説明

水洗大便器

【課題】節水化と共に浮遊系汚物を確実に排出できる洗い落とし式便器を提供する。
【解決手段】水洗大便器1は、汚物受け面12と、上縁部に位置するリム部14と、これらの汚物受け面とリム部との間に形成された棚部とを備えたボウル部8と、ボウル部の棚部上に洗浄水を吐水して旋回流を形成すると共にその吐水方向が便器前方方向である吐水部(第1吐水口18)と、ボウル部の下方部分にその入口が接続され汚物を排出する排水トラップ管路を有し、ボウル部の汚物受け面に、ボウル部の前方側から上記排水トラップ管路の入口に向けて延びる側壁32a,32b及び底面32cを備えた凹部32が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗い落とし式便器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、節水化の要請が強くなり、節水化の要請を満たすと共により良い性能の(排出性能の向上した)水洗大便器が求められている。さらに、節水化がなされても、便器内の浮遊系汚物を確実に排出する必要があり、このような要請を満たす水洗大便器が求められている。
【0003】
例えば、特許文献1には、便鉢(ボウル面)の底部の上部の縁部を形成する前部内周面、左右の側部内周面、及び、後部内周面の各段部のうち、とくに、その前部内周面の段部を給水による溜水面の水位上昇位置よりも高い位置となるように設定したサイホン式の水洗便器(サイホン式便器)が開示されている。
【0004】
この特許文献1のサイホン式便器においては、便鉢(ボウル面)に洗浄水が給水された場合、洗浄水を底部の上縁内で旋回させて、洗浄水が便鉢の内周面に旋回拡大されることがないようにしているので、弁鉢の内周面に浮遊系汚物が残存することがなく、浮遊系汚物を確実に排出することができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−120741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のサイホン式便器では、上述した構造により、浮遊系汚物を排出することができるが、サイホン作用を用いない洗い落とし式大便器(ウオッシュダウン式便器とも言う)では、特許文献1の構造を採用しても、排水路内の水位上昇による落差によって汚物を外部に排出する便器であるので、サイホン式便器のようにサイホン作用による引き力が発生せず、且つ、洗浄水を底部の上縁内で旋回させているので、トラップ管路への押込み力が弱くなり、浮遊系汚物を確実に排出することはできないという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、節水化の要請を満たすと共に浮遊系汚物を確実に排出することができる洗い落とし式便器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するために、本発明は、洗浄水により便器を洗浄して汚物を排出する洗い落とし式便器であって、汚物受け面と、上縁部に位置するリム部と、これらの汚物受け面とリム部との間に形成された棚部とを備えたボウル部と、ボウル部の棚部上に洗浄水を吐水して旋回流を形成すると共にその吐水方向が便器前方方向である吐水部と、ボウル部の下方部分にその入口が接続され汚物を排出する排水トラップ管路と、を有し、ボウル部の汚物受け面に、上記ボウル部の前方側から上記排水トラップ管路の入口に向けて延びる側壁及び底面を備えた凹部が形成されていることを特徴としている。
このように構成された本発明の洗い落とし式便器においては、ボウル部の汚物受け面に、ボウル部の前方側から排水トラップ管路の入口に向けて延びる側壁及び底面を備えた凹部が形成されているので、吐水部から便器前方方向に吐水された洗浄水の一部は旋回流を形成するが、洗浄水の大部分は凹部の側壁に衝突して排水トラップ管路の入口へ向かって流れる押込み流れとなる。この結果、本発明によれば、この押込み流れにより、ボウル部内の浮遊系汚物を確実に排出することができる。
【0009】
