説明

水素パイプラインシステムの動作の最適化

本発明の実施形態は水素の発生、処理、転送のネットワークの動作を最適化するように構成されたコンピュータ化された最適化システムを提供する。このようなネットワークは典型的に、生産及び分配設備の両者を含めた物理的装置、プラント、パイプラインの複合を含んでいる。水素最適化システムはこのような水素ネットワークにわたって水素の生産及び分配を最適化するソフトウェアシステムを提供する。水素最適化システムは時間にわたって解の品質を改良するため解のポピュレーションを「進化」するように構成された遺伝アルゴリズムと、水素パイプラインネットワークの優れた動作状態を識別するための誘導された発見的規則との両者を使用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水素パイプラインシステムの動作の最適化に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、水素パイプラインシステムは、水素を1つの点から別の点、通常は生産又は処理の単一点(または複数の点)から別の点または使用点へ転送するため弁、コンプレッサステーション、通信システム、計測器のような装置を備えた連続的な管路を提供する。
【0003】
水素パイプラインシステムの動作の最適化は複雑な仕事である。特に種々のノードのパワー価格と、再構成可能なエレメント(例えばパイプラインの特定のノードにおける圧力又は流動を増加、またはパイプラインの特定ノードにおける圧力又は流動を減少するように作用することができるパイプラインエレメント)と、種々のノードにおける契約により義務付けられている出力及び圧力要件を考慮するためのパイプラインシステムの最適化は困難な仕事であることが分かっている。さらに種々の異なるソースが水素をパイプラインへ異なる純度レベルで導入する可能性があり、この入力フィード(及び出力フィード)における純度の差は最適化プロセスを複雑にする。市販のパイプライン最適化システムは通常複雑なパイプラインシステムを構成するための適切な解を提供できていない。特に、市販のパイプライン最適化システムはパイプラインを動作する動作価格に影響する可能性がある種々の要素を考慮できていない。代わりに、このようなシステムはしばしば種々のこれらの可変物を制約し、他は独立して最適化されることができると仮定してパイプラインの動作の隔離された局面を最適化しようとする。しばしば、これは次善の解に導く。さらに現在のシステムが高品質の解を識別できることが証明されたときでさえも、これらはしばしば合理的な時間量でそれを行うことができない。
【発明の概要】
【0004】
本発明の実施形態は種々の動作的制約とこのようなシステムの動作に係わるニュアンスに基づいて水素パイプラインを動作するための廉価な解を識別するために使用されることができる最適化システムを提供する。
【0005】
本発明の1実施形態は水素のパイプラインネットワークの動作を最適化するコンピュータの実行する方法を含んでいる。その方法は一般的に、水素パイプラインを記述する入力データのセットと、水素を水素パイプラインへ導入するように構成された複数の水素生成源と、水素をパイプラインから除去するように構成されている複数の水素消費者と、最適化作業で使用するための複数の最適化パラメータと、1以上の最適化作業終了条件との読取りを含んでいる。その方法はまた解のポピュレーションの発生も含むことができ、ここで各解は水素パイプラインの実現可能な動作状態と、複数の水素発生源と、複数の水素消費者を特定する。方法はさらに各解の評価スコアを発生するため解のポピュレーション中の各解を評価し、終了条件の1つが満足されるまで解のポピュレーションを進化するために解のポピュレーションにおける遺伝的最適化プロセスを反復して実行するステップを含んでいる。方法はまた解の進化されたポピュレーションから解の1つを選択することも含むことができ、ここで選択された解は解の進化されたポピュレーション中の解に関して最高の評価スコアを有する。方法はまた1以上の発見的規則の選択された解への適用を含むことができ、ここで各発見的規則が選択された解で特定された水素パイプラインの動作状態をさらに最適化するために適用される。
【0006】
特別な実施形態では、遺伝的最適化プロセスはパイプラインを通る水素流と、パイプラインのルーピングセグメントを通る流動の割当てとを特定し、水素流が遺伝的最適化プロセスにより割当てられると直接圧力最適化技術が圧力の最適化に使用される。水素発生源は1以上のスチームメタン改質装置と、1以上の排ガス処理装置と、1以上の貯蔵設備、例えば岩塩ドーム、帯水層、埋設された貯蔵タンク、1以上の第3パーティの供給源を含むことができる。
【0007】
さらに、遺伝的最適化プロセスを行うステップはそれ自体ポピュレーション中の少なくとも1つの解により特定された実現可能な動作状態の少なくとも1つの局面を変更し、変更された解により特定された動作状態にしたがって水素パイプラインネットワークの動作をシミュレートし、変更された解の性能を評価するステップを含んでいる。遺伝最適化プロセスはさらに変更された解をポピュレーションへ付加し、解のポピュレーションから除去するためにポピュレーションから解を選択するステップを含むことができる。さらに、入力データのセットはパイプラインシステムの現在の動作状態を記憶する監視制御及びデータ収集(SCADA)パイプライン状態データベースから検索されたデータを使用して発生されることができる。
【0008】
本発明の特性及び目的をさらに理解するため、添付図面と伴った以下の詳細な説明を参照すべきであり、同じまたは類似の参照符合が同じエレメントに与えられている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の1実施形態による水素パイプラインシステムのコンポーネントを示すブロック図である。
【図2】本発明の1実施形態による図1に示された例示的な水素パイプラインシステムの動作特徴を最適化するために使用されるコンピュータシステムのコンポーネントを示す図である。
【図3】本発明の1実施形態による図1に示された例示的な水素パイプラインシステムの動作特徴を最適化するために構成された水素パイプライン最適化プログラムのコンポーネントを示す図である。
【図4】本発明の1実施形態による水素パイプラインシステムおよび最適化パラメータの構造を説明するために使用される入力ファイルの1例を示す図である。
【図5A】本発明の1実施形態による図2に示されたコンピュータシステムにより与えられる1例のグラフィカルユーザインターフェースを示す図である。
【図5B】本発明の1実施形態による図2に示されたコンピュータシステムにより与えられる1例のグラフィカルユーザインターフェースを示す図である。
【図6】本発明の1実施形態による水素パイプライン最適化プログラムの最適化モジュールのコンポーネントを示す図である。
【図7】本発明の1実施形態による水素パイプラインシステムの動作を最適化するための方法を示すフロー図である。
【図8】本発明の1実施形態による水素パイプラインの動作を最適化するための進化プロセスをシミュレートする方法を示す図である。
【図9】本発明の1実施形態による図2に示されているコンバータシステムにより与えられる1例のグラフィカルユーザインターフェースを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態は水素の発生、処理、転送ネットワークの動作を最適化するように構成されたコンピュータ化された最適化システムを提供する。このようなネットワークは典型的に、生産、貯蔵、分配設備を含めた物理的装置、プラント、パイプラインの複合を含んでいる。水素最適化システムはこのような水素ネットワークにわたって水素の生産及び分配を最適化するソフトウェアシステムを提供する。一般的に、用語「最適化」は通常は電力要求又は他の動作価格に関して、他よりも優れたパイプライン動作の状態の変化を示すためにここでは使用されている。しかしながら本発明の実施形態は水素パイプラインを構成するための最適又は最良の解を識別するために必要とされないことに注意すべきである。代わりに、用語最適化は通常は合理的な時間量で難しい問題に対する受け入れ可能な解を発見することを指している。
【0011】
