説明

水分重量測定のための測定装置

【課題】水分重量測定装置に、試料の水分をより正確に測定することができる改良された測定状態を有する測定室を提供すること。
【解決手段】水分重量を測定するための測定装置(10)であり、当該装置は、ハウジング(20)と、当該ハウジング(20)内に配置された測定室(30)と、前記ハウジング内に設置されている秤量装置(40)とを備えている。前記秤量装置は、当該装置の測定位置において当該測定装置の内部に配置されている試料受け取り装置(60)を含んでいる。更に、測定プロセスの際に前記試料受け取り装置上に配置されている試料を加熱する機能を果たす放射線源(11)が前記測定室内に設けられている。測定室内により安定した流れのパターンを達成する手段として、測定プロセス中に試料によって放出される水分を前記測定室から除去する機能を果たす吸引装置(70)が、前記測定室に隣接して配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水分重量測定のための測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
試料内の水分を測定するためには、試料を乾燥させ、乾燥過程の前後での試料の重量が測定される。この方法は、多量な作業が含まれているので極めて費用がかかるばかりでなく誤りが多い。
【0003】
幾つかの場合には、乾燥過程中に重量の減少量もまた測定することができる。所与の試料においては、重量の減少量は、温度、乾燥時間の長さ及び測定室内の状態の関数であり、これは、試料の乾燥重量に漸近的に近づく重量対時間の曲線に一致する。所与の試料に対する曲線は、比較実験によって決定され且つ近似式によって数学的に表すことができる。利用できる電子技術を適切に備えている水分重量測定のための測定装置は、上記の曲線の測定パラメータに基づき且つ乾燥時間の長さに基づいて試料の水分を計算することができ且つ結果を表示ユニットに示すことができる。この方法においては、乾燥されるべき物体は、最早、全体的に乾燥させる必要はなく、重量対時間の線図内の2つの測定点の座標を測定することで十分である。
【0004】
既に最初に述べたように、試料の重量変化は、実質的に、温度、乾燥時間の長さ及び測定室内の状態の関数である。特に、測定室に課される厳しい要件は、市販によって入手可能な装置の精度に限界を設けている。
【0005】
本明細書における“測定室”という用語は、測定装置のハウジングによって包囲され且つ試料を出し入れするために開けることができる空間を意味している。測定室の内部には、試料受け取る装置及び試料を加熱する手段も配置されている。試料受け取り装置は、重量測定装置に結合されている。
【0006】
通常は、試料は、平らな試料受け取り装置上の薄い層例えば試料トレイ上に広げられる。試料を均一に加熱するために、試料トレイは、その平らな領域が水平で且つ試料加熱手段が占める平らな領域に平行となるように配置されるのが好ましい。
【0007】
試料を加熱するための手段としては、放熱器、マイクロ波発生器、ハロゲンランプ及び石英水銀燈のような種々の放射線源が使用される。
信頼性のある乾燥プロセスのためには、測定プロセス中に試料から出て来る蒸気は測定室から除去できることが必要である。従って、測定室と測定装置の雰囲気との間の測定装置のハウジング内に通気穴を配置することが通常行われる。測定室の下方部分に配置されている通気穴は、比較的乾燥し且つ冷たい空気のための入口として機能する。放射線源によって測定室内の空気が加熱されると、空気は試験室内を上昇し且つ加熱された状態で試料から水分を吸収することができる。水分を満たされた暖かい空気は、測定室の上部に配置されている通気穴を介して測定室から出て行く。
【0008】
上記のタイプの水分重量測定装置がヨーロッパ特許EP 1 004 859 B1に開示されている。この装置のハウジングは、放射線源の上方に通気穴を備えている。これらの通気穴は、試料から水分が逃げるのを可能にする。水分が測定されるべき試料の種類に応じて、加熱の結果として、例えばそれら自体の強い臭気を有し又は有毒又は腐食性であり得る他の揮発成分が試料から追い出されることが起こり得る。このような揮発性物質は、特に、試料の部分的な熱分解によって生成し得る。更に、水分は、試料内に分布せし
められている水分に限られないかも知れず、沸点が水の沸点よりも低い揮発性物質が測定プロセス中に試料から追い出されることも起こり得る。このような物質としては、例えば、有機或いは無機溶剤、試料内に封入され又は溶解している気体、プラスチック材料を測定するときに逃げ出す可塑剤及びこれらと同様の物質がある。
【0009】
上記したように、暖かい空気は測定室内を底部から頂部へ上昇する。上昇する空気の一部分は、試料受け取り装置に沿って押し流され、それによって、荷重方向に対して作用する力を生じさせる。この力は測定室内の空気の流速によって連続的に変化するので、この力が秤量結果にもたらす誤差を補償することは極めて難しい。試料から逃げ出す水分の除去は乾燥プロセスに著しい影響を及ぼすので、乾燥速度もまた空気の流速に応じて変化する。
【0010】
結果として起こる時間に対する誤差のデータによって、上記した数学的モデルによる分析において達成することができる精度は制限される。数学的モデルの使用の代替例として、水分の全てが試料から少なくとも可能な程度まで追い出されなければならない公知の方法に頼ることができる。しかしながら、これは、極めて長い乾燥時間を必要とし、それによって、放射線源からの熱に長時間曝される結果として試料の熱分解又は酸化が起こるおそれが増大する。(特許文献1参照)
上記した理由により、水分重量測定装置によって水分の絶対値を測定することは殆ど不可能である。従って、物体の水分のより正確な測定のために、公知のカールフィッシャー滴定方法が依然として使用されている。この方法は、極めて労働集約的であり、ユーザーが誤りがちであり、費用がかかる。
