説明

水溶性または水で膨潤可能なポリマー、特に低い残留モノマー含量を有する、アクリルアミドおよび少なくとも1種のイオン性コモノマーからなる水溶性または水で膨潤可能なコポリマー

本発明は低い残留モノマー含量を有し、特にアクリル酸および/またはアクリルアミドおよび少なくとも1種の付加的な水溶性コモノマーからなる水溶性または水で膨潤可能なポリマーの製造方法に関する。前記方法により、重合モノマー溶液を早くても最大重合温度に達した後に電磁線で処理し、引き続き得られたゲルを粉砕し、乾燥する。本発明の方法により得られる、水溶性または水で膨潤可能なコポリマー、衛生工業、包装工業、農業技術、農業、園芸、ケーブル工業、電気通信、食品工業、製紙工業へのその使用、凝集助剤および油採取でのボーリング洗浄剤としての使用が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は低い残留モノマー含量を有する水溶性または水で膨潤可能なポリマー、特にアクリル酸および/またはアクリルアミドおよび少なくとも1種の他の水溶性コモノマーをベースとする水溶性または水で膨潤可能なコポリマーの製造方法に関する。
【0002】
水溶性または水で膨潤可能なコポリマーは現在多くの分野で工業的に使用される。水溶性の形で、例えば自治体および工場の排水を清浄にするための凝集助剤として、石油採掘でのボーリング洗浄剤として、土壌改良剤、増粘剤、分散剤および保留剤等として使用される。
【0003】
相当する架橋した水で膨潤可能なポリマーの使用分野は同様にきわめて多岐にわたる。例えば人的介護産業に、衛生用品、例えば赤ちゃんのオムツ、生理用品、タンポン、失禁用品の形の子供または成人の衛生のための吸収性衛生用品およびポリマーが導入された傷を覆う製品の製造に使用される。
【0004】
これらの製品において、これらの膨潤可能なポリマーの特徴的な吸収特性が利用されるが、それはポリマーが自重の何倍もの水性液体または体液、例えば血液または尿をヒドロゲルを形成して吸収し、この液体体積を外部圧力の作用下でも保留できるからである。これらの特性は包装工業に、この膨潤可能なポリマーが導入される不織布製品に、包装成分として、特に魚および肉のケースの吸収性詰め物の形で利用される。
【0005】
一般に水溶液から製造され、その際重合中に固体のゲルを形成し、このゲルを処理の枠内で粒状最終生成物に処理される、この水で膨潤可能なポリマーの他の使用分野は農業技術もしくは農業および園芸である。ここで水で膨潤可能なポリマーは特に水および栄養物を貯蔵する土壌助剤として、植物を栽培する人工的土壌におよび根の保護ゲルとして使用される。ケーブル工業もしくは通信技術においてこの水で膨潤可能なポリマーは液体吸収成分としておよび/または液体を通さない成分としてもしくは電流および光を導くケーブルに添加剤として使用される。
【0006】
特に衛生用品でのいわゆる超吸収剤としてアクリル酸ベースの架橋した水で膨潤可能なポリマーの増加する使用は集中的な研究活動および開発活動を生じ、これらはこれに関する特許文献の範囲で反映され、これらのポリマーの特性に対する人的介護産業の増加する要求の直接の結果である。
【0007】
液体と接触する際に、有利にオムツ製造の際に、きわめて高い膨潤能力を有するかまたは自由な膨潤能力を有する液体を吸収する水で膨潤可能なポリマーを最初に使用した後に、オムツでの機械的負荷の研究は、オムツ担体の移動により生じる負荷がオムツを製造するためにこの吸収ポリマーの他の特性を必要とすることを認識した。オムツ構造にこの種の超吸収剤を使用する際に、液体の吸収、液体の移動、オムツおよび皮膚の乾燥時間を保証するために、ポリマーの吸収能力(ゲル体積)および圧力の負荷の下で高い吸収能力と結びついた液体の吸収の際に形成されるヒドロゲルゲル濃度の計量した比が必要である。
【0008】
圧力下で高い保留能力、高いゲル濃度、および高い吸収能力の好ましい特性を有する超吸収ポリマーを得るために、この吸収ポリマーの表面を事後に処理しなければならない。事後の表面処理は特許文献に多く記載される。
【0009】
米国特許第4043952号には水中の分散能力を改良するために、多価金属化合物、および米国特許第4051086号には吸収速度を改良するために、グリオキサールが記載される。
【0010】
ドイツ特許第2740169号はアクリル酸カリウムおよびアクリル酸アンモニウム含有ポリマーをベースとする吸収剤の製造を記載し、前記ポリマーをポリオールで処理し、オムツおよび他の衛生用品および医薬品に粉末およびフィルムとして使用する。
【0011】
欧州特許第0083022号、ドイツ特許第3331644号、ドイツ特許第3507755号、ドイツ特許第3523617号、ドイツ特許第3628482号および欧州特許第0349240号にはカルボキシル基またはカルボキシレート基または他のポリマーに含まれる基と反応できる、二官能性または多官能性基を有する架橋剤での樹脂の後処理が記載される。この場合に、場合により少量の水および溶剤を併用して粉末を直接成分と混合するかまたは粉末を不活性溶剤に分散させ、または水10〜40質量%を含有するポリマーを親水性または疎水性溶剤に分散し、引き続きまたは同時に架橋剤と混合する。架橋剤としてポリグリシジルエーテル、ハロエポキシ化合物、ポリオール、ポリアミン、またはポリイソシアネートを使用できる。
【0012】
このほかにドイツ特許第3314019号、ドイツ特許第3737196号には更に多官能性アジリジン化合物、アルキル−ジ−(トリ)ハロゲニドおよび油溶解性ポリエポキシ化合物が記載される。
【0013】
ドイツ特許第3503458号において有機溶剤を使用せずにSiOのような不活性無機粉末の存在でポリマーに架橋剤を被覆する。
【0014】
ドイツ特許第4020780号によりアルキレンカーボネート0.1〜5質量%を有するポリマー樹脂の表面架橋処理により圧力下の改良された吸収が達成される。
【0015】
前記のすべての方法は表面架橋剤の被覆後にポリマーの熱処理を行うことが共通している。
【0016】
この架橋された吸収剤ポリマーの衛生の分野での主な使用に関して、赤ちゃんのオムツまたは他の衛生用品に使用することが決められたポリマーがこの製品の使用者に皮膚に反応する作用を生じない状況を特に考慮しなければならない。特に製造工程で使用される出発物質および架橋剤が、最終製品の健康に問題のある可能性を排除できるように反応することが保証されなければならない。それというのも最終製品は毒性の観点から問題があるとみなされ、すなわちポリマーは実験により毒性が試験された残留モノマーを含有しないかまたはきわめて少ない含量を有しなければならない。
