説明

水溶性レーザーペーパー及びその製造方法

【課題】環境にやさしいや、偽造し難しいや、低コスト効果を有する水溶性レーザーペーパー及びその製造方法を提供する。
【解決手段】紙に所定のパターンを印刷する工程と、紙の作業面に水溶性レーザー層を塗布する工程と、該水溶性レーザー層を加熱することにより、鏡面効果を現す工程と、水溶性レーザー層を有する紙に加圧することにより、レーザー効果を現す工程と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に環境にやさしいや、偽造し難しいや、低コスト効果を有する水溶性レーザーペーパー及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の製品の表面に又は包装材にパターンが印刷されることにより、製品の美観性を向上する。又、メーカーや商標を表示するために、レーザー印刷の技術によって製造されるレーザーフィルムを有するペーパー(以下に、レーザーペーパーと称す)を良く使用している。従来のレーザーペーパーは、塩化ビニル樹脂(PVC)やポリエチレンテレフタレート(PET)等のプラスチック材と紙を一緒に結合するからなる。このプラスチック材を用いるため、レーザーペーパーの製造コストを増加してしまうという問題を有する。更に、従来のレーザーフィルムにパターンを印刷する際、印刷ずれ問題を多発し、この問題を抑えるため、パターンの印刷後の校正プロセスが必要となる。こうしないと、パターンの印刷ずれ問題がレーザーペーパーの品質に悪影響を及ぼす。
【0003】
又、従来のレーザーペーパーをリサイクルする場合、プラスチック材と紙を分離し難しいことにより、リサイクル作業のコストを増加する問題があった。
【0004】
又、従来のレーザーペーパーにおけるレーザーフィルムは、所定の強度を有するすると共に、断裂し難しいため、製品の偽造者は、該レーザーフィルムを簡単に本物の製品から取り外して、偽造品に貼り合うことができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来のレーザーペーパーの製造方法により、四つの異なる種類のレーザーペーパーを製造することができ、以下に各種類の製造方法に対して夫々説明する。
1、全体透明なレーザーフィルムを有するレーザーペーパー:PETフィルムをコロナ技術(CORONA TREATMENT)によって処理した後、その表面に溶剤型樹脂(成分は、約35±2wt%のアクリル樹脂と、50±2wt%のイソプロパノールと、15±2wt%の水である)を連結剤として塗布し、そしてレーザー印刷作業を行った後、印刷後の紙と一緒に貼り合うことにより、レーザーペーパーを完成する。
【0006】
しかし、このレーザーペーパーにおけるPETフィルムをリサイクルできないので、捨てるしかないという資源の浪費及び製造コストの増加という問題があった。
【0007】
2、一部透明なレーザーフィルムを有するレーザーペーパー:プラスチックフィルムを熱鍍金によって印刷後の紙に一部鍍金することにより、レーザーペーパーに所定の一部パターンが形成される。
【0008】
しかし、この製造方法は、コストが高く、鍍金するパターンがずれ問題を発生し易いので、レーザーペーパーの品質が悪いという問題があった。
【0009】
3、全体アルミニウム鍍金のレーザーフィルムを有するレーザーペーパー:PETフィルムをコロナ技術によって処理した後、その表面に溶剤型樹脂を連結剤として塗布し、そしてレーザー印刷作業を行った後、作業面にアルミニウムフィルムを鍍金し、PETフィルムの両面に溶剤型樹脂を塗布し、印刷後の紙と一緒に貼り合った後、印刷作業を行うことにより、レーザーペーパーを完成する。
【0010】
しかし、この方法により、一部のレーザーフィルムにおけるパターンが印刷インクによって隠される問題があるので、パターンに悪影響を及ぼす。
【0011】
4、一部アルミニウム鍍金のレーザーフィルムを有するレーザーペーパー:PETフィルムをコロナ技術によって処理した後、その表面に溶剤型樹脂を塗布し、そしてニッケルプレートによって一部レーザー印刷作業を行った後、作業面にアルミニウムフィルムを鍍金し、PETフィルムの両面に溶剤型樹脂を塗布し、印刷後の紙と一緒に貼り合った後、印刷作業を行うことにより、レーザーペーパーを完成する。
【0012】
