説明

水平多関節ロボット

【課題】アームの回動範囲を規制し、ロボット自身およびツールの破損を防止する。
【解決手段】第1アーム30に形成され、第2アーム40の回動範囲を規制する第1突起部32と、第2アーム40に形成され、第1突起部32と当接可能な第2突起部42と、第1アーム30に形成され、平面視で第2突起部42の移動軌道上であり、第1突起部32から離れた位置に形成された第1ネジ穴35aおよび第2ネジ穴35bと、を備え、第1突起部32は第1アーム30と一体に形成され、第2突起部42は第2アーム40と一体に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水平多関節ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
産業用のロボットなどとして、特許文献1に例示するような、複数のアームが水平関節を介して回転自在に連結される水平多関節ロボット(スカラーロボット)が知られている。
水平多関節ロボットのアーム端には、上下および回転駆動される上下回転軸が設けられ、この上下回転軸に各種ツールが取り付けられている。そして、このツールを用いて被対象物のピックアップ、搬送、加工などの作業が行なわれる。
【0003】
このような水平多関節ロボットでは、アームの回動範囲はロボット自身との干渉領域を考慮する必要があり、アームの回動範囲を機械的に規制するストッパー部が設けられている。
具体的には、連結されているアームの回動軸の近くに、一方のアームに一つのネジを止め、他方のアームに位置決めした2つのネジを止めて、ネジの頭部同士が当接することで、一方のアームの回動範囲を規制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−101907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、アームの回動範囲を規制するストッパー部が取り外し可能なネジで構成されており、メンテナンスなどによりネジを外した状態では、アーム回動範囲の規制がかからず、回動範囲を超えてロボット自身を破損させるおそれがある。
また、ストッパー部の形成位置は上下回転軸に設けられる各種ツールの大きさについても考慮されているものの、一定以上の大きさのツールを利用する場合には、ツールとロボット自身とが干渉する場合があり、ツールが破損することがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]本適用例にかかる水平多関節ロボットは、基台に回動可能に連結される第1アームと、前記第1アームに回動可能に連結される第2アームと、を有する水平多関節ロボットであって、前記第1アームに形成され、前記第2アームの回動範囲を規制する第1突起部と、前記第2アームに形成され、前記第1突起部と当接可能な第2突起部と、前記第1アームに形成され、前記第2アームが回動する回動軸方向からの平面視で第2突起部の移動軌道上であり、前記第1突起部から離れた位置に形成された第1ネジ穴および第2ネジ穴と、を備え、前記第1突起部は前記第1アームと一体に形成され、前記第2突起部は前記第2アームと一体に形成されていることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、第2アームの回動範囲を規制する第1突起部が第1アームに一体に形成され、第1突起部と当接可能な第2突起部が第2アームに一体に形成されている。さらに、第1突起部から離れた位置に第1ネジ穴および第2ネジ穴が形成されている。
このように、第1突起部および第2突起部がそれぞれ第1アームおよび第2アームに一体成形されていることから、メンテナンスなどによりこれらの突起部を取り外すことができない。このため、確実にアームの回動に規制がかかり、アームの回動範囲を超えてロボット自身を破損させることがない。
また、第1突起部から離れた位置に形成された第1ネジ穴および第2ネジ穴を利用することで、上下回転軸に設けられる各種ツールの大きさに応じてロボット自身との干渉を防止し、ツールが破損するのを防止することができる。具体的には、第1ネジ穴および第2ネジ穴にネジ止めして、ネジの頭部と第2突起部とを当接させてアームの回動を規制することができる。
【0009】
[適用例2]上記適用例にかかる水平多関節ロボットにおいて、前記第1アームおよび前記第2アームはダイカストで形成されていることが望ましい。
【0010】
この構成によれば、第1アームおよび第2アームはダイカストで形成され、これらと一体に第1突起部と第2突起部とが形成されている。
このことから、第1突起部および第2突起部は両者の当接による力に耐える強度を有し、また優れた寸法精度で形状を形成することができる。