本発明において、好ましくは、凹部の底面の後方側の端部は便器洗浄中の溜水上昇水位より下方に位置すると共に凹部の縦壁の後方側の上端部は便器洗浄中の溜水上昇水位より上方に位置するように形成されている。
このように構成された本発明においては、便器洗浄中に上昇した溜水が凹部内で滞留するので、押込み流れが水勢を得て排水トラップ管路の入口に向けて一気に流れ込み、それにより、浮遊系汚物をより確実に排出することができる。
【0010】
本発明において、好ましくは、凹部の底面が、ボウル部の前方側から排水トラップ管路の入口に向けて下り勾配となるように形成されている。
このように構成された本発明においては、凹部の底面が下り勾配となるように形成されているので、吐水部から吐水され凹部の縦壁に衝突した洗浄水がスムーズに排水トラップ管路の入口に向けて流れ込むので、浮遊系汚物をより確実に排出することができる。
【0011】
本発明において、好ましくは、凹部は、その便器前後方向に延びる中心軸が、排水トラップ管路の入口の便器前後方向に延びる中心軸と、便器幅方向において、同軸となるように形成されている。
このように構成された本発明においては、凹部がその中心軸が排水トラップ管路の入口の中心軸と同軸となるように形成されているので、凹部に形成された押込み流れが排水トラップ管路の入口に流入するときの圧力損失を最小限に抑えることができ、それにより、浮遊系汚物をより確実に排出することができる。
【0012】
本発明において、好ましくは、ボウル部の汚物受け面の前方部では、棚部を形成することなく、凹部の前方部とリム部とが連続して形成されている。
このように構成された本発明においては、ボウル部の汚物受け面の前方部で凹部の前方部とリム部とが連続して形成されているので、吐水部から棚部上に吐水され旋回流を形成する洗浄水の大部分が凹部へ流れ込み、それにより、押込み流れとなる洗浄水の流量が増大し、浮遊系汚物をより確実に排出することができる。
【0013】
本発明において、好ましくは、ボウル部の汚物受け面の後方側に、溜水を溜水を四方から取り囲むと共に溜水の水位上昇時に洗浄水の旋回流の広がりを抑える縦壁部を形成し、この縦壁部が凹部の側壁とほぼ同じ高さで連続して形成されている。
このように構成された本発明においては、ボウル部の汚物受け面の後方側に形成された溜水を四方から取り囲む縦壁部により、溜水の水位上昇時に洗浄水の旋回流の広がりを抑えるので、これにより、浮遊系汚物をより確実に排出することができる。
【0014】
本発明は、好ましくは、さらに、汚物受け面の側面に形成され溜水に向けて洗浄水を吐水して溜水を上下方向に攪拌する第2吐水部を有する。
このように構成された本発明においては、第2吐水部から吐水される洗浄水により溜水を上下方向に攪拌するので、その分、洗浄性能が向上する。さらに、溜水面に浮いていた浮遊系汚物を溜水中に沈めて旋回中心に集め、この旋回流の中心に集められた浮遊系汚物を押出し流れにより排水トラップ管路の入口に流し込むので、浮遊系汚物をより確実に排出することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の洗い落とし式便器によれば、節水化の要請を満たすと共に浮遊系汚物を確実に排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態による洗い落とし式便器の側面断面図である。
【図2】図1の洗い落とし式便器の平面図である。
【図3】図2のIII−III線に沿って見た洗い落とし式便器の正面断面図である。
【図4】図2のIV−IV線に沿って見た洗い落とし式便器の正面断面図である。
【図5】図2のIV−IV線に沿って見た洗い落とし式便器の正面断面図である。
【図6】図2のVI−VI線に沿って見た洗い落とし式便器の正面断面図である。
【図7】図1の洗い落とし式便器を便器前方の斜め上方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、図1乃至図7を参照して、本発明の一実施形態を説明する。ここで、図1は本発明の実施形態による洗い落とし式便器の側面断面図であり、図2は図1の洗い落とし式便器の平面図であり、図3は図2のIII−III線に沿って見た洗い落とし式便器の正面断面図であり、図4は図2のIV−IV線に沿って見た洗い落とし式便器の正面断面図であり、図5は図2のIV−IV線に沿って見た洗い落とし式便器の正面断面図であり、図6は図2のVI−VI線に沿って見た洗い落とし式便器の正面断面図であり、図7は図1の洗い落とし式便器を便器前方の斜め上方から見た斜視図である。
