【0004】
スキューバのセカンドステージレギュレータの構成要素には、レギュレータハウジングと、吸入サイクルの間に、吸気弁を動かす小さなレバーに対して内側へ倒れることによってダイバーに空気を供給する柔軟なダイアフラムと、呼気サイクルの間に、排気または排出ガスがレギュレータハウジングから吐出されることを可能とする一方向弁として使用される排気弁と、排出された気泡をダイバーの視界の外へ誘導する気泡デフレクタと、周囲の水から密閉してレギュレータアセンブリをダイバーの口に保持するマウスピースとが含まれる。
【0005】
スキューバのセカンドステージレギュレータから出る排気または排出ガスは、レギュレータハウジングの壁に開いた開口を通って移動する。排気弁は、この開口を覆うように外側に取り付けられ、排出するガスの流れる方向を制御する一方向弁として使用される。円形の開口には、排気弁用の装着領域として使用され、負の圧力が印加されたときに排気弁が内側へ倒れるのを防ぐべく、開口の片方からもう片方へ架かる1本または2本以上のクロスバーが備わっている。
【0006】
排気弁は、成型された柔軟なゴムまたはシリコンから作られており、通常、円形ディスク型またはマッシュルーム型の形状を呈している。圧力がかかると、それらは開閉するために収縮し或いは離れるように設計されている。排気弁の目的は、排出するガスの流れの方向を制御し、ガスの流れが止まった時点で、周囲の水がレギュレータ内に入らないようにすることである。
【0007】
スキューバのセカンドステージレギュレータの多くは周辺の水へ直接排気する。これは、水が排気弁の外側表面全体に直接接触することを意味する。また殆どのセカンドステージレギュレータは、レギュレータハウジングの低い位置に斜めに装着された排気弁を有する。これは、レギュレータに入った水を清掃し、または排出することができるように、システム底部または底部近くにある水を収集するのに利用される。
【0008】
排気弁からレギュレータ内に水が染み出し或いは漏れ出すのにはいくつかの理由がある。吸入サイクルの間に生じる圧力がその1つであろう。この圧力は、排気弁を内側に曲げ、円形の開口のエッジおよびクロスバーに対して排気弁を歪曲して排気弁に漏水を引き起こす。他の理由に、排気弁のシール端外側を通過する水の流れがある。これは排気弁を動かし漏水を引き起こす。
【0009】
排気弁の外側の水流にはいくつかの理由がある。1つはダイバーが水に入る時である。ほとんどのダイバーはいささか急に水に入り、或いは水に跳び込み、または滑り入る。気泡デフレクタの開口領域は非常に素早く水に浸される。その上、排気弁の外側表面に対して水が衝突する。水は弁の端を捕らえてこれを歪曲させ、排気弁に漏水を引き起こす。
【0010】
排気弁を通過する水流の他の理由は、排出される気泡によって発生する水の層流である。ガスが円形の開口を通って排気弁を通過すると、それらは気泡となり或いは気泡を作り出す。気泡は当然浮揚性があり、表面に向かって上昇する。気泡が上昇しているとき、気泡はそれらに接触している周辺の水に作用し、排気弁の外面を流れる水の層流を作りながら水を共に上昇させる。
【0011】
排気弁は、激しい呼吸率の間、低い排気抵抗を提供するように設計されている。これは弁をいくらか大きく(直径1〜1.5インチ)し、或いは弁を複数または多数にすることにより達成されている。ダイバーが低い呼吸率または適度の呼吸率で呼吸しているとき、下側部分を閉塞位置にしておきながら、排気弁の上側部分だけが使用される。弁の頂部から排出される気泡によって生じた水の層流は、漏水の原因となる排気弁の下側シール端を捕らえようとする。
【0012】
排気弁を通る水の浸出または漏出はせいぜい不快であるが、汚染された水に飛び込むならば危険な状態となる。
【0013】
多くのスキューバ用セカンドステージレギュレータの他の共通点は、気泡デフレクタである。気泡デフレクタは、ある種の成型されたゴムまたはプラスチックで作られており、排気弁の周辺或いは排気弁の横に取り付けられる。気泡デフレクタの目的は、排出される気泡を捕らえて、それらをダイバーの顔前および視界からそらすことである。
【0014】
