説明

水栓装置

【課題】被検知体の動作変化の順序から動作状態を判定し、誤検知を低減し、最適なタイミングで吐水を行う水栓装置を提供する。
【解決手段】吐水部と、吐水部へ通じる水路を開閉し、吐止水を切り替えるバルブと、放射した電波の反射波で被検知体情報を得るセンサ部と、センサ部からの検知信号の交流成分を所定の周波数帯域に分別する周波数分別部と、分別された検知信号に基づき吐水部からの吐水可否を判定し、バルブ開閉を制御するバルブ制御部と、を備えた水栓装置であって、周波数分別部は、第1の周波数帯域を有する第1のフィルタと、第1のフィルタよりも高い周波数帯域を有するフィルタが少なくとも1つ以上設けられたフィルタ部と、を有し、バルブ制御部は、第1のフィルタを通過した検知信号に基づいて、被検知体検知後に、フィルタ部通過の検知信号に基づき被検知体が検知されなかった場合に、吐水部から吐水を行う判定をし、バルブ開放する水栓装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水栓装置に関し、より具体的には、手洗い場やトイレ、キッチンなどに設け
られ、マイクロ波などを利用した電波センサを用いて吐水流の吐水を制御する水栓装置に
関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ波などの送信波が被検知体に当たると反射波を生じる。この反射波を受信する
ことにより人体などの被検知体を検知することができるので、これを検知手段として水栓
装置の吐水の自動制御に使用する技術が知られている。
例えば、人体を検知して吐水を自動制御する装置としては、人体や金属物などを被検知
体として、その被検知体からの反射電波の強度をもとに被検知体の有無を検知し、被検知
体を検知した場合には吐水を行う装置が知られている。
ここで、電波のドップラー効果を利用して動体を検知し、外部機器の制御を行う技術が
提案されている(特許文献1を参照)。
また、送信波と受信波の干渉により生じる定在波を検波して得られた検波信号に基づい
て静止した人体の検知を行う技術が提案されている(特許文献2を参照)。すなわち、定在波を検波することで直流成分からなる検波信号を取り出して、これに基づいて静止した人体の検知を行う技術が提案されている。
【特許文献1】特開2007−71658号公報
【特許文献2】特開2004−283467号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に開示された技術によれば、水栓装置に対して接近してくる手の動きや水栓装置近傍における手の動きを検知することができる。しかしながら、手の接近のみを検知する方法では、手が到達地点に停止しようとする遅い動作となる前の、水栓装置近傍で行われ、且つ水栓装置を使用しない動きに対しても吐水を行ってしまうおそれがある。
【0004】
また、特許文献2に開示された技術によれば、静止した物体の状態を検知することができる。しかしながら、定在波を用いて物体の状態を検知しているため、静止物の検知も可能であるが、距離に応じて振幅が周期的に変動することになる。そのため、センサ部の近傍にある物体においても小さな検知信号しか得ることが出来ない場合もあり、誤検知を生じるおそれがあった。更に、定在波は直流成分の検知信号により形成されるため、時間的な振幅変動を有する交流信号の除去を行い検知信号を得るようにしている。そのため、ローパスフィルタや信号処理によって高い周波数帯の信号が除去されてしまうので、速い動きに対しての検知信号の出力が困難となる。その結果、物体の接近や離遠に対しての判断を行うことが困難となる。すなわち、静止物のみしか検知できないため、水栓装置近傍に置かれた物体と、手の識別が困難である。特に、静止する前後の動作を検知することができないので、検知された物体が何かを判断することが非常に困難となる。更に、接近後の静止しか検知できないため検知確認までに時間を要し、タイムリーな吐水を行うことが困難であった。
【0005】
本発明は、被検知体の動作変化を停止直前の動作を含む2つ以上の異なる状態に分別し、その状態間の時系列的な変化から被検知体とその動作状態を判定し、最適なタイミングで吐水を行うことができる水栓装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、吐水部と、前記吐水部へ通じる水路を開閉し、吐水部からの吐止水を切り替えるバルブと、放射した電波の反射波によって被検知体に関する情報を取得するセンサ部と、前記センサ部からの検知信号の交流成分を所定の周波数帯域に分別する周波数分別部と、前記分別された検知信号に基づいて前記吐水部からの吐水の可否を判定し、前記バルブの開閉を制御するバルブ制御部と、を備えた水栓装置であって、
前記周波数分別部は、第1の周波数帯域を有する第1のフィルタと、
前記第1のフィルタよりも高い周波数帯域を有するフィルタが少なくとも1つ以上設けられたフィルタ部と、
を有し、
