説明

水分発生用反応炉とこれを用いた水分発生供給装置

【課題】 水分発生反応炉において、反応炉本体の放熱特性を高めることにより、限られた体積容量の水分発生反応炉でもって水分発生量を安全に倍増できるようにする。
【解決手段】 反応炉本体内へ供給した水素と酸素を白金コーティング触媒層に接触させてその反応性を活性化させることにより、水素と酸素を非燃焼の状態下で反応させるようにした水分発生反応炉に於いて、冷却器を、出口側炉本体部材の外表面へ固定する中央にヒータ挿入孔を穿設した基板と当該基板の前記ヒータ挿入孔以外の部分に垂直状に並行して立設した複数の放熱体とから成る出口側冷却器により形成すると共に、ヒータの一部を出口側冷却器のヒータ挿入孔を挿通せしめて出口側炉本体部材の外表面へ固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として半導体製造装置において使用される水分発生用反応炉と、これを用いた水分発生供給装置に関するものであり、シリコンの酸化膜付け用水分の発生及び供給やプロセスチャンバーから排出される水素の除去処理等に用いられるものである。
【背景技術】
【0002】
半導体製造装置では、従前から図15に示すような構造の水分発生用反応炉が多く利用されている。
即ち、図15において、Aは反応炉本体、Bは温度制御装置、H2 は水素ガス、O2 は酸素ガス、Gは混合ガス、Wは水分ガス、Lは間隙、Vは内部空間、αは反射体外周縁部のテーパ角、1は入口側炉本体部材、1aはガス供給口、2は出口側炉本体部材、2aは水分ガス取出口、3a、3bは反射体、4は反射体固定ボルト、5はスペーサ、6はバリヤ皮膜7とその外表面に設けた白金皮膜8から成る白金コーティング触媒層、9は入口側炉本体部材の内表面に設けたバリヤ皮膜、10は反射体の外表面に設けたバリヤ皮膜、11は溶接箇所、12はシース型温度計取付孔、13はヒータ、14はヒータ押え、15は冷却器、15aは冷却用フイン、15bは基板である。
【0003】
水素ガスH2 と酸素ガスO2 の混合ガスGは、ガス供給口1aから内部空間Vへ供給され、出口側炉本体部材2の内表面に設けた白金コーティング触媒層に触れることにより、その触媒作用によって水素及び酸素の反応性が活性化される。活性化された水素と酸素は水素の燃焼温度以下の雰囲気内で爆発的な燃焼反応ではない適宜の速度で反応をし、生成された高純度の水分ガスWが水分ガス取出口2aより流出して行く。
【0004】
而して、前記水素と酸素の反応性を活性化して両者の安定した反応を維持するためには、反応炉本体Aの内部空間Vの温度を少なくとも200℃以上に上昇させる必要がある。そのため、出口側炉本体部材2の外側面にヒータ13を設け、反応炉本体Aの起動時には当該ヒータ13により反応炉本体Aを加熱する。尚、図16は反応炉本体Aの温度と水素・酸素反応率の関係を示すものであり、反応炉本体の温度が約200℃を越えると、水素・酸素の反応率は、両者の混合比に拘わらず略98%以上の値となる。
【0005】
前記水素と酸素の反応が進行すると、反応炉本体Aは反応熱により加熱され、その温度が順次上昇する。
一方、前記水素と酸素の爆発的な燃焼反応を抑制するには、反応炉本体Aの内部空間温度は、水素ガスH2 (又は水素含有ガス)の最低限界着火温度(約560℃、H2 とO2 の混合比に応じて限界着火温度は560℃より上昇する)より低い温度(例えば400℃〜450℃に保持する必要がある。
【0006】
そのため、従前のこの種水分発生反応炉では、反応炉本体A内へ供給する混合ガスGの流量(即ち、水分ガスWの発生量)を制限したり、冷却器15の冷却性能を高めたり、或いは反応炉本体Aの熱容量を増加したりする対策が採られており、またこれ等の対応を採ることにより、この種の水分発生反応炉は高純度の水分ガスを安価に、しかも安定して連続供給することが可能となり、多数実用に供されている。
【0007】
一方、近年半導体製造装置の分野においては、水分発生装置の小型化と水分発生量の増大に対する要求が一層高まる傾向にあり、例えば、ウエハの大口径化が一層進む方向に進んでおり、それぞれのプロセスの処理に必要となる水分量についても増加する傾向にあるため、従前と略同一の体積容量の水分発生装置でもって、水分発生量を現在以上に増大することが、現実に要請されている。
【0008】
しかし、半導体製造装置の小型化に対する要請から、水分発生装置についても、その体積容量に厳しい制約が加えられている。
その結果、冷却用ファンの大型化によって反応炉本体Aの冷却性能を高めることは殆ど不可能で、許容されるのは、冷却器15の放熱フイン15aの高さ寸法やその数を若干増加することが出来る程度の改良である。
同様に、発生反応炉本体Aの大型化も前記体積容量の制約の点から著しく困難であり、例えば、10SLM以上の大流量の水分発生用の反応炉本体Aとして許される構造上の寸法は、従前の最大水分発生量が5SLMの水分発生反応炉(外径228mm、厚さ37mm、冷却フイン高さ25mm)の場合の寸法と略同じ値になりつつある。
【0009】
そのため、従前の図15に示した構造の冷却器15を備えた反応炉本体Aでは、その冷却器15を含めた体積容量に対する制約の点から水分発生量の倍増に対する要請に全く対応することが出来ず、安全且つ簡単に水分発生量の増加が図れないと云う問題がある。
【0010】
【特許文献1】特開2001−48501
