説明

水栓装置

【課題】
各現場において簡単に各現場に応じた最適なタイミングで吐水を開始できる水栓装置を提供する。
【解決手段】
吐水部と、
放射した電波の反射波によって被検知体に関する情報を取得するセンサ部と、
前記センサ部からの検知信号に基づいて前記吐水部からの吐水を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、被検知体が減速したことを検知すると前記吐水部からの吐水を開始させる第1検知モードと、
被検知体が所定の速度以下であることを検知すると前記吐水部からの吐水を開始させる第2検知モードを有し、
前記第1検知モードと前記第2検知モードを切り替え可能とした
ことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水栓装置に関し、より具体的には、手洗い場やトイレ、キッチンなどに設け
られ、マイクロ波などを利用した電波センサを用いて吐水流の吐水を制御する水栓装置に
関する。
【背景技術】
【0002】
水栓装置に配設されたセンサにより、手やその他洗浄物などの被検知体を検知し吐水を開始させる技術が知られている。例えば、光電センサを吐水口近傍に設置し、吐水部近傍のみを検知エリアにして、吐水部近傍に到達した被検知体からの反射信号を検知して吐水する技術がある(特許文献1を参照)。また、電波センサを受水部や吐水部に設置し、受水部内を広範囲且つ水栓装置周辺までを検知エリアにして、水栓装置に接近した被検知体をドップラー効果を利用して検知し吐水する技術がある(特許文献2を参照)。
【特許文献1】実開昭61−75570号広報
【特許文献2】特開平9−80150号公報
【0003】
特許文献1(実開昭61−75570号広報)に開示された技術によれば、検知エリアを吐水部近傍のみに限定していることから、被検知体が吐水口近傍に到達した後に吐水を開始することができる。
したがって、上記技術によれば、自分が水を出したいタイミングで吐水させることができることから、手洗いだけでなく歯磨きや洗顔行為など、水を使用する行為が多く存在するオフィスやホテル客室、家庭などの手洗い場において、少しだけ水を使いたい場合などにも吐水口近傍に手を到達させれば吐水を開始させることができるため快適に使用できる。
【0004】
また、特許文献2(特開平9−80150号公報)に開示された技術によれば、検知エリアを受水部内の広範囲や水栓装置周辺までに設定していることから、被検知体が吐水口近傍に到達する前に吐水を開始することができる。
したがって、上記技術によれば、早いタイミングで吐水を開始することができることから、お客様に迅速に対応するために素早く手を洗いたいデパートなどの小規模店舗や、電車に急いで乗りたいために素早く手を洗いたい駅舎の手洗い場などにおいては、素早く短時間で手洗い行為などを済ませることができるため快適に使用可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えば、検知エリアを吐水部近傍のみに限定した水栓装置をデパートなどの小規模店舗や駅舎の手洗い場に設置した場合には、使用者は水を早く出したいのに吐水が遅れてしまい不快に感じることがあった。
一方、検知エリアを受水部内の広範囲や水栓装置周辺までに設定した水栓装置をオフィスやホテル客室、家庭に設置した場合には、使用者が水を出したいタイミングよりも早く吐水されると感じる場合があり、驚いたり、無駄な水と感じてしまうことがあった。
このように、各現場の使用状況と吐水するタイミングが一致しない場合があり、使用者が快適に使用できない問題があった。
また、電波センサから放射される電波が被検知体で反射し得られた検知信号の電圧値のみから被検知体を検知しようとした場合、得られる電圧値は被検知体の面積に依存するため、吐水口近傍に接近させる手の向きなどによっては電圧値が変動し、一定の検知エリアが設定できず、吐水が開始されるタイミングが一定とならない問題もあった。
【0006】
本発明はかかる課題の認識に基づいてなされたものであり、検知エリアを切り替えることができ、各現場に応じた最適なタイミングで吐水を開始できる水栓装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明の一態様によれば、
吐水部と、
放射した電波の反射波によって被検知体に関する情報を取得するセンサ部と、
前記センサ部からの検知信号に基づいて前記吐水部からの吐水を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、被検知体が減速したことを検知すると前記吐水部からの吐水を開始させる第1検知モードと、
被検知体が所定の速度以下であることを検知すると前記吐水部からの吐水を開始させる第2検知モードを有し、
前記第1検知モードと前記第2検知モードを切り替え可能とした
ことを特徴とする水栓装置が提供される。
【0008】
また、本発明の一態様によれば、
前記制御部は、前記センサ部から得られる振幅の電圧値が所定の閾値以上か否かによって被検知体の有無を判定するものであって、
前記第1検知モード時には第1の閾値によって披検知体の有無を判定し、
前記第2検知モード時には第2の閾値によって被検知体の有無を判定し、
前記第1の閾値と、前記第2の閾値はそれぞれ異なる値である