気泡デフレクタは、気泡が気泡出口の上半から排出される一方で、水が気泡出口の下半に入るのを可能とするのに十分大きな気泡出口を含む。気泡出口の下半から入るこの水は、気泡が作り出す水の層流の一部である。
【0015】
水がシステムに入る可能性と、排気弁のシール端を捕らえて漏水を引き起こす可能性とを低減する構成、および、排気弁を横切る水に層流を導入し、システムからガスがフリーフローする可能性を低減するシステムが必要とされる。さらに、空気で満たされたポケットが作成され、排気弁を操作する抵抗を低減する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0016】
水がシステムに流入し、および/または、ガスがシステムからフリーフローする可能性を低減するために、排気弁に隣接する水を方向付けるように構成された水中用ガス排気システムの実施形態を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図に関連して以下に詳しく説明する詳細な説明は、本発明の現時点における最良の実施形態の説明を意図するものであって、本発明が構成され、および/または、利用される唯一の構造を表すことを意図するものではない。詳細な説明は、図示された実施形態に関連して本発明の構成および作用のための機能および順序立ったステップについて詳しく説明する。しかしながら、同一或いは同等な機能と作用もまた、本発明の思想と範囲の中に包含される、異なる実施形態によって達成されうることは理解されよう。
【0018】
図に関連して以下に説明する詳細な説明は、実施形態の説明を意図するものであって、実施形態が構成され、および/または、利用される唯一の構造を表すことを意図するものではない。詳細な説明は、実施形態を構成し作用させるための機能および順序立ったステップについて説明する。しかしながら、同一或いは同等な機能と順序であっても、ここに開示された実施形態の思想と特許請求の範囲の中に包含されることが、異なる実施形態によって達成されうることは理解されよう。
【0019】
ここに開示された実施形態は、ダイビングレギュレータに装備され或いはダイビングレギュレータとして設計される水中用空気/混合ガス排気システムを対象としており、これは、少なくとも、最も一般的に使用される位置にある間に操作する排気弁の上側部分に、排気弁の外側/水側にエアスペースを作成することによって排気抵抗を低減するとともに、サイフォンまたはフリーフロー状態を阻止することが必要なときに、シール端を保護し、排気弁の外側を通る水を層流とする排気弁を提供する。
【0020】
実施形態の1つは、スキューバのセカンドステージレギュレータに装備できる気泡デフレクタの構造にある。この気泡デフレクタは、フードまたはバルブカバーに排出する空気またはガスの一部を捕らえるかたちに製造され、装備される。フードまたはバルブカバーにより、逆さにしたカップ型のエアスペースを気泡デフレクタに形成することが可能となり、ダイバーによって最も一般的に使用される位置(前方または下方30度〜40度の角度を見た位置)にある間に作用するように、少なくとも排気弁の頂部にエアスペースが作成される。
【0021】
気泡デフレクタを通って移動する排出されたガス(気泡)によって生じる如何なるフリーフロー状態をも防ぐために、排気弁下端の下方であって排気弁下端の横に吸水口が構成される。この吸水路は、水が内部へおよび気泡デフレクタの底部から上へ流れるのを可能とし、排出弁を通過する水の層流を作り出し、これを気泡デフレクタの気泡出口を通って外へ移動するガスまたは気泡と混合する。排気弁を通って移動する層流のかたちで連続して供給される水は、レギュレータ内のフリーフロー状態を引き起こす排出ガス/気泡に働くサイフォン効果を防止する。
【0022】
実施形態によると、吸水路は、気泡デフレクタの、排気弁が作動するエアスペースを作成するのに使用されるフードの端或いはリップよりも低い位置に配置される。フードのリップより低く、排気弁下端に直接隣接する位置に位置する吸水路を有することは、排出するガスに働く如何なるサイフォン効果も防いで、気泡と水とが気泡デフレクタ内の所望の方向へ共に上昇することを可能とする。
【0023】
