説明

水平位置案内機

【課題】現在地点から所定の目標地点の近傍へと適切にかつ容易に到達することを可能とする水平位置案内機を提供する。
【解決手段】水平位置案内機10は、撮像手段と、撮像手段が取得した画像Psが表示される画像表示画面12と、現在位置および目標位置水平座標位置情報を取得可能な位置情報取得手段と、撮像手段の撮影光軸OAの基準方向に対する水平方向での角度を取得可能な水平角度取得手段と、を備え、撮像手段が取得した画像を画像表示画面12に表示するとともに、現在位置から目標位置への距離情報33と、水平角度取得手段が検知した水平角度に応じて、水平面上で見た現在位置から目標位置へと向かう方向に対して画像を取得した際の撮影光軸方向が為す水平角度情報31と、を重ねて画像表示画面12に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測量のための水平位置案内機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、測量では、トータルステーションのような距離測定を行う測量装置を用いて、予め決められている地点に杭を打つ等により標示する測設作業が行われる(例えば、特許文献1参照)。この測設作業では、測量装置で測量を行い、目標とする測設点(地点)へ作業者を誘導して杭打ちを行い、再び測量装置で測量を行い、他の測設点(地点)へ作業者を誘導して杭打ちを行う。このとき、作業者は、測量現場において杭打ちを測設点(現在地点とする)から次の測設点(目標地点とする)を把握することが困難であることから、測量装置での測量に基づく現在地点から目標地点への方位と距離との情報を取得するとともに、その情報に基づいて移動した後に、測量装置での測量により適切な目標地点へと到達しているか否かの判断を行う等の案内をしてもらう必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4522756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、現在地点から目標地点への方位と距離との情報を取得した作業者は、測量現場において現在位置から目標地点へと向かう方向を適切に把握する必要があるとともに、現在位置から目標地点へと移動する際に当該方向を適切に認識し続ける必要がある。
【0005】
このため、作業者は、例えば、方位計を用いることにより現在地点から目標地点に向かう方向を把握し続けることが考えられるが、方位計の精度は、周囲の環境の影響(例えば、金属や磁性物質等の有無)により変化してしまうことから、測量現場において適切に目標地点の近傍へと到達する観点から必ずしも有効であるとは言えない。
【0006】
また、作業者は、現在位置において測量現場の周囲の風景を目印として目標地点へと移動することが考えられるが、必ずしも適切な目印がある訳ではないことや、たとえ目印を定めた場合であっても移動するにしたがって目視による光景が変化することから、適切に目標地点の近傍へと到達することは容易ではない。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、その目的は、現在地点から所定の目標地点の近傍へと適切にかつ容易に到達することを可能とする水平位置案内機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、撮像手段と、該撮像手段が取得した画像が表示される画像表示画面と、現在位置および目標位置の水平座標位置情報を取得可能な位置情報取得手段と、前記撮像手段の撮影光軸の基準方向に対する水平方向での角度を取得可能な水平角度取得手段と、を備え、前記撮像手段が取得した画像を前記画像表示画面に表示するとともに、前記現在位置から前記目標位置への距離情報と、前記水平角度取得手段が検知した水平角度に応じて、水平面上で見た前記現在位置から前記目標位置へと向かう方向に対して前記画像を取得した際の前記撮影光軸方向が為す水平角度情報と、を重ねて前記画像表示画面に表示することを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の水平位置案内機であって、さらに、前記画像表示画面に表示された画面の画面データを格納可能な格納部と、該格納部への前記画面データの格納および該画面データの再生の実行のための操作部と、備え、前記操作部に格納操作が為されると、その格納操作時に前記画像表示画面に表示されている画面の画面データを前記格納部に格納し、前記操作部に再生操作が為されると、前記格納部に格納されている画面データを前記画像表示画面に表示することを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の水平位置案内機であって、さらに、前記撮像手段の傾斜を検知する傾斜検知手段を備え、前記距離情報および前記水平角度情報を前記画像に重ねて前記画像表示画面に表示する際、前記画像における鉛直方向を示す鉛直方向標示記号を重ねて前記画像表示画面に表示することを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の水平位置案内機であって、前記位置情報取得手段は、前記現在位置までの距離と方向とを測定可能な測量装置との通信を可能とする通信部を有し、前記水平角度取得手段は、前記現在位置から前記測量装置へ向かう方向を前記基準方向として前記撮像手段の水平角度を取得することを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の水平位置案内機であって、さらに、前記撮像手段が取得した画像において任意の距離における目標基準物の高さ寸法を算出する演算手段と、任意の距離を設定する距離設定手段と、を備え、前記撮像手段が取得した画像を前記画像表示画面に表示する際、前記距離設定手段で設定した任意の距離に対して前記演算手段で算出した前記高さ寸法に応じた設定地点高さ寸法標示記号を前記画像表示画面に表示することを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の水平位置案内機であって、前記演算手段は、前記撮像手段が取得した画像における前記目標基準物の高さ寸法に基づいて、該目標基準物までの距離を算出し、前記撮像手段が取得した画像を前記画像表示画面に表示する際、前記演算手段で算出した前記目標基準物までの距離を表示することを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の水平位置案内機であって、前記演算手段は、前記撮像手段が取得した画像を解析することにより、前記撮像手段が取得した画像における前記目標基準物の高さ寸法を取得することを特徴とする。
【0015】
請求項8に記載のプログラムは、撮像手段と、該撮像手段が取得した画像が表示される画像表示画面と、現在位置および目標位置の水平座標位置情報を取得可能な位置情報取得手段と、前記撮像手段の撮影光軸の基準方向に対する水平方向での角度を取得可能な水平角度取得手段と、を備える水平位置案内機の制御部に、前記撮像手段が取得した画像を前記画像表示画面に表示する機能と、前記水平角度取得手段からの出力信号に基づいて前記撮影光軸の前記基準方向に対する水平角度を判断する機能と、前記現在位置から前記目標位置への距離情報を重ねて前記画像表示画面に表示する機能と、前記撮影光軸の水平角度に応じて、水平面上で見た前記現在位置から前記目標位置へと向かう方向に対して前記画像を取得した際の前記撮影光軸方向が為す水平角度情報を重ねて前記画像表示画面に表示する機能と、を実現させることを特徴とする。
【0016】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のプログラムであって、前記水平位置案内機は、さらに、前記画像表示画面に表示された画面の画面データを格納可能な格納部と、該格納部への前記画面データの格納および該画面データの再生の実行のための操作部と、備え、前記操作部への操作内容を判断する機能と、前記操作部に格納操作が為されると、その格納操作時に前記画像表示画面に表示されている画面の画面データを前記格納部に格納する機能と、前記操作部に再生操作が為されると、前記格納部に格納されている画面データを前記画像表示画面に表示する機能と、を実現させることを特徴とする。
【0017】
請求項10に記載の発明は、請求項8または請求項9に記載のプログラムであって、前記水平位置案内機は、さらに、前記撮像手段の傾斜を検知する傾斜検知手段を備え、該傾斜検知手段からの出力信号に基づいて前記撮像手段の傾斜を判断する機能と、前記距離情報および前記水平角度情報を前記画像に重ねて前記画像表示画面に表示する際、前記撮像手段の傾斜に応じて前記画像における鉛直方向を示す鉛直方向標示記号を重ねて前記画像表示画面に表示する機能を実現させることを特徴とする。
【0018】
請求項11に記載の発明は、請求項8から請求項10のいずれか1項に記載のプログラムであって、前記位置情報取得手段は、前記現在位置までの距離と方向とを測定可能な測量装置との通信を可能とする通信部を有し、前記水平角度取得手段からの出力信号に基づいて、前記現在位置から前記測量装置へと向かう方向を前記基準方向とした前記撮像手段の水平角度を取得する機能を実現させることを特徴とする。
【0019】
請求項12に記載の発明は、請求項8から請求項11のいずれか1項に記載のプログラムであって、前記水平位置案内機は、さらに、任意の距離を設定する距離設定手段を備え、前記撮像手段が取得した画像において、前記距離設定手段で設定された任意の距離における目標基準物の高さ寸法を算出する機能と、前記撮像手段が取得した画像を前記画像表示画面に表示する際、前記距離設定手段で設定した任意の距離に対して算出した前記高さ寸法に応じた設定地点高さ寸法標示記号を前記画像表示画面に表示する機能と、を実現させることを特徴とする。
【0020】
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載のプログラムであって、前記撮像手段が取得した画像における前記目標基準物の高さ寸法に基づいて、該目標基準物までの距離を算出する機能と、前記撮像手段が取得した画像を前記画像表示画面に表示する際、算出した前記目標基準物までの距離を表示する機能と、を実現させることを特徴とする。
【0021】
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載のプログラムであって、前記撮像手段が取得した画像を解析することにより、前記撮像手段が取得した画像における前記目標基準物の高さ寸法を取得する機能を実現させることを特徴とする。
【0022】
請求項15に記載の水平位置案内表示方法は、撮像手段と、該撮像手段が取得した画像が表示される画像表示画面と、現在位置および目標位置の水平座標位置情報を取得可能な位置情報取得手段と、前記撮像手段の撮影光軸の基準方向に対する水平方向での角度を取得可能な水平角度取得手段と、前記画像表示画面での表示を制御する表示制御手段と、を備える水平位置案内機の水平位置案内表示方法であって、前記撮像手段が取得した画像を前記画像表示画面に表示する工程と、前記水平角度取得手段からの出力信号に基づいて前記撮影光軸の前記基準方向に対する水平角度を判断する工程と、前記現在位置から前記目標位置への距離情報を重ねて前記画像表示画面に表示する工程と、前記撮影光軸の水平角度に応じて、水平面上で見た前記現在位置から前記目標位置へと向かう方向に対して前記画像を取得した際の前記撮影光軸方向が為す水平角度情報を重ねて前記画像表示画面に表示する工程と、を含むことを特徴とする。
【0023】
請求項16に記載の発明は、請求項15に記載の水平位置案内表示方法であって、前記水平位置案内機は、さらに、前記画像表示画面に表示された画面の画面データを格納可能な格納部と、該格納部への前記画面データの格納および該画面データの再生の実行のための操作部と、備え、前記操作部への操作内容を判断する工程と、前記操作部に格納操作が為されると、その格納操作時に前記画像表示画面に表示されている画面の画面データを前記格納部に格納する工程と、前記操作部に再生操作が為されると、前記格納部に格納されている画面データを前記画像表示画面に表示する工程と、を含むことを特徴とする。
【0024】
請求項17に記載の発明は、請求項15または請求項16に記載の水平位置案内表示方法であって、前記水平位置案内機は、さらに、前記撮像手段の傾斜を検知する傾斜検知手段を備え、該傾斜検知手段からの出力信号に基づいて前記撮像手段の傾斜を判断する工程と、前記距離情報および前記水平角度情報を前記画像に重ねて前記画像表示画面に表示する際、前記撮像手段の傾斜に応じて前記画像における鉛直方向を示す鉛直方向標示記号を重ねて前記画像表示画面に表示する工程を含むことを特徴とする。
【0025】
請求項18に記載の発明は、請求項15から請求項17のいずれか1項に記載の水平位置案内表示方法であって、前記位置情報取得手段は、前記現在位置までの距離と方向とを測定可能な測量装置との通信を可能とする通信部を有し、前記水平角度取得手段からの出力信号に基づいて、前記現在位置から前記測量装置へと向かう方向を前記基準方向とした前記撮像手段の水平角度を取得する工程を含むことを特徴とする。
【0026】
請求項19に記載の発明は、請求項15から請求項18のいずれか1項に記載の水平位置案内表示方法であって、前記水平位置案内機は、さらに、任意の距離を設定する距離設定手段を備え、前記撮像手段が取得した画像において、前記距離設定手段で設定された任意の距離における目標基準物の高さ寸法を算出する工程と、前記撮像手段が取得した画像を前記画像表示画面に表示する際、前記距離設定手段で設定した任意の距離に対して算出した前記高さ寸法に応じた設定地点高さ寸法標示記号を前記画像表示画面に表示する工程と、を含むことを特徴とする。
【0027】
請求項20に記載の発明は、請求項19に記載の水平位置案内表示方法であって、前記撮像手段が取得した画像における前記目標基準物の高さ寸法に基づいて、該目標基準物までの距離を算出する工程と、前記撮像手段が取得した画像を前記画像表示画面に表示する際、算出した前記目標基準物までの距離を表示する工程と、を含むことを特徴とする。
【0028】
請求項21に記載の発明は、請求項20に記載の水平位置案内表示方法であって、前記撮像手段が取得した画像を解析することにより、前記撮像手段が取得した画像における前記目標基準物の高さ寸法を取得する工程を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
本発明の水平位置案内機によれば、撮像手段で取得した光景画像に重ねて、その画像を取得した際の撮影光軸方向が目標位置へと向かう方向に対して為す水平角度情報と、目標位置までの距離情報とを、画像表示画面に表示することができるので、その地点から目標位置へと向かう方向を容易かつ適切に認識させることができるとともに、その地点から目標位置までの距離を容易かつ適切に認識させることができる。
【0030】
上記した構成に加えて、さらに、前記画像表示画面に表示された画面の画面データを格納可能な格納部と、該格納部への前記画面データの格納および該画面データの再生の実行のための操作部と、備え、前記操作部に格納操作が為されると、その格納操作時に前記画像表示画面に表示されている画面の画面データを前記格納部に格納し、前記操作部に再生操作が為されると、前記格納部に格納されている画面データを前記画像表示画面に表示することとすると、例えば、目標地点へ向かう方向を表す画像を保存して再生することにより、目標地点に移動している際に実際の光景と画像表示画面の光景とを比較することにより、目標地点へ向かう方向を適切に把握し続けることを可能とすることができる。