しかし、この方法により、レーザーフィルムと紙におけるパターンとの間にずれ問題が発生しやすいので、レーザーペーパーの品質が悪いという問題があった。尚、前記レーザーペーパーの製造方法は、一般によく使用される方法であるため、特に特許文献又は非特許文献には記載されていない。
【0013】
そこで、出願されたのが本発明であって、環境にやさしいや、偽造し難しいや、低コスト効果を有する水溶性レーザーペーパー及びその製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本願の主な目的は、環境にやさしいや、リサイクルし易いや、偽造し難しいや、低コスト効果を有する水溶性レーザーペーパーを提供する
【0015】
本願の次の目的は、前記の水溶性レーザーペーパーの製造方法を提供する。
【0016】
本願の請求項1の発明は、紙に所定のパターンを印刷する工程と、
紙の作業面に水溶性レーザー層を塗布する工程と、
該水溶性レーザー層を加熱することにより、鏡面効果を現す工程と、
水溶性レーザー層を有する紙に加圧することにより、レーザー効果を現す工程と、を備えることを特徴とする水溶性レーザーペーパーの製造方法、を提供する。
【0017】
本願の請求項2の発明は、前記紙の作業面に水溶性レーザー層を塗布する工程は、紙の作業面の一部に行うことを特徴とする請求項1に記載の製造方法、を提供する。
【0018】
本願の請求項3の発明は、前記紙の作業面に水溶性レーザー層を塗布する工程の後に、紙に耐熱式レーザー層が設けられることを特徴とする請求項1に記載の製造方法、を提供する。
【0019】
本願の請求項4の発明は、前記耐熱式レーザー層が紙の一部に設けられると共に、該耐熱式レーザー層の全体に水溶性レーザー層も設けられることを特徴とする請求項3に記載の製造方法、を提供する。
【0020】
本願の請求項5の発明は、紙の全体に水溶性光オイルの水溶性レーザー層を塗布する工程と、
該塗布面を加熱することにより、鏡面効果を現す工程と、
水溶性光オイルの水溶性レーザー層を有する紙に加圧することにより、レーザー効果を現す工程と、
該水溶性レーザー層に化学積層手段によってアルミニウムフィルムを鍍金する工程と、
該アルミニウムフィルムに連結剤の水溶性樹脂フィルムを塗布する工程と、
該塗布面にパターンを印刷する工程と、を備えるアルミニウム鍍金のレーザーフィルムを有する水溶性レーザーペーパーの製造方法、を提供する。
【0021】
本願の請求項6の発明は、前記水溶性光オイルの水溶性レーザー層を有する紙に加圧することにより、レーザー効果を現す工程は、紙の一部に加圧することを特徴とする請求項5に記載の製造方法、を提供する。
【0022】
本願の請求項7の発明は、前記紙の全体に水溶性光オイルを塗布する工程の前に、紙に耐熱式レーザー層が設けられることを特徴とする請求項5に記載の製造方法、を提供する。
【0023】
本願の請求項8の発明は、前記耐熱式レーザー層が紙の一部に設けられると共に、該耐熱式レーザー層の一部に水溶性レーザー層も設けられることを特徴とする請求項7に記載の製造方法、を提供する。
【0024】
本願の請求項9の発明は、前記耐熱式レーザー層が紙の全体に設けられると共に、該耐熱式レーザー層の一部に水溶性レーザー層も設けられることを特徴とする請求項8に記載の製造方法、を提供する。
【0025】
本願の請求項10の発明は、紙に第1水溶性レーザー層を塗布する工程と、
該第1水溶性レーザー層を加熱することにより、鏡面効果を現す工程と、
該第1水溶性レーザー層に化学積層手段によってアルミニウムフィルムを鍍金する工程と、
該アルミニウムフィルムに連結剤の水溶性樹脂フィルムを塗布する工程と、
該塗布面にパターンを印刷する工程と、
該塗布面に第2水溶性レーザー層を塗布する工程と、
該第2水溶性レーザー層を加熱することにより、鏡面効果を現す工程と、
該紙の水溶性レーザー層に加圧することにより、レーザー効果を現す工程と、を備えるアルミニウム鍍金のレーザーフィルムを有する水溶性レーザーペーパーの製造方法、を提供する。
【0026】
本願の請求項11の発明は、前記紙の水溶性レーザー層に加圧することにより、レーザー効果を現す工程は、紙の水溶性レーザー層の一部に加圧することを特徴とする請求項10に記載の製造方法、を提供する。
【0027】
本願の請求項12の発明は、前記各レーザー層を塗布する工程の前に、紙に耐熱式レーザー層が設けられることを特徴とする請求項10に記載の製造方法、を提供する。
【0028】
本願の請求項13の発明は、前記耐熱式レーザー層が紙の一部に設けられると共に、該耐熱式レーザー層の一部に水溶性レーザー層も設けられることを特徴とする請求項12に記載の製造方法、を提供する。
