説明

水嚢

【課題】運搬や保管が容易で、水嚢内への水の注入が簡単で、丈夫で、且つ、例えば、大雨や河川等が氾濫したような場合に、浸水を確実に防止したり、また、例えば、護岸工事をする際に、河川等を、一時的に、確実に、堰き止めしたりするような場合に好適な水嚢を提供する。
【解決手段】複数の袋部2・・・が連接されており、複数の袋部2・・・の各々は、相隣り合う袋部2と袋部2との接合部2cに給水孔h1を備えており、複数の袋部2・・・の中、少なくとも、一方端e2aに位置する袋部2には、水を注入する注水孔h2が設けられており、一方端e2aに位置する袋部2の注水孔h2から、一方端e2aに位置する袋部2内に水を注入すると、連接されている複数の袋部2・・・の各々に、相隣り合う袋部2と袋部2との接合部2cに設けられている給水孔h1を介して、水が注入されるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水嚢に関し、特に、運搬や保管が容易で、水嚢内への水の注入が簡単で、丈夫で、且つ、例えば、大雨や河川等が氾濫したような場合に、浸水を確実に防止したり、また、例えば、護岸工事をする際に、河川等を、一時的に、確実に、堰き止めしたりするような場合に好適な水嚢に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、大雨や河川が氾濫したような場合に、浸水を防止したり、また、例えば、護岸工事をする際に、川を一時的に堰き止めしたりするような場合には、一般に、土嚢が用いられている。
【0003】
しかしながら、土嚢を使用した場合、袋が破れるなどし、袋内の土が、流出すると、河川等を、汚すことになる。
【0004】
一方、土嚢の代わりに、防災用ウォータフェンスや、水嚢が、既に、提案されている。
【0005】
防災用ウォータフェンスや、水嚢は、袋が破れるなどした場合には、袋内の水が、流出するだけであるので、河川等を、汚す危険性がない。
【0006】
図22(a)は、従来の防災用ウォータフェンスの一例を概略的に示す斜視図であり、図22(b)は、図22(a)は、従来の防災用ウォータフェンスに用いられている、台形に成型された鋼線を例示的に示す正面図であり、また、図22(c)は、図20(a)中、XXII−XXII線に従う模式的な断面図である。
【0007】
この防災用ウォータフェンス101は、ターポリン等の防水シート製の、注水口103と排出口104付きの水嚢本体102の胴部外部定間隔に台形に成型された多数の鋼線106を配置することによって、水嚢本体102の満タン時に、内部水圧によって胴部の膨らみが断続的に拘束されて断面形状の底部接地面積が大となり、かつ、高さの保持が可能となり、止水性能と外部水圧に対する阻止力を高め、且つ、底面に止水マット108を載置して路面の凹凸や目地の止水を可能に形成するようにしている。
【0008】
また、図23は、従来の水嚢の一例を概略的に示す図であり、図23(a)は、従来の水嚢の一例を概略的に示す平面図であり、図23(b)は、図23(a)中、XXIII−XXIII線に従う模式的な断面図である。
【0009】
また、図24は、図23に示す、水嚢を概略的に示す斜視図であり、図25は、図24中、XXV−XXV線に従う概略的な断面図であり、また、図26は、図24に示す、水嚢の使用例を例示的に説明する断面図である。
【0010】
この水嚢201は、袋本体202に対して、注水孔203を介して、水道水或いは止水対象である水を注入し、凹所202aが複数条形成された水嚢201を形成し、この水嚢201を他の水嚢201の凸部が凹所に位置するようにして積み上げて、水嚢201相互を係合させて堰を形成し、この堰により止水するようにしている。
【0011】
尚、図23及び図25の各々中に示す、部材204は、凹所形成手段を示しており、また、図23及び図24の各々中に示す、部材203は、注水孔を示している。
【特許文献1】特開2004−183451号公報
【特許文献2】特開2005−23627号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、図23に示す、防災用ウォータフェンス101は、水嚢本体102として、大型のものを用いているので、水嚢本体102が破れた場合に、水嚢本体102内の大量の水が、水嚢本体102外へ流出したり、水が、水嚢本体102外へ流出した結果、水嚢本体102がしぼみ、防災機能が低下したりする、という問題がある。
【0013】
また、図23に示す、防災用ウォータフェンス101は、台形に成型された多数の鋼線106、固定カバー105、路面又は路盤107、固定用ヒレ部109、杭111等の部材を用いているので、運搬や保管の際の利便性に問題がある。
【0014】
また、図24に示す、水嚢201・・・は、各々が、独立しているので、複数個の水嚢201・・・の各々に、水を注入しなければならず、複数個の水嚢201・・・の各々内に、水を注入する作業に手間がかかる、という問題がある。
【0015】
また、図24に示す、水嚢201・・・は、各々が、独立しており、水嚢201の凸部又は凹部202aと、他の水嚢201の凹部202a又は凸部とを嵌合させて、堰にしているだけなので、水嚢201の凸部又は凹部202aと、他の水嚢201の凹部202a又は凸部との嵌合が外れと、水嚢201・・・が、バラバラになる、という問題、即ち、機械的強度が弱い、という問題がある。
【0016】
また、一般に、水嚢は、土嚢に比べ、水の比重に近いため、底部が、浮き上がりやすく、そこから、川等の水が漏れ出し易い、という問題がある。
【0017】
本発明は、以上のような問題を解決するためになされたものであって、運搬や保管が容易で、水嚢内への水の注入が簡単に行え、丈夫で、且つ、例えば、大雨や河川が氾濫したような場合に、浸水を防ぐ必要のある場所の、浸水を確実に防止したり、また、例えば、護岸工事をする際に、川を、一時的に、確実に、堰き止めしたりするような場合に好適な水嚢を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
請求項1に記載の水嚢は、複数の袋部が連接されており、複数の袋部の各々は、相隣り合う袋部と袋部との接合部に給水孔を備えており、複数の袋部の中、少なくとも、一方端に位置する袋部には、水を注入する注水孔が設けられており、一方端に位置する袋部の注水孔から、一方端に位置する袋部内に水を注入すると、連接されている複数の袋部の各々に、相隣り合う袋部と袋部との接合部に設けられている給水孔を介して、水が注入されるようになっている。
【0019】
請求項2に記載の水嚢は、請求項1に記載の水嚢の、複数の袋部の、相隣り合う袋部と袋部との接合部に給水孔の各々には、一方端に位置する袋部と反対側の接合部の表面側に、給水孔に対して、開閉可能なように、弁体が設けられている。
【0020】
請求項3に記載の水嚢は、請求項1に記載の水嚢の、複数の袋部の、相隣り合う袋部と袋部との接合部を貫通する、スリット状の孔部が設けられている。
【0021】
請求項4に記載の水嚢は、請求項3に記載の水嚢の、スリット状の孔部内に、複数の袋部の、相隣り合う袋部と袋部との接合部よりも、やや長い長さを有する、シート部材を2つ折にし、その長さ方向の一対の端部を封止したスリット状の貫通孔を有する袋状部材を、その一方の先端が、複数の袋部の、相隣り合う袋部と袋部との接合部の下流側部から、複数の袋部の、相隣り合う袋部の下流側に位置する袋部側にはみ出すように設けた。
【0022】
請求項5に記載の水嚢は、請求項1〜4のいずれかに記載の水嚢が、複数の袋部の中、他方端に位置する袋部の下方位置に、水抜き弁を備える。
【0023】
請求項6に記載の水嚢は、請求項1〜5のいずれかに記載の水嚢の、複数の袋部の各々には、底面部が設けられており、複数の袋部の各々は、複数の袋部の各々内に、水が注入されると、前記複数の袋部の各々が、立設するようになっている。