【特許文献2】国際公開 WO−01/94254A
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本願発明は、従前のこの種水分発生反応炉における上述の如き問題、即ち水分発生装置の体積容量に対する制約から反応炉本体の大型化や冷却ファンによる冷却能力の大幅なアップを図ることが出来ず、結果として水分発生量の増加に対応できないと云う問題を解決せんとするものであり、冷却器の形態とその反応炉本体の取付け構造に改良に加えることにより、冷却器の体積容量の大幅な増加を招くことなしに反応炉本体からの放熱を促進させ、略同一の体積容量の反応炉本体でもって水分発生量の倍増を可能にした水分発生反応炉を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願発明者等は、先ず従前の図15に示した構造の反応炉本体(外径228mm、厚さ37mm、冷却フイン高さ25mm)を用いて、反応炉本体Aそのものの冷却性能の向上を図ることにより前記発生水分量の倍増に対する要請に対応することを着想した。
即ち、冷却ファンの大型化等を図ることなしに、許容されている冷却フイン15aに対する若干の構造の変更のみによって、冷却ファンの停止時に於ける反応炉本体の温度を約450℃以下に押えることを主目標にして、反応炉本体Aの冷却器15の構造とその冷却性能について各種の改造並びに試験を繰り返した。
【0013】
先ず、図17乃至図20に示す如く、放熱フイン15aの高さが25mmの冷却器15を有する反応炉本体Aと、60mmの高さの冷却器15を有する反応炉本体Aとを製作し放熱フイン15aの高さを変化した場合の冷却器15の冷却性能を調査した。
尚、反応炉本体Aは、外径228mmφ、厚さ37mmであり、また図17の場合の放熱フイン15aの容積合計は268cm3 、表面積合計は0.1984m2 、図19の場合の放熱フイン15aの容積合計は548cm3 、表面積合計0.4430m2 、であった。
更に、冷却ファン(図示省略)にも若干改良を加え、図17における風量2.7m3 /minを図18では6.0m3/minに向上させている。
【0014】
尚、前記放熱フイン15aの高さ60mm(図19,図20)は、前記反応炉本体Aの体積容量の制約から決まる値であり、フイン15aの高さを60mm以上とすると、反応炉本体Aの体積容量が限界値を越えると共にヒータの必要ワット数が増大することになる。
同様に冷却ファンの方も、風量が6.0m3/min以上の容量のものは箱体排気量の制約から使用が困難なため、容量が6.0m3/min以内のものを使用している。
【0015】
図21及び図22は前記図19及び図20の反応炉本体Aを搭載した水分発生装置の一例の概要を示すものであり、外形寸法(体積容量)は幅W380mm×奥行D380mm×高さH533mmに設定されている。
また、図21及び図22に於いて、Aは反応炉本体、15aは放熱フイン、18はファン、17はH2 センサである。尚、ファン18の取付位置は箱体の構造により適宜に変更され、例えば図21の前面側に配置したものもある。
【0016】
図23は、前記図17乃至図20に記載の反応炉本体Aにおける水分発生量と反応炉温度の関係を示す線図であり、ファン18をオフにした場合には7SLMの水分発生量で430℃(フイン高さ25mmの場合)及び8SLMで420℃(フイン高さ60mmの場合)となり、放熱フイン15aの高さを許容限度高さ(約60mm)にしてもファン停止時の最高温度450℃以下、水分発生量10SLMの達成が困難なことが判明した。
【0017】
また、本願発明者等は、前記図23の試験結果の解析から放熱フイン15aの高さ寸法の増加による反応炉本体最高温度の低減が極端に低いことを見出した。
そして、その結果から放熱フイン15aからの自然放熱を促進させるには、反応炉本体Aから放熱フイン15aへの伝熱特性を改善する必要があることを知見した。
即ち、図15に示すように、出口側炉本体部材2の外表面の略前面に亘って面状ヒータ13を配設し、ヒータ押え14を介して冷却器15をその外方に取り付けする構成とした場合には、面状ヒータ13を保護するための硬質マイカにより反応炉本体Aから冷却器15への熱伝達が抑制され、これによって冷却器15が十分に冷却機能を達成していないことが判明した。
【0018】
本願発明は、上述の如き知見を基にして創作されたものであり、面状ヒータ13を冷却器15の基板15bを挿通せしめて炉本体部材の中央部分のみに配設すると共に、反応炉本体Aの外周縁部分のみに放熱フイン付きの冷却器15を直接固着することにより、より高い反応炉本体Aからの熱放散を可能としたものである。
【0019】
即ち、本願請求項1の発明は、ガス供給口を有する入口側炉本体部材と水分ガス取出口を有する出口側炉本体部材とを対向させて組み合せて形成した内部空間を有する反応炉本体と、前記反応炉本体の内部空間内にガス供給口及び水分ガス取出口と対向状に配設した反射体と、前記出口側炉本体部材の内壁面に形成した白金コーティング触媒層と、反応炉本体を加熱するヒータと、反応炉本体の外表面に取り付けられて反応炉本体を冷却する冷却器とから形成され、ガス供給口から反応炉本体の内部空間内へ供給した水素と酸素を前記白金コーティング触媒層に接触させてその反応性を活性化させることにより、水素と酸素を非燃焼の状態下で反応させるようにした水分発生反応炉に於いて、前記冷却器を、出口側炉本体部材の外表面へ固定する中央にヒータ挿入孔を穿設した基板と当該基板の前記ヒータ挿入孔以外の部分に垂直状に並行して立設した複数の放熱体とから成る出口側冷却器により形成すると共に、前記ヒータの一部を出口側冷却器のヒータ挿入孔を挿通せしめて出口側炉本体部材の外表面へ固定することを発明の基本構成とするものである。