ここで説明されている最適化システムを使用して行われることができる最適化の例には、例えば、効率的な装置設定を発見することによる電力コストの減少、必要とされる純度レベルをサポートするためのフィードの選択、テイク・オア・ペイ及び他のタイプの供給契約のペナルティの最小化、システム動作におけるその他の制約の満足が含まれている。したがって、ここで説明されている最適化システムの少なくとも1つの実施形態は、種々のパイプラインノードに位置される顧客へ契約的に義務付けられたアウトレット圧力(材料流)を同時に提供しながら水素パイプラインネットワークを動作するために必要とされる電力価格を最小にするために使用されることができる。
【0012】
1実施形態では、動作の制約は「ハード」制約と「ソフト」制約の両者を含むことができる。最適化プログラムにより発生される解が実現可能であるとみなされるならば、ハード制約は最適化問題に対する解が満足されなければならない要件を特定する。反対に、ハード制約の侵害は解を実現不能にする。ハード制約の例は最大および最小の圧力及び流動と、レギュレータにおける最大の弁の開口と、ガスフィードの選択と、オン又はオフであることを必要とされるプラントの選択と、コンプレッサモデルにおける再循環の限度を含んでいる。ソフト制約の一例はパイプラインオペレータが使用してもしなくても入手可能な製品または材料について支払わなければならない場合の「テイク・オア・ペイ」同意を含んでいる。ソフト制約の場合、特定のパイプライン構造の他の効率が科されるペナルティについて補償するならば、このような構造は受け入れ可能であるか、または好ましい。
【0013】
図1は本発明の1実施形態による水素パイプラインネットワーク100のコンポーネントを示すブロック図である。示されているように、水素パイプライン110は種々の異なるノードを接続し、その各ノードはパイプライン110から水素を誘導および/または引出すことができる。示されているように、パイプライン110に接続されているノードはカスタマノード105、スチームメタン改質装置ノード122、排ガス処理ノード135、第3パーティの供給ノード104、ドーム貯蔵装置145を含んでいる。
【0014】
カスタマノード1051-4はそれぞれパイプライン110に接続され、パイプライン110から水素を引出すことができる。典型的に、パイプラインオペレータはそれらのそれぞれのパイプラインへの接続において最小の水素圧力により各カスタマ1051-4を補償する。また、カスタマ1051-4は水素純度の異なるレベルを必要(契約)することができる。水素のサンプルの純度は体積による、水素のサンプルの割合の尺度である。同様に、パイプライン110に誘導される水素の異なるソースは異なる純度レベルを有することができる。一実施形態では、水素の最適化システムはカスタマ105に必要な圧力、体積または水素製品の純度を与えるために種々の実現可能なパイプライン構造を評価するように構成されることができる。
【0015】
さらに(または代わりに)、幾人かのカスタマ(例えばカスタマ105)はカスタマのドーム蓄積室155から水素を引出すことができ、パイプラインオペレータは契約限度内でカスタマ105が彼らのドーム貯蔵装置155からまたはパイプライン110から引出すときを制御することができる。このようなシナリオでは、水素最適化システムはカスタマ105に彼らの自分のドーム貯蔵装置155から水素を引出すことを含めて、カスタマ105に水素製品の必要な圧力または量を供給するための種々の選択肢を考慮するように構成されることができる。
【0016】
示されているように、パイプラインシステム110は、スチームメタン改質装置ノード122、排ガス処理ノード135、第3パーティの供給ノード104、ドーム貯蔵装置145を含む多数の異なるタイプの水素源を含んでおり、それぞれ水素圧力をパイプライン110へ導入することができる。知られているように、スチームメタン改質装置122または“SMR”は天然ガス源120と水蒸気から水素を発生する1ピースの装置である。同様に、HyCoプラント125は合成ガスプロセスを使用して水素または一酸化炭素を発生できる水素生成プラントを表している。
【0017】
パイプライン110中の別の水素源は排ガスソース1301−2を含んでいる。幾つかの工業プロセスは副産物として可変の量および純度で水素を生成する。このような場合、排ガス処理ノード135は排ガス源1301−2からの単なる廃棄流と考えられるものから水素を抽出するために使用されるHPUプラントを提供できる。HPUプラントはHPU装置を使用し、水素ガスフィードを入力として取り、高い純度及び圧力の水素ガスを発生する水素生成プラントである。通常、フィードはHPUプラントのガス源を指している。フィードは恐らく低いレベルの純度で水素を入力でき、または水素が抽出され純化されることができる別のガスを入力できる。水素生成ノードに加えて、パイプライン110へ入力される別の水素源は水素貯蔵装置、例えばドーム貯蔵装置145と水素9の第3のパーティの供給140を含むことができ、典型的にはパイプラインオペレータと第3のパーティの水素製造業者との間で行われるタイク・オア・ペイアレンジメント下で購入される。
【0018】
図1はパイプライン動作の種々の局面を監視するために使用される動作制御センタを提供するパイプライン制御センタ150も示している。1実施形態では、パイプライン制御センタ150は動作価格を最小にしながら圧力と流動要求を満足させる実現可能なパイプライン状態を識別するために使用される水素最適化システムを含むことができる。
【0019】
図2は本発明の第1の実施形態による図1に示されている水素パイプラインシステム100の動作局面を最適化するために使用されるコンピュータシステム215のコンポーネントを示している。コンピュータシステム215はパイプライン制御センタ150の一部であることができる。示されているように、コンピュータシステム215はネットワーク205上でSCADAシステム210と通信できる。知られているように、SCADAシステム210(System Control and Data Acquisitionの略)はパイプライン110の動作状態に関するデータをセンサから収集し、管理及び制御のためにそれらを中央コンピュータへ送信するプロセス制御応用を提供する。1実施形態では、各シフトの開始時にパイプライン制御センタ150中の水素オペレータはパイプラインシステム100の現在状態を示すファイルを作成できる。最適化は入力ファイルを使用して作動し、解を発生する。解は動作価格を最小にしながら動作的制約を満足させるプラント生産、パイプライン状態等の設定を特定できる。オペレータは解を再検討し、これを実行するか否かを決定する。通常、オペレータは解を実行する。しかしながら比較的利点が少ない場合のプラントおよびパイプラインの装置設定に実質的な変化を必要とするとき、新しい解がオペレータはシステムの解を無視できる。
【0020】
示されているように、コンピュータシステム215はCPU、記憶装置225(例えばハードディスクドライブまたはネットワーク記憶容量)とメモリ230を含んでいる。さらに、メモリ230は水素パイプライン最適化プログラム240を含んでいる。ここで説明されているように、水素パイプライン最適化プログラム240は水素パイプラインシステム100にわたって水素の生産と分配を最適化するソフトウェアシステムを提供する。コンピュータシステム215はコンピュータシステム215をネットワーク205と入力/出力装置(例えばキーボード、マウス、LCDまたはCRTディスプレイモニタ)へ接続するために使用されるネットワークインターフェース245も含んでいる。勿論、当業者は図2に示されているコンピュータシステム215が本発明の特徴を強調するために簡単にされていることを認識するであろう。
【0021】
