説明

水処理システム

【課題】停電が発生した場合であっても、水質の低下した処理水を供給することのない水処理システムを提供する。
【解決手段】水処理システム1は、原水が流れる原水ラインL1と、原水ラインL1に接続され、原水ラインL1から供給される原水に所定の処理を施して処理水を製造する水処理装置10と、水処理装置10に接続され、処理水が流れる処理水ラインL2と、水処理装置10の処理能力を再生させる再生処理を行う再生装置と、所定のタイミングで再生装置を駆動させて再生処理を行わせる制御装置35と、を備える水処理システム1において、制御装置35は、停電から復帰した際に、停電中に再生処理を行うタイミングが到来していたか否かを判定する判定工程を実施し、停電中に再生処理を行うタイミングが到来していた場合には、再生装置に再生処理を行わせるように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原水に対して所定の水処理を施して水使用機器に処理水を供給する水処理システムに関し、特に、水処理装置の処理能力を再生させる再生装置を備えた水処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、蒸気ボイラ、温水ボイラ及びクーリングタワー等の熱機器や、半導体製造で用いられる部品洗浄装置、医療現場で用いられる医療器具洗浄装置等、大量の水を使用する水使用機器が従来から広く使用されている。
【0003】
これらの水使用機器においては、工業用水や水道水、井戸水等の原水をそのまま使用すると、不純物の付着、スケールの発生、腐食の発生などによって、所定の性能が得られないだけでなく、機器自体が故障したりするおそれもある。このため、従来は、濾過装置、軟水装置、膜濾過装置の水処理装置によって原水を処理し、処理後の処理水を水使用機器に供給している。
【0004】
このような水処理装置を有する水処理システムは、例えば、下記特許文献1,2に開示されている。ここで、水処理装置を使用し続けると、濾過物質等が装置内に蓄積し、水処理能力が低下してしまうので、定期的に水処理装置の処理能力を再生させるための再生処理を行う必要がある。
【0005】
下記特許文献1,2の水処理システムにおいては、水処理装置である濾過装置(除鉄除マンガン装置)の濾材の再生のために、定期的に逆洗浄工程と水洗工程を行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−190973号公報
【特許文献2】特開2009−112921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、濾過装置では、一般的に一日一回の再生処理を行う前提で濾材の容量(除去能力)が選定されることが多い。したがって、停電によって水処理システムが停止している間に再生処理を行うべきタイミング(再生時刻)が経過し、その後停電から復帰すると、次の再生時刻までは除去能力の不足した濾材により処理水が製造され、水質の低下した処理水が供給される可能性がある。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、停電が発生した場合であっても、水質の低下した処理水を供給することのない水処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係る水処理システムは、原水が流れる原水ラインと、原水ラインに接続され、原水ラインから供給される原水に所定の処理を施して処理水を製造する水処理装置と、水処理装置に接続され、処理水が流れる処理水ラインと、水処理装置の処理能力を再生させる再生処理を行う再生装置と、所定のタイミングで再生装置を駆動させて再生処理を行わせる制御装置と、を備える水処理システムにおいて、制御装置は、停電から復帰した際に、停電中に再生処理を行うタイミングが到来していたか否かを判定する判定工程を実施し、停電中に再生処理を行うタイミングが到来していた場合には、再生装置に再生処理を行わせるように制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る水処理システムによれば、停電中に再生時刻が経過していた場合には停電復帰時に再生処理を行うことで、停電が発生した場合であっても、水質の低下した処理水を供給するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本実施形態に係る水処理システムの構成を概略的に示す模式図である。