【0024】
請求項7に記載の水嚢は、請求項1〜5のいずれかに記載の水嚢の、複数の袋部の各々の下位置には、接合部を介して、複数の浮き上がり防止のための袋部の各々が設けられており、複数の浮き上がり防止のための袋部は、連接されており、複数の浮き上がり防止のための袋部の各々は、相隣り合う袋部と袋部との接合部に給水孔を備えており、複数の袋部の中、少なくとも、一方端に位置する袋部と、前記一方端に位置する袋部の下位置に設けられている浮き上がり防止のための袋部との間に設けられている接合部には、一方端に位置する袋部内に注入された水を、一方端に位置する袋部の下位置に設けられている浮き上がり防止のための袋部内に注水する注水孔が設けられており、一方端に位置する袋部の注水孔から、一方端に位置する袋部内に水を注入すると、連接されている複数の袋部の各々に、相隣り合う袋部と袋部との接合部に設けられている給水孔を介して、水が注入されるようになっており、且つ、複数の浮き上がり防止のための袋部の各々に、一方端に位置する袋部と、一方端に位置する袋部の下位置に設けられている浮き上がり防止のための袋部との間に設けられている接合部に設けられている注水孔、及び、相隣り合う、浮き上がり防止のための袋部と浮き上がり防止のための袋部との接合部に設けられている給水孔を介して、水が注入されるようになっている。
【0025】
請求項8に記載の水嚢は、請求項7に記載の水嚢が、複数の袋部の各々と複数の浮き上がり防止のための袋部の各々との接合部には、複数の浮き上がり防止のための袋部の各々内へ、外部から水を注入する注水孔を備える。
【0026】
請求項9に記載の水嚢は、請求項7又は請求項8に記載の水嚢が、複数の浮き上がり防止のための袋部の中、他方端に位置する浮き上がり防止のための袋部の下方位置に、水抜き弁を備える。
【0027】
請求項10に記載の水嚢は、請求項1〜9のいずれかに記載の水嚢の、複数の袋部の中、少なくとも、一方端に位置する袋部に設けられている、水を注入する注水孔が、袋部の上部に形成されている封止部に、上下方向に、貫通するスリット状の孔部である。
【0028】
請求項11に記載の水嚢は、請求項10に記載の水嚢の、スリット状の孔部内に、袋部の上部に形成されている封止部よりも、やや長い長さを有する、シート部材を2つ折にし、その長さ方向の一対の端部を封止したスリット状の貫通孔を有する袋状部材を、その下端が、前記袋部の上部に形成されている封止部の下端から下方にはみ出すように設けた。
【発明の効果】
【0029】
請求項1に記載の水嚢は、複数の袋部を連接するという構成を採用しているので、運搬や保管の際には、ロール状に巻き取って、運搬や保管することができるので、台形に成型された多数の鋼線を用いるような防災用ウォータフェンスに比べ、運搬や保管の利便性に、優れている。
【0030】
また、この水嚢は、複数の袋部を有しているので、大型の袋部を有するものに比べ、ある袋部が破れたような場合であっても、大型の水嚢が破れたような場合に比べ、全体としての水嚢がしぼみ難い。
【0031】
即ち、この水嚢は、複数の袋部を有しているので、ある袋部が破れたような場合であっても、防災機能が低下し難い。
【0032】
また、この水嚢では、複数の袋部を連接しているので、独立した複数の袋を、嵌合構造を用いて、堰のようにする水嚢に比べ、丈夫である(機械的強度が高い)。
【0033】
且つ、この水嚢では、相隣り合う袋部と袋部との接合部に給水孔を備えており、複数の袋部の中、少なくとも、一方端に位置する袋部には、水を注入する注水孔が設けられており、一方端に位置する袋部の注水孔から、一方端に位置する袋部内に水を注入すると、連接されている複数の袋部の各々に、相隣り合う袋部と袋部との接合部に設けられている給水孔を介して、水が注入されるようになっているので、独立した複数の袋の各々に水を注入するようにしている水嚢に比べ、水嚢(複数の袋部)内への、水の注入を簡単に行える。
【0034】
請求項2に記載の水嚢では、複数の袋部の、相隣り合う袋部と袋部との接合部に給水孔の各々には、一方端に位置する袋部と反対側の接合部の表面側に、給水孔に対して、開閉可能なように、弁体を設けているので、複数の袋部の一方端(上流側)から他方端(下流側)への水の注入を、スムーズに行うことができ、且つ、例えば、複数の袋部の一方端(上流側)から他方端(下流側)の間のある袋部が破れた場合であっても、破れた袋部よりも他方端(下流側)の袋部内の水が破れた袋部を介して外に流出するという事態が、弁体が閉じることによって阻止される。
【0035】
この結果、この水嚢は、ある袋部が破れたような場合であっても、防災機能が低下し難い。
【0036】
請求項3に記載の水嚢は、複数の袋部の、相隣り合う袋部と袋部との接合部を貫通する、スリット状の孔部を形成しているので、複数の袋部の一方端(上流側)から他方端(下流側)への水の注入を、スムーズに行うことができる。
【0037】
請求項4に記載の水嚢は、複数の袋部の、相隣り合う袋部と袋部との接合部を貫通する、スリット状の孔部内に、複数の袋部の、相隣り合う袋部と袋部との接合部よりも、やや長い長さを有する、シート部材を2つ折にし、その長さ方向の一対の端部を封止したスリット状の貫通孔を有する袋状部材を、その一方の先端が、複数の袋部の、相隣り合う袋部と袋部との接合部の下流側部から、複数の袋部の、相隣り合う袋部の下流側に位置する袋部側にはみ出すように設けているので、複数の袋部の一方端(上流側)から他方端(下流側)への水の注入は、スムーズに行うことができ、且つ、例えば、複数の袋部の一方端(上流側)から他方端(下流側)の間のある袋部が破れた場合であっても、袋状部材のスリット状の孔部内に挿入され、その一方の先端が、複数の袋部の、相隣り合う袋部と袋部との接合部の下流側部から、複数の袋部の、相隣り合う袋部の下流側に位置する袋部側にはみ出すように設けられている部分が閉じた状態になり、その結果、注水孔が確実に閉じた状態になり、注水孔が、止水機能の高い、止水弁として機能を発揮する。
【0038】
請求項5に記載の水嚢は、複数の袋部の中、他方端に位置する袋部の下方位置に、水抜き弁を備えているので、複数の袋部の各々内に、水を入れ、水嚢として使用した後、この水嚢を片付ける際に、複数の袋部の中、他方端に位置する袋部の下方位置に設けられている、水抜き弁を開くことにより、複数の袋部の各々内に収容されている水を、複数の袋部の各々内から容易に排出することができる。
【0039】
請求項6に記載の水嚢は、複数の袋部の各々に、底面部を設け、複数の袋部の各々内に、水を注入すると、複数の袋部の各々が、立設するようになっているので、浸水等を防ぐ必要のある場所を囲うように水嚢を設けることができる。
【0040】
この結果、この水嚢を使用すれば、浸水等を防ぐ必要のある場所の、浸水を確実に防止することができる。
【0041】
請求項7に記載の水嚢は、複数の袋部の各々の下位置に、接合部を介して、複数の浮き上がり防止のための袋部の各々を設けているので、例えば、河川等の水を堰き止めする際に、複数の浮き上がり防止のための袋部の各々を、河川等に、河川等の水の流れに対し、上流側に、張出すように設置し、複数の浮き上がり防止のための袋部の各々内に、水を注入し、更に、必要により、河川等に、河川等の水の流れに対し、上流側に、張出すように設置し、且つ、水を注入した複数の浮き上がり防止のための袋部の各々の上に、石その他の重しを載せる等すれば、水嚢の底面と、河川等の川床との間を介して、河川等の水が、水嚢の下流側に漏れ出すことを確実に防ぐことができる。
【0042】