【0017】
しかしこれは衛生用品に使用することが決められているポリマーに該当せず、アクリルアミドをベースとする水溶性および水で膨潤可能なポリマーにも該当しない。アクリルアミドの毒性の可能性は以前から知られており、多くの特許明細書および刊行物がこれらのポリマー生成物でのアクリルアミドの減少を取り扱う。アクリルアミドの残留モノマー含量の減少を達成する方法は重合の後にアクリルアミド残留モノマーの二重結合に付加し、これと反応する添加剤を添加することにもとづく。
【0018】
しかし水溶性または水で膨潤可能なポリマーの製造の際に、モノマー、特にアクリル酸ベースおよびアクリルアミドベースのモノマーの完全な反応が不可能であることが示された。従ってできるだけ少ない残留モノマー含量と結びついた高い吸収速度、高い保留能力、および圧力が負荷された場合の高い吸収の所望の特性を有する架橋された水で膨潤可能なポリマーの製造が特に架橋濃度および使用される重合触媒に依存することが確認された。
【0019】
高い保留能力は弱く架橋されたポリマーで達成される。これに対して高い圧力下の高い吸収は、外部圧力に対する安定性によりはじめて膨潤する、強く架橋し、これにより安定したポリマーを必要とする。しかし架橋が増加するとともに同時に残留モノマー含量が増加し、それはポリマーの製造の際に急速に増加する粘度により、反応性ラジカル中心への残りのモノマー分子の拡散が減少するからである。更に残留モノマーを減少する触媒系または増加する触媒系がしばしば好ましくない保留の減少を生じる。
【0020】
前記の困難により重合法はほとんど残留モノマーが生じないように行われ、最終製品に要求される毒性の不安により異なる方法が提案され、この方法では残留モノマーを予め製造したポリマーから問題のない誘導体に変換することにより除去する。
【0021】
例えばドイツ特許第1070377号および米国特許第2960486号には重合後に得られた高分子ポリマーゲルを重亜硫酸ナトリウムまたはメタ重亜硫酸ナトリウム水溶液で処理し、80〜120℃で乾燥することが記載される。この方法は不経済なために実施されないが、それはきわめて薄いポリマー溶液中のポリマーの処理を前提とするからである(2〜3%)。
【0022】
特開昭56−103207号には同様に重亜硫酸塩、亜硫酸塩およびピロ亜硫酸塩を残留モノマーの減少に使用する。米国特許第3780006号においてエマルジョンポリマー中のアクリルアミド濃度を減少するためにガス状二酸化硫黄を利用する。
【0023】
米国特許第3755280号は重亜硫酸ナトリウムまたはメタ重亜硫酸ナトリウムの水溶液中のポリマーゲルの処理を記載し、欧州特許第175554号には固体アルカリ金属亜硫酸塩での処理が記載される。これにより0.03〜0.3質量%の残留モノマー含量が得られる。
【0024】
欧州特許第0505163号はメタ重亜硫酸塩および表面活性剤(HLB3〜40)の組み合わせを用いる架橋アクリル酸ポリマーの後処理を記載し、これにより残留モノマー含量を10ppmまで低下する。ポリマーのこの後処理のために、前記の残留モノマー低下を達成するために、wS40%を有するポリマーゲルに対して2〜5質量%、すなわち乾燥ポリマーに対してメタ重亜硫酸塩5〜12.5質量%が必要である。このような高い量の添加剤はポリマーの使用技術的特性に不利に作用することがある。
【0025】
WO94/20547号はポリマー溶液への臭素酸塩および塩素酸塩の添加および製造したポリマーの引き続く加熱を記載し、この場合に添加剤により残留モノマーの減少を行う。臭素酸塩および塩素酸塩の添加は重合後に行うこともできる。この手段にもかかわらずポリマーの残留モノマー含量は135〜1100ppmである。
【0026】
欧州特許第0303518号は架橋ポリアクリレート樹脂の連続的もしくは不連続的製造方法を記載し、中和度70〜100モル%を有するアクリル酸および水と混合可能なまたは水溶性ポリビニルモノマーを水溶液中で重合する。重合される水性モノマー溶液は少なくとも50%のモノマー濃度を有し、モノマー減少のために、熱重合抑制剤およびレドックス開始剤を使用する。その際重合の際に生じる発熱性反応熱が重合、架橋および使用される水の蒸発を実施するために使用される実質的に唯一の熱エネルギーであるように重合を行い、引き続く乾燥を行わなくてもよい。この方法で得られるポリマーは一般に残留モノマー含量500ppm未満、有利に200ppm未満を有する。
【0027】
前記の方法は減少した残留モノマー含量を有するポリマーの製造をたしかに可能にする。しかしこの方法は複雑な反応の実施を必要とし、ポリマーの製造費用を高価にする。特に部分的に添加剤として最終生成物に残留する硫黄含有化合物での後処理は不利であるとみなされる。この後処理が付加的な反応工程として他の装置、設備等の使用を含み、すなわち更なる時間の消費および費用と結びつく。この場合に環境の見地だけでなく、装置の耐腐食性に関して方法技術的に特に考慮されなければならない、硫黄の酸化生成物が生じることは排除されなくてもよい。
【0028】
更に水溶性コポリマーに関してシステインでの処理は不可能であり、それはしステインが架橋を生じ、生成物を不溶解性にするからである。更に部分的に生成物の材料に対して2〜3%の多くの量の亜硫酸塩は生成物の使用技術的特性にきわめて不利に作用する。
【0029】
ドイツ特許第3539385号にはアクリルアミドポリマーおよびコポリマーのアミンでの処理が記載される。
【0030】
ドイツ特許第19752127号およびドイツ特許第19752128号にはモノマー溶液へのアンモニア、アミンまたはアンモニウム塩の添加が記載される。この方法の欠点は所望の作用を得るために、生成物を120℃より高い温度で乾燥しなければならないことである。これは高温で発生する架橋反応による水溶性ポリマーの明らかに劣る溶解性を生じる。これは特にアクリルアミドのほかにイオン性コモノマー、例えばアクリル酸ナトリウムを含有するコポリマーの場合に生じる。
【0031】
WO01/25289号は粉砕後のポリマーゲルの照射を記載する。この場合に光の排除下にUV開始剤の存在で重合し、粉砕後にポリマーゲルをUV光により活性化する。同じ方法がWO01/55228号に記載される。;
これらの方法は以下の欠点と結びつく。
a)本来の重合に使用しない、付加的な添加剤(光開始剤)をモノマー溶液に添加することが必要である。
b)本来の重合は光の排除下に行わなければならず、これは製造技術的にきわめて手間がかかる。