【0011】
[適用例3]上記適用例にかかる水平多関節ロボットにおいて、前記第2突起部と当接する前記第1突起部の端部は曲面形状であることが望ましい。
【0012】
この構成によれば、第2突起部と当接する第1突起部の端部は曲面形状であることから、接触面積が小さくなり、当接する位置を正確に決めることができる。
【0013】
[適用例4]本適用例にかかる水平多関節ロボットは、基台に回動可能に連結される第1アームと、前記第1アームに回動可能に連結される第2アームと、を有する水平多関節ロボットであって、前記第1アームの前記第2アームと対向する第1の面に設けられる第1突起部と、前記第2アームの前記第1アームと対向する第2の面に設けられる第2突起部と、前記第1アームの前記第1の面に装填可能な装填部材と、前記第1アームの前記第1の面に設けられ、前記装填部材と係合する係合部と、を備え、前記装填部材を前記係合部から外した状態で、前記第2アームが回動すると前記第1突起部と前記第2突起部とが当接することによって、前記第2アームの回動範囲は第1の回動範囲に規制され、前記装填部材を前記係合部に装填した状態で、前記第2アームが回動すると前記装填部材と前記第2突起部とが当接することによって、前記第2アームの回動範囲は前記第1の回動範囲よりも狭い第2の回動範囲に規制されることを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、第2アームの回動範囲は、第1の回動範囲と、第1の回動範囲よりも狭い第2の回動範囲に設定が可能である。
このように、2段階の回動範囲の規制が可能であり、第1の回動範囲で第2アームとロボット自身との干渉を防止し、第2の回動範囲で第2アームに取り付けられるツールとロボット自身とが干渉することができる。
【0015】
[適用例5]上記適用例にかかる水平多関節ロボットにおいて、前記装填部材は2個で対となっており、前記係合部は2箇所に設けられていることが望ましい。
【0016】
この構成によれば、2箇所の係合部に2個の装填部材が装填されている。このことにより、第1の回動範囲よりも狭い第2の回動範囲を規定することができる。
【0017】
[適用例6]上記適用例にかかる水平多関節ロボットにおいて、前記第1突起部は前記第1アームと一体に形成されており、前記第2突起部は前記第2アームと一体に形成されていることが望ましい。
【0018】
この構成によれば、第1突起部および第2突起部がそれぞれ第1アームおよび第2アームに一体成形されていることから、メンテナンスなどによりこれらの突起部を取り外すことができない。このため、確実にアームの回動に規制がかかり、アームの回動範囲を超えてロボット自身を破損させることがない。
【0019】
[適用例7]上記適用例にかかる水平多関節ロボットにおいて、前記装填部材はネジであり、前記係合部はネジ穴であることが望ましい。
【0020】
この構成によれば、簡易な機械要素で装填部材と係合部とを構成でき、水平多関節ロボットの低コスト化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施形態の水平多関節ロボットの構成を示す側面図。
【図2】実施形態の第1アームの構成を示す部分平面図。
【図3】実施形態の第2アームの構成を示す部分平面図。
【図4】実施形態における第2アームの回動範囲の規制を示す説明図。
【図5】変形例における第1アームの構成を示す部分平面図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の寸法の割合を適宜変更している。
(実施形態)
【0023】
図1は本実施形態の水平多関節ロボットの構成を示す側面図である。
図1に示されるように、水平多関節ロボット10は、基台20と、第1アーム30と、第2アーム40と、上下回転軸50と、ロボットコントローラー60と、を有している。
基台20は、装置などにおける設置面に固定され、基台20の上部には、鉛直方向に沿う回動軸の軸心C1を中心にして回動する第1アーム30がその基端部にて連結されている。そして、第1アーム30の先端部には、鉛直方向に沿う回動軸の軸心C2を中心にして回動する第2アーム40がその基端部にて連結されている。
第1アーム30および第2アーム40は鋳鉄、ダイカストなどの金属材料で形成され、その長さ方向および旋回方向などに高い剛性を有している。
【0024】
基台20内には第1アーム30を回動させる駆動源としてのモーターM1と、モーターM1の回転軸21に連結された減速機22と、減速機22の出力軸23とが配置され、この出力軸23に第1アーム30が連結されている。
このようにして、モーターM1の駆動力が減速機22を介して第1アーム30に伝達され、軸心C1を中心にして第1アーム30が水平方向に旋回する。