且つ、この水嚢では、複数の袋部の中、少なくとも、一方端に位置する袋部と、一方端に位置する袋部の下位置に設けられている浮き上がり防止のための袋部との間に設けられている接合部には、一方端に位置する袋部内に注入された水を、一方端に位置する袋部の下位置に設けられている浮き上がり防止のための袋部内に注水する注水孔を設けおり、一方端に位置する袋部の注水孔から、一方端に位置する袋部内に水を注入すると、連接されている複数の袋部の各々に、相隣り合う袋部と袋部との接合部に設けられている給水孔を介して、水が注入されるようになっており、且つ、複数の浮き上がり防止のための袋部の各々に、一方端に位置する袋部と、一方端に位置する袋部の下位置に設けられている浮き上がり防止のための袋部との間に設けられている接合部に設けられている注水孔、及び、相隣り合う、浮き上がり防止のための袋部と浮き上がり防止のための袋部との接合部に設けられている給水孔を介して、水が注入されるようになっているので、一箇所からの注水作業で、複数の袋部の各々内及び複数の浮き上がり防止のための袋部の各々内への水の注入ができるので、複数の袋部の各々内及び複数の浮き上がり防止のための袋部の各々内への水の注入作業を容易に行うことができる。
【0043】
請求項8に記載の水嚢は、複数の袋部の各々と複数の浮き上がり防止のための袋部の各々との接合部に、複数の浮き上がり防止のための袋部のいずれか内へ、外部から水を注入する注水孔を更に設けているので、複数の浮き上がり防止のための袋部の各々内への一方端に位置する袋部と、一方端に位置する袋部の下位置に設けられている浮き上がり防止のための袋部との間に設けられている接合部に設けられている注水孔、及び、相隣り合う、浮き上がり防止のための袋部と浮き上がり防止のための袋部との接合部に設けられている給水孔を介する水の注入が不十分な際には、複数の袋部の各々と複数の浮き上がり防止のための袋部の各々との接合部に設けられている、複数の浮き上がり防止のための袋部の各々内に、外部から水を注入する注水孔を利用して、複数の浮き上がり防止のための袋部の各々の中、水の注入が十分でない袋部内に、水を注入することができる。
【0044】
請求項9に記載の水嚢は、複数の浮き上がり防止のための袋部の中、他方端に位置する浮き上がり防止のための袋部の下方位置に、水抜き弁を備えているので、複数の袋部の各々内及び複数の浮き上がり防止のための袋部の各々内に、水を入れ、水嚢として使用した後、この水嚢を片付ける際に、複数の浮き上がり防止のための袋部の中、他方端に位置する、浮き上がり防止のための袋部の下方位置に設けられている、水抜き弁を開くことにより、複数の袋部の各々内及び複数の浮き上がり防止のための袋部の各々内に収容されている水を、複数の袋部の各々内から容易に排出することができる。
【0045】
請求項10に記載の水嚢は、袋部の上部に形成されている封止部に、上下方向に、貫通するスリット状の孔部を形成しているので、例えば、ホース(図示せず。)を挿入するという簡単な操作で、袋部内への水の注入が行うことができ、且つ、袋部内に水を注入すると、注水孔が閉じた状態になり、注水孔は、止水弁として機能する。
【0046】
請求項11に記載の水嚢は、袋部に設けられている注水孔が、スリット状の孔部内に、袋部の上部に形成されている封止部よりも、やや長い長さを有する、シート部材を2つ折にし、その長さ方向の一対の端部を封止したスリット状の貫通孔を有する袋状部材を、その下端が、袋部の上部に形成されている封止部の下端から下方にはみ出すように設けた構造にしているので、スリット状の貫通孔を有する袋状部材に、例えば、ホース(図示せず。)を挿入するという簡単な操作で、袋部2内への水の注入が行え、且つ、袋部内に水を注入すると、袋状部材の袋部の上部に形成されている封止部に設けられている、スリット状の孔部内に挿入され、その下端が、袋部の上部に形成されている封止部の下端から下方にはみ出すように設けられている部分が閉じた状態になり、その結果、注水孔が確実に閉じた状態になり、注水孔が、止水機能の高い、止水弁として機能を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
以下、本発明に係る水嚢の一例について、図面を参照しながら、更に、詳しく説明する。
(実施例1)
図1は、本発明に係る水嚢の一例を概略的に示す正面図であり、図2は、図1に示す水嚢を、運搬又は保管する際の状態を、模式的に示す斜視図である。
【0048】
この水嚢1は、複数の袋部2・・・を連接して構成されている。
【0049】
図3は、水嚢1の構造を、複数の袋部2・・・の各々を膨らませた状態で、その上方向から下方向に見た状態を摸式的に示す平面図である。
【0050】
複数の袋部2・・・の各々は、相隣り合う袋部2と袋部2との間に接合部2c・・・を備える。
【0051】
接合部2c・・・の各々は、給水孔h1・・・を備える。
【0052】
また、複数の袋部2・・・の中、少なくとも、一方端e2aに位置する袋部2には、水を注入する注水孔h2が設けられている。
【0053】
この水嚢1では、一方端e2aに位置する袋部2内に注水孔h2から水を注入すると、連接されている複数の袋部2・・・の各々に、相隣り合う袋部2と袋部2との接合部2c・・・の各々に設けられている給水孔h1・・・を介して、水が注入されるようになっている。
【0054】
複数の袋部2・・・は、特に、以下の場合に限定されることはないが、例えば、ターポリン、塩化ビニル、ポリエチレンその他の樹脂、防水を施した布、樹脂中に繊維を分散させたような樹脂と繊維との複合材料などで製される。
【0055】
次に、複数の袋部2・・・の各々の上部に形成されている封止部の構造について説明する。
【0056】
封止部2a・・・は、袋部2を形成する2枚の側面シート部材S2a、S2bの上部の一定範囲の部分を、例えば、接着剤を用いて貼り合わせることにより形成したり、又は、袋部2を形成する2枚の側面シート部材S2a、S2bの上部の一定範囲の部分を、例えば、熱融着することにより形成したりする。
【0057】
図4は、複数の袋部2・・・の各々に設けられている注水孔h2及びその周辺部を、概略的に示す図であり、図4(a)は、複数の袋部2・・・の各々に設けられている注水孔及びその周辺部を、上方向から下方向に見た状態を概略的に示す平面図であり、また、図4(b)は、図4(a)に示す、複数の袋部2・・・の各々に設けられている注水孔及びその周辺部を、概略的に示す斜視図である。
【0058】
この例では、複数の袋部2・・・の各々に設けられている注水孔h2は、図4(a)及び図4(b)の各々に示すように、複数の袋部2・・・の各々の上部に形成されている封止部2aの一部を封止めしないようにすることで、複数の袋部2・・・の各々の上部に形成されている封止部に、上下方向に、貫通するスリット状の孔部により、形成している。
【0059】
複数の袋部2・・・の各々に、図4(a)及び図4(b)に示す、注水孔h2を設けた場合、注水孔h2に、例えば、ホース(図示せず。)を挿入するという簡単な操作で、袋部2内への水の注入が行える。
【0060】
また、複数の袋部2・・・の各々に、図4(a)及び図4(b)に示す、注水孔h2を設けた場合、袋部2内に水を注入すると、注水孔h2が閉じた状態になり、注水孔h2は、止水弁として機能する。
【0061】
また、この水嚢1のように、複数の袋部2・・・の各々に注水孔h2・・・を設けた場合には、一端部e2aに位置する袋部2の注水孔h2から複数の袋部2・・・の各々内に水を注入する際に、一端部e2aに位置する袋部2の次に位置する袋部2から他端部e2bに位置する袋部2の各々に設けられている注水孔h2は、最初は、空気抜き孔として機能し、各々の袋部2・・・内に水が注入されると、閉じた状態になり、止水弁として機能する。
【0062】
また、この水嚢1のように、複数の袋部2・・・の各々に注水孔h2・・・を設けた場合には、一端部e2aに位置する袋部2の注水孔h2から複数の袋部2・・・の各々内に水を注入する際に、複数の袋部2・・・のいずれかへの水の注入が十分でないような場合には、水の注入が十分でない袋部2に設けられている、注水孔h2から、水の注入が十分でない袋部2内に、直接、水を追加注入することができる。
【0063】
次に、複数の袋部2・・・の各々の上部に形成されている封止部の構造の他の一例について説明する。