【0029】
本願の請求項14の発明は、前記耐熱式レーザー層が紙の全体に設けられると共に、該耐熱式レーザー層の一部に水溶性レーザー層も設けられることを特徴とする請求項12に記載の製造方法、を提供する。
【0030】
本願の請求項15の発明は、ペーパーベースと、該ペーパーベースに設けられると共に、パターンを有するインク層と、レーザー効果を有するレーザー層と、を有することを特徴とする水溶性レーザーペーパー、を提供する。
【0031】
本願の請求項16の発明は、ペーパーベースと、
該ペーパーベースに設けられる第1レーザー層と、
該第1レーザー層に設けられるアルミニウム層と、
該アルミニウム層に設けられる第2レーザー層と、
該第2レーザー層に設けられるインク層と、
レーザー効果を有する第3レーザー層と、を有することを特徴とするアルミニウム鍍金の水溶性レーザーペーパー、を提供する。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、プラスチックフィルムの不要で、レーザーフィルムを製造することができ、且つレーザーペーパーのリサイクル際、他の分離作業を行う必要を要らず、更に、プラスチックフィルムの使用がないので、製造コストの低減を実現でき、又、貼合方式ではなく、積層方式によって紙にレーザーフィルムとパターンが形成されるので、パターンのずれ問題を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0034】
図1は本発明に係る水溶性レーザーペーパーの一実施例の構成を示す断面図であり、図2は本発明に係る水溶性レーザーペーパーの他の実施例の構成を示す断面図であり、図3は本発明に水溶性レーザーペーパーの製造方法を示す概略図であり、図4は本発明に水溶性レーザーペーパーの他の製造方法を示す概略図である。
【0035】
本発明に係る水溶性レーザーペーパーの製造方法は、
紙に所定のパターンを印刷する工程と、
紙の作業面に全体又は一部水溶性レーザー層を塗布する工程と、
該水溶性レーザー層を加熱することにより、鏡面効果を現す工程と、
水溶性レーザー層を有する紙に加圧することにより、レーザー効果を現す工程と、を備える。
【0036】
前記水溶性レーザー層は、(a)42±2wt%のアクリルポリマーと、55±2wt%の水とを含む耐熱式光オイル、又は(b)42±2wt%のアクリルポリマーと、3±1wt%のレシチンと、55±1wt%の水とを含む水溶性光オイル、又は(c)50〜60wt%のアクリルモノマーと、40〜50wt%のエポキシアクリルオリゴメールと、5wt%の光イニシェーターとを含む非熱軟化式光オイルである。
【0037】
本発明に係る水溶性レーザーペーパーの他の製造方法は、
紙の全体に水溶性レーザー層を塗布する工程と、
該水溶性レーザー層を加熱することにより、鏡面効果を現す工程と、
水溶性レーザー層を有する紙に加圧することにより、レーザー効果を現す工程と、
水溶性レーザー層を有する紙に化学積層手段によってアルミニウムフィルムを鍍金する工程と、
該アルミニウムフィルムに連結剤の水溶性樹脂フィルムを塗布する工程と、
該水溶性樹脂フィルムに所定のパターンを印刷する工程と、を備える。
【0038】
前記連結剤の水溶性樹脂フィルムは、43±1wt%のアクリルモノマーと、45±1wt%の水と、3±1wt%の水酸化アンモニウムと、を含む。
【0039】
図1に示すように、本発明に係る水溶性レーザーペーパーは、ペーパーベース(10)と、インク層(11)と、レーザー層(12)と、を有する。
【0040】
図2に示すように、本発明に係るアルミニウム鍍金のレーザーペーパーは、ペーパーベース(20)と、第1レーザー層(21)と、アルミニウム層(22)と、第2レーザー層(23)と、インク層(24)と、第3レーザー層(25)と、を有する。
【0041】
以下に、本発明に係る水溶性レーザーペーパーの実施例を説明する。
全体透明なレーザーフィルムを有するレーザーペーパー:
紙に所定のパターンを印刷し、該紙の作業面の全体に、42±2wt%のアクリルポリマーと、55±2wt%の水とを含む耐熱式光オイル、又は42±2wt%のアクリルポリマーと、3±1wt%のレシチンと、55±1wt%の水とを含む水溶性光オイルである水溶性レーザー層を塗布し、そして該水溶性レーザー層を加熱することにより、鏡面効果を現し(詳しいのは後に説明する)、水溶性レーザー層を有する紙に加圧することにより、レーザー効果を現す。
