説明

水処理装置

【課題】 従来、水処理装置を使用する為には、水処理装置が使用される施設の水道管の配管を分岐し、分岐した一方の配管を水処理装置と接続する必要があった為、当該水処理装置を移動することができないという問題があった。
【解決手段】 水処理装置は、外部に形成された給水口から供給された水を受け、前記水処理装置内部に流入させる流入部21と、流入部21から供給された水に所定の処理を施す水処理機構24と、水処理機構24によって所定の処理を施された水を外部に排出する排出部22とを備えることとしている。この様な構成を有する水処理装置は、外部の給水口を流入部21によって受けて、その後、水処理装置内部に流入させるため、水処理装置を外部の給水口と接続する必要がなくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水処理装置としては、特許文献1に開示された水処理装置が知られている。
【0003】
【特許文献1】特開2004−290718公報
【0004】
特許文献1には、水槽内に立設され、周壁の一部に通水口が形成された筒状体と、前記筒状体の内部における前記通水口よりも下側に設けられた濾材と、濾過時に前記水槽内の水を前記筒状体内部の前記濾材の下方に供給し、該水を前記濾材を通過させてから前記通水口を通じて前記水槽に戻す水循環手段と、逆洗時に前記水槽内の水を前記通水口を通じて前記筒状体内に導入し、該水を前記濾材を通過させて前記濾材の下方から排出する排水手段とを備えている濾過装置が開示されている。
【0005】
特許文献1に記載された濾過装置は具体的には、濾過時に、水槽内の被処理水が濾材の下方に供給され、この被処理水は濾材の内部を上向きに流れることによって濾過される。濾過後の被処理水は、通水口を通じて筒状体から排出され、再び水槽内に戻される。水槽内に戻った被処理水は、再び筒状体内部の濾材の下方に供給され、濾材を通過することによって濾過される。このような循環動作により、水槽内の被処理水は浄化されていくこととしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述した濾過装置を使用する為には、当該濾過装置が使用される施設の周壁の一部に通水口が形成されていることが必要であった。具体的には、周壁の内部の水道管を分岐し、分岐した一方の配管を濾過装置と接続する必要があった為、当該濾過装置を移動することができないという問題があった。
【0007】
さらにこの様な濾過装置は、所定の箇所に固定して使用される物であった為、人目に付かない場所に設置されている場合が多く、特に外観について特別な処理を施される事がなかった。
【0008】
そこで、本発明はこの様な実情に鑑みてなされたものであり、容易に移動させることができ、付近に給水設備及び排水設備があれば容易に使用することができ、さらに水処理装置を使用する施設の雰囲気等に容易に馴染むことができる水処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する為に、本発明に係る水処理装置は、外部に形成された給水口から供給された水を受け、前記水処理装置内部に流入させる流入手段と、前記流入手段から供給された水に所定の処理を施す水処理手段と、前記水処理手段によって所定の処理を施された水を外部に排出する排出手段とを備えたことを特徴としている。
【0010】
この構成によれば、外部の給水口を流入手段によって受けて、その後、水処理装置内部に流入させるため、水処理装置を外部の給水口と接続する必要がなくなる。さらに、本発明にかかる水処理装置は、前記水処理装置を移動させる移動手段を備えることを特徴としている。この構成によれば、水処理装置を自由に移動させることができる。
【0011】
さらに本発明にかかる水処理装置は、水に所定の処理を施す水処理手段と、前記水処理手段を内部に格納するように柱状に形成された筐体と、水に所定の処理を施す水処理手段と、前記筐体の外周に所定の用紙を固定する固定手段とを備えることを特徴としている。この構成によれば、筐体に用紙を固定することで、ユーザの好みに応じて水処理装置の外観を変化させることができる。
【発明の効果】
【0012】
この様な構成を有する水処理装置は、給水口に固定されることが無い為、容易に移動させることができ、付近に給水設備及び排水設備があれば容易に使用することができる。さらに、水処理装置を使用する施設の雰囲気等に容易に馴染むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係る水処理装置の実施の形態について詳細な説明をする。本実施の形態に係る水処理装置は、例えば水道水を水処理装置内部に流入させ、流入した水に所定の処理を施し、外部に排出するものである。具体的には、水処理装置が使用される施設に予め設置されているシンクを利用する場合、まず、ユーザは水処理装置をシンク近傍まで移動させる。次に、シンクに予め設置されたシャワー等を用いて水を流入させ、流入した水に対して所定の処理を施し、所定の処理を施された水を排出する。排出部から排出された水はシンクに予め設けられた排水機構を通じて排水されるものである。