【0020】
本件請求項2の発明は、請求項1の発明において、冷却器を、出口側冷却器と入口側冷却器とから形成すると共に、入口側冷却器を入口側炉本体部材の外表面へ固定する基板と当該基板から垂直状に並行して立設した複数の放熱体とから形成するようにしたものである。
【0021】
本件請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の発明において、入口側炉本体部材にヒータを備えるようにしたものである。
【0022】
本件請求項4の発明は、請求項2の発明において、入口側冷却器の放熱体の高さと出口側冷却器の放熱体の高さを同一若しくは出口側冷却器の放熱体の方を高くするようにしたものである。
【0023】
請求項5の発明は、請求項2の発明に於いて、入口側冷却器の基板と入口側炉本体部材の外表面との間に平盤状のヒータを介設する構成としたものである。
【0024】
請求項6の発明は、請求項2の発明に於いて、入口側冷却器の基板を入口側炉本体部材の内側部の外表面へ直接固定すると共に、入口側炉本体部材の外側部の外表面へ鍔状のヒータを直接固定するようにしたものである。
【0025】
本件請求項7の発明は、請求項2又は請求項3の発明において、入口側冷却器の基板を入口側本体部材の外表面に固定されたヒータ押えの内側部に位置する入口側本体部材の外表面に固定すると共に、入口側本体部材の外側部の外表面とヒータ押えとの間にヒータを固定するようにしたものである。
【0026】
本件請求項8の発明は、請求項1乃至請求項7の発明において、出口側冷却器の基板を出口側炉本体部材の外側部の外表面へ直接固定すると共に、出口側冷却器に穿設したヒータ挿入孔内にヒータを挿通せしめて、出口側炉本体部材に直接固定するようにしたものである。
【0027】
請求項9の発明は、請求項1乃至請求項8の発明に於いて、放熱体を薄板状の放熱フィン又は棒状の放熱ピンとしたものである。
【0028】
請求項10の発明は、請求項1乃至請求項8の発明において、入口側炉本体部材及び出口側炉本体部材の外表面の形状を円形とすると共に両冷却器の基板を円形又は四角形状に、また出口側冷却器の基板に設けたヒータ挿入孔を円形とするようにしたものである。
【0029】
本件請求項11の発明は、請求項1又は請求項2の発明において、反応炉本体の円筒面にヒータを備えたものとしたものである。
【0030】
本件請求項12の発明は、請求項1又は請求項2の発明において、ヒータの形状を鍔状としたものである。
また、本件請求項13の発明は、請求項1に記載の水分発生用反応炉を用いて水分発生供給装置を構成することを発明の基本構成とするものである。
【発明の効果】
【0031】
本願発明に於いては、出口側冷却器の基板に設けたヒータ挿通孔を通して出口側炉本体部材の外表面へ板状ヒータを直接固定すると共に、出口側炉本体部材を冷却する出口側冷却器の前記基板ヒータ挿入孔を除いた部分のみに放熱フインを設けた構成としている。
その結果、出口側炉本体部材からの熱がヒータを通さずに直接的に基板へ伝達されることになり、ヒータを基板と出口側炉本体部材との間に介設した場合に比較して放熱特性(冷却特性)が大幅に向上することになる。その結果、小型の水分発生炉でもって約400℃〜450℃以上の高温度となることなしに安全に、従前の約2倍の水分発生を達成することが出来る。
【0032】
また、出口側炉本体部材側のヒータは、ヒータの外面側に出口側冷却器の基板が接触していないため、加温時の熱放散が少なくなり、結果として反応炉本体を効率よく反応開始温度にまで上昇させることができ、水分発生装置の起動性能や反応率の上昇速度が改善されることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
図1乃至図4は、本発明の第1実施形態を示すものであり、図1は水分発生用反応炉の正面図、図2は原料ガス入口側の側面図、図3は水分ガス出口側の側面図、図4は水分発生用反応炉の縦断面図である。
【0034】
図1乃至図4を参照して、水分発生用反応炉本体Aは、ステンレス鋼(SUS316L)製の入口側炉本体部材1と出口側炉本体部材2とを対向状に組み合わせて気密状に溶接することにより、円形の中空デスク状に形成されている。
前記入口側炉本体部材1には、その内部に底面が平面状の円形の凹部が設けられており、ガス供給口1aが凹部内へ連通されている。また、出口側炉本体部材2には、内部に底面が平面状の円形の凹部が設けられており、水分ガス取出口2aが凹部内へ連通されている。更に、両本体部材1・2の外周端には、内向きにフランジ体が夫々形成されており、両フランジ体を対向させたうえ、気密状に溶接11されている。
【0035】
反射体3a・3bは円形の盤状体であり、その中心点を両炉本外部材1、2のガス供給口1a及び水分ガス取出口2aと対向させた状態で、両炉本体部材1・2の底面との間に隙間Lをおいて、固定用ボルト4により両炉本体部材1・2へ固定されている。尚、当該反射体3a・3bはステンレス鋼(SUS316L)製であり、その直径は円形の凹部の内径よりもやや小径に設定されている。