【0018】
先ず、図1乃至図6に示すように、本発明の実施形態による洗い落とし式便器1は、床置き式で、後述する排水トラップ管路内の水位上昇による落差を利用して汚物を排出する洗い落とし式水洗大便器(ウオッシュダウン式便器)であり、便器本体2と、この便器本体2の後方上部に取り付けられた貯水タンク(図示ぜす)を備えている。貯水タンクには、排水弁が設けられ、操作レバーの操作により開閉し、便器本体2へ洗浄水が供給されるようになっている。
なお、本発明は、床置き式便器以外に壁掛け式の洗い落とし式便器にも適用可能であり、さらに、貯水タンクを用いず水道管に直結したフラッシュバルブを用いた洗い落とし式便器にも適用可能である。
【0019】
便器本体2は、ボウル部8と、このボウル部8の底部から連通して延びる排水トラップ管路10を有する。
ボウル部8は、汚物受け面12と、この汚物受け面12の上縁部に位置しその内周面の上部が内方へ向かって張り出しているリム部14と、汚物受け面12とリム部14との間に形成された棚部16(図3〜図6参照)とから構成されている。
【0020】
排水トラップ管路10は、ボウル部8の底部に開口した入口10aから斜め上方に延び、最高点10bを通った後、斜め下方に延びて、出口10cに達し、図示しない排水管に接続されている。洗い落とし式便器1の溜水水位L1は、トラップ管路10の最高点10bの高さと等しくなる。
【0021】
ボウル部8の便器前方から見て左側に位置する棚部16の少し後側には、洗浄水を吐水する第1吐水部である第1吐水口18が形成されている。第1吐水口18から便器前方方句に吐水された洗浄水は、ボウル部8において旋回流A(図7参照)を形成するようになっている。
また、ボウル部8の右側に位置する棚部16の後端側には、洗浄水を吐水する第2吐水口20が形成されている。第2吐水口20から便器方向方向に吐水された洗浄水は、第1吐水口18から吐水された洗浄水と同一方向へ旋回する旋回流Aを形成するようになっている。
さらに、詳細は後述するが、ボウル部8の便器前方から見て左側の汚物受け面12の側面には第2吐水部である第3吐水口22が形成されている。
【0022】
便器本体2の後部には、通水室24が形成され、この通水室24の後端側は貯水タンク(図示せず)に連通し、貯水タンクから洗浄水が供給されるようになっている。
また、この通水室24の先端側には、第1吐水口18に洗浄水を供給する第1通水路26、第2吐水口20に洗浄水を供給する第2通水路28、さらに、第3吐水口22に洗浄水を供給する第3通水路30がそれぞれ設けられている。
【0023】
次に、ボウル部8の詳細構造を説明する。主に図1及び図2に示すように、ボウル部8の汚物受け面12には、ボウル部8の前方側から排水トラップ管路10の入口10aに向けて延びる凹部32が形成され、この凹部32は、側壁32a,32b及び底面32cを備えている。側壁32a,32bは便器前後方向に延びる中心軸10dに向かって凸面で形成されているので、底面32cを旋回する洗浄水の旋回流の広がりを抑えることができる。
【0024】
この汚物受け面12に形成された凹部32は、その便器前後方向に延びる中心軸32dが、排水トラップ管路10の入口10cの便器前後方向に延びる中心軸10dと、便器幅方向において、同軸となるように配置されている。
【0025】
また、凹部32の底面32cは、ボウル部8の前方側から排水トラップ管路10の入口10aに向けて下り勾配となるように形成されている。
さらに、図1に示すように、ボウル部8の汚物受け面12の前方部12aでは、棚部16を形成することなく、凹部32の前方部とリム部14とが連続して形成されている。
【0026】
ここで、凹部32の底面32cの後方側の端部32eは便器洗浄中の溜水上昇水位L2より下方に位置すると共に凹部32の縦壁の後方側の上端部32fは便器洗浄中の溜水上昇水位L2より上方に位置するように形成されている。
【0027】
