説明

水質浄化構造

【課題】海、湖沼等の沿岸部に隣接する内水域を浸透濾過で浄化する際、懸濁物の除去率を高く維持しながら、なおかつ目詰まりを防止する。
【解決手段】本発明に係る水質浄化構造1は、不透水性の堤体4と、砂で構成された細粒層としての砂層5とからなり、堤体4は、海域が、沿岸部である海浜2に隣接する内水域3とその反対側に拡がる外水域6とに隔てられるように設置してある。砂層5は、堤体4の直下に配置してあるとともに、該直下部分から内水域3と外水域6に向けてそれぞれ延設してあり、外水域6の側においては、該水域に露出する外水域露出領域7を形成してある。堤体4は、潮の干満に伴い、その直下に設置された砂層5を経由した海水移動が内水域3と外水域6との間で確実に行われるよう十分な止水性を確保するものとし、例えばコンクリートケーソンで構成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として海域に構築される水質浄化構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ウオーターフロントにおいてはアメニティに富んだ親水空間の確保が重要であるが、そのための手段として水質浄化堤が知られている。
【0003】
水質浄化堤は、礫や砕石からなる堤体材を断面形状がほぼ台形状になるように海底から積み上げてなるものであって、浄化したい水域を取り囲むようにして構築しておくと、外水域の水が水質浄化堤を通過する際、海水中に含まれるプランクトン等の汚濁成分は、堤