【特許文献1】ヨーロッパ特許EP 0 611956 B1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、本発明は、導入部分において説明したタイプの水分重量測定装置に、試料の水分をより正確に測定することができる改良された測定状態を有する測定室を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的にかなう水分重量測定装置は、ハウジングと、当該ハウジング内に配置された測定室と、前記ハウジング内に設置された秤量装置とを含んでいる。当該秤量装置は、測定状態で前記測定室内に配置される試料受け取り装置を含んでいる。測定室内にはまた、測定プロセス中に前記試料受け取り装置上に配置された試料を加熱するための放射線源も配置されている。測定室内により安定した空気の流れ状態を達成するために、吸引装置が、試験室内に隣接して配置されており、それによって、測定プロセス中に試料から逃げ出す水分及び揮発性物質を測定室から取り出すことができる。
【0013】
本明細書における“測定状態”という用語は、測定装置の内部に配置されている部材が測定を行うことができるような形態で相対的に配置されている状態を意味している。実際上は、これは、試料受け取り装置が放射線源のすぐ隣の測定室内に配置されていること及び試料を測定室内に配置するための閉塞可能な開口が閉じられて測定室内の雰囲気の流れの状態が外側から影響を受けないようにされていることを意味する。“試料受け取り装置”という用語は、本質的には、重量測定装置の荷重受け取り装置又は秤量パンを意味している。
【0014】
吸引装置は、測定室内の圧力レベルを若干下げ、それによって、ガス状媒体が、例えば、測定室の壁に設けられた通過穴を介して測定室の外部から引き込まれるようにする。ガス状媒体は、適当な方法で測定室内へ導かれ、そこで、水分を吸収し、吸引装置によって
測定室から取り出される。更に、測定室内の圧力を若干下げることによって試料からの水分の放出を促進する。もちろん、ガス状媒体はまた、過圧下で測定室を介して給送することもできる。
【0015】
吸引装置は、例えば、換気装置又は真空ポンプを備えた排気通過穴のような装置に限られない。気体給送装置が過圧下で外部から測定室内へガス状媒体を導入する場合には、気体給送装置及び測定室から気体を除去するための排気穴も同様に吸引装置を構成する。
【0016】
理想的には、秤量装置と測定室とは、測定装置のハウジング内に併設される。測定室の少なくとも1つの壁好ましくは秤量装置に対向している壁は、秤量装置を測定室内に配置されている試料受け取り装置に結合する結合部材が通る少なくとも1つの通過穴を備えている。
【0017】
当該測定装置の1つの実施形態においては、放射線源が、測定室内において荷重方向に関して試料受け取り装置の上方に配置されている。従って、試料は上方から加熱される。
放射線源は、例えば、加熱プレート、加熱箔、ハロゲン加熱ランプ、水晶加熱ランプ、熱放射器のような多くの可能性から選択することができる。
【0018】
測定装置の更に別の実施形態においては、放射線源は、第一の放射線源及び第二の放射線源を、試料受け取り装置が前記第一の放射線源と第二の放射線源との間に配置される配置状態で含んでいる。この配置は、公知技術より優れた大きな利点を有している。2つの放射線源を試料受け取り装置の下方及び上方に配置することによって、熱分布に対する著しく良好な制御が得られる。試料は、より均一に且つ短時間で加熱される。両方の放射線源の放射線の強度は、試料及び使用されている試料受け取り装置に適切に適合させることができる。試料の厚みを横切って適切な温度プロファイルを選択することによって、水分の除去は、試料の破壊又は酸化を生じさせることなく、更にスピードアップさせることができる。放射線源は、電子制御及び調整構造によって制御又は調整することができる。調整を行うためには、試料の温度及び/又は測定室の内部温度を、測定室内に配置された温度センサーのような適切な手段によって測定することが必要である。測定条件のより正確な判定のためには、更に、測定室内に温度センサーを設けることもできる。
【0019】
試料受け取り装置の上に試料を広げる際に、層の厚みが場所によって変化することは避けることができない。この変化は、試料及び広げる方法に依存する。試料内の熱分布に対する改良された制御により、試料受け取り装置上での試料の不均一な広がりは、測定結果に対する影響を少なくする。
【0020】
ガス状媒体の流速がそれほど速くない場合には、測定室の適当な設計によって、ガス状媒体内の乱流及び測定値に対して有する有害な影響を最少化することが可能である。従って、荷重方向に対して試料受け取り装置及び放射線源の上方に吸引装置を配置することが好ましい。従って、吸引装置は、測定室内でのガス状媒体の付加的な乱流を惹き起こさない。
【0021】
逃げ出る水分が試料と放射線源との間に停滞した及び水分が飽和した気体緩衝材状に保持されて、測定室から水分が出て行くのを妨げるのを防止するために、放射線源には気体を通過させる穴を設けるのが好ましい。
【0022】
この測定装置には、所望によるか自動的に秤量装置を校正する機能を果たす校正装置が備えられているのが好ましい。
当該校正装置は、1つの校正用錘又は複数の校正用錘を含むことができる。特に好ましい実施形態においては、校正プロセス中の1以上の校正用錘の質量中心は、荷重方向に向
けられ且つ試料受け取り装置及び/又は試料の重心を通る軸線上に位置せしめられる。この目的は、校正プロセスにおいて決定される補正ファクタの偏倚荷重誤差(又は隅角誤差とも称される)を避けることである。
【0023】
当該測定装置の秤量装置は秤量セルを含んでおり、当該秤量セルは、荷重受け部分とハウジングに堅固に結合されている固定部分とを備えている。試料を測定室内に配置する向き及び続いてそれを再び取り出すのを容易にするために、試料受け取り装置は、荷重受け部分に結合し或いは分離することができる構造とすることができる。
【0024】
試料受け取り装置がガス状媒体の通過する流れによって影響を受ける程度を最少にするために、試料受け取り装置を部分的に包囲する内部通気シールドを測定室内に更に配置することができる。