【0042】
一部透明なレーザーフィルムを有するレーザーペーパー:
[プロセス1]
紙に所定のパターンと色を印刷し、該紙の作業面の全体又は一部に耐熱式光オイル又は非熱軟化式光オイルである水溶性レーザー層を塗布し、該塗布面の一部に更に水溶性光オイルを塗布し、該水溶性光オイルの軟化温度は耐熱式光オイルの軟化温度より低く、最後に該水溶性レーザー層を加熱することにより、鏡面効果を現した後、水溶性レーザー層を有する紙に加圧することにより、レーザー効果を現す。従って、水溶性光オイルを有する一部にレーザー効果を現し、該水溶性光オイルを有しない耐熱式光オイル又は非熱軟化式光オイルである水溶性レーザー層にレーザー効果を有しない、一部透明なレーザーフィルムを有するレーザーペーパーを完成する。
【0043】
[プロセス2]
紙に所定のパターンと色を印刷し、該紙の作業面の全体に水溶性光オイルを塗布し、該塗布面を加熱することにより、鏡面効果を現した後、該塗布面の一部にニッケルプレートによってレーザー印刷作業を行うことにより、一部透明なレーザーフィルムを有するレーザーペーパーを完成する。
【0044】
全体アルミニウム鍍金のレーザーフィルムを有するレーザーペーパー:
[プロセス1]
紙の全体に水溶性光オイルを塗布し、該塗布面を加熱することにより、鏡面効果を現した後、該塗布面に化学積層手段によってアルミニウムフィルムを鍍金し、該アルミニウムフィルムに連結剤の水溶性樹脂フィルムを塗布した後、該塗布面にパターンを印刷し、該パターンを有する塗布面に再び水溶性光オイルを塗布し、最後に該水溶性光オイルの水溶性レーザー層を加熱することにより、鏡面効果を現した後、水溶性レーザー層を有する紙に加圧することにより、レーザー効果を現す。
【0045】
[プロセス2]
紙の全体に水溶性光オイルを塗布し、該塗布面を加熱することにより、鏡面効果を現した後、水溶性光オイルの水溶性レーザー層を有する紙に加圧することにより、レーザー効果を現し、該水溶性レーザー層に化学積層手段によってアルミニウムフィルムを鍍金し、該アルミニウムフィルムに連結剤の水溶性樹脂フィルムを塗布した後、該塗布面にパターンを印刷することにより、水溶性レーザーペーパーを完成する。
【0046】
前記紙が先に所定のサイズに裁断することにより、平板印刷を行い、又は裁断しないまま、ローラー印刷作業を行っても良い。
【0047】
一部アルミニウム鍍金のレーザーフィルムを有するレーザーペーパー:
[プロセス1]
紙の全体に水溶性光オイルを塗布し、該塗布面を加熱することにより、鏡面効果を現した後、該塗布面の一部にニッケルプレートによってレーザー印刷作業を行い、更に紙の全体に化学積層手段によってアルミニウムフィルムを鍍金し、該アルミニウムフィルムに連結剤の水溶性樹脂フィルムを塗布した後、該塗布面にパターンを印刷することにより、水溶性レーザーペーパーを完成する。
【0048】
[プロセス2]
紙の全体に水溶性光オイルを塗布し、該塗布面を加熱することにより、鏡面効果を現した後、該塗布面に化学積層手段によってアルミニウムフィルムを鍍金し、該アルミニウムフィルムに連結剤の水溶性樹脂フィルムを塗布した後、該塗布面にパターンを印刷し、該パターンを有する塗布面の全体又は一部に耐熱式光オイル又は非熱軟化式光オイルである水溶性レーザー層を塗布し、該塗布面の一部に更に水溶性光オイルを塗布し、該水溶性光オイルの軟化温度は耐熱式光オイルの軟化温度より低く、最後に該水溶性レーザー層を加熱することにより、鏡面効果を現した後、水溶性レーザー層を有する紙に加圧することにより、レーザー効果を現す。従って、水溶性光オイルを有する一部にレーザー効果を現し、該水溶性光オイルを有しない耐熱式光オイル又は非熱軟化式光オイルである水溶性レーザー層にレーザー効果を有しない、一部透明なレーザーフィルムを有するレーザーペーパーを完成する。
【0049】
[プロセス3]
紙の全体に水溶性光オイルを塗布し、該塗布面を加熱することにより、鏡面効果を現した後、該塗布面に化学積層手段によってアルミニウムフィルムを鍍金し、該アルミニウムフィルムに連結剤の水溶性樹脂フィルムを塗布した後、該塗布面にパターンを印刷し、該パターンを有する塗布面の全体に水溶性光オイルを塗布し、該塗布面を加熱することにより、鏡面効果を現した後、該塗布面の一部にニッケルプレートによってレーザー印刷作業を行うことにより、レーザーペーパーを完成する。
【0050】