ことを特徴とする水栓装置が提供される。
【0009】
また、本発明の一態様によれば、
前記制御部は、前記センサ部からの検知信号に基づいて使用者の特定動作を判定する特定動作判定手段を備え、
前記特定動作判定手段が前記第1検知モードと前記第2検知モードを切替える
ことを特徴とする水栓装置が提供される。
【0010】
また、本発明の一態様によれば、
前記制御部は、前記第1検知モードと前記第2検知モードの切り替え時及び
切り替え確定時から所定時間は吐水部からの吐水を開始させない
ことを特徴とする水栓装置が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、使用者が吐水させるために被検知体を到達地点に停止させようとする際の減速や略静止の動作に応じて、センサ部から得られる速度や速度変化のアルゴリズム、さらにはセンサ部から得られる振幅の電圧値の閾値を切り替えることで明確に検知エリアを切り替え、各現場に応じた最適なタイミングで吐水を開始できる水栓装置を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明にかかる自動水栓装置の実施の形態を図面により詳細に説明する。
(第1の実施例)
【0013】
図1(a)に水栓装置の第1の実施例の概観図を示し、図1(b)に図1(a)の上視図を示し、図1(c)に図1(b)のA視断面図を示す。
【0014】
図1に示す水栓装置10は、吐水流を吐出するための吐水部1及び吐水口100と、吐水部1から吐出される水を受ける受水部2と、受水部2の内部に使用者の手、歯ブラシ、コップ、雑巾等の被検知体が侵入してきたことを検知する電波センサ3と、吐水部1からの吐止水を切替えるバルブ部4と、電波センサ3からの信号に基づいて、バルブ部4のon,offを制御する制御部5とで構成されている。
ここで、電波センサ3は、使用者が受水部2に接近する際に対面する側である前側2aに配設されており、電波ビームは吐水口100近傍に向かって受水部2内全体に放射される。
これにより、使用者の身長などにより、被検知体を吐水口100近傍に到達させようと様々な高さや角度から差し出されても確実に検知できる。
また、電波ビームは吐水部1上方に向けては放射されないように設定することができる。これにより、吐水部1の奥に設置される棚への物取りや鏡の覗き込みなどを誤検知することがない。
さらに、電波センサ3は電波ビームの励振方向が略鉛直方向になるように受水部2に設置することができる。電波センサ3が受水部2の前側2aに設置される場合、吐水させようとする被検知体は電波センサ3の上方から電波センサ3の前方へと向かうため、電波センサ3の励振方向が略鉛直方向であると、被検知体の上下の動きが検知しやすくなるため、検知信号が大きく得られるとともに、受水部2の前側2aに設置された電波センサ3近傍を横切る受水部2の横方向の拭き動作や、水栓装置10の外側近傍を横切る動作などの吐水させようとしない動作で得られる検知信号が小さくなるため、吐水させる被検知体の動作のみを精度良く検知することができる。
【0015】
図2は、電波センサ3を例示するためのブロック図である。
電波センサ3には、アンテナ112、送信部114、受信部116、ミキサ部118が設けられている。送信部114に接続されたアンテナ112からは、高周波、マイクロ波あるいはミリ波などの10kHz〜100GHzの周波数帯の電波が放射される。具体的には、アンテナ112からは、たとえば、10.525GHzの周波数を有する送信波T1が放射される。人体などの被検知体からの反射波または透過波T2は、アンテナ112を経由して受信部116に入力される。ここで、アンテナは、図2(a)に表したように送信側と受信側とを共通としてもよく、または、図2(b)に表したように、送信部114にはアンテナ112aを接続し、受信部116にはアンテナ112bを接続してもよい。
送信波の一部と受信波とは、ミキサ部118にそれぞれ入力されて合成され、たとえばドップラー効果が反映された検知信号が出力される。ミキサ部118から出力された検知信号は制御部5に向けて出力される。
【0016】
次に、制御部5について説明をする。
図3は、制御部5を例示するためのブロック図である。
図3に示すように、制御部5には、フィルタ部210、判定部230、バルブ制御部240、バルブ部4が設けられている。また、フィルタ部210には、フィルタ210aと、フィルタ210bとが設けられている。フィルタ210aは、例えば、所定の周波数帯域の検知信号を通過させるフィルタとすることができる。そして、フィルタ210bはフィルタ210aの周波数帯域よりも高い周波数帯域の検知信号を通過させるフィルタとすることができる。
なお、本実施の形態においては、被検知体の動きに対して得られた検知信号から制御を行うようにしているが、その際100Hz未満の信号を検知することにより識別を行うようにしている。
使用者が通常行う動作、例えば手の挿入や引き抜き、歩行等は100Hz未満の信号となる。そのため、100Hz未満の信号を検知することにより、一般的な人体の動作を判別することが可能となる。また、100Hz以上の高い周波数を検知すると、近傍にある蛍光灯ノイズ(100Hz、120Hz)や、通信機等で使用される通信ノイズ等から得られる検知信号をキャンセルすることが可能となる。