c)UV光は短波長のために、粉砕後にポリマーゲルに少ない浸入深さを有する。
【0032】
本発明の課題は、残留モノマーの残留含量が全くないかまたはきわめて少ない、特にアクリル酸またはアクリルアミドをベースとするポリマーを生じる方法を見出すことであり、その際未反応モノマーの残留含量はすでに重合中にまたは完全に反応するまで明らかに低下すべきであり、少ない残留モノマーの捕捉で運転するかまたはこれを全く省くことができる。更に前記方法は重合中に機能を満たさない添加剤なしですませるべきであり、またはエンドレスベルトで連続的方法で運転できるべきである。
【0033】
意想外にも、前記課題は、重合中に存在するモノマー溶液を早くても重合の最大温度Tmaxに達した後に電磁線で処理し、引き続き得られたゲルを粉砕し、乾燥する、ポリマーの製造方法により解決されることが見出された。
【0034】
有利にモノマー溶液を、電磁線での処理を行うまで、95%のモノマー変換まで、本発明により特に有利に99%のモノマー変換まで重合する。
【0035】
本発明により使用されるポリマーの製造のためのモノマー溶液はアニオン性、非イオン性、カチオン性、両性エチレン不飽和モノマーを含有する。
【0036】
アニオン性モノマーとして本発明により例えば以下に示されるモノマーを使用または選択できる。
a)オレフィン性不飽和カルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸ニトリル、特にアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、グルタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、およびこれらの水溶性エステルおよび/またはアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびアンモニウム塩
b)オレフィン性不飽和スルホン酸、特に脂肪族および/または芳香族ビニルスルホン酸、例えばビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸アクリルおよびメタクリルスルホン酸、特にスルホエチルアクリレート、スルホエチルメタクリレート、スルホプロピルアクリレート、スルホプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルスルホン酸、および2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、およびこれらの水溶性アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびアンモニウム塩
c)オレフィン性不飽和ホスホン酸、特に例えばビニルホスホン酸およびアリルホスホン酸、およびこれらの水溶性アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびアンモニウム塩
d)スルホメチル化および/またはホスホノメチル化アクリルアミドおよびこれらの水溶性アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびアンモニウム塩。
【0037】
有利にオレフィン性不飽和カルボン酸およびカルボン酸無水物、特にアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、グルタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、およびこれらの水溶性エステルおよび/またはアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、およびアンモニウム塩をアニオン性モノマーとして使用し、その際アクリル酸の水溶性アルカリ金属塩、特にそのナトリウム塩およびカリウム塩およびアンモニウム塩が特に有利である。
【0038】
ポリマーAを製造するための非イオン性モノマーは例えば一般式(I):
【化1】

(式中、
は水素またはメチル基であり、
およびRは互いに無関係に水素、1〜5個の炭素原子を有するアルキル基またはヒドロキシアルキル基およびOH基を表す)の化合物が使用される。
【0039】
有利に(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、またはN,N−置換(メタ)アクリルアミド、例えばN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−エチル(メタ)アクリルアミド、またはN−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドを使用する。
【0040】
本発明により有利に非イオン性モノマーとして、特にアクリル酸およびメタクリル酸の水溶性もしくは水分散可能な誘導体、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、およびn−アルキル置換アクリルアミドを使用することができ、その際本発明によりアクリルアミドが非イオン性モノマーとして特に有利である。
【0041】
すでに記載された非イオン性モノマーのほかに、本発明により他のモノマー、例えばアクリロニトリル、ビニルピリジン、酢酸ビニル、重合可能な酸のヒドロキシ基含有エステル、およびアクリル酸およびメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステル、特にヒドロキシエチルエステルおよびプロピルエステルを使用することができる。
【0042】
本発明のポリマーの製造に同様に使用できるカチオン性モノマーとして、一般式(II):
【化2】

(式中、
は水素またはメチル基であり、
はO、NH、またはNRであり、Rは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表し、
Yは
【化3】

の基を表し、
およびYは2〜6個の炭素原子を有するアルキレン基またはヒドロキシアルキレン基であり、
、Y、Y、Y、Y、Yは互いに無関係に1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を表し、
はハロゲン、酢酸塩、SOCHである)の化合物が適している。
【0043】