【0025】
測定室は、ハウジング内の壁によって形成されており且つそれによって秤量装置からほとんど完全に分離されるけれども、秤量装置の秤量結果は、放射線源によって大きく影響を受け得る。従って、熱絶縁を提供するために、測定室の壁は、少なくとも測定室と秤量装置との間の二重壁として構成されるのが好ましく、測定装置の外部から吸引されるガス状媒体好ましくは空気は、前記二重壁の内部へと流れるように導かれる。ガス状媒体はまた、もちろん、過圧下で測定装置内へ導入することもできる。測定室内又は二重壁の内側には、更に、測定室内の静電気を除去するために、例えば電離器のような静電気除去手段を設けることができる。
【0026】
ガス状媒体は、化学的に安定しており且つ測定室内の試料及び物体との反応に対する強い慣性を有しているのが好ましい。これらの性質を有しているガス状媒体は、窒素及び例えばアルゴンのような希ガスのような保護ガスを含んでいる。
【0027】
特別な場合には、試料による物質の再吸収を妨げるために、蒸気のような又は気体状の物質と反応するガス状媒体を使用することも可能である。水蒸気の場合には、例えば種々のハロゲンを使用することができる。これは、ガス状媒体が予め規定された水分を有している特定の用途に対して有利である。これは、比較測定の再現性を改良する助けとなる。
【0028】
測定結果は、吸引装置によって積極的に発生されるか又は純粋に熱的作用によって生じるかに拘わらず、測定室内を流れる流れによって影響を受ける。測定室内で底部から頂部へと上昇するガス状媒体は、試料受け取り装置の下側に当接して測定された試料の重量を軽くする。一方、浮力によって試料にかかる持ち上げ力は、温度上昇と共に減少する。流れが積極的に発生される場合には、試料受け取り装置の近くの流速は、既知であるか又は試料の無い状態での測定によって決定することができる。もちろん、この種の作用はまた、実際の測定の前に、ダミー試料によって補償値を決定することによって電子的に補償することができる。
【0029】
上記したように、乾燥プロセスにおいては、例えば、それ自体の強い臭気を有するかも知れず又は有毒若しくは腐食性を有するかも知れない付加的な揮発性物質が試料から追い出されることもあり得る。従って、測定装置の吸引装置には、試料から出て来る水分及び/又は揮発性物質を媒体が測定室を出た後に冷却させることによってガス状媒体から凝縮させる凝縮器を備えることが好ましい。凝縮器の代わりに又はこれに加えて、吸引装置は、化学的又は機械的フィルタを有することができる。特に好ましい実施形態においては、前記フィルタは、例えば活性炭のような吸着剤を含んでいる。
【0030】
当該測定装置の上記の実施形態は、多数の多様なプロセスが行われるのを可能にする。指定された温度プロファイルによって所定の測定期間に亘る重量減少を測定することによ
って試料の水分を測定する機能を果たすこのようなプロセスのうちの一つは、ほぼ次のステップを含んでいる。すなわち、この方法は、
−放射線源及び/又は吸引装置のうちの少なくとも1つによって、測定室を調整して規定された温度にするステップと、
−前記試料を測定室内に配置するステップと、
−所定の時間間隔で試料の重量を測定し且つ/又は測定の全期間に亘って重量の減少を連続的に測定するステップと、
−測定結果を評価し且つ/又は測定結果を指示ユニットに送るステップとを含んでいる。
【0031】
実際の測定を開始する前に測定室を調整することによって測定結果の再現性を改良する測定室内の安定状態を達成することができる。
ガス状媒体を調整するための装置が備えられている場合には、測定装置によって更に別のプロセスを行うことができる。このプロセスは、所定の測定時間に亘る且つ規定された温度プロファイルでの重量利得を測定することによって、水分に対する試料の親和力を測定する機能を果たす。当該方法は、ほぼ以下のステップを含んでいる。すなわち、当該方法は、
−試料を測定室内に配置するステップと、
−試料を所定の水分となるように調整するステップと、
−測定室を、放射線源及び/又は吸引装置のうちの少なくとも1つによって所定の温度に設定するステップと、
−既知の水分を有するガス状媒体を、予め規定された流量及び予め規定された温度プロファイルで、測定期間に亘って測定室内に注入するステップと、
−所定の時間間隔で試料の重量を測定し且つ/又は測定の全期間に亘って連続的に重量の利得を測定するステップと、
−測定結果を評価し且つ/又は測定結果を指示ユニットに送るステップと、を含んでいる。
【0032】
上記したように、測定結果は、気流の作用によって著しく影響を受け得る。これらの作用を大きく排除する手段として、試料重量の測定が測定期間に亘って予め規定された測定間隔でなされる方法が想到できる。当該方法においては、吸引装置は、各測定時間の前にオフ状態に切り換えられ、各測定時間の後にオン状態に戻される。
【0033】
上記の各方法は、測定室が調整されつつあるという点を共通としている。調整段階はまた、所望ならば、浮力及び気流による誤差に対する補正を決定するための時間でもある。
集められた測定結果内の浮力作用又は気流による誤差を電子的に補正する第一の方法は、ほぼ以下のステップを含んでいる。すなわち、当該方法は、
a.測定室内に基準対象物を配置するステップと、
b.放射線源及び/又は吸引装置のうちの少なくとも1つによって、測定室を特定の温度になるように調整するステップと、
c.前記基準対象物の基準重量値を測定するステップと、
d.吸引装置をオンに切り換えるステップと、
e.前記基準重量の補正重量値を所定の測定間隔で測定し且つ/又は全測定期間に亘って重量変化を連続的に測定するステップと、
f.前記補正重量値から基準重量値を差し引くことによって、全測定期間に亘って補正値又は補正プロファイルを計算するステップと、
g.前記補正値又は補正プロファイルを記憶モジュールに記憶するステップと、
h.前記測定室から前記基準対象物を取り出すステップと、