【0017】
ミキサ部118から出力された検知信号は、周波数の低いベースラインに周波数の高い信号が重畳した波形を有する。この高い周波数成分には、ドップラー効果に関する情報が含まれている。そのため、フィルタ部210においてドップラー効果に関する情報を含む高い周波数成分(ドップラー周波数信号)を取り出すようにしている。
【0018】
ここで、人体などの被検知体が移動すると、ドップラー効果によって反射波の波長がシフトする。ドップラー周波数△F(Hz)は、下記の式(1)により表すことができる。

△F=Fs−Fb=2×Fs×v/c …式(1)

但し、Fs:送信周波数(Hz)
Fb:反射周波数(Hz)
v:物体の移動速度(m/s)
c:光速(=300×10m/s)

電波センサ3に対して被検知体が相対的に移動すると、式(1)で表わされるように、その速度vに比例した周波数△Fを含む検知信号が得られる。検知信号は周波数スペクトラムを有し、スペクトラムのピークに対応するピーク周波数と移動体の速度vとの間には相関関係がある。そのため、電波センサ3(ミキサ部118)から出力された検知信号の高い周波数成分をフィルタ210a、フィルタ210bを介することで所定の周波数帯域に分割し、ドップラー周波数△Fを測定するようにすれば、速度vを求めることができる。また、各周波数帯域の移り変わりなどを見れば、速度の変化(減速/加速)を知ることができる。そして、例えば、判定部230において水栓装置を使用するための検知動作を行っていると判定された場合には、バルブ制御部240によりバルブ部4を開放して吐水を行うようにすることもできる。なお、日本においては、人体を検知する目的には10.50〜10.55Hzまたは24.05〜24.25GHzの周波数が使用できる。また、説明の便宜上、検知信号を2つの周波数帯域に分割する場合を例示したが、これに限定されるわけではない。例えば、検知信号を3つ以上の周波数帯域に分割することもできる。周波数帯域の分割数を多くすれば、被検知体の動作状況の解析をさらに詳細に行うことができる。
【0019】
また、フィルタ部210の前段に低い周波数成分を取り除くためのフィルタを設けることもできる。ミキサ部118から出力された検知信号は、周波数の低いベースラインに周波数の高い信号が重畳した波形を有する。そのため、低い周波数成分を取り除くためのフィルタを設けるようにすれば、ドップラー効果に関する情報を含む高い周波数成分(ドップラー周波数信号)のみを取り出すことができる。なお、この際のフィルタリング周波数は、例えば、0.1〜5Hz程度とすることができる。
【0020】
また、被検知体が略静止したことを検知するために、直流成分を含む低い周波数帯域の検知信号を通過させるフィルタをフィルタ部210に設けることもできる。この場合、直流成分を含む低い周波数帯域の検知信号としては、例えば、直流成分(0Hz)と0Hzを越え、10Hz以下の周波数成分とを含む検知信号を例示することができる。ここで、略静止とは、静止状態のみならず静止しようとしている直前の人体の僅かな揺らぎや静止を意識した状態における僅かな動き(本人は静止しているつもりなのに、実際はユラユラと動いている動き)などをも含んだ状態を言う。
【0021】
ここでフィルタはハードウェアまたはソフトウェアにより構成させることができる。フィルタをハードウェアにより構成させたものとしては、例えば抵抗器(R)とキャパシタ(C)を構成要素として備えたものを例示することができる。そして、例えば、センサ部100からの検知信号に対して抵抗器(R)、キャパシタ(C)で構成したハイパスフィルタ、及びローパスフィルタを組み合わせることで、必要な周波数帯を分別及び抽出するフィルタを構成することが可能である。ハードウェアによりフィルタを構成した場合には、安価で簡易的な構成のフィルタを得ることが可能となる。ただし、各電子部品(抵抗器(R)、キャパシタ(C))の抵抗値や容量値のバラツキの影響を受けて設定した周波数に変動を生じるおそれがあるので、より厳密な周波数設定を行う場合、抵抗及びキャパシタの抵抗値や容量値の持つ公差が小さいものを選択するようにすれば、設定した周波数帯域に近い値でフィルタリングを行うことが可能となる。
【0022】
フィルタをソフトウェアにより構成したものとしては、例えばマイクロコンピュータを用いた演算処理によってフィルタリングを行うディジタルフィルタを例示することができる。ディジタルフィルタを用いるようにすれば、フィルタリングする周波数を厳密に設定することができる。そのため、細かい周波数区分を行うことができるので、使用者の動作を的確に判断するのに適しているといえる。ただし、マイクロコンピュータのような演算素子を用いたフィルタリングのため、フィルタの数が多くなると演算時間が長くなる場合もある。この場合、演算時間が長くなると、バルブ部4の開閉時間が遅くなるなどの問題が発生するおそれがある。また、直流(DC)や直流(DC)近傍の周波数に対してフィルタリングを行うことが出来ないなどの問題もある。そのため、ソフトウェアにより演算処理を高速化する場合、フィルタの数を少なくしたり、演算素子の演算速度が速いものを選択したりすれば、演算処理を高速化し、詳細なフィルタリング処理を高速にて行うことが可能となる。