本発明の1実施形態はコンピュータシステムと共に使用されるプログラムプロダクトとして実行される。プログラムプロダクトのプログラムは(ここで説明されている方法を含めた)実施形態の機能を規定し、種々のコンピュータの読取り可能な記憶媒体に含まれることができる。例示的なコンピュータの読取り可能な記憶媒体は(i)書込み可能ではない記憶媒体(例えばCD−ROMドライブにより読取り可能なCD−ROMディスクおよびDVDプレーヤにより読取り可能なDVDのような読取り専用メモリ装置)と、(ii)変更可能な情報が記憶されている書込み可能な記憶媒体(例えばディスケットドライブ内のフロッピー(登録商標)ディスク、ハードドライブまたはランダムアクセスメモリ)に限定されないがこれらを含んでいる。このようなコンピュータの読取り可能な記憶媒体は、本発明の機能を指令するコンピュータの読取り可能な命令を伝播するとき本発明の実施形態である。他の媒体は無線通信網を含むコンピュータまたは電話回線のような、情報をコンピュータに伝送する通信媒体を含んでいる。後者の実施形態は特にインターネット及び他のネットワークへ/から上布を送信することを含んでいる。このような通信媒体は本発明の機能を指令するコンピュータの読取り可能な命令を伝播するとき本発明の実施形態である。広く言えば、コンピュータの読取り可能な記憶媒体と通信媒体はコンピュータの読取り可能な媒体としてここで述べられることができる。
【0022】
図3は本発明の1実施形態による図1に示されている例示的な水素パイプラインシステム100の動作局面を最適化するように構成された水素パイプライン最適化装置240のコンポーネントを示している。示されているように、水素パイプライン最適化プログラム240は入力モジュール305、最適化モジュール310、出力モジュール315を含んでいる。さらに図3は入力データファイル320を示しており、これはパイプラインコンポーネントと、水素パイプライン最適化装置240へ供給される最適化パラメータを説明するために使用されることができる。1実施形態では、入力データファイル320は水素パイプラインシステム100の一部である種々のエレメントを説明するXMLグラマーを使用して構成されることができる。知られているように、XMLファイルはプラットフォームを横切るアプリケーション間でデータを転送するために規定された特別なグラマーにしたがって構成されたテキストファイルである。
【0023】
入力モジュール305はパイプライン、プラント、装置、ユーザ要求、ユーザが提供する趣向、入力ファイル320に含まれる最適化アルゴリズムのユーザの構造の説明で読取られるように構成されることができる。入力モジュール305はまたパイプラインシステム100のトポロジ及び状態、パイプライン動作の制約、与えられた最適化ランの目標を示す入力ファイル320を読取ることもできる。例えば、入力ファイル320は最適化ランの長さと、与えられた解で維持される制約と、先に発生された解がこの最適化ランの期間に読取られ使用されるか否かを特定することができる。
【0024】
1実施形態では、入力モジュール305はまたデータ入力モジュールが入力ファイル320中の情報を読取った後に解析される現在のパイプラインシステムのデータを認証するための複数の試験を実行するようにも構成されている。このような認証は例えばXML認証の失敗、ノード圧力の最小及び最大の不一致、ノード名とパイプラインエレメントデータとの間の不一致、エレメントデータの不一致、例えばエレメントが同じ出発先および行き先のノードを有すること、パイプラインのエラー、例えば1つのセグメント内の接続を外されているパイプラインまたは2つの設定点、不可能な最適化ターゲット、例えばカスタマロードがソースが生成できるよりも大きいことを含むことができる。入力モジュール305が(XMLファイルをパーズ不可能にする問題のような)臨界的なデータ認証の失敗を検出するならば、システムはユーザインターフェースにおけるこの事実に注意し、動作を停止する。負の電力価格のように異常であるように見えるが実現可能である状況の場合、システムは警告をユーザインターフェースへ送信するように構成されることができ、ランログファイルへ注意を書込み、処理を継続する。
【0025】
最適化モジュール310は入力ファイル320から読取られる問題に対して高品質の実現可能な解を検索するように構成されることができる。1実施形態では、最適化モジュール310は水素パイプラインシステム100を動作するための「最適な」解を検索するために遺伝アルゴリズムを行うように構成されることができる。遺伝アルゴリズムは候補解の大きいポピュレーションを使用して進化的プロセスをシミュレートすることによりパイプライン状態に対する解を最適化する。典型的に、遺伝アルゴリズムはそれらを異種交配し、変異し、さらに多くの「子発生」機会をポピュレーションの悪いメンバーよりも良いメンバーへ与えることによってより良い解を生成するために解のポピュレーションを「進化」する。最適化モジュール310の動作を図6−7を参照にして以下詳細に説明する。
【0026】
出力モジュール315は複数の報告をユーザに発生するように構成されることができ、与えられた最適化ランの結果、即ち入力ファイル320の与えられたセットの最適化モジュール310により発生された結果を説明するログファイルを書込む。例えば出力モジュール320は最良の解とその評価を説明するXMLファイルを生成し、ラン、即ち要する時間量とその最適化パラメータが何であるか、パイプラインセグメントが何であるか等を説明する「解析者の要約」テキストファイルを発生し、最適化ラン期間中に生じた任意の異常状況または疑いのあるデータエラーを説明するレポートを発生する。
【0027】
図4は本発明の1実施形態による水素パイプラインシステム100の構造と最適化パラメータを説明するために使用された入力ファイル320の1例を示している。示されているように、入力ファイル320はパイプラインシステムファイル405と最適化パラメータファイル430を含むことができる。パイプラインシステムファイル405はパイプラインシステム100の物理的構造と特性を説明するために使用されることができる。例として、パイプラインシステムファイル405はプラントモジュールコンポーネント410、パイプラインエレメントコンポーネント415。パイプラインノードコンポーネント420、天然ガス契約コンポーネント425を含んでいる。最適化パラメータファイル430は最適化パラメータコンポーネント435とカスタマ制約コンポーネント440も含んでいる。コンポーネント410−425および435−440は最適化されるパイプラインシステムの説明を最適化モジュール310に与えるために使用されることができる。例えば図5A−5Bは本発明の1実施形態による320で示されている入力ファイルの1例のセットの内容を表示するグラフィカルユーザインターフェースを示している。最初に、図5Aはプラントモジュールコンポーネント410の内容を表示するGUIスクリーン500を示している。この例では、作業空間領域505はユーザが入力ファイル320の内容を再検討するために410−425および435−440を通してナビゲートすることを可能にする。例として、作業空間505のプラントコンポーネント515が選択されている。結果として、枠510はプラントのタイプにより組織された入力ファイル320に含まれるプラントのリストを示している。この場合、SMR(スチームメタン改質装置)が選択され、枠510はパイプライン装置のこの特定のピースに関連される詳細を示している。
【0028】
図5Bは最適化シナリオを編集するために使用されるGUIスクリーン550を示している。シナリオはユーザが最適化モジュール310に与えたパラメータに対する変更を行うことができる場合、一連のエディタを通してパイプラインシステム100をユーザが観察することを可能にする。各シナリオは最適化ラン期間中に最適化されるパイプラインシステム100の完全な動作環境を特定する。例えば詳細枠560は与えられた最適化ランのために変更されることができるSMRコンプレッサのパラメータを示している。この特別な例では、“Compressor A”と“Compressor B”は「利用可能(available)」に状態を設定される。1実施形態では、与えられたシナリオのパラメータはSCADAシステムから取られることができる。即ち、最適化パラメータはパイプラインシステム100の「ライブ」状態に基づくことができる。このような場合、利用可能な生産設備、普及している現在の電気価格、結ばれているテイク・オア・ペイ契約は全て所定のシナリオに組み込まれることができる。完了すると、ユーザはまたシナリオを最適化装置へ送信することができる。最適化装置が作動を終えたとき、解をエディタへロードしユーザが最適なラン期間中に発見された最良の解の設定を再検討することを可能にする。例えば、作業空間エクスプローラ570はユーザが与えられた解の一部である各最適化パラメータ、ノード、要素、プラント、天然ガス契約の設定を再検討することを可能にする。