前記バルブ制御部は、前記第1のフィルタを通過した検知信号に基づいて、被検知体を検知した後に、前記フィルタ部を通過した検知信号に基づいて被検知体が検知されなかった場合には、前記吐水部からの吐水を行う判定をし、前記バルブを開放することを特徴とする水栓装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、被検知体の動作変化の順序から被検知体とその動作状態を判定するこ
とによって、誤検知を低減し、さらに最適なタイミングで吐水を行うことができる水栓装
置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について例示をする。なお、各図面中、
同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施の形態に係る水栓装置を例示するための模式斜視図である。
また、図2は、水栓装置の構成を表すためのブロック図である。
図1、図2に示すように水栓装置1は、センサ部100と、制御部200と、バルブ2
50と、吐水部30と、を備えている。センサ部100は、マイクロ波あるいはミリ波な
どの高周波の電波を放射(送信)し、放射した電波の被検知体からの反射波を受信して、
被検知体の有無を検知し、その検知信号を出力する電波センサである。
【0009】
制御部200は、周波数分別部210、バルブ制御部240を有している。
制御部200は、後に詳述するように、センサ部100からケーブル150を通して出
力された検知信号を所定の周波数帯域に分別し、分別された検知信号に基づいて吐水部3
0からの吐水の可否を判定し、バルブ250の開閉を制御する。
吐水部30とバルブ250とは、配水管10によって接続されている。バルブ250は
、吐水部30への水路を開閉する。すなわち、バルブ250が開放されている場合には、
水は配水管10の内部を通り、吐水部30が有する吐水口32から吐水される。一方、バ
ルブ250が閉止されている場合には、水が吐水口32から吐水されることはない。なお
、本願明細書において「水」という場合には、「湯」や「温水」を含むものとする。また
、配水管10の経路上に湯を生成する給湯器等を設置した場合においては、制御部200
から送信されるバルブ250を駆動するための信号に基づいて給湯器等を駆動することに
より、適温の湯を供給することも可能となる。
【0010】
吐水口32の下方には吐水される水を受けるための受水部40が設けられている。受水
部40は、吐水流34が着水する受水面41を有する。また、受水部40は、受水面41
の周囲に設けられた左側面42と、後面43と、右側面44と、前面45と、をさらに有
する(以下、左側面42と、後面43と、右側面44と、前面45と、の少なくともいず
れかを「側面」とも言う)。なお、受水面41と、左側面42、後面43、右側面44、
前面45などと、の境界は必ずしも明瞭である必要はない。例えば、受水面41と前面4
5との間が連続的な曲面により形成されていてもよい。また、受水面41と側面とは垂直
の関係では無く、受水面41と側面とが識別可能な角度又は形状で形成されていてもよい
。特に洗面器等においては、大部分が曲面で形成されているため、側面の識別が困難であ
るが、そのような形状の場合には、受水面41と異なる角度で形成され、且つ直接吐水を
受けることが無い面を側面とすることができる。更に、受水面41は、水平面で形成され
るものに限定されず、傾きを持って形成されたものでもよい。また側面はすべて深さ方向
に対して同じ長さを有することなく、受水面41及び受水部40全体の形状に応じて変化
してもよい。吐水口32から吐水された吐水流34は、矢印(流れ方向)302のように
受水面41に対して斜め方向に着水する。但し、これだけに限られるわけではなく、例え
ば、受水面41に対して略垂直方向に着水してもよい。
【0011】
センサ部100は、受水部40の左側面42の裏側に設けられている。このセンサ部1
00は、マイクロ波あるいはミリ波などの高周波の電波を放射(送信)し、放射した電波
の被検知体からの反射波を受信して、被検知体に関する情報(被検知体の有無や状態)を
検知し、その検知信号を出力する電波センサである。
【0012】
また、センサ部100は左側面42の裏側に設けられているため、センサ部100から
の電波が放射されやすいように、受水部40の材質は、例えば樹脂や陶器などのように、
比誘電率が低い材質(例えば、εr=2〜6近傍)であることが好ましい。ただし、受水
部の材質が金属であっても、少なくともセンサ部100の前面を覆う部分に非誘電率の低
い材料である樹脂や陶器などからなる図示しない窓部などを設けるようにしてもよい。
【0013】
また、本実施の形態においては、センサ部100を左側面42に設ける場合を例示した
が、これに限定されるわけではない。例えば、センサ部100を吐水部30が設けられた
側の側面以外の側面(左側面42、右側面44、前面45)に設けるようにすることがで
きる。
【0014】
例えば、吐水部30と対峙する前面45の裏側にセンサ部100を設けるようにすることができる。特に、吐水部30と対峙する一方向のみから使用される洗面器のようなものの場合には、吐水部30と対峙する側にセンサ部100を設けるようにすることが好ましい。