【0031】
上記した構成に加えて、さらに、前記撮像手段の傾斜を検知する傾斜検知手段を備え、前記距離情報および前記水平角度情報を前記画像に重ねて前記画像表示画面に表示する際、前記画像における鉛直方向を示す鉛直方向標示記号を重ねて前記画像表示画面に表示することとすると、その地点から目標位置へと向かう方向の鉛直線上に存在するものを適切に把握させることを可能とすることができ、目標位置へと向かうための目印の決定を容易でかつ確実なものとすることができる。
【0032】
上記した構成に加えて、前記位置情報取得手段は、前記現在位置までの距離と方向とを測定可能な測量装置との通信を可能とする通信部を有し、前記水平角度取得手段は、前記現在位置から前記測量装置へ向かう方向を前記基準方向として前記撮像手段の水平角度を取得することとすると、当該水平位置案内機の地点を測定可能な測量装置を基準として目標地点への方向および距離を認識させることができるので、測量装置を用いた測量作業をより適切なものとすることができるとともに、より効率の良いものとすることができる。
【0033】
上記した構成に加えて、さらに、前記撮像手段が取得した画像において任意の距離における目標基準物の高さ寸法を算出する演算手段と、任意の距離を設定する距離設定手段と、を備え、前記撮像手段が取得した画像を前記画像表示画面に表示する際、前記距離設定手段で設定した任意の距離に対して前記演算手段で算出した前記高さ寸法に応じた設定地点高さ寸法標示記号を前記画像表示画面に表示することとすると、目標基準物を画像として画像表示画面に表示させて、その画像において目標基準物と設定地点高さ寸法標示記号と(その高さ寸法)を比較することにより、現在の地点から目標基準物までの距離が、設定した任意の距離となっているか否かを確認することができる。
【0034】
上記した構成に加えて、前記演算手段は、前記撮像手段が取得した画像における前記目標基準物の高さ寸法に基づいて、該目標基準物までの距離を算出し、前記撮像手段が取得した画像を前記画像表示画面に表示する際、前記演算手段で算出した前記目標基準物までの距離を表示することとすると、画像を取得した地点から目標基準物までの距離を認識することができる。
【0035】
上記した構成に加えて、前記演算手段は、前記撮像手段が取得した画像を解析することにより、前記撮像手段が取得した画像における前記目標基準物の高さ寸法を取得することとすると、目標基準物を画像として取得するだけで、現在の地点から目標基準物までの距離を認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本願発明に係る水平位置案内機の一例としての水平位置案内機10を模式的に示す表面(11a)側から見た斜視図である。
【図2】起立状態とされた水平位置案内機10を模式的に示す裏面(11b)側から見た斜視図である。
【図3】水平位置案内機10の機能構成を示すブロック図である。
【図4】測量装置50を用いて現在位置Pnでの水平位置案内機10の視準目標部19の位置情報を取得している様子を示す説明図である。
【図5】画像表示画面12において、光景画像Psに重ねて鉛直位置標示記号21が表示され、かつその鉛直位置標示記号21の鉛直位置情報22が表示されている様子を示す説明図である。
【図6】基準位置19aと位置出し基準部Bとの位置関係を示す説明図である。
【図7】制御部18にて実行される鉛直位置情報表示制御処理内容を示すフローチャートである。
【図8】画像表示画面12において、光景画像Psに重ねて水平角度標示部31、方位表示記号32、目標距離情報33および鉛直標示線34が表示されている様子を示す説明図であり、図19の測量現場において水平位置案内機10(撮像部14)を測量装置50に正対させた状態を示している。
【図9】図8と同様の説明図であり、図19の測量現場において水平位置案内機10(撮像部14)を目標位置Ptに正対させた状態を示している。
【図10】図8と同様の説明図であり、図19の測量現場において水平位置案内機10(撮像部14)を目標位置Ptに正対させつつ撮影光軸OA回りに傾斜させた状態を示している。
【図11】画像表示画面12に表示させた目標位置標示情報を拡大した様子を示す説明図である。
【図12】第1表示形態の方位表示記号32を示す説明図であり、水平位置案内機10(撮像部14)を測量装置50に正対させた状態を示している。
【図13】図12と同様の説明図であり、図19の測量現場において水平位置案内機10(撮像部14)を目標位置Ptに正対させた状態を示している。
【図14】第2表示形態の方位表示記号32を示す説明図である。
【図15】制御部18にて実行される水平位置案内制御処理内容を示すフローチャートである。
【図16】画像表示画面12において、光景画像Psに重ねて基準高さ記号41および任意距離情報42が表示されている様子を示す説明図である。
【図17】画像表示画面12において、光景画像Psに重ねて基準高さ記号41、計測位置標示記号43および計測距離情報44が表示されている様子を示す説明図である。
【図18】制御部18にて実行される距離確認制御処理内容を示すフローチャートである。
【図19】一例としての測量現場において水平位置案内機能を利用している様子を示す説明図である。
【図20】図19の測量現場における光景を示す説明図であり、(a)は現在位置Pnから目標位置Ptへと向かう方向を見た様子を示し、(b)は目標位置Ptに近づいた地点において目標位置Ptへと向かう方向を見た様子を示している。
【図21】図19の測量現場において距離確認機能を利用している様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下に、本願発明に係る水平位置案内機の実施例について図面を参照しつつ説明する。
【実施例】
【0038】
先ず、本発明に係る水平位置案内機の一実施例としての水平位置案内機10の概略的な構成を、図1から図3を用いて説明する。図1は、水平位置案内機10を模式的に示す表面側から見た斜視図であり、図2は、水平位置案内機10を模式的に示す裏面側から見た斜視図である。図3は、水平位置案内機10の機能構成を示すブロック図である。
【0039】
水平位置案内機10は、図1から図3に示すように、全体に直方体形状を呈する筐体11に、画像表示画面(表示部)12と操作部13と撮像部14と傾斜センサ15と通信部16と方位センサ17と制御部18とが収容され、視準目標部19が取り付けられて構成されている。
【0040】
画像表示画面12は、筐体11の表面11aに設けられており、制御部18の制御下で適宜画像を表示する。この画像表示画面12は、少なくとも撮像部14で取得された光景画像Psを即時連続的に(所謂リアルタイムの画像として)表示することが可能とされている。
【0041】
操作部13は、水平位置案内機10における各種機能の選択操作や各種機能のための入力操作のために設けられ、本実施例では、筐体11の表面11aに設けられている。この操作部13は、画像表示画面12とは独立して設けられていてもよく、画像表示画面12にタッチパネルの機能を搭載して画像表示画面12に表示された画面として構成されているものであってもよい。
【0042】
撮像部14は、図示は略すが少なくとも1つ以上のレンズを含む撮影光学系14a(図3参照)と、その撮影光学系14aの結像位置に設けられた撮像素子14b(図3参照)と、が筐体11に固定的に収容されて構成され、その筐体11の外方の光景(光景画像Ps)を取得することが可能とされている。本実施例では、撮像部14は、筐体11の裏面11bにおいて撮影光学系14aの対物レンズ14c(図2参照)が外方に露出されて設けられており、撮影光軸OA(図2参照)が裏面11bに対して直交する方向に設定されている。このため、本実施例では、撮像部14で取得した光景画像Psを画像表示画面12に表示させると、その画像表示画面12を見ている使用者の目線の延長線上の景色が光景画像Psとして画像表示画面12に表示される。また、撮像部14では、図示は略すが、撮像素子14bの中央位置が撮影光学系14aの撮影光軸OA上に位置するように設定されている。
【0043】
傾斜センサ15(図3参照)は、水平位置案内機10(筐体11)の基準状態からの傾斜角度およびその傾斜方向(以下、傾斜状態ともいう)を検知するものであり、本実施例では、加速度を計測可能な加速度センサで構成され、重力方向を検出することすなわち重力方向に対する傾斜度合いを計測することと、水平位置案内機10(筐体11)の重力方向回りの回転すなわち水平方向での回転角度(水平角度)を計測することと、が可能とされている。このため、傾斜センサ15は、筐体11に固定的に設けられた撮像部14(その撮影光軸OA(図2参照))の重力方向に対する傾斜状態(傾斜の度合い)を計測することが可能であり、傾斜検知手段として機能する。また、傾斜センサ15は、筐体11の表面11aおよび裏面11bが重力方向に平行な姿勢とされた状態(以下、起立状態ともいう(図2参照))において、筐体11に固定的に設けられた撮像部14の撮影光軸OAの基準方向に対する水平方向での回転角度を計測することが可能であり、水平角度取得手段として機能する。
【0044】
本実施例では、水平位置案内機10(筐体11)の基準状態が、撮像部14の撮影光軸OA(図2参照)が鉛直方向(重力方向)下方に一致する状態、すなわち筐体11の表面11aおよび裏面11bが水平面に平行な状態に設定されている。これにより、本実施例では、傾斜センサ15は、画像表示画面12を鉛直方向上側に向けた状態(図1参照)からの、水平面に沿う一方向周り(矢印A1参照(以下、ロール方向ともいう))における重力方向に対する水平位置案内機10(筐体11)の傾きと、水平面に沿う一方向と直交する他方向周り((矢印A2参照以下、ピッチ方向ともいう))における重力方向に対する水平位置案内機10(筐体11)の傾きと、を少なくとも検出することが可能とされている。
【0045】
また、本実施例では、起立状態(図2参照)において、撮像部14の撮影光軸OAが向けられた任意の方向を、撮影光軸OAの基準方向として設定することができる。これにより、本実施例では、傾斜センサ15は、撮影光軸OAを水平面に沿わせた状態(起立状態(図2参照))において、任意の位置を基準方向として、当該基準方向に対する水平方向での回転角度(鉛直方向(重力方向)回りの回転角度)を検出することが可能とされている。なお、傾斜センサ15は、水平位置案内機10(筐体11)の基準状態からの傾斜状態、および撮影光軸OAの基準方向からの水平方向への回転角度を検知することができるものであれば、例えばジャイロセンサで構成してもよく、本実施例に限定されるものではない。
【0046】
通信部16は、測量装置50(図4参照)の通信手段(図示せず)を介して、当該制御手段と制御部18とのデータの遣り取りを可能とするものである。この通信部16は、本実施例では、無線通信が可能とされており、後述するように、測量装置50が測定した視準目標部19の基準位置19a(図6参照)の水平座標位置データ(水平座標位置情報)を、当該測量装置50(その制御手段)から制御部18が取得することを可能とする。
【0047】
方位センサ17は、水平位置案内機10(筐体11)内において方位を検知するものであり、そこで設定された基準線が指し示す方位を検知することができる。この方位センサ17は、本実施例では、地磁気に基づいて方位を計測可能な地磁気センサで構成されている。方位センサ17は、本実施例では、少なくとも、撮影光軸OAを基準線として当該基準線が指し示す方位を検出することが可能とされている。なお、方位センサ17は、水平位置案内機10(筐体11)内において方位を検知するものであれば、他のセンサで構成してもよく、本実施例に限定されるものではない。この方位センサ17は、検出信号を制御部18へ向けて出力する。
【0048】
視準目標部19は、測量装置50(図4参照)による3次元位置の測定のための視準目標を構成するものである。本実施例では、図4に示すように、測量装置50は、トータルステーションであり、測定点へ向けてパルスレーザ光線を照射し、その測定点からの反射光を受光して、パルス毎に測距(光波距離測定)を行い、測距結果を平均化して高精度の距離測定を行うことができる。また、この測量装置50は、パルスレーザ光線の照射方向となる視準方向の水平角を検出(測角)することができるとともに、当該視準方向の鉛直角を検出(測角)することができる。
【0049】
視準目標部19は、測量装置50からのパルスレーザ光線を常に当該測量装置50へ向けて反射することが可能とされており、本実施例ではコーナキューブプリズムで構成されて筐体11に固定されている。このため、測量装置50は、視準目標部19における基準位置19a(図6参照)の3次元位置を測定することができるとともに、パルスレーザ光線の照射角度に基づいて、視準目標部19の高さ位置に拘らず基準位置19a(視準目標部19)の水平座標位置を測定することができる。また、測量装置50には、図示は略すが、通信部16とのデータ通信を可能とする通信手段が設けられている。
【0050】
制御部18は、図3に示すように、撮像部14からの信号に基づく画像データの生成処理や、生成した画像データに基づく光景画像Psを画像表示画面12に表示させる表示処理や、傾斜センサ15からの信号に基づく水平位置案内機10(筐体11)の基準状態からの傾斜状態の判断処理や、傾斜センサ15からの信号に基づく撮影光軸OAの基準方向からの水平角度の判断処理や、通信部16を介する測量装置50の通信手段(図示せず)とのデータの送受信処理や、方位センサ17からの信号に基づく方位の判断処理等の水平位置案内機10における動作の制御を、記憶部18aに格納されたプログラムにより統括的に行う。この制御部18は、撮像部14の撮像素子14bからの信号に基づいて画像データを生成し、その画像データを適宜記憶部18aに格納するとともに、その画像データに基づく光景画像Psを水平位置案内機10(筐体11)の表面11a側に設けられた画像表示画面12に適宜表示させる。制御部18は、記憶部18aに格納された画像データに基づく光景画像Psを画像表示画面12に表示させた状態において、操作部13の操作に応じてその光景画像Psの拡大および縮小が可能とされている。制御部18には、操作部13や傾斜センサ15や方位センサ17から検出信号が入力される。
【0051】
また、制御部18は、上記した基本的な制御の他に、演算部18bにおいて、上述した測定点から任意の地点への案内情報を生成することが可能とされている。その演算部18bは、測量装置50からの基準位置19aの水平座標位置情報と、任意の地点の水平座標位置情報と、に基づいて、測定点から任意の地点への案内情報を生成する。この案内情報は、上述した測定点を現在位置Pnとしかつ任意の地点を目標位置Ptとすると、水平座標で見た現在位置Pnから目標位置Ptへ向かう方向と、現在位置Pnと目標位置Ptとの距離と、を有している。このため、演算部18bは、案内情報生成手段として機能する。なお、この任意の地点(目標位置Pt)は、少なくとも1つ以上が予め記憶部18aに保存(登録)されており、その保存(登録)は、操作部13に為された操作によるものであってもよく、測量装置50から取得するものであってもよく、他の機器から取得するものであってもよい。
【0052】