また、ハードウェアまたはソフトウェアにより構成されたフィルタを適宜選択するようにするか、両者を組み合わせることでフィルタ部210を構成するようにしてもよい。
以上のような回路構成により、被検知体を検知することができる。
【0023】
図4は水栓装置10の使用者が吐水させるために被検知体(手や歯ブラシやコップなど)を到達地点(吐水口100近傍)に停止させようとするときの一連動作を示したものである。まず、使用者は被検知体を受水部2の前側2aの上方から受水部2に進入させ、被検知体は電波センサ3の電波ビームに当たり始める(図4(a))。続いて、使用者は被検知体を到達地点(吐水口100近傍)に停止させようと減速させながら接近させる(図4(b))。その後、被検知体は到達地点(吐水口100近傍)に停止する直前に略静止状態となり、最終的に到達地点に揺らいだ状態になる。(図4(c))。
【0024】
図5は、被検知体と到達地点の距離に対する速度または周波数の変化を例示するグラフ図である。使用者が被検知体を到達地点に停止させようとするとき、図4で前述したように使用者は被検知体を到達地点に減速させながら接近させ、最終的に略静止状態にさせる。
このとき、たとえば、図4(a)の状態では、図5における周波数fAが得られる(A地点)。次に、図4(b)の状態では、図5におけるfAよりも小さい周波数fBが得られる(B地点)。さらに、略静止状態となり、到達地点に停止する直前にfBよりも小さい周波数fC(C地点)や、被検知体が停止した瞬間及び停止した後の揺らぎにより、fCよりも小さい周波数fD(D地点)が得られる。
このように、使用者が吐水させるために被検知体を到達地点に到達させようとする動作は、減速して最終的に所定速度以下(略静止状態)になる。上記のような特徴から、使用者が被検知体を到達地点へ差出して吐水させようとする動作を識別することができるとともに、制御部5にて、バルブ部4をonさせるための、検知信号のアルゴリズムに応じて、吐水を開始させるタイミングを制御できる。このとき、電波センサ3から得られる検知信号の周波数は高い側から徐々に低い側にシフトし、停止する直前で略静止状態となり、低周波数(0〜10Hz)程度の検知信号が制御部5に出力される。
【0025】
次に、制御フローを説明する。
制御部5は被検知体の減速を検知したらバルブ部4をonし、吐水口100からの吐水を開始させる第1検知モードと、被検知体が所定速度以下になったらバルブ部4をonし、吐水口100からの吐水を開始させる第2検知モードを備えている。
第1検知モードと第2検知モードについてそれぞれ説明する。
まず、第1検知モードについて説明する。
図6は図5に表した具体例について、周波数帯域毎に検知信号から減速を判断する方法を説明するための模式図である。
制御部5の第1検知モードでは、直流成分を取り除いた高い周波数帯域fBPFHと低い周波数帯域fBPFLのフィルタが設定されている。図4、図5から、被検知体は吐水させる一連動作で減速動作となるため、電波センサ3からは周波数が時間とともに減少する検知信号が得られる。これは、換言すると、時系列的に高い周波数帯域fBPFHから低い周波数帯域fBPFLへ検知信号の振幅の電圧値が順次表れることに対応することとなるため、高い周波数帯域fBPFHにおいてA地点付近における検知信号の振幅の電圧値が得られ、続いて、低い周波数帯域fBPFLにおいてB地点付近における検知信号の振幅の電圧値が順次得られる。
図7は、図6に表した被検知体の減速動作において、高い周波数帯域fBPFHと低い周波数帯域fBPFLで得られる検知信号の振幅の電圧値の時間変化を例示するグラフ図である。
ここでフィルタは、例えば、検知信号を各周波数帯域に対応するデジタル・フィルタを介してフィルタリングすることにより精度良く検知信号を得ることができる。
ここでは、高い周波数帯域fBPFHには20〜30Hz(図7(a))、低い周波数帯域fBPFLには10〜20Hz(図7(b))のそれぞれにおける検知信号の振幅の電圧値を表した。
ここで、高い周波数帯域fBPFHには電圧値の閾値VBPFH1及びVBPFH2が設定されており、低い周波数帯域fBPFLには電圧値の閾値VBPFL1及びVBPFL2が設定されている。
まず、高い周波数帯域fBPFHにおいて、得られる検知信号の電圧値VsがVs>VBPFH1または、Vs<VBPFH2となり、次に低い周波数帯域fBPFLにおいて、VsがVs>VBPFL1または、Vs<VBPFL2となったら減速したと判断し、バルブ部4をonさせることができる。これにより、被検知体が到達地点に到達する前に早いタイミングで吐水を開始させることができる。また、使用者が被検知体を吐水させる以外の動作は到達地点に停止させようとする動作とはならないため減速とはならず、誤検知を防止することができる。
次に、第2検知モードについて説明する。
図8は図5に表した具体例について、周波数帯域毎に検知信号から略静止を判断する方法を説明するための模式図である。
制御部5の第2検知モードでは、直流成分を含む低い周波数帯域fBPFRのフィルタが設定されている。図4、5で説明したように、被検知体は一連動作の最後で略静止状態となるため、被検知体の検知信号の周波数は低い周波数となり、低い周波数帯域fBPFRにおいてC地点あるいはD地点付近における検知信号の振幅の電圧値を得ることができる。