i.ステップa〜hにおいて測定された補正値を考慮に入れながら試料の測定を行うステップと、を含んでいる。
【0034】
基準本体は、ダミーの試料トレイとすることができ、又は補正値が決定された後に試料が広げ延ばされる試料トレイとすることもできる。
浮力又は気流による誤差を電子的に補正するための第二の方法は、ほぼ以下のステップを含んでいる。すなわち、当該方法は、
−吸引装置及び/又は測定室内に配置されている少なくとも1つのセンサーによって、ガス状媒体の体積流量又は質量流量を測定するステップと、
−前記体積流量又は質量流量に対して得られた結果に基づいて、全測定期間に亘って補正値又は補正プロファイルを記憶モジュール内に記憶するステップと、
−上記の各ステップにおいて決定された補正値を考慮に入れて試料に対する測定を行うステップとを含んでいる。
【0035】
更に、上記の測定装置によって測定された結果を検証することも可能である。前記測定値を検証するための方法は、ほぼ以下のステップを含んでいる。すなわち、当該方法は、
−吸引装置及び/又は測定室内に配置されている少なくとも1つのセンサーによって、ガス状媒体の体積流量を全測定期間に亘って測定するステップと、
−少なくとも1つの湿度センサーによって、前記湿度が一定に保たれるか又は変化するのを許容する状態で、前記測定室内へ流れ込むガス状媒体の湿度を全測定期間に亘って測定し且つ記録するステップと、
−少なくとも1つの湿度センサーによって、前記湿度が一定に保たれるか又は変化するのを許容されている状態で、前記測定室から流れ出すガス状媒体の湿度を全測定期間に亘って測定し且つ記録するステップと、
−この方法において上記測定された体積流量から検証値を計算すると共にガス状媒体の流入する流れと流出する流れとの水分の差を、全測定期間に亘って計算するステップと、を含んでいる。
【0036】
ガス状媒体内の流動状態及び不均一な水分の分布により、これらの検証値は、試料に対して測定された重量の減少データよりも精度が低い傾向がある。従って、これらは、本質的には、測定装置が適正に機能していることを検証する役目を果たす。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
本発明による測定装置の詳細は、図面に示されている実施形態の説明によって提供される。
図1は、本発明の第一の実施形態による測定装置10を断面で示している。測定装置10は、内部に測定室30が配置されているハウジング20を備えている。ハウジング20は、可動のハウジング部分22と固定のハウジング部分21とに分かれている。固定のハウジング部分21内には、秤量セル43、校正用錘処理機構44及び全てが通信手段51によって相互に接続されている少なくとも1つの電子モジュール45が配置されている。電子モジュール45は、少なくとも1つの信号処理モジュール(ここでは詳細に示されていない)を含んでおり、恐らくは制御及び/又は調整モジュールをも含んでいる。秤量セル43は、少なくとも1つの固定部分46と荷重受け部分47とを備えている。公知のタイプの秤量セルとしては、例えば、歪みゲージを担持している弾性的に変形可能な本体又は電磁力補償原理に基づいた秤量セル又は振動ストリング、容量型秤量センサー等を備えている秤量セルがある。固定部分46は、固定のハウジング部分21に堅固に結合されている。荷重受け部分47上には、試料受け取り装置60を荷重受け部分47に結合する結合部材53が設けられている。図示されているように、試料62を有する試料トレイ61が試料受け取り装置60上に配置することができる。試料受け取り装置60の適切な設計によっては、試料62を試料受け取り装置60上に直に載置することももちろん可能である。
【0038】
更に、校正用錘受け取り装置台48が結合部材53上に形成されている。校正用錘49は、校正用錘処理機構44によって荷重受け取り装置台48上に載置することができる。校正用錘処理機構44は、測定装置10の電流作動状態に基づく測定信号のための補正値を決定するために、ユーザーによって又は測定装置10の制御によって作動せしめられる。補正値が決定された後に、校正用錘49は校正用錘受け取り装置台48から再び分離され且つ次の校正サイクルが行われるまで校正用錘処理機構44によって載置台50上に保持される。理想的には、補正値の偏倚荷重誤差を避ける一つの方法として、校正用錘49の質量中心又は適用可能な場合には複数の校正用錘49の集合質量中心は、試料受け取り装置60及び/又は試料トレイ61及び/又は試料62の重心を通る軸線の近くに位置する。“偏倚荷重誤差”(隅角荷重誤差とも称される)という用語は、荷重が試料受け取り装置60上に偏って配置されているときの秤量装置によって測定される重量に生じる中心位置に配置されているときと比較した偏差を意味する。
【0039】
図1に示されているように、可動のハウジング部分22は、放射線源11が配置される蓋として形成されている。吸引装置70が、可動のハウジング部分22内の放射線源11の上方に組み込まれている。可動のハウジング部分22は、ハウジング20の頂部に配置されているヒンジ29によって固定のハウジング部分21に結合されている。ヒンジ29の枢軸はほぼ水平に延びている。可動のハウジング部分22は、測定室30の上方部分を形成している。図1は、試料装荷状態にある測定装置10を示しており、測定室30の蓋が開放状態で示されている。
【0040】
測定室30の下方部分は、固定のハウジング部分21内に形成されている。秤量装置40に機械的に結合されている結合部材が同様に測定室30の下方部分内へと突出していて、結合部材53に結合されている試料受け取り装置60が測定室30内全体に配置されている。熱絶縁を提供するために、秤量装置40と測定室30との間の固定のハウジング部分21は、少なくとも部分的には、二重壁として形成されている。壁28の二重壁構造においては、ガス状媒体が測定室30内へ導かれることができる通気ダクト27が形成されている。測定プロセス中にダクト内を流れる媒体は壁28を冷却して、測定室から放出された熱が秤量装置40を含んでいるハウジングの一部分へ侵入できないようになされている。