この制御部18は、さらに、鉛直位置標示機能のための制御処理と、鉛直位置情報表示機能のための制御処理と、が可能とされている。先ず、鉛直位置標示機能について説明する。この鉛直位置標示機能は、図5に示すように、撮像部14で取得した光景画像Psを画像表示画面12に表示させる際、その光景画像Psに重ねて鉛直位置標示記号21を画像表示画面12に表示させるものである。この鉛直位置標示記号21は、撮像部14で取得した光景画像Psにおいて、水平位置案内機10の位置出し基準部B(図2参照)の鉛直下方にあたる位置の特定を可能とすべく当該鉛直下方位置を指し示すものであり、本実施例では十字の記号とされている。その位置出し基準部Bは、水平位置案内機10において鉛直下方を指示するための基準点であり、本発明に係る水平位置案内機10では撮像部14で取得した光景画像Psを用いて鉛直位置標示記号21を表示するものであることから、水平位置案内機10(その筐体11に固定された撮像部14)の基準状態において、水平座標で見て撮像部14により光景画像Psとして取得可能な範囲内(撮像部14の画角内)に鉛直下方位置が位置するように設定されている。位置出し基準部Bは、本実施例では、撮影光学系14aにおける撮影光軸OA上の所定の位置とされており、撮影光学系14aにおける撮影光軸OA上の焦点位置とされている(図2参照)。ここで、撮像部14において撮像素子14bの中央位置が撮影光学系14aの撮影光軸OA上に位置するように設定されていることから、位置出し基準部Bの鉛直下方位置は、水平位置案内機10が水平とされた基準状態(図1参照)、すなわち撮像部14の撮影光軸OA(図2参照)が鉛直方向に一致されて撮像部14が鉛直下方の光景(光景画像Ps)を取得すると、その光景画像Psの中央に位置する。このため、水平位置案内機10が水平とされた基準状態における画像表示画面12での鉛直位置標示記号21の表示位置は、光景画像Psの中央位置となり、当該中央位置が鉛直位置標示記号21の鉛直表示基準位置となる。
【0053】
制御部18は、傾斜センサ15からの検出信号が入力されることにより、水平位置案内機10(筐体11)の基準状態からの傾斜状態、換言すると撮像部14において撮影光軸OAが鉛直方向に一致する状態からの傾斜角度および傾斜方向(ロール方向(矢印A1参照)およびピッチ方向(矢印A2参照)の各成分)を取得することができる。この制御部18は、当該傾斜状態における傾斜角度を、画角を考慮した光景画像Ps上での距離に換算することにより、光景画像Psの中央に設定された鉛直表示基準位置からの光景画像Ps上での距離、換言すると撮像部14の撮像素子14b上での間隔(画素数)に換算する。このため、制御部18では、傾斜センサ15から検出信号が入力されると、その検出信号から水平位置案内機10(撮影光軸OA)の傾斜状態(傾斜角度およびその傾斜方向)を判断し、中心位置からその傾斜方向とは反対側へと当該傾斜角度に相当する間隔で変位させた位置を算出する。その算出した位置が、傾斜状態での水平位置案内機10における光景画像Psで見た位置出し基準部Bの鉛直下方位置、すなわち鉛直位置標示記号21の表示位置となる。
【0054】
次に、鉛直位置情報表示機能について説明する。鉛直位置情報表示機能は、図5に示すように、鉛直位置標示機能により撮像部14で取得した光景画像Psに重ねて鉛直位置標示記号21を画像表示画面12に表示させている際、その鉛直位置標示記号21の鉛直位置情報22を画像表示画面12に表示させるものである。この鉛直位置情報22は、撮像部14の位置出し基準部Bの鉛直下方位置の水平座標位置を示すものであり、本実施例ではx座標およびy座標で表すものとされている。この鉛直位置情報22は、通信部16を介して得た、測量装置50での測定による視準目標部19の基準位置19aの水平座標位置情報に基づいて生成される。以下では、図6を用いて、鉛直位置情報22の生成について説明する。
【0055】
水平位置案内機10では、測量装置50による測定結果が視準目標部19の基準位置19aの水平座標位置情報であり、他方、画像表示画面12に表示させる鉛直位置標示記号21が光景画像Psにおける位置出し基準部Bの鉛直下方位置であることから、図6に示すように、水平座標で見て基準位置19aと位置出し基準部Bとの位置ずれ量が生じる。このため、制御部18では、基準位置19aと位置出し基準部Bとの位置関係に基づいて、基準位置19aの位置情報を補正することにより、位置出し基準部Bすなわち鉛直位置標示記号21により指し示された位置の水平座標位置情報を生成する。
【0056】
先ず、視準目標部19と撮像部14とは、互いに筐体11に固定されるものであることから、基準位置19aと位置出し基準部Bとの間隔は予め設定することができ、変化することはない。この間隔は、予め設定されて記憶部18aに格納されている。
【0057】
次に、水平座標位置を算出することから、基準位置19aに対して位置出し基準部Bのずれている方向が問題となる。このため、制御部18は、傾斜センサ15からの検出信号が入力されることにより、水平位置案内機10(筐体11)の基準状態からの傾斜状態を判断するとともに、方位センサ17からの検出信号が入力されることにより、基準位置19aに対する位置出し基準部Bの位置関係(基準位置19aから見た位置出し基準部Bの方位と、基準位置19aと位置出し基準部Bとの間隔(空間座標における基準位置19aから見た位置出し基準部Bの位置))を正確に判断する。制御部18は、基準位置19aと位置出し基準部Bとの位置関係に基づいて、水平座標で見た基準位置19aと位置出し基準部Bとの位置ずれ量(オフセット量)を算出する。制御部18では、この水平座標で見た位置ずれ量(オフセット量)を、基準位置19aの水平座標位置情報への補正値とすることにより、位置出し基準部Bすなわち鉛直位置標示記号21により指し示された位置の水平座標位置情報を生成する。制御部18は、この水平座標位置情報に基づいて、鉛直位置情報22を生成する。
【0058】
図7は、本実施例における制御部18にて実行される鉛直位置情報表示制御処理内容(鉛直位置標示制御処理内容を含む)を示すフローチャートである。以下、図7のフローチャートの各ステップについて説明する。この鉛直位置情報表示機能は、操作部13において鉛直位置情報表示を実行する旨の操作が為されることにより開始される。この鉛直位置情報表示では、測量装置50による3次元位置測定を可能とすべく視準目標部19(基準位置19a)を当該測量装置50側に向ける。
【0059】
ステップS1では、撮像部14での画像の取得を開始させて、ステップS2へ進む。
【0060】
ステップS2では、ステップS1での撮像部14での画像の取得の開始に続き、傾斜センサ15から傾斜情報を取得して、ステップS3へ進む。このステップS2では、傾斜センサ15からの出力信号に基づいて、水平位置案内機10すなわち撮像部14(撮影光軸OA)の傾斜状態(傾斜角度およびその傾斜方向)を判断する。
【0061】
ステップS3では、ステップS2での傾斜センサ15から傾斜情報の取得に続き、傾斜状態に応じた鉛直位置標示記号21の表示位置を算出して、ステップS4へ進む。このステップS3では、上述したように、水平位置案内機10(撮像部14)の傾斜状態から、光景画像Ps(撮像素子14b)における位置出し基準部Bの鉛直下方位置を算出する。その鉛直下方位置が、光景画像Psにおける傾斜状態に応じた鉛直位置標示記号21の表示位置となる。
【0062】
ステップS4では、ステップS3での傾斜状態に応じた鉛直位置標示記号21の表示位置の算出に続き、その鉛直位置標示記号21を含む画像データを生成して、ステップS5へ進む。このステップS4では、撮像部14からの出力信号から取得した光景の画像データ(光景画像Ps)を生成するとともに、その画像データにおけるステップS3で算出した表示位置に鉛直位置標示記号21を重ねて表示する画像データ(鉛直位置標示記号21が重ねられた光景画像Ps)を生成する。
【0063】
ステップS5では、ステップS4での鉛直位置標示記号21を含む画像データの生成に続き、通信部16を介して水平座標位置情報を取得して、ステップS6へ進む。このステップS5では、通信部16を介する測量装置50(その通信手段)との無線通信により、測量装置50により測定された視準目標部19の基準位置19aの水平座標位置情報を取得する。
【0064】
ステップS6では、ステップS5での通信部16を介する水平座標位置情報の取得に続き、方位センサ17から方位情報を取得して、ステップS7へ進む。このステップS6では、方位センサ17からの出力信号に基づいて、基準位置19aに対する位置出し基準部Bの方向(方角)を判断する。
【0065】
ステップS7では、ステップS6での方位センサ17からの方位情報の取得に続き、鉛直位置情報22を生成して、ステップS8へ進む。このステップS7では、基準位置19aに対する位置出し基準部Bの方向(方角)と、鉛直指示機10Aの傾斜状態と、基準位置19aと位置出し基準部Bとの間隔と、から、基準位置19aと位置出し基準部Bとの位置関係を判断し、その位置関係から基準位置19aに対する位置出し基準部Bの位置ずれ量(オフセット量)すなわち基準位置19aの水平座標位置情報への補正値を算出する。その後、この補正値を用いて、基準位置19aの水平座標位置情報から、位置出し基準部Bすなわち鉛直位置標示記号21により指し示された位置の水平座標位置情報を生成する。その後、その水平座標位置情報に基づいて鉛直位置情報22を生成し、ステップS4で生成した鉛直位置標示記号21を含む画像データに、当該鉛直位置情報22を重ねて表示する画像データ(鉛直位置標示記号21および鉛直位置情報22が重ねられた光景画像Ps)を生成する。
【0066】
ステップS8では、ステップS7での鉛直位置情報22の生成に続き、ステップS7で生成した画像データに基づく光景画像Psを画像表示画面12に表示させて、ステップS9へ進む。これにより、画像表示画面12には、鉛直位置標示記号21および鉛直位置情報22が重ねられた光景画像Psが表示される。
【0067】
ステップS9では、ステップS8での画像表示画面12の表示に続き、終了操作が為されたか否かを判断し、Yesの場合はステップS10へ進み、Noの場合はステップS1へ戻る。このステップS9では、操作部13からの入力信号から、操作部13において鉛直位置情報表示の実行を終了する旨の操作が為されたか否かを判断する。
【0068】
ステップS10では、ステップS9での終了操作が為されたとの判断に続き、鉛直位置標示記号21および鉛直位置情報22の表示を終了して、鉛直位置情報表示制御処理を終了する。なお、このステップS10では、鉛直位置標示記号21および鉛直位置情報22の表示のみならず、画像表示画面12での光景画像Psの表示も併せて終了するものとしてもよい。
【0069】
この水平位置案内機10では、使用者が操作部13において鉛直位置情報表示を実行する旨の選択を行うと、図7のフローチャートにおいてステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6→ステップS7→ステップS8へと進むことにより、図5に示すように、画像表示画面12に、撮像部14で取得した光景の光景画像Psを表示するとともに、その光景画像Psにおける位置出し基準部Bの鉛直下方位置に鉛直位置標示記号21を表示し、かつその鉛直位置標示記号21の水平座標を示す鉛直位置情報22を表示する。また、水平位置案内機10では、この動作を繰り返すことにより(ステップS9→ステップS1)、画像表示画面12に、光景画像Psにおける位置出し基準部Bの鉛直下方位置に常に鉛直位置標示記号21を表示するとともに、その鉛直位置情報22を表示する。このことから、水平位置案内機10において、図7のフローチャートが、撮像部14、傾斜センサ15、通信部16、方位センサ17および測量装置50との協働により、光景画像Psにおける位置出し基準部Bの鉛直下方位置に鉛直位置標示記号21を重ねて画像表示画面12に表示するとともに、その鉛直位置標示記号21の水平座標を示す鉛直位置情報22を表示する鉛直位置情報表示手段となる。このため、本実施例では、視準目標部19および通信部16が、測量装置50との協働により、視準目標部19の基準位置19aのその時点での水平座標位置情報を取得可能な位置情報取得手段として機能し、視準目標部19の基準位置19aが取得基準部として機能する。また、記憶部18aには、少なくとも1つ以上の任意の地点(目標位置Pt)の水平座標位置情報が予め保存(登録)されていることから、当該記憶部18aが目標位置Ptの水平座標位置情報を取得可能な位置情報取得手段として機能する。
【0070】
本発明に係る水平位置案内機10では、水平位置案内機能と距離確認機能との実現が可能とされている。先ず、水平位置案内機能について説明する。この水平位置案内機能は、水平位置案内機10の使用者を、現在位置Pnから目標位置Pt(図4参照)へと誘導する機能である。水平位置案内機能は、本実施例では、案内標示機能と、案内標示メモ機能と、鉛直方向標示機能と、を有する。
【0071】
案内標示機能は、現在位置Pnから目標位置Ptへと向かう方向と、現在位置Pnから目標位置Ptまでの距離と、を示すものである。この案内標示機能は、本実施例では、図8から図11に示すように、撮像部14で取得した光景画像Psを画像表示画面12に表示させる際、水平角度標示部31と、方位表示記号32と、目標距離情報33と、サブ表示画面35(図8には記載されていない)と、を光景画像Psに重ねて画像表示画面12に表示させるものである。また、案内標示機能では、図8に二点鎖線で示すように、上記した各情報の他に、方向表示記号36を光景画像Psに重ねて画像表示画面12に表示させてもよい。この方向表示記号36は、水平位置案内機10の撮像部14が正対している方向すなわち撮像部14の撮影光軸OAが指し示す方向から、目標位置Ptへと向かう方向を指し示すものである。さらに、方向表示記号36は、水平位置案内機10の撮像部14が正対している方向すなわち撮像部14の撮影光軸OAが指し示す方向と、当該水平位置案内機10から目標位置Ptへと向かう方向と、の角度の大きさに応じて、その長さ寸法を変化させて表示させる態様としてもよい。この角度の大きさに応じてとは、角度が大きい場合には方向表示記号36の長さ寸法を大きくし、当該角度が減少するとその減少量に応じて方向表示記号36の長さ寸法を小さくすることを言う。なお、本実施例では、案内標示機能は、水平位置案内機10(その筐体11)の縦の起立状態(図2、図19および図21に示すように画像表示画面12の長辺が鉛直方向に沿いつつ撮影光軸OAが水平方向に沿う状態)で実行されている例について説明するが、他の状態(例えば、水平位置案内機10(その筐体11)が横に起立された状態(画像表示画面12の短辺が鉛直方向に沿いつつ撮影光軸OAが水平方向に沿う状態))であってもよく、本実施例に限定されるものではない。
【0072】
水平角度標示部31は、図8から図11に示すように、画像表示画面12の上方位置に、短辺に沿うように複数の角度を示す数字が所定の間隔を置くように表示されて構成されている。この水平角度標示部31は、撮像部14で取得した光景画像Psにおいて、目標位置Ptに対して、水平位置案内機10の撮像部14が正対している方向すなわち撮像部14の撮影光軸OAが指し示す方向、が為す水平面に沿う角度(水平角度)を示すものである。画像表示画面12では、その短辺方向の中心位置が撮影光軸OAの指し示す方向(撮像部14が正対している方向)となることから、水平角度標示部31では、画像表示画面12の短辺方向の中心位置に表示した数字で、目標位置Ptに対する水平角度を示している。すなわち、画像表示画面12では、水平角度標示部31における短辺方向の中心位置に位置された数値が、水平位置案内機10(撮像部14)が正対している方向が、目標位置Ptに対して為す水平角度を表している。このため、水平位置案内機10(撮像部14)が目標位置Ptに正対されると、水平角度標示部31では、短辺方向の中心位置に数値0が位置される(図9参照)。このとき、上述したように方向表示記号36(図8参照)も表示させる場合、当該方向表示記号36としての表示態様を変更する(例えば、矢印記号から方向を想起させない記号(一例として図9に二点鎖線で示す方向表示記号36´参照)に代えたり、記号自体の色を変化させたり、記号を点滅させたりする)構成とすることが望ましい。