図9は、図8に表した被検知体の略静止状態において低い周波数帯域fBPFRで得られる検知信号の振幅の電圧値の時間変化を例示するグラフ図である。
ここでは、低い周波数帯域fBPFRには0〜10Hzにおける検知信号の振幅の電圧値を表した。
ここで、低い周波数帯域fBPFRには電圧値の閾値VBPFR1及びVBPFR2が設定されている。
低い周波数帯域fBPFRにおいて、得られる検知信号の電圧値VsがVs>VBPFR1または、Vs<VBPFR2となったら略静止状態になったと判断し、バルブ部4をonさせることができる。これにより、被検知体が到達地点に停止する直前または停止した瞬間及び停止した後に吐水を開始させることができることから、使用者が吐水させたい時に被検知体を到達地点に持っていくことで吐水を開始させることができるため、使用者が意図したタイミングで吐水させることができる。
以上のように、制御部5において、第1検知モードと第2検知モードのように、設定する周波数や周波数変化のアルゴリズムを適宜設定することにより、被検知体の一連動作の中で検知するタイミングを変化させることができる。言い換えれば、制御部5に予め第1検知モードと第2検知モードのアルゴリズムを設定しておき、切り替え可能としておくことで、検知エリアが自由に設定でき、吐水のタイミングを制御することができる。また、使用者が被検知体を吐水させる以外の動作は到達地点に停止させようとする動きとはならないことから、略静止の動作とならないため、誤検知を防止することができる。
【0026】
次に、第1検知モードと第2検知モードの切り替え方法について説明する。
ここでは、電波センサ3に対して被検知体が吐水させるための動作とは異なる特定動作をすることによって得られる検知信号を特定動作判別手段で判断したら、第1検知モードと第2検知モードを切り替える。特定動作判別手段による使用者の特定動作の判断方法を幾つか説明する。
まずは、電波センサ3近傍に被検知体をかざしたことを特定動作判別手段で判断し、第1検知モードと第2検知モードを切り替える方法を説明する。
図10は受水部2の前側2aに設置された電波センサ3近傍に手などの被検知体をかざしたときの図である。
また、図11は電波センサ3に手などを所定時間tcかざしたときに電波センサ3から出力される検知信号を示す。
ここでは、被検知体が停止した後の揺らぎを検知できる、直流成分を含む低い周波数帯域のフィルタ0〜5Hzにおける検知信号の振幅の電圧値を表した。制御部5では被検知体を到達地点に差し出す一連動作においては電波センサ3との距離が遠いために現れず、且つ電波センサ3近傍に故意に被検知体をかざしたときには電波センサ3との距離が近いために現れる電圧値Vcsが閾値として設定されている。したがって、吐水させる被検知体の一連動作で誤検知することがない。
また、制御部5は電圧値Vcsの閾値が所定時間tc以上連続して上回らないと特定動作判定手段がバルブ部4をonしないように設定されており、前述した検知信号の直流成分を含んだ低周波成分のフィルタを用いているため、吐水させる以外の動作(受水部2の拭き掃除など)で被検知体が瞬間的に且つ速い動きで電波センサ3の近傍を横切ったとしても、切り替えるための特定動作と誤認識することはない。
したがって、第1検知モードと第2検知モードを確実に切り替えることができる。
【0027】
図12は受水部2の前側2aに設置された電波センサ3近傍に接近させるように手などの被検知体をスナップさせたときの図である。
また、図13は電波センサ3に手などをスナップさせたときに電波センサ3から出力される検知信号を示す。ここでは、特定の周波数帯域のフィルタ通過させない場合の検知信号の振幅の電圧値を表した。
図13の検知信号をもとに特定動作判別手段による使用者のスナップ動作の判断方法を幾つか説明する。
電波センサ3からは被検知体を到達地点に差し出す一連動作では現れず、且つ電波センサ3に故意に被検知体をスナップさせたときの初めに現れる、たとえば60Hz以上の周波数(図8(a)のX箇所)を含む検知信号が得られる。よって、制御部5ではたとえば、直流成分を含まない60Hz以上の高い周波数帯域のフィルタと、電圧値の閾値を設定することで、スナップ動作を判別できる。
また、図14は、電波センサ3が受水部2の前側2aや横側に配置されているとき、電波センサ3に向かうスナップ動作によって検知モードを切り替える別の方法を示した図である。図14のように制御部5に振幅の電圧値の閾値がVss1、Vss2、Vss3(Vss1<Vss2<Vss3)として設定することができる。
電波センサ3に故意に被検知体をスナップさせる動作では、被検知体は電波センサ3に接近していくため、振幅の電圧値の極大値は連続的に増加する。
一方、被検知体を到達地点に差し出す一連動作では、被検知体は電波センサ3に接近していく動きとはならないため、振幅の電圧値は連続的な増加とはならない。よって、検知信号の電圧値の極大値VtがVt>Vss1、Vt>Vss2、Vt>Vss3と順に越えたら、特定動作判別手段はスナップ動作と判断し、第1検知モードと第2検知モードを切り替えることができる。
ここで、第1検知モードと第2検知モードを切り替える方法として、被検知体を電波センサ3近傍に向かってかざす行為とスナップさせる行為を組み合わせて特定動作としてもよい。たとえば、手を所定時間かざしたときに特定動作を判断可能とするスタンバイ動作になり、スタンバイ中にスナップするごとに第1検知モードと第2検知モードを順次切り替えるようにすることもできる。