【0064】
図5は、複数の袋部2・・・の各々に設けられている注水孔の他の一例及びその周辺部を、概略的に示す斜視図である。
【0065】
この例では、複数の袋部2・・・の各々に設けられている注水孔h2aは、図5に示すように、スリット状の孔部h2内に、袋部2の上部に形成されている封止部よりも、やや長い長さを有する、シート部材を2つ折にし、その長さ方向の一対の端部を封止したスリット状の貫通孔を有する袋状部材P2を、その下端が、袋部2の上部に形成されている封止部2aの下端から下方にはみ出すように設けられた構造になっている。
【0066】
図6は、複数の袋部2・・・の各々に設けられている注水孔h2aの製造工程を模式的に説明する説明図である。
【0067】
複数の袋部2・・・の各々に設けられている注水孔h2aを製造する際には、まず、袋部2・・・の各々の上部に形成されている封止部に設けるスリット状の孔部h2の幅の2倍の幅に等しいかこれよりやや短い幅のシート部材P1を準備する(図6(a)を参照)。
【0068】
次に、シート部材S1をその中心線Lcに従って、2つ折りにする(図6(b)を参照)。
【0069】
その後、2つ折にしたシート部材P1を、その長さ方向の一対の端部を封止することで、スリット状の貫通孔を有する袋状部材P2を準備する(図6(c)を参照)。
【0070】
次に、スリット状の貫通孔を有する袋状部材S2を、袋部2・・・の各々の上部に形成されている封止部に設けるスリット状の孔部h2内に挿入し、その下端が、袋部2の上部に形成されている封止部2aの下端から下方にはみ出すように、例えば、接着剤を用いて接着止めしたり、又は、熱融着したりすることで、スリット状の孔部h2内に取り付ける(図6(d)を参照)。
【0071】
複数の袋部2・・・の各々に、図5に示す、注水孔h2aを設けた場合、スリット状の貫通孔を有する袋状部材P2に、例えば、ホース(図示せず。)を挿入するという簡単な操作で、袋部2内への水の注入が行える。
【0072】
また、複数の袋部2・・・の各々に、図5に示す、注水孔h2aを設けた場合、袋部2内に水を注入すると、袋状部材P2の、袋部2・・・の各々の上部に形成されている封止部2aに設けられている、スリット状の孔部h2内に挿入され、その下端が、袋部2の上部に形成されている封止部の下端から下方にはみ出すように設けられている部分が閉じた状態になり、その結果、注水孔h2aが確実に閉じた状態になり、注水孔h2aは、止水機能の高い、止水弁として機能する。
【0073】
尚、図1中に示す部材v1は、水抜き弁を示している。
【0074】
この水抜き弁v1は、常時、閉じた状態になっており、水抜き弁v1内に、パイプ部材(図示せず。)のような水抜き手段を挿入すれば、開いた状態になるようにされている。
【0075】
この水嚢1のように、複数の袋部2・・・の中、他方端e2bに位置する袋部2の下方位置に、水抜き弁v1を設けた場合には、複数の袋部2・・・の各々内に、水を入れ、水嚢として使用した後、この水嚢を片付ける際に、複数の袋部2・・・の中、他方端e2bに位置する袋部2の下方位置に設けられている、水抜き弁v1を開くことにより、複数の袋部2・・・の各々内に収容されている水を、複数の袋部2・・・の各々内から容易に排出することができる。
【0076】
また、孔h3は、例えば、この水嚢1を、河川等の堰として用いる場合に、横方向に設けられたパイプ部材8(図示せず。)に取付具(図示せず。)を用いて取り付ける際に使用する、吊るし孔を示している。
【0077】
吊るし孔h3・・・の各々には、通常、補強部材として、金属製又は樹脂製のリング体が取り付けられる。
【0078】
次に、複数の袋部2・・・の、相隣り合う袋部2と袋部2との間に設けられている接合部2c・・・の構造について説明する。
【0079】
図7は、図1中、VII−VII線に従う概略的な断面図である。
【0080】
この水嚢1では、相隣り合う袋部2と袋部2との間に設けられている接合部2cは、以下のような構成になっている。
【0081】
即ち、この水嚢1では、一端側e2a側に位置する袋部(図7中では、この袋部を袋部2nとして表している。)を構成する、2枚の側面シート部材S2an、S2bnの中、一方の側面シート部材S2anの終端部領域RTS2anを、一端側e2a側に位置する袋部(図7中では、この袋部を袋部2nとして表している。)に相隣接する袋部(図7中では、この袋部を袋部2n+1として表している。)を構成する、2枚の側面シート部材S2an+1、S2bn+1の中、一方側の側面シート部材S2an+1の外表面上に、特に以下の場合に限定されることはないが、例えば、接着剤を用いて、貼着したり、又は、熱融着したりする。
【0082】
且つ、この水嚢1では、一端側e2a側に位置する袋部(図7中では、この袋部を袋部2nとして表している。)を構成する、2枚の側面シート部材S2an、S2bnの中、他方の側面シート部材S2bnの終端部領域RTS2bnを、一端側e2a側に位置する袋部(図7中では、この袋部を袋部2nとして表している。)を構成する、2枚の側面シート部材S2an、S2bnの中、一方側の側面シート部材S2anの内表面上に、特に以下の場合に限定されることはないが、例えば、接着剤を用いて、貼着したり、又は、熱融着したりする。
【0083】
また、この水嚢1では、一端側e2a側に位置する袋部(図7中では、この袋部を袋部2nとして表している。)に相隣接する袋部(図7中では、この袋部を袋部2n+1として表している。)を構成する、2枚の側面シート部材S2an+1、S2bn+1の中、他方の側面シート部材S2bn+1の終端部領域RTS2bn+1を、一端側e2a側に位置する袋部(図7中では、この袋部を袋部2nとして表している。)を構成する、2枚の側面シート部材S2an、S2bnの中、他方側の側面シート部材S2bnの外表面上に、特に以下の場合に限定されることはないが、例えば、接着剤を用いて、貼着したり、又は、熱融着したりする。
【0084】
且つ、この水嚢1では、一端側e2a側に位置する袋部(図7中では、この袋部を袋部2nとして表している。)に相隣接する袋部(図7中では、この袋部を袋部2n+1として表している。)を構成する、2枚の側面シート部材S2an+1、S2bn+1の中、一方の側面シート部材S2an+1の終端部領域RTS2an+1を、一端側e2a側に位置する袋部(図7中では、この袋部を袋部2nとして表している。)に相隣接する袋部(図7中では、この袋部を袋部2n+1として表している。)を構成する、2枚の側面シート部材S2an+1、S2bn+1の中、他方側の側面シート部材S2bn+1の内表面上に、特に以下の場合に限定されることはないが、例えば、接着剤を用いて、貼着したり、又は、熱融着したりする。
【0085】
そして、この水嚢1では、側面シート部材S2bnの、側面シート部材S2bnが側面シート部材S2bn+1の終端部領域RTS2bn+1に貼着又は熱融着している部分から、側面シート部材S2bnの、側面シート部材S2bnが側面シート部材S2anに貼着又は熱融着している終端部領域RTS2bnまでの部分と、側面シート部材S2an+1の、側面シート部材S2an+1が側面シート部材S2anの終端部領域RTS2anに貼着又は熱融着している部分から、側面シート部材S2an+1の、側面シート部材S2an+1が側面シート部材S2bn+1に貼着又は熱融着している終端部領域RTS2an+1までの部分とを、特に以下の場合に限定されることはないが、例えば、接着剤を用いて、貼着したり、又は、熱融着したりすることで、接合部2cを形成している。
【0086】
また、この水嚢1では、以上のようにして形成した、接合部2c・・・の各々に、給水孔h1・・・を設けている。
【0087】
また、図8は、接合部2cに設けられている給水孔h1及びその周辺を概略的に示す斜視図であり、また、図9は、図8中、IX−IX線に従う概略的な断面図である。