有利に、アルキル基もしくはアルキレン基中のC〜Cを有するプロトン化または第四級化ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートまたは(メタ)アクリルアミドとして、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドおよび/またはジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドの塩化メチルで第四級化されたアンモニウム塩が特に有利に適している。
【0044】
両性モノマーとして、場合により一般式(III)または(IV):
【化4】

(式中、
はO、NH、NRを表し、Rは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、
は水素またはメチル基を表し、
は1〜6個の炭素原子を有するアルキレンを表し、
およびRは互いに無関係に1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を表し、
は8〜32個の炭素原子を有するアルキル基、アリール基および/またはアラルキル基を表し、
はハロゲン、擬ハロゲン、SOCHまたは酢酸塩を表すかまたは
【化5】

の基を使用し、式中、
はO、NH、NRを表し、Rは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、
は水素またはメチル基を表し、
は水素、8〜32個の炭素原子を有するアルキル基、アリール基および/またはアラルキル基を表し、
は2〜6個の炭素原子を有するアルキレン基を表し、
nは1〜50の整数である)の化合物が適している。
【0045】
これは有利に(メタ)アクリル酸と、脂肪アルコールでエーテル化されたポリエチレングリコール(エチレンオキシド単位10〜40)の反応生成物もしくは(メタ)アクリルアミドとの相当する反応生成物である。
【0046】
本発明の方法により製造されるポリマーを製造するために、水溶性ポリマーの場合に重合するモノマー溶液のために、それぞれ全量に対して0〜100質量%、有利に5〜70質量%、特に15〜40質量%のモノマー、有利にアニオン性モノマーからなるモノマー組成物を選択する。特に有利に水溶性ポリマーを製造するために、非イオン性モノマー、有利にアクリルアミドおよびアニオン性モノマー、特にオレフィン性不飽和カルボン酸およびカルボン酸無水物、有利にアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、グルタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸およびこれらの水溶性エステルおよび/またはアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩からなる混合物を使用し、その際アニオン性モノマーとしてアクリル酸が特に有利である。アクリル酸とアルキル(メタ)アクリレートおよび/またはアルキル(メタ)アクリルアミドの混合物も有利である。
【0047】
水を吸収する吸収剤として水で膨潤可能なポリマーは多くは少なくとも1種の架橋剤を使用して得られる。架橋剤として、少なくとも2個以上の官能基(二重結合、エポキシ基)を有し、重合中に成長するポリマー鎖に導入できる化合物を使用する。これによりポリマー中に種々の位置に架橋点が形成され、架橋点は個々のポリマー鎖を結合し、液体中にポリマー粒子が膨潤することができ、液体に溶解しないように作用する。架橋剤の化学構造、架橋位置の数およびポリマー鎖でのその分布により、架橋されたポリマーの特性を決定する。ポリマー中の架橋剤の最適な導入の場合に、均一に分配された架橋位置を有する架橋ポリマーが形成され、ポリマー中に架橋されない領域または架橋されない(すなわち水溶性)低分子部分が存在しない。ポリマー中の架橋位置の均一な分布は、水性液体の最適な保留能力および膨潤状態での最適なゲル強度を有する生成物を生じる。
【0048】
水で膨潤可能なポリマーを製造するためのモノマー溶液のための本発明により使用されるモノマーとして、まず単独で重合してホモポリマーまたはコポリマーを形成する、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、更に他の水溶性モノマー、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、N,N−ジメチルアクリルアミド、ビニルピリジン、酢酸ビニル、他の水溶性の重合可能な酸およびその塩、特にマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ビニルスルホン酸、またはアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸を使用し、更に重合可能な酸のヒドロキシ基含有エステル、特にアクリル酸およびメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステル、有利にヒドロキシエチルエステルおよびヒドロキシプロピルエステルを使用することができ、更に重合可能な酸のアミノ基含有およびアンモニウム基含有エステルおよびアミド、例えばアクリル酸およびメタクリル酸のジアルキルアミノエステル、特にジメチルおよびジエチルアミノアルキルエステルおよびトリメチルおよびトリメチルアンモニウムアルキルエステルおよび相当するアミドである。前記モノマーは単独でホモポリマーに重合し、または互いに混合してコポリマーに重合する。
【0049】
更に少ない量で付加的に水不溶性モノマー、例えばアクリル酸および/またはメタクリル酸とC〜C10−アルコールのエステル、スチレンおよびアルキル化スチレンを前記モノマーと共重合できる。モノマー溶液中の水溶性モノマーの割合は全量のモノマーに対して一般に60〜100質量%、特に80〜100質量%であり、モノマーとしてアクリル酸が有利である。水不溶性(疎水性)モノマーは一般にモノマーの0〜40質量%である。
【0050】
重合に必要なアクリル酸もしくはその誘導体は蒸留により精製し、これに続いて有利に少なくとも30モル%に中和する。所望の中和比に調整後、重合反応を開始する。使用されるモノマー、特にアクリル酸を重合の前に常に新鮮に洗浄することが必要であるが、それは例えばアクリル酸モノマーの長期の保存が高い保存温度と結合してモノマー溶液中のジアクリル酸含量の好ましくない増加を生じ、これが更にポリマー中の残留モノマー含量の増加を生じるからである。
【0051】