吐水部30と対峙する側面(前面45)にセンサ部100を設けるようにすれば、水栓装置1の使用者側の外側における吐水動作以外の動作(身体の接近など)を誤検知することなく、吐水動作である吐水部30に差し出される手(被検知体)を判断することができる。
センサ部100が前面45に設置されることで、手が吐水装置1内に入った際にすぐ吐水を開始させることができるので、従来よりも早いタイミングで吐水を開始させることが可能となる。その結果、吐水部30から吐水される吐水流34に対して手を差し出せばよいので迷わずに洗浄を行うことも可能となる。
【0015】
また、センサ部100の近傍にのみ検知範囲を設けることで、吐水部30と対峙する側面近傍に手をかざすことにより手の停止直前の状態を検知することが可能となる。一方、検知範囲を側面近傍に設けることで、自ら意図として手をかざさなければ吐水しないため、吐水したくない動作(吐水装置1内に物を落として拾う動作など)で誤吐水することなく安心して使用できる。
【0016】
また、センサ部100を駆動する電源のON/OFFを切り替え可能な図示しない切替
部(例えばスイッチなど)を設けることができる。そのようにすれば、センサ部100を
設置している受水部40の掃除をする場合などにおいて、上記切替部によりセンサ部10
0をOFF状態にして吐水が行われないように設定することができる。その結果、受水部
40の掃除をする場合などにセンサ部100の検知範囲内に手が進入した場合でも、誤検
知による吐水を防ぐことが可能となる。なお、切替部の設置に関しては、受水部40近傍
で、使用者が操作しやすい部分に設置することが望ましい。例えば、受水部40を使用す
る際に使用者が立つ場所の近傍などに設置することができる。また、切替部はセンサ部1
00のON/OFFの切替に用いられるため、頻繁に使用されることが無い。また、OF
F状態に操作された場合にはセンサ部100が駆動することがない。そのため、受水部4
0の表面に露出させず、隠蔽できるように設置することが望ましい。例えば、開閉可能な
収納部などに切替部を設けることができる。
【0017】
なお、後述するように、被検知体の動作変化(減速や停止直前)の順序に関する情報に基づいて吐水開始の判定を行っているため、水栓装置1の近傍における動作(単に手などの被検知体が横切る等)が行われた場合においても、誤検知をすることなく確実な検知及び吐水を行うことができる。
【0018】
また、吐水部30と対峙する側面以外の側面である左側面42または右側面44の裏側
にセンサ部100を設けるようにすることができる。このような構成は、特にキッチンの
ように吐水部30と対峙する側面以外の方向から水栓装置1を使用する場合に適している。
【0019】
吐水部30と対峙する側面以外の左側面42または右側面44にセンサ部100を設け
るようにすれば、例えば左側面42または右側面44の側から水栓装置1を使用する場合
においては、立ち位置から吐水部30までの手の動線上に検知範囲が設けられることにな
る。そのため、吐水操作を行うためだけに手を動かす必要がなくなり、動線上における手
の移動だけで吐水をさせることが可能となる。
また、吐水部30と対峙する位置から水栓装置1を使用する場合においても、対峙する
側面(前面45)側から左右方向の側面(左側面42、右側面44)に設けられたセンサ
部100を目視又は認識することが容易となる。また、光電センサのように検知位置が不
明確となり吐水操作を行うための検知位置が何処にあるのかを迷うということも低減させ
ることができる。
【0020】
また、検知範囲に手(被検知体)が入ったことを報知手段によって使用者に知らせるこ
とで、五感による識別ができるようにすることもできる。そのようにすれば、吐水操作を
行うための検知位置が何処にあるのかを明確にすることができるので、操作のための動作
を更に容易にすることができる。報知手段としては、例えば、光の点灯/消灯による報知
や、音声による報知等を行うものを例示することができる。報知手段は、水栓装置の設置
環境に応じて適宜選択することが望ましい。例えば、公共施設等に設置された水栓装置に
おいては、周囲の雑音が大きいため音声では認識できない。このような場合においては、
光の点灯/消灯による報知とすることで、使用者に対して確実な報知を行うことが可能と
なる。
【0021】
図3は、センサ部100を例示するためのブロック図である。
センサ部100には、アンテナ112、送信部114、受信部116、ミキサ部118
が設けられている。送信部114に接続されたアンテナ112からは、高周波、マイクロ
波あるはミリ波などの10kHz〜100GHzの周波数帯の電波が放射される。具体的
には、アンテナ112からは、例えば10.525GHzの周波数を有する送信波T1が
放射される。人体などの被検知体からの反射波または透過波T2は、アンテナ112を経
由して受信部116に入力される。ここで、アンテナは、図3(a)に表したように送信