【0088】
図7、図8及び図9の各々に示すように、この水嚢1は、接合部2cに設けられている給水孔h1に開閉可能なように弁体3を設けている。
【0089】
弁体3は、図8に示すように、例えば、樹脂製のシート状部材で構成されており、この水嚢1では、弁体3は、給水孔h1より大きい面積を有しており、水嚢1の接合部2c・・・の各々の他方端e2b側の表面に、給水孔h1よりも上の位置で、接合部2c・・・の各々の表面に、特に以下の場合に限定されることはないが、例えば、接着剤を用いて、貼着したり、又は、熱融着したりされている。
【0090】
この水嚢1は、複数の袋部2・・・を連接するという構成を採用し、運搬や保管の際には、ロール状に巻き取って、運搬や保管することができるようにしているので(図2を参照。)、図22に示す、従来の、台形に成型された多数の鋼線等を用いるような防災用ウォータフェンス101に比べ、運搬や保管の利便性に、優れている。
【0091】
また、この水嚢1は、複数の袋部2・・・を有しているので、図22に示す、従来の、大型の袋部102を有する防災用ウォータフェンス101に比べ、ある袋部2が破れたような場合であっても、大型の水嚢102が破れたような場合に比べ、全体としての水嚢1がしぼみ難い。
【0092】
即ち、この水嚢1は、複数の袋部2・・・を有しているので、ある袋部2が破れたような場合であっても、防災機能が低下し難い。
【0093】
尚。複数の袋部2・・・の各々の大きさは、運搬や保存の利便性や、ある袋部2が破れたような場合であっても、防災機能が低下し難く、且つ、使用の利便性を考慮した場合、特に以下の場合に限定されることはないが、高さを1.5m以上2m以下、幅を、1.2m以上1.5m以下にすることが好ましい。
【0094】
また、この水嚢1では、複数の袋部2・・・を連接しているので、図23に示す、従来の、独立した複数の袋201を、嵌合構造を用いて、堰のようにする水嚢201に比べ(図26を参照。)、丈夫である(機械的強度が高い)。
【0095】
且つ、この水嚢1では、相隣り合う袋部2と袋部2との接合部2cに給水孔h1を備えており、複数の袋部2・・・の中、少なくとも、一方端e2aに位置する袋部2には、水を注入する注水孔h2が設けられており、一方端e2aに位置する袋部2の注水孔h2から、一方端e2aに位置する袋部2内に水を注入すると、連接されている複数の袋部2・・・の各々に、相隣り合う袋部2と袋部2との接合部2cに設けられている給水孔h1を介して、水が注入されるようになっているので、図21に示す、独立した複数の袋201の各々に水を注入するようものに比べ、水嚢1(複数の袋部2・・・)内への、水の注入を簡単に行える。
【0096】
更にまた、この水嚢1では、複数の袋部2・・・の、相隣り合う袋部2と袋部2との接合部2cに給水孔h1の各々には、一方端e2aに位置する袋部2と反対側の接合部2cの表面側に、給水孔h1に対して、開閉可能なように、弁体3を設けているので、複数の袋部2・・・の一方端e2a(上流側)から他方端e2b(下流側)への水の注入は、スムーズに行うことができ、且つ、例えば、複数の袋部2・・・の一方端e2a(上流側)から他方端e2b(下流側)の間の、ある袋部2が破れた場合であっても、破れた袋部2よりも他方端e2b(下流側)の袋部2・・・内の水が破れた袋部2を介して外に流出するという事態が、弁体3が閉じることによって阻止される。
【0097】
この結果、この水嚢1は、ある袋部2が破れたような場合であっても、防災機能が低下し難い。
(実施例2)
図10は、本発明に係る水嚢の他の一例を概略的に示す側面図である。
【0098】
この水嚢1Aは、連接されている袋部2・・・の各々に底面部Sbを設けている以外は、水嚢1と同様の構成を備える。
【0099】
図11及び図12は、図10に示す水嚢1Aの使用例を例示的に説明する斜視図である。
【0100】
この水嚢1Aは、複数の袋部2・・・の各々には、上述した通り、底面部Sbが設けられており、複数の袋部2・・・の各々は、複数の袋部2・・・の各々内に、水が注入されると、図11や、図12に示すように、複数の袋部2・・・の各々が、立設するようになっている。
【0101】
即ち、この水嚢1Aは、複数の袋部2・・・の各々に、底面部Sbを設け、複数の袋部2・・・の各々内に、水を注入すると、複数の袋部2・・・の各々が、立設するようになっているので、例えば、図12に示すように、浸水等を防ぐ必要のある場所を囲うように水嚢1Aを設けることができる。
【0102】
この結果、この水嚢1Aを使用すれば、浸水等を防ぐ必要のある場所の、浸水を確実に防止することができる。
(実施例3)
図13は、本発明に係る水嚢の他の一例を概略的に示す正面図である。
【0103】
この水嚢1Bは、以下の構成以外は、水嚢1と同様の構成を備えるので、水嚢1Bの構成部材中、水嚢1の構成部材に相当する構成部材については、水嚢1の構成部材に付した参照符号を付して、その説明を省略する。
【0104】
この水嚢1Bは、水嚢1の、複数の袋部2・・・の各々の下位置に、更に、接合部4cを介して、複数の浮き上がり防止のための袋部4・・・の各々を備える。
【0105】
複数の浮き上がり防止のための袋部4・・・は、特に、以下の場合に限定されることはないが、例えば、ターポリン、塩化ビニル、ポリエチレンその他の樹脂、防水を施した布、樹脂中に繊維を分散させたような樹脂と繊維との複合材料などで製される。
【0106】
複数の浮き上がり防止のための袋部4・・・は、連接されており、複数の浮き上がり防止のための袋部4・・・の各々は、相隣り合う袋部4と袋部4との接合部5cに給水孔h4を備える。
【0107】
複数の浮き上がり防止のための袋部4・・・は、特に、以下の場合に限定されることはないが、例えば、ターポリン、塩化ビニル、ポリエチレンその他の樹脂、防水を施した布、樹脂中に繊維を分散させたような樹脂と繊維との複合材料などで製される。
【0108】
また、この水嚢1Bは、複数の袋部2・・・の中、少なくとも、一方端e2aに位置する袋部2と、一方端e2aに位置する袋部2の下位置に設けられている浮き上がり防止のための袋部4との間に設けられている接合部4cに、一方端e2aに位置する袋部2内に注入された水を、一方端e2aに位置する袋部2の下位置に設けられている浮き上がり防止のための袋部4内に注水する注水孔h5が設けられており、一方端e2aに位置する袋部2の注水孔h2から、一方端e2aに位置する袋部2内に水を注入すると、連接されている複数の袋部2・・・の各々に、相隣り合う袋部2と袋部2との接合部2cに設けられている給水孔h1を介して、水が注入されるようになっており、且つ、複数の浮き上がり防止のための袋部4・・・の各々に、一方端e2aに位置する袋部2と、一方端e2aに位置する袋部2の下位置に設けられている浮き上がり防止のための袋部4との間に設けられている接合部4cに設けられている注水孔h5、及び、相隣り合う、浮き上がり防止のための袋部4と浮き上がり防止のための袋部4との接合部5cに設けられている給水孔h4を介して、水が注入されるようになっている。
【0109】
尚、接合部5cの構造は、接合部2cの構造と同様になっている。
【0110】
また、接合部4cに設けられている注水孔h5は、接合部2aに設けられている注水孔h2と同様の構成になっている。
【0111】
尚、図13中に示す部材v2は、水抜き弁を示している。
【0112】
この水抜き弁v2は、常時、閉じた状態になっており、水抜き弁v2内に、パイプ部材(図示せず。)のような水抜き手段を挿入すれば、開いた状態になるようにされている。
【0113】