【0028】
以上のことより、電波センサ3に対して被検知体が特定動作を行うことでのみ現れる特有の検知信号を特定動作判別手段で判断することにより切り替え行為を正確に判断できる。これにより、たとえば、水栓装置10の管理者だけが検知モードの切り替えをしたいが、使用者には切り替えて欲しくない場合などにおいても、管理者のみが切り替えのための特定動作を知っておけば、使用者が通常に使用するときには切り替えられることはなく、管理者が各現場における水栓装置10の使用者の使用状況に応じて現場でも簡単に切り換えることができる。また、被検知体の吐水させる動作と第1検知モードと第2検知モードを切り替える動作を1つのセンサで実現できるため、別途センサやスイッチを設ける必要がなく、簡易な構成で水栓装置を実現できる。
【0029】
また、第1検知モードと第2検知モードの切り替えは特定動作以外でも判断できる。
たとえば、電波センサ3を固定するために受水部2に部材を接続し、部材には電波センサ3の角度を調整できる角度調整手段が設けられている。部材には接触または非接触のスイッチA、Bが設置され、制御部5と信号を伝送するケーブルなどで接続され、設定された電波センサ3の角度に応じて制御部5に第1検知モードまたは第2検知モードを設定する出力信号を出力するように構成される。たとえば、電波ビームが吐水口100に向かうように電波センサ3を設置した場合には、電波センサ3によって部材に取り付けられたスイッチAが反応する。スイッチAが反応したときには、制御部へ第1検知モードに設定するための出力信号が出力され、被検知体の減速を検知したら吐水を開始させる。これにより、電波ビームは使用者の身長などにより、被検知体を吐水口100近傍に到達させようと様々な高さや角度から差し出されても確実到達地点に到達しようとする被検知体を検知できる。
また、電波ビームが吐水口100より20mm程度下方に向かうように電波センサ3を設置した場合には、電波センサ3によって部材に取り付けられたスイッチBが反応する。スイッチBが反応したときには、制御部へ出力信号が送られ第2検知モードに設定され、略静止状態のみを検知可能な所定速度以下を検知して吐水を開始させる。これにより、被検知体が吐水口100に触れそうなくらい極めて近く差出された場合には、そこには電波ビームが放射されていないため、吐水が開始されず、吐水部1から吐出された吐水流が被検知体に当たり、跳ねた水流が吐水部1に大量に付着して汚れることを防止できる。このように、電波センサ3の角度などに応じて第1検知モードと第2検知モードを切り替えるようにすれば、電波ビームの設定と検知モードの切り替えが同時に実行できるだけでなく、施工者が施工時の時点で管理者の依頼通りに設定すればよいので、管理者自身が設定する手間がなくなるとともに簡単に第1検知モードと第2検知モードを切り替えることができる。
【0030】
また、別の切り替え方法として、使用者の目や手が届きにくい場所に機械的な切り替えスイッチを設けることもできる。さらに、切り替えの操作方法を暗号化するなど分かりしにくくしておいたり、ロックをかけておくことで、管理者のみが現場で使用状況に合わせて簡単に第1検知モードと第2検知モードを設定することもできる。
以上のように、様々な第1検知モードと第2検知モードの切り替え方法が実現できるが、上記した方法以外でももちろん構わない。
【0031】
また、制御部5は第1検知モードと第2検知モードの切替時や切り替え確定時から所定時間は吐水部からの吐水を開始させない。これにより、切り替え中に如何なる動作があっても確実に第1検知モードと第2検知モードを切り替えることができる。また、切り替えを確定した瞬間に、切り替えを行った手などの被検知体がセンサ近傍に残っている場合でも誤検知することがなく、確実に第1検知モードと第2検知モードの切り換えを実行することができる。
【0032】
ここで、制御部5は第1検知モードから第2検知モードを切り替えるときに、振幅の電圧値の閾値を高く変更するように設定することができる。これにより、電波センサ3近傍のみを検知エリアに設定でき、電波センサ3近傍に被検知体を略静止させたとき、すなわち、電波センサ3近傍に被検知体をかざしたときのみ吐水を開始させることができる。
図10及び図11のように手をかざしたことを識別することによって、吐水を開始させることができる。
これにより、電波センサ3を非接触スイッチのようにして吐水を開始させることができる。
このとき、電波センサ3が受水部2の前側2aに設置されている場合には、使用者が楽な姿勢で電波センサ3近傍に手をかざすことで吐水を開始させることができる。さらには吐水部1より吐出された吐水流に対して被検知体を差し出せばよいので、吐水口100から吐出される吐水流が真下方向ではなく、受水部2の中心方向に向かって吐水流が吐出されるように設置される場合などには、まず、手をかざして吐水を開始させた後に、吐出された吐水流に対して被検知体を差し出せばよいので、被検知体を吐水口100近傍まで差出すことが困難である車イスの方などでも楽な姿勢で水栓装置10を使用することができる。
【0033】