側と受信側とを共通としてもよく、または、図3(b)に表したように、送信部114に
はアンテナ112aを接続し、受信部116にはアンテナ112bを接続してもよい。
送信波の一部と受信波とは、ミキサ部118にそれぞれ入力されて合成され、例えばド
ップラー効果が反映された検知信号(反射信号)が出力される。ミキサ部118から出力
された検知信号は、制御部200に向けて出力される。
【0022】
また、図1、図2に示すように、制御部200には、センサ部100からの検知信号を所定の周波数帯域に分別する周波数分別部210、周波数帯域に分別された検知信号に基づいて吐水部からの吐水の可否を判定し、バルブ250の開閉を制御するバルブ制御部24
0が設けられている。ここで、制御部200についてさらに説明をする。
【0023】
図4は、第1の具体例に係る制御部を例示するためのブロック図である。
図4に示すように、制御部201には、フィルタ211、第1のフィルタ212、フィルタ部213、バルブ制御部241が設けられている。センサ部100に設けられているミキサ部118から出力された検知信号は、まずフィルタ211において直流成分が取り除かれる。この際のフィルタリング周波数は、例えば人体の動きを検知し、それ以外の外乱を低減させるという目的より、例えば0.1Hzから100Hz未満とすることができる。
【0024】
ここで、ミキサ部118から出力された検知信号は、ある一定の電圧または周波数の低
いベースラインに周波数の高い信号が重畳した波形を有する。この高周波数成分には、ド
ップラー効果に関する情報が含まれている。そのため、フィルタ211において直流成分を取り除くことでドップラー効果に関する情報を含むドップラー周波数信号のみを取り出すようにしている。
【0025】
ここで、人体などの被検知体が移動すると、ドップラー効果によって反射波の波長がシ
フトする。ドップラー周波数ΔF(Hz)は、下記の式(1)により表すことができる。
ΔF=Fs−Fb=2×Fs×v/c ・・・式(1)
但し、Fs:送信周波数(Hz)
Fb:反射周波数(Hz)
v:物体の移動速度(m/s)
c:光速(=300×106m/s)
センサ部100に対して被検知体が相対的に移動すると、式(1)で表されるように、
その速度vに比例した周波数ΔFを含む検知信号が得られる。検知信号は周波数スペクト
ラムを有し、スペクトラムのピークに対応するピーク周波数と移動体の速度vとの間には
相関関係がある。そのため、フィルタ211を介することで取り出されたドップラー周波数ΔFを測定するようにすれば、速度vを求めることができる。また、第1のフィルタ212、フィルタ部213を有する周波数分別部209を介することでさらに所定の周波数帯域に分割し、各周波数帯域の移り変わりを見れば速度の変化(減速/加速)を知ることができる。そして、例えば、バルブ制御部241により減速していることが確認された場合には、バルブ250を開放して吐水を行うようにすることができる。なお、日本においては、人体を検知する目的には10.50〜10.55GHzまたは24.05〜24.25GHzの周波数が使用できる。
【0026】
このような制御部201によれば、特許文献1に開示された技術のように、水栓装置に
対して接近してくる手の動きや水栓装置近傍における手の動きを検知することができる。
しかしながら、接近しているときと、到達地点に停止しようとする動作を確実に識別しなければ、あらゆる手の接近動作を検知してしまうため、例えば、水栓近傍に物を置く、または水栓近傍にある物を取るような水栓装置近傍で行われる、吐水動作ではない動きに対しても吐水を行ってしまうおそれがある。
【0027】
一般的に、水栓装置1を使用する場合、被検知体は到達地点に向かって徐々に減速しながら接近し最終的に停止する動きを行うため、時間が経過するに従って高い周波数から低い周波数の検知信号が検知される。また、低い周波数が検知されるときにはすでに停止する直前であるため、直後に高い周波数は検知されないことになる。よって、図4において、第1のフィルタ212の周波数帯域は、水栓装置1を通過する動きなどでは現れにくく、到達地点に停止しようする停止直前の手などの動きのみを検知することができる低周波数帯域に設定する(第1の周波数帯域)。例えば、設定する第1の周波数帯域の最小値は限りなく0Hz近傍(本明細書では0.1Hz)とし、最大値は10Hz程度とする。また、フィルタ部213には第1の周波数帯域より高い周波数帯域を設定する。これにより、第1のフィルタ212を通過した検知信号に基づいて到達地点に停止直前である手などを検知した直後に、フィルタ部213における検知がない場合には、手などが到達地点に停止する直前であると判断できる。対して、吐水動作以外の動作(単に手などの被検知体が横切る等)は、速度が速く第1のフィルタ212で検知されない、または、停止する動作ではないため第1のフィルタ212で検知直後にフィルタ部213で検知されることから、吐水動作以外と到達地点に停止直前の動作を識別することができる。
【0028】
本実施の形態によれば、センサ部100に設けられているミキサ部118から出力され