この水嚢1のように、複数の浮き上がり防止のための袋部4・・・の中、他方端e2bに位置する、浮き上がり防止のための袋部4の下方位置に、水抜き弁v2を設けた場合には、複数の袋部2・・・の各々内及び複数の浮き上がり防止のための袋部の各々4・・・の各々内に、水を入れ、水嚢として使用した後、この水嚢を片付ける際に、複数の浮き上がり防止のための袋部4・・・の中、他方端e2bに位置する、浮き上がり防止のための袋部4の下方位置に設けられている、水抜き弁v2を開くことにより、複数の袋部2・・・の各々内及び複数の浮き上がり防止のための袋部4・・・の各々内に収容されている水を、複数の袋部2・・・の各々内及び複数の浮き上がり防止のための袋部4・・・の各々内から容易に排出することができる。
【0114】
また、この水嚢1のように、複数の袋部2・・・の中、他方端e2bに位置する、浮き袋部2の下方位置に、水抜き弁v1を設け、且つ、複数の浮き上がり防止のための袋部4・・・の中、他方端e2bに位置する、浮き上がり防止のための袋部4の下方位置に、水抜き弁v2を設けた場合には、複数の袋部2・・・の各々内及び複数の浮き上がり防止のための袋部の各々4・・・の各々内に、水を入れ、水嚢として使用した後、この水嚢を片付ける際に、複数の袋部2・・・の中、他方端e2bに位置する、袋部2の下方位置に設けられている、水抜き弁v1と、複数の浮き上がり防止のための袋部4・・・の中、他方端e2bに位置する、浮き上がり防止のための袋部4の下方位置に設けられている、水抜き弁v2とを開くことにより、複数の袋部2・・・の各々内及び複数の浮き上がり防止のための袋部4・・・の各々内に収容されている水を、複数の袋部2・・・の各々内及び複数の浮き上がり防止のための袋部4・・・の各々内からより速やかにより容易に排出することができる。
【0115】
図14は、図11中、XIVで示す円部分を拡大して概略的に示す正面図である。
【0116】
また、図15は、図14中、XV−XV線に従う概略的な断面図である。
【0117】
この水嚢1Bは、複数の袋部2・・・の各々と複数の浮き上がり防止のための袋部4・・・の各々との接合部4cに、複数の浮き上がり防止のための袋部4・・・の各々内へ、外部から水を注入する注水孔h6が設けられている。
【0118】
図16は、水嚢1Bの使用例を例示的に説明する斜視図であり、また、図17は、水嚢1Bの使用例を例示的に説明する側面図である。
【0119】
この水嚢1Bは、複数の袋部2・・・の各々の下位置に、接合部4cを介して、複数の浮き上がり防止のための袋部4・・・の各々を設けているので、例えば、河川等の水を堰き止めする際に、複数の浮き上がり防止のための袋部4・・・の各々を、河川等に、河川等の水の流れに対し、上流側に、張出すように設置し、複数の浮き上がり防止のための袋部4・・・の各々内に、水を注入し、更に、必要により、河川等に、河川等の水の流れに対し、上流側に、張出すように設置し、且つ、水を注入した複数の浮き上がり防止のための袋部4・・・の各々の上に、石その他の重しを載せる等すれば、水嚢1Bの底面と、河川等の川床との間を介して、河川等の水が、水嚢の下流側に漏れ出すことを確実に防ぐことができる。
【0120】
且つ、この水嚢1Bでは、複数の袋部2・・・の中、少なくとも、一方端e2aに位置する袋部2と、一方端e2aに位置する袋部2の下位置に設けられている浮き上がり防止のための袋部4との間に設けられている接合部4cには、一方端e2aに位置する袋部2内に注入された水を、一方端e2aに位置する袋部2の下位置に設けられている浮き上がり防止のための袋部4内に注水する注水孔h5を設けおり、一方端e2aに位置する袋部2の注水孔h2から、一方端e2aに位置する袋部2内に水を注入すると、連接されている複数の袋部2・・・の各々に、相隣り合う袋部2と袋部2との接合部2cに設けられている給水孔h1を介して、水が注入されるようになっており、且つ、複数の浮き上がり防止のための袋部4の各々に、一方端e2aに位置する袋部2と、一方端e2aに位置する袋部2の下位置に設けられている浮き上がり防止のための袋部4との間に設けられている接合部4cに設けられている注水孔h5、及び、相隣り合う、浮き上がり防止のための袋部4と浮き上がり防止のための袋部4との接合部5cに設けられている給水孔h4を介して、水が注入されるようになっているので、一箇所からの注水作業で、複数の袋部2・・・の各々内及び複数の浮き上がり防止のための袋部4・・・の各々内への水の注入ができるので、複数の袋部2・・・の各々内及び複数の浮き上がり防止のための袋部4・・・の各々内への水の注入作業を容易に行うことができる。
【0121】
また、この水嚢1Bは、複数の袋部2・・・の各々と複数の浮き上がり防止のための袋部4・・・の各々との接合部4cに、複数の浮き上がり防止のための袋部4のいずれか内へ、外部から水を注入する注水孔h5・・・を更に設けているので、複数の浮き上がり防止のための袋部4・・・の各々内への一方端e2aに位置する袋部2と、一方端e2aに位置する袋部2の下位置に設けられている浮き上がり防止のための袋部4との間に設けられている接合部4cに設けられている注水孔h5、及び、相隣り合う、浮き上がり防止のための袋部4と浮き上がり防止のための袋部4との接合部5cに設けられている給水孔h4を介する水の注入が不十分な際には、複数の袋部2・・・の各々と複数の浮き上がり防止のための袋部4・・・の各々との接合部4cに設けられている、複数の浮き上がり防止のための袋部4・・・の各々内に、外部から水を注入する注水孔h6を利用して、複数の浮き上がり防止のための袋部4・・・の各々の中、水の注入が十分でない袋部4内に、水を注入することができる。
【0122】
尚、図14中、Pで示す部材は、外部から水を注入する注水孔h6を利用して、複数の浮き上がり防止のための袋部4・・・の各々の中、水の注入が十分でない袋部4内に、水を注入する際に使用する、給水パイプを示している。
【0123】
この水嚢1Bは、河川等の堰として利用する際は、例えば、図16及び図17に示すように、三脚支持部材11に、水嚢1Bが寄りかかるようにして、使用する。
【0124】
この例では、複数の三脚支持部材11、11を使用し、複数の三脚支持部材11、11を連接すること、及び/又は、水嚢1Bを寄りかからせるためのパイプ部材16、複数の三脚支持部材11、11を連接すること、及び/又は、水嚢1Bを吊るすためのパイプ部材18を使用し、複数の三脚支持部材11、11を連接し、吊るし具19・・・を用い、パイプ部材18に吊るし具19・・・のリング部19aを取り付け、且つ、水嚢1Bに設けられている吊るし孔h3・・・の各々に、吊るし具19・・・の引っ掛け部19bを引っ掛けることで、パイプ部材18に、水嚢1Bを吊るすようにしている。
【0125】
図18は、三脚支持部材11の構成部材、吊るし具19・・・、三脚支持部材11を連接すること、及び/又は、水嚢1Bを寄りかからせるためのパイプ部材16、水嚢1Bを吊るすためのパイプ部材18、三脚支持部材11に、パイプ部材16及び/又はパイプ部材18を取り付ける取付具17を概略的に示す図である。
【0126】
吊るし具19は、一方に、パイプ部材18に取り付けるためのリング部19aを備え、他方に、一部分が開口した引っ掛け部19bを備える。
【0127】
三脚支持部材11は、運搬の容易性や組み立ての容易性を考慮して、三脚接合具12と、三脚接合具12の3個の孔内に挿入するパイプ部材13、14、15とから構成されている。
【0128】
また、図19は、取付具17を使用し、三脚支持部材11のパイプ部材14に、パイプ部材16を取り付けた状態を概略的に示す斜視図である。
【0129】
取付具17は、一対のパイプ部材を挟持すための挟持部17a、17aを備える。
【0130】
また、一対の挟持部17a、17aは、互いに回転可能なように接合されている。
【0131】
尚、図19では、取付具17を使用し、三脚支持部材11のパイプ部材14に、パイプ部材16を取り付けた状態を概略的に示したが、他のパイプ部材と他のパイプ部材を接続する際にも、取付具17を使用し、三脚支持部材11のパイプ部材14に、パイプ部材16を取り付けた方法と、同様にして、他のパイプ部材と他のパイプ部材との接続を行うようにする。
【0132】