【0073】
制御部18は、縦の起立状態(図2参照)において、撮像部14の撮影光軸OAが向けられた任意の方向を、撮影光軸OAの基準方向として設定する。この基準方向は、本実施例では、現在位置Pnにおいて当該現在位置Pnの水平情報座標位置情報を測量装置50から取得するものであるとともに測量装置50を用いて測量を行うものであることから、その現在位置Pnから見た測量装置50へ向かう方向に設定する。この測量装置50は、既知点に設置されることから、その測量装置50での測量により計測された現在位置Pnとの間での水平座標で見た基準方向が決定される。制御部18(演算部18b)では、測量装置50から取得した現在位置Pnと、予め登録された目標位置Ptの位置情報と、測量装置50の位置情報と、に基づいて、現在位置Pnで見た基準方向に対して目標位置Ptへと向かう方向が為す水平目標角度θ(図4参照)を算出する。その測量装置50の既知点の位置情報は、予め記憶部18aに保存(登録)されており、その保存(登録)は、操作部13に為された操作によるものであってもよく、測量装置50から取得するものであってもよく、他の機器から取得するものであってもよい。また、制御部18(演算部18b)では、目標位置Ptの位置情報と、現在位置Pnの位置情報と、に基づいて、現在位置Pnから目標位置Ptまでの目標距離D(図4参照)を算出する。このように、制御部18(演算部18b)は、現在位置Pn(測量装置50からの基準位置19a)の水平座標情報と、目標位置Pt(任意の地点)の水平座標情報と、に基づいて、現在位置Pnから目標位置Ptへの案内情報を生成する。
【0074】
制御部18は、傾斜センサ15からの検出信号が入力されることにより、縦の起立状態の水平位置案内機10(筐体11)において、任意の位置を基準方向として、当該基準方向に対する鉛直方向(重力方向)回りの回転角度(水平角度(図2の矢印A3参照))を検出することができる。これにより、制御部18では、現在位置Pnで撮影光軸OAが基準方向に向けられている状態(図19の二点鎖線で示す水平位置案内機10参照)において、水平角度標示部31における短辺方向の中心位置に位置する数値を算出した水平目標角度θとし、傾斜センサ15で検知した基準方向に対する水平角度に応じて短辺方向の中心位置に位置する数値を変化させるように水平角度標示部31の表示(数値)をスライド移動させる。すなわち、現在位置Pnを中心とする鉛直方向回りの回転方向で見て、測量装置50(基準方向)から目標位置Ptへと向かう方向を水平角度における正側として、水平目標角度θから水平角度を減算した値が短辺方向の中心位置に位置する数値となるように、水平角度標示部31の表示をスライド移動させる。このため、現在位置Pnで撮影光軸OAが目標位置Ptに向けられると、水平角度標示部31では、短辺方向の中心位置に位置する数値が0となる(図9参照)。このとき、後述する鉛直標示線34は、数値0の真下において延在されることとなる。
【0075】
また、制御部18は、水平位置案内機10(撮像部14)が撮影光軸OA回りに回転されると、後述する鉛直標示線34の上端位置に数値0を位置させるように、水平角度標示部31の表示(数値)をスライド移動させる(図10参照)。このスライド移動量は、傾斜センサ15からの信号に基づいて生成する。このため、画像表示画面12では、水平位置案内機10(撮像部14)が正対している方向を基準とし、表示される光景画像Psの回転に合わせて、水平角度標示部31における数値0の表示位置が変化される(図10参照)。
【0076】
方位表示記号32は、図8から図11に示すように、画像表示画面12の下方位置において、2つの同心円とその中心から延びる矢印とにより構成されている。この方位表示記号32は、図12から図14に示すように、内側円32aと外側円32bと方角表示32cと基準方向表示32dと目標方向表示32eとを有する。
【0077】
内側円32aおよび外側円32bは、現在位置Pnを中心位置とするとともに、撮像部14の正対方向、すなわち撮影光軸OAが向けられた方向を上側として示している。この内側円32aと外側円32bとは、案内標示メモ機能の実行の有無により、表示形態が変化するものとされている。すなわち、案内標示メモ機能では、後述するように、任意の時点において画像表示画面12に表示された情報(目標位置標示情報)を記憶部18aに再生可能に格納することが可能とされている。このため、目標位置標示情報が記憶部18aに格納されていない場合、方位表示記号32では、内側円32aと外側円32bとが一体的なものとされて、現在位置Pnを中心位置として撮像部14の正対方向(撮影光軸OAが向けられた方向)を上側として示す(図12および図13参照)。以下では、これを方位表示記号32における第1表示形態ともいう。また、目標位置標示情報が記憶部18aに格納されている場合、方位表示記号32では、図14に示すように、内側円32a(その内方)が格納された目標位置標示情報(格納された方角表示32c、基準方向表示32dおよび目標方向表示32e)を示すものとなり、外側円32b(その内方であって内側円32aの外方)が実際の情報(方角表示32c、基準方向表示32dおよび目標方向表示32e)を示すものとなる。以下では、これを方位表示記号32における第2表示形態ともいう。
【0078】
方角表示32cは、撮像部14の正対方向である上側を基準として、現在位置Pnにおける方角を中心位置で交差する+記号で示すものである。制御部18では、方位センサ17からの検出信号が入力されることにより、撮影光軸OAが指し示す方向の方位を検出することができる。制御部18は、その撮影光軸OAが指し示す方向の方位に基づいて、方角表示32cのための方位表示情報を生成する。
【0079】
基準方向表示32dは、撮像部14の正対方向である上側を基準として、現在位置Pnからの基準方向すなわち現在位置Pnから測量装置50へと向かう方向を矢印記号で示すものである。制御部18では、基準方向が設定された時点を基準として、傾斜センサ15からの検出信号に基づいて基準方向に対する鉛直方向(重力方向)回りの回転角度(水平角度(図2の矢印A3参照))を検出し、その水平角度情報に基づいて基準方向表示32dのための基準方向表示情報を生成する。
【0080】
目標方向表示32eは、撮像部14の正対方向である上側を基準として、現在位置Pnから目標位置Ptへと向かう方向を矢印記号で示すものである。制御部18では、基準方向が設定された時点を基準として、傾斜センサ15からの検出信号に基づいて基準方向に対する鉛直方向(重力方向)回りの回転角度(水平角度)を検出し、その水平角度情報に基づいて目標方向表示32eのための目標方向表示情報を生成する。
【0081】
目標距離情報33は、現在位置Pnから目標位置Ptまでの距離(目標距離D(図4参照))を示すものであり、本実施例では、歩数と距離とを表示する。これは、測量現場では、歩数により概略の距離を把握することが慣例的であることから、このような歩数での表示が使い勝手が良いことによる。なお、この歩数の表示のための歩幅は、操作部13での操作により適宜設定可能とされている。また、本実施例では、現在位置Pnから目標位置Ptまでの歩数(距離)を示す歩数の表示に加えて、目標位置Ptまでの残りの歩数を表示する。この残りの歩数は、算出した現在位置Pnから目標位置Ptまでの歩数から、案内標示機能を実行した時点からの使用者の歩数を、減算することにより求めることができる。その使用者の歩数は、水平位置案内機10に、加速度センサで構成された傾斜センサ15が搭載されていることから、この傾斜センサ15からの信号に基づいて歩数計としての機能を具備することができるので、当該傾斜センサ15からの信号に基づいて算出する。
【0082】
サブ表示画面35は、画像表示画面12において、光景画像Psに重ねて他の画像を表示させるための小さな表示部であり、操作部13への操作により、表示すること(図9から図11参照)と表示しないこと(図8参照)とが選択可能とされている。このサブ表示画面35は、本実施例では、図9から図11に示すように、画像表示画面12の右側位置であって水平角度標示部31とは重複しない位置で光景画像Psに重ねて表示するものとされている。なお、サブ表示画面35の画像表示画面12における表示位置は、他の位置であってもよく任意の位置に設定可能としてもよい。本実施例では、サブ表示画面35は、後述する案内標示メモ機能により保存された情報を表示するものとされている(図9から図11参照)。
【0083】
案内標示メモ機能は、任意の時点において画像表示画面12に表示された情報、すなわち撮像部14で取得した光景画像Psと、その光景画像Psにおける案内標示情報(水平角度標示部31、方位表示記号32および目標距離情報33)と、当該光景画像Psにおける後述する鉛直方向標示情報(鉛直標示線34)と、を再生可能に保存するものである。この案内標示メモ機能では、操作部13において案内標示メモを実行する旨の操作が為されることにより、当該操作が為された時点において画像表示画面12に表示された情報を保存するとともに、操作部13において案内標示メモの再生を実行する旨の操作が為されることにより、保存した表示情報を画像表示画面12に表示させることができる。この案内標示メモの再生では、画像表示画面12全体にさせることと、サブ表示画面35に表示させることと、の双方が実行可能とされている。
【0084】
制御部18は、操作部13において、案内標示メモを実行する旨の操作(格納操作)と、案内標示メモの再生を実行する旨の操作(再生操作)と、が為されたことを判断する。この制御部18は、格納操作が為されると、画像表示画面12で表示させている光景画像Psと、その光景画像Psにおける案内標示情報(水平角度標示部31、方位表示記号32および目標距離情報33)と、当該光景画像Psにおける後述する鉛直方向標示情報(鉛直標示線34)と、(以下では、これらを纏めて目標位置標示情報(画像データ)とも言う)を記憶部18aに格納する。また、制御部18は、再生操作が為されると、記憶部18aに格納した目標位置標示情報を画像表示画面12に表示(再生)させる。なお、本実施例では、再生操作において、画像表示画面12全体に表示させる旨の操作が為されると、記憶部18aに格納した目標位置標示情報を画像表示画面12に表示(再生)させる。また、再生操作において、サブ表示画面35に表示させる旨の操作が為されると、画像表示画面12において、撮像部14で取得している光景画像Ps上に、記憶部18aに格納した目標位置標示情報を表示(再生)するサブ表示画面35を重ねて表示する。
【0085】
鉛直方向標示機能は、撮像部14で取得した光景画像Psを画像表示画面12に表示させる際、その光景画像Psにおいて、水平位置案内機10の撮像部14の撮影光軸OAが指し示す方向(撮影光軸OA上に位置する箇所)を基点として鉛直方向を標示する記号を重ねて画像表示画面12に表示させるものである。本実施例では、鉛直方向を標示する記号として、棒状の鉛直標示線34を画像表示画面12に表示させる。この鉛直標示線34は、光景画像Psにおける鉛直方向に沿って延在するように表示され、画像表示画面12内において光景画像Psが傾くと当該画像表示画面12の中心位置を中心に回転して表示される(図10参照)。制御部18は、傾斜センサ15からの検出信号に基づいて水平位置案内機10(筐体11)すなわち撮像部14の基準状態からの傾斜状態を検出することにより、水平位置案内機10(筐体11)すなわち撮像部14の撮影光軸OA回りの回転姿勢を判断して、鉛直標示線34のための鉛直方向標示情報を生成する。
【0086】
図15は、本実施例における制御部18にて実行される水平位置案内制御処理内容を示すフローチャートである。以下、図15のフローチャートの各ステップについて説明する。この水平位置案内機能は、測量装置50による水平位置案内機10(筐体11)の現在位置の測定が実行された後に、操作部13において水平位置案内を実行する旨の操作が為されることにより開始される。
【0087】
ステップS21では、測量装置50から現在の水平座標位置情報を取得して、ステップS22へ進む。このステップS21では、通信部16を介して、測量装置50から、現在の水平位置案内機10(筐体11)が位置された水平座標情報を取得する。
【0088】
ステップS22では、ステップS21での水平座標位置情報の取得に続き、案内標示情報を生成して、ステップS23へ進む。このステップS22では、先ず、現在の水平位置案内機10(筐体11)が位置された水平座標情報と、測量装置50が設置された基準位置の水平座標情報と、に基づいて現在位置Pnを設定するとともに、その現在位置Pnから測量装置50へと向かう方向を基準方向に設定する。その後、演算部18bにおいて、現在位置Pn(測量装置50からの基準位置19a)の水平座標情報と、目標位置Pt(任意の地点)の水平座標情報と、に基づいて、現在位置Pnから目標位置Ptへの案内情報を生成する。詳細には、設定した現在位置Pnを基準として、目標位置Ptへと向かう方向(水平目標角度θ(図4参照))と、目標位置Ptまでの距離(目標距離D(図4参照))と、を算出する。すなわち、水平角度標示部31と、方位表示記号32の基準方向表示32dおよび目標方向表示32eとの表示のための角度標示情報と、目標距離情報33の表示のための距離情報と、を生成する。
【0089】
ステップS23では、ステップS22での案内標示情報の生成に続き、撮像部14での画像の取得を開始させて、ステップS24へ進む。
【0090】
ステップS24では、ステップS23での撮像部14での画像の取得の開始に続き、傾斜センサ15から水平角度情報を取得して、ステップS25へ進む。このステップS24では、傾斜センサ15からの出力信号に基づいて、撮影光軸OAの基準方向に対する鉛直方向(重力方向)回りの回転角度(水平角度)と、撮像部14の撮影光軸OA回りの回転姿勢(回転角度)と、を判断して、鉛直標示線34のための鉛直標示情報と、を生成する。
【0091】
ステップS25では、ステップS24での傾斜センサ15からの水平角度情報の取得に続き、方位センサ17から方位情報を取得して、ステップS26へ進む。このステップS25では、方位センサ17からの出力信号に基づいて、撮影光軸OAが指し示す方向の方位を判断して、方位表示記号32の方角表示32c、基準方向表示32dおよび目標方向表示32eのための方位表示情報を生成するとともに、ステップS24での水平角度情報を勘案して水平角度標示部31のための水平角度表示情報を生成する。
【0092】
ステップS26では、ステップS25での方位センサ17からの方位情報の取得に続き、記憶部18aに目標位置標示情報が格納されているか否かを判断し、Yesの場合はステップS31へ進み、Noの場合はステップS27へ進む。すなわち、ステップS26では、記憶部18aに目標位置標示情報が格納されていない場合にステップS27へ進み、記憶部18aに目標位置標示情報が格納されている場合にステップS31へ進む。
【0093】
ステップS27では、ステップS26での記憶部18aに目標位置標示情報が格納されていないとの判断に続き、画像データを生成して、ステップS28へ進む。このステップS27では、撮像部14からの出力信号から取得した光景の画像データ(光景画像Ps)を生成するとともに、ステップS22で生成した角度標示情報および距離情報と、ステップS24で生成した水平角度表示情報および鉛直標示情報と、ステップS25で生成した方位表示情報と、に基づく水平角度標示部31、方位表示記号32、目標距離情報33および鉛直標示線34(上述したように方向表示記号36(図8参照)も表示させる場合は当該方向表示記号36も)を重ねて表示する画像データ(水平角度標示部31、方位表示記号32、目標距離情報33および鉛直標示線34が重ねられた光景画像Ps)を生成する。なお、ステップS27では、ステップS26において記憶部18aに目標位置標示情報が格納されていないとの判断されていることから、第1表示形態の方位表示記号32(図12および図13参照)を生成する。