【0041】
更に、通気ダクト27内には種々の補助装置を配置することができる。例えば、ガス状媒体は、測定室30内の静電気を除去するために、電離器90によって電離させることができる。結合部材を測定室内へ突出させるために、壁28は通過穴24を備えている。図2に示されているように、この通過穴はまた、通気ダクト27内を流れる媒体が通過穴24を通って測定室30内へ入ることができず且つ結合部材53に力をかけることがあり得ないように、閉塞された管状導管として形成することができる。
【0042】
図2は、本発明による測定装置110の第二の実施形態の断面図である。測定装置110自体は、図1の測定装置に極めて類似している。同一の特徴に対しては同じ参照番号が使用されており、これらの特徴は再度詳細に説明されることはない。図2に閉塞状態で示されている測定装置110の測定室130においては、試料受け取り装置60を部分的に包囲している内側の通気シールド119が配置されている。これによって、ガス状媒体の気流は、試料受け取り装置60に影響を及ぼすのが防止される。図1の説明において既に述べたように、通過穴24は、測定室130と、秤量装置40が配置されている固定のハウジング部分21の内部空間118との間に設けられた管状導管として形成されている。結合部材53は、この通過穴124を介して延びて試料受け取り装置60を秤量セル43の荷重受け部分47に結合している。通気ダクト127を横切る管状導管として設計された通過穴124によって、ガス状媒体の流入する流れが、結合部材53と接触状態となることなく通過穴124の周囲を流れる。この結果、ガス状媒体は、通過穴124を介して
直接測定室130内に入ることはない。図示されているように、管状通過穴124は更に、内側通気シールド119を固定のハウジング部分21に結合するという目的を更に有している。ガス状媒体が測定室130内へ入る前の予加熱するための手段として、通気ダクト放射線源138を通気ダクト127内に配置することができる。
【0043】
図3は、第三の実施形態における測定装置210の断面図である。ハウジング220内に配置されている秤量装置240は、秤量装置40のための図1の説明において上に列挙したものとほぼ同じ部材を備えている。ハウジング220は、固定のハウジング部分221と可動のハウジング部分222とに分けられている。
【0044】
秤量装置240は、固定のハウジング部分221によって大きく包囲されている。秤量装置240に結合されている試料受け取り装置260のみが、固定のハウジング部分221から突出しており且つ可動のハウジング部分222が測定を行う状態に配置されたときに可動のハウジング部分222の空間内へ延びている。試料トレイ262、るつぼ等のような異なる形状の容器を、試料受け取り装置260上に配置することができる。試料受け取り装置260は、この実施例においてはリング形状である。
【0045】
可動のハウジング部分222は、ユニットの外側包囲体を形成しており、当該ユニットは、可動のハウジング部分222が垂直枢支軸239を中心に旋回するのを可能にするために、固定のハウジング部分221に枢動可能に結合されている。測定室230は、可動のハウジング部分222の内部に形成されており、少なくとも試料262の表面上に出来るだけ均一な熱分布を達成するために、(荷重方向に関して)測定室230の上方部分に設けられている第一の放射線231は、試料受け取り装置260にほぼ平行に配置されている。測定室230の下方部分において試料受け取り装置260の下方に設けられた第二の放射線源232は、試料受け取り装置260にほぼ平行に配置されており、当該放射線源によるその放射線は下方から試料262へ導かれている。しかしながら、平行配置は絶対的に必要なものではない。このことは、試料262及び行われる測定に応じて、第一の放射線源231及び/又は第二の放射線源232が試料受け取り装置260に対して斜角で配置される場合には有利でもあるかも知れない。下方及び上方2つの面から放射線源に曝されることにより、試料262内により均一な熱分布が達成される。この結果、試料262内の過熱状態となる部分がより少なくなり、過熱状態は、試料262の過熱場所での熱分解又は酸化という結論を有し得る。例えば、プラスチック材料の形態の試料262が比較的低い融点を有する場合には、試料262の表面は過度に不均一な過熱によって局部的に溶融し、それによって、試料262からの水分の放出が妨げられる。時間依存パラメータを含む計算方法が使用されている場合には、これは、結果のかなり大きな誤差につながり得る。
【0046】
可動のハウジング部分222は更に、ユニットが旋回されたときに、定位置に試料262を有する試料受け取り装置260が可動のハウジング部分222に接触しない形態で形成されている試料装荷開口225を更に備えている。図3に示されているように、当該装置の測定位置においては、測定室230は試料受け取り装置260を包囲しており、第一の放射線源231は試料受け取り装置260の上方に配置されており、第二の放射線源232は試料受け取り装置260の下方に配置されている。
【0047】
第一の放射線源231は、ゲートを形成して試料262から逃げ出す水分が貫通穴280を介して試料162の近くから容易に除去できるようにするために、複数の貫通穴280によって遮られている。吸引装置270が、可動のハウジング部分221内の第一の放射線源231の上方に設けられている。吸引装置270は、測定室230内の圧力を下げて、例えば、測定装置210を包囲している雰囲気が通気穴223を介して又は可動のハウジング部分221の試料装荷開口を介して測定室230内へ取り込まれるようにしてい
る。取り込まれた空気は、放射線源231,232によって測定室230内で加熱され、試料262から逃げ出す水分を吸収し、吸引装置270によって測定室230から出て行く。試料262から追い出された水分を吸収する吸引されたガス状媒体の流速は、吸引装置270の吸引力によって制御することができる。例えばそれ自体強い臭気を有し、有毒で又は腐食性である揮発性物質を処理するために、吸引装置270の吸引溝に加えて凝縮器及び/又はフィルタ271を備えることができる。現存の基礎構造に応じて、例えば、結合ホース273を介して換気フードチャンバ内に吸収された水分を有するガス状媒体を送ることが可能である。