【0036】
また、反射体3a・3bの両炉本体部材1・2と対向する側の外周縁部は、図4に示すように傾斜角αのテーパ面に仕上げられている。当該傾斜角度αを設けることにより、ガス供給口1aより流入した混合ガスGが円滑に内部空間V内へ流れ出ると共に、反射体3bと出口側炉本体部材2との間隙内へ流れ込み、反射体3bの外周端と対向する部分の白金コーティング触媒層6の局部的な集中発熱が防止できるからである。
【0037】
前記白金コーティング触媒層6はSUS316L製の出口側炉本体部材2の内表面の全域に形成されており、炉本体部2の内表面に形成したTiN製のバリヤ皮膜7と、その上面に形成した白金コーティング皮膜8とから白金コーティング触媒層6が形成されている。
【0038】
また、入口側炉本体部材1の内側面及び前記各反射体3a・3bの外表面にはTiN製のバリヤ皮膜9及びバリヤ皮膜10が、形成されている。当該バリヤ皮膜9、10は入口側炉本体部材1や反射体3a・3bの表面が金属触媒作用をし、局部的な発熱が生ずるのを防止するためである。
【0039】
反応炉本体Aの温度制御装置Bは、出口側の温度制御装置B1 と入口側の温度制御装置B2 とから形成されており、前記出口側の温度制御装置B1 は出口側炉本体部材2の外面側を加熱する鍔状のヒータ13bと、ヒータ13bをオン・オフ制御する制御装置(図示省略)と、出口側反応炉本体2を冷却する出口側冷却器152 とから形成されている。
【0040】
また、入口側の温度制御装置B2 は、鍔状のヒータ13aと、ヒータ13aをオン・オフ制御する制御装置(図示省略)と、入口側反応炉本体1を冷却する入口側冷却器151 とから形成されている。
【0041】
前記ヒータ13a・13bは、いわゆる薄板形の面状ヒータであり、円板状のヒータ押え14a、14bにより炉本体部材1、2へ接触固定されている。即ち、図4に示す如く、出口側のヒータ13bは出口側炉本体部材2の外径(228mmφ)よりも小さな外径(本実施形態では180mmφ)の鍔形に形成されており、これと同径の円形のヒータ押え14bを介してボルト19により出口側炉本体部材2へ直接固定されている。
尚、当該出口側ヒータ13bは出口側炉本体部材2の中間部分のみに設けられており、前記図15の従来例とは異なっている。
【0042】
一方、入口側の鍔状ヒータ13aは、入口側炉本体部材1とほぼ同じ外径を有する鍔状に形成されており、円盤状のヒータ押え14aを介してボルト19により入口側炉本体部材1へ固定されている。
【0043】
前記冷却器15は、入口側炉本体部材1の外表面に固着した入口側冷却器151 と出口側炉本体部材2の外表面に固着した出口側冷却器152 とから形成されており、入口側冷却器151 の方は、従前の図15に示した高さ25mmの放熱フイン15aと厚さ約5mmのフイン基板15bとを一体形成して成る四角形の冷却器に形成されていて、ヒータ13aの内方に対応する位置にボルト20により固定されている。
【0044】
これに対して、出口側炉本体部材2側に設ける出口側冷却器152 は、図3及び図4に示すように四角形の基板の中央部に内径190mmのヒータ挿入孔23を穿設した基板15bと、当該基板15bに櫛歯状に立設した高さ60mmの薄板状の複数の放熱フイン15aとから形成されており、本実施形態では、アルミ合金製の基板15b(厚さ約10mm)と放熱フイン15a(厚さ約2mm、高さ60mm)とを一体成型して成る冷却器152 が使用されている。
【0045】
尚、図1乃至図4においては、薄板状の放熱フィン15aを放熱体として利用しているが、放熱体の形状は如何なるものであってもよく、例えば棒状の放熱ピンを用いたものでもよい。また、出口側冷却器152 や入口側冷却器151 の基板を四角形としているが、その形状は円形等であってもよいことは勿論である。
【0046】
更に、前記冷却器152 は、図5に示すように、前記基板15bの放熱フィン15aが立設されていない部分に約φ6mm程度の貫通孔を複数個(78個×2=156個)穿設して、冷却表面積を増すと同時に冷却ファンの作動時の通気性能を高め、これによって冷却器152 の冷却能力を高めるようにするのが望ましい。
【0047】
尚、図2及び図3に於いて、19はヒータ押え14の取付けボルト、20は冷却器15の取付ボルトである。
また、本実施形態では、入口側冷却器151 の放熱フインの高さを25mmとしているが、これを出口側冷却器152 と同様に60mmの高さのものにしてもよい。
更に、本実施形態では、入口側炉本体部材1側にヒータを設ける構成としているが、入口側炉本体部材1側のヒータ13aを設けないようにしてもよい。
【0048】
水分ガスの発生前には、通常反応炉本体A内へN2 ガスを供給して反応炉本体A内のパージ処理が行なわれる。このとき、反応炉本体Aの外周縁部が前記パージガスによって冷却されるため、反応炉本体Aの外周縁部を加熱昇温しないと、水分発生の開始時の反応率が低下して未反応ガスが増加することになる。これ等の事象を防止するために、前記鍔状ヒータ13aは利用されるものであり、主として反応炉本体Aの外周縁部の温度を加熱上昇させるために、必要に応じて作動させるものである。