吸水口は、最も一般的な位置における通常使用の間、気泡デフレクタへの水の進入を可能とする。その上、吸水口は、上下逆さまの状態や仰向けの状態などのより稀な位置にある間であっても有効である。これら位置では、吸水路が気泡デフレクタ内の最も高い排出位置になっているので、気泡は吸水路を通って自然に流れ出る。水および気泡の吸水路を通る流れがこれら位置において逆になることにより、これら位置における排気抵抗は最小に抑えられる。
【0024】
他の実施形態では排気弁のシール端プロテクタが含まれてもよい。プロテクタは、排気弁のシール端が、排気弁の外面を移動する水の層流によって捕らえられることを防ぎ、排気弁が漏水するのを防止する。このプロテクタは、気泡デフレクタまたはレギュレータハウジングの不可欠な部分であり、段状または凹状の排気弁座領域の形式または排気弁を取り囲む保護リングの形式であり、プロテクタの直径と高さは排気弁の外側シール端よりわずかに大きい。
【0025】
さらに他の実施形態では、排気弁カバーが含まれてもよい。このバルブカバーは、排気弁の周囲に気密に装着されて、排気弁が作動するエアスペースを作成する。このバルブカバーは、2つの孔、排ガス出口および吸水路を有する。
【0026】
排ガス出口は、カバーの低い位置に配置され、排気弁が作動するエアスペースを作成する。排ガス出口の表面積は、レギュレータハウジングの円形開口(排気部)の表面積より大きい。これは、如何なる場合も、カバーの排ガス出口を通過する排出ガスの流れが収縮されないようにするためである。カバーの吸水路は、排気弁下端より低い位置であって排気弁下端に直接隣接する位置にある。この通路は、水がカバーを通って内部へ流れるのを可能とするように構成され、フリーフロー状態をもたらす排出ガスへ働く如何なるサイフォン効果をも防止する。
【0027】
気泡デフレクタがバルブカバーの実施形態に適用されるならば、バルブカバーの排ガス出口下端より低い位置であって排ガス開口下端に直接隣接する位置に位置する気泡デフレクタの底部に吸水路を設ければよい。この吸水口は、気泡デフレクタを通って移動する排出ガスへ働く如何なるサイフォン効果をも防止する。
【0028】
図1はスキューバ機材用のガス排気システムを示す。排気弁はガスがシステムから出る開口を覆っている。排気弁は円形であり、排気が取る経路の方向は矢印Bによって示されている。システム外側の水は、矢印Aの方向に移動する。ガスがシステムから排出されると、マイナス記号によって示されるようにガスは頂部(圧力が最も低いところ)で排出される。水は気泡とともに上方へ移動し、排気弁の外側に水の層流を引き起こす。この水の層流は、排気弁下部のシール端を捕らえ、排気弁の漏水の原因となる。その上、水は、引き起こされた流れにより、排気弁の下端を通ってシステム内に入る。
【0029】
図2は、10で示すスキューバシステムの実施形態を示す。システム10は排気弁26と排気口32を含む。その上、排気弁26は、通常弁が円形であるので、上部シール端28と下部シール端30を有し、通常上下のシール端がある。当然のことながら、必要に応じて、上部シール端および/または下部シール端を備えた構成を含み、これに限定されない他の構成であってもよい。ガスは矢印Bによって示されるように圧力によってシステムから排出される。これにより水は矢印Aによって示される方向に流れ、ガスは気泡16としてシステムから抜け出る。
【0030】
また、システム10は排気弁26の下部シール端30から離れる水流を方向付ける突起50を含む。この様に、水が下部シール端30または排気弁26の他の部分を通ってシステムに入る可能性を低減するように、水流は排気弁26周辺で方向付けられる。その上、円形の突起は56で示されるように弁の端を囲繞している。突起50は、水が排気弁26の上部シール端28を通ってシステムに入る可能性を低減する。
【0031】
図3は、60で示すスキューバ機材用のガス排気システムの他の実施形態を示す。システム60は排気弁26の他、レギュレータハウジング22と、ダイアフラム24とを含む。この実施形態では、排気弁26は円形であり、上部シール端28と下部シール端30とを含む。シール端は、ガスが排気口32を通ってシステムから出ることを可能とするように構成される。顔を前方に向けたこの前向き位置においては、排気弁全体がガスポケット内で作動している。これは、弁外側の圧力を低減し、弁が開きおよび/または作動することをより容易にする。