【0048】
図4は、第四の実施形態における測定装置310の断面図である。固定のハウジング部分321及びその内部に配置されている秤量装置340、試料受け取り装置360のみならず結合部材353のような部材は、図1の説明において上記した部材にほぼ類似している。図3の測定装置210と同様に、測定装置310は、第一の放射線源331と第二の放射線源332とを備えている。第二の放射線源は、荷重方向に関して、第一の放射線源331が試料受け取り装置360の上方に配置され、第二の放射線源332が試料受け取り装置360の下方に配置されるような形態で測定室330内に配置されている。
【0049】
第一の放射線源331及び一体的に含まれている吸引装置370のような部材が内部に配置されている可動のハウジング部分322は、図1の可動のハウジング部分22とほぼ類似している。しかしながら、図1の構造と異なり、可動のハウジング部分322は、ヒンジによって固定のハウジング部分321に結合されておらず、固定のハウジング部分321内での可動のハウジング部分322の直線動作を可能にするローラー318及びガイド軌道319によってガイドされるようになされている。通気ダクト27の代わりに、測定室330は気体入口穴315を備えており、当該気体入口穴315は、可撓性のホース316によって、加圧容器317又はビルディング内に設置されている配管設備に結合されている。
【0050】
加圧容器317はガス状媒体を貯蔵しており、ガス状媒体が測定室330内に入ったときに、ガス状媒体が規定された且つ一定の水分を有するように調整装置314によって調整されるのが好ましい。ガス状媒体は上記の雰囲気圧力で測定室330内へ流れ込むので、吸引装置370は換気出口穴と置換することもできる。測定室330を通る流速は、この場合には、吸引装置370の吸引力によってではなく測定室330内の通常の圧力においてガス状媒体の流入する流れの体積流量によって判定される。
【産業上の利用可能性】
【0051】
ここに提供した実施形態は、種々の特性及び水分の重量測定のための特徴を備えた測定装置を示している。明確化のために、種々の特性及び特徴を異なる実施形態において示したけれども、提案された特徴及び特性の一つのみ又は幾つか又は全てを一つの測定装置において実現することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】図1は、ハウジングを備えている測定装置の第一の実施形態の断面図であり、当該実施形態においては、測定室と秤量装置とが、相互に隣接して配置されており、蓋を備え、当該蓋は、ほぼ水平な枢支軸によってハウジングにヒンジ結合されており且つ放射線源のみならず当該蓋に組み込まれた吸引装置を保持し、前記秤量装置と測定室との間に配置されている隔離通気ダクトを備えている図である。
【図2】図2は、図1の測定装置に大いに類似しているが、通気ダクト内に設けられた加熱装置と測定室内に設けられた内部通気シールドとを備えている測定装置の第二の実施形態の断面図である。
【図3】図3は、垂直軸にヒンジ結合され且つ第一及び第二の放射線源を含んでいる測定装置の第三の実施形態の断面図であり、旋回ユニットと秤量装置とが併設されており、吸引装置と通気穴とが前記旋回ユニット内に組み入れられている図である。
【図4】図4は、ハウジングを備えている測定装置の第四の実施形態の断面図であり、当該実施形態においては、測定室と秤量装置とが、併設されて配置されており、蓋を備え、当該蓋は、水平方向に摺動できるように設計されており、第一の放射線源と、一体的に設置された吸引装置とを収容しており、前記測定室は気体入口穴を備えている図である。
【符号の説明】
【0053】
310,210,110,10 測定装置、
11 放射線源、
220,20 ハウジング、
321,221,21 固定のハウジング部分、
322,222,22 可動のハウジング部分、
124,24 通過穴、
127,27 通気ダクト
128,28 壁、
29 ヒンジ、
330,230,130,30 測定室、
340,240,40 秤量装置、
43 秤量セル、
44 校正用錘処理機構、
45 電子モジュール、
46 秤量セルの固定部分、
47 秤量セルの荷重受け部分、
48 校正用錘受け取り装置台、
49 校正用錘、
50 校正用錘載置台
51 通信手段、
353,53 結合部材、
360,260,60 試料受け取り装置、
61 試料トレイ、
262,62 試料、
370,270,70 吸引装置、
90 電離器、
118 内部空間、
119 内部通気シールド、
138 通気ダクト内の放射線源、
271,171 フィルタ、
225 試料装荷開口、
331,231 第一の放射線源、
332,232 第二の放射線源、
239 枢支軸、
273 可撓性ホース、
280 貫通穴、
223 通気穴、
314 調整装置、
315 気体入口穴、
316 可撓性ホース、
317 加圧容器、
318 ガイドローラー、
319 ガイド軌道

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(20)と、当該ハウジング(20)内に配置されている測定室(30)と、ハウジング(20)内に配置された秤量装置(40)とを含んでいる水分重量の測定のための測定装置(10,110,210,・・・)であり、
前記秤量装置(40)は、測定を行う状態に配置されるときに前記測定室(30)内に配置される試料受け取り装置(60)を含んでおり、更に、前記測定室(30)内に配置され且つ測定プロセス中に前記試料受け取り装置(60)上に配置された試料(62)を加熱するように機能する放射線源(11)を更に含んでおり、前記測定室(30)に隣接して吸引装置(70)が配置されており、当該吸引装置(70)は、測定プロセス中に試料(62)から出て来る水分及び/又は揮発性物質を前記測定室(30)から取り出す機能を果たすようになされていることを特徴とする水分重量の測定のための測定装置(10,110,210,・・・)。