【0014】
この様な水処理装置は図1a、b、cに示す様に、内部に水処理機構を備えた筐体1と、筐体1の下部に形成され、水処理装置を移動させる移動機構2と、筐体1の上部に形成され、水処理装置の操作を行う操作部3と、操作部3に回動支持された蓋部材4と、操作部3の周囲に固定されたリング状の手摺5とによって構成されている。筐体1は、例えばステンレス等で形成されているものであり、中空部に水処理機構を備えるものである。移動機構2は、筐体1の下部に固定されており、底面に複数個のタイヤ6が形成されている。操作部3は、筐体1の上部に固定されており、ユーザが水処理装置の操作を行う為のものである。蓋部材4は、操作部3に回動支持されている部材であって、水処理装置未使用時に、後述する流入部等を視認できないようにする部材である。手摺5は、操作部3の外周に沿って形成された、ステンレス等からなる部材であり、水処理装置を移動させる為の補助具として使用するものである。
【0015】
図2に示すように筐体1は、内部を中空とした柱状に形成されている。さらに、筐体1の外表面には所定の用紙11が固定されている。さらに用紙11の表面には、所定の画像が形成されている。用紙11は、水処理装置1の製造後にユーザの手によって差し込まれたものであり、ユーザが水処理装置を利用する施設の雰囲気等に合わせて作成したものである。具体的には、水処理装置を購入したユーザのニーズや、設置施設の雰囲気や、季節感を生かした色合いや、個別のロゴ等を用紙11上に形成する。さらに筐体1に固定された用紙11の外表面には、光学的に透明な保護膜としての樹脂板12が巻き付けられている。樹脂板12は水処理装置を外力から保護する部材であり、筐体1の形状に合わせて固定することができる様、可撓性を有する素材で形成されていることが好ましい。具体的には、樹脂板12は、光学的に透明な角柱部材を連結して1枚の薄板状に形成されることが好ましい。
【0016】
次に、用紙11及び樹脂板12を固定する方法について詳細な説明をする。図2に示す様に筐体1の外周には、固定手段としての後ガイド13及び前ガイド14が形成されている。後ガイド13は、内部を中空とした円柱状に形成されており、さらに筐体1に臨む位置に形成されている。前ガイド14は、後ガイド13の外周に、後ガイド13とは所定の間隔を持って形成されている。後ガイド13及び前ガイド14は、筐体1の上部近傍と下部近傍にそれぞれ形成されている。後ガイド13及び前ガイド14の間には、用紙11、樹脂板12及び用紙11の形状を保持する為のバックパネル16が、バックパネル16と樹脂板12で用紙11を挟み込む様に配設されている。
【0017】
ユーザが用紙11を交換する場合、用紙11及び樹脂板12を上下に形成された前ガイド14から離脱させ、用紙11を新たな用紙に差し替えた後、差し替えた用紙及び樹脂板12を後ガイド13及び前ガイド14の間に配設する。水処理装置を例えばサロン等に設置する場合、サロン等は内装に趣向を凝らすところが少なくなく、水処理装置のデザインを画一的に決定してしまうとサロン等の内装とは掛け離れたデザインの水処理装置が店内に設置されてしまうこととなる。水処理装置1は、使用する際に顧客の目に触れるものである為、サロンの内装とは掛け離れた水処理装置が使用されると顧客は不快な思いをすることとなる。ここで、水処理装置1が設置されるサロン等の内装に合わせたデザインを用紙11に記録することで、顧客に不快な思いをさせることがなくなる。
【0018】
さらに水処理装置は、図3に示す様に、外部の給水口から水処理装置に水が流入される流入部21と、水処理装置内部で所定の処理を施した水を排出する排出部22と、水処理装置の制御を行う操作パネル23と、水処理機構24によって構成されている。先述の様に、水処理装置は、流入部21から流入した水に対して水処理機構24を用いて所定の処理を施し、排出部22から排出するものである。流入部21及び排出部22は、水処理装置未使用時には蓋部材4を閉じることで外部から視認することができないものとなっている。
【0019】
図4及び図5に示す様に流入部21には、例えばろうと状に形成された受け口を有するものである。これによって、外部の給水口から供給された水を零すことなく水処理装置内部に流入させることができる。さらに流入部21の底部には、タンク24aに水を供給することができる様に所定の管21aの一端が接続されている。具体的には、流入部21の形状は、ろうと状であることが好ましい。さらに流入部21における管21aに臨む位置には、比較的大きな塵を採取するストレーナーが配設されていることが好ましい。
【0020】
排出部22は、水処理装置内部の水処理機構によって所定の処理を施された水を外部に排出するものである。排出部22は、後述する水処理機構と管22aによって接続されており、排出部22は、水処理機構で所定の処理を施した水を管22aを通じて供給される。排出部22は、一端が管22aに接続された、例えばホース等の蛇管によって形成されており、水処理装置の用途に応じて該蛇管の他端にシャワーヘッド等のじょうろ状の供給口を接続することが好ましい。操作パネル23は、ユーザが水処理機構の制御を行うものであり、例えば防水処理を施した複数個のボタンを配列することで構成されている。操作パネル23は、例えば防水処理を施されたものであり、ユーザが水処理機構24の操作を行うものである。