【0094】
ステップS28では、ステップS27での画像データの生成に続き、その画像データに基づく光景画像Psを画像表示画面12に表示させて、ステップS29へ進む。
【0095】
ステップS29では、ステップS28での光景画像Psの画像表示画面12での表示に続き、案内標示メモを実行する旨の操作が為されたか否かを判断し、Yesの場合はステップS30へ進み、Noの場合はステップS33へ進む。このステップS29では、操作部13において、案内標示メモを実行する旨の操作として、画像表示画面12に表示されている情報(目標位置標示情報)を保存する旨の操作が為されたか否かを判断する。
【0096】
ステップS30では、ステップS29での案内標示メモを実行する旨の操作が為されたとの判断に続き、操作が為された時点で画像表示画面12に表示された情報(目標位置標示情報)を保存して、ステップS33へ進む。
【0097】
ステップS31では、ステップS26での記憶部18aに目標位置標示情報が格納されているとの判断に続き、画像データを生成して、ステップS32へ進む。このステップS31では、撮像部14からの出力信号から取得した光景の画像データ(光景画像Ps)を生成するとともに、ステップS22で生成した角度標示情報および距離情報と、ステップS24で生成した水平角度表示情報および鉛直標示情報と、ステップS25で生成した方位表示情報と、記憶部18aに格納された目標位置標示情報と、に基づく水平角度標示部31、方位表示記号32、目標距離情報33および鉛直標示線34(上述したように方向表示記号36(図8参照)も表示させる場合は当該方向表示記号36も)を重ねて表示する画像データ(水平角度標示部31、方位表示記号32、目標距離情報33および鉛直標示線34(場合によっては方向表示記号36も)が重ねられた光景画像Ps)を生成する。なお、ステップS31では、ステップS26において記憶部18aに目標位置標示情報が格納されているとの判断されていることから、第2表示形態の方位表示記号32(図14参照)を生成する。
【0098】
ステップS32では、ステップS31での画像データの生成に続き、その画像データに基づく光景画像Psを画像表示画面12に表示させて、ステップS33へ進む。
【0099】
ステップS33では、ステップS29での案内標示メモを実行する旨の操作が為されていないとの判断、あるいは、ステップS30での(目標位置標示情報)の保存、あるいは、ステップS32での光景画像Psの画像表示画面12での表示に続き、案内標示メモの再生を実行する旨の操作(再生操作)が為されたか否かを判断し、Yesの場合はステップS34へ進み、Noの場合はステップS36へ進む。このステップS33では、操作部13において、案内標示メモの再生を実行する旨の操作として、案内標示メモとして記憶部18aに格納された目標位置標示情報を画像表示画面12に表示する旨の操作が為されたか否かを判断する。なお、ステップS33では、記憶部18aに目標位置標示情報が格納されていない場合、当該操作が為されないものと判断して、ステップS36へ進む。
【0100】
ステップS34では、ステップS33での案内標示メモの再生を実行する旨の操作が為されたとの判断に続き、記憶部18aに格納された目標位置標示情報を画像表示画面12に表示させて、ステップS35へ進む。なお、本実施例では、ステップS33の再生操作において、画像表示画面12全体に表示させる旨の操作が為されると、記憶部18aに格納した目標位置標示情報を画像表示画面12に表示(再生)させて、ステップS35に進むこととなる。これに対し、再生操作において、サブ表示画面35に表示させる旨の操作が為されると、画像表示画面12において、撮像部14で取得している光景画像Ps上に、記憶部18aに格納した目標位置標示情報を表示(再生)するサブ表示画面35を重ねて表示させて、ステップS36へと進む。このため、後者の場合であって後述するようにステップS36からステップS23へと戻った以降も、画像表示画面12にサブ表示画面35も重ねて表示されることとなる。
【0101】
ステップS35では、ステップS34での記憶部18aに格納された目標位置標示情報の表示に続き、その目標位置標示情報の表示を終了する旨の操作が為されたか否かを判断し、Yesの場合はステップS36へ進み、Noの場合は当該ステップS35を繰り返す。このステップS35では、操作部13において、案内標示メモとして記憶部18aに格納された目標位置標示情報の画像表示画面12での表示を終了する旨の操作が為されたか否かを判断する。
【0102】
ステップS36では、ステップS33での案内標示メモの再生を実行する旨の操作が為されなかったとの判断、あるいは、ステップS35での目標位置標示情報の表示を終了する旨の操作が為されたとの判断(再生操作において、サブ表示画面35に表示させる旨の操作が為されたとの判断も含む)に続き、終了操作が為されたか否かを判断し、Yesの場合はステップS37へ進み、Noの場合はステップS23へ戻る。このステップS36では、操作部13からの入力信号から、操作部13において水平位置案内の実行を終了する旨の操作が為されたか否かを判断する。
【0103】
ステップS37では、ステップS36での終了操作が為されたとの判断に続き、水平角度標示部31、方位表示記号32、目標距離情報33および鉛直標示線34(場合によっては方向表示記号36も)の表示を終了して、水平位置案内制御処理を終了する。なお、このステップS37では、水平角度標示部31、方位表示記号32、目標距離情報33および鉛直標示線34(場合によっては方向表示記号36も)の表示のみならず、画像表示画面12での光景画像Psの表示も併せて終了するものとしてもよい。
【0104】
この水平位置案内機10では、使用者が、操作部13により水平位置案内を実行する旨の選択を行うと、図15のフローチャートにおいてステップS21→ステップS22→ステップS23→ステップS24→ステップS25→ステップS26→ステップS27→ステップS28へと進むことにより、図8から図11に示すように、画像表示画面12に、撮像部14で取得した光景の光景画像Psを表示するとともに、その光景画像Psにおける水平角度標示部31、第1表示形態の方位表示記号32(図12および図13参照)、目標距離情報33および鉛直標示線34(上述したように方向表示記号36(図8参照)も表示させる場合は当該方向表示記号36も)を表示する。この画像表示画面12での表示は、案内標示メモを実行する旨の操作が為されることなく水平位置案内が実行されていると、この動作を繰り返すことにより(ステップS29→ステップS33→ステップS36→ステップS23)、画像表示画面12に、光景画像Psにおける水平角度標示部31、第1表示形態の方位表示記号32、目標距離情報33および鉛直標示線34(場合によっては方向表示記号36も)を常に表示する。
【0105】
また、画像表示画面12に、撮像部14で取得した光景の光景画像Psに重ねて水平角度標示部31、第1表示形態の方位表示記号32、目標距離情報33および鉛直標示線34(場合によっては方向表示記号36も)が表示されている際、使用者が、操作部13により案内標示メモを実行する旨の操作を行うと、ステップS29→ステップS30へと進むことにより、操作が為された時点で画像表示画面12に表示された情報(目標位置標示情報)を再生可能に保存することができる。この後、保存した目標位置標示情報を再生する旨の操作が為されることなく水平位置案内が実行されていると、ステップS30→ステップS33→ステップS36→ステップS23→ステップS24→ステップS25→ステップS26→ステップS31→ステップS32へと進むことにより、画像表示画面12に、光景画像Psにおける水平角度標示部31、第2表示形態の方位表示記号32(図14参照)、目標距離情報33および鉛直標示線34(場合によっては方向表示記号36も)を常に表示する。
【0106】
さらに、使用者が、操作部13により案内標示メモの再生を実行する旨の操作であって画像表示画面12全体に表示させる旨の操作が為されると、ステップS33→ステップS34へと進むことにより、図9に示すように、画像表示画面12に、保存した目標位置標示情報、すなわち案内標示メモを実行した時点での光景画像Psにおける水平角度標示部31、第1表示形態の方位表示記号32、目標距離情報33および鉛直標示線34(場合によっては方向表示記号36も)を表示する。この表示は、当該目標位置標示情報の表示を終了する旨の操作が為されるまで継続され、当該目標位置標示情報の表示を終了する旨の操作が為されると、ステップS35→ステップS36→ステップS23→ステップS24→ステップS25→ステップS26→ステップS31→ステップS32へと進むことにより、画像表示画面12に、光景画像Psにおける水平角度標示部31、第2表示形態の方位表示記号32(図14参照)、目標距離情報33および鉛直標示線34(場合によっては方向表示記号36も)を常に表示する。
【0107】
ついで、使用者が、操作部13により案内標示メモの再生を実行する旨の操作であってサブ表示画面35に表示させる旨の操作が為されると、ステップS33→ステップS34へと進むことにより、図9から図11に示すように、画像表示画面12に、保存した目標位置標示情報、すなわち案内標示メモを実行した時点での光景画像Psにおける水平角度標示部31、第1表示形態の方位表示記号32、目標距離情報33および鉛直標示線34(場合によっては方向表示記号36も)を、サブ表示画面35において表示する。その後、ステップS36→ステップS23→ステップS24→ステップS25→ステップS26→ステップS31→ステップS32へと進むことにより、画像表示画面12に、光景画像Psにおける水平角度標示部31、第2表示形態の方位表示記号32(図14参照)、目標距離情報33、鉛直標示線34およびサブ表示画面35(場合によっては方向表示記号36も)を常に表示する。
【0108】
このことから、水平位置案内機10において、図15のフローチャートが、撮像部14、傾斜センサ15、通信部16、方位センサ17および測量装置50との協働により、光景画像Psにおける水平角度標示部31、方位表示記号32、目標距離情報33、鉛直標示線34およびサブ表示画面35(場合によっては方向表示記号36も)を重ねて画像表示画面12に表示し、その目標位置標示情報を案内標示メモとして再生可能に保存する水平位置案内手段となる。
【0109】
次に、距離確認機能について説明する。この距離確認機能は、水平位置案内機10の使用者が、現在いる位置(地点)の確認のために、基準となる物体(目標基準物)を用いた距離の把握を可能とするものである。距離確認機能は、本実施例では、任意距離確認機能と、距離計測機能と、を有し、基準となる物体として測量装置50が設定されている。
【0110】
任意距離確認機能は、撮像部14で取得した光景の光景画像Psにおいて、任意の距離での測量装置50の高さ寸法を表示するものである。この任意距離確認機能では、図16に示すように、撮像部14で取得した光景の光景画像Psに重ねて基準高さ記号41が画像表示画面12に表示される。この基準高さ記号41は、目標地点までの距離として設定された任意距離(設定地点)における基準となる物体(測量装置50)の、光景画像Psでの高さ寸法を示すものである。換言すると、基準高さ記号41は、基準となる物体(測量装置50)が設定された任意距離にあるものとすると、光景画像Psとして取得された場合に映し出される大きさ寸法を示すものである。本実施例では、任意距離確認機能を実行すると、基準高さ記号41に加えて、その下端を示す下端基準線41aおよび上端を示す上端基準線41bと、設定された任意距離を示す任意距離情報42と、が併せて表示される。この下端基準線41aおよび上端基準線41bは、図示は略すが、いずれか一方が上下に移動されると、鉛直方向で見たその一方と他方との間隔を維持するように当該他方が併せて上下に移動するものとされている。このため、鉛直方向で見た下端基準線41aと上端基準線41bとの間隔、すなわち基準高さ記号41の大きさ寸法を維持したまま、画像表示画面12すなわちそこに表示された光景画像Ps上での位置を調節することが可能とされている。その下端基準線41aまたは上端基準線41bの移動は、操作部13への操作に基づき行われる。
【0111】
制御部18では、操作部13において基準となる物体の設定操作が為されると、その基準となる物体(その高さ寸法)の情報を記憶部18aに格納する。本実施例では、基準となる物体として測量装置50が設定されていることから、測量装置50(その高さ寸法)の情報が記憶部18aに格納されている。なお、この基準となる物体は、予め設定されているものであってもよく、任意距離確認機能の実行により設定するものであってもよいが、本実施例では、予め設定されているものとする。また、制御部18では、操作部13において任意距離の設定操作が為されると、その任意距離の情報を記憶部18aに格納する。この制御部18は、設定された任意距離と、基準となる物体として設定された測量装置50の高さ寸法と、撮像部14での画角と、から、任意距離にある測量装置50を光景画像Psとして画像表示画面12に表示させるための高さ方向の大きさ寸法を示す表示高さ寸法を算出する。制御部18は、算出した表示高さ寸法に基づいて、表示させる基準高さ記号41を生成する。この基準高さ記号41は、本実施例では、撮像部14での測量装置50(基準となる物体)の取得を容易なものとする観点と、画像表示画面12での見易さの観点と、から画像表示画面12において高さ方向で見た中央位置に表示するものとされている。なお、上述したように、操作部13への操作により、下端基準線41aまたは上端基準線41bを移動させて、基準となる物体の上端位置または下端位置に一致させることもできる。
【0112】
距離計測機能は、撮像部14で取得した光景の光景画像Psにおける測量装置50の高さ寸法から、光景を取得した地点から測量装置50までの距離を算出するものである。この距離計測機能では、図17に示すように、撮像部14で取得した光景の光景画像Psに重ねて、計測位置標示記号43と計測距離情報44とが画像表示画面12に表示される。計測位置標示記号43は、光景画像Ps(画像表示画面12)において計測対象とした高さ寸法を示すものであり、本実施例では、計測した下端位置を示す下端計測線43aと、計測した上端位置を示す上端計測線43bとを有する。計測距離情報44は、光景画像Ps(画像表示画面12)における計測位置標示記号43で示された高さ寸法に基づいて、画角を考慮して算出された値である計測距離を数値で示すものである。
【0113】
制御部18では、その測量装置50(基準となる物体)を光景画像Psとして撮像部14で取得すると、その光景画像Ps(その画像データ)を解析することにより、測量装置50(基準となる物体)を認識することが可能とされている。すなわち、記憶部18aには、制御部18での光景画像Psの解析による測量装置50(基準となる物体)の認識のためのプログラムが格納されている。制御部18は、光景画像Psの解析により測量装置50(基準となる物体)を認識すると、当該光景画像Psにおける測量装置50(基準となる物体)の高さ寸法と、撮像部14での画角と、設定された測量装置50(基準となる物体)の高さ寸法と、に基づいて、光景を取得した地点から測量装置50までの距離を算出する。制御部18は、光景画像Psの解析結果に基づいて、表示させる計測位置標示記号43を生成するとともに、算出した距離に基づいて、表示させる計測距離情報44とを生成する。