【請求項2】
請求項1に記載の水分重量の測定のための測定装置(10,110,210,・・・)であり、
前記秤量装置(40)と前記測定室(130)とは前記ハウジング内で併設されており、前記測定室(130)の少なくとも1つの壁好ましくは秤量装置(40)に対向している壁(128)が、結合部材(53)がその中を延びて秤量装置(40)を測定室(130)内に配置されている試料受け取り装置(60)に結合する少なくとも1つの通過穴(124)を備えていることを特徴とする水分重量の測定のための測定装置(10,110,210,・・・)。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の水分重量の測定のための測定装置(10,110,210,・・・)であり、
前記吸引装置(70)が、前記荷重方向に関して好ましくは前記放射線源(11)の上方に配置されていることを特徴とする水分重量の測定のための測定装置(10,110,210,・・・)。
【請求項4】
請求項1乃至3のうちのいずれか一項に記載の水分重量の測定のための測定装置(10,110,210,・・・)であり、
前記放射線源(11)が、測定室(30)内において、前記荷重方向に関して好ましくは前記試料受け取り装置(60)の上方に配置されていることを特徴とする水分重量の測定のための測定装置(10,110,210,・・・)。
【請求項5】
請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載の水分重量の測定のための測定装置(10,110,210,・・・)であり、
前記放射線源が、第一の放射線源(231)と第二の放射線源(232)とを含み、前記試料受け取り装置が、前記第一の放射線源(231)と第二の放射線源(232)との間に配置されていることを特徴とする水分重量の測定のための測定装置(10,110,210,・・・)。
【請求項6】
請求項1乃至5のうちのいずれか一項に記載の水分重量の測定のための測定装置(10,110,210,・・・)であり、
前記放射線源(231)が気体が通過できる穴(280)を備えていることを特徴とする水分重量の測定のための測定装置(10,110,210,・・・)。
【請求項7】
請求項1乃至6のうちのいずれか一項に記載の水分重量の測定のための測定装置(10,110,210,・・・)であり、
前記秤量装置(40)に校正用装置(48,49,50)が備えられていることを特徴
とする水分重量の測定のための測定装置(10,110,210,・・・)。
【請求項8】
請求項7に記載の水分重量の測定のための測定装置(10,110,210,・・・)であり、
前記校正装置(44,46,48,49)が1以上の校正用錘(49)を含んでおり、当該1以上の校正用錘(49)の質量中心が、校正プロセスの際に、荷重方向に向けられ且つ試料受け取り装置(60)及び/又は試料(62)の重心を通る軸線上にあることを特徴とする水分重量の測定のための測定装置(10,110,210,・・・)。
【請求項9】
請求項1乃至8のうちのいずれか一項に記載の水分重量の測定のための測定装置(10,110,210,・・・)であり、
前記秤量装置(110)が荷重受け部分(47)を備えている秤量セル(43)を備えており、前記試料受け取り装置(60)が、前記試料受け部分(47)に結合できるばかりでなく分離できる構造とされていることを特徴とする水分重量の測定のための測定装置(10,110,210,・・・)。
【請求項10】
請求項1乃至9のうちのいずれか一項に記載の水分重量の測定のための測定装置(10,110,210,・・・)であり、
前記試料受け取り装置(60)が、前記測定室(130)内に配置されている通気シールド(119)によって部分的に包囲されていることを特徴とする水分重量の測定のための測定装置(10,110,210,・・・)。
【請求項11】
請求項1乃至10のうちのいずれか一項に記載の水分重量の測定のための測定装置(10,110,210,・・・)であり、
前記測定室(130)が壁(128)によって前記ハウジング内に形成されており、当該壁(128)は、好ましくは少なくとも測定室(130)と秤量装置(40)との間の二重壁として形成されていることを特徴とする水分重量の測定のための測定装置(10,110,210,・・・)。
【請求項12】
請求項11に記載の水分重量の測定のための測定装置(10,110,210,・・・)であり、
ガス状媒体好ましくは空気が前記二重壁(128)の内部へ導かれることを特徴とする水分重量の測定のための測定装置(10,110,210,・・・)。
【請求項13】
請求項11又は12に記載の水分重量の測定のための測定装置(10,110,210,・・・)であり、
前記測定室(30)から静電気を除去する手段好ましくは電離器が、測定室(30)又は前記二重壁内に配置されていることを特徴とする水分重量の測定のための測定装置(10,110,210,・・・)。
【請求項14】
請求項12又は13に記載の水分重量の測定のための測定装置(10,110,210,・・・)であり、
前記ガス媒体が、化学的に安定しており且つ/又は測定室(330)内の試料(62)及び物質に対して化学的に不活性であることを特徴とする水分重量の測定のための測定装置(10,110,210,・・・)。
【請求項15】
請求項12乃至14のうちのいずれか一項に記載の水分重量の測定のための測定装置(10,110,210,・・・)であり、
前記ガス状媒体が既知の水分を有していることを特徴とする水分重量の測定のための測定装置(10,110,210,・・・)。
【請求項16】
請求項1乃至15のうちのいずれか一項に記載の水分重量の測定のための測定装置(10,110,210,・・・)であり、