【0032】
また、システム60は気泡デフレクタ40を含む。気泡デフレクタ40は、排気弁26の外側に隣接するガスポケット44を形成するフード52を含む。排出弁がこれに対抗する水を有する代わりに、ガスポケット内に配設されるので、このガスポケットは、より小さな抵抗で排気弁を操作することを可能とし、システムから出るガスのフリーフロー状態がより起こり難くなるように、排気弁の内側と外側との間で圧力を均一にする。より多くのガスがシステムから出ると、ガスがシステムから出るようにフード52の周辺から追い出される。その上、気泡デフレクタ40は、気泡をマスクおよび/またはユーザの視覚から遠くに排出するように構成されている。吸水口孔42を通って入ることが可能な水流は、排気弁を横切る水の層流となって、サイフォン効果またはフリーフロー状態を防止する。
【0033】
この場合もシステム60は、突起50,56を含み、水が円形弁の上部シール端28または下部シール端30および弁座を通過して排気弁26を通ってシステムに入る可能性を低減するように、排気弁26の周辺の水を方向付ける。突起50,56は、水が円形ゴム弁の端に向かって直接流れてシール端を通ってシステムに入ることのないように、排気弁シール端プロテクタを作成する。
【0034】
図4は排ガスシステム60を異なる方向で示す。この場合もシステム60は排気弁26の他、レギュレータハウジング22と、ダイアフラム24とを含んでいる。その上、システム60は、システムから出る矢印Bによって示されるガスによってポケット44を作り出すフード52を含む気泡デフレクタ40を同様に含んでいる。排出ガスによって作り出された圧力は、ガスが排気口32を通ってシステムから出るときに、排気弁26の頂部シール端28を強制開口する。
【0035】
他の通常の位置、つまり幾分下を向いた位置においてもまだ、排気弁の上半は、抵抗を小さくするガスポケット内で作動可能である。この様にフード52によって、ガスポケット44が排気弁26の上部シール端28の周辺圧力を均等化する構造が可能となっている。この構成は、システムから出るガスのフリーフロー状態が発生する可能性を低減する。その上、この構成は、水がシステムに入る可能性を低減し、システムから出るガスのフリーフローが生じる可能性を低減するように、排気弁26周辺の水を方向付ける。水流の向きは矢印Aにより示されている。
【0036】
Bで表される方向矢印によって示されるように、ガスがシステムから出ると、ポケット44が形成され、ガスは気泡16として気泡デフレクタ40を通ってシステムから出る。この構成では、水が排気弁26を通ってシステムに入る可能性が低くなる。その上、この構成は、排気弁を操作する抵抗を小さくし、ガス排気弁26の外側周辺の水のサイフォン効果によって引き起こされる、システムから出るガスのフリーフローの可能性を低減する。
【0037】
図5は実施形態に係るスキューバ機材用のガス排気システム70の斜視図を示す。システム70は、システムが適切に機能することを可能とするために、水が気泡デフレクタ72に入ることを可能とする吸水口74を含む気泡デフレクタ72を含む。気泡デフレクタ72は、先の実施形態のようにフード(図示せず)を含み、ガスポケットは上述した効果を促進するように形成される。またシステム70は、排ガス出口78を順に含むバルブカバー76を含む。またシステム70は、この実施形態では、レギュレータ84へのシステムの装着と接続を容易にするために排気弁座82に結合される円形のゴム排気弁80を含む。これは、ここに説明するシステムの1つの実施形態であり、システムの残りの要素と空間的関係を持つ排ガス出口78および吸水口74の位置と方向を示している。
【0038】