尚、実施例1や実施例2では、水嚢1及び実施例1Aの各々として、複数の袋部2・・・の各々が、相隣り合う袋部2と袋部2との間に接合部2c・・・を有し、接合部2c・・・の各々は、給水孔h1・・・を備え、水嚢1の接合部2c・・・の各々の他方端e2b側の表面に、給水孔h1よりも上の位置に、接合部2c・・・の各々の表面に、弁体3を設けたものについて説明し、また、実施例3では、水嚢1Bとして、複数の浮き上がり防止のための袋部4・・・の各々が、相隣り合う袋部4と袋部4との間に接合部5c・・・を有し、接合部5c・・・の各々は、給水孔h4・・・を備え、水嚢1の接合部5c・・・の各々の他方端e5b側の表面に、給水孔h4よりも上の位置に、接合部2c・・・の各々の表面に、弁体3を設けたものについて説明したが、接合部2c・・・や、接合部5cに設ける弁体は、弁体3に限定されることはない。
【0133】
図20は、本発明に係る水嚢の他の一例の、複数の袋部の、相隣り合う袋部と袋部との接合部を中心にして概略的に示す、平面図である。
【0134】
また、図21は、図20に示す水嚢の製造工程を、複数の袋部の、相隣り合う袋部と袋部との接合部を中心にして模式的に説明する説明図である。
【0135】
この水嚢1Cは、以下の構成が異なる以外は、水嚢1と同様の構成を備えるので、水嚢1Cの構成部材中、水嚢1の構成部材に相当する構成部材については、水嚢1の構成部材に付した参照符号に相当する参照符号を付して、その説明を省略する。
【0136】
この水嚢1Cは、複数の袋部2・・・の、相隣り合う袋部2と袋部2との接合部2cに、接合部2cを貫通する、スリット状の孔部h1a・・・を備える。
【0137】
そして、この水嚢1Cは、スリット状の孔部h1a・・・の各々内に、袋状部材P2・・・の各々が、挿入されている。
【0138】
袋状部材P2は、複数の袋部2・・・の、相隣り合う袋部2と袋部2との接合部2cよりも、やや長い長さを有する、シート部材を2つ折にし、その長さ方向の一対の端部を封止したスリット状の貫通孔を有する。
【0139】
そして、袋状部材P2・・・の各々は、図20及び図21に示すように、その一方の先端が、複数の袋部2・・・の、相隣り合う袋部2と袋部2との接合部2cの下流側部から、複数の袋部2・・・の、相隣り合う袋部2の下流側に位置する袋部2側にはみ出すように設けられている。
【0140】
この水嚢1Cは、複数の袋部2・・・の、相隣り合う袋部2と袋部2との接合部2c・・・の各々を貫通する、スリット状の孔部h1a・・・を形成しているので、複数の袋部2・・・の一方端(上流側)から他方端(下流側)への水の注入を、スムーズに行うことができる。
【0141】
また、この水嚢1Cは、複数の袋部2・・・の、相隣り合う袋部2と袋部2との接合部2c・・・の各々を貫通する、スリット状の孔部h1a・・・の各々内に、複数の袋部2・・・の、相隣り合う袋部2と袋部2との接合部2c・・・の各々よりも、やや長い長さを有する、シート部材を2つ折にし、その長さ方向の一対の端部を封止したスリット状の貫通孔を有する袋状部材P2・・・の各々を、その一方の先端が、複数の袋部2・・・の、相隣り合う袋部2と袋部2との接合部2c・・・の各々の下流側部から、複数の袋部2・・・の、相隣り合う袋部2・・・の下流側に位置する袋部2側にはみ出すように設けているので、複数の袋部2・・・の一方端(上流側)から他方端(下流側)への水の注入は、スムーズに行うことができ、且つ、例えば、複数の袋部2・・・の一方端(上流側)から他方端(下流側)の間のある袋部2が破れた場合であっても、袋状部材P2・・・のスリット状の孔部h1a・・・内に挿入され、その一方の先端が、複数の袋部2・・・の、相隣り合う袋部2と袋部2との接合部2c・・・の各々の下流側部から、複数の袋部2・・・の、相隣り合う袋部2・・・の下流側に位置する袋部2・・・側にはみ出すように設けられている部分が閉じた状態になり、その結果、注水孔h1a・・・の各々が確実に閉じた状態になり、注水孔h1a・・・が、止水機能の高い、止水弁として機能を発揮する。
【0142】
尚、ここでは、水嚢1Cは、複数の袋部2・・・の、相隣り合う袋部2と袋部2との接合部2c・・・の各々を貫通する、スリット状の孔部h1a・・・の各々内に、複数の袋部2・・・の、相隣り合う袋部2と袋部2との接合部2c・・・の各々よりも、やや長い長さを有する、シート部材を2つ折にし、その長さ方向の一対の端部を封止したスリット状の貫通孔を有する袋状部材P2・・・の各々を、その一方の先端が、複数の袋部2・・・の、相隣り合う袋部2と袋部2との接合部2c・・・の各々の下流側部から、複数の袋部2・・・の、相隣り合う袋部2・・・の下流側に位置する袋部2側にはみ出すように設けたものについて説明したが、水嚢1Bのように、複数の袋部2・・・の中、少なくとも、一方端e2aに位置する袋部2と、一方端e2aに位置する袋部2の下位置に設けられている浮き上がり防止のための袋部4との間に設けられている接合部4cに、水嚢1Cの複数の袋部2・・・の、相隣り合う袋部2と袋部2との接合部2c・・・の各々を貫通する、スリット状の孔部h1a・・・の各々内に、複数の袋部2・・・の、相隣り合う袋部2と袋部2との接合部2c・・・の各々よりも、やや長い長さを有する、シート部材を2つ折にし、その長さ方向の一対の端部を封止したスリット状の貫通孔を有する袋状部材P2・・・の各々を、その一方の先端が、複数の袋部2・・・の、相隣り合う袋部2と袋部2との接合部2c・・・の各々の下流側部から、複数の袋部2・・・の、相隣り合う袋部2・・・の下流側に位置する袋部2側にはみ出すように設けたものを採用したものも、本発明に含まれる。
【0143】
また、図21から明らかなように、複数の袋部2・・・の、相隣り合う袋部2と袋部2との接合部2c・・・の各々を貫通する、スリット状の孔部h1a・・・の各々内に、複数の袋部2・・・の、相隣り合う袋部2と袋部2との接合部2c・・・の各々よりも、やや長い長さを有する、シート部材を2つ折にし、その長さ方向の一対の端部を封止したスリット状の貫通孔を有する袋状部材P2・・・の各々を、その一方の先端が、複数の袋部2・・・の、相隣り合う袋部2と袋部2との接合部2c・・・の各々の下流側部から、複数の袋部2・・・の、相隣り合う袋部2・・・の下流側に位置する袋部2側にはみ出すように設けたものは、複数の袋部2・・・を構成する一対のシートShA、ShBの一方のシートShaの内表面上に、複数の袋部2・・・の、相隣り合う袋部2と袋部2との接合部2c・・・の各々よりも、やや長い長さを有する、シート部材を2つ折にし、その長さ方向の一対の端部を封止したスリット状の貫通孔を有する袋状部材P2・・・の各々を、封止部Ada上の所定の位置に配置し、他方のシートShbの内表面上に設けた封止部Adbと、シートShaの内表面上に設けた封止部Adbとを、例えば、接着剤を用いて接着止めしたり、または、熱融着させるだけで形成できるので、水嚢1Cには、水嚢1Cを製造するのが容易である、という特徴がある。
【産業上の利用可能性】
【0144】
本発明に係る水嚢は、運搬や保管が容易で、水嚢内への水の注入が簡単に行え、丈夫で、且つ、例えば、大雨や河川が氾濫したような場合に、浸水を防ぐ必要のある場所の、浸水を確実に防止したり、また、例えば、護岸工事をする際に、川を、一時的に、確実に、堰き止めしたりすることができるので、産業上の利用可能性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】本発明に係る水嚢の一例を概略的に示す正面図である。
【図2】図1に示す水嚢を、運搬又は保管する際の状態を、模式的に示す斜視図である。
【図3】図1に示す水嚢の構造を、複数の袋部の各々を膨らませた状態で、その上方向から下方向に見た状態を摸式的に示す平面図である。