また、本実施形態では入口側炉本体部材1側にヒータを設ける構成としているが、ヒータ13を反応炉本体Aの円筒面(円筒状の外周面側)に設けるようにしてもよい。
【実施例1】
【0049】
図1乃至図4に於いて、反応炉本体Aの外径228mmφ、厚さ37mm、内部空間Vの厚さ17mm、内部空間Vの内径216mmφ、反射体3a・3bの厚さ3mm、外形204mmφ、出口側炉本体部材2との隙間L1mm、入口側炉本体部材1との間隔1mm、テーパ面の長さ約21mm(テーパ角α=8°)、白金コーティング触媒層6(TiNバリヤ皮膜7=5μm+ptコーティング皮膜8=0.3μm)、入口側炉本体部材1の内壁面及び反射体3a・3bの外表面のバリヤ皮膜9・10をTiN(5μm)と夫々した。
【0050】
また、冷却器15の基板15bの外形寸法235×235mm、厚さ10mm、出口側冷却器152 のヒータ挿入孔23の内径190mmφ、放熱フイン15aの高さ60mm、入口側冷却器151 の放熱フイン15aの高さ25mm、フイン厚さ1.8mmとした。
更に、ヒータ13bの外径を180mmφ(薄板形面状ヒータ、厚さ1mm)とした。
【0051】
当該反応炉本体Aをヒータ13により約300〜350℃に加熱したあと、その内部空間VへO2 とH2 の混合ガス(O2=10l/min、H2=10l/min)をガス供給口1aより内部空間Vへ供給し、水分発生を行うと共に、出口側炉本体部材2内へ挿着した温度検出器により、出口側炉本体部材2の白金コーティング触媒層6より1.5mm内方の位置における炉本体部材2の半径方向の温度分布を測定した。
【0052】
尚、測定時には、温度制御装置Bの冷却用ファンは停止し、且つヒータ13の温度は350℃に設定されていた。
図6はその時の測定結果を示すものであり、試験の結果、水分発生量が10SLMの状態下に於ける反射板3の外周縁近傍位置における下流側炉本体部材2の温度(最高温度部)は約440℃に押えることができることが、確認された。
【0053】
図7は本発明の第2実施形態に係る水分発生反応炉の縦断面図であり、図8はその平面図、図9は右側側面図である。
【0054】
図7乃至図9を参照して、水分発生用反応炉本体Aは、ステンレス鋼(SUS316L)製の入口側炉本体部材1と出口側炉本体部材2とを対向状に組み合わせて気密状に溶接することにより、円形の中空デスク状に形成されている。
前記入口側炉本体部材1には、その内部に底面が平面状の円形の凹部が設けられており、ガス供給口1aが凹部内へ連通されている。また、出口側炉本体部材2には、内部に底面が平面状の円形の凹部が設けられており、水分ガス取出口2aが凹部内へ連通されている。更に、両本体部材1・2の外周端には、内向きにフランジ体が夫々形成されており、両フランジ体を対向させたうえ、気密状に溶接11されている。
【0055】
反射体3a・3bは円形の盤状体であり、その中心点を両炉本外部材1、2のガス供給口1a及び水分ガス取出口2aと対向させた状態で、両炉本体部材1・2の底面との間にスペーサ5により隙間Lをおいて、固定用ボルト4により両炉本体部材1・2へ固定されている。尚、当該反射体3a・3bはステンレス鋼(SUS316L)製であり、その直径は円形の凹部の内径よりもやや小径に設定されている。
また、反射体3a・3bの両炉本体部材1・2と対向する側の外周縁部は、図7に示すように傾斜角αのテーパ面に仕上げられている。当該傾斜角度αを設けることにより、ガス供給口1aより流入した混合ガスGが円滑に内部空間V内へ流れ出ると共に、反射体3bと出口側炉本体部材2との間隙内へ流れ込み、反射体3bの外周端と対向する部分の白金コーティング触媒層6の局部的な集中発熱が防止できるからである。
【0056】
前記白金コーティング触媒層6はSUS316L製の出口側炉本体部材2の内表面の全域(但し、スペーサ5が接触する部分の近傍は省かれている)に形成されており、炉本体部2の内表面に形成したTiN製のバリヤ皮膜7と、その上面に形成した白金コーティング皮膜8とから白金コーティング触媒層6が形成されている。
【0057】
また、入口側炉本体部材1の内側面及び前記各反射体3a・3bの外表面にはTiN製のバリヤ皮膜9及びバリヤ皮膜10が、形成されている。当該バリヤ皮膜9、10は入口側炉本体部材1や反射体3a・3bの表面が金属触媒作用をし、局部的な発熱が生ずるのを防止するためである。
【0058】
反応炉本体Aの温度制御装置Bは、出口側炉本体部材2の外面側を加熱するヒータ13と、ヒータ13をオン・オフ制御する制御装置(図示省略)と、反応炉本体Aを冷却する冷却器15とから形成されている。
前記ヒータ13は、いわゆる薄板形の面状ヒータであり、円板状のヒータ押え14により出口側炉本体部材2へ接触固定されている。即ち、図9に示す如く、ヒータ13は出口側炉本体部材2の外径(228mmφ)よりも小さな外径(本実施形態では180mmφ)の円形に形成されており、これと同径の円形のヒータ押え14を介してボルト19により出口側炉本体部材2へ直接固定されている。
尚、当該ヒータ13は出口側炉本体部材2の中央部分のみに設けられており、前記図15の従来例とは異なっている。
【0059】
前記冷却器15は、入口側炉本体部材1の外表面に固着した入口側冷却器151 と出口側炉本体部材2の外表面に固着した出口側冷却器152 とから形成されており、入口側冷却器151 の方は、従前の図15に示した高さ25mmの放熱フイン15aと厚さ約5mmのフイン基板15bとを一体形成して成る四角形の冷却器に形成されている。