た検知信号を分割して、第1のフィルタ212を通過した信号と、フィルタ部213を通過した信号と、に基づいて吐水部30からの吐水の可否を判定するようにしており、、被検知体の動作変化の順序から被検知体が停止直前であるか否かを判定するようにしている。そのため、被検知体とその動作状態の詳細を把握することができ、誤検知を防止することが可能となる。例えば、フィルタ部213を通過した信号から被検知体が加速している状態が検知された場合には、水栓装置1の吐水操作を行うための動作ではないと判断することができるので、誤検知を防止することができる。そして、吐水を禁止することによって、誤検知による吐水を防止することができる。
【0029】
また、被検知体とその動作状態を正確に把握することができるので、迅速な判定をする
ことができ、最適なタイミングで吐水を行うことができるようになる。例えば、後述するように、フィルタ部213を通過した信号を検知した後に第1のフィルタ212を通過した信号を検知したことに基づいて被検知体が減速している状態が検知でき、さらに続いてフィルタ部213を通過した信号が検知されないことに基づいて被検知体が停止直前となった状態が検知された場合には、水栓装置1の吐水操作を行うための動作と判断することができる。減速の判断を入れることにより、バルブ制御部240により直ちにバルブ250を開放してタイムリーなタイミングで吐水を行うことができる。
【0030】
尚、本実施の形態においては、検知信号を2つに分割する場合を例示したが、これに限
定されるわけではない。例えば、後述するように検知信号を3つ以上に分割して、高い周
波数の検知信号の分割数を複数にすることもできる(図8〜図10を参照)。そのように
すれば、被検知体の動作状態の解析をさらに詳細に行うことができる。
【0031】
また、本実施の形態において、被検知体の停止直前を検知するための第1の周波数帯域を有する第1のフィルタ212と、第1の周波数帯域よりも高い周波数帯域を有するフィルタ部213とを例示したがこれに限定されるわけではない。第1の周波数帯域よりも高い周波数帯域は、第1の周波数帯域の最小周波数よりも高い周波数を最小周波数とし、第1の周波数帯域の最大周波数よりも高い周波数を最大周波数とする周波数帯域とすることもできる。すなわち、各周波数帯域に重複する範囲があってもよい。
【0032】
次に、バルブ制御部240における判定についてさらに詳細に例示をする。
図5、図6、図7は、バルブ制御部における判定方法を例示するための模式グラフ図である。なお、図5(a)、図6(a)、図7(a)は、第1のフィルタ212を通過する検知信号の様子を表したものであり、図5(b)、図6(b)、図7(b)は、フィルタ部213を通過する検知信号の様子を表したものである。なお、各図とも縦軸は電圧を表し、横軸は時間を表している。
【0033】
バルブ制御部240における判定においては、第1のフィルタ212とフィルタ部213でそれぞれ設定された検知条件が満たされた順序を考慮することで、被検知体の動作状態の詳細を正確に把握するようにしている。例えば、図5(a)の振幅値Aのように、まず第1のフィルタ212を通過する検知信号が検知された直後に、図5(b)の振幅値Bのようなフィルタ部213を通過する検知信号が検知されない場合には、被検知体が到達地点に停止直前であると判定し、バルブ制御部240によりバルブ250を開放して吐水を行うようにしている。
【0034】
これに対して、図5(a)の振幅値Aのように、まず第1のフィルタ212を通過する検知信号が検知された直後に、図5(b)の振幅値Bのようなフィルタ部213を通過する検知信号が検知される場合には、被検知体が吐水装置1を横切った、あるいは止水した直後に使用者の手が検知範囲内で静止している状態から手を使用者側へ戻した動作など、吐水動作ではないと判定し、バルブ制御部240によりバルブ250を開放せず吐水を行わないようにしている。これにより誤検知を防ぐことができる。
【0035】
このような状況においては、使用者は吐水がされることを認識していないため、吐水が
行われると使用者の袖口などを濡らしてしまう等の不具合が発生するおそれがある。しか
しながら、バルブ制御部240における判定においては、検知信号が検知される順序から
被検知体の動作状態(動作の軌跡)をも正確に把握することができる。そのため、このよ
うな意図しない吐水が行われることもなく、また迅速で正確な判定を行うことができるの
で最適なタイミングで吐水を行うことができる。
【0036】
第1のフィルタ212やフィルタ部213それぞれにおいて検知する条件は、例えば、図5(a)中の検知条件1、検知条件2のように基準値をもとに上下に設定した所定の電圧値に対して検知信号の振幅値が達したかどうかで決定することができる。
【0037】