図6は90で示すスキューバ機材用排気システムの他の実施形態を示す。システム90は、レギュレータハウジング94、排気弁26、および排気口32を含む。この実施形態でもやはり、円形の排気弁26は上部シール端28と下部シール端30とを含む。システム90は、水がバルブカバー54に入るのを可能とする吸水口92,93を含むバルブカバー54を含む。ガスがシステムから出るとき、吸水口92,93からの水流は、排気弁26の外側周辺の水流の向きを再方向付けるだけでなく、この場合もシステムから出るガスのフリーフロー状態の可能性を低減するポケット96を作り出す。また、水の再方向付けは、水が排気弁26のシール端を通ってシステムに入る可能性を低減し、システムからガスがフリーフローする可能性を低減する。
【0039】
システム90は気泡デフレクタ46を含み、これはシステムから出るガスを補助する。この実施形態でも、ガスポケットが上で概説した目的を達成するような構成を含む。排気は排ガス出口34を通って気泡デフレクタ46の外側へとシステムから出る。また、システム90は、この場合も水が円形の排気弁26の下部シール端30と上部シール端28とをそれぞれ通ってシステムに入る可能性を低減する円形の突起50,56を含む。
【0040】
図7は、図6に示されたシステム90におけるガスの流れと水の流れとを示す。ガスはBで示される方向矢印によって示されるようにシステムから出て、ポケット96を形成する。ガスは、フード58の構成によりポケット96内に蓄積され、次に、排ガス出口34を通ってバルブカバー54から出る。
【0041】
この構成は、システム周辺の水流を方向矢印Aによって示すように変える。水は、吸水口92,93を流れ、次に、排ガスポケット96に突き当たって排ガス出口34を通ってシステムを出、気泡デフレクタ46を通ってシステムの外側に気泡16を運び出す。この構成もまた、排出ガスシステムの内側と外側との間で圧力を均等にする。更に、水が排気弁26を通ってシステムに入る可能性を低減する上、水弁26を横切る水流を方向付けることによって、サイフォン効果の発生する可能性を低減する。この構成はまた、システムから出るガスにフリーフローが生じる可能性を低減する。
【0042】
図8は、100で示すスキューバ機材用排ガスシステムの他の実施形態を示す。この実施形態では、システム100は、円形のゴム排気弁26と排気口32とを含む。この場合も排気弁26は、上部シール端28と下部シール端30とを含む。システム100は、水が下部シール端30を通ってシステムに入る可能性を低減するように、排気弁26周辺の水流を変える円形の突起98を含む。水は吸水口104を通ってシステムに入る。システム100は、水が上部シール端28を通ってシステムに入る可能性を低減するように、排気弁26周辺の水流を変える円形の突起99を含む。排気弁26の外側周辺の水流を変える突起が含まれるような他の構成が利用されてもよい。ここでもガスは、Bで示される方向矢印によって示されるようにシステムを出て、排気弁における水の層流を作り出すと共に、ポケット106を作成する。これは、システムの内側と外側との間で圧力を均一にして、排気弁26に隣接する水流を変える。これは、サイフォン効果が起こる可能性を低減し、システムから出るガスにフリーフローが起こる可能性を低減するように、排気弁26に対して、方向矢印Aによって示される水流を変える。次にガスは、気泡デフレクタ102を通って気泡16としてシステムから出る。圧力を均一にするためにエアポケットを作成し、および/または、所望の結果を得るために排気弁26周辺の水流の向きを変えるような、多くの構成の気泡デフレクタ102が利用されてもよい。
【0043】
排気弁26周辺の水を方向付ける手段は、突起、フード、およびここに開示されたバルブカバーを含む。更にまた、水を方向付ける手段は、この明細書で明らかにされた他のすべての構成と実施形態を含む。
【0044】
排気弁に隣接するポケットを作成する手段は、フード、およびここに説明され示されたバルブカバーを含む。更に、排気弁に隣接するポケットを作成する手段は、ここに開示された他のすべての構成を含む。
【0045】
気泡デフレクタは、硬質ゴム、プラスチック、またはその他の材料で作られる。排気弁26はゴム、金属、硬質プラスチック、または他の材料から作られる。システムの他の部分は、望ましくは、射出成型されたゴム、プラスチック、金属、および他の材料、更にこれらの組み合わせから作られる。
【0046】