【0025】
第2アーム40内には第2アーム40を回動させる駆動源としてのモーターM2と、モーターM2の回転軸46に連結された減速機45とが配置されている。
そして、第2アーム40は、モーターM2の駆動力が減速機45を介して第2アーム40に伝達され、軸心C2を中心にして第2アーム40が水平方向に旋回する。
【0026】
なお、第1アーム30には第2アーム40の回動範囲を規制する第1突起部32が設けられている。そして、第2アーム40にはこの第1突起部32と当接する第2突起部42が設けられている。
図2は本実施形態の第1アームの構成を示す部分平面図であり、第2アーム側から見た平面図である。図3は本実施形態の第2アームの構成を示す部分平面図であり、第1アーム側から見た平面図である。
【0027】
図2に示すように、第1アーム30には軸に連結される軸穴31が形成され、軸穴31の外周に沿って第2アーム40の回動範囲を規制する第1突起部32が設けられている。第1突起部32は2つの突起32a,32bから構成され、後述する第2突起部と当接する突起32a,32bの端部は平面視で曲面に形成されている。そして、この第1突起部32は鋳鉄、ダイカストなどの材料にて、第1アーム30と一体に形成されている。
また、軸穴31の外周に沿って第1突起部32から離れた位置に、装填部材としてのネジが係合する、係合部としての第1ネジ穴35aおよび第2ネジ穴35bが形成されている。
この第1ネジ穴35aおよび第2ネジ穴35bは、第2アームが回動する回動軸方向からの平面視で第2突起部42の軌道上に形成されている。
なお、第1突起部32および第1ネジ穴35a、第2ネジ穴35bは第1アーム30の第2アーム40と対向する面(第1の面)に形成されている。
【0028】
第2アーム40には、図3に示すように、回転軸に連結される軸穴41が形成され、軸穴41の外周から第2アーム40の延出する方向に板状の第2突起部42が設けられている。そして、この第2突起部42は鋳鉄、ダイカストなどの材料にて、第2アーム40と一体に形成されている。
なお、第2突起部42は第2アーム40の第1アーム30と対向する面(第2の面)に形成されている。
【0029】
このように、第1アーム30、第2アーム40には突起部が一体成形されることからコスト削減の効果がある。また、第1アーム30および第2アーム40ともにダイカスト用金属としてアルミニウム合金を用いた場合、第1突起部32と第2突起部42との当接による衝撃を緩和でき、他の機械要素が壊れにくくなる利点がある。
【0030】
図1にもどり、第2アーム40の先端部には、第2アーム40に対して変位する上下回転軸50が設けられている。上下回転軸50は、円柱状の軸体であって、その周表面には図示しないボールネジ溝とスプライン溝とがそれぞれ形成されている。
上下回転軸50は、そのスプライン溝が第2アーム40の先端部に配置されたボールスプラインナット51の中心に嵌め合わされるように挿通され、そのボールネジ溝がこれも第2アーム40の先端部に配置されたボールネジナット52の中心に螺合されるように挿通されている。これにより上下回転軸50は、第2アーム40に対して回転可能に、かつ、上下方向に移動可能に支持される。
【0031】
第2アーム40内には、駆動源としてのモーターM3が設置されている。モーターM3は、その駆動力がベルト(図示せず)を介してボールスプラインナット51に伝達される。すなわち上下回転軸50は、モーターM3によってボールスプラインナット51が正逆回転されることによって、鉛直方向に沿う自らの軸心C3を中心にして正逆回転される。
【0032】
また、第2アーム40内には、駆動源としてのモーターM4が設置されている。モーターM4は、その駆動力がベルト(図示せず)を介してボールネジナット52に伝達される。すなわち上下回転軸50は、モーターM4によってボールネジナット52が正逆回転されることによって、鉛直方向に昇降移動する。そして、その昇降移動によってその下端部である作業部53を上下方向に昇降させる。
【0033】
上下回転軸50の作業部53には、各種のツールが備えられる。ツールとしては、例えばハンドなどの被搬送物を把持するものやドリルなどの被加工物を加工するもの等の取り付けが可能になっている。そして、水平多関節ロボット10は、作業部53に取り付けられた各種ツールによって、部品を把持搬送したり、部品を加工したりするように構成されている。
【0034】
また、第2アーム40内には、各種センサーなどを駆動させる駆動回路基板54が設けられている。
そして、第2アーム40の基端部から先端部にかけて覆うアームカバー55が設けられている。アームカバー55は例えば樹脂材料で形成され、モーターM2,M3,M4などを保護している。