水性モノマー溶液中の酸基の中和は公知方法により塩基を用いて行い、その際中和度は有利に少なくとも30モル%、特に50〜100モル%、特に有利に70〜95モル%である。塩基として中和のために、すべての一般的な無機および有機化合物が該当し、これらは単独でおよび混合物の組み合わせで中和に使用できる。有利な中和剤は苛性ソーダおよび苛性カリのほかに相当するカルボン酸および塩基性窒素化合物、例えばアンモニア、もしくは水酸化アンモニウム、アンモニウム塩およびアミノ化合物、例えば脂肪族、脂環式、複素環式および芳香族モノアミンおよびポリアミン、ヒドロキシルアミン、およびアルカノールアミンである。特に有利な窒素化合物はアンモニアもしくは水酸化アンモニウム、ヒドロキシルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミンおよびこれらの混合物である。
【0052】
水で膨潤可能なポリマーを製造するために、前記モノマーと一緒に少ない割合で架橋モノマー、例えば分子中に1個より多い反応性基を有するモノマーを重合することができる。少なくとも2個以上の官能基、例えば二重結合、エポキシ基等を有する架橋剤は重合中に成長するポリマー鎖に導入することができる。これによりポリマー中に種々の位置に架橋点が形成され、架橋点は個々のポリマーを結合し、液体中でポリマー粒子が膨潤することができ、液体に溶解しないことを生じる。架橋剤の化学構造、架橋位置の数、およびポリマー鎖中の分布により、架橋ポリマーの特性を決定する。ポリマーへの架橋剤の最適な導入の場合は均一に分配された架橋位置を有する架橋ポリマーが形成され、ポリマー中に架橋されない領域または架橋されない(すなわち水溶性)低分子部分が存在しない。ポリマー中の架橋位置の均一な分布は水性液体のための最適な保留能力および膨潤状態での最適なゲル強度を有する。
【0053】
架橋モノマーとしてここに例示される多官能性モノマー、例えばアミド、たとえばメチレンビスアクリルアミドまたはメタクリルアミド、またはエチレンビスアクリルアミド、更にポリオールのエステル、例えばジアクリレートまたはトリアクリレート、例えばブタンジオールジアクリレート、またはエチレングリコールジアクリレート、ポリグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、有利にオキシアルキル化(エトキシル化)トリメチロールプロパン1〜30モルを有するジアクリレートおよびトリアクリレート、グリセリンとペンタエリスリットのアクリレートまたはメタクリレートエステル、有利にオキシエチル化グリセリン1〜30モル%およびペンタエリスリットのアクリレートまたはメタクリレートエステル、更にアリル化合物、例えばアリル(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、マレイン酸ジアリルエステル、ポリアリルエステル、テトラアリルオキシエタン、トリアリルアミン、テトラアリルエチレンジアミン、燐酸もしくは亜燐酸のアリルエステル、更に架橋可能なモノマー、例えばアミド、例えばメタクリルアミドもしくはアクリルアミドのN−メチロール化合物、およびこれから誘導されるエーテルが挙げられる。架橋コモノマーの割合はモノマーの全量に対して0〜10質量%、有利に0.01〜3.0質量%である。
【0054】
モノマー溶液の重合は通常のラジカル重合を開始する開始剤もしくはレドックス系を使用して行う。ポリマーの経済的な製造を達成するために、有利に重合を比較的低い温度で分解する開始剤を使用して行う。重合は一般に吸熱重合として実施し、その際反応を有利にレドックス系および光開始剤を使用して開始することができる。両方の開始剤の組み合わせも可能である。
【0055】
レドックス開始剤系は有利に少なくとも2個の成分、すなわち有機または無機酸化剤および有機または無機還元剤からなる。この場合にしばしば過酸化物単位、例えば無機過酸化物、特にアルカリ金属過硫酸塩および過硫酸アンモニウム、アルカリ金属過燐酸塩および過燐酸アンモニウム、過酸化水素およびその塩、例えば過酸化ナトリウムおよび過酸化バリウムまたは有機過酸化物、例えば過酸化ベンゾイル、ブチルヒドロペルオキシド、または過酸、例えば過酢酸を有する化合物を使用する。そのほか他の酸化剤、例えば過マンガン酸カリウム、塩素酸ナトリウムおよびカリウム、二クロム酸カリウム等を使用することもできる。還元剤として硫黄含有化合物、例えば亜硫酸塩、チオ硫酸塩、スルフィン酸、有機値オール、特にエチルメルカプタン、2−ヒドロキシエタンチオール、2−メルカプトエチルアンモニウムクロリド、チオグリコール酸等を使用できる。更にアスコルビン酸および低原子価金属塩、例えば銅(1)、マンガン(II)、鉄(II)の使用も可能である。燐化合物も使用できる。このための例として次亜燐酸ナトリウムが挙げられる。
【0056】
光重合の場合にUV光を用いて反応を開始し、UV光が開始剤を分解する。開始剤として、ベンゾインおよびベンゾイン誘導体、例えばベンゾインエーテル、ベンジルおよびその誘導体、例えばベンジルケタール、アクリルジアゾニウム塩、アゾ開始剤、例えば2,2´−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩、またはアセトフェノン誘導体を使用できる。酸化成分および還元成分の量はモノマー溶液に対して0.00005〜0.5質量%、有利に0.001〜0.1質量%および光開始剤は0.001〜0.1質量%、有利に0.002〜0.5質量%の範囲で変動できる。
【0057】
重合は有利に水溶液中で重合容器中で不連続的にまたは例えばドイツ特許第3544770号によりエンドレスベルト上で実施し、この明細書の記載内容は本発明に関係する。
【0058】
重合をほとんど断熱的に行う場合は15〜50質量%の相当する開始濃度で水性ポリマーゲルが生じる。開始モノマー濃度および有利に−20〜+50℃、特に−10〜+10℃の範囲の相当する開始温度の選択により、反応ガ良好に行われるように反応の温度特性を調節する。
【0059】
重合中に存在するモノマー溶液を早くても重合の最大温度に達した後に電磁線、有利に赤外線を用いて処理することが本発明の方法に重要であり、それはこの時点でモノマーのきわめて高い変換率から出発できるからである。有利に重合の際に得られるポリマーゲルをモノマー変換率95%、特に有利に少なくとも99%で電磁線を用いて処理する。
【0060】