最後に、ここに説明された実施形態は本発明の原理を例示するものであることが理解されよう。発明の範囲内で、他の変形実施例を採用することもできる。このように、一例であって非限定的な手段として、代替的な構成が本教示にしたがって利用されてもよい。従って、図と発明の詳細な説明は例示であってこれらに限定することを意図するものではない。
【0047】
特定の実施形態に関して本発明を説明してきたが、本発明の追加的変更が発明の思想から逸脱することなく施されうることが認められよう。
【産業上の利用可能性】
【0048】
物を提供することが本発明の目的である。本発明のこれらおよび他の、物、効果、および産業上の利用可能性は、付属する明細書および図面の再考から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】従来技術空気排気システムの平面図である。
【図2】実施形態による空気排気システムの平面図である。
【図3】前向きの位置に示される、他の実施形態による空気排気システムの平面図である。
【図4】下向きの位置に示され、システム周辺の水と空気の流れを示して図3に示す実施形態の空気排気システムの平面図である。
【図5】他の実施形態による空気排気システムの分解立体図である。
【図6】他の実施形態による空気排気システムの平面図である。
【図7】システム周辺の水と空気の流れを示して図6に示す実施形態の空気排気システムの平面図である。
【図8】他の実施形態による空気排気システムの平面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスクと、
前記マスクに接続されるように構成された水中呼吸用レギュレータと、
空気調整システムとを備え、
前記空気調整システムは、ハウジングと、前記ハウジングに接続する排気弁と、前記排気弁に対する空間的な突起とを備え、前記突起は、前記排気弁を通って前記レギュレータに流入する水量を低減するように構成されたことを特徴とする水中用空気/ガス排気システム。
【請求項2】
前記排気弁に隣接する気泡デフレクタを更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の水中用空気/ガス排気システム。
【請求項3】
前記気泡デフレクタは、前記排気弁の外側に隣接してガスポケットを形成するように構成されたフードを備えたことを特徴とする請求項2に記載の水中用空気/ガス排気システム。
【請求項4】
前記気泡デフレクタは、前記排気弁の外側に隣接してガスポケットを形成するように構成されたバルブカバーを備えたことを特徴とする請求項2に記載の水中用空気/ガス排気システム。
【請求項5】
前記気泡デフレクタは、吸水口を備えたことを特徴とする請求項1に記載の水中用空気/ガス排気システム。
【請求項6】
レギュレータのハウジングと、
前記ハウジングに接続される排気弁と、
前記排気弁に隣接する気泡デフレクタとを備え、
前記気泡デフレクタは、前記排気弁の外側に隣接してエアポケットを形成するように構成されたことを特徴とする水中呼吸用レギュレータ用の排気システム。
【請求項7】
前記排気弁に隣接し、前記排気弁の端から離れる水流を方向付けるように構成された突起を更に備えたことを特徴とする請求項6に記載の水中用空気/ガス排気システム。
【請求項8】
前記気泡デフレクタは、前記排気弁の外側に隣接してガスポケットを形成するように構成されたフードを備えたことを特徴とする請求項6に記載の水中用空気/ガス排気システム。
【請求項9】
前記気泡デフレクタは、前記排気弁の外側に隣接してガスポケットを形成するように構成されたバルブカバーを備えたことを特徴とする請求項6に記載の水中用空気/ガス排気システム。
【請求項10】
前記気泡デフレクタは、吸水口を備えたことを特徴とする請求項6に記載の水中用空気/ガス排気システム。
【請求項11】
レギュレータハウジングと、
前記ハウジングに接続され、上部シール端および下部シール端を含む排気弁と、
前記排気弁に隣接する気泡デフレクタとを備え、
前記気泡デフレクタは、
前記排気弁に隣接してエアポケットを構成するように構成されたフードと、
前記排気弁および前記エアポケットを横切る水流を方向付ける吸水口と、
前記シール端のそれぞれに隣接し、水が前記シール端を通って前記システムに流入する可能性を低減するように構成された突起と