【0021】
水処理機構24は、流入部21から流入した水を一時的に貯水するタンク24aと、水処理機構24内部の水を強制的に循環させる加圧ポンプ24bと、ストレーナーによって採取することができなかった塵を採取する濾過手段としてのプレフィルター24cと、流入部21から流入した水に添加物を溶解させる溶解手段としての濾過膜24dと、添加物を保管する添加物容器24eとによって構成されている。この様な水処理機構24は、タンク24aに貯水された水を、加圧ポンプ24bを用いて強制的に循環させ、プレフィルター24cを通して濾過膜24dに供給する。水を供給された濾過膜24dは、後述する方法で水に添加物を溶解させて、管22aを通じて排出部22から水処理装置外部に排出する。
【0022】
タンク24aは、例えば10リットル程度の水を貯水することができるものであって、筺体1の内部に、例えばL字金具26を用いて固定されている。また、タンク24aには図示せぬ水温制御手段が設けられており、これを用いて水温を制御することができる。また、タンク24aにはタンク24a内部の水位を検知する検知手段と水位警報手段が設けられていることが好ましい。さらにタンク24aの下流には、水温を検知する水温検地手段及び温度警報手段が設けられていることが好ましい。加圧ポンプ24bは、所定の出力を有するものであり、水処理装置内部において水を強制的に循環させるものである。プレフィルター24cは、例えば30μm程度のフィルターを1本設置する。
【0023】
この様な濾過膜24d内部で添加物を水に溶解させる場合、加圧ポンプ24cの圧力を用いて濾過膜24dに水を供給すると共に、添加物容器24eから添加物を濾過膜24dに供給することによって行う。
【0024】
この様な水処理装置は、外部の給水口と接続されておらず、又下部に移動手段としてのタイヤ6が形成されている為、容易に移動させることができ、付近に給水設備及び排水設備があれば容易に使用することができる。さらに、筐体1の外周にユーザの所望する用紙11を固定することができる為、水処理装置を使用する施設の雰囲気等に容易に馴染むことができる。
【0025】
尚、本発明は上述の実施例に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1a】本発明の実施の形態にかかる水処理装置の立面図である。
【図1b】同水処理装置の立面図であり、図1aの立面と直交する立面の図である。
【図1c】同水処理装置の上面図である。
【図2】同水処理装置の要部斜視図であり、記録媒体と樹脂板の固定方法について説明する為の図である。
【図3】同水処理装置の構成を示すブロック図であり、水処理装置の構成について説明する為の図である。
【図4】同水処理装置の断面図であり、同水処理装置内における各部材の配置について説明する為の図である。
【図5】同水処理装置の断面図であり、図4に示す断面と直交する面における断面図である。
【符号の説明】
【0027】
1 筺体
2 移動機構
11 用紙
12 樹脂板
21 流入部
22 排出部
24 水処理機構
24d 濾過膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部に形成された給水口から供給された水を受け、前記水処理装置内部に流入させる流入手段と、
前記流入手段から供給された水に所定の処理を施す水処理手段と、
前記水処理手段によって所定の処理を施された水を外部に排出する排出手段とを備えたこと
を特徴とする水処理装置。
【請求項2】
前記水処理装置を移動させる移動手段を備えること
を特徴とする請求項1記載の水処理装置。
【請求項3】
前記水処理手段は、前記供給された水を濾過する濾過手段と、
前記濾過した水に所定の添加物を溶解する溶解手段とを備えること
を特徴とする請求項1又は請求項2記載の水処理装置。
【請求項4】
前記流入手段は、前記水処理装置表面にろうと状の受け口を有すること
を特徴とする請求項1乃至請求項3記載の水処理装置。
【請求項5】
水に所定の処理を施す水処理手段と、
前記水処理手段を内部に格納するように柱状に形成された筐体と、
水に所定の処理を施す水処理手段と、
前記筐体の外周に所定の用紙を固定する固定手段とを備えること
を特徴とする水処理装置。
【請求項6】
前記固定手段によって固定された前記用紙の外周に、光学的に透明な保護膜を巻きつけること
を特徴とする請求項5記載の水処理装置。
【請求項7】
前記水処理装置を移動させる移動手段を備えること
を特徴とする請求項5又は請求項6記載の水処理装置。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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