説明

水中運動療法用スイミング補助具

【課題】 水浮揚性の優れた素材をもつ単独気泡スポンジゴム等で出来たフロートジャケット本体を背中の上半身に、左袖固定部面ファスナーを固着した左肩固定袖部と右袖固定部面ファスナーを固着した右肩固定袖部をフロートジャケット本体の袖固定部止め部面ファスナーに咬合し、背中にフロートジャケット本体を着用した水中運動療法用スイミング補助具を提供する。
【解決手段】 水浮揚性の優れた素材をもつ単独気泡スポンジゴム等で出来たフロートジャケット本体の上部中央部面に後部首支え部を設ける。フロートジャケット本体の表面には正面凹部を設け、その上部面には首正面凹部を設ける。フロートジャケット本体上部の左右面に左袖固定部面ファスナーを固着した左肩固定袖部と右袖固定部面ファスナーを固着した右肩固定袖部を設け、フロートジャケット本体の下部面に袖固定部止め部面ファスナーを固着したことを特徴とする水中運動療法用スイミング補助具である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水浮揚性の優れた素材をもつ単独気泡スポンジゴム等で出来たフロートジャケット本体を背中の上半身に、左袖固定部面ファスナーを固着した左肩固定袖部と右袖固定部面ファスナーを固着した右肩固定袖部をフロートジャケット本体の袖固定部止め部面ファスナーに咬合し、背中にフロートジャケット本体を着用した水中運動療法用スイミング補助具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、空気を入れた浮き具方式の手や足並びに首回り等に風船のような浮き具はあった。またフロート部材との構成でベルトなどに固定しウエストフロート式水泳の補助具等もあった。更に全身を包むウエットスーツを着用し身体の腰回りにフロートを着けた補助具もあった。また救命具のようなライフジャケット方式の浮き具などもあった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
その為には、次のような問題点があった。
(イ)空気を入れて膨らます風船タイプの浮き具は手足首などに巻き付ける補助具な為、手足など自由に水の抵抗を利用して運動する効果をさまたげてしまう欠陥があった。
(ロ)腰周りにフロートを着ける浮き具方式は、水面に身体全体が浮くようにして水面に浮いた状態での運動効果をさまたげ、単に水に立った状態でになるため、両手両足の身体の自由の効かない身体障害者には背面フロートが出来ない欠点があった。
(ハ)全身を包むウエットスーツは、効力は高いが、身体障害者の方には着脱の不便があり、またウエストにフロートを固定するなど、使用者を限定する等の欠点がある。
(ニ)救命具タイプのフロートは前面腹部に位置する浮力体であり、プール等の静かな水使用の運動を要求する背面式水面運動には向かない欠点がある。
本発明は、これらの問題点を解決する為になされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
水浮揚性の優れた素材をもつ単独気泡スポンジゴム等で出来たフロートジャケット本体の上部中央部面に後部首支え部を設ける。フロートジャケット本体の表面には正面凹部を設け、その上部面には首正面凹部を設ける。フロートジャケット本体上部の左右面に左袖固定部面ファスナーを固着した左肩固定袖部と右袖固定部面ファスナーを固着した右肩固定袖部を設け、フロートジャケット本体の下部面に袖固定部止め部面ファスナーを固着する。以上を特徴とする水中運動療法用スイミング補助具である。
【発明の効果】
【0005】
水中運動療法は身体障害者の様々な患者に有効性を見い出している現状の中で脳性麻痺者や脳硬塞患者等の歩行困難者や、術後回復者、難病指定患者などの低体力者に対して水中療法はロコモーション改善だけでなく、障害を呈する部分(患則部)が機能を取り戻す等の成果を得ている。水というエレメントを利用することによって陸上での運動とは違った効果が獲得されそれに伴う筋肉系及び神経系の活躍が要因で水面に浮いた状態での運動が安全かつ効果的である。水の抵抗は身体にやさしい負荷を与えてくれます。掌で水を早くかくと重たく、ゆっくり水をかくと軽く、手足も同様です。陸上では体重の約4倍の負担度が係るといわれ、水中では体重が10分の1になります。また水の中に入ると身体は水圧を受け水圧が血液循環をスムーズにして血液の流れをよくし、酸素を全身に送り心臓の働きが活発になる等水中運動による水中療法はその効果を発揮します(からだにやさしい水中運動より一部引用)。ゆえに身体の困難な障害者の水中運動においては、手足や胸部に余分な浮き具などを用いず、背面式フロートによる自由な動きで水面に浮いた状態でバランスよく運動でき、安定性のある水中運動療法をする事が出来極めて安全である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施に形態について説明する
(イ)水浮揚性の優れた素材をもつ単独気泡スポンジゴム等で出来たフロートジャケット本体(1)の上部中央部面に後部首支え部(2)を設ける。
(ロ)フロートジャケット本体の表面には正面凹部を設け、その上部面には首正面凹部を設ける。
(ハ)フロートジャケット本体(1)上部の左右面に左袖固定部面ファスナー(6)を固着した左肩固定袖部(4)と右袖固定部面ファスナー(7)を固着した右肩固定袖部(3)を設ける。
(ニ)フロートジャケット本体(1)の下部面に袖固定部止め部面ファスナー(5)を固着する。
本発明は以上のような構成で、これを使用するときは、背中の上半身にフロートジャケット本体(1)をあて左袖固定部面ファスナー(6)を固着した左肩固定袖部(4)と右袖固定部面ファスナー(7)を固着した右肩固定袖部(3)をフロートジャケット本体(1)の下部面に袖固定部止め部面ファスナー(5)を固着し、プール等の水面に入るときは背面状態で静かに身体を水平に伸ばし、本発明と一体になってフロートの浮揚力に任せゆったりと身体を水面に浮かべ、水中運動を始める。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】 本考案の斜視図
【図2】 本考案の正面を示す斜視図
【図3】 本考案の正面使用状態を示す斜視図
【図4】 本考案の背面使用状態を示す斜視図
【図5】 本考案の左側面使用状態を示す斜視図
【図6】 本考案の実施状態を示す斜視図
【符号の説明】
【0011】
1 フロートジャケット本体
2 後部首支え部
3 右肩固定袖部
4 左肩固定袖部
5 本体止め部面ファスナー
6 左袖固定部面ファスナー
7 右袖固定部面ファスナー
8 正面凹部
9 首正面凹部
10 背中
11 療法者
12 水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水浮揚性の優れた素材をもつ単独気泡スポンジゴム等で出来たフロートジャケット本体の上部中央部面に後部首支え部を設け、フロートジャケット本体の表面には正面凹部を設け、その上部面には首正面凹部を設けフロートジャケット本体上部の左右面に左袖固定部面ファスナーを固着した左肩固定袖部と右袖固定部面ファスナーを固着した右肩固定袖部を設け、フロートジャケット本体の下部面に袖固定部止め部面ファスナーを固着したことを特徴とする水中運動療法用スイミング補助具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2009−39487(P2009−39487A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−229533(P2007−229533)
【出願日】平成19年8月7日(2007.8.7)
【出願人】(304029125)