【図2】図2は、本実施形態に係る停電復帰時の再生要求判定処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】図3は、本実施形態に係る停電復帰時の再生要求判定処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】図4は、本実施形態に係る停電復帰時の再生判断処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る水処理システムについて説明する。図1は、本実施形態に係る水処理システムの構成を概略的に示す模式図である。
【0013】
図1に示すように、水処理システム1は、原水ラインL1、濾過装置10、処理水ラインL2、処理水タンク15、処理水給水ラインL3、逆洗水供給ラインL5、処理水ブローラインL6、薬剤添加装置25、水質計30、流量計31、制御装置35を備えている。
【0014】
原水ラインL1は、地下水や水道水等の水供給源に接続されており、これらを原水として水処理システム1に供給する。原水ラインL1には、原水ポンプ5、原水バルブ6が設置されており、原水ポンプ5は、原水を濾過装置10に向けて送出し、原水バルブ6は、原水ラインL1を開閉する。
【0015】
濾過装置10は、原水ラインL1の下流側に接続され、内部に濾材を有する濾過塔11と、コントロールバルブ12と、排水ラインL4とを備え、濾材を定期的に洗浄して濾材の処理能力を再生させる再生処理を実施するように構成されている。濾過装置10は、除鉄除マンガン装置であり、原水に含まれる微粒子等の懸濁物質と共に、溶存鉄及び溶存マンガンを濾材により捕捉して除去することで処理水を製造する。濾材には、通常、粒子状のマンガンシャモットやマンガンゼオライトが使用される。
【0016】
コントロールバルブ12は、濾過塔11に対して流入又は流出する水(原水、処理水、濾材洗浄時の逆洗水や濯ぎ水等)の流路の切り替えを制御するバルブである。排水ラインL4は、コントロールバルブ12に接続されており、濾材洗浄時の逆洗水や濯ぎ水が排水ラインL4から系外へと排出される。
【0017】
処理水ラインL2は、濾過装置10の下流側に接続されており、濾過装置10によって製造された処理水がコントロールバルブ12から処理水ラインL2へと供給される。処理水ラインL2には、処理水通水バルブ14が設置されており、処理水通水バルブ14は、処理水ラインL2を開閉する。
【0018】
処理水ブローラインL6は、処理水通水バルブ14の上流側で処理水ラインL2に接続されており、濾過塔11内の滞留水を所定のタイミングで所定の時間系外に排出する、すなわち処理水ブローを実施する際に使用される。処理水ブローラインL6には、この処理水ブローラインL6を開閉するための処理水ブローバルブ24が設置されている。
【0019】
処理水タンク15は、処理水ラインL2の下流側に接続され、処理水ラインL2を介して導入された処理水を貯留する。処理水タンク15は、処理水を貯留するタンク本体16と、タンク本体16に貯留されている処理水の水位Hを測定するための水位計17を備えている。
【0020】
処理水給水ラインL3は、処理水タンク15の下流側に接続され、処理水タンク15内に貯留されている処理水は、処理水給水ラインL3を介して外部の水使用機器に供給される。処理水給水ラインL3には、処理水を送り出すための処理水給水ポンプ20が設置されている。
【0021】
逆洗水供給ラインL5は、上流側が処理水タンク15に接続され、下流側は原水バルブ6と濾過装置10との間で原水ラインL1に接続されている。逆洗水供給ラインL5には、逆洗水供給ポンプ21と逆洗バルブ22が設置されている。濾過装置10の再生処理時の逆洗水がこの逆洗水供給ラインL5を介して濾過装置10へと供給される。
【0022】
薬剤添加装置25は、原水ポンプ5と原水バルブ6との間において原水ラインL1に接続されており、濾過装置(除鉄除マンガン装置)10における懸濁物質の捕捉を補助するための酸化剤(例えば、次亜塩素酸ナトリウム)を原水に添加する。薬剤添加装置25は、薬剤を貯留する薬剤貯留部26と、薬剤を原水ラインL1に送り出すための薬剤添加ポンプ27とを有している。
【0023】
水質計30は、処理水ブローラインL6の分岐点よりも上流側において処理水ラインL2と接続されており、処理水ラインL2を流れる処理水の水質(例えば、濁度、色度、残留塩素濃度、硬度、電気伝導度等)を計測する。流量計31は、水質計30と処理水ブローラインL6の分岐点との間において処理水ラインL2と接続されており、処理水ラインL2を流れる処理水の流量を計測する。
【0024】
制御装置35は、原水ポンプ5、原水バルブ6、コントロールバルブ12、処理水通水バルブ14、処理水給水ポンプ20、逆洗水供給ポンプ21、逆洗バルブ22、処理水ブローバルブ24、薬剤添加ポンプ27と接続されており、上述した機能等を実現するために、これらの駆動を制御する。また、制御装置35は、水位計17、水質計30、流量計31と接続されており、これらの計測データを受信する。