図15は、電波センサ3の近傍に光などの報知手段110を設置した図である。光を点灯、点滅、色を変更するなど、現状の検知モードの状態や切り替え時を視認できるようにすることで、切り替えを行う管理者、施工者または使用者が検知モードの切り替えを行いやすくすることができる。また切り替え確定時に音を鳴らしたり、接触式のスイッチなどは触っても分かるように形状に凹凸などの工夫を施すことでも現状の制御状態や切り替え中の状態を切り替えを管理者、施工者または使用者に報知することができ、第1検知モードと第2検知モードの切り替えを判断しやすくすることができる。
【0034】
図16に、本発明の水栓装置をキッチン水栓装置で構成した第2の実施例の概観図を示す。
【0035】
キッチン水栓装置30は、吐水口101から吐水流を吐出するための吐水部21と、吐水部21から吐出される吐水流を受ける受水部22と、受水部22の内部に使用者の手や包丁やまな板などの調理器具や、食材などの被洗浄物である被検知体が進入してきたことを検知する電波センサ23と吐水部21からの吐止水を切り替えるバルブ部24と、電波センサ23からの検知信号に基づき、バルブ部24のon、offを制御する制御部25とで構成されている。また、受水部22に隣接するように料理作業台31が備えられている。
ここで、電波センサ23は受水部22の吐水部1や使用者が接近する面以外の側面且つ料理作業台31の下方側に隠蔽された状態で設置されている。
【0036】
制御部25は、被検知体の減速を検知して吐水を開始する第1検知モードと、被検知体が所定速度以下になったこと(略静止)を検知して吐水を開始する第2検知モードを有する。
第1検知モードに設定される場合には、第1実施例と同様、高い周波数帯域と低い周波数帯域のフィルタを用いて、減速を判断しバルブ部4をonし、吐水口101からの吐水を開始させることができる。これにより、被検知体が到達地点に到達する前に吐水口101からの吐水を開始することができるため、早いタイミングで吐水が開始される。
したがって、たとえば料理作業台31側から、食材を切っている途中で包丁の汚れを素早く水で洗い流したいときなどに快適に使用できる。また、減速を検知して吐水を開始するようにすることで、受水部22を手が一瞬横切ったり、キッチン水栓装置30の周辺を横切るなどの通過する動きは減速する動作とはならないため、誤検知を防ぐことができる。
【0037】
また、第2検知モードに設定される場合にも、第1実施例と同様、低い周波数帯域の検知信号を通過させるフィルタを用いて、略静止状態を判断し、バルブ部24をonし、吐水口21からの吐水を開始させることができる。これにより、使用者が水を出したいときには吐水口21近傍に被検知体を略静止させることで、自分の欲しいタイミングで吐水口21からの吐水を開始させることができる。
さらに、第1検知モードからの切り替え時に振幅の電圧値の閾値が高く設定することができる。これにより、電波センサ23近傍に被検知体をかざしたときのみ吐水が開始されるように設定することができる。したがって、様々なキッチン道具をシンク内に置いたり、シンク内から取り上げるときの行為などでは誤検知せず、電波センサ23近傍に被検知体を略静止させたとき、即ち、水を出したいタイミングで吐水を開始させることができるため快適に使用できる。
【0038】
第1検知モードと第2検知モードを切り替える方法についても、第1実施例と同様、電波センサ23に対して手をかざしたり、手をスナップさせる特定動作を特定動作検出手段にて検知して切り替える方法や、電波センサ23の設置位置や角度により切り替える方法や機械的なスイッチで切り換える方法など、様々な方法により、検知モードを切り替えることができる。
【0039】
また、第1実施例と同様、電波センサ23の近傍に光、音、形状などの報知手段26を設けることができる。これにより、現状の検知モードや切り替え時の状態を管理者、施工者または使用者に報知することができ、検知モードの切り替えを行いやすくすることができる。
【0040】
以上のように、電波センサ23を受水部22の横側に設置した場合に、使用者が吐水させるために被検知体を到達地点に停止させようとする減速や略静止の動作に応じた速度や速度変化のアルゴリズム、または速度や速度変化のアルゴリズムと閾値の切り替えにより、明確に検知エリアを切り替えることができ、使用方法に応じた最適なタイミングで吐水を開始できる。
【0041】
以上のように、本発明によれば、使用者が吐水させるために被検知体を到達地点に停止させようとする際の減速や略静止の動作に応じて、センサ部から得られる速度や速度変化のアルゴリズム、さらにはセンサ部から得られる振幅の電圧値の閾値を切り替えることで明確に検知エリアを切り替え、各現場において簡単に各現場に応じた最適なタイミングで吐水を開始できる水栓装置が提供できる。
【0042】
以上、本発明の実施の形態について例示をした。しかし、本発明はこれらの記述に限定
されるものではない。
前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備
えている限り、本発明の範囲に包含される。
例えば、水栓装置10などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置、数などは、例示し
たものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、フィルタの数、周波
数帯域、接続形態なども例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができ
る。また、バルブ制御部240には、分別された検知信号に基づいて吐水部からの吐水の可否を判定する部分と、バルブ部4や24の開閉を制御する部分とが一体に設けられていてもよいし、両部分が別々に設けられていてもよい。例えば、1個のCPUで吐水の可否の判定とバルブ部4や24の開閉制御を行ってもよいし、複数のCPUを設けて吐水の可否の判定とバルブ部4や24の開閉制御を別のCPUで行ってもよい。また、前述した各実施の形態が備える各要素は、可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】水栓装置の第1の実施例の概観図である。
【図2】電波センサを例示するためのブロック図である。
【図3】制御部を例示するためのブロック図である。
【図4】水栓装置の使用者が吐水させるために被検知体を到達地点に停止させようとするときの一連動作を示した図である。
【図5】被検知体と到達地点の距離に対する速度または周波数の変化を例示するグラフ図である。
【図6】周波数帯域毎に検知信号から減速を判断する方法を説明するための模式図である。
【図7】被検知体の減速動作において、高い周波数帯域と低い周波数帯域で得られる検知信号の振幅の電圧値の時間変化を例示するグラフ図である。
【図8】周波数帯域毎に検知信号から略静止を判断する方法を説明するための模式図である。
【図9】被検知体の略静止状態において低い周波数帯域で得られる検知信号の振幅の電圧値の時間変化を例示するグラフ図である。
【図10】受水部の前側に設置された電波センサ近傍に手などの被検知体をかざしたときの図である。
【図11】電波センサに手などを所定時間かざしたときに電波センサから出力される検知信号を示す図である。
【図12】受水部の前側に設置された電波センサ近傍に接近させるように手などの被検知体をスナップさせたときの図である。
【図13】電波センサに手などをスナップさせたときに電波センサから出力される検知信号を示す図である。
【図14】電波センサが受水部の前側や横側に配置されているとき、電波センサに向かうスナップ動作によって検知モードを切り替える別の方法を示した図である。
【図15】電波センサの近傍に光などの報知手段を設置した図である。
【図16】本発明の水栓装置をキッチン水栓装置で構成した第2の実施例の概観図である。
【符号の説明】
【0044】
1 21 吐水部
2 22 受水部
3 23 電波センサ
4 24 バルブ部
5 25 制御部
30 キッチン水栓装置
31 料理作業台
100 101 吐水口
112 アンテナ
114 送信部
116 受信部
118 ミキサ部
210 フィルタ部
230 判定部
240 バルブ制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吐水部と、
放射した電波の反射波によって被検知体に関する情報を取得するセンサ部と、
前記センサ部からの検知信号に基づいて前記吐水部からの吐水を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、被検知体が減速したことを検知すると前記吐水部からの吐水を開始させる第1検知モードと、
被検知体が所定の速度以下であることを検知すると前記吐水部からの吐水を開始させる第2検知モードを有し、
前記第1検知モードと前記第2検知モードを切り替え可能とした
ことを特徴とする水栓装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記センサ部から得られる振幅の電圧値が所定の閾値以上か否かによって被検知体の有無を判定するものであって、
前記第1検知モード時には第1の閾値によって披検知体の有無を判定し、
前記第2検知モード時には第2の閾値によって被検知体の有無を判定し、
前記第1の閾値と、前記第2の閾値はそれぞれ異なる値であることを特徴とする
請求項1記載の水栓装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記センサ部からの検知信号に基づいて使用者の特定動作を判定する特定動作判定手段を備え、
前記特定動作判定手段が前記第1検知モードと前記第2検知モードを切替える
ことを特徴とする請求項1乃至2記載の水栓装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1検知モードと前記第2検知モードの切り替え時及び
切り替え確定時から所定時間は吐水部からの吐水を開始させない
ことを特徴とする請求項1乃至3記載の水栓装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−138582(P2010−138582A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−314848(P2008−314848)
【出願日】平成20年12月10日(2008.12.10)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】