前記吸引装置(70)が凝縮器及び/又はフィルタ(171)を備えていることを特徴とする水分重量の測定のための測定装置(10,110,210,・・・)。
【請求項17】
請求項16に記載の水分重量の測定のための測定装置(10,110,210,・・・)であり、
前記フィルタ(171)及び/又は凝縮器が吸着剤を含んでいることを特徴とする水分重量の測定のための測定装置(10,110,210,・・・)。
【請求項18】
請求項1乃至17のうちの一つによる測定装置(10,110,210,・・・)によって試料(62)内の水分を測定する方法であり、実質的に以下のステップ、すなわち、
−前記測定室(30)を、前記放射線源(11)及び/又は吸引装置(70)のうちの少なくとも1つによって規定された温度に設定するステップと、
−前記試料(62)を測定室(30)内に配置するステップと、
−前記試料の重さを所定の時間間隔で測定し且つ/又は測定の全期間に亘って重量の減少を連続的に測定するステップと、
−測定結果を評価し且つ/又は測定結果を指示ユニットに送るステップと、を含むことを特徴とする試料内の水分を測定する方法。
【請求項19】
請求項1乃至17のうちの一つによる測定装置(10,110,210,・・・)を使用して、所定の期間に亘り且つ規定された温度プロファイルを有する測定において重量の増加を測定することによって試料(62)内の水分に対する親和力を測定するための方法であり、当該方法は、
−試料(62)を測定室(30)内に配置するステップと、
−試料(62)を所定の水分になるように調整するステップと、
−放射線源(11)及び/又は吸引装置(70)のうちの少なくとも1つによって、前記測定室(30)を規定された温度に設定するステップと、
−既知の水分を有するガス状媒体を、全測定期間に亘って、所定の体積流量及び所定の温度プロファイルで測定室(30)内へ注入するステップと、
−前記試料の重量を所定の測定間隔で測定し且つ/又は測定期間全体に亘って前記重量の利得を連続的に測定するステップと、
−測定結果を評価し且つ/又は測定結果を指示ユニットに送るステップとを含むことを特徴とする試料内の水分に対する親和力を測定するための方法。
【請求項20】
請求項18又は19に記載の試料内の水分に対する親和力を測定するための方法であり、
前記試料重量の測定が全測定期間に亘って所定の測定間隔で行われ、各測定間隔の前に吸引装置(70)がオフに切り換えられ、各測定間隔の後に吸引装置(70)が再びオンに切り換えられることを特徴とする試料内の水分に対する親和力を測定するための方法。
【請求項21】
請求項18又は19の方法によって測定された測定値の浮力による誤差を補正する方法であり、
−基準対象物(16)を前記測定室内に配置するステップと、
−前記放射線源(11)及び/又は吸引装置(70)のうちの1つによって、前記測定室(30)を所定の温度に調整するステップと、
−前記基準対象物(61)の基準重量値を測定するステップと、
−前記吸引装置(70)をオンに切り換えるステップと、
−前記基準対象物(61)のための重量補正値を所定の測定間隔で判定し且つ/又は全
測定期間に亘って重量変化を連続的に測定するステップと、
−前記重量補正値から前記基準重量値を差し引くことによって、全測定期間に亘って補正値又は補正プロファイルを計算するステップと、
−前記補正値又は前記補正プロファイルを記憶モジュール内に記憶するステップと、
−前記測定室から前記基準対象物(61)を取り出すステップと、
−上記のステップにおいて決定された補正値を参酌して、前記試料の測定を行うステップと、を含むことを特徴とする測定値の浮力による誤差を補正する方法。
【請求項22】
請求項18又は19の方法によって測定された測定値の浮力による誤差を補正する方法であり、
−前記吸引装置(70)及び/又は前記測定室(30)内に配置されている少なくとも1つのセンサーによって、前記ガス状媒体の体積流量又は質量流量を測定するステップと、
−前記体積流量又は質量流量に対して求められた結果に基づいて前記補正値又は前記補正プロフィルを全測定期間に亘って計算するステップと、
−前記補正値又は前記補正プロファイルを記憶モジュール内に記憶するステップと、
−上記のステップにおいて決定された補正値を参酌して、前記試料に対する測定を行うステップと、を含むことを特徴とする測定値の浮力による誤差を補正する方法。
【請求項23】
請求項18又は19の方法によって測定された測定値を確かめる方法であり、
−前記吸引装置(70)及び/又は前記測定室(30)内に配置されている少なくとも1つのセンサーによって、前記ガス状媒体の体積流量を全測定期間に亘って測定するステップと、
−少なくとも1つの湿度センサーによって、全測定期間に亘って、前記測定室(30)内に流れ込むガス状媒体の湿度を測定し且つ記録し、前記湿度を一定に保つか又は変化させるようにするステップと、
−少なくとも1つの湿度センサーによって、全測定期間に亘って、前記測定室(30)から流出するガス状媒体の湿度を測定し且つ記録するステップと、
−当該方法において上記により測定された体積流量からのみならず全測定期間に亘って前記ガス状媒体の流入する流れと流出する流れとの間の湿度差から、検証値を計算するステップと、を含むことを特徴とする測定値を確かめる方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−168202(P2012−168202A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−133847(P2012−133847)
【出願日】平成24年6月13日(2012.6.13)
【分割の表示】特願2007−113690(P2007−113690)の分割
【原出願日】平成19年4月24日(2007.4.24)
【出願人】(599082218)メトラー−トレド アクチェンゲゼルシャフト (130)
【住所又は居所原語表記】Im Langacher, 8606 Greifensee, Switzerland