【0025】
制御装置35は、各種演算を行う演算回路36、RAM(Random Access
Memory)37aを含むメモリ37、計時回路であるRTC(Real Time Clock)38、停電時におけるRAM37a及びRTC38のバックアップ電源として機能する電池39を備えている。
【0026】
ここで、制御装置35は、濾過装置10の処理能力を再生させる再生処理を定期的に行うように設定されている。具体的には、制御装置35は、毎日同じ時刻に濾過装置10の再生処理を行うと共に、所定の曜日(例えば、週末の土曜日、日曜日)には再生を休むよう週単位で再生処理を行うように設定されている。この再生処理設定は、メモリ37内に保存されている。
【0027】
また、濾過装置10の再生処理においては、制御装置35の制御により、逆洗浄工程→水洗工程の一連の再生処理が行われる。逆洗浄工程においては、処理水タンク15内の処理水が逆洗水として逆洗水供給ラインL5を介して濾過装置10に供給され、濾材によって捕捉された懸濁物質等が逆洗水と共に排水ラインL4から系外へと排出される。
【0028】
また、水洗工程においては、逆洗浄された濾材を濯ぐために原水ラインL1から原水が濯ぎ水として濾過装置10に供給され、濾材を濯いだ濯ぎ水が排水ラインL4から系外へと排出される。また、再生処理時に濾過塔11に対して流入又は流出する水の流路の切り替えは、制御装置35がコントロールバルブ12を制御することで実現される。
【0029】
よって、本実施形態において、濾過装置10の再生処理を行う再生装置には、原水ラインL1、逆洗水供給ラインL5、排水ラインL4及びコントロールバルブ12等が相当することになる。
【0030】
また、制御装置35は、所定の時間毎にRTC38から取得した現在時刻をメモリ37に記録するように制御する。この現在時刻の記録は、停電中には演算回路36等に電源が供給されないため行われない。また、停電中、RAM37aには電池39から電源が供給されている。よって、停電から復帰したとき、停電発生時刻がメモリ37に記録されていることになる。
【0031】
以上、本実施形態に係る水処理システム1の構成について詳細に説明したが、続いて、停電から復帰した際の水処理システム1における処理の流れについて図2乃至図4に基づいて説明する。図2及び図3は、本実施形態に係る停電復帰時の再生要求判定処理の流れを示すフローチャートである。図4は、本実施形態に係る停電復帰時の再生判断処理の流れを示すフローチャートである。
【0032】
なお、以下の停電復帰時の処理は、停電から復帰した際に、通常の給水処理を開始する前に実施される。また、以下の各処理は、制御装置35において、演算回路36がメモリ37に格納されている各種プログラムを実行することで実現される。
【0033】
まず、図2及び図3を参照しながら、停電から復帰した際の再生要求判定処理に関して説明する。S10において、制御装置35は、RAM37aに記録されている現在時刻を停電が発生した停電発生時刻として、メモリ37のワークエリアに保存する。
【0034】
続いて、S11において、所定の基準時刻(例えば、2000年1月1日0時0分0秒)から停電発生時刻までの経過秒数を算出し、停電発生時間として、メモリ37のワークエリアに保存する。続いて、S12では、停電発生時刻に基づいて、停電が発生した日の曜日を算出し、停電発生曜日として、同じくメモリ37のワークエリアに保存する。
【0035】
次に、S13では、制御装置35は、停電中もバックアップ電源により計時を行っていたRTC38から現在の時刻を取得して、停電復帰時刻としてワークエリアに保存する。S14では、所定の基準時刻から停電復帰時刻までの経過秒数を算出し、停電復帰時間として、メモリ37のワークエリアに保存する。
【0036】
次に、S15では、メモリ37のワークエリアに保存されている停電復帰時間から停電発生時間を減算して、停電していた時間である停電中時間を算出する。S16では、この停電中時間から停電日数を算出し、メモリ37のワークエリアに保存する。なお、停電日数の算出に際しては、8日を最大値とし、停電日数が9日以上となったとしても8日として保存する。
【0037】
これは、本実施形態では、曜日を基準にして一週間周期で再生処理時刻の設定が行われており、一週間分の曜日について停電中に再生処理を行うべきタイミング(再生時刻)が到来していたか否かを判定すれば十分だからである。但し、停電発生日の曜日については、停電発生日には再生処理が実施されていても、翌週の同一曜日に再生処理が行われないまま停電が継続している場合もあるため、最大値を8日としている。