【0029】
図6は本発明の1実施形態による水素パイプライン最適化プログラム320の最適化モジュール310のコンポーネントを示している。示されているように、最適化モジュール310はグローバル検索モジュール605、外部シミュレーションモジュール610、内部シミュレーションモジュール615、解評価モジュール620を含んでいる。グローバル検索モジュール605は十分な品質の実現可能な解の検索を駆動するように構成された最適化モジュールのコンポーネントを入力ファイルにより説明された問題に提供する。
【0030】
1実施形態では、グローバル検索モジュールは時間にわたって解の品質を改良するために解のポピュレーションを「進化」するように構成されている遺伝アルゴリズムを行うことができる。新しい解が発生されるとき、外部シミュレーションモジュール610と内部シミュレーションモジュール615は与えられた解の設定を使用してパイプラインシステムの動作をシミュレートするように構成されることができる。例えば外部シミュレーションモジュール610は与えられた解の設定に基づいてパイプライン全体を通じて水圧流をシミュレートすることができる。流動の侵害があるならば、シミュレーションは現在の解に関して終了する。即ち流動の侵害は解を実現不能にし、したがってこのような解はさらに処理せずに破棄されることができる。そうでなければ流動伝播シミュレーションが解が任意の流動新g内を含んでいないことを示すならば、解は内部シミュレーションモジュール615へ通過されることができる。1実施形態では、内部シミュレーションモジュール615は外部シミュレーションモジュール610により行われる流動伝播シミュレーション期間中に決定されたパイプラインの圧力を最適化するように構成されることができ、恐らく直接圧力最適化技術を使用してパイプラインの幾つかのコンポーネントの幾つかの圧力を変更する。直接圧力最適化技術はパイプラインの一部であるループ中の圧力を設定するように構成されることができる。知られているように、ループの出力圧力が知られるならば、他のノードの圧力は最適化アルゴリズムにより発見されるよりもむしろ直接的に計算されることができる。圧力の直接の計算は最適化アルゴリウムを使用するよりも速い可能性があるので、直接圧力最適化技術の使用はグローバル検索モジュール605により必要とされる最適化の領を減少でき、したがってグローバル検索モジュール605が作動するのに必要な時間を劇的に減少する。さらに直接圧力最適化技術はパイプライン全体で可能な最小の圧力を保証することにより解の品質も改良できる。直接圧力最適化技術は、流動が与えられた実現可能な解について割り当てられると、直接圧力最適化技術方法が圧力の最適化に使用されながら、グローバル遺伝アルゴリズムが流動とループを通る流動の割当てを特定するならば最適化タスクが簡単にされることができる事実に基づいている。
【0031】
シミュレーションモジュール610と615により行われるシミュレーション相後、決定される解が実現可能であるならば、解評価モジュール620は実現可能な解の品質を評価するように構成されることができる。1実施形態では、解センタから得られたシミュレートされた水素ネットワークの評価はシミュレートされたパイプラインとシミュレートされたプラントの動作の評価価格に中心を置く。動作の価格はパイプラインの各コンポーネントの動作価格とプラント及びそれらの装置の価格の和として計算されることができる。
【0032】
図7は本発明の1実施形態による水素パイプラインシステムの動作を最適化するための方法700を示すフロー図である。示されているように、方法700はステップ705で開始して、グローバル検索モジュール605は与えられた最適化ランの終了条件のセットを識別する。通常、終了条件は最適化モジュールが解のポピュレーションの「進化」を停止し、これまで発生された最良の解を出力するときを示す。終了条件を読取るために、グローバル検索モジュール605は入力モジュール305により再生される入力データをチェックする。1実施形態では、ユーザは入力ファイル320の終了のための1以上の状態を特定できる。2以上の終了条件が特定されるならば、グローバル検索モジュール605はそれらの幾つかが満足されるときに終了する。可能な終了条件の例は発生される解の最大数、最大のクロック時間、解の品質を含んでいる。解が発生される状態の最大数が付勢されるならば、グローバル検索モジュール605はそれが発生され特定された数の解が評価されるときに終了する。クロック時間経過状態の最大量が付勢されるならば、グローバル検索モジュール605はこれが最適化においてこのクロック時間量を費やしたときに終了する。解品質状態が付勢されると、グローバル検索モジュール605は幾つかの与えられた反復数の後、または特定された品質を有する解、例えば最低の動作価格、複雑性、実現性等を有する解が発見されるまで解品質を改良できないときに終了する。改良の標準は入力ファイル320によっても特定されることができる。さらに、ユーザは最適化ラン期間中にある点で最適化ランを手作業で停止することができる。
【0033】
ステップ710で、グローバル検索モジュール605は最適化ランを初期化する。初期化するため、グローバル検索モジュール605は最適化ランを支持するために必要とされる内部構造を発生し、初期化に必要とされる任意の解変更手順を初期化し、進化シミュレーション期間中に発生される解を改良するために使用されるパイプライントポロジの解析のような発見的手順の情報を記憶する。ステップ715で、グローバル検索モジュール605は解の初期ポピュレーションを生成できる。1実施形態では、グローバル検索モジュール605はゼロ以上のシード解を生成でき、さらに初期解のポピュレーションを生成するために複数の初期のランダムに発生された解を生成する。典型的に、ユーザは遺伝アルゴリズムによりその後進化される初期ポピュレーションに置かれるシード解を特定する。シード解はユーザにより入力され、データファイルから取られ、または(例えば専門家の知識に基づいて)発見的に生成される。グローバル検索モジュール605が開始から非常に良好なシード解へアクセスするが、これは最適化解をシード解方向に、他の潜在的に良好な解検索スペースの領域から離れるようにバイアスすることもできる。
【0034】
さらに、1実施形態ではグローバル検索モジュール605は従来の解または人間が使用した可能性があるものに類似の解発生経験則に基づいて「スマートシード」を作成できる。スマートシードはシステムの従来のランで生成された解を含むことができる。従来の最適化ランにより出力された従来の解を含めることは有用であるか有害である可能性がある。パイプラインの状態及び最適化の要件が従来の最適化ランの物と同じであるならば、最適化プロセスはかなり短くされることができ、従来の解は最適またはそれに等しいことを予想する。他方で、従来の解を初期ポピュレーションに含めることは、その優れた評価およびその微調節された特性が、現在の問題に適合する機会をもつ前に他の発達していない解を排除させることができるため、パイプラインの状態が変更されるならば、次善である方向で現在のランをバイアスすることができる。最適化ランに従来の解を含めることが有用であるために、およびそれを省略することが有用であるために、1実施形態では、グローバル検索モジュール605は異なるランダムシードを使用して一方はポピュレーションに含まれる従来の解を有し他方はその従来の解をもたない2つの平行する最適化ランを行うことができる。このような場合、平行な各最適化ランからの解は相互に、および最適化プロセスの最終的な解として2つの出力間の最良の解に対して比較されることができる。
【0035】
前に行われたランで発生された解で解ポピュレーションをシードすることに加えて、入力ファイル320中の任意のシード解はシードポピュレーションに含まれる。例えばユーザは現在識別された解とは異なる最適化プロセスにサンプル解を提供したがる可能性がある。例えば先の問題に対する解のデータベースは時間にわたって増加されることができ、一致アルゴリズムがパイプラインの現在の状態とその要求を前の状態に一致するために使用されるならば、現在の状態に類似の1以上の従来の状態に対する解で現在のポピュレーションをシードすることが合理的である。
【0036】