ここで、検知信号の振幅値である電圧値の時間の経過から、さらに精度良く吐水動作のみを判定することができる。例えば、水栓装置1の吐水操作を行うために、手などの被検知体がセンサ部100に対して近づいてくる場合には、図5(a)の振幅値Aのように振幅値である電圧値が時間の経過に対して増大することになる。逆に、被検知体がセンサ部100から遠ざかる場合には、図6(a)の振幅値Cのように振幅値である電圧値が時間の経過に対して減少することになる。よって、停止直前の状態に加え、接近や離遠の状態も検知することによって、より精度良く吐水動作と吐水動作以外の動作が判定可能となる。例えば、吐水動作がセンサ部100に対して近づいてくるような位置関係にセンサ部100が設置される場合(図1、2において後面43に設置され吐水部30に被検知体が差し出された吐水動作を判定するときや、後面43、左側面42、右側面44、または前面45に設置され、センサ部100近傍に手をかざして吐水動作を判定するときなど)には電圧値が増加していくため、接近を吐水動作の判定条件に加えることができる。また、吐水動作がセンサ部100に対して離れていくような位置関係にセンサ部100が設置される場合(図1、2において前面45に設置され吐水部30に被検知体が差し出された吐水動作を判定するときなど)には電圧値が減少していくため、離遠を吐水動作の判定条件に加えることができる。
【0038】
さらに、判定条件の順序を増やすことで、より精度良く吐水動作のみを判定することができる。例えば、第1のフィルタ212を通過する検知信号で検知する直前に、フィルタ213部において図7(b)の振幅値Fのような検知信号が検知された場合には、振幅値Fが検知された直後に図7(a)の振幅値Eが検知されたことに基づいて、被検知体の減速を検知することができる。吐水動作はセンサ部100の設置位置によらず減速動作となるため、図7(a)の振幅値Eと図7(b)の振幅値Gを順次に検知することで、停止直前を検知することに加え、その前に減速状態も検知することにより、吐水装置1の横切りなどを誤検知することがなくなるため、より精度良く吐水動作と吐水動作以外の動作が判定可能となる。
【0039】
次に、バルブ制御部240における判定要素についてさらに詳述する。
バルブ制御部240における判定要素としては、例えば、センサ部100から出力され
た検知信号をフィルタリングした信号の振幅値、周波数値、時間などを例示することがで
きる。
【0040】
波形の振幅値を用いた判定においては、被検知体との距離を知ることができる。図5、図6、図7に示したように、被検知体を検知したい範囲に対して所定の閾値(例えば前述の検知条件1〜14など)を設定して判断を行うようにすることができる。振幅値は、距離に依存するパラメータであるため検知範囲に直接反映することができる。そのため、所望の検知範囲に対して閾値を設定することが容易である。また、図5、図6、図7に例示をした場合においては、閾値を基準値に対して高い側/低い側に設定(上下限の設定)しているが、どちらか一方とすることができる。例えば、所定の信号処理(例えば半波整流、全波整流)を行うことによって、1つの閾値に対して判定を行うことが可能となる。
【0041】
また、閾値を3つ以上設けることも可能である。設定する閾値の数を増やすようにすれ
ば、振幅値が閾値を順に超えて行くことを検知することができる。そのため、例えば、フ
ィルタ213を通過する検知信号に対して3つ以上の閾値を設けるようにすれば、被検
知体がどの範囲を移動しているのかを識別することが可能となる。その結果、被検知体物
体の動作、位置などを正確かつ確実に把握することが可能となり、例えば、水を切る動作
のような吐水口近傍では行われにくい動作に対しての誤検知を防ぐことができる。
【0042】
波形の周波数を用いた判定においては、前述したように被検知体の加減速などの状態を知ることができる。前述では、フィルタ部213から第1のフィルタ212を順次検知するように、フィルタを複数使用して減速を検知していたが、1つのフィルタ(1つの周波数帯域の中)でも、振幅値の周期の変化から周波数の変化を検知することにより減速を検知することができる。第1のフィルタ212やフィルタ部213において停止直前の動作の前に周波数の変化から減速を検知することができることにより、より精度良く検知できる。なお、振幅値の電圧値を用いた検知と組み合わせることで、おおよその距離情報を含めるようにすることが可能となるため、更に精度良く検知を行うことが可能となる。
【0043】
波形の傾きを用いた判定においては、被検知体の接近/離遠の判断を行うことができる
。この場合、例えば、振幅の極値を結んだ直線(基準値に対して片側ずつ、または整流し
た場合には各極値)の傾きによって、接近/離遠の判定を行うことができる。ここで、個
々の被検知体により反射量が変化するため、前述した振幅値も変化する場合がある。その
ような場合、波形の傾きを用いた判定を行うようにすれば、個々の被検知体に合わせて閾
値などを設定する必要がなく、傾き量だけでおよその距離を把握することができる。その
ため、容易に被検知体の移動(接近/離遠)の判断を行うことが可能となる。また、セン
サ部100(電波センサ)の放射ベクトル方向とは異なる方向から検知範囲内に物体が進
入した場合には、波形の傾きが急になる。そのため、このような動きを知ることができ、
これに対してより確実な吐水制御を行うことができる。すなわち、キッチンのような多方
