説明

水素酸素混合発生装置

【課題】水から水素酸素混合ガスを効果的に発生させる水素ガス発生装置を提供する。
【解決手段】金属材からなる管部材10と、管部材10内部に挿入される絶縁管20と、絶縁管20の内部に挿入されるものであって多数の孔が形成された多数の電極板31及びその電極板31と交互に設けられる所定の厚の環形離隔部材32で構成される電極板ユニット30と、管部材10の前方に配置され、前方流入孔41、及び前方排出孔42が形成される前方カバー40と、前方カバー40と前記管部材10との間を絶縁させるための前方絶縁部と、管部材10の後方に配置され、後方流入孔51及び後方排出孔52が形成される後方カバー50と、後方カバー50と管部材10の間を絶縁させるための後方絶縁部と、後方カバー40、50の間の管部材10に嵌め込まれるものであって、多数の放熱ピン62が形成された放熱部60とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水から水素酸素混合ガスを効果的に発生させることができる水素酸素混合ガス発生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
水素酸素混合ガス発生装置は水が電気分解されて得られる生成物である水素及び酸素を生産するための装置であって、正(+)及び負(−)電極が設置された電解槽内に少量の電解物質が添加された水を供給して直流電圧を印加することによって無公害エネルギー源である水素酸素混合ガスを発生する。この際、発生される水素と酸素は2:1のモル比で発生され、−電極表面に水素が気泡形態に生成され、+電極表面に酸素が気泡形態に生成される。このように生成された水素と酸素は混合されて混合ガス形態になり燃焼が可能となる。また水素酸素混合ガスは燃焼時に汚染物質を生成しないので環境にやさしいエネルギー源として新しく浮き彫りになっている。
【0003】
しかし、−電極と+電極に印加される電気エネルギーに比べ生成される水素酸素の量が少ないので、これによって生成される水素酸素混合ガスにプロパンガスのような補助燃料を混合して燃消させなければならなかったし、これによって経済性が低かった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は前記のような問題点を解決するために創出されたものであって、投入される電気エネルギーに比べ生成される水素酸素混合ガスの量をふやすことで経済性を確保することができる水素酸素混合ガス発生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記のような目的を果たすために本発明による水素酸素混合ガス発生装置は、
内径を有して金属材で具現された管部材10と、
前記管部材10内部に挿入される絶縁管20と、
前記絶縁管20の内部に挿入されるものであって多数の孔が形成された多数の電極板31及びその電極板31と交互に設けられる所定の厚の環形離隔部材32で構成される電極板ユニット30と、
前記管部材10の前方に配置されるものであって、下部側に前方流入孔41が形成され、上部側に形成された前方排出孔42が形成される前方カバー40と、
前記前方カバー40と前記管部材10との間を絶縁させるための前方絶縁部45と、
前記管部材10の後方に配置されるものであって、下部側に形成される後方流入孔51及び上部側に形成された後方排出孔52が形成される後方カバー50と、
前記後方カバー50と管部材10の間を絶縁させるための後方絶縁部55と、
前記後方カバー40、50の間の管部材10に嵌め込まれるものであって、多数の放熱ピン62が形成された放熱部60とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明にかかる水素酸素混合ガス発生装置によると、絶縁管が挿入される管部材と、絶縁管内部に環形離隔部材で離隔されるように配置される多数のホールが形成された多数の電極板と、管部材の前、後方に配置されて電極が印加される前、後方カバーと、絶縁管に嵌め込まれる放熱部を含むことによって、投入される電気エネルギーに比べ生成される水素酸素の量が多くなることができ、これによってプロパンガスのような補助燃料を混合せずに燃消させることができるので経済性を確保できる。
【0007】
また、気泡形態に生成される水素及び酸素が電極から容易に分離することができるので、結果的に電気分解が起きる電極の有効面積が高くなって電解効率を高めることができるという作用、効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明にかかる水素酸素混合ガス発生装置の斜視図である
【図2】図1の分解斜視図である
【図3】図1のIII−III'線に沿った断面図である
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明にかかる水素酸素混合ガス発生装置を添付の図面を参照して詳しく説明する。
【0010】
図1は本発明にかかる水素酸素混合ガス発生装置の斜視図であり、図2は図1の分解斜視図であり、図3は図1のIII−III'線に沿った断面図である。
【0011】
示されたように、本発明にかかる水素酸素混合ガス発生装置は、内径を有して金属材で具現された管部材10と、管部材10内部に挿入される絶縁管20と、絶縁管20の内部に挿入されるものであって多数の孔が形成された多数の電極板31及びその電極板31と交互に設けられる所定の厚の環形離隔部材32で構成される電極板ユニット30と、管部材10の前方に配置されるものであって、下部側に前方流入孔41が形成され、上部側に形成された前方排出孔42が形成される前方カバー40と、前方カバー40と管部材10との間を絶縁させるための前方絶縁部45と、管部材10の後方に配置されるものであって、下部側に形成される後方流入孔51及び上部側に形成された後方排出孔52が形成される後方カバー50と、後方カバー50と管部材10の間を絶縁させるために、後方カバー50と管部材の間に後方絶縁部55、後方カバー40、50の間の管部材10に嵌め込まれるものであって、多数の放熱ピン62が形成された放熱部60とを含むことを特徴とする。
【0012】
この際、電気分解が進行される間に発生される熱が絶縁管20を通じて管部材10に効率的に伝導されることができるように、絶縁管20と管部材10の間には第1の熱伝導層70が形成される。また、管部材10に伝導された熱が放熱部60に効率的に伝導されることができるように、放熱部60と管部材10の間に第2の熱伝導層80が形成される。
【0013】
管部材10は、円型管形態や、四角管形態や、六角管、八角管形態等多様に具現することができるし、ステンレスや合金鋼のような金属材で具現される。本実施例で管部材10は円型管形態を有し、両側に前、後方フランジ10a、10bを有するものであると説明する。このような管部材10はボディーを成す。
【0014】
絶縁管20は、管部材10の内側に密着されるものであって、絶縁管20と電極板ユニット30との間を絶縁させる。このような絶縁管20は水が電気分解される過程においても物性が変わらない材質からなることが望ましいし、例えばテプロンゴムやアセタールやPP、PE材質からなる。
【0015】
電極板ユニット30において、電極板31は多数のホール、本実施例では上、下部側に離隔されるように形成された上部ホール31a及び下部ホール31bが形成された構造になっている。また環形離隔部材32は電極板31と同一直径を有する環形になっていて、多数の電極板31らを相互接触させず離隔させる。本実施例において電極板31と環形離隔部材32の厚さは3mmとする。
【0016】
前記の電極板31らは、上部ホール31aと下部ホール31bが相互マッチされるように配置することによって、上部ホール31aと下部ホール31b各々がシリンダー形象の空間を成すようにする。
【0017】
前記の電極板31は電気分解が効果的に起きるように材質を選択する。このような材質の一例として、電極板31は炭素ナノチューブ合金鋼からなるのが望ましい。炭素ナノチューブ合金鋼は、炭素ナノチューブを粉末にした後、ニッケル、トルマリンを粉末形態にした後、電極板形態に圧搾した後、塑性過程を経って作られる。この際、添加物として炭酸ナトリウム複合化合物が添加される得るし、塑性は約1300℃の温度で進行される。
【0018】
一方、電極板31はステンレスのような金属で具現され得るし、電気分解が効率的に起きて、生成された水素酸素の気泡が容易に脱落されることができるようにナノ研磨される。このような電極板31はステンレス、合金鋼等金属材質からなる。
【0019】
ナノ研磨とは、電極板31の表面をナノ単位で研いたものを意味する。このようなナノ研磨を通じて電極板31表面の摩擦力を最小化することができるので、生成された水素及び酸素気泡が非常に容易に脱落されることができる。特に、物質の大きさがバルク状態からナノサイズに小くなる場合、機械的、熱的、電気的、磁気的、光学的物性が独特に変わるが、電極板31表面をナノ研磨して物性を変化させることによって水の電気分解がさらに活発になるものである。
【0020】
一方、電極板31の表面にはトルマリン光触媒が附着することができる。トルマリン光触媒はトルマリンを数マイクロから数ナノメートル単位の粉末に粉碎した後、約1300℃の温度で塑性することによって具現された後、電極板31に接着剤等を用いて附着されるものである。トルマリンは水晶のような結晶構造を有する六方晶系に属する鉱物であって、摩擦によって電気が生じ、また陰イオンを多量発生し、また電気分解をさらに促進させて水素及び酸素を多く生成させる。このようなトルマリンは粉末に粉砕された後、塑性されることによって、水との接触面積を広げることができる幾多の微細気孔が形成された光触媒に具現され、このようなトルマリン光触媒を電極板31に附着することによって水の電気分解をさらに促進させることができる。
【0021】
前方カバー40は、管部材10の前方に配置されて後述する前方絶縁部45及びボルト(B)、ナット(N)によって前方フランジ10aと絶縁されるように結合される。前方カバー40下部側の前方流入孔41には水が流入され、上部側の前方排出孔42には電気分解が進行された後、発生された水素酸素混合ガスが排出される。さらに、前方カバー40には電源が印加される電源線が結合されることができるように端子40aが形成される。
【0022】
後方カバー50は、管部材10の後方に配置されて後述する後方絶縁部55及びボルト(B)、ナット(N)によって後方フランジ10bと絶縁されるように結合される。後方カバー50下部側の後、方流入孔51には水が流入され、上部側の後方排出孔52には電気分解が進行された後発生された水素酸素混合ガスが排出される。さらに、後方カバー50には電源が印加される電源線が結合されることができるように端子50aが形成される。
【0023】
一方、前記の前方カバー40及び後方カバー50は、管部材10の両側を密封すると同時に、+及び−電源が印加される電極の役目をする。これのために、前方カバー40及び後方カバー50各々は金属材質からなった管部材10と絶縁されなければならないが、前、後方絶縁部45、55が前方カバー40及び後方カバー50を管部材10と絶縁させる役目をする。
【0024】
前方絶縁部45は、図2及び図3に示されたように、前方カバー40と前方フランジ10aとの間に設けられる前方絶縁ガスケット45aと、前方カバー40及び前方フランジ10aに形成された締結孔に挿入される多数の前方絶縁締結管45bと、前方カバー40の前方側と前方フランジ10aの後方側に位置されボルト(B)及びナット(N)によって前方カバー40及び前方フランジ10a側に密着される前方絶縁リング45cとを含む。
【0025】
後方絶縁部55は、図2及び図3に示されたように、後方カバー50と後方フランジ10bとの間に設けられる後方絶縁ガスケット55aと、後方カバー50及び後方フランジ10bに形成された締結孔に挿入される多数の後方絶縁締結管55bと、後方カバー50の前方側と後方フランジ10bの後方側に位置されてボルト(B)及びナット(N)によって後方カバー50及び後方フランジ10b側に密着される後方絶縁リング55cとを含む。
【0026】
放熱部60は、前、後方カバー40、50間の管部材10に嵌めこまれる放熱管61と、放熱管61に離隔されるように配置される多数の放熱ピン62で構成される。前記の放熱管61及び放熱ピン62は筒形状のアルミニウム管やステンレス管をNCマシンなどを用いて加工し形成したり、鋳物を用いて形成したり、耐熱性プラスチックまたはセラミックス等を成形することによって具現される。しかし放熱部60を具現するにおいて、放熱管61と放熱ピン62を独立的に製作した後、相互結合させる方式によっても具現することができることは勿論である。さらに、放熱部60の放熱効率を高めるために、放熱ピン62の表面に、ナノメートルサイズ、望ましくは10−60ナノメートルサイズの炭素ナノチューブとトルマリン光触媒を単独または混合して塗布することができる。
【0027】
第1の熱伝導層70は、電気分解が進行される間に発生される熱が絶縁管20を通じて管部材10に効率的に伝導されることができるようにする。第2の熱伝導層80は、管部材10に伝導された熱が放熱部60に効率的に伝導されることができるようにする。これのために第1、2の熱伝導層70、80は、ナノメートルサイズ、望ましくは10−60ナノメートルサイズの炭素ナノチューブとトルマリン光触媒を単独または混合して塗布することによって具現される。
【0028】
前記の構造によって、前方流入孔41と後方流入孔51に水が流入された状態において、前方カバー40の端子40aと後方カバー50の端子50aに200V以上の直流高電圧を印加すると、環形離隔部材32によって離隔された電極板31の前後面に+及び−電荷が集められ、電極板31の間に電場が発生される。この際、電気分解が進行される電解空間は電場が形成された空間になるので、すべての電解空間の大きさは多数個の電極板31の個数に比例して大きくなるので、電気分解が効率的に起き、結局水素及び酸素の発生量が多くなる。このように発生された水素酸素気泡は混合した後、上部ホール31bら及び前、後方排出孔42、52を通じて外部に排出される。
【0029】
本発明は図面に示された一実試例を参照に説明されたが、これは例示的なものに過ぎないし、本技術分野の通常の知識を有する者であれば、本発明から多様な変形及び均等な他の実試例が可能であることがわかる。
【符号の説明】
【0030】
10…管部材 10a、10b…前、後方フランジ
20…絶縁管 30…電極板ユニット
31…電極板 32…環形離隔部材
40…前方カバー 41…前方流入孔
42…前方排出孔 45…前方絶縁部
45a…前方絶縁ガスケット 45b…前方絶縁締結管
45c…前方絶縁リング 50…後方カバー
51…後方流入孔 52…後方排出孔
55…後方絶縁部 55a…後方絶縁ガスケット
55b…後方絶縁締結管 55c…後方絶縁リング
60…放熱部 61…放熱管
62…放熱ピン 70…第1の熱伝導層
80…第2の熱伝導層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内径を有して金属材で具現された管部材と、
前記管部材内部に挿入される絶縁管と、
多数の孔が形成された多数の電極板及びその電極板と交互に設けられる所定の厚さの環形離隔部材で構成され、前記絶縁管の内部に挿入される電極板ユニットと、
前記管部材の前方に配置されるものであって、下部側に前方流入孔が形成され、上部側に形成された前方排出孔が形成される前方カバーと、
前記前方カバーと前記管部材との間を絶縁させるための前方絶縁部と、
前記管部材の後方に配置されるものであって、下部側に形成される後方流入孔及び上部側に形成された後方排出孔が形成される後方カバーと、
前記後方カバーと前記管部材の間を絶縁させるための後方絶縁部、及び
前記前方カバーと後方カバーとの間の前記管部材に嵌め込まれるものであって、多数の放熱ピンが形成された放熱部とを含むことを特徴とする水素酸素混合ガス発生装置。
【請求項2】
前記絶縁管と管部材との間に形成された第1の熱伝導層及び
前記放熱部と管部材との間に形成された第2の熱伝導層とをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の水素酸素混合ガス発生装置。
【請求項3】
前記第1、2の熱伝導層は、ナノメートルサイズの炭素ナノチューブとトルマリン光触媒を単独あるいは混合して塗布することによって具現されることを特徴とする請求項2に記載の水素酸素混合ガス発生装置。
【請求項4】
前記前方絶縁部は、前記前方カバーと前方フランジとの間に設けられる前方絶縁ガスケットと、前記前方カバー及び前記前方フランジに形成された締結孔に挿入される多数の前方絶縁締結管と、前記前方カバーの前方側と前記前方フランジの後方側に位置されボルト及びナットによって前方カバー及び、前記前方フランジ側に密着される前方絶縁リングとを含み、
前記後方絶縁部は、前記後方カバーと後方フランジの間に設置される後方絶縁ガスケットと、前記後方カバー及び前記後方フランジに形成された締結孔に挿入される多数の後方絶縁締結管と、前記後方カバーの前方側と前記後方フランジの後方側に位置されてボルト及びナットによって前記後方カバー及び、前記後方フランジ側に密着される後方絶縁リングとを含むことを特徴にする請求項1から3の何れか1項に記載の水素酸素混合ガス発生装置。
【請求項5】
前記放熱部は、前記前方カバーと後方カバーとの間の前記管部材に嵌めこまれる放熱管と、前記放熱管に離隔されるように配置される前記多数の放熱ピンで構成されることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の水素酸素混合ガス発生装置。
【請求項6】
前記多数の放熱ピンの表面に、ナノメートルサイズの炭素ナノチューブとトルマリン光触媒を単独または混合して塗布することを特徴とする請求項5に記載の水素酸素混合ガス発生装置。
【請求項7】
前記電極板は炭素ナノチューブ合金鋼からなることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の水素酸素混合ガス発生装置。
【請求項8】
前記電極板の表面は、電気分解が効率的に起きて、生成された水素酸素の気泡が容易に脱落され得るようにナノ研磨されたことを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の水素酸素混合ガス発生装置。
【請求項9】
前記電極板の表面は、トルマリン光触媒が附着されたことを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の水素酸素混合ガス発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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