【0114】
図18は、本実施例における制御部18にて実行される距離確認制御処理内容を示すフローチャートである。以下、図18のフローチャートの各ステップについて説明する。この距離確認機能は、操作部13において距離確認を実行する旨の操作が為されることにより開始される。
【0115】
ステップS41では、撮像部14での画像の取得を開始させて、ステップS42へ進む。
【0116】
ステップS42では、ステップS41での撮像部14での画像の取得に続き、任意距離の設定操作に基づいて任意距離を設定して、ステップS43へ進む。このステップS42では、操作部13において為された任意距離の設定操作により入力された数値を、任意距離として設定するとともにその情報を記憶部18aに格納する。
【0117】
ステップS43では、ステップS42での任意距離の設定に続き、基準高さ記号41を生成して、ステップS44へ進む。このステップS43では、ステップS42で設定した任意距離と、基準となる物体として設定された測量装置50の高さ寸法と、撮像部14での画角と、から、任意距離にある測量装置50を光景画像Psとして画像表示画面12に表示させるための高さ方向の大きさ寸法を示す表示高さ寸法を算出し、その表示高さ寸法に基づいて、表示させる基準高さ記号41を生成する。なお、本実施例では、ステップS42で設定した任意距離に基づいて任意距離情報42も併せて生成する。
【0118】
ステップS44では、ステップS43での基準高さ記号41の生成に続き、その基準高さ記号41を含む画像データを生成して、ステップS45へ進む。このステップS44では、撮像部14からの出力信号から取得した光景の画像データ(光景画像Ps)を生成するとともに、その画像データにおけるステップS43で生成した基準高さ記号41(本実施例では下端基準線41a、上端基準線41bおよび任意距離情報42も)を重ねて表示する画像データ(基準高さ記号41(本実施例では任意距離情報42も)が重ねられた光景画像Ps)を生成する。
【0119】
ステップS45では、ステップS44での画像データの生成に続き、距離計測機能を実行するか否かを判断し、Yesの場合はステップS46へ進み、Noの場合は距離確認制御処理を終了する。このステップS45では、操作部13からの入力信号から、操作部13において距離計測機能の実行する旨の操作が為されたか否かを判断する。
【0120】
ステップS46では、ステップS45での距離計測機能を実行するとの判断に続き、光景画像Psにおける測量装置50(基準となる物体)を認識して、ステップS47へ進む。このステップS46では、光景画像Psを解析することにより、基準となる物体として設定された測量装置50を認識する。なお、ステップS46では、基準となる物体として設定された測量装置50の画像を、改めて撮像部14で取得させるものとしてもよい。
【0121】
ステップS47では、ステップS46での光景画像Psにおける測量装置50の認識に続き、計測位置標示記号43と計測距離情報44とを生成して、ステップS48へ進む。このステップS47では、光景画像Psの解析結果に基づいて、表示させる計測位置標示記号43を生成し、光景画像Psにおける測量装置50の高さ寸法と、撮像部14での画角と、測量装置50の高さ寸法と、に基づいて、光景を取得した地点から測量装置50までの距離を算出し、その距離に基づいて計測距離情報44を生成する。
【0122】
ステップS48では、ステップS47での計測位置標示記号43と計測距離情報44との生成に続き、その計測位置標示記号43および計測距離情報44を含む画像データに基づく光景画像Psを画像表示画面12に表示させて、距離確認制御処理を終了する。これにより、画像表示画面12には、基準高さ記号41(下端基準線41aおよび上端基準線41b)、計測位置標示記号43および計測距離情報44が重ねられた光景画像Psが表示される。
【0123】
この水平位置案内機10では、使用者が、操作部13により距離確認を実行する旨の選択を行うと、図18のフローチャートにおいてステップS41→ステップS42へと進むことにより、任意の距離を操作部13で設定することができ、ステップS43→ステップS44へと進むことにより、図16に示すように、画像表示画面12に、撮像部14で取得した光景の光景画像Psを表示するとともに、その光景画像Psにおける基準高さ記号41および任意距離情報42を表示する。このため、使用者は、設定された基準となる物体(この例では測量装置50)を光景画像Psとして画像表示画面12に表示させることにより、光景画像Psにおいて測量装置50と基準高さ記号41とを比較することで、現在の地点から測量装置50までの距離が設定した任意距離であるか否かを確認することができる。このことから、水平位置案内機10において、図18のフローチャートにおけるステップS41からステップS44までが、撮像部14との協働により、光景画像Psにおける基準高さ記号41(この例では任意距離情報42も)を重ねて画像表示画面12に表示する任意距離確認手段となる。
【0124】
また、水平位置案内機10では、使用者が、任意距離確認機能を実行した後に、操作部13により距離計測を実行する旨の選択を行うと、図18のフローチャートにおいてステップS45→ステップS46→ステップS47→ステップS48へと進むことにより、図17に示すように、画像表示画面12に、撮像部14で取得した光景の光景画像Psを表示するとともに、その光景画像Psにおける計測位置標示記号43および計測距離情報44を表示する。このため、使用者は、現在の地点から測量装置50までの距離を数値として認識することができるとともに、当該距離を光景画像Psにおける測量装置50と基準高さ記号41との大きさ関係から直感的に認識することができる。このことから、水平位置案内機10において、図18のフローチャートにおけるステップS46からステップS48までが、撮像部14との協働により、光景画像Psにおける計測位置標示記号43および計測距離情報44を重ねて画像表示画面12に表示する距離計測手段となる。
【0125】
なお、図18のフローチャートの距離確認制御処理では、ステップS46において、光景画像Psを解析することにより、基準となる物体(上記した例では測量装置50)の高さ寸法を認識する構成とされていたが、操作部13からの入力により設定する構成(詳細な一例を以下で述べる)であってもよく、上記した実施例に限定されるものではない。操作部13からの入力により設定する構成としての一例を以下で説明する。前提として、計測位置標示記号43における下端計測線43aおよび上端計測線43bを、操作部13への操作により上下に移動可能な構成とする。先ず、測量装置50(基準となる物体)を光景画像Psとして撮像部14で取得し、その光景画像Ps(その画像データ)を画像表示画面12に表示する。その後、画像表示画面12において、光景画像Ps上に、計測位置標示記号43と、それに合致するように下端計測線43aと上端計測線43bと、を重ねて表示させる。その後、操作部13により、下端計測線43aを上下に移動させることにより、光景画像Ps上の測量装置50(基準となる物体)の下端位置に一致させるとともに、上端計測線43bを上下に移動させることにより、光景画像Ps上の測量装置50(基準となる物体)の上端位置に一致させる(図17参照)。すると、制御部18では、光景画像Psにおける設定された下端計測線43aと上端計測線43bとの間隔すなわち計測位置標示記号43の高さ寸法と、撮像部14での画角と、測量装置50の高さ寸法と、に基づいて、光景を取得した地点から測量装置50までの距離を算出し、その距離に基づいて計測距離情報44を生成する。これにより、基準となる物体(この例では測量装置50)の高さ寸法を認識することができるとともに、その高さ寸法を標示することができる(図17参照)。
【0126】
この水平位置案内機10では、水平位置案内機能および距離確認機能を例えば、次のように利用することができる。使用者が測量装置50により計測された任意の地点(現在位置Pnとする)において、水平位置案内機能を実行すると、画像表示画面12には、撮像部14で取得した光景の光景画像Psに重ねて水平角度標示部31、第1表示形態の方位表示記号32、目標距離情報33および鉛直標示線34が表示される(図8等参照)。なお、上述したように方向表示記号36(図8参照)も表示させる場合は、当該方向表示記号36も合わせて表示される。ここで、図19に示すように、現在位置Pnから見ると、測量装置50へと向かう方向(基準方向)と、目標位置Ptへと向かう方向と、が為す水平角度が80度であるとする。
【0127】
この水平位置案内機10を、二点鎖線で示すように測量装置50に正対させると、画像表示画面12には、図8に示すように、測量装置50が中心に写った光景画像Psに、水平角度標示部31が示す水平角度が80度(短辺方向の中心位置に位置する数値が80)と表示され、その右側に70、60・・との数字が表示される。また、その画像表示画面12において、第1表示形態の方位表示記号32では、内側円32aおよび外側円32bの上側を基準方向表示32dが指し示すとともに、そこから80度の傾斜を為す方向を目標方向表示32eが指し示す(図12参照)。このことから、使用者は、向かって右側に80度回転した方向に目標位置Ptがあることを容易に認識することができる。
【0128】
そこで、水平角度標示部31が示す水平角度(短辺方向の中心位置に位置する数値)を確認しながら水平位置案内機10を右側へ回転させていくと、当該数値が徐々に減っていき、やがて0度となる(図9参照)。このとき、水平位置案内機10は、図19に実線で示すように目標位置Ptに正対させる位置となっており、画像表示画面12には、現在位置Pnから目標位置Ptへと向かう方向の延長線上に位置する建物Sが写った光景画像Psに、0度の水平角度を示す水平角度標示部31が表示されている(図9参照)。また、その画像表示画面12において、第1表示形態の方位表示記号32では、内側円32aおよび外側円32bの上側を目標方向表示32eが指し示すとともに、そこから80度の傾斜を為す方向を基準方向表示32dが指し示す(図13参照)。なお、上述したように方向表示記号36(図8参照)も表示させる場合は、この方向表示記号36の表示形態の変移等により、目標位置Ptへと向かう方向となっていることの認識がさらに容易となる。これにより、使用者は、現在位置Pnから目標位置Ptへと向かう方向を把握することができるので、案内標示メモ機能により画像表示画面12に表示された情報(目標位置標示情報)(図9参照)を保存する。
【0129】
この後は、使用者は、測量装置50を利用することなく、水平位置案内機10における画像表示画面12の表示を見るだけで、目標位置Ptへの方向と距離とを把握することができる。ここで、図9に示すように、画像表示画面12に表示された光景画像Psにおいて、鉛直標示線34が重なっている箇所が、目標位置Ptへの適切な方向を示していることから、鉛直標示線34が重なる箇所のいずれかを目印として直進すればよいこととなる。例えば、建物Sに設置されたアンテナAを目印としたものとすると、使用者は、現在位置Pnで見た実際の光景(図20(a)参照)において、建物SのアンテナAへ向けて目標距離情報33の距離だけ直進すれば、目標位置Ptへと到達することができる。
【0130】
ここで、使用者は、適切な目印は把握していても、適切に直進することが困難である場合がある。このときは、保存した目標位置標示情報を画像表示画面12に表示(再生)させて、画像表示画面12(図9参照)と実際の光景(図20(a)参照)とを見比べながら移動することにより、適切に直進することを容易なものとすることができる。また、目標位置標示情報を保存した後においては、目標位置標示情報を画像表示画面12に表示させなくても、画像表示画面12に表示される光景画像Psには、第2表示形態の方位表示記号32(図14参照)が重ねられており、その方位表示記号32では内側円32a(その内方)が格納された目標位置標示情報(格納された方角表示32c、基準方向表示32dおよび目標方向表示32e)を示し、かつ外側円32b(その内方であって内側円32aの外方)が実際の情報(方角表示32c、基準方向表示32dおよび目標方向表示32e)を示していることから、使用者は、実際の光景画像Psを表示させていても、容易に適切に直進することができる。さらに、保存した目標位置標示情報を、サブ表示画面35として画像表示画面12に表示(再生)させる(図9から図11参照)ことにより、画像表示画面12において、実際の光景である光景画像Psとサブ表示画面35の目標位置標示情報とを同時に確認することができるので、当該画像表示画面12(図9参照)を見ながら移動することにより、適切に直進することをより容易なものとすることができる。
【0131】
さらに、使用者が目標位置Ptに近づくと(図19に一点鎖線で示す水平位置案内機10参照)、その近づいた地点での光景(図20(b)参照)が現在位置Pnで見た光景(図9参照)とは異なるものとなってしまい、目印である建物SのアンテナAの位置を確認することが困難となってしまう虞がある。この場合、保存した目標位置標示情報(図9参照)における鉛直標示線34が重なっている箇所を画像表示画面12(サブ表示画面35も含む)で確認することにより、実際の光景(図20(b)参照)において目印とする位置を容易に把握することができる。特に、保存した目標位置標示情報を画像表示画面12に表示させている場面において、当該その画像(目標位置標示情報)を拡大することにより(図11参照)、鉛直標示線34が重なっている箇所の特定をより容易なものとすることができる。このため、移動に伴って実際の光景が変化した場合であっても、適切に目標位置Ptに到達することができる。
【0132】
ついで、目標距離情報33において、目標位置Ptまでの残りの歩数が表示されていることから、使用者が目標位置Ptに近づいていることを画像表示画面12の目標距離情報33でも認識することができるので、より容易に目標位置Ptに到達をすることができる。
【0133】
使用者は、水平位置案内機能による移動が終わると、距離確認機能を利用することで、適切に目標位置Ptに到達しているか否かを確認することができる。図21に示すように、使用者が移動し終えた任意の地点において、距離確認機能(任意距離確認機能)を実行し、既知である目標位置Ptから測量装置50への距離を任意距離として設定すると、画像表示画面12には、撮像部14で取得した光景の光景画像Psに重ねて基準高さ記号41および任意距離情報42が表示される(図16参照)。このため、使用者は、測量装置50を光景画像Psとして画像表示画面12に表示させて、光景画像Psにおいて測量装置50と基準高さ記号41と(その高さ寸法)を比較することにより、現在の地点から測量装置50までの距離が目標位置Ptから測量装置50への距離となっているか否かの確認を行うことができる。すなわち、当該高さ寸法が略一致している場合、適切に目標位置Ptに到達しているものと判断することができる。
【0134】
また、当該高さ寸法の差が大きい場合、距離計測機能を利用することで、現在の地点がどのくらい目標位置Ptとずれているかを確認することができる。使用者が距離計測機能を実行すると、画像表示画面12には、撮像部14で取得した光景の光景画像Psにおける測量装置50に応じた計測位置標示記号43および計測距離情報44が表示される(図17参照)。このため、使用者は、現在の地点から測量装置50までの距離を認識することができる。これにより、使用者は、既知である目標位置Ptから測量装置50への距離との差から、現在の地点と目標位置Ptとのずれ量および大凡のすれ方向を把握することができる。
