説明

水素吸蔵合金及びニッケル水素蓄電池

【課題】 電池容量を比較的高くし得るものであり且つ充放電の繰り返しに伴う電池容量の低下を抑制する性能に優れた水素吸蔵合金を提供することを課題としている。
【解決手段】 化学組成が、一般式I M1pCaqMgrM2sAltで表され、M1が、希土類元素、4A族元素、5A族元素及びPdからなる群より選択され少なくとも希土類元素を含む1種又は2種以上の元素であり、M2が、6A族元素、7A族元素、8族元素(Pdを除く)、1B族元素、2B族元素、及び3B族元素(Alを除く)からなる群より選択され少なくともNiを含む1種又は2種以上の元素であり、
3(p+q+r)≦(s+t)<5(p+q+r)を満たす水素吸蔵合金であって、
Alを0.1原子%以上含み、Ca及びAlを合計で5.3原子%以下含み、且つ、M2としてのCo及びMnの合計量が1原子%以下であることを特徴とする水素吸蔵合金などを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素吸蔵合金及び該水素吸蔵合金を含む負極を備えたニッケル水素蓄電池に関する。
【背景技術】
【0002】
ニッケル水素蓄電池は、高エネルギー密度を有することから、デジタルカメラ、ノート型パソコン等の小型電子機器類の電源として、また、作動電圧がアルカリマンガン電池等の一次電池と同等で互換性があることから、該一次電池の代替として、広く利用されており、その需要は飛躍的に拡大している。
【0003】
この種のニッケル水素蓄電池は、通常、水酸化ニッケルを主成分とする正極活物質を含んでなるニッケル電極、水素吸蔵合金を主材料とする負極、セパレータ、及びアルカリ電解液を備えて構成されている。これらの電池構成材料のうち、特に、負極の主材料となる水素吸蔵合金は、放電容量やエネルギー密度といったニッケル水素蓄電池の性能に大きな影響を及ぼすものであり、該水素吸蔵合金としては、従来においては、例えば、AB5型希土類−Ni系の水素吸蔵合金など種々のものが検討されている。
【0004】
近年、水素吸蔵合金としては、AB5型希土類−Ni系の水素吸蔵合金の希土類元素の一部をMg元素で置換し、AB5型希土類−Ni系の水素吸蔵合金を用いた場合より大きい放電容量を有する希土類−Mg−Ni系の水素吸蔵合金が注目されている。
【0005】
ところが、斯かる希土類−Mg−Ni系の水素吸蔵合金は、電池容量を比較的高くし得るものの、ニッケル水素蓄電池における充放電の繰り返しに伴って電池容量が低下しやすいものである。
【0006】
これに対して、電池容量を比較的高くしつつも繰り返し充放電による電池容量の低下を抑制すべく、例えば、希土類−Mg−Ni系の水素吸蔵合金にさらにCa、Al、Co、Mn等を配合してなる水素吸蔵合金が提案されている(特許文献1)。
【0007】
斯かる水素吸蔵合金においては、水素吸蔵合金に加える金属の種類や量を所定のものにすることなどにより、ニッケル水素蓄電池での充放電の繰り返しに伴う電池容量の低下が抑制されている。しかしながら、斯かる水素吸蔵合金は、未だ電池容量の低下を必ずしも十分に抑制できるものではないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−105564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、ニッケル水素蓄電池の電池容量を比較的高くし得るものであり且つ充放電の繰り返しに伴うニッケル水素蓄電池の容量低下を抑制する性能に優れた水素吸蔵合金が要望されている。
【0010】
本発明は、上記の問題点、要望点等に鑑み、電池容量を比較的高くし得るものであり且つ充放電の繰り返しに伴う電池容量の低下を抑制する性能に優れた水素吸蔵合金を提供することを課題とする。また、該水素貯蔵合金を含む負極を備えたニッケル水素蓄電池を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決すべく、本発明に係る水素吸蔵合金は、化学組成が、一般式I M1pCaqMgrM2sAltで表され、M1が、希土類元素、4A族元素、5A族元素及びPdからなる群より選択され少なくとも希土類元素を含む1種又は2種以上の元素であり、M2が、6A族元素、7A族元素、8族元素(Pdを除く)、1B族元素、2B族元素、及び3B族元素(Alを除く)からなる群より選択され少なくともNiを含む1種又は2種以上の元素であり、
3(p+q+r)≦(s+t)<5(p+q+r)を満たす水素吸蔵合金であって、