電磁線として例えば赤外線、マイクロ波放射線、VIS線およびUV線を、特にλ=35cm〜3nmの波長範囲に相当してv=10〜1016Hzの周波数範囲で本発明の方法に使用することができ、その際赤外線の使用が特に有利である。赤外線を使用する場合はλ=750〜25000nmの波長範囲が有利であり、可視光線(VIS線)の使用に関して有利な波長範囲はλ=380〜750nmである。UV線を使用する場合は、これは有利にv=900MHz〜140GHzの周波数範囲に相当してλ=172〜380nmの波長範囲にある。
【0061】
本発明の方法でのUV線の可能な使用に関して、UV線、すなわちUV放射線を使用して反応を開始する光重合の場合に、光開始剤の完全な分解を保証するために、全重合反応中にこのUV光での照射を維持することは知られていると記載すべきである。しかし全く意想外なことに、この場合に付加的に早くても重合の最大温度に達した後に付加的に電磁線を使用して本発明により照射することにより特にアクリル酸もしくはアクリルアミドをベースとするポリマーが得られ、このポリマーが残留モノマーを全く含有しないかまたはきわめて低い残留含量を有売ることが見出され、この場合にこの電磁線は光開始剤の分解に使用されるUV光より大きい波長を有する。本発明によるこの実施態様に関して、使用される電磁線が光開始剤の分解に使用されるUV光より大きい波長を有することが重要である。このために特に有利に赤外線を使用する。
【0062】
本発明の方法での電磁線の照射時間は使用される放射線の種類に依存して、0〜60分、有利に3〜25分、特に5〜20分である。
【0063】
重合が終了後、ゲルとして存在するポリマーを粉砕する。粉砕されたゲルを不連続的に例えば空気循環乾燥棚中で70〜150℃、有利に80〜130℃で乾燥する。乾燥を同じ温度範囲でベルト乾燥機上でまたは流動床乾燥機中で連続的に行うこともできる。
【0064】
本発明により製造されるポリマーは乾燥後に所望の粒部分に粉砕し、引き続き種々の使用に必要なシーブフラクションに分配する。例えば衛生分野の吸収剤として架橋ポリマーを使用するためには0.2〜1mmの粒の分布が有利である。農業分野および園芸に使用するために、0.2〜3mmの粒の分布を有する生成物を使用し、これに対して凝集剤として使用する場合の溶解性ポリマーに関しては0.1〜1.2mmの範囲の生成物が有利である。特に生成物の急速な溶解を達成するために、生成物の少なくとも95%が2.0mm未満であり、有利に90%が1.5mm未満の大きさであるべきである。
【0065】
本発明の有利な構成において、特に高い保留能力、高いゲル濃度、および圧力下の高い吸収能力を有する所望の特性を有する水で膨潤可能な超吸収性ポリマーを製造するために、この吸収性ポリマーの表面を事後に処理し、これにより衛生用品に使用する場合のこのポリマーの人的介護産業の高い要求に対応できる。低い残留モノマー含量と結びついた、ゲル安定性、圧力下の液体の吸収および吸収速度の明らかな改良を生じるこの後架橋のために、特に少なくとも2個の官能基を有し、ポリマーの官能基がポリマー粒子の表面に架橋できる化合物を使用する。
【0066】
ここでアルコール官能基、アミン官能基、アルデヒド官能基、グリシジル官能基およびエピクロロ官能基を有する架橋剤、例えば多価アルコール、ポリエポキシ化合物、ポリグリシジル化合物、ポリアミン、多官能性アジリジン化合物、ポリアルデヒド、ポリイソシアネート、ポリオキサジリン、アルキレンカーボネート、および多価金属化合物を記載することができ、その際多くの異なる官能基を有する架橋剤分子を使用できる。例として以下の架橋剤が挙げられる。
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、プロピレングリコール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、プロピレンオキシド、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、エトキシル化ソルビタン脂肪酸エステル、トリメチロールプロパン、エトキシル化トリメチロールプロパン、ペンタエリスリット、エトキシル化ペンタエリスリット、ポリビニルアルコール、ソルビット、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、およびポリエポキシド、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、その際エチレンカーボネートが特に有利である。
【0067】
前記架橋剤は単独でおよび前記架橋剤の多くの混合物として、直接およびアルコール水溶液または水溶液として、ポリマーの表面架橋に使用することができる。その際後架橋剤は後架橋されるポリマーに対して一般に0.01〜10質量%、有利に0.1〜5質量%、特に0.1〜1.0質量%の量で使用する。
【0068】
所望の特性を得るために、ポリマー粒子上の後架橋剤の均一な分布が必要である。後架橋剤を被覆するための適当な混合装置は例えばPatterson Kellyミキサー、DRAIS乱流ミキサー、Loedigeミキサー、Rubergミキサー、スクリュー混合機、円板混合機および流動床混合機、およびポリマー粒子を粉末として回転するナイフを使用して速い周波数で混合する、連続的に運転する混合機(Schugiミキサー)である。後架橋剤を有利に溶液の形でポリマー粒子と混合した後で、表面架橋のために、80〜250℃、有利に135〜250℃、特に150〜200℃の温度に加熱する。最適な時間は使用される後架橋剤の種類に依存し、それぞれの架橋剤に関して若干の試験で容易に求めることができる。後架橋時間は超吸収性ポリマーの所望の特性が生じる熱の損傷のために再び破壊される時点により制限される。一般に後架橋時間は180℃の温度で30分未満である。
【0069】
特に有利に、本発明の方法をポリマーゲルの製造に使用することができ、ポリマーゲルの製造は一般にベルト法により行われるが、それは本発明の方法を、既存のベルト重合装置上で相当する放射線装置、例えば赤外線装置の後処理によってのみ既存の装置技術を更に変更せずに行うことができるからである。この場合に本発明の方法は照射しない公知方法に比べて明らかに低い残留モノマー、特にアクリルアミドの残留含量を生じる。
【0070】
有利に本発明の方法により製造されるポリマーは多くの範囲で使用できる。例えば水で膨潤可能なポリマーは、人的介護産業もしくは衛生工業に、衛生用品、例えば赤ちゃんオムツ、生理用品、タンポン、失禁用品の形の子供および老人衛生のための吸収性衛生用品、および導入された傷を覆う製品の製造に使用できる。