向から手などの被検知体が差し出される場合の判定要素として有効である。
波形の極値の個数に関しては、前述した振幅値と組み合わせることで、時間と同じよう
な基準として用いることが可能となる。
時間に関しては、例えば、振幅値と組み合わせることにより誤検知などの判断に用いる
ことができる。前述した振幅値を用いた判定においては、ノイズ等により瞬間的に閾値を
超えてしまう可能性がある。そのような場合であっても、閾値を超えた時間によって判定
を行うようにすれば、ノイズによる誤検知を防止することができるので、より精度良く検知することが可能となる。
【0044】
図8は、第2の具体例に係る制御部を例示するためのブロック図である。
また、図9、図10は、バルブ制御部における判定方法を例示するための模式グラフ図である。図8に示すように、制御部203には、周波数分別部216、バルブ制御部240が設けられている。また、周波数分別部216には、第1のフィルタ210aとフィルタ部215とが設けられている。前述したように、第1のフィルタ210aは停止直前の被検知体を検知するために、低周波成分の検知信号を通過させるフィルタであり、例えば、0.1〜10Hz程度の周波数帯域に設定される(第1の周波数帯域)。また、フィルタ部215は第1のフィルタ210aの第1の周波数帯域よりも高い周波数の検知信号を通過させるフィルタを備えている。
【0045】
ここで、フィルタ部215においては、通過する周波数帯域をさらに細かく分別するた
めに、複数の異なる周波数帯域を有するフィルタを並列接続した構成としている。すなわ
ち、図8に例示をするものの場合には、フィルタ部215をフィルタ215a、フィルタ
215b、・・・、フィルタ215n(n:整数)のn個のフィルタで構成するようにし
ている。なお、各フィルタは、異なる周波数帯域を有するものとされている。この場合、
例えば、フィルタ215aを10〜15Hz、フィルタ215bを15〜20Hzのよう
に周波数帯域を連続的に設定するようにすることもできるし、フィルタ215aを10〜
20Hz、フィルタ215bを30〜40Hzのように検知のために必要となる最低限の
周波数帯域だけを設定するようにすることもできる。
【0046】
図8に示す場合においても、図5において例示をしたもののように、第1のフィルタ210aを通過する検知信号に基づいて被検知体の停止直前の状態を検知した後、フィルタ部215を通過する検知信号に基づいて被検知体が検知されなかった場合には、バルブ制御部240からバルブ250へ開放のための信号が送信される。また、第1のフィルタ210aを通過する検知信号を検知する前に、フィルタ部215を通過する検知信号を基に減速を検知することでより精度良く検知できる。
【0047】
フィルタ部215には、異なる周波数帯域を有するフィルタが複数段設けられており、
図9、図10に例示をしたものの場合には、上方に記載されたものほど低い周波数帯域となっており、下方に記載されたものほど高い周波数帯域となっている。
【0048】
減速と停止直前にて吐水動作を判定する場合、使用する第1のフィルタ210aやフィルタ部215としては、図7(b)のようにフィルタ部215を1つの周波数帯域で構成し、フィルタ部215の振幅値Fから振幅値Eを順次検知することにより減速を検知した後、フィルタ部215の振幅値Eが検知された直後に第1のフィルタ210aの振幅値Gの検知がないことにより、停止直前を検知するように、減速と停止直前の両方を検知するための条件に用いることで、フィルタ数を減らし、制御部200の負荷を減らすことができる。また、図9のようにフィルタ部215を複数の周波数帯域で構成し、フィルタ部215の振幅値Iと第1のフィルタ210aの振幅値Hで減速を検知し、第1のフィルタ210aの振幅値Hとフィルタ部215の周波数帯域の振幅値Jにより停止直前を検知するように、別々に周波数帯域を構成することでより精度良く検知することができる。なお、フィルタ部215の複数のフィルタの周波数帯域において、減速を検知する周波数帯域と、停止直前を検知する周波数帯域の大小関係は特に限定されない(図9と逆でもよい)。
【0049】
また、図10のようにフィルタ部215の振幅値Nから振幅値Lを順次に検知し、フィルタ部215の周波数帯域だけで減速を検知しても良い。また、上記2つの振幅値N、Lに加え第1のフィルタ210aの振幅値Kまでを順次検知して減速を検知することでより精度良く検知ができる。また、図示はしていないが、第1のフィルタ210aの振幅値Kで検知した後、停止直前を検知するために複数のフィルタで設定されたフィルタ部215の周波数帯域において検知されないことで停止直前を判定することにより、より精度良く検知することができる。
【0050】
以上のように、第1のフィルタ210aとフィルタ部215の時系列的な検知により減速と停止直前を検知することで、被検知体が吐水操作を行う動作の順に合わせて順次判定を行うことが可能となるため、より誤検知の少ない確実な吐水を行うことができる。また、より迅速で正確な判定を行うことができるので更に最適なタイミングで吐水を行うことができる。