Alを0.1原子%以上含み、Ca及びAlを合計で5.3原子%以下含み、且つ、M2としてのCo及びMnの合計量が1原子%以下であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る水素吸蔵合金は、前記一般式Iの化学組成が、一般式II M1’uM1”vCaqMgrNiwAltM2’xで表され、M1’が希土類元素であり、M1”が4A族元素、5A族元素及びPdからなる群より選択される1種又は2種以上の元素であり、M2’が6A族元素、7A族元素、8族元素(Pd、Niを除く)、1B族元素、2B族元素、及び3B族元素(Alを除く)からなる群より選択される1種又は2種以上の元素であり、
前記希土類元素を13.3原子%以上19.5原子%以下含み、M1”の量が1.2原子%以下であり、Caを0.5原子%以上4.4原子%以下含み、Mgを2.2原子%以上5.8原子%以下含み、Niを74.4原子%以上78.7原子%以下含み、Alを0.1原子%以上1.2原子%以下含み、且つM2’の量が1.2原子%以下であることが好ましい。
【0013】
本発明に係るニッケル水素蓄電池は、前記水素吸蔵合金を含む負極を備えたことを特徴とする。
【0014】
なお、本明細書において、原子%とは、存在する原子の全数に対する特定の原子の数の百分率をいう。従って、例えばニッケルを1原子%含む合金は、合金の原子100個のうちニッケル原子を1個含むような比率を有するものを意味するものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る水素吸蔵合金は、ニッケル水素蓄電池の負極に含まれ得るものであって、電池容量を比較的高くし且つ充放電の繰り返しに伴う電池容量の低下を抑制し得るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】合金におけるAl含有量と電池容量維持率との関係を表す図。
【図2】合金におけるAl含有量と電池容量維持率との関係を表す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る水素吸蔵合金の一実施形態について説明する。
【0018】
本実施形態の水素吸蔵合金は、化学組成が、一般式I M1pCaqMgrM2sAltで表され、M1が、希土類元素、4A族元素、5A族元素及びPdからなる群より選択され少なくとも希土類元素を含む1種又は2種以上の元素であり、M2が、6A族元素、7A族元素、8族元素(Pdを除く)、1B族元素、2B族元素、及び3B族元素(Alを除く)からなる群より選択され少なくともNiを含む1種又は2種以上の元素であり、
3(p+q+r)≦(s+t)<5(p+q+r)を満たす水素吸蔵合金であって、
Alを0.1原子%以上含み、Ca及びAlを合計で5.3原子%以下含み、且つ、M2としてのCo及びMnの合計量が1原子%以下であるものである。
なお、本実施形態の水素吸蔵合金においては、上記の化学組成をベースにして様々な元素を少量添加する設計変更がおこなわれ得る。その結果として、前記水素吸蔵合金は、上記一般式では規定されていない元素を含み該元素が上記一般式には記載されていないという点で、化学組成が上記一般式通りに表されなくなる場合もある。しかしながら、斯かる場合であっても、本発明の作用メカニズムが発揮されている以上、該水素吸蔵合金は、本発明の実施形態に含まれる。即ち、本願明細書において「化学組成が一般式で表される」の意味は、水素吸蔵合金が本願明細書の一般式で規定されていない元素を含む場合であっても本発明の課題を解決することができるときには、その化学組成が本願明細書記載の一般式で表されていると解釈されるものである。
【0019】
本実施形態の水素吸蔵合金においては、Alが0.1原子%以上含まれているため、合金の微粉化を抑制して、ニッケル水素蓄電池における充放電の繰り返しに伴う電池容量の低下を抑制し得る。Alが0.1原子%以上含まれていることにより、水素吸蔵合金の表面にAl化合物の被膜が形成されて該合金の微粉化が抑制されると考えられる。
また、本実施形態の水素吸蔵合金においては、Ca及びAlが合計で5.3原子%以下含まれている。Ca及びAlが合計で5.3原子%を超えると、合金の微粉化が起こりやすくなり充放電の繰り返しに伴う電池容量の低下が促進されるおそれがある。斯かる現象は、偏析相の割合が増加することによるものと考えられる。
また、本実施形態の水素吸蔵合金においては、Co及びMnの合計量が1原子%以下である。Co及びMnの合計量が1原子%を超えると、Alを0.1原子%以上含むことによってもたらされ得る電池容量の低下抑制効果が低減するおそれがあり、これにより電池容量の低下が促進されるおそれがある。即ち、Co及びMnの合計量が、1原子%以下であることにより、Alによる電池容量低下の抑制効果がCo又はMnによって阻害されにくくなり得る。なお、Co及びMnの合計量が1原子%を超えるとAlによる効果が低減する原因は、水素吸蔵合金の表面におけるAl化合物の被膜形成がCoおよびMnの溶出によって妨げられることによるものと考えられる。
