説明

水掬い兼用塵取り

【課題】
普段は塵取りとして使用されているものを、ホースを簡便に接続することにより、水掬いとして使用できるようにした、水掬い兼用塵取りを提供する。
【解決手段】
天壁のある塵取りに、その天壁に設けた、柄の角度を変更可能とした、柄取付部材と、前記天壁の掃込み口側の縁を、上向きの、への字に曲げた、上向き天壁と、掃込み口の反対側の端壁にホース接続が可能な排出口を設けた構造とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、天壁のある塵取りに、柄の角度を変更可能として、掃込み口の反対側の端壁にホース接続部を設けた、塵取りに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来塵取りに関しては、数多くのものが提案されているが、例えば特許文献1のように、様々な機能を備えたものが出願されているが、水掬いの機能を有したものではなかった。
一般的に塵取りは塵等を箒などで掃き込むために使用されているが、例えば工場、発電所等で水漏れが発生した時、あるいは雨で工事現場、道路、家の敷地等に水溜りが発生した時などに、水を掬いとる方法として、塵取りとバケツ等が使用されている。しかしバケツでは持ち運びの際に不安定であり、溢れさせることがあり効率も悪い。しかしポリタンクに水等を入れて持ち運ぶことは、安全ではあるがポリタンクに入れるには漏斗等を使用する必要があり効率が悪い。
ポンプを使用して排水するような状況でない時は、応急的に塵取りとバケツなどで排水しているのが現状である。
【0003】
【特許文献1】特開平9−187412
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、塵取りとバケツなどで水を掬い取ることは、バケツなどでは持ち運びの際に不安定で溢れさせることがあり、効率も悪い。しかし応急の際には使用しているのが現状である。ポリタンクに水等を入れて持ち運ぶことは、安全ではあるがポリタンクに入れるには漏斗等を使用する必要があり効率が悪い。例えば工場、発電所、工事現場、道路、家の敷地等に水溜りが発生した時などに、手軽に水を掬い取ることができ、さらに効率的に水を運ぶことができるものが求められている。
本発明は、以上のような状況において、普段は塵取りとして使用されているものを、ホースを簡便に接続することにより、水掬いとして使用できるようにした、水掬い兼用塵取りを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、天壁のある塵取りに、その天壁に設けた、柄の角度を変更可能とした、柄取付部材と、前記天壁の掃込み口側の縁を、上向きの、への字に曲げた、上向き天壁と、掃込み口の反対側の端壁にホース接続が可能な排出口を設けた構造とする。
【0006】
これにより、普段は塵取りとして使用されているものを、ホースを簡便に接続することで、水掬いとして活用することができるようになる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の水掬い兼用塵取りは、以上に説明したように、普段は塵取りとして使用されているものを、ホースを簡便に接続することで、水掬いとして活用することにより、次のような効果が得られる。
【0008】
塵取りにホースを接続することにより、塵取りに取り込まれた水は、本体を揚げることにより、ホースを通して確実にタンクに流し込むことができる。
20リットルのタンクはバケツよりも、多く貯めることができ効率的であり、溢れさせることなく、持ち運ぶことができる。
また持ち運びの際に、タンクが重い場合にはタンク置き台にキャスターを付けて、引き回すこともできる。
【0009】
水を掬う際にスコップのように、溜まり水に対して滑らすように水掬いを行うことができ、効率を上げることができる。このとき上向き天壁があり、盛り上がった水が塵取りの上から溢れることを少なくすることができる。
【0010】
塵取りの底壁に対して、略垂直に立つような形に柄を立て、水溜りに置いて、流れ込みを待つような形で水掬いを行うこともできる。
さらに1メートル程度の深さに溜まった、排水枡等の水を掬い上げることもできる。
【0011】
工場や発電所において、漏水、漏油を掬う際にバケツ等に入れるよりも、ホースを通してポリタンク等に入れて運んだ方が安全であり、効率的である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1〜図3の形状は実施の形態の一例であり、解決手段に記された機能を果たすことができれば、種々の変形は可能である。
【0013】
図1に示すように、本発明の塵取りは天壁2のある塵取りに、その天壁2に設けた、柄8の角度を変更可能とした、柄取付部材4と、前記天壁2の掃込み口12側の縁を、上向きの、への字に曲げた、上向き天壁3と、掃込み口12の反対側の端壁9にホース接続が可能な排出口11を設けた構成となっている。
【0014】
図1に示すように、柄取付部材4は板状の扇形で対向した二枚で形成されているが、掃き込みの際、妨げにならないように、扇形の角度は130度程度の角度が望ましい。また扇形の要の部分に孔を設け、その孔に柄取付軸5を挿入し、この柄取付軸5に柄8を取り付け、回動自在とする。
【0015】
図1に示すように、扇形の円弧の近傍に切欠き7を設け、柄8が回動できるようにして、任意の角度で角度調整固定螺子6を締め付けて固定する。この角度調整固定螺子6は手で回せるように、蝶螺子、化粧ビス等を用いることが望ましい。
【0016】
柄取付部材4の材質は限定されるものではないが、強度を考慮すれば、金属で形成することが推奨される。
【0017】
図1に示すように、上向き天壁3の高さは、当塵取りをスコップのような角度に柄8を固定して使用する際、水を勢いよく、掬うときに天壁2から溢れる水を防げる高さであればよい。しかしデザイン的あるいは強度的に高くしすぎることは好ましくない。
勢いを付けて水を掬うような状況では、左程水嵩がないときであり、水嵩がある場合は勢いを付ける必要もない。
【0018】
ホース接続排出口11の径は、3センチ以上であることが望ましく、2センチ程度では作業性が悪く、効率が低下する。
尚ホースAを接続していないときは、ホース接続排出口11をメクラ蓋で塞ぎ、そのメクラ蓋にホースバンドを付けて置けば、水掬いとして使用する際、ホースAとポリタンクBを準備すれば、即座に水掬いとして使用することができる。
【0019】
尚ポリタンクBとしては市販されている20リットルタンクを使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施例の本体の側面図
【図2】本発明の実施例の本体の正面図
【図3】本発明の実施例の本体の使用状況
【符号の説明】
【0021】
1 本体
2 天壁
3 上向き天壁
4 柄取付部材
5 柄取付軸
6 角度調整固定螺子
7 切欠き
8 柄
9 端壁
10 底壁
11 ホース接続排出口
12 掃込み口
A ホース
B ポリタンク
C タンク置き台キャスター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天壁のある塵取りであって、該天壁に設けた、柄の角度を変更可能とした、柄取付部材と、前記天壁の掃込み口側の縁を、上向きの、への字に曲げた、上向き天壁と、掃込み口の反対側の端壁にホース接続が可能な排出口を設けたことを特徴とする、水掬い兼用塵取り。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−87449(P2006−87449A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−272736(P2004−272736)
【出願日】平成16年9月21日(2004.9.21)
【出願人】(302061026)
【Fターム(参考)】