又、水溶性レーザーフィルムの視覚効果を向上するために、加熱により、鏡面効果を現す作業を有する。図4に示すように、鏡面効果を現す作業は、二つの加熱/搬送ホイール(40)(40)の間に軟性のアイアンベルト(42)が設けられ、その加熱ホイール(40)の下側にゴム製の圧合ローラー(41)が接触される。
【0051】
前記水溶性光オイルの水溶性レーザー層を有する紙が加熱ホイール(40)と圧合ローラー(41)との間に入ると、水溶性レーザー層が加熱ホイール(40)の加熱によってアイアンベルト(42)に貼り合うことにより、紙を搬送ホイールの方向へ搬送させた後、アイアンベルト(42)と分離する。こうすることにより、水溶性レーザー層にアイアンベルト(42)のように鏡面効果を現す。
【0052】
しかし、前記水溶性光オイルの水溶性レーザー層を紙の一部に設ける場合、紙が全面的にアイアンベルト(42)に貼りあうことができないので、重力によってアイアンベルト(42)から剥離すると共に、優れた鏡面効果を得れないという問題を有する。
【0053】
前記の問題を解決するため、図3に示すように、この鏡面効果を現す作業は上記と同じように、二つの加熱/搬送ホイール(30)(30)の間に軟性のアイアンベルト(33)が設けられ、異なるのは、加熱ホイール(30)の上側にゴム製の圧合ローラー(32)が接触される。
【0054】
この鏡面効果を現す作業は、水溶性光オイルの水溶性レーザー層がフェースダウン方式によってアイアンベルト(33)と接触するため、該水溶性レーザー層が重力によって安定にアイアンベルト(33)と接触できるので、優れた鏡面効果を得ることも可能である。又、該水溶性光オイルの水溶性レーザー層を紙の一部に設けても、該水溶性レーザー層が重力によってアイアンベルト(33)と接触することにより、鏡面効果を向上することができる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
上述したように、本発明に係る水溶性レーザーペーパー及びその製造方法は、少なくとも以下の特徴を有する。
1、環境にやさしい:従来のレーザーペーパーは、PETやPVCなどのプラスチックフィルムとペーパーを貼りあった後、印刷作業を行うため、リサイクルの際、プラスチックフィルムとペーパーの分離作業を必要とし、該分離したプラスチックフィルムが捨てるしかないので、環境に悪影響を及ぼす。一方、本発明のレーザーフィルムは、水溶性光オイルを用いるため、他の分離作業を要らず、プラスチックフィルムの汚染問題も起こさない。
2、製造コストが低い:本発明は、プラスチックフィルムを使用しないので、材料コストを低減することができる。
3、多様な美観性を達成できる:従来のレーザーペーパーのパターンには、ずれ問題を有する。一方、本発明は、紙に直接に積層塗布によってパターンとレーザーフィルムが印刷されるので、ずれ問題を防止できると共に、多様な美観性を達成できる。
4、破壊性を有するので、偽造し難しい:従来のレーザーフィルムは、プラスチックフィルムであるので、破壊し難しく、製品の偽造者は、該レーザーフィルムを簡単に本物の製品から取り外して、偽造品に貼り合うことができる。一方、本発明は、プラスチックフィルムを有しないので、一旦レーザーペーパーを製品から取り外し、該レーザーフィルムが直ちに破壊されるので、偽造し難しい効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明に係る水溶性レーザーペーパーの一実施例の構成を示す断面図である。
【図2】本発明に係る水溶性レーザーペーパーの他の実施例の構成を示す断面図である。
【図3】本発明に水溶性レーザーペーパーの製造方法を示す概略図である。
【図4】本発明に水溶性レーザーペーパーの他の製造方法を示す概略図である。
【符号の説明】
【0057】
10 ペーパーベース
11 インク層
12 レーザー層
20 ぺーパーベース
21 第1レーザー層
22 アルミニウム層
23 第2レーザー層
24 インク層
25 第3レーザー層
30 搬送ホイール
32 圧合ローラー
33 アイアンベルト
40 加熱/搬送ホイール
41 圧合ローラー
42 アイアンベルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙に所定のパターンを印刷する工程と、
紙の作業面に水溶性レーザー層を塗布する工程と、
該水溶性レーザー層を加熱することにより、鏡面効果を現す工程と、
水溶性レーザー層を有する紙に加圧することにより、レーザー効果を現す工程と、を備えることを特徴とする水溶性レーザーペーパーの製造方法。