【0035】
アームカバー55の上方には、他端が基台20に連結された可撓性を有する配線ダクト56の一端が連結されている。この配線ダクト56は、筒状をなしており、一端が第2アーム40に対して回転自在に連結されているとともに他端が基台20に対して回転自在に連結されている。配線ダクト56には、第2アーム40内に設置されたモーターM3に接続される電気配線L、駆動回路基板54に接続される電気配線Lなどが第2アーム40内から基台20内まで引き回されている。
【0036】
そして、基台20内まで引き回された各電気配線Lは、基台20内でまとめられることによって、モーターM1に接続される電気配線Lとともに、基台20の外部に設置され水平多関節ロボット10を統括制御するロボットコントローラー60まで引き回すことが可能である。
【0037】
(第2アームの回動範囲の規制)
次に、第2アームの回動範囲の規制について説明する。
図4は第2アームの回動範囲の規制を示す説明図である。本図では第1アームの平面図に、第2突起部の動きのみを示して図示してある。
【0038】
図4(a)に示すように、第2アームが時計方向に回動して行くと、第2アームの第2突起部42が第1アーム30の突起32aの端部33と当接し、第2アームは、それ以上の回動ができなくなる。
また、第2アームが反時計方向に回動して行くと、第2アームの第2突起部42が第1アーム30の突起32bの端部33と当接し、第2アームは、それ以上の回動ができなくなる。
このように、第2アームの第2突起部42と第1アーム30の第1突起部32a,32bとが当接することで、図中のS1の範囲における回動ができず、第2アームは第1の回動範囲A1に規制される。
【0039】
ここで、第1アーム30の第1突起部32a,32bと、第2アームの第2突起部42はそれぞれのアームと一体に形成されている。例えば、各アームをダイカストで成形した場合には、第1突起部32a,32bおよび第2突起部42を精度良く形成でき、また両者の当接に耐える強度を確保することができる。
さらに、第2突起部42と当接する第1突起部32a,32bの端部33は曲面形状であることから、接触面積が小さくなり、当接する位置を正確に決めることができる。
【0040】
次に、上下回転軸に設けられる各種ツールの大きさに考慮して、第2アームの回動範囲を規制する場合について説明する。
図4(b)に示すように、係合部としての第1ネジ穴35a、第2ネジ穴35bには装填部材としてのネジが止められ、ネジ頭部36a,36bが第1アーム30の平面から突出している。
第2アームが時計方向に回動して行くと、第2アームの第2突起部42が第1アーム30のネジ頭部36aと当接し、第2アームは、それ以上の回動ができなくなる。
また、第2アームが反時計方向に回動して行くと、第2アームの第2突起部42が第1アーム30のネジ頭部36b当接し、第2アームは、それ以上の回動ができなくなる。
このように、第2アームの第2突起部42と第1アーム30のネジ頭部36a,36bとが当接することで、図中のS2の範囲における回動ができず、第2アームは第1の回動範囲A1より狭い第2の回動範囲A2に規制される。
【0041】
以上、本実施形態の水平多関節ロボット10は、第1突起部32および第2突起部42がそれぞれ第1アーム30および第2アーム40に一体成形されていることから、メンテナンスなどにより取り外すことができない。このため、第1突起部32と第2突起部42とが当接することで確実に第2アーム40のアーム回動範囲の規制がかかり、アームの回動範囲を超えて水平多関節ロボット10自身を破損させるおそれがない。
また、第1突起部32から離れた位置に形成された第1ネジ穴35aおよび第2ネジ穴35bを利用することで、上下回転軸50に設けられる各種ツールの大きさに応じてロボット自身との干渉を防止し、ツールが破損するのを防止することができる。具体的には、第1ネジ穴35aおよび第2ネジ穴35bにネジ止めして、ネジ頭部36a,36bと第2突起部42とを当接させてアームの回動を規制することができる。
(変形例)
【0042】
次に、本実施形態の変形例について説明する。
図5は本実施形態の変形例を示す第1アームの構成を示す部分平面図である。なお、上記実施形態と同様の構成については同符号を付し、説明を省略する。
上記の実施形態では第1突起部は2つの突起にて構成したが、本変形例では図5に示すように、1つの第1突起部38で構成されている。
このように、第1突起部の形状は第2突起部と当接する2つの面が確保されていれば、どのような形状であっても実施が可能である。
【0043】
また、他の変形例として、第1突起部と第2突起部の形状を各アームに対して逆に形成してもよい。