【0020】
前記水素吸蔵合金は、Co及びMnの合計量が0.2原子%以下であることが好ましい。斯かる構成により、充放電の繰り返しに伴う電池容量の低下がより抑制され得るという利点がある。
【0021】
前記水素吸蔵合金は、前記希土類元素を13.3原子%以上含むことが好ましい。また、前記希土類元素を19.5原子%以下含むことが好ましく、17.4原子%以下含むことがより好ましい。
前記希土類元素を13.3原子%以上含むことにより、水素吸蔵合金に形成される結晶相の構造が、膨張収縮によっても微粉化されにくいより安定化されたものになり得るという利点があり、19.5原子%以下含むことにより、電池容量が高まり得るという利点がある。
【0022】
前記水素吸蔵合金は、Caを0.5原子%以上含むことが好ましく、1.2原子%以上含むことがより好ましい。また、Caを4.4原子%以下含むことが好ましく、4.1原子%以下含むことがより好ましく、3.8原子%以下含むことがさらに好ましい。
Caを0.5原子%以上含むことにより、電池の容量がより高まり得るという利点があり、4.4原子%以下含むことにより、水素吸蔵合金に形成される結晶相の構造が、膨張収縮によっても微粉化されにくくなり得るという利点がある。
【0023】
前記水素吸蔵合金は、Mgを2.2原子%以上含むことが好ましく、3.5原子%以上含むことがより好ましい。また、Mgを5.8原子%以下含むことが好ましい。
Mgを2.2原子%以上含むことにより、電池の容量がより高まり得るという利点があり、5.8原子%以下含むことにより、微粉化されにくくなるという利点がある。
【0024】
前記水素吸蔵合金は、Niを74.4原子%以上含むことが好ましく、75.6原子%以上含むことがより好ましい。また、78.7原子%以下含むことが好ましく、77.8原子%以下含むことがより好ましい。
Niを74.4原子%以上含むことにより、水素解離触媒活性が向上し得るという利点があり、78.7原子%以下含むことにより、合金の結晶構造が安定化するという利点がある。
【0025】
前記水素吸蔵合金は、Alを1.2原子%以下含むことが好ましく、0.9原子%以下含むことがより好ましい。Alを1.2原子%以下含むことにより、電池の容量がより高まり得るという利点がある。また、Alを1.2原子%以下含むことにより、偏析相の割合が低減され得るという利点がある。
【0026】
前記水素吸蔵合金は、4A族元素、5A族元素及びPdからなる群より選択される1種又は2種以上の元素の量(一般式IIにおけるM1”の量)が、1.2原子%以下であることが好ましい。なお、M1”の量は0であってもよい。
【0027】
前記水素吸蔵合金は、6A族元素、7A族元素、8族元素(Pd、Niを除く)、1B族元素、2B族元素、及び3B族元素(Alを除く)からなる群より選択される1種又は2種以上の元素の量(一般式IIにおけるM2’の量)が、1.2原子%以下であることが好ましい。
【0028】
前記水素吸蔵合金に含まれる希土類元素としては、例えば、La、Nd、Ce、Pr、Sm、Y等が挙げられる。なかでもLa又はNdが好ましい。
【0029】
前記水素吸蔵合金に含まれ得る4A族元素としては、Ti、Zr、Hfが挙げられる。また、5A族元素としては、V、Nb、Taが挙げられる。
【0030】
前記水素吸蔵合金に含まれ得る6A族元素としては、例えば、Cr等が挙げられる。また、7A族元素としては、例えば、Mn等が挙げられる。また、8族元素(Pd、Niを除く)としては、Co、Fe等が挙げられる。また、1B族元素としては、例えば、Cu等が挙げられる。また、2B族元素としては、例えば、Zn等が挙げられる。
【0031】
前記水素吸蔵合金は、一般式I M1pCaqMgrM2sAltで表される化学組成において 3(p+q+r)≦(s+t)<5(p+q+r)を満たすことにより、即ち、一般式II M1’uM1”vCaqMgrNiwAltM2’xで表される化学組成において
3(u+v+q+r)≦(w+t+x)<5(u+v+q+r)を満たすことにより、水素吸蔵合金に形成される結晶相の構造が、膨張収縮によっても微粉化されにくい安定化されたものになり得る。
なお、一般式IにおけるM1は、一般式IIにおけるM1’とM1”とで表され、一般式IにおけるM2は、一般式IIにおけるNiとM2’とで表される。即ち、一般式Iと一般式IIとにおいてp=u+vであり、s=w+xである。