【0071】
更にこれらの水で膨潤可能なポリマーは包装工業に、例えばこの水で膨潤可能なポリマーが導入された不織布の製造に、例えば包装成分として、特に魚および肉のケースの吸収層の形で使用できる。
【0072】
更に本発明の水で膨潤可能なポリマーは粒状物の形で農業技術または農耕および園芸に、特に水および栄養を貯蔵する土壌助剤として、植物を栽培する人工的土壌として、および傷保護ゲルとして使用される。ケーブル工業または通信技術でこれらの水で膨潤可能なポリマーは液体吸収成分として、または電流または光を導くケーブルに添加剤として使用される。
【0073】
水溶性の形で本発明のポリマーは例えば凝集助剤として、有利に自治体および工場の排水を清浄にするために、石油採掘のボーリング洗浄剤として、土壌改良剤として、食品添加物として、増粘剤として、分散助剤として、および保留助剤として使用できる。
【0074】
以下に本発明を実施例により説明する。これらの説明は例にすぎず、本発明の一般思想を限定しない。
【0075】
実施例
以下の略号を使用した。
ABAH:2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩
DIMAPA四級化物:塩化メチルで四級化された3−ジメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミド
ADAME四級化物:塩化メチルで四級化された2−ジメチルアンモニウム(メタ)アクリレート
ベルセネクス(Versenex)80:Dow Chemical社の製品。
【0076】
1.アクリル酸ナトリウム40%の質量割合を有するアクリル酸ナトリウムおよびアクリルアミドからなるコポリマーの製造
比較例
重合容器にまず50質量%アクリルアミド水溶液360.0gを入れ、水455.9gおよびベルセネクス80 250mgと混合した。アクリル酸91.9gを添加後、50質量%NaOH水溶液102.1gを加えてpH6.0に中和し、−5℃に冷却し、窒素で吹き出した。ABAH0.45gを添加後、UV光で重合を開始した。25分以内に反応温度が−5℃からTmax=80℃に上昇した。引き続き25分間後反応させた。得られたポリマーを肉ひき器で粉砕し、100℃で90分乾燥した。引き続き生成物を90〜1400μmの粒子フラクションに粉砕した。
【0077】
生成物はブルックフィールド粘度計で、10%NaCl溶液中0.5%溶液で測定して210mPasの粘度を有し、その際溶解時間は1時間であった。
【0078】
実施例1〜3
比較例と同様に重合を行ったが、20〜25分の後反応時間の間に、すなわちTmaxを達成後、短波赤外線で照らし、その際平均波長は1〜1.5mmであった。表面温度により調節した。比較例と同様に処理した。粘度は同様にブルックフィールド粘度計で、10%NaCl溶液中0.5%溶液で測定して210mPasであり、溶解時間は1時間であった。
【0079】
以下の図に比較例および実施例1〜3による最終生成物からの測定した残留モノマー含量が示される。
【0080】
【表1】

【0081】
II.ADAME四級化物35質量%を有するADAME四級化物およびアクリルアミドからのカチオン性コポリマーの製造
実施例4〜5
重合容器にまず50%アクリルアミド水溶液1040.0gを入れ、水1109.0gおよびベルセネクス80 0.75gと混合した。80%ADAME四級化物溶液350.0gを添加後、50%硫酸0.25gを加えてpH5.0に調節し、−0℃に冷却し、窒素で吹き出した。ABAH(2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩)1.25gを添加後、UV光で重合を開始した。25分以内で温度が−5℃から80℃に上昇した。Tmaxでゲルを赤外線で10分間照射した(平均波長1〜1.5mm)。得られたポリマーを肉ひき器で粉砕し、100℃で90分乾燥した。生成物を90〜1400μmの粒子フラクションに粉砕した。粘度は10%NaCl溶液中1.0%溶液として測定して705mPasであった。
【0082】
相当する比較混合物を照射せずに行った。得られたポリマーを同様に肉ひき器で粉砕し、100℃で90分乾燥し、生成物を90〜1400μmの粒子フラクションに粉砕した。粘度は10%NaCl溶液中1.0%溶液として測定して680mPasであった。
【0083】
本発明による実施例4では残留モノマーは640ppmであり、比較例5では1500ppmであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重合中に存在するモノマー溶液を早くても重合の最大温度に達した後に電磁線を用いて照射し、引き続き得られたゲルを粉砕し、乾燥することを特徴とする、ポリマーの製造方法。
【請求項2】
モノマー溶液を95%のモノマー変換率まで重合する請求項1記載の方法。
【請求項3】
モノマー溶液を99%のモノマー変換率まで重合する請求項1記載の方法。
【請求項4】
電磁線がλ=35cm〜3nmの波長範囲に相当してv=10〜1016の周波数範囲にある請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
電磁線がv=900MHz〜140GHzの周波数範囲に相当してλ=172〜380nmの波長範囲のUV線である請求項4記載の方法。
【請求項6】
電磁線がλ=380〜750nmの波長範囲の可視光線(VIS線)である請求項5記載の方法。
【請求項7】
電磁線がλ=750〜25000nmの波長範囲の赤外線である請求項6記載の方法。
【請求項8】
モノマー溶液がアニオン性、非イオン性および/または両性エチレン不飽和カチオン性モノマーを含む請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
モノマー溶液が、
a)オレフィン性不飽和カルボン酸およびカルボン酸無水物、特にアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、グルタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、およびこれらの水溶性アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびアンモニウム塩