【0135】
ここで、現在位置Pnと目標位置Ptとがともに測設点であるとする。使用者は、水平位置案内機10において鉛直位置情報表示機能(鉛直位置標示機能を含む)を利用することにより、画像表示画面12には、撮像部14が取得した光景画像Psに重ねて鉛直位置標示記号21および鉛直位置情報22が表示される。このため、使用者は、その鉛直位置情報22の表示が現在位置Pnとしての所定の水平座標位置となる位置へと水平位置案内機10(位置出し基準部B)を移動させ、その画像表示画面12の光景画像Psにおける鉛直位置標示記号21の表示位置から実際の光景における適切な測設点(現在位置Pn)を把握することができるので、そこへの杭打ち等のマーキングを行う。その後、使用者が水平位置案内機10において水平位置案内機能を利用することにより、測量装置50を利用することなく現在位置Pnから目標位置Ptへと適切に移動することができるので、その移動の間は、測量装置50を他の水平位置案内機(図示せず)に対する測量(測設)に用いることができる。また、使用者が水平位置案内機10において距離計測機能を利用することにより、適切に目標位置Ptに到達しているか否かを判断することができるので、測量装置50を他の水平位置案内機(図示せず)に対する測量に用いる間に、次の作業の準備を適切に整えることができる。その後、他の水平位置案内機による測量(測設)が終わり当該他の水平位置案内機が移動し始めると、水平位置案内機10の使用者は、測量装置50を用いて目標位置Ptでの測量(測設)を行う。本発明に係る複数の水平位置案内機10を用いて、このような手順を繰り返すことにより、単独の測量装置50を用いた測設作業を格段に効率の良いものとする(要する時間を大幅に短縮する)ことができるとともに、その精度を高めることができる。
【0136】
このように、本実施例の水平位置案内機10では、水平位置案内機能(その案内標示機能)において、撮像部14で取得した光景画像Psに重ねて、目標位置Ptに対して、水平位置案内機10の撮像部14が正対している方向(撮像部14の撮影光軸OAが指し示す方向)が為す水平面に沿う角度(水平角度)を示す水平角度標示部31を、画像表示画面12に表示することができる。このため、使用者は、画像表示画面12を見れば、その地点から目標位置Ptへと向かう方向を適切に把握することができ、目標位置Ptに適切に到達することができる。
【0137】
また、水平位置案内機10では、水平位置案内機能(その案内標示機能)において、現在位置Pnから目標位置Ptまでの距離を示す目標距離情報33を、画像表示画面12に表示することができる。このため、使用者は、画像表示画面12を見れば、その地点から目標位置Ptまでの距離を適切に把握することができる。
【0138】
さらに、水平位置案内機10では、水平位置案内機能(その案内標示機能)において、その地点を中心として、方角と基準方向と目標位置Ptへと向かう方向とを同時に示す方位表示記号32を、画像表示画面12に表示することができる。このため、使用者は、画像表示画面12を見れば、その地点から目標位置Ptへと向かう方向を適切に把握することができ、目標位置Ptに適切に到達することができる。
【0139】
水平位置案内機10では、水平位置案内機能(その案内標示機能)において、使用者側から見た画像表示画面12への正対方向の延長線上の光景を撮像部14で取得し光景画像Psとして画像表示画面12に表示させることができるとともに、その光景画像Psに水平角度標示部31を重ねて表示することができる。このため、使用者は、画像表示画面12の光景画像Psにおいて表示された水平角度標示部31により特定された方向から、実際の光景における目標位置Ptへと向かう方向を容易に把握することができる。
【0140】
水平位置案内機10では、水平位置案内機能(その案内標示メモ機能)において、画像表示画面12に表示されている目標位置標示情報(光景画像Psと、その光景画像Psにおける案内標示情報(水平角度標示部31、方位表示記号32および目標距離情報33(上述したように方向表示記号36(図8参照)も表示させる場合は当該方向表示記号36も))、および光景画像Psにおける鉛直方向標示情報(鉛直標示線34))を再生可能に保存することができる。このため、使用者は、目標位置標示情報を表示させた画像表示画面12を見れば、目標位置Ptへと向かう方向を適切に把握することができ、目標位置Ptに適切に到達することができる。
【0141】
水平位置案内機10では、水平位置案内機能(その案内標示メモ機能)で保存した目標位置標示情報を、サブ表示画面35として画像表示画面12に表示(再生)させる(図9から図11参照)ことができる。このため、使用者は、画像表示画面12において、実際の光景である光景画像Psとサブ表示画面35の目標位置標示情報とを同時に確認することができるので、当該画像表示画面12(図9参照)を見ながら移動することにより、適切に直進することを容易なものとすることができ、目標位置Ptに適切に到達することができる。
【0142】
水平位置案内機10では、水平位置案内機能(その鉛直方向標示機能)において、撮像部14で取得した光景画像Psに重ねて、その光景画像Psにおいて、水平位置案内機10の撮像部14の撮影光軸OAが指し示す方向(撮影光軸OA上に位置する箇所)を基点として鉛直方向を標示する記号である鉛直標示線34を、画像表示画面12に表示することができる。このため、使用者は、画像表示画面12を見れば、その地点から目標位置Ptへと向かう方向の鉛直線上に存在するものを把握することができるので、目標位置Ptへと向かうための目印の決定を容易でかつ確実なものとすることができ、目標位置Ptに適切に到達することができる。
【0143】
水平位置案内機10では、水平位置案内機能(その案内標示機能)において、現在位置Pnから測量装置50へと向かう方向を基準方向として、現在位置Pnから目標位置Ptへと向かう方向を標示することができるので、測量装置50を用いた測量作業をより適切なものとすることができるとともに、より効率の良いものとすることができる。これは、水平位置案内機10が存在する位置(現在位置Pn)は、測量装置50が設置された既知点を基準として測定されており、その測量装置50(既知点)を基準として、現在位置Pnから目標位置Ptへと向かう方向が標示されることから、単一の位置(既知点)を基準として測量作業およびそのための移動を行うことができることによる。
【0144】
水平位置案内機10では、距離確認機能(その任意距離確認機能)において、撮像部14で取得した光景の光景画像Psに重ねて、任意の距離での基準となる物体(測量装置50)の高さ寸法を表す基準高さ記号41を、画像表示画面12に表示することができる。このため、使用者は、基準となる物体としての測量装置50を光景画像Psとして画像表示画面12に表示させて、光景画像Psにおいて測量装置50と基準高さ記号41と(その高さ寸法)を比較することにより、現在の地点から測量装置50までの距離が目標位置Ptから測量装置50への距離となっているか否かの確認を行うことができる。
【0145】
水平位置案内機10では、距離確認機能(その距離計測機能)において、撮像部14で取得した光景の光景画像Psにおける基準となる物体(測量装置50)に基づいて、その取得した地点から測量装置50までの距離を示す計測距離情報44を、画像表示画面12に表示することができる。このため、使用者は、光景画像Psとして基準となる物体としての測量装置50を撮像部14で取得することにより、その取得した地点から測量装置50までの距離を認識することができる。
【0146】
水平位置案内機10では、鉛直位置標示機能において、撮像部14で取得した光景画像Psを表示するとともに、その光景画像Psにおける位置出し基準部Bの鉛直下方位置に常に鉛直位置標示記号21を重ねて画像表示画面12に表示することができる。このため、使用者は、画像表示画面12を見れば、水平位置案内機10における位置出し基準部Bの鉛直下方位置を容易に特定することができる。
【0147】
水平位置案内機10では、鉛直位置標示機能において、光景画像Psにおける位置出し基準部Bの鉛直下方位置を、傾斜センサ15からの水平位置案内機10すなわち撮像部14の傾斜状態に基づいて算出し、その算出に基づいて光景画像Ps上に鉛直位置標示記号21を表示させることで指示位置を標示するものであることから、気泡管を用いた鉛直状態の確認作業を行うことなく、直ちに指示位置を定めることができ、かつ適切に指示位置を定めることができる。このため、使用者は、画像表示画面12を見れば、水平位置案内機10における位置出し基準部Bの鉛直下方位置を直ちにかつ適切に特定することができる。
【0148】
水平位置案内機10では、鉛直位置標示機能において、当該水平位置案内機10すなわち位置出し基準部Bを移動させた場合であっても、画像表示画面12の光景画像Psにおいて、常に移動した位置出し基準部Bの鉛直下方位置に鉛直位置標示記号21を重ねて表示することができる。このため、使用者は、位置出し基準部Bを任意の地点に位置させることにより、その任意の地点の鉛直下方位置を特定することができる。
【0149】
水平位置案内機10では、鉛直位置標示機能において、位置出し基準部Bを水平座標で見て一定の位置に留めておけば、当該水平位置案内機10すなわち撮像部14の傾斜状態の変化の影響を受けることなく、画像表示画面12において光景画像Psが映し出す光景における定点に鉛直位置標示記号21を表示することができる。このため、使用者は、画像表示画面12を見て位置出し基準部Bの鉛直下方位置を特定した後に、例えば、その特定位置に杭打ち等のマーキングをすべく屈んだりすることにより水平位置案内機10(撮像部14)の傾斜状態を変化させたりポールを測定点上から外してしまっても、画像表示画面12を見ることで位置出し基準部Bの鉛直下方位置を容易に特定することができる。
【0150】
水平位置案内機10では、鉛直位置標示機能が実行されている間、光景画像Psおよび鉛直位置標示記号21をリアルタイムで画像表示画面12に表示することができる。このため、使用者は、画像表示画面12を見ながら移動することにより、位置出し基準部Bを任意の地点(任意の水平座標位置)に位置させる際、当該任意の地点への微調整を容易に行うことができ、その任意の地点の鉛直下方位置の特定をより適切なものとすることができる。
【0151】
水平位置案内機10では、鉛直位置標示機能において、使用者側から見た画像表示画面12への正対方向の延長線上の光景を撮像部14で取得し光景画像Psとして画像表示画面12に表示させることができるとともに、その光景画像Psに鉛直位置標示記号21を重ねて表示することができる。このため、使用者は、画像表示画面12の光景画像Psにおいて表示された鉛直位置標示記号21により特定された位置から、実際の光景における特定位置を容易に把握することができる。
【0152】
水平位置案内機10では、鉛直位置情報表示機能において、光景画像Psにおける位置出し基準部Bの鉛直下方位置に重ねて表示される鉛直位置標示記号21の水平座標を示す鉛直位置情報22を画像表示画面12に表示することができる。すなわち、水平位置案内機10では、位置出し基準部Bの鉛直下方位置(鉛直位置標示記号21)を画像表示画面12に表示させることに加えて、測量装置50の測定に基づく鉛直位置標示記号21の水平座標を画像表示画面12に表示することができる。このため、使用者は、測量装置50の測定に基づいて、位置出し基準部Bを任意の水平座標位置とすることができ、その鉛直下方位置を特定することができる。
【0153】
水平位置案内機10では、鉛直位置情報表示機能が実行されている間、光景画像Ps、鉛直位置標示記号21および鉛直位置情報22をリアルタイムで画像表示画面12に表示することができる。このため、使用者は、画像表示画面12を見ながら移動することにより、測量装置50の測定に基づく任意の水平座標位置への微調整を容易に行うことができる。すなわち、光景画像Psにおいて鉛直位置標示記号21で指し示された箇所が当該任意の水平座標位置となることから、使用者は、鉛直位置情報22の表示が任意の水平座標となる位置へと水平位置案内機10(位置出し基準部B)を移動させるだけで、実際の光景における当該任意の水平座標位置を容易に特定することができる。このことは、特に、測設作業において、実際の光景における測設点の特定を容易とすることができ、そこへの杭打ち等のマーキングを容易なものとすることができる。
【0154】
水平位置案内機10では、精密な測定が要求される各測設点での測定作業および現在位置Pnの水平座標位置情報の取得の場面のみで、測量装置50を使用するだけで、適切な測設作業を行うことができる。このため、複数の水平位置案内機10を用いることにより、単独の測量装置50を用いた測設作業を格段に効率の良いものとする(要する時間を大幅に短縮する)ことができる。
【0155】
したがって、本願発明に係る水平位置案内機10では、現在地点から所定の目標地点の近傍へと適切にかつ容易に到達することを可能とすることができる。
【0156】
なお、上記した実施例では、本発明に係る水平位置案内機の一例について説明したが、撮像手段と、該撮像手段が取得した画像が表示される画像表示画面と、現在位置および目標位置の水平座標位置情報を取得可能な位置情報取得手段と、前記撮像手段の撮影光軸の基準方向に対する水平方向での角度を取得可能な水平角度取得手段と、を備え、前記撮像手段が取得した画像を前記画像表示画面に表示するとともに、前記現在位置から前記目標位置への距離情報と、前記水平角度取得手段が検知した水平角度に応じて、水平面上で見た前記現在位置から前記目標位置へと向かう方向に対して前記画像を取得した際の前記撮影光軸方向が為す水平角度情報と、を重ねて前記画像表示画面に表示する水平位置案内機であればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
【0157】
また、上記した実施例では、本発明に係るプログラムおよび水平位置案内表示方法(図15のフロ−チャートにおける制御処理)の一例について説明したが、撮像手段と、該撮像手段が取得した画像が表示される画像表示画面と、現在位置および目標位置の水平座標位置情報を取得可能な位置情報取得手段と、前記撮像手段の撮影光軸の基準方向に対する水平方向での角度を取得可能な水平角度取得手段と、を備える水平位置案内機の制御部に、前記撮像手段が取得した画像を前記画像表示画面に表示する機能と、前記水平角度取得手段からの出力信号に基づいて前記撮影光軸の前記基準方向に対する水平角度を判断する機能と、前記現在位置から前記目標位置への距離情報を重ねて前記画像表示画面に表示する機能と、前記撮影光軸の水平角度に応じて、水平面上で見た前記現在位置から前記目標位置へと向かう方向に対して前記画像を取得した際の前記撮影光軸方向が為す水平角度情報を重ねて前記画像表示画面に表示する機能と、を実現させるプログラム、もしくは、撮像手段と、該撮像手段が取得した画像が表示される画像表示画面と、現在位置および目標位置の水平座標位置情報を取得可能な位置情報取得手段と、前記撮像手段の撮影光軸の基準方向に対する水平方向での角度を取得可能な水平角度取得手段と、前記画像表示画面での表示を制御する表示制御手段と、を備える水平位置案内機の水平位置案内表示方法であって、前記撮像手段が取得した画像を前記画像表示画面に表示する工程と、前記水平角度取得手段からの出力信号に基づいて前記撮影光軸の前記基準方向に対する水平角度を判断する工程と、前記現在位置から前記目標位置への距離情報を重ねて前記画像表示画面に表示する工程と、前記撮影光軸の水平角度に応じて、水平面上で見た前記現在位置から前記目標位置へと向かう方向に対して前記画像を取得した際の前記撮影光軸方向が為す水平角度情報を重ねて前記画像表示画面に表示する工程と、を含む水平位置案内表示方法であればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