解の最初のポピュレーションはランダムに発生された解も含むことができる。したがって1実施形態では、グローバル検索モジュール605は最適化装置により使用するための解のポピュレーションを埋めるために問題の制約を満足する多数のランダムな解を発生することができる。この解のポピュレーションは最適化プロセスの開始時に最適化装置が広範囲の解を探索することを可能にする多くのダイバーシティを与える。
【0037】
ステップ720で、グローバル検索モジュール605は新しい解を発生するために遺伝アルゴリズムを使用して進化プロセスをシミュレートできる。前述したように、遺伝アルゴリズムは時折「コンピュータ上の進化」として特徴付けされる最適化技術である。遺伝アルゴリズムは解のポピュレーションを維持し、「変異」および「異種交配」のプロセスにより古い解から新しい解を発生する。発見された最良の個々の解は最悪の解よりも多くの子孫を発生する傾向があり、したがって解のポピュレーションはアルゴリズムが進行する程さらに良好になる傾向がある。目的関数(即ち遺伝アルゴリズムが解いている問題)はプラントを含めた水素ネットワーク中の各エレメントの動作価格の和を最小にすることである。解の動作価格は全てのプラント、コンプレッサ、ブースタ等の価格の和を含んでいる。1実施形態では、解が実現可能であるならば(即ち解が任意の厳しい制約を侵害していないならば)、目的関数からの最終的なスコアは真の動作価格である。ステップ720で行われる動作を図8を参照に以下説明する。
【0038】
さらに、1実施形態では、各解は2つのリストの連結として発生されることができる。第1のリストは、そのタイプにしたがって各プラントで1または2の出力フローを有するプラント生産フローのリストであり、第2のリストはパイプラインループノードのノード圧力のリストである。これらの圧力は必ずしも解の価格に影響しないが、解の実効可能性に影響を与える可能性がある。したがって、各解はプラント生産フローとノード圧力のリストと共に、最適化装置の制御下で全ての変数を含み、3つの変数の値の設定は最適化プロセスの目標である。プラントのフローのリストは例えば最適化装置の制御下で各プラントの1又は2の出力フローのリストを提供し、それぞれその解のそれぞれのプラントの水素流の水素圧力を与える。プラントのフローリストは典型的に任意のプラントのフローを含んでおり、そのプラントのフローはこれらのフロー値が最適化プロセスの一部として決定されないときユーザによってハードフロー値として固定されている。グローバル検索モジュール605はこの形態の解構造を生成し、変更し、保護し、アルゴリズムが終了した時に発見されている最良のものを戻す。
【0039】
ステップ705で特定されている終了条件の1つに到達した後、グローバル検索モジュール605は解の多数の世代を発生し進化する。ステップ725で、1以上の経験則が最良の解を改良するために実行されることができる。即ち725で、解はその解の品質全体を改良する既知の変更により種々の条件をスポットチェックされることができる。通常、経験則は多くは良好に作用する「経験に基づいて得られた法側(rule of thumb)」を与える。経験則は通常従来の経験に基づいている。水素パイプライン最適化装置で使用される経験則の1例は「パイプラインの領域の圧力が最大でも最小でもない圧力であるならば、これが価格を下げてパイプラインの隣接領域の性能を改良するならば圧力の上昇又は低下を考慮する」である。ステップ730で(1以上の経験則により潜在的に変更されるときの)最良の解は最適なランの結果として戻される。
【0040】
図8は本発明の1実施形態により水素パイプラインの動作を最適化するために進化プロセスをシミュレートするための方法800を示している。この方法800はパイプライン最適化問題に対する高性能の解を発見するために何度も、標準的なランではしばしば数万回反復される最適化アルゴリズムの態様のサイクルを示している。前述したように、グローバル検索モジュールは下位の最初のポピュレーションによりシードされる。ステップ805で、グローバル検索モジュールはポピュレーション中の解の1つを変更するために使用される解変更技術を選択する。例えば、変更技術は解の圧力の幾らかの小さい割合を変更できる。しかしながら、ランダムな変化を有するより良好な解の検索は命令された経験則による検索ほど速くはなく効率的ではない可能性があり、同時に、経験則は他の潜在的に優れた進化路を無視しながら与えられた方向で進化するようにポピュレーションをバイアスできる。したがって1実施形態では、グローバル検索モジュール605は解を変更するために非経験則(即ちランダム)と経験則(即ち非ランダム)方法の両者を含むことができる。解変更技術の例は以下を含んでいる。
・ランダム変化。この方法は解における1つのパラメータへランダムな変異を与える。
【0041】
・フローのスワッピング。この方法は高価であるプラントから廉価であるプラントへフローを動かす。この変更子は廉価なプラントでの製造を増加し、高価なプラントでの製造を減少することを含んでいる。フロースワッピング変更子は現在の製造価格とパイプラインのサブネットワーク構造を考慮する。製造をシフトするための候補を発生するときにこの情報が考慮されないならば、変更子はフローを廉価な製造設備から高価な設備へシフトする可能性があり、シフトは製造価格全体を増加する可能性が高い。
【0042】
・2つの解の異種交配。この方法は2つの解を選択肢、2つの本来の解を異種交配することにより新しい解を生成する。2つの本来の解の異なる部分は新しい解を生成するために組み合わせられる。例えば、2つの解のパラメータ値のリストはフィールド毎に、2つの本来の解のうちいずれが新しい解に対してその値を貢献するかを決定するために使用されることができる。
【0043】
それ以上改良を実現できなくなるまで単一の経験則が何度も適用される技術とは反対に、解を変更するために複数の技術を使用する1つの利点は、任意のこれらの解変更技術が最適化の与えられたサイクルを通る任意のパスで選択される機会を有し、したがって単一の技術に頼らないことである。代わりに、異なる解のポピュレーションが存在し、そのうちの幾つかはそれを改良しようとする試みに対して適用される任意の変更技術を有する。適用されることができる変更技術のセットに人間の専門家の経験則を含めることを伴って数十万のこれらの応用を考慮するためのグローバル検索モジュール605の能力は、少なくkとも幾つかの実施形態により任意の与えられた経験則により過剰にバイアスせずに、可能な解のスペースの非常に強力な検索につながり、高性能の解に集中をもたらす。
【0044】
1実施形態では、グローバル検索モジュール605は確率的にこれらの変更子の1つを選択できることに注意する。結局、使用される確率は、ユーザがデフォルト値をオーバーライドしたがるならば、システム中に含まれるデフォルト値を使用することにより設定されるか、または入力ファイルを通してユーザにより設定されることができる。任意の変更子は選択される機会を有するが、それらの幾つかは他よりも選択される確率が高い。確率の設定は、実験および、最適化装置が発生する解のタイプの解析の問題である。
【0045】
ステップ810で、グローバル検索モジュール605は変更のためのポピュレーションから1以上の解を選択する。変更技術がステップ805で選択されると、グローバル検索モジュール605は選択された変更技術が入力として1または2の解を必要とするか否かを決定できる。大部分の変更は1つの解しか必要とされないが、異種交配技術は例えば2つの解を必要とする。
【0046】
1実施形態では、変更されるように選択された解は時には、格付けされたルーレット盤技術とも呼ばれる技術を使用して解の通常のポピュレーションから選択されることができる。この技術は最良の解から最悪の解へ順序付けされて解のポピュレーション中の解をリストに分類するので、技術は「格付けされた」として説明される。これはその後格付けにしたがってリスト中の各解に重みを割当てる。即ち、「適性」の良好なスコアを有する解は「適性」の低いスコアを有する解よりも高く格付けされる。これらの重みは線形に減少する。例えば10の減少率および100の開始重みでは、ポピュレーションの最初の12のメンバーは100、90、80、70、60、50、40、30、20、10、1、1、…の重みを有する。これらの重みは選択プロセスをバイアスするために使用され、それによって最良の個々は最悪のものよりも選択される可能性が高い。類似性はポピュレーションの各メンバーについてスロットを有するルーレット盤の1つである。スロットは等しいサイズではなく、代わりに各解のスロットはその重みに比例し、前述したように計算される。