b)オレフィン性不飽和スルホン酸、特に脂肪族および/または芳香族ビニルスルホン酸、例えばビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アクリルおよびメタクリルスルホン酸、特にスルホエチルアクリレート、スルホエチルメタクリレート、スルホプロピルアクリレート、スルホプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルスルホン酸、および2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、およびこれらの水溶性アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびアンモニウム塩
c)オレフィン性不飽和ホスホン酸、特に例えばビニルホスホン酸およびアリルホスホン酸、およびこれらの水溶性アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびアンモニウム塩
d)スルホメチル化および/またはホスホノメチル化アクリルアミドおよびこれらの水溶性アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびアンモニウム塩
の群から選択される少なくとも1種のアニオン性モノマーを有する請求項8記載の方法。
【請求項10】
モノマー溶液が、一般式(I):
【化1】

(式中、
は水素またはメチル基であり、
およびRは互いに無関係に水素、1〜5個の炭素原子を有するアルキル基またはヒドロキシアルキル基を表すか、または
またはRはOH基を表す)の少なくとも1種の非イオン性モノマーを含む請求項8記載の方法。
【請求項11】
モノマー溶液が、一般式(II):
【化2】

(式中、
は水素またはメチル基であり、
はO、NH、またはNRであり、Rは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表し、
Yは
【化3】

の基を表し、
およびYは2〜6個の炭素原子を有するアルキレン基またはヒドロキシアルキレン基であり、
、Y、Y、Y、Y、Yは互いに無関係に1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を表し、
はハロゲン、酢酸塩、SOCHである)の少なくとも1種のカチオン性モノマーを含む請求項8記載の方法。
【請求項12】
モノマー溶液が、一般式(III)または(IV):
【化4】

(式中、
はO、NH、NRを表し、Rは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、
は水素またはメチル基を表し、
は1〜6個の炭素原子を有するアルキレンを表し、
およびRは互いに無関係に1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を表し、
は8〜32個の炭素原子を有するアルキル、アリールおよび/またはアラルキル基を表し、
はハロゲン、擬ハロゲン、SOCHまたは酢酸塩を表すかまたは
【化5】

の基を使用し、式中、
はO、NH、NRを表し、Rは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、
は水素またはメチル基を表し、
は水素、8〜32個の炭素原子を有するアルキル基、アリール基および/またはアラルキル基を表し、
は2〜6個の炭素原子を有するアルキレン基を表し、
nは1〜50の整数である)の少なくとも1種の両性モノマーを含む請求項8記載の方法。
【請求項13】
モノマー溶液の組成物がポリマーを製造するためにモノマーの全量に対してアニオン性モノマー0〜100質量%からなる請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
重合をエンドレスベルト上で行う請求項1から13までのいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
ポリマーがポリアクリルアミドである請求項1から14までのいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
重合をレドックス系、光開始剤および/または両者の組み合わせを用いて開始する請求項1から15までのいずれか1項記載の方法。
【請求項17】
重合を断熱的に行う請求項1から16までのいずれか1項記載の方法。
【請求項18】
請求項1から17までのいずれか1項記載の方法により得られる水溶性または水で膨潤可能なポリマー。
【請求項19】
衛生産業への、特に衛生用品を製造するための請求項18記載のポリマーの使用。
【請求項20】
包装産業への、特に包装部品を製造するための請求項18記載のポリマーの使用。
【請求項21】
農業技術もしくは農耕および園芸への、特に水および栄養を貯蔵するための土壌助剤、土壌改良剤、植物栽培用人工土壌としての、および傷保護用ゲルとしての、請求項18記載のポリマーの使用。
【請求項22】
ケーブル工業もしくは通信技術への、特に液体吸収成分としてのおよび/または電流または光を導くケーブルでの添加剤としての請求項18記載のポリマーの使用。
【請求項23】
凝集助剤としての、特に採掘または排水処理での、特に自治体および工場の排水を清浄にするための、および飲料水処理のための請求項18記載のポリマーの使用。
【請求項24】
石油採掘でのボーリング洗浄剤としての請求項18記載のポリマーの使用。
【請求項25】
食品工業への、特に食品添加物および/または増粘剤としての請求項18記載のポリマーの使用。
【請求項26】
製紙工業への、特に紙助剤、有利に分散助剤または保留助剤としての請求項18記載のポリマーの使用。

【公表番号】特表2008−528740(P2008−528740A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−552550(P2007−552550)
【出願日】平成18年1月16日(2006.1.16)
【国際出願番号】PCT/EP2006/000328
【国際公開番号】WO2006/079462
【国際公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【出願人】(500001596)シュトックハウゼン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (7)
【氏名又は名称原語表記】Stockhausen GmbH
【住所又は居所原語表記】Baekerpfad 25, D−47805 Krefeld, Germany
【Fターム(参考)】