【0158】
さらに、上記した実施例では、水平位置案内制御処理として図15のフローチャートを実行するものとされていたが、画像表示画面12に、撮像部14で取得した光景の光景画像Psを表示するとともに、その光景画像Psにおける水平角度標示部31、方位表示記号32、目標距離情報33および鉛直標示線34(上述したように方向表示記号36(図8参照)も表示させる場合は当該方向表示記号36も)を表示するとともに、その目標位置標示情報を案内標示メモとして再生可能に保存することを可能とすべく各ステップの処理内容を実行するものであれば、各ステップ(その処理内容)の順番は適宜変更してもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
【0159】
上記した実施例では、距離確認制御処理として図18のフローチャートを実行するものとされていたが、画像表示画面12に、光景画像Psにおける基準高さ記号41を重ねて表示するとともに、適宜光景画像Psにおける計測位置標示記号43および計測距離情報44を重ねて表示すべく各ステップの処理内容を実行するものであれば、各ステップ(その処理内容)の順番は適宜変更してもよく、上記した実施例に限定されるものではない。加えて、距離計測機能は、任意距離確認機能を実行した後に行うものとされていたが、単独で実行可能としてもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
【0160】
上記した実施例では、鉛直位置情報表示制御処理(鉛直位置標示制御処理を含む)として図7のフローチャートを実行するものとされていたが、画像表示画面12に、撮像部14で取得した光景の光景画像Psを表示するとともに、その光景画像Psにおける位置出し基準部Bの鉛直下方位置に鉛直位置標示記号21および鉛直位置情報22を表示することを可能とすべく各ステップの処理内容を実行するものであれば、各ステップ(その処理内容)の順番は適宜変更してもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
【0161】
上記した実施例では、水平角度取得手段が傾斜センサ15により構成されていたが、筐体11の表面11aおよび裏面11bが重力方向に平行な姿勢とされた状態(起立状態(図2参照))において、筐体11に固定的に設けられた撮像部14の撮影光軸OAの基準方向に対する水平方向での回転角度を計測することが可能であれば、例えば方位センサ17で構成してもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
【0162】
上記した実施例では、水平位置案内機10の制御部18の演算部18bにおいて、測定点(現在位置Pn)から任意の地点(目標位置Pt)への案内情報を生成することが可能とされていたが、測量装置50(その制御手段)において案内情報を生成するとともに、当該案内情報を測量装置50(その制御手段)から制御部18が取得する構成であってもよく、上記した実施例に限定されるものではない。この場合、通信部16が案内情報取得手段として機能するとともに、位置情報取得手段として機能することとなる。
【0163】
以上、本発明の水平位置案内機、プログラムおよび水平位置案内表示方法を実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【符号の説明】
【0164】
10 水平位置案内機
12 画像表示画面
14 (撮像手段としての)撮像部
15 (水平角度取得手段および傾斜検知手段としての)傾斜センサ
16 (位置情報取得手段としての)通信部
18 (制御部もしくは表示制御手段としての)制御部
18a (格納部としての)記憶部
31 (表示される水平角度情報としての)水平角度標示部
33 (表示される距離情報としての)目標距離情報
34 (鉛直方向標示記号としての)鉛直標示線
41 (設定地点高さ寸法標示記号としての)基準高さ記号
44 (表示される算出された距離としての)計測距離情報
50 測量装置
OA 撮影光軸
Ps (取得する画像としての)光景画像
Pn 現在位置
Pt 目標位置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段と、該撮像手段が取得した画像が表示される画像表示画面と、現在位置および目標位置の水平座標位置情報を取得可能な位置情報取得手段と、前記撮像手段の撮影光軸の基準方向に対する水平方向での角度を取得可能な水平角度取得手段と、を備え、
前記撮像手段が取得した画像を前記画像表示画面に表示するとともに、
前記現在位置から前記目標位置への距離情報と、
前記水平角度取得手段が検知した水平角度に応じて、水平面上で見た前記現在位置から前記目標位置へと向かう方向に対して前記画像を取得した際の前記撮影光軸方向が為す水平角度情報と、
を重ねて前記画像表示画面に表示することを特徴とする水平位置案内機。
【請求項2】
請求項1に記載の水平位置案内機であって、
さらに、前記画像表示画面に表示された画面の画面データを格納可能な格納部と、該格納部への前記画面データの格納および該画面データの再生の実行のための操作部と、備え、
前記操作部に格納操作が為されると、その格納操作時に前記画像表示画面に表示されている画面の画面データを前記格納部に格納し、
前記操作部に再生操作が為されると、前記格納部に格納されている画面データを前記画像表示画面に表示することを特徴とする水平位置案内機。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の水平位置案内機であって、
さらに、前記撮像手段の傾斜を検知する傾斜検知手段を備え、
前記距離情報および前記水平角度情報を前記画像に重ねて前記画像表示画面に表示する際、前記画像における鉛直方向を示す鉛直方向標示記号を重ねて前記画像表示画面に表示することを特徴とする水平位置案内機。
【請求項4】
前記位置情報取得手段は、前記現在位置までの距離と方向とを測定可能な測量装置との通信を可能とする通信部を有し、
前記水平角度取得手段は、前記現在位置から前記測量装置へ向かう方向を前記基準方向として前記撮像手段の水平角度を取得することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の水平位置案内機。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の水平位置案内機であって、
さらに、前記撮像手段が取得した画像において任意の距離における目標基準物の高さ寸法を算出する演算手段と、任意の距離を設定する距離設定手段と、を備え、
前記撮像手段が取得した画像を前記画像表示画面に表示する際、前記距離設定手段で設定した任意の距離に対して前記演算手段で算出した前記高さ寸法に応じた設定地点高さ寸法標示記号を前記画像表示画面に表示することを特徴とする水平位置案内機。
【請求項6】
前記演算手段は、前記撮像手段が取得した画像における前記目標基準物の高さ寸法に基づいて、該目標基準物までの距離を算出し、
前記撮像手段が取得した画像を前記画像表示画面に表示する際、前記演算手段で算出した前記目標基準物までの距離を表示することを特徴とする請求項5に記載の水平位置案内機。
【請求項7】
前記演算手段は、前記撮像手段が取得した画像を解析することにより、前記撮像手段が取得した画像における前記目標基準物の高さ寸法を取得することを特徴とする請求項6に記載の水平位置案内機。
【請求項8】
撮像手段と、該撮像手段が取得した画像が表示される画像表示画面と、現在位置および目標位置の水平座標位置情報を取得可能な位置情報取得手段と、前記撮像手段の撮影光軸の基準方向に対する水平方向での角度を取得可能な水平角度取得手段と、を備える水平位置案内機の制御部に、
前記撮像手段が取得した画像を前記画像表示画面に表示する機能と、
前記水平角度取得手段からの出力信号に基づいて前記撮影光軸の前記基準方向に対する水平角度を判断する機能と、
前記現在位置から前記目標位置への距離情報を重ねて前記画像表示画面に表示する機能と、
前記撮影光軸の水平角度に応じて、水平面上で見た前記現在位置から前記目標位置へと向かう方向に対して前記画像を取得した際の前記撮影光軸方向が為す水平角度情報を重ねて前記画像表示画面に表示する機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
前記水平位置案内機は、さらに、前記画像表示画面に表示された画面の画面データを格納可能な格納部と、該格納部への前記画面データの格納および該画面データの再生の実行のための操作部と、備え、
前記操作部への操作内容を判断する機能と、
前記操作部に格納操作が為されると、その格納操作時に前記画像表示画面に表示されている画面の画面データを前記格納部に格納する機能と、
前記操作部に再生操作が為されると、前記格納部に格納されている画面データを前記画像表示画面に表示する機能と、
を実現させることを特徴とする請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記水平位置案内機は、さらに、前記撮像手段の傾斜を検知する傾斜検知手段を備え、
該傾斜検知手段からの出力信号に基づいて前記撮像手段の傾斜を判断する機能と、
前記距離情報および前記水平角度情報を前記画像に重ねて前記画像表示画面に表示する際、前記撮像手段の傾斜に応じて前記画像における鉛直方向を示す鉛直方向標示記号を重ねて前記画像表示画面に表示する機能を実現させることを特徴とする請求項8または請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
前記位置情報取得手段は、前記現在位置までの距離と方向とを測定可能な測量装置との通信を可能とする通信部を有し、
前記水平角度取得手段からの出力信号に基づいて、前記現在位置から前記測量装置へと向かう方向を前記基準方向とした前記撮像手段の水平角度を取得する機能を実現させることを特徴とする請求項8から請求項10のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項12】
前記水平位置案内機は、さらに、任意の距離を設定する距離設定手段を備え、
前記撮像手段が取得した画像において、前記距離設定手段で設定された任意の距離における目標基準物の高さ寸法を算出する機能と、
前記撮像手段が取得した画像を前記画像表示画面に表示する際、前記距離設定手段で設定した任意の距離に対して算出した前記高さ寸法に応じた設定地点高さ寸法標示記号を前記画像表示画面に表示する機能と、
を実現させることを特徴とする請求項8から請求項11のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項13】
前記撮像手段が取得した画像における前記目標基準物の高さ寸法に基づいて、該目標基準物までの距離を算出する機能と、
前記撮像手段が取得した画像を前記画像表示画面に表示する際、算出した前記目標基準物までの距離を表示する機能と、
を実現させることを特徴とする請求項12に記載のプログラム。
【請求項14】
前記撮像手段が取得した画像を解析することにより、前記撮像手段が取得した画像における前記目標基準物の高さ寸法を取得する機能を実現させることを特徴とする請求項13に記載のプログラム。
【請求項15】
撮像手段と、該撮像手段が取得した画像が表示される画像表示画面と、現在位置および目標位置の水平座標位置情報を取得可能な位置情報取得手段と、前記撮像手段の撮影光軸の基準方向に対する水平方向での角度を取得可能な水平角度取得手段と、前記画像表示画面での表示を制御する表示制御手段と、を備える水平位置案内機の水平位置案内表示方法であって、
前記撮像手段が取得した画像を前記画像表示画面に表示する工程と、
前記水平角度取得手段からの出力信号に基づいて前記撮影光軸の前記基準方向に対する水平角度を判断する工程と、
前記現在位置から前記目標位置への距離情報を重ねて前記画像表示画面に表示する工程と、
前記撮影光軸の水平角度に応じて、水平面上で見た前記現在位置から前記目標位置へと向かう方向に対して前記画像を取得した際の前記撮影光軸方向が為す水平角度情報を重ねて前記画像表示画面に表示する工程と、
を含むことを特徴とする水平位置案内表示方法。
【請求項16】
前記水平位置案内機は、さらに、前記画像表示画面に表示された画面の画面データを格納可能な格納部と、該格納部への前記画面データの格納および該画面データの再生の実行のための操作部と、備え、
前記操作部への操作内容を判断する工程と、
前記操作部に格納操作が為されると、その格納操作時に前記画像表示画面に表示されている画面の画面データを前記格納部に格納する工程と、
前記操作部に再生操作が為されると、前記格納部に格納されている画面データを前記画像表示画面に表示する工程と、
を含むことを特徴とする請求項15に記載の水平位置案内表示方法。
【請求項17】
前記水平位置案内機は、さらに、前記撮像手段の傾斜を検知する傾斜検知手段を備え、
該傾斜検知手段からの出力信号に基づいて前記撮像手段の傾斜を判断する工程と、
前記距離情報および前記水平角度情報を前記画像に重ねて前記画像表示画面に表示する際、前記撮像手段の傾斜に応じて前記画像における鉛直方向を示す鉛直方向標示記号を重ねて前記画像表示画面に表示する工程を含むことを特徴とする請求項15または請求項16に記載の水平位置案内表示方法。
【請求項18】
前記位置情報取得手段は、前記現在位置までの距離と方向とを測定可能な測量装置との通信を可能とする通信部を有し、
前記水平角度取得手段からの出力信号に基づいて、前記現在位置から前記測量装置へと向かう方向を前記基準方向とした前記撮像手段の水平角度を取得する工程を含むことを特徴とする請求項15から請求項17のいずれか1項に記載の水平位置案内表示方法。
【請求項19】
前記水平位置案内機は、さらに、任意の距離を設定する距離設定手段を備え、
前記撮像手段が取得した画像において、前記距離設定手段で設定された任意の距離における目標基準物の高さ寸法を算出する工程と、
前記撮像手段が取得した画像を前記画像表示画面に表示する際、前記距離設定手段で設定した任意の距離に対して算出した前記高さ寸法に応じた設定地点高さ寸法標示記号を前記画像表示画面に表示する工程と、
を含むことを特徴とする請求項15から請求項18のいずれか1項に記載の水平位置案内表示方法。
【請求項20】
前記撮像手段が取得した画像における前記目標基準物の高さ寸法に基づいて、該目標基準物までの距離を算出する工程と、
前記撮像手段が取得した画像を前記画像表示画面に表示する際、算出した前記目標基準物までの距離を表示する工程と、
を含むことを特徴とする請求項19に記載の水平位置案内表示方法。
【請求項21】
前記撮像手段が取得した画像を解析することにより、前記撮像手段が取得した画像における前記目標基準物の高さ寸法を取得する工程を含むことを特徴とする請求項20に記載の水平位置案内表示方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−225697(P2012−225697A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−91703(P2011−91703)
【出願日】平成23年4月18日(2011.4.18)
【出願人】(000220343)株式会社トプコン (904)