次に、主に図1及び図2に示すように、ボウル部8の汚物受け面12の後方側には、溜水を四方から取り囲む縦壁部34が形成されている。この縦壁部34は、上述した凹部32の後方端と接続され溜水を前方側から取り囲む前方側縦壁部34aと、溜水を後方側の三方から取り囲む後方側縦壁部34bとを備えている。
この縦壁部34bは、上述した凹部32の側壁32a,32bとほぼ同じ高さで連続して形成されている(図1及び図7参照)。
【0028】
さらに、図1に示すように、ボウル部8の下方側で排水トラップ管路10の入口10aの近傍で、縦壁部34の前方側縦壁部34aの下端側には水平方向に延びる段部36が形成されている。
上述した第2吐水部である第3吐水口22は、この段部36の上方で且つ溜水水位L1よりも上方の位置に設けられている。この第3吐水口22から段部36上に吐水された洗浄水は、溜水を上下方向に攪拌して上下方向攪拌流Bを形成するようになっている。
【0029】
次に、主に図7により、上述した本実施形態の作用を説明する。本実施形態による洗い落とし式便器1においては、使用者が操作することにより、貯水タンク内の洗浄水が、便器本体2の通水室24に入り、この通水室24から、第1通水路26、第2通水路28、第3通水路30を経て、第1吐水口18、第2吐水口20、第3吐水口22から、それぞれ、ボウル部8へ吐水される。
【0030】
このとき、本実施形態の洗い落とし式便器1においては、ボウル部8の汚物受け面12に、ボウル部8の前方側から排水トラップ管路10の入口10aに向けて延びる側壁32a,32b及び底面32cを備えた凹部32が形成されているので、第1吐水口18から便器前方方向に吐水された洗浄水の一部は旋回流Aを形成するが、第1吐水口18から吐水された洗浄水の大部分は凹部32の便器前方から見て右側に位置する側壁32bに衝突して排水トラップ管路10の入口10aへ向かって流れる押込み流れCとなる。この結果、本実施形態による洗い落とし式便器1によれば、この押込み流れCにより、ボウル部8内の浮遊系汚物を確実に排出することができる。
【0031】
また、本実施形態の洗い落とし式便器1においては、凹部32の底面32cの後方側の端部32eは便器洗浄中の溜水上昇水位L2より下方に位置すると共に凹部32の縦壁32a,32bの後方側の上端部32fは便器洗浄中の溜水上昇水位L2より上方に位置するように形成されているので、便器洗浄中に上昇した溜水が凹部32内で滞留し、押込み流れCが水勢を得て排水トラップ管路10の入口10aに向けて一気に流れ込み、それにより、浮遊系汚物をより確実に排出することができるようになっている。
【0032】
また、本実施形態の洗い落とし式便器1においては、凹部32の底面32cが、ボウル部8の前方側から排水トラップ管路10の入口10cに向けて下り勾配となるように形成されているので、第1吐水口18から吐水され凹部32の縦壁32bに衝突した洗浄水がスムーズに排水トラップ管路10の入口10cに向けて流れ込むので、浮遊系汚物をより確実に排出することができる。
【0033】
また、本実施形態の洗い落とし式便器1においては、凹部32は、その便器前後方向に延びる中心軸32dが、排水トラップ管路10の入口10cの便器前後方向に延びる中心軸10dと、便器幅方向において、同軸となるように形成されているので、凹部32に形成された押込み流れCが排水トラップ管路10の入口10aに流入するときの圧力損失を最小限に抑えることができ、それにより、浮遊系汚物をより確実に排出することができる。
【0034】
また、本実施形態の洗い落とし式便器1においては、ボウル部8の汚物受け面12の前方部では、棚部16を形成することなく、凹部32の前方部とリム部14とが連続して形成されているので、第1吐水口18から棚部16上に吐水され旋回流を形成する洗浄水の大部分が凹部32へ流れ込み、それにより、押込み流れCとなる洗浄水の流量が増大し、浮遊系汚物をより確実に排出することができる。
【0035】