【0060】
これに対して、出口側炉本体部材2側に設ける出口側冷却器152 は、図8及び図9に示すように四角形の基板の中央部に内径190mmのヒータ挿入孔23に穿設した基板15bと、当該基板15bの円形孔を除いた部分に櫛歯状に立設した高さ60mmの薄板状の複数の放熱フイン15aとから形成されており、本実施形態では、アルミ合金製の基板15b(厚さ約10mm)と放熱フイン15a(厚さ約2mm、高さ60mm)とを一体成型して成る冷却器15が使用されている。尚、図7乃至図9においては、薄板状の放熱フィン15aを放熱体として利用しているが、放熱体の形状は如何なるものであってもよく、例えば棒状の放熱ピンを用いたものでもよい。また、第2冷却器152 や入口側冷却器151 の基板を四角形としているが、その形状は円形等であってもよいことは勿論である。
【0061】
尚、図9に於いて、20は冷却器15の取付ボルト、21はヒータコントロール用温度計取付孔、22は反応炉温度監視用温度計取付孔である。
また、本実施形態では、入口側冷却器151 の放熱フインの高さを25mmとしているが、これを出口側冷却器152 と同様に60mmの高さのものにしてもよい。
更に、本実施形態では、入口側炉本体部材1側にヒータを設けない構成としているが、入口側炉本体部材1側にもヒータを設けてもよい。
【0062】
また、前記図7乃至図9の実施形態においては、入口側冷却器151 の基板15bの面積を入口側炉本体部材1の外表面の面積とほぼ等しいものにしているが、第1実施形態のように入口側冷却器151 の基板15bの面積を小さくして入口側炉本体部材1の内側部(即ち中央部分)へその基板15bを固定し、これによって入口側炉本体部材1の内側部を主に冷却すると共に、入口側炉本体部材1の外表面の外側部へ鍔状のヒータを直接固定し、入口側炉本体部材1の外周縁部のみを当該鍔状ヒータにより加熱する構成としてもよい。
【0063】
更に、前記図7乃至図9の本実施形態では反応炉本体A内に2枚の反射板3a・3bを設けるようにしているが、図10に示すように1枚の反射板3をガス供給口1aと水分ガス取出口2aと対向状に設ける構成としても良い。なお、図10において、反射板3以外の部分の構成は、図7の場合と同じである。
【実施例2】
【0064】
図7乃至図10に於いて、反応炉本体Aの外径228mmφ、厚さ37mm、内部空間Vの厚さ17mm、内部空間Vの内径216mmφ、反射体3a・3bの厚さ3mm、外形204mmφ、出口側炉本体部材2との隙間L1mm、入口側炉本体部材1との間隔1mm、テーパ面の長さ約21mm(テーパ角α=8°)、白金コーティング触媒層6(TiNバリヤ皮膜7=5μm+ptコーティング皮膜8=0.3μm)、入口側炉本体部材1の内壁面及び反射体3a・3bの外表面のバリヤ皮膜9・10をTiN(5μm)と夫々した。
【0065】
また、冷却器15の基板15bの外形寸法235×235mm、厚さ10mm、出口側冷却器152 のヒータ挿入孔23の内径190mmφ、放熱フイン15aの高さ60mm、入口側冷却器151 の放熱フイン15aの高さ25mm、フイン厚さ1.8mmとした。
更に、ヒータ13の外径を180mmφ(薄板形面状ヒータ、厚さ1mm)とし、且つ反応炉温度監視用温度計の取付孔22は出口側炉本体部材2の内側表面より1.5mm内方位置に設けた。
【0066】
当該反応炉本体Aをヒータ13により約300〜350℃に加熱したあと、その内部空間VへO2 とH2 の混合ガス(O2 =10l/min(固定)、H2=1〜10l/min(可変))をガス供給口1aより内部空間Vへ流量調整自在に供給し、水分発生を行うと共に、出口側炉本体部材2内へ挿着した温度検出器により、出口側炉本体部材2の白金コーティング触媒層6より1.5mm内方の位置における炉本体部材2の半径方向の温度分布を、発生水分量(即ち、混合ガスGの供給量)をパラメータにして測定した。
【0067】
図11は、その時の測定結果を示すものであり、曲線A1 は水分発生量10SLM、曲線A2 は9SLM、曲線A3 はN2 ガスのみ供給の場合を夫々示すものである。
尚、測定時には、温度制御装置Bの冷却用ファンは停止し、且つヒータ13の温度は350℃に設定されていた。
【0068】
図11の試験結果からも明らかなように、水分発生量が10SLMの状態下に於ける反射板3の外周縁近傍位置における下流側炉本体部材2の温度(最高温度部)は約450℃に押えられることが判る。
【実施例3】
【0069】
図12は、図7乃至図10に示した水分発生反応炉において、入口側冷却器151を除去すると共に、入口側炉本体部材1の外表面に、従前と同様の外径228mmφの円板状ヒータを配設した構成の水分発生炉を用い、上流側及び下流側の両ヒータ13の温度を350℃に設定すると共に冷却ファンを停止状態とした条件下で前記第2実施例の図11の場合と同様に、出口側炉本体部材2の内側表面近傍位置の半径方向の温度分布を、水分発生量をパラメータとして測定した結果を示すものである。
【0070】
図12からも明らかなように水分発生量が10SLMにおける最高温度は約470℃となり、実施例2の場合よりも若干上昇することが判る。
【実施例4】
【0071】