【請求項2】
前記紙の作業面に水溶性レーザー層を塗布する工程は、紙の作業面の一部に行うことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記紙の作業面に水溶性レーザー層を塗布する工程の後に、紙に耐熱式レーザー層が設けられることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記耐熱式レーザー層が紙の一部に設けられると共に、該耐熱式レーザー層の全体に水溶性レーザー層も設けられることを特徴とする請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
紙の全体に水溶性光オイルの水溶性レーザー層を塗布する工程と、
該塗布面を加熱することにより、鏡面効果を現す工程と、
水溶性光オイルの水溶性レーザー層を有する紙に加圧することにより、レーザー効果を現す工程と、
該水溶性レーザー層に化学積層手段によってアルミニウムフィルムを鍍金する工程と、
該アルミニウムフィルムに連結剤の水溶性樹脂フィルムを塗布する工程と、
該塗布面にパターンを印刷する工程と、を備えるアルミニウム鍍金のレーザーフィルムを有する水溶性レーザーペーパーの製造方法。
【請求項6】
前記水溶性光オイルの水溶性レーザー層を有する紙に加圧することにより、レーザー効果を現す工程は、紙の一部に加圧することを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
前記紙の全体に水溶性光オイルを塗布する工程の前に、紙に耐熱式レーザー層が設けられることを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
【請求項8】
前記耐熱式レーザー層が紙の一部に設けられると共に、該耐熱式レーザー層の一部に水溶性レーザー層も設けられることを特徴とする請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
前記耐熱式レーザー層が紙の全体に設けられると共に、該耐熱式レーザー層の一部に水溶性レーザー層も設けられることを特徴とする請求項8に記載の製造方法。
【請求項10】
紙に第1水溶性レーザー層を塗布する工程と、
該第1水溶性レーザー層を加熱することにより、鏡面効果を現す工程と、
該第1水溶性レーザー層に化学積層手段によってアルミニウムフィルムを鍍金する工程と、
該アルミニウムフィルムに連結剤の水溶性樹脂フィルムを塗布する工程と、
該塗布面にパターンを印刷する工程と、
該塗布面に第2水溶性レーザー層を塗布する工程と、
該第2水溶性レーザー層を加熱することにより、鏡面効果を現す工程と、
該紙の水溶性レーザー層に加圧することにより、レーザー効果を現す工程と、を備えるアルミニウム鍍金のレーザーフィルムを有する水溶性レーザーペーパーの製造方法。
【請求項11】
前記紙の水溶性レーザー層に加圧することにより、レーザー効果を現す工程は、紙の水溶性レーザー層の一部に加圧することを特徴とする請求項10に記載の製造方法。
【請求項12】
前記各レーザー層を塗布する工程の前に、紙に耐熱式レーザー層が設けられることを特徴とする請求項10に記載の製造方法。
【請求項13】
前記耐熱式レーザー層が紙の一部に設けられると共に、該耐熱式レーザー層の一部に水溶性レーザー層も設けられることを特徴とする請求項12に記載の製造方法。
【請求項14】
前記耐熱式レーザー層が紙の全体に設けられると共に、該耐熱式レーザー層の一部に水溶性レーザー層も設けられることを特徴とする請求項12に記載の製造方法。
【請求項15】
ペーパーベースと、該ペーパーベースに設けられると共に、パターンを有するインク層と、レーザー効果を有するレーザー層と、を有することを特徴とする水溶性レーザーペーパー。
【請求項16】
ペーパーベースと、
該ペーパーベースに設けられる第1レーザー層と、
該第1レーザー層に設けられるアルミニウム層と、
該アルミニウム層に設けられる第2レーザー層と、
該第2レーザー層に設けられるインク層と、
レーザー効果を有する第3レーザー層と、を有することを特徴とするアルミニウム鍍金の水溶性レーザーペーパー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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