【0051】
以上、本発明の実施の形態について例示をした。しかし、本発明はこれらの記述に限定
されるものではない。
前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備
えている限り、本発明の範囲に包含される。
例えば、水栓装置1などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置、数などは、例示し
たものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、フィルタの数、周波
数帯域、接続形態なども例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができ
るまた、バルブ制御部には、分別された検知信号に基づいて吐水部からの吐水の可否を判
定する部分と、バルブの開閉を制御する部分とが一体に設けられていてもよいし、両部分
が別々に設けられていてもよい。例えば、1個のCPUで吐水の可否の判定とバルブの開
閉制御を行ってもよいし、複数のCPUを設けて吐水の可否の判定とバルブの開閉制御を
別のCPUで行ってもよい。また、前述した各実施の形態が備える各要素は、可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施の形態に係る水栓装置を例示するための模式斜視図である。
【図2】水栓装置の構成を表すためのブロック図である。
【図3】センサ部を例示するためのブロック図である。
【図4】第1の具体例に係る制御部を例示するためのブロック図である。
【図5】バルブ制御部における判定方法を例示するための模式グラフ図である。
【図6】バルブ制御部における判定方法を例示するための模式グラフ図である。
【図7】バルブ制御部における判定方法を例示するための模式グラフ図である。
【図8】第2の具体例に係る制御部を例示するためのブロック図である。
【図9】バルブ制御部における判定方法を例示するための模式グラフ図である。
【図10】バルブ制御部における判定方法を例示するための模式グラフ図である。
【符号の説明】
【0053】
1 水栓装置、10 配水管、30 吐水部、32 吐水口、34 吐水流、40 受水部、
41 受水面、42 左側面、43 後面、44 右側面、45 前面、100 センサ部、
112 アンテナ、112a アンテナ、112b アンテナ、114 送信部、
116 受信部、118 ミキサ部、200 制御部、201 制御部、203 制御部、209 周波数分別部、210 周波数分別部、210a 第1のフィルタ、
211 フィルタ、212 第1のフィルタ、213 フィルタ部、215 フィルタ部、215a〜215n フィルタ、216 周波数分別部、240 バルブ制御部、
241 バルブ制御部、250 バルブ、302 矢印(流れ方向)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吐水部と、
前記吐水部へ通じる水路を開閉し、吐水部からの吐止水を切り替えるバルブと、
放射した電波の反射波によって被検知体に関する情報を取得するセンサ部と、
前記センサ部からの検知信号の交流成分を所定の周波数帯域に分別する周波数分別部と、
前記分別された検知信号に基づいて前記吐水部からの吐水の可否を判定し、前記バルブの開閉を制御するバルブ制御部と、
を備えた水栓装置であって、
前記周波数分別部は、第1の周波数帯域を有する第1のフィルタと、
前記第1のフィルタよりも高い周波数帯域を有するフィルタが少なくとも1つ以上設けられたフィルタ部と、を有し、
前記バルブ制御部は、前記第1のフィルタを通過した検知信号に基づいて、被検知体を検知した後に、前記フィルタ部を通過した検知信号に基づいて被検知体が検知されなかった場合には、前記吐水部からの吐水を行う判定をし、前記バルブを開放することを特徴とする水栓装置。
【請求項2】
前記バルブ制御部は、前記フィルタ部を通過した信号に基づいて被検知体を検知した後に、前記第1のフィルタを通過した検知信号に基づいて被検知体を検知し、その後さらに前記フィルタ部を通過した検知信号に基づいて被検知体が検知されなかった場合には、前記吐水部からの吐水を行う判定をし、前記バルブを開放することを特徴とする請求項1記載の水栓装置。
【請求項3】
前記フィルタ部には、周波数帯域の異なる複数のフィルタが並列接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載の水栓装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−84458(P2010−84458A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−256119(P2008−256119)
【出願日】平成20年10月1日(2008.10.1)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】