図13は、前記実施例3の場合と同じ水分発生炉を用い、冷却用ファンを作動させた時の出口側炉本体部材2の内側表面近傍における半径方向の温度分布を示すものである。
尚、冷却ファンは、図15に示した従前の5SLM水分発生炉の場合と同じ冷却能力のものが使用されている。
【0072】
図14は、図7乃至図9に示した入口側冷却器151 及び出口側冷却器152 に於いて、放熱フイン15aの高さを変化した場合の水分発生量と最高温度との関係を示すものであり、曲線E1 2 は、入口側冷却器151 及び出口側冷却器152 の放熱フイン15aの高さを夫々25mmとし且つ冷却ファンを停止させた状態に於ける水分発生量と炉本体部材2の温度(E1 は反応炉温度監視用温度計による計測値、E2 はヒータコントロール用温度計による検出値)との関係を示すものである。
【0073】
また、曲線F1 及びF2 は冷却用ファンの能力を高め、水分発生反応炉の構成筺体内の排気圧を−22PaG(排気ダクト径φ76mm、排気量2.7m3 /min)とした場合の反応炉温度監視用温度計による測定値及びヒータコントロール用温度計による測定値を示すものである。
更に、曲線J1 及びJ2 は、前記図12の場合に於ける反応炉温度監視用温度計による測定値及びヒータコントロール用温度計による測定値を示すものである。
【0074】
尚、前記図7乃至図9の実施形態においては、ヒータ13を円盤状の面状ヒータとしたが、ヒータの形状は4角状であってもよく、またこの場合には出口側冷却器152 側の基板15bの中央には四角状のヒータ取付孔23が穿設されることになる。
また、本実施形態では、ヒータ13を出口側炉本体部材2の外表面(又は両炉本体部材1、2の外表面)へ外部から接当させる構成としているが、ヒータ13を出口側炉本体部材2の表層部1(又は両炉本体部材1、2の表層部へ埋込み状(又は嵌め込み状)にしてもよい。
【0075】
更に、入口側冷却器151 の基板15bを小型にして、入口側炉本体部材1の内側部(中央部分)の外表面へ直接固定すると共に、入口側炉本体部材1の外側部(外周縁部)へ鍔状のヒータを固定する形状のものとしてもよい。
【0076】
図24は、本発明に係る水分発生用反応炉Aを用いた水分発生供給装置のフローダイヤグラムであり、図25は水分発生供給装置の平面概要図、図26は水分発生供給装置の縦断面概要図である。
図24乃至図26において、Aは水分発生用反応炉、151 は入口側冷却器、17はH2 センサ、18は冷却用ファン、24はミキサ、25はガスフィルタ、26は配管路の加熱器、27はフィルタ、28は水分ガス取出口、29はヒータ用リード線、30はケース体である。
尚、水分発生供給装置のフローダイヤグラムそのものは、従前の水分発生供給装置の場合と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0077】
本発明の水分発生供給装置に於いては、ケース体30の外形寸法が横幅380mm、奥行380mm、高さ465mmに設定されており、横幅380mm及び奥行380mmは、従前の図21、図22に示した水分発生供給装置の場合と同一であるが、高さは約60mmほど低くなっている。
また、水分発生用反応炉Aは、前述の通り最高温度450℃以下の条件下が10SLMの水分量を発生することができ、従前の約10倍の水分量を供給可能とするものである。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、主として半導体製造装置の水分供給装置や水素含有ガスから水素ガスを除去する装置、或いは化学薬品製造装置等の水分供給装置として利用されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の第1実施形態に係る水分発生用反応炉の正面図である。
【図2】図1の原料ガスの入口側の側面図である。
【図3】図1の水分ガスの出口側の側面図である。
【図4】図1の縦断面図である。
【図5】図1の水分ガスの出口側冷却器の他の例を示すものである。
【図6】図1乃至図4の実施例1に係る水分発生用反応炉の出口側炉本体部材2の内壁近傍の温度分布(半径方向)を示すものである。
【図7】本発明の他の実施形態に係る水分発生反応炉の縦断面図である。
【図8】図7の平面図である。
【図9】図7の右側面図である。
【図10】水分発生反応炉の更に他の実施形態を示す縦断面図である。
【図11】図7乃至図9に示した実施例2の水分発生炉に於ける出口側炉本体部材2の内壁面近傍の温度分布(半径方向)を示す線図である。
【図12】実施例3の水分発生炉における前記図11と同位置における温度分布(半径方向)を示す線図である。
【図13】実施例3の水分発生炉において冷却用ファンを作動させた状態下における前記図5と同位置における温度分布(半径方向)を示す線図である。
【図14】冷却器の放熱フインの高さを変化させた場合の発生水分量と反応炉本体の温度等の関係を示す線図である。
【図15】従前の水分発生反応炉の縦断面図である。
【図16】反応炉本体の温度と水素・酸素の反応率の関係を示す線図である。
【図17】試験用反応炉本体の縦断面概要図である。
【図18】図17の出口側の側面図である。
【図19】他の試験用反応炉本体の概要図である。
【図20】図19の出口側の側面図である。
【図21】反応炉本体を組み込んだ水分発生装置の縦断面概要図である。
【図22】図21の平面図である。