【0038】
次に、S17では、所定の基準時刻から、停電発生日の再生処理を行うべき設定時刻である停電発生日再生時刻までの経過秒数を算出し、停電発生日再生時間として、メモリ37のワークエリアに保存する。
【0039】
続いて、図3のS20では、変数iをi=0と設定する。S21では、上述したS12で算出された停電発生曜日を参照して、停電i日目の曜日を算出する。S22では、この算出した曜日に基づいて、停電i日目が再生処理を行う予定日である再生許可日であるか否かが判定される。上述したように、本実施形態では、曜日毎に再生処理を行うべきか否か、すなわち、曜日毎に再生許可日と再生禁止日とが設定されているため、S22では、この設定に基づいて判定される。
【0040】
S22において、停電i日目が再生許可日であると判定された場合には、停電中に再生時刻が到来していた可能性があるため、S23に進み、再生許可日ではなく再生禁止日であった場合には、停電i日目に再生時刻が到来していた可能性は無いため、後述するS27へと進む。
【0041】
次に、S23では、「i=0」且つ「停電発生時間>停電発生日再生時間」であるか否かが判定される。すなわち、S23では、停電発生日(停電0日目)において、停電発生した時刻に、既にその日の再生時刻が過ぎていたか否かが判定される。
【0042】
S23で上記条件を満たす場合には、停電発生日については再生処理が終了しているとして、S27へと進む。一方、上記条件を満たしていない場合、すなわち、i=0でない場合、又は、停電0日目において、停電発生時刻にまだ再生時刻が到来していない場合には、S24へと進む。
【0043】
S24では、所定の基準時刻から停電発生i日目の再生時刻までの経過秒数である停電発生i日目再生時間を、「停電発生日再生時間+(86,400×i)」として算出する。すなわち、本実施形態では、同じ時刻に再生処理を行うとして、上記停電発生日再生時間にi日分の秒数を加算することで、停電発生i日目再生時間を算出する。
【0044】
続いて、S25に進み、「停電発生i日目再生時間<停電復帰時間」であるか否か、すなわち、停電発生i日目の再生時刻が、停電から復帰した時刻よりも先であるか否かが判定される。上記条件を満たす場合には、停電i日目の停電中に再生時刻が到来していたことになるため、S26へと進み、停電復帰時に再生処理を行うべく、停電中時刻再生要求がセットされ、制御装置35内のメモリ37に記録される。
【0045】
S26で停電中時刻再生要求がセットされると、続いて、S27へと進む。また、S25において、上記条件を満たさない場合には、そのままS27へと進む。S27では、i=i+1として、次の曜日が設定され、S28へと進む。
【0046】
S28では、iがS16で求めた停電日数未満であるか否かが判定される。停電日数未満である場合には、S21へと戻り、次の日について上記S21〜S28が繰り返される。一方、iが停電日数以上である場合には、全ての停電していた曜日について判定が終了したとして、再生要求判定処理を終了する。
【0047】
以上、停電復帰時の再生要求判定処理の流れについて説明したが、本処理によれば、停電中に本来行われるべきであった再生処理が行われなかったか否かを判定することができ、一度でも行われていなかった場合には、停電復帰時の再生処理を要求する停電中時刻再生要求がセットされることになる。
【0048】
続いて、図4を参照しながら、上記再生要求判定処理の結果に基づいた再生判断処理について説明する。制御装置35は、まず、S30において、上述した停電中時刻再生要求がメモリ37に記録されているか否かを判定する。停電中時刻再生要求が記録されていた場合には、S31に進み、記録されていなかった場合には、停電復帰時の再生処理を行うことなく終了する。
【0049】
S31では、停電復帰時の現在時刻が再生許可時間帯であるか否かが判定される。再生許可時間帯とは、上述した再生許可日であって、例えば工場が稼働している9〜17時等で設定される時間帯である。
【0050】
S31において、再生許可時間帯であると判定された場合には、S32に進み、制御装置35の制御により、直ちに再生処理が実施される。これにより、停電復帰時に除去能力の低い濾過装置10によって製造された水質の悪い処理水が水使用機器に対して供給されるのを防止することができる。
【0051】
S31において、再生許可時間帯でないと判定された場合には、再生処理を実施することができないため、S33へと進む。S33では、再生処理を行う代わりに、再生処理を行う必要があることを知らせる情報として、警告ランプを点灯させると共に、警告音をアラームとしてスピーカーから出力する。このようにアラームが出力された場合には、アラームに気付いたオペレータが、翌朝の処理水供給に先立って手動で再生処理を行わせれば、水質の悪い処理水の供給を防ぐことが可能である。