【0032】
前記水素吸蔵合金は、互いに異なる結晶構造を有する2以上の結晶相を備えた希土類−Mg−Ni系の水素吸蔵合金であり、好ましくは、これら2以上の結晶相が、該結晶構造のc軸方向に積層されてなる希土類−Mg−Ni系の水素吸蔵合金である。
前記結晶相としては、菱面体晶La5MgNi24型結晶構造からなる結晶相(以下、単にLa5MgNi24相ともいう)、六方晶Pr5Co19型結晶構造からなる結晶相(以下、単にPr5Co19相ともいう)、菱面体晶Ce5Co19型結晶構造からなる結晶相(以下、単にCe5Co19相ともいう)、六方晶Ce2Ni7型の結晶構造からなる結晶相(以下、単にCe2Ni7相ともいう)、菱面体晶Gd2Co7型の結晶構造からなる結晶相(以下、単にGd2Co7相ともいう)、六方晶CaCu5型結晶構造からなる結晶相(以下、単にCaCu5相ともいう)、立方晶AuBe5型結晶構造からなる結晶相(以下、単にAuBe5相ともいう)菱面体晶PuNi3型結晶構造からなる結晶相(以下、単にPuNi3相ともいう)などを挙げることができる。
なかでも、Ce2Ni7相、及びGd2Co7相を有する水素吸蔵合金が好適に使用される。これらの結晶相を有する水素吸蔵合金は、各結晶相間の膨張収縮率の差が小さいために歪みが生じ難く、水素の吸蔵放出を繰り返した際の劣化が起こりにくいという優れた特性を有する。
【0033】
ここで、La5MgNi24型結晶構造とは、A24ユニット間にAB5ユニットが4ユニット分挿入された結晶構造であり、Pr5Co19型結晶構造とは、A24ユニット間にAB5ユニットが3ユニット分挿入された結晶構造であり、Ce5Co19型結晶構造とは、A24ユニット間にAB5ユニットが3ユニット分挿入された結晶構造であり、Ce2Ni7型の結晶構造とは、A24ユニット間にAB5ユニットが2ユニット分挿入された結晶構造であり、Gd2Co7型の結晶構造とは、A24ユニット間にAB5ユニットが2ユニット分挿入された結晶構造であり、AuBe5型結晶構造とは、A24ユニットのみで構成された結晶構造である。
【0034】
なお、Aは、La、Sm、Pr、Ndといった希土類元素、Mg、及びCaからなる群より選択される元素を表し、Bは、6A族元素、7A族元素、8族元素(Pdを除く)、1B族元素、2B族元素などの遷移金属元素及びAlからなる群より選択される元素を表すものである。
また、A24ユニットとは、六方晶MgZn2型結晶構造(C14構造)又は六方晶MgCu2型結晶構造(C15構造)を持つ構造ユニットであり、AB5ユニットとは、六方晶CaCu5型結晶構造を持つ構造ユニットである。
【0035】
該結晶相が積層されたものである場合、各結晶相の積層順については特に限定されず、特定の結晶相の組み合わせが繰返し周期性をもって積層されたようなものであってもよく、各結晶相が無秩序に周期性なく積層されたものであってもよい。
【0036】
また、前記各結晶相の含有量については特に限定されるものではないが、前記Ce2Ni7型結晶構造を有する結晶相の含有率は0〜93質量%、前記Gd2Co7型結晶構造を有する結晶相の含有率は0〜85質量%であることが好ましい。また、Ce2Ni7相およびGd2Co7相の含有率の合計が25質量%以上98質量%以下であることが好ましい。
【0037】
尚、前記各結晶構造を有する結晶相は、例えば、粉砕した合金粉末についてX線回折測定を行い、得られたX線回折パターンをリートベルト法により解析することによって結晶構造を特定することができる。
【0038】
また、互いに異なる結晶構造を有する2以上の結晶相が、該結晶構造のc軸方向に積層されていることは、TEMを用いて合金の格子像を観察することによって確認することができる。
【0039】
前記水素吸蔵合金が、互いに異なる結晶構造を有する2以上の結晶相を該結晶構造のc軸方向に積層したものであることにより、充電によって水素を吸蔵した際の結晶相の歪みが、隣接する他の結晶相によって緩和されることとなる。従って、該水素吸蔵合金を含んでなる負極には、充放電によって水素の吸蔵及び放出を繰り返しても合金の微粉化が生じにくく、劣化が進行しにくいという利点がある。
【0040】
次に、本実施形態の水素吸蔵合金の製造方法について説明する。
【0041】
本実施形態の水素吸蔵合金の製造方法においては、例えば、上述のような所定の組成比となるように配合された合金原料を溶融する溶融工程と、溶融した合金原料を凝固する冷却工程と、冷却された合金を加圧状態の不活性ガス雰囲気下で860℃以上1000℃以下の温度範囲で焼鈍する焼鈍工程と、該合金を粉砕する粉砕工程とをおこなう。
【0042】
各工程についてより具体的に説明すると、まず、目的とする水素吸蔵合金の化学組成に基づいて、原料インゴッド(合金原料)を所定量秤量する。
【0043】
溶融工程においては、前記合金原料をルツボに入れ、不活性ガス雰囲気中又は真空中で高周波溶融炉を用い、例えば、1200℃以上1600℃以下に加熱して合金原料を溶融させる。
【0044】
冷却工程においては、溶融した合金原料を冷却して固化させる。冷却速度は、いわゆる徐冷でもよく、1000K/秒以上(急冷ともいう)でもよい。1000K/秒以上で急冷することにより、合金組成が微細化し、均質化するという効果がある。また、該冷却速度は、1000000K/秒以下の範囲に設定することができる。
【0045】
該冷却方法としては、具体的には、水冷金型法、冷却速度が100000K/秒以上であるメルトスピニング法、冷却速度が10000K/秒程度であるガスアトマイズ法などを好適に用いることができる。
【0046】
焼鈍工程においては、不活性ガス雰囲気下の加圧状態において、例えば、電気炉等を用いて860℃以上1000℃以下に加熱する。加圧条件としては、0.2MPa(ゲージ圧)以上1.0MPa(ゲージ圧)以下が好ましい。また、該焼鈍工程における処理時間は、3時間以上50時間以下とすることが好ましい。
【0047】
前記粉砕工程は、焼鈍の前後のどちらで行ってもよいが、粉砕により表面積が大きくなるため、合金の表面酸化を防止する観点から、焼鈍工程の後に粉砕工程を実施するのが望ましい。粉砕は、合金表面の酸化防止のために不活性雰囲気中で行うことが好ましい。
粉砕手段としては、例えば、機械粉砕、水素化粉砕などが用いられ、粉砕後の水素吸蔵合金粒子の粒径が、概ね20〜70[μm]となるように行うことが好ましい。
【0048】
以下、本発明に係るニッケル水素蓄電池の一実施形態について説明する。
【0049】
本実施形態のニッケル水素蓄電池は、上述の水素吸蔵合金を水素吸蔵媒体として含有する負極を備えたものである。
本実施形態のニッケル水素蓄電池は、前記水素吸蔵合金を含有する負極を備えたものであるため、充放電の繰り返しに伴う電池容量の低下を抑制する性能に優れたものとなり得る。
【0050】
本実施形態のニッケル水素蓄電池は、詳しくは、上述の水素吸蔵合金を主材料とする負極を備え、さらに例えば、水酸化ニッケルを主成分とする正極活物質を含む正極(ニッケル電極)、セパレータ、及びアルカリ電解液を備えて構成されている。
前記負極としては、例えば、前記水素吸蔵合金の粉末が導電剤、結着剤、又は増粘剤等と混合され、所定形状に加圧成形されたものが挙げられる。
【0051】
本実施形態のニッケル水素蓄電池の正極としては、特に限定されるものではないが、一般的には、水酸化ニッケルを主成分とし且つ水酸化亜鉛や水酸化コバルトが混合されてなる水酸化ニッケル複合酸化物を正極活物質として含む正極が挙げられ、好ましくは、共沈法によって均一分散した該水酸化ニッケル複合酸化物を含む正極が挙げられる。
水酸化ニッケル複合酸化物以外の添加物としては、導電改質剤としての水酸化コバルト、酸化コバルト等を用いることができ、また、前記水酸化ニッケル複合酸化物に水酸化コバルトをコートしたものや、これらの水酸化ニッケル複合酸化物の一部を酸素又は酸素含有気体、又は、K228、次亜塩素酸などの薬剤を用いて酸化したものが挙げられる。
また、添加剤としては、酸素過電圧を向上させる物質として、Y、Yb等の希土類元素の化合物や、Ca化合物が例示される。Y、Yb等の希土類元素は、その一部が溶解して、負極表面に配置されるため、負極活物質の腐食を抑制する効果も期待できる。なお、前記正極には、上述したような主要構成成分の他に、導電剤、結着剤、増粘剤等が、他の構成成分として含有されていてもよい。
【0052】
導電剤としては、電池性能に悪影響を及ぼさない電子伝導性材料であれば限定されないが、通常、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土状黒鉛等)、人造黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンウィスカー、炭素繊維、気相成長炭素、金属(ニッケル、金等)粉、金属繊維等の導電性材料の1種単独物又は2種以上を混合したものが挙げられる。
これらを混合する方法としては、できる限り均一な状態とし得るものが好ましく、例えば、V型混合機、S型混合機、擂かい機、ボールミル、遊星ボールミルといった粉体混合機を、乾式、あるいは湿式で用いる方法を採用しうる。
前記結着剤としては、通常、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム等のゴム弾性を有するポリマーの1種単独物又は2種以上を混合したものが挙げられる。該結着剤の添加量は、正極又は負極の総量に対して、0.1〜3質量%が好ましい。
前記増粘剤としては、通常、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、キサンタンガム等の多糖類等の1種単独物又は2種以上を混合したものが挙げられる。増粘剤の添加量は、正極又は負極の総量に対して、0.1〜0.3質量%が好ましい。
【0053】
正極及び負極は、前記活物質、導電剤および結着剤を、水やアルコール、トルエン等の有機溶媒に混合した後、得られた混合液を集電体の上に塗布し、乾燥することによって好適に作製される。前記塗布方法としては、例えば、アプリケーターロールなどのローラーコーティング、スクリーンコーティング、ブレードコーティング、スピンコーティング、パーコーティング等の手段を用い、任意の厚み及び任意の形状に塗布する方法が好適であるが、これらに限定されるものではない。
【0054】
前記集電体としては、構成された電池において前記活物質との電子の授受に悪影響を及ぼさない電子伝導体が特に制限されることなく使用され得る。該集電体としては、例えば、耐還元性及び耐酸化性の観点から、ニッケルやニッケルメッキした鋼板をその材料としたものが挙げられる。該集電体の形状としては、発泡体、繊維群の成形体、凹凸加工を施した3次元基材、或いは、パンチング板等の2次元基材が挙げられる。また、該集電体の厚みについても特に限定はなく、通常、5〜700μmのものが例示される。
これらの集電体のうち、正極用としては、アルカリに対する耐食性と耐酸化性に優れたニッケルを材料とし、集電性に優れた構造である多孔体構造の発泡体としたものが好ましい。また、負極用としては、安価で、且つ導電性に優れる鉄箔に、ニッケルメッキを施した、パンチング板が好ましい。
パンチング径は2.0mm以下、開口率は40%以上であることが好ましく、これにより、少量の結着剤でも負極活物質と集電体との密着性を高めることができる。
【0055】
ニッケル水素蓄電池のセパレータとしては、優れたレート特性を示す多孔膜や不織布等を、単独で、あるいは2以上併用して構成されていることが好ましい。該セパレータを構成する材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂や、ナイロンを挙げることができる。
該セパレータの目付は、40g/m2から100g/m2が好ましい。40g/m2未満であると、短絡や自己放電性能が低下する虞があり、100g/m2を超えると単位体積当たりに占めるセパレータの割合が増加するため、電池容量が下がる傾向にある。該セパレータの通気度は、1cm/secから50cm/secが好ましい。1cm/sec未満であると、電池内圧が上昇する虞があり、50cm/secを超えると、短絡や自己放電性能が低下する虞がある。該セパレータの平均繊維径は、1μmから20μmが好ましい。1μm未満であるとセパレータの強度が低下し、電池組み立て工程での不良率が増加する虞があり、20μmを超えると、短絡や自己放電性能が低下する虞がある。
また、該セパレータは、親水化処理が施されていることが好ましい。該セパレータとしては、例えば、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂繊維の表面にスルフォン化処理、コロナ処理、フッ素ガス処理、プラズマ処理を施したり、これらの処理を既に施されたものを混合したものが挙げられる。特に、スルフォン化処理を施されたセパレータは、シャトル現象を引き起こすNO3-、NO2-、NH3-等の不純物や負極からの溶出元素を吸着する能力が高いため、自己放電抑制効果が高く、好ましい。
【0056】
ニッケル水素蓄電池を構成するアルカリ電解液としては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオンの少なくとも何れか一方を含み、イオン濃度の合計が9.0mol/リットル以下であるものが好ましく、イオン濃度の合計が5.0〜8.0mol/リットルであるものがより一層好ましい。
【0057】
また、該電解液には、合金への防食性向上、正極での過電圧向上、負極の耐食性の向上、自己放電向上のため、種々の添加剤が添加され得る。該添加剤としては、イットリウム、イッテルビウム、エルビウム、カルシウム、亜鉛などの酸化物、水酸化物等の1種単独物又は2種以上混合したものが挙げられる。
【0058】
本実施形態のニッケル水素蓄電池が開放型ニッケル水素蓄電池である場合、該電池は、例えば、セパレータを介して負極を正極で挟み込み、これらの電極に所定の圧力がかかるようにこれらの電極を固定して、電解液を注液し、開放形セルを組み立てることにより作製できる。
【0059】
本実施形態のニッケル水素蓄電池が密閉型ニッケル水素蓄電池である場合、該電池は、前記電解液を、前記正極、セパレータ及び負極を積層する前又は積層した後に注液し、外装材で封止することにより、好適に作製される。また、正極と負極とが前記セパレータを介して積層された発電要素を巻回してなる密閉型ニッケル水素蓄電池においては、前記電解液は、巻回の前又は後に発電要素に注液されるのが好ましい。注液法としては、常圧で注液することも可能であるが、真空含浸法、加圧含浸法、遠心含浸法も使用可能である。また、該密閉型ニッケル水素蓄電池の外装体の材料としては、ニッケルメッキした鉄やステンレススチール、ポリオレフィン系樹脂等が一例として挙げられる。
【0060】
該密閉型ニッケル水素蓄電池の構成については特に限定されるものではなく、正極、負極および単層又は複層のセパレータを備えた電池、例えば、コイン電池、ボタン電池、角型電池、扁平型電池、あるいは、ロール状の正極、負極及びセパレータを有する円筒型電池等を挙げることができる。
【0061】
本実施形態の水素吸蔵合金及び本実施形態のニッケル水素蓄電池は上記例示の通りであるが、本発明は、上記例示の水素吸蔵合金、及び上記例示のニッケル水素蓄電池に限定されるものではない。
即ち、一般的な水素吸蔵合金において用いられる種々の形態を、本発明の効果を損ねない範囲において、採用することができる。また、一般的なニッケル水素蓄電池において用いられる種々の態様を、本発明の効果を損ねない範囲において、採用することができる。
例えば、本実施形態の水素吸蔵合金は、上述のごとく化学組成が一般式I M1pCaqMgrM2sAltで表されるものであるところ、本発明の水素吸蔵合金においては、該一般式Iを満たしている限り、本発明の効果を損ねない範囲において、該一般式Iで規定されていない元素が含まれ得る。
【実施例】
【0062】
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0063】
(実施例1)
以下に示す方法により、水素吸蔵合金を作製した。
化学組成が表1の実施例1となるように原料インゴットを所定量秤量してルツボに入れ、減圧アルゴンガス雰囲気下で高周波溶解炉を用いて1500℃に加熱し、材料を溶解した。溶融後、メルトスピニング法を適用して急冷し、合金を固化させた。
次に、得られた合金を0.2MPa(ゲージ圧,以下同じ)に加圧されたアルゴンガス雰囲気下で、910℃にて熱処理を5時間おこなった後、得られた水素吸蔵合金を粉砕して、平均粒径(D50)が50μmの水素吸蔵合金粉末とした。
【0064】
(実施例2〜13)
水素吸蔵合金の組成を表1の実施例2〜13に示した組成とした以外は、実施例1と同様にして水素吸蔵合金をそれぞれ作製した。
【0065】
(比較例1〜13)
水素吸蔵合金の組成を表1の比較例1〜13に示した組成とした以外は、実施例1と同様にして水素吸蔵合金をそれぞれ作製した。
【0066】
各実施例、各比較例の水素吸蔵合金の組成を表1に示す。なお、表1における組成の値は、原子%を表す。
【0067】
【表1】

【0068】
各実施例、各比較例の水素吸蔵合金における結晶相の含有割合を表2に示す。
【0069】
【表2】

【0070】
(密閉形ニッケル水素電池の負極の作製)
各実施例、各比較例の水素吸蔵合金粉末を110℃で2時間、8M 水酸化カリウム水溶液中に浸漬させたのち、pHが10となるまで水洗を繰り返した。乾燥後の粉末100質量部に増粘剤(メチルセルロース)を溶解した水溶液を加え、さらに、結着剤(スチレンブタジエンゴム)を1質量部加えてペースト状にしたものを厚さ35μmの穿孔鋼板(開口率50%)の両面に塗布して乾燥させた後、厚さ0.33mmにプレスして、負極板とした。
【0071】
(密閉形ニッケル水素電池の正極の作製)
正極活物質には亜鉛3質量%、コバルト0.6質量%を固溶状態で含有する水酸化ニッケル表面に、6質量%の水酸化コバルトを被覆したものを18M 水酸化ナトリウム溶液を用いて110℃で1時間空気酸化処理をおこなったものを用いた。増粘剤(カルボキシメチルセルロース)を溶解させた水溶液と、活物質さらに酸化イッテルビウム2質量%を混合して、ペーストを作製し、ニッケル発泡基材に充填し、乾燥させた後、所定の厚さ(0.93mm)にプレスすることによって正極板とした。
【0072】
(密閉形ニッケル水素電池の作製)
正極と負極とを、正極容量1に対して負極容量が1.45となる割合でセパレータを介して渦巻き上に捲回して電極群とし、円筒状の金属ケースに収納した。正極容量は、正極活物質の充填量から計算した値を用いた。計算式は、正極活物質の充填量(g)×正極活物質中の水酸化ニッケル(高次ニッケル化合物を含む)の比率×289(mAh/g)とした。負極容量には、開放形ニッケル水素電池負極の評価において得られた最大容量を用いた。つぎに、7Mの水酸化カリウムと0.8Mの水酸化リチウムからなる電解液を1.95ml注液し、安全弁を備えた金属製蓋体で封口して、2000mAh AA サイズのニッケル水素蓄電池を作製した。
【0073】
<ニッケル水素蓄電池の初期化成>
各実施例、各比較例の水素吸蔵合金を用いた密閉形ニッケル水素電池について、以下の手順で初期化成を行なった。初充電を、40℃で0.02It(A)(40mA)で10時間の充電および20℃で0.2It(A)(400mA)で、3時間の充電により行なった。ついで、20℃、0.2It(A)で終止電圧が1Vとなるまで放電を行なった。2サイクル目以降の充電は、20℃、0.1It(A)で12時間とし、放電は、0.2It(A)、終止電圧が1Vとなるまで放電し、化成とした。同様に、3サイクル目まで、充放電を行なうことにより、初期化成を行なった。
【0074】
<ニッケル水素蓄電池の容量維持率の評価>
各実施例、各比較例の水素吸蔵合金を用いた密閉形ニッケル水素電池について、0.5It(A)および−dV=5mVの条件での充電、30分間の休止および1It(A)で終止電圧が1Vとなるまでの放電(25℃)を1サイクルとして繰り返し、50サイクル後の放電容量の初期容量に対する維持率を容量維持率とした。その結果を上記表1に示す。
【0075】
水素吸蔵合金におけるAlの含有量を横軸に、容量維持率を縦軸にして、各実施例、及び各比較例についてプロットしたグラフを図1に示す。また、Alが1.2原子%までにおいて同様にプロットしたグラフを図2に示す。
【0076】
<ニッケル水素蓄電池の最大放電容量>
以下に示す方法により、各実施例及び各比較例で作製したニッケル水素蓄電池の最大放電容量を測定した。
作製した各ニッケル水素蓄電池を用いて、次の条件で充放電試験をおこなった。充電条件は、充電電流0.1ItmA、充電設定電圧4.5V、充電時間15時間の定電流定電圧充電とし、放電条件は、放電電流0.1ItmA、放電終止電圧2.0Vの定電流放電とした。
各ニッケル水素蓄電池を用いた充放電試験において測定された初回の最大放電容量を測定した。その結果を上記表1に示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学組成が、一般式I M1pCaqMgrM2sAltで表され、M1が、希土類元素、4A族元素、5A族元素及びPdからなる群より選択され少なくとも希土類元素を含む1種又は2種以上の元素であり、M2が、6A族元素、7A族元素、8族元素(Pdを除く)、1B族元素、2B族元素、及び3B族元素(Alを除く)からなる群より選択され少なくともNiを含む1種又は2種以上の元素であり、
3(p+q+r)≦(s+t)<5(p+q+r)を満たす水素吸蔵合金であって、
Alを0.1原子%以上含み、Ca及びAlを合計で5.3原子%以下含み、且つ、M2としてのCo及びMnの合計量が1原子%以下であることを特徴とする水素吸蔵合金。
【請求項2】
前記一般式Iの化学組成が、一般式II M1’uM1”vCaqMgrNiwAltM2’xで表され、M1’が希土類元素であり、M1”が4A族元素、5A族元素及びPdからなる群より選択される1種又は2種以上の元素であり、M2’が6A族元素、7A族元素、8族元素(Pd、Niを除く)、1B族元素、2B族元素、及び3B族元素(Alを除く)からなる群より選択される1種又は2種以上の元素であり、
前記希土類元素を13.3原子%以上19.5原子%以下含み、M1”の量が1.2原子%以下であり、Caを0.5原子%以上4.4原子%以下含み、Mgを2.2原子%以上5.8原子%以下含み、Niを74.4原子%以上78.7原子%以下含み、Alを0.1原子%以上1.2原子%以下含み、且つM2’の量が1.2原子%以下であることを特徴とする請求項1記載の水素吸蔵合金。
【請求項3】
請求項1又は2記載の水素吸蔵合金を含む負極を備えたことを特徴とするニッケル水素蓄電池。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−58082(P2011−58082A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−211695(P2009−211695)
【出願日】平成21年9月14日(2009.9.14)
【出願人】(507151526)株式会社GSユアサ (375)
【Fターム(参考)】