また、本実施形態の洗い落とし式便器1においては、ボウル部8の汚物受け面12の後方側に、溜水を溜水を四方から取り囲むと共に溜水の水位上昇時に洗浄水の旋回流Aの広がりを抑える縦壁部34(34a,34b)を形成し、この縦壁部34が凹部32の側壁32a,32bとほぼ同じ高さで連続して形成されているので、この縦壁部34により、溜水の水位上昇時に洗浄水の旋回流Aの広がりを抑えるので、これにより、浮遊系汚物をより確実に排出することができる。
【0036】
さらに、本実施形態の洗い落とし式便器1には、汚物受け面12の側面に形成され溜水に向けて洗浄水を吐水して溜水を上下方向に攪拌する第3吐水口22が形成されているので、その分、洗浄性能が向上する。さらに、溜水面に浮いていた浮遊系汚物を溜水中に沈めて旋回中心に集め、この旋回流の中心に集められた浮遊系汚物を押出し流れCにより排水トラップ管路10の入口10aに流し込むので、浮遊系汚物をより確実に排出することができる。
【符号の説明】
【0037】
1 洗い落とし式便器
2 便器本体
8 ボウル部
10 排水トラップ管路
10a 排水トラップ管路の入口
10b 排水トラップ管路の最高点
10c 排水トラップ管路の出口
12 汚物受け面
14 リム部
16 棚部
18 第1吐水口(吐水部)
20 第2吐水口
22 第3吐水口(第2吐水部)
24 通水室
26 第1通水路
28 第2通水路
30 第3通水路
32 凹部
32a,32b 側壁
32c 底面
34 縦壁部
34a 前方側縦壁部
34b 後方側縦壁部
36 段部
L1 溜水水位
L2 便器洗浄中の溜水上昇水位
A 旋回流
B 上下方向攪拌流
C 押込み流れ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄水により便器を洗浄して汚物を排出する洗い落とし式便器であって、
汚物受け面と、上縁部に位置するリム部と、これらの汚物受け面とリム部との間に形成された棚部とを備えたボウル部と、
上記ボウル部の棚部上に洗浄水を吐水して旋回流を形成すると共にその吐水方向が便器前方方向である吐水部と、
上記ボウル部の下方部分にその入口が接続され汚物を排出する排水トラップ管路と、を有し、
上記ボウル部の汚物受け面に、上記ボウル部の前方側から上記排水トラップ管路の入口に向けて延びる側壁及び底面を備えた凹部が形成されていることを特徴とする洗い落とし式便器。
【請求項2】
上記凹部の底面の後方側の端部は便器洗浄中の溜水上昇水位より下方に位置すると共に上記凹部の縦壁の後方側の上端部は便器洗浄中の溜水上昇水位より上方に位置するように形成されている請求項1記載の洗い落とし式便器。
【請求項3】
上記凹部の底面が、上記ボウル部の前方側から上記排水トラップ管路の入口に向けて下り勾配となるように形成されている請求項1又は請求項2記載の洗い落とし式便器。
【請求項4】
上記凹部は、その便器前後方向に延びる中心軸が、上記排水トラップ管路の入口の便器前後方向に延びる中心軸と、便器幅方向において、同軸となるように形成されている請求項1乃至3の何れか1項に記載の洗い落とし式便器。
【請求項5】
上記ボウル部の汚物受け面の前方部では、上記棚部を形成することなく、上記凹部の前方部と上記リム部とが連続して形成されている請求項1乃至4の何れか1項に記載の洗い落とし式便器。
【請求項6】
上記ボウル部の汚物受け面の後方側に、溜水を四方から取り囲むと共に溜水の水位上昇時に洗浄水の旋回流の広がりを抑える縦壁部を形成し、この縦壁部が上記凹部の側壁とほぼ同じ高さで連続して形成されている請求項1乃至5の何れか1項に記載の洗い落とし式便器。
【請求項7】
さらに、上記汚物受け面の側面に形成され溜水に向けて洗浄水を吐水して溜水を上下方向に攪拌する第2吐水部を有する請求項1乃至6の何れか1項に記載の洗い落とし式便器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−229612(P2012−229612A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−163962(P2012−163962)
【出願日】平成24年7月24日(2012.7.24)
【分割の表示】特願2009−210844(P2009−210844)の分割
【原出願日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】