【0052】
以上、本実施形態について詳細に説明したが、本実施形態によれば、水処理システム1において、停電中に本来行われるべきであった再生処理が一度でも行われなかった場合には、停電復帰時に処理水の給水に先立って再生処理が行われることになるため、水質の低下した処理水を水使用機器に供給するといったことを確実に防止することができる。
【0053】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の実施形態は上述した形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。例えば、本実施形態では、S26において、停電中時刻再生要求がセットされた後にも残りの停電日がある場合には、再度、S21〜S28が繰り返されるように設定されているが、いったんS26において停電中時刻再生要求がセットされた場合には、そのまま再生要求判定処理を終了させるようにしても良い。
【0054】
また、上記実施形態においては、再生時刻を一週間周期で設定するようにしているが、5日周期、10日周期、一ヶ月周期等、適宜変更できるのは言うまでもない。また、再生時刻も日によって変えるようにしても良い。但し、この場合には、停電発生i日目再生時間の算出方法を適宜変更する必要がある。
【0055】
また、上記実施形態では、水処理装置として除鉄除マンガン装置(濾過装置)を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、活性炭濾過装置、砂濾過装置、軟水装置、膜ろ過装置(MF膜、UF膜)等、再生装置を伴う水処理装置であれば、他の水処理装置を有する水処理システムに対しても適用可能である。
【符号の説明】
【0056】
1 水処理システム
L1 原水ライン
5 原水ポンプ
6 原水バルブ
10 濾過装置
11 濾過塔
12 コントロールバルブ
L2 処理水ライン
14 処理水通水バルブ
15 処理水タンク
L3 処理水給水ライン
20 処理水給水ポンプ
L4 排水ライン
L5 逆洗水供給ライン
21 逆洗水供給ポンプ
22 逆洗バルブ
L6 処理水ブローライン
24 処理水ブローバルブ
25 薬剤添加装置
35 制御装置
36 演算回路
37 メモリ
38 RTC
39 電池

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原水が流れる原水ラインと、
前記原水ラインに接続され、前記原水ラインから供給される原水に所定の処理を施して処理水を製造する水処理装置と、
前記水処理装置に接続され、前記処理水が流れる処理水ラインと、
前記水処理装置の処理能力を再生させる再生処理を行う再生装置と、
所定のタイミングで前記再生装置を駆動させて再生処理を行わせる制御装置と、を備える水処理システムにおいて、
前記制御装置は、停電から復帰した際に、停電中に再生処理を行うタイミングが到来していたか否かを判定する判定工程を実施し、停電中に再生処理を行うタイミングが到来していた場合には、前記再生装置に再生処理を行わせるように制御することを特徴とする水処理システム。
【請求項2】
前記制御装置は、停電復帰時が前記再生処理を行うことのできる再生許可時間帯であるときには、前記再生装置を作動させて再生処理を行わせ、停電復帰時が再生許可時間帯でないときには、再生処理の代わりに再生処理を行う必要があることを知らせるための情報を出力するように制御することを特徴とする請求項1記載の水処理システム。
【請求項3】
前記制御装置は、計時回路と、メモリと、停電時に前記計時回路及び前記メモリのバックアップ電源として機能する電池と、を備え、
前記制御装置は、所定の時間間隔で前記計時回路から得られる時刻を前記メモリに記録するように制御し、停電復帰時には、前記メモリに記録されている時刻から停電発生時刻を取得するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の水処理システム。
【請求項4】
前記制御装置は、停電復帰時に、前記計時回路から現在時刻を取得し、当該現在時刻と前記停電発生時刻との間に再生処理を行う予定の時刻が含まれていた場合に、前記再生装置に再生処理を行わせるように制御することを特徴とする請求項3記載の水処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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