【図4】図1に示す複数の袋部の各々に設けられている注水孔及びその周辺部を、概略的に示す図であり、図4(a)は、図1に示す複数の袋部の各々に設けられている注水孔及びその周辺部を、上方向から下方向に見た状態を概略的に示す平面図であり、また、図4(b)は、図4(a)に示す、複数の袋部の各々に設けられている注水孔及びその周辺部を、概略的に示す斜視図である。
【図5】本発明に係る水嚢の、複数の袋部の各々に設けられている注水孔の他の一例及びその周辺部を、概略的に示す斜視図である。
【図6】本発明に係る水嚢の、複数の袋部2・・・の各々に設けられている注水孔h2aの製造工程を模式的に説明する説明図である。
【図7】図1中、VII−VII線に従う概略的な断面図である。
【図8】図1に示す水嚢の複数の袋部の相隣り合う袋部と袋部との接合部に設けられている給水孔及びその周辺を概略的に示す斜視図である。
【図9】図8中、IX−IX線に従う概略的な断面図である。
【図10】本発明に係る水嚢の他の一例を概略的に示す側面図である。
【図11】図10に示す水嚢の使用例を例示的に説明する斜視図である。
【図12】図10に示す水嚢の使用例を例示的に説明する斜視図である。
【図13】本発明に係る水嚢の他の一例を概略的に示す正面図である。
【図14】図13中、XIVで示す円部分を拡大して概略的に示す正面図である。
【図15】図14中、XV−XV線に従う概略的な断面図である。
【図16】図13に示す水嚢の使用例を例示的に説明する斜視図である。
【図17】図13に示す水嚢の使用例を例示的に説明する側面図である。
【図18】三脚支持部材の構成部材、吊るし具、三脚支持部材を連接すること、及び/又は、図13に示す水嚢を寄りかからせるためのパイプ部材、図13に示す水嚢を吊るすためのパイプ部材18、三脚支持部材に、パイプ部材を取り付ける取付具を概略的に示す図である。
【図19】取付具を使用し、三脚支持部材のパイプ部材に、パイプ部材を取り付けた状態を概略的に示す斜視図である。
【図20】本発明に係る水嚢の他の一例の、複数の袋部の、相隣り合う袋部と袋部との接合部を中心にして概略的に示す、平面図である。
【図21】図20に示す水嚢の製造工程を、複数の袋部の、相隣り合う袋部と袋部との接合部を中心にして模式的に説明する説明図である。
【図22】図22(a)は、従来の防災用ウォータフェンスの一例を概略的に示す斜視図であり、図22(b)は、図22(a)は、従来の防災用ウォータフェンスに用いられている、台形に成型された鋼線を例示的に示す正面図であり、また、図22(c)は、図22(a)中、XXII−XXII線に従う模式的な断面図である。
【図23】従来の水嚢の一例を概略的に示す図であり、図23(a)は、従来の水嚢の一例を概略的に示す平面図であり、図23(b)は、図2(a)中、XXIII−XXIII線に従う模式的な断面図である。
【図24】図23に示す、水嚢を概略的に示す斜視図である。
【図25】図24中、XXV−XXV線に従う概略的な断面図である。
【図26】図24に示す、水嚢の使用例を例示的に説明する断面図である。
【符号の説明】
【0146】
1、1A、1B 水嚢
2 袋部
3 弁体
4 浮き上がり防止のための袋部
2c、4c、5c 接合部
h1、h4 給水孔
h2、h2a、h5 注水孔
Sb 底面部
v1、v2 水抜き弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の袋部が連接されており、
前記複数の袋部の各々は、相隣り合う袋部と袋部との接合部に給水孔を備えており、
前記複数の袋部の中、少なくとも、一方端に位置する袋部には、水を注入する注水孔が設けられており、
前記一方端に位置する袋部の注水孔から、前記一方端に位置する袋部内に水を注入すると、連接されている複数の袋部の各々に、相隣り合う袋部と袋部との接合部に設けられている給水孔を介して、水が注入されるようになっている、水嚢。
【請求項2】
前記複数の袋部の、相隣り合う袋部と袋部との接合部に給水孔の各々には、前記一方端に位置する袋部と反対側の接合部の表面側に、給水孔に対して、開閉可能なように、弁体が設けられている、請求項1に記載の水嚢。
【請求項3】
複数の袋部の、相隣り合う袋部と袋部との接合部を貫通する、スリット状の孔部が設けられている、請求項1に記載の水嚢。
【請求項4】
前記スリット状の孔部内に、前記複数の袋部の、相隣り合う袋部と袋部との接合部よりも、やや長い長さを有する、シート部材を2つ折にし、その長さ方向の一対の端部を封止したスリット状の貫通孔を有する袋状部材を、その一方の先端が、前記複数の袋部の、相隣り合う袋部と袋部との接合部の下流側部から、前記複数の袋部の、相隣り合う袋部の下流側に位置する袋部側にはみ出すように設けた、請求項3に記載の水嚢。
【請求項5】
前記複数の袋部の中、他方端に位置する袋部の下方位置に、水抜き弁を備える、請求項1〜4のいずれかに記載の水嚢。
【請求項6】
前記複数の袋部の各々には、底面部が設けられており、前記複数の袋部の各々は、前記複数の袋部の各々内に、水が注入されると、前記複数の袋部の各々が、立設するようになっている、請求項1〜5のいずれかに記載の水嚢。
【請求項7】
前記複数の袋部の各々の下位置には、接合部を介して、複数の浮き上がり防止のための袋部の各々が設けられており、
前記複数の浮き上がり防止のための袋部は、連接されており、
前記複数の浮き上がり防止のための袋部の各々は、相隣り合う袋部と袋部との接合部に給水孔を備えており、
前記複数の袋部の中、少なくとも、一方端に位置する袋部と、前記一方端に位置する袋部の下位置に設けられている浮き上がり防止のための袋部との間に設けられている接合部には、一方端に位置する袋部内に注入された水を、前記一方端に位置する袋部の下位置に設けられている浮き上がり防止のための袋部内に注水する注水孔が設けられており、
前記一方端に位置する袋部の注水孔から、前記一方端に位置する袋部内に水を注入すると、連接されている複数の袋部の各々に、相隣り合う袋部と袋部との接合部に設けられている給水孔を介して、水が注入されるようになっており、且つ、
前記複数の浮き上がり防止のための袋部の各々に、前記一方端に位置する袋部と、前記一方端に位置する袋部の下位置に設けられている浮き上がり防止のための袋部との間に設けられている接合部に設けられている注水孔、及び、相隣り合う、浮き上がり防止のための袋部と浮き上がり防止のための袋部との接合部に設けられている給水孔を介して、水が注入されるようになっている、請求項1〜5のいずれかに記載の水嚢。
【請求項8】
前記複数の袋部の各々と前記複数の浮き上がり防止のための袋部の各々との接合部には、前記複数の浮き上がり防止のための袋部の各々内へ、外部から水を注入する注水孔を備える、請求項7に記載の水嚢。
【請求項9】
前記複数の浮き上がり防止のための袋部の中、他方端に位置する浮き上がり防止のための袋部の下方位置に、水抜き弁を備える、請求項7又は請求項8に記載の水嚢。
【請求項10】
前記複数の袋部の中、少なくとも、一方端に位置する袋部に設けられている、水を注入する注水孔が、前記袋部の上部に形成されている封止部に、上下方向に、貫通するスリット状の孔部である、請求項1〜9のいずれかに記載の水嚢。
【請求項11】
前記スリット状の孔部内に、前記袋部の上部に形成されている封止部よりも、やや長い長さを有する、シート部材を2つ折にし、その長さ方向の一対の端部を封止したスリット状の貫通孔を有する袋状部材を、その下端が、前記袋部の上部に形成されている封止部の下端から下方にはみ出すように設けた、請求項10に記載の水嚢。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2008−25097(P2008−25097A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−195144(P2006−195144)
【出願日】平成18年7月18日(2006.7.18)
【出願人】(506086502)株式会社石谷組 (3)
【Fターム(参考)】