を備えたことを特徴とする水中呼吸用レギュレータに用いるガス排気システム。
【請求項12】
レギュレータハウジングと、
前記レギュレータハウジングに接続された排気弁と、
前記排気弁の外側周辺の水流を方向付ける手段と
を備えたことを特徴とするガス排気システム。
【請求項13】
前記水流を方向付ける手段は、前記排気弁の前記外側に隣接してガスポケットを形成する手段を備えたことを特徴とする請求項12に記載のガス排気システム。
【請求項14】
前記水流を方向付ける手段は、前記排気弁の端から離れる流れを方向付けるように構成された一般的な円形の突起を備えたことを特徴とする請求項12に記載のガス排気システム。
【請求項15】
レギュレータハウジングと、
前記レギュレータハウジングに接続する排気弁と、
前記排気弁に隣接するエアポケットを作り出す手段と
を備えたことを特徴とする水中呼吸用レギュレータ用のガス排気システム。
【請求項16】
前記排気弁のシール端から離れる水流を方向付けるように構成された突起を更に含むことを特徴とする請求項15に記載のガス排気システム。
【請求項17】
前記エアポケットを作り出す手段は、前記排気弁の外側に隣接してガスポケットを形成するように構成されたフードを備えたことを特徴とする請求項15に記載のガス排気システム。
【請求項18】
前記エアポケットを作り出す手段は、前記排気弁の外側に隣接してガスポケットを形成するように構成されたバルブカバーを含むことを特徴とする請求項15に記載のガス排気システム。
【請求項19】
レギュレータハウジングと、
前記ハウジングに接続された円形の排気弁と、
前記排気弁に隣接するバルブカバーとを備え、
前記バルブカバーは、前記排気弁に隣接してガスポケットを形成するように構成されたことを特徴とするガス排気システム。
【請求項20】
前記排気弁に隣接し、前記排気弁の端から離れる水流を方向付けるように構成された一般的な円形の突起を更に備えたことを特徴とする請求項19に記載のガス排気システム。
【請求項21】
水中呼吸用ガス排気弁に水が流入し、前記水中呼吸用ガス排気弁から空気が自由に流れ出る可能性を低減する方法であって、
排気弁を含む、スキューバの空気排気システムを提供するステップと、
前記排気弁の外側に対して水流を方向付けるステップと
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項22】
前記水流を方向付けるステップは、前記排気弁に隣接してガスポケットを形成することを備えたことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記水流を方向付けるステップは、前記排気弁の端から離れる水流を方向付けることを備えたことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項24】
スキューバのガス排気システムから空気が自由に流れ出る可能性を低減する方法であって、
排出ガス弁を含む、スキューバの空気排気システムを提供するステップと、
前記排気弁に隣接するガスポケットを作り出すステップと
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項25】
前記排気弁の端から離れる水流を方向付けるステップを更に備えたことを特徴とする請求項24に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2007−533551(P2007−533551A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−509445(P2007−509445)
【出願日】平成16年7月12日(2004.7.12)
【国際出願番号】PCT/US2004/022630
【国際公開番号】WO2005/108204
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(503251329)カービー・モーガン・ダイブ・システムズ・インコーポレイテッド (4)
【氏名又は名称原語表記】KIRBY MORGAN DIVE SYSTEMS, INC.