さらに、本実施形態では第1ネジ穴35a、第2ネジ穴35bにネジ止めして、ネジの円形の頭部を突起部として利用したが、ネジ頭部を他の形状に設計して配置することもできる。この場合、第2突起部との当接位置を、ネジ頭部を利用する場合から変更することができ、任意の位置を設定できる。
【0044】
本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の実施の際の具体的な構造および手順は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などに適宜変更することができる。そして、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有するものにより可能である。
【符号の説明】
【0045】
10…水平多関節ロボット、20…基台、21…回転軸、22…減速機、23…出力軸、30…第1アーム、31…軸穴、32…第1突起部、32a,32b…突起、33…端部、35a…第1ネジ穴、35b…第2ネジ穴、36a,36b…ネジ頭部、38…第1突起部、40…第2アーム、41…軸穴、42…第2突起部、45…減速機、46…回転軸、50…上下回転軸、51…ボールスプラインナット、52…ボールネジナット、53…作動軸、54…駆動回路基板、55…アームカバー、56…配線ダクト、60…ロボットコントローラー、A1…第1の回動範囲、A2…第2の回動範囲、C1,C2,C3…軸心、L…電気配線、M1,M2,M3,M4…モーター。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台に回動可能に連結される第1アームと、前記第1アームに回動可能に連結される第2アームと、を有する水平多関節ロボットであって、
前記第1アームに形成され、前記第2アームの回動範囲を規制する第1突起部と、
前記第2アームに形成され、前記第1突起部と当接可能な第2突起部と、
前記第1アームに形成され、前記第2アームが回動する回動軸方向からの平面視で第2突起部の移動軌道上であり、前記第1突起部から離れた位置に形成された第1ネジ穴および第2ネジ穴と、を備え、
前記第1突起部は前記第1アームと一体に形成され、前記第2突起部は前記第2アームと一体に形成されている
ことを特徴とする水平多関節ロボット。
【請求項2】
請求項1に記載の水平多関節ロボットにおいて、
前記第1アームおよび前記第2アームはダイカストで形成されている
ことを特徴とする水平多関節ロボット。
【請求項3】
請求項1または2に記載の水平多関節ロボットにおいて、
前記第2突起部と当接する前記第1突起部の端部は曲面形状である
ことを特徴とする水平多関節ロボット。
【請求項4】
基台に回動可能に連結される第1アームと、前記第1アームに回動可能に連結される第2アームと、を有する水平多関節ロボットであって、
前記第1アームの前記第2アームと対向する第1の面に設けられる第1突起部と、
前記第2アームの前記第1アームと対向する第2の面に設けられる第2突起部と、
前記第1アームの前記第1の面に装填可能な装填部材と、
前記第1アームの前記第1の面に設けられ、前記装填部材と係合する係合部と、を備え、
前記装填部材を前記係合部から外した状態で、前記第2アームが回動すると前記第1突起部と前記第2突起部とが当接することによって、前記第2アームの回動範囲は第1の回動範囲に規制され、
前記装填部材を前記係合部に装填した状態で、前記第2アームが回動すると前記装填部材と前記第2突起部とが当接することによって、前記第2アームの回動範囲は前記第1の回動範囲よりも狭い第2の回動範囲に規制されることを特徴とする水平多関節ロボット。
【請求項5】
請求項4に記載の水平多関節ロボットにおいて、
前記装填部材は2個で対となっており、前記係合部は2箇所に設けられている
ことを特徴とする水平多関節ロボット。
【請求項6】
請求項4または5に記載の水平多関節ロボットにおいて、
前記第1突起部は前記第1アームと一体に形成されており、前記第2突起部は前記第2アームと一体に形成されている
ことを特徴とする水平多関節ロボット。
【請求項7】
請求項4乃至6の何れか一項に記載の水平多関節ロボットにおいて、
前記装填部材はネジであり、前記係合部はネジ穴である
ことを特徴とする水平多関節ロボット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−6241(P2013−6241A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−140632(P2011−140632)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】