【図23】図17乃至図20の反応炉本体を用いた水分発生量と反応炉本体の温度との関係を示す線図である。
【図24】本発明の水分発生用反応炉を用いた水分発生供給装置のフローダイヤグラムである。
【図25】水分発生供給装置の平面概要図である。
【図26】水分発生供給装置の縦断面概要図である。
【符号の説明】
【0080】
Aは 反応炉本体
Bは 温度制御装置
2 は 水素ガス
2 は 酸素ガス
Gは 混合ガス
Wは 水分ガス
Lは 間隙
Vは 内部空間
αは 反射体外周縁部のテーパ角
1は 入口側炉本体部材
1aは ガス供給口
2は 出口側炉本体部材
2aは 水分ガス取出口
3は 反射体
4は 反射体固定ボルト
5は スペーサ
6は 白金コーティング触媒層
7は バリヤ皮膜
8は 白金皮膜
9は 入口側炉本体部材のバリヤ皮膜
10は 反射体のバリヤ皮膜
11は 溶接箇所
12は シース型温度計取付孔
13は ヒータ
14は ヒータ押え
15は 冷却器
151 は 入口側冷却器
152 は 出口側冷却器
15aは 放熱フイン
15bは 基板
16は ヒータ挿入孔
17は H2 センサ
18は 冷却用ファン
19は ボルト(ヒータ押えボルト)
20は ボルト(冷却器取付用ボルト)
21は ヒータコントロール用温度計取付孔
22は 反応炉温度監視用温度計取付孔
23は ヒータ挿入孔
24は ミキサ
25は ガスフィルタ
26は 加熱器
27は フィルタ
28は 水分ガス取出口
29は ヒータ用リード線
30は ケース体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス供給口を有する入口側炉本体部材と水分ガス取出口を有する出口側炉本体部材とを対向させて組み合せて形成した内部空間を有する反応炉本体と、前記反応炉本体の内部空間内にガス供給口及び水分ガス取出口と対向状に配設した反射体と、前記出口側炉本体部材の内壁面に形成した白金コーティング触媒層と、反応炉本体を加熱するヒータと、反応炉本体の外表面に取り付けられて反応炉本体を冷却する冷却器とから形成され、ガス供給口から反応炉本体の内部空間内へ供給した水素と酸素を前記白金コーティング触媒層に接触させてその反応性を活性化させることにより、水素と酸素を非燃焼の状態下で反応させるようにした水分発生反応炉に於いて、前記冷却器を、出口側炉本体部材の外表面へ固定する中央にヒータ挿入孔を穿設した基板と当該基板の前記ヒータ挿入孔以外の部分に垂直状に並行して立設した複数の放熱体とから成る出口側冷却器により形成すると共に、前記ヒータの一部を出口側冷却器のヒータ挿入孔を挿通せしめて出口側炉本体部材の外表面へ固定する構成としたことを特徴とする水分発生用反応炉。
【請求項2】
冷却器を、出口側冷却器と入口側冷却器とから形成すると共に、入口側冷却器を入口側炉本体部材の外表面へ固定する基板と当該基板から垂直状に並行して立設した複数の放熱体とから形成するようにした請求項1に記載の水分発生用反応炉。
【請求項3】
入口側炉本体部材にヒータを備えた請求項1又は請求項2に記載の水分発生用反応炉。
【請求項4】
入口側冷却器の放熱体の高さと出口側冷却器の放熱体の高さを同一若しくは出口側冷却器の放熱体の方を高くするようにした請求項2に記載の水分発生用反応炉。
【請求項5】
入口側冷却器の基板と入口側炉本体部材の外表面との間に平盤状のヒータを介設する構成とした請求項2に記載の水分発生用反応炉。
【請求項6】
入口側冷却器の基板を入口側炉本体部材の内側部の外表面へ直接固定すると共に、入口側炉本体部材の外側部の外表面へ鍔状のヒータを直接固定する構成とした請求項2に記載の水分発生用反応炉。
【請求項7】
入口側冷却器の基板を、入口側本体部材の外表面に固定されたヒータ押えの内側部に位置する入口側本体部材の外表面に固定すると共に、入口側本体部材の外側部の外表面とヒータ押えとの間にヒータを固定する構成とした請求項2又は請求項3に記載の水分発生用反応炉。
【請求項8】
出口側冷却器の基板を出口側炉本体部材の外側部の外表面へ直接固定すると共に、出口側冷却器に穿設したヒータ挿入孔を挿通せしめてヒータを出口側炉本体部材に直接固定する構成とした請求項1乃至請求項7に記載の水分発生用反応炉。
【請求項9】
放熱体を薄板状の放熱フィン又は棒状の放熱ピンとした請求項1乃至請求項8に記載の水分発生用反応炉。
【請求項10】
入口側炉本体部材及び出口側炉本体部材の外表面の形状を円形とすると共に両冷却器の基板を円形又は四角形状に、また出口側冷却器の基板に設けたヒータ挿入孔を円形とするようにした請求項1乃至請求項8に記載の水分発生用反応炉。
【請求項11】
反応炉本体の円筒面にヒータを備えた請求項1又は請求項2に記載の水分発生用反応炉。
【請求項12】
ヒータの形状を鍔状とした請求項1又は請求項2に記載の水分発生用反応炉。
【請求項13】
請求項1に記載の水分発生用反応炉を用いた水分発生供給装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate


【公開番号】特開2006−27974(P2006−27974A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−211129(P2004−211129)
【出願日】平成16年7月20日(2004.7.20)
【出願人】(390033857)株式会社フジキン (148)