【0047】
このように設定してコンピュータ処理された「ボール」は回転され、ボールが着地したスロットの個体が選択される。100の重み及びスロットサイズを有するポピュレーション中の最良の個体は、解が必要とされるとき、1の重み及びスロットサイズを有する最悪の個体よりも選択される可能性が100倍大きい。
【0048】
ステップ815で、選択された解は本来の解に同一の新しい解を生成するようにコピーされる。変更手順はそれが本来の解の変更されたバージョンであるように新しい解に適用される。幾つかの変更は非常に小さく、例えばパイプラインの1位置で圧力を少し変更する。幾つかの変更はより重要であり、例えばフローを1つのプラントから別のプラントへ動かす。解はそれとその「親」の両者がポピュレーションで維持されることができるようにコピーされる。変更が良好なものであるならば、親は結果的にポピュレーションから除去され、新しい解およびその子孫がポピュレーションに含まれる可能性が大きい。変更が悪い解を発生するならば、新しい解はポピュレーションから除去される可能性が大きく、本来の解が維持され、他の新しい解を生成するように変更される可能性を有する。ステップ820で、シミュレーションモジュール610と615はステップ815で生成されたコピーされ変更された解を使用して水素パイプラインの性能をシミュレートできる。さらに、前述したように、シミュレーションモジュール610と615はさらに直接的な圧力最適化技術を使用して解を最適化できる。
【0049】
ステップ825で、評価モジュール620は新しい解の性能を評価できる。前述したように、解から得られたシミュレートされた水素ネットワークの解はシミュレートされたパイプラインとシミュレートされたプラントの動作価格に中心を置く。動作の価格はパイプラインの各コンポの動作価格と、プラントおよびそれらの装置の価格の和である。ステップ830で(実現可能ならば)評価モジュール620により生成された新しい解とその評価スコアはポピュレーションに挿入されることができる。1実施形態では、ポピュレーションは分類順に維持され、したがって新しい解はその評価スコアにしたがって配置される。
【0050】
ステップ835で、グローバル検索モジュール605は最適化プロセスの各サイクルでポピュレーションのサイズが一定であるようにポピュレーションのメンバーを消去できる。1実施形態では、メンバーは各ポピュレーションメンバーの格付け評価の逆を使用してルーレット盤を通して選択され、ポピュレーションの最も低いスコアのメンバーが各サイクルで消去される可能性を高くするがその保証はされない。ステップ640で、グローバル検索モジュール605は任意の終了条件が満たされたか否かを決定できる。満たされたならば、方法800は終了し、方法700のステップ725へ戻る。満たされていないならば、進化プロセスの別の世代が行われる。
【0051】
図9は本発明の1実施形態により、図2に示されている水素パイプライン最適化装置240により与えられる1例のグラフィカルユーザインターフェース900を示している。グラフィカルユーザインターフェース900は最適化ランが完了終了後にユーザに提示される結果を示している。示されているように、グラフィカルユーザインターフェース900は、プロジェクトタブ906を使用して動作ランのサブジェクトであったパイプラインシステムの構造をユーザがブラウズすることを可能にする作業空間エクスプローラ905と、シナリオタブ907を使用して最適化ランの一部として使用される編集可能なパラメータと、解タブ908を使用して前述の動作を行いながらグローバル検索モジュールにより発生される解とを含んでいる。示されているように、解タブ908は強調され、詳細枠915は最適化ラン期間中に識別された解の要素を提示している。
【0052】
[例示的なシステムのウォークスルー]
1実施形態では、最適化システム200はパイプライン最適化問題を解くために以下のステップを通して進行する。以下のウォークスルーは通常、図2−5に示されている入力及びモジュールを使用して図6−8に示されている方法に対応する。
1.システムが機能するために必要とされる入力ファイル320は、入力ファイルの編集を通してユーザによって、GUIを通してユーザによって、またはSCADAデータベースをアクセスすることにより必要とされるファイルを生成することによって準備される。
2.入力モジュール305は入力ファイル320からデータを読取り、読取られるデータを保持するためソフトウェアに必要とされる構造を生成する。
3.入力モジュール305は入力データファイルを認証し、任意の潜在的に不正確なデータのログを生成する。
4.入力モジュール305は初期化機能、即ちネットワークの接続性の解析とサブネットワークの生成等を行う。
5.グローバル検索モジュール605はその終了条件を読取る。
6.グローバル検索モジュール605は最適化プロセス中に使用する構造を初期化する。
7.グローバル検索モジュール605は例えばシード解の発生とランダム解の発生の手順を使用して解の最初のセットを生成する。
8.グローバル検索モジュール605はその最初の解セット中の各解をシミュレートし評価する。
9.グローバル検索をモジュールがその終了規準が満たされるまで行う内部シーケンスのステップは、
a.グローバル検索モジュール605は解変更技術を選択する。
b.グローバル検索モジュール605は解変更技術により必要とされるだけの数の解、このシステムでは1または2を選択する。
c.グローバル検索モジュール605は既存の解をコピーすることにより新しい解を生成する。
d.グローバル検索モジュール605は変更技術を新しい解へ適用する。
e.グローバル検索モジュール605は新しい解の性能を評価し、この評価を新しい解に関連付ける。
f.新しい解605はポピュレーションに挿入される。
g.ポピュレーション中の最悪の解605は削除される。
h.グローバル検索モジュール605は終了すべきか否かを見るためにチェックする。終了すべきならば、システムはプロセスの最終段へ進む。終了すべきではないならば、システムはステップaへ戻り、内部ループシーケンスを再度実行する。
10.最適化プロセスが終了したならば、グローバル検索モジュール605はそれが発見した最良の解を発見する。
11.グローバル検索モジュール605は任意の事後処理フロースワッピング経験則を発見された最良の解へ適用する。
12.出力モジュールはシステムラン、発見された最良の解、ランのその他の関心のある特徴を示すレポートを生成する。
【0053】
本発明の実施形態は高品質の解を迅速に発見するために現実の水素パイプライン制御の専門家から得られた経験則を使用して遺伝アルゴリズム、即ちグローバル検索技術のタイプを使用することのできる利点がある。さらに、水素パイプライン最適化プログラム240は解くための問題のその仕様としてファイルを使用するので、現在の動作環境と類似及び非常に異なるシナリオを記載している広範囲の入力ファイル320をユーザが生成することが可能である。例えば、特にユーザは装置の更新により得られることができる利点について研究できる。水素パイプライン最適化プログラム240の1使用は、水素パイプラインにおける典型的なロードまたは投影されたロードの幾つかの説明を使用し、装置の変化を示す入力ファイルに対する1以上の変形を含むオフライン最適化ランである。装置の変化があるか変化のないパイプライン動作価格の差は装置の更新に関係する費用便益のトレードオフの指示をユーザに与える。
【0054】
同様に、パイプラインのオペレータは新しいカスタマへ付加する価格を研究できる。水素パイプライン最適化プログラム240の別の簡単な使用は流動が水素パイプラインを出発する単一点として、またはパイプライン自体の構造に対する幾らかの付加を有する新しいカスタマを示すための変形である。新しいカスタマがあるかないパイプライン動作価格の差は、パイプラインの現在および投影されたロード及び装置を考慮してカスタマの値の査定を与える。
【0055】
水素パイプライン最適化プログラム240のさらに別の使用は、新しい設備を負荷する利点の研究を含んでいる。水素パイプライン最適化プログラム240のより複雑な使用は新しい設備、例えば新しいプラントのパイプラインへの付加を反映するためパイプラインとプラントの記述ファイルを変更することである。パイプラインの動作コストと、新しい設備を有するか有しないカスタマ負荷を処理するその能力との違いは戦略的な計画者に新しい設備の価値の指示を与えることである。
【0056】
ここに記載されているように、本発明の実施形態は水素発生、処理、転送ネットワークの動作を最適化するように構成されたコンピュータ化最適化システムを提供することである。このようなネットワークは典型的に生産及び分配設備の両者を含めた物理的装置、プラント、パイプラインの複合体を含んでいる。水素最適化システムはこのような水素ネットワークにわたって水素の製造及び分配を最適化するソフトウェアシステムを提供する。水素最適化システムは時間にわたって解の品質を改良するための解のポピュレーションを「進化」するように構成された遺伝アルゴリズムと、水素パイプラインネットワークの優れた動作状態を識別するための命令された経験則の両者を使用することができる。勿論、当業者は本発明の実施形態が他の物質を運ぶパイプラインシステムと共に使用されるように適合されることができることを認識するであろう。例えば本発明の実施形態は水素パイプラインに対して類似の特性を有するパイプライン、例えば異なる入力純度を有する多数の異種のソースから得られる物質を運ぶパイプラインシステムに適合されることができる。
【0057】
本発明を実施するための好ましいプロセス及び装置について説明した。本発明の技術的範囲を逸脱せずに前述の実施形態に対して多くの変化及び変更が行われることができることが当業者に理解され容易に明白である。前述の説明は単なる例示であり、統合されたプロセス及び装置の他の実施形態は特許請求の範囲に規定されている本発明の技術的範囲から逸脱せずに使用されることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータの実行する、水素パイプラインネットワークの動作を最適化する方法において、
水素パイプラインを記述する入力データのセットと、水素を前記水素パイプラインへ導入するように構成された複数の水素生成源と、水素をパイプラインから除去するように構成されている複数の水素消費者と、最適化作業で使用するための複数の最適化パラメータと、1以上の最適化作業終了条件とを読取り、
解のポピュレーションを発生し、それにおいて、各解は前記水素パイプラインの実現可能な動作状態と、前記複数の水素発生源と、前記複数の水素消費者を特定するものであり、
前記解のポピュレーション中の各解を評価して各解の評価スコアを生成し、
終了条件の1つが満足されるまで解のポピュレーションを進化するために解のポピュレーションにおいて遺伝的最適化プロセスを反復して実行し、
解の進化されたポピュレーションから解の1つを選択し、ここで選択された解は解の進化されたポピュレーション中の解に関して最高の評価スコアを有しており、
1以上の発見的規則を選択された解に適用するステップを含み、各発見的規則が選択された解で特定された前記水素パイプラインの動作状態をさらに最適化するために適用される方法。
【請求項2】
前記遺伝的最適化プロセスは前記パイプラインを通る水素流と、前記パイプラインのルーピングセグメントを通る流動の割当てとを特定し、前記水素流が前記遺伝的最適化プロセスにより割当てられると、直接圧力最適化技術が圧力の最適化に使用される請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記水素発生源は1以上のスチームメタン改質装置と、1以上の排ガス処理装置と、1以上のドーム貯蔵設備と、1以上の第3パーティの供給源を含んでいる請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記遺伝的最適化プロセスを行うステップは、
前記ポピュレーション中の少なくとも1つの解により特定された実現可能な動作状態の少なくとも1つの局面を変更し、前記変更された解により特定された前記動作状態にしたがって前記水素パイプラインネットワークの動作をシミュレートし、前記変更された解の前記性能を評価し、前記変更された解を前記ポピュレーションへ付加し、前記解の前記ポピュレーションから除去するために前記ポピュレーションから解を選択するステップを含んでいる請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記ポピュレーション中の少なくとも1つの解により特定される前記実現可能な動作状態の少なくとも1つの局面を変更するステップは、
解の変更技術を選択し、
変更するための前記少なくとも1つの解をポピュレーションから選択し、
前記選択された解変更技術にしたがって、前記少なくとも1つの解を変更するステップを含んでいる請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記解変更技術は前記解により特定される前記実現可能な動作状態の前記少なくとも1つの局面をランダムに変更する請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記解変更技術は発見的規則にしたがって少なくとも1つの解を変更する請求項5記載の方法。
【請求項8】
前記解変更技術は前記変更された解を発生するために2以上の解を異種交配する請求項5記載の方法。
【請求項9】
前記ポピュレーション中の少なくとも1つの解により特定される前記実現可能な動作状態の少なくとも1つの局面を変更するステップは、前記1以上の解の確率的な選択を含んでおり、ここで優れた評価を有する解は劣った評価を有する解よりも変更のために選択をされる可能性が大きい請求項1乃至4のいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
前記解のポピュレーションから除去するための前記解の選択は、除去するための前記解を確率的に選択するステップを含んでおり、ここで優れた評価を有する解は劣った評価を有する解よりも除去のために選択をされる可能性が小さい請求項1乃至4のいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
前記入力データにより特定される前記終了条件は、発生される最大数の解の少なくとも1つと、最大量の経過時間と、最大数の世代と、特定された評価を超過する解の世代とを含んでいる請求項1乃至4のいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
解のポピュレーションの発生は、解の第1のグループと解の第2のグループの発生を含み、ここで前記解の第1のグループは発見的規則にしたがって発生され、前記解の第2のグループはランダムプロセスを使用して発生される請求項1乃至4のいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
入力データのセットは前記パイプラインシステムの現在の動作状態を記憶するSCADAパイプライン状態データベースから検索されるデータを使用して発生される請求項1乃至4のいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
実行されるとき、水素パイプラインネットワークの動作を最適化するための動作を行うプログラムを含んでいるコンピュータの読取り可能な記憶媒体において、
水素パイプラインを記述する入力データのセットと、水素を前記水素パイプラインへ導入するように構成された複数の水素生成源と、水素を前記パイプラインから除去するように構成されている複数の水素消費者と、最適化作業で使用するための複数の最適化パラメータと、1以上の最適化作業終了条件とを読取り、
解のポピュレーションを発生し、それにおいて各解は前記水素パイプラインの実現可能な動作状態と、前記複数の水素発生源と、前記複数の水素消費者とを特定し、
前記解のポピュレーション中の各解を評価して各解の評価スコアを発生し、
終了条件の1つが満足されるまで解の前記ポピュレーションを進化するために解の前記ポピュレーションにおいて遺伝的最適化プロセスを反復して実行し、
解の前記進化されたポピュレーションから解の1つを選択し、ここで前記選択された解は解の前記進化されたポピュレーション中の前記解に関して最高の評価スコアを有しており、
1以上の発見的規則を前記選択された解へ適用するステップを含み、ここで各発見的規則が前記選択された解で特定された前記水素パイプラインの動作状態をさらに最適化するために適用されるコンピュータの読取り可能な記憶媒体。
【請求項15】
前記遺伝的最適化プロセスは前記パイプラインを通る水素流と、前記パイプラインのルーピングセグメントを通る流動の割当てとを特定し、前記水素流が前記遺伝的最適化プロセスにより割当てられると、直接圧力最適化技術が圧力の最適化に使用される請求項14記載のコンピュータの読取り可能な記憶媒体。
【請求項16】
前記水素発生源は1以上のスチームメタン改質装置と、1以上の排ガス処理装置と、1以上のドーム貯蔵設備と、1以上の第3パーティの供給源とを含んでいる請求項14または15記載の方法。
【請求項17】
前記遺伝的最適化プロセスを行うステップは、
前記ポピュレーション中の少なくとも1つの解により特定された前記実現可能な動作状態の少なくとも1つの局面を変更し、前記変更された解により特定された前記動作状態にしたがって前記水素パイプラインネットワークの動作をシミュレートし、前記変更された解の前記性能を評価し、前記変更された解を前記ポピュレーションへ付加し、前記解の前記ポピュレーションから除去するために前記ポピュレーションから解を選択するステップを含んでいる請求項14記載のコンピュータの読取り可能な記憶媒体。
【請求項18】
前記ポピュレーション中の少なくとも1つの解により特定される前記実現可能な動作状態の少なくとも1つの局面を変更するステップは、
解の変更技術を選択し、
変更するための前記少なくとも1つの解を前記ポピュレーションから選択し、
前記選択された解変更技術にしたがって、前記少なくとも1つの解を変更するステップを含んでいる請求項17記載のコンピュータの読取り可能な記憶媒体。
【請求項19】
前記解変更技術は、前記解により特定される前記実現可能な動作状態の前記少なくとも1局面をランダムに変更する請求項18記載のコンピュータの読取り可能な記憶媒体。
【請求項20】
前記解変更技術は、発見的規則にしたがって少なくとも1つの解を変更する請求項18記載のコンピュータの読取り可能な記憶媒体。
【請求項21】
前記解変更技術は、前記変更された解を発生するために2以上の解を異種交配する請求項18記載のコンピュータの読取り可能な記憶媒体。
【請求項22】
前記ポピュレーション中の少なくとも1つの解により特定される前記実現可能な動作状態の少なくとも1つの局面を変更するステップは、前記1以上の解の確率的な選択を含んでおり、ここで優れた評価を有する解は劣った評価を有する解よりも変更するために選択をされる可能性が大きい請求項14記載のコンピュータの読取り可能な記憶媒体。
【請求項23】
前記解の前記ポピュレーションから除去するための前記解の選択は、除去するための前記解を確率的に選択するステップを含んでおり、ここで優れた評価を有する解は劣った評価を有する解よりも除去の選択をされる可能性が小さい請求項14項記載の方コンピュータの読取り可能な記憶媒体。
【請求項24】
前記入力データにより特定される前記終了条件は発生される最大数の解の少なくとも1つと、最大量の経過時間と、最大数の世代と、特定された評価を超過する解の世代とを含んでいる請求項14記載のコンピュータの読取り可能な記憶媒体。
【請求項25】
解のポピュレーションの発生は、解の第1のグループと解の第2のグループの発生を含み、ここで前記解の第1のグループは発見的規則にしたがって発生され、前記解の第2のグループはランダムプロセスを使用して発生される請求項14項記載のコンピュータの読取り可能な記憶媒体。
【請求項26】
入力データの前記セットは、前記パイプラインシステムの現在の動作状態を記憶するSCADAパイプライン状態データベースから検索されるデータを使用して発生される請求項14記載のコンピュータの読取り可能な記憶媒体。
【請求項27】
水素パイプラインネットワークの動作を最適化するシステムにおいて、
プロセッサと、
最適化プログラムを含んでいるメモリとを具備し、前記メモリは前記プロセッサにより実行されるとき、
水素パイプラインを記述する入力データのセットと、水素を前記水素パイプラインへ導入するように構成された複数の水素生成源と、水素を前記パイプラインから除去するように構成されている複数の水素消費者と、最適化作業で使用するための複数の最適化パラメータと、1以上の最適化作業終了状況とを読取り、解のポピュレーションを発生し、それにおいて各解は前記水素パイプラインの実現可能な動作状態と、前記複数の水素発生源と、前記複数の水素消費者とを特定し、各解の評価スコアを発生するために解の前記ポピュレーション中の各解を評価し、終了条件の1つが満足されるまで解の前記ポピュレーションを進化するために解の前記ポピュレーションにおける遺伝的最適化プロセスを反復して実行し、解の前記進化されたポピュレーションから解の1つを選択し、ここで前記選択された解は解の前記進化されたポピュレーション中の前記解に関して最高の評価スコアを有し、1以上の発見的規則を前記選択された解へ適用するステップを含み、ここで各発見的規則が前記選択された解で特定された前記水素パイプラインの動作状態をさらに最適化するために適用されるシステム。
【請求項28】
前記遺伝的最適化プロセスは前記パイプラインを通る水素流と、前記パイプラインのルーピングセグメントを通る流動の割当てとを特定し、前記水素流が前記遺伝的最適化プロセスにより割当てられると、直接圧力最適化技術が圧力の最適化に使用される請求項27記載のシステム。
【請求項29】
前記水素発生源は1以上のスチームメタン改質装置と、1以上の排ガス処理装置と、1以上のドーム貯蔵設備と、1以上の第3パーティの供給源を含んでいる請求項27記載のシステム。
【請求項30】
前記遺伝的最適化プロセスを行うステップは、
前記ポピュレーション中の少なくとも1つの解により特定された前記実現可能な動作状態の少なくとも1つの局面を変更し、前記変更された解により特定された前記動作状態にしたがって前記水素パイプラインネットワークの動作をシミュレートし、前記変更された解の前記性能を評価し、前記変更された解を前記ポピュレーションへ付加し、前記解の前記ポピュレーションから除去するために前記ポピュレーションから解を選択するステップを含んでいる請求項27記載のシステム。
【請求項31】
前記ポピュレーション中の少なくとも1つの解により特定される前記実現可能な動作状態の少なくとも1つの局面を変更するステップは、前記1以上の解の確率的な選択を含んでおり、ここで優れた評価を有する解は劣った評価を有する解よりも変更の選択をされる可能性が大きい請求項27記載のシステム。
【請求項32】
前記解の前記ポピュレーションから除去するための前記解の選択は、除去するための前記解を確率的に選択するステップを含んでおり、ここで優れた評価を有する解は劣った評価を有する解よりも除去の選択をされる可能性が小さい請求項27記載のシステム。
【請求項33】
解のポピュレーションの発生は、解の第1のグループと解の第2のグループの発生を含み、ここで前記解の第1のグループは発見的規則にしたがって発生され、前記解の第2のグループはランダムプロセスを使用して発生される請求項27記載のシステム。
【請求項34】
入力データの前記セットは、前記パイプラインシステムの現在の動作状態を記憶するSCADAパイプライン状態データベースから検索されるデータを使用して発生される請求項27記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2011−523692(P2011−523692A)
【公表日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−505203(P2011−505203)
【出願日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際出願番号】PCT/US2009/040810
【国際公開番号】WO2009/137253
【国際公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(591036572)レール・リキード−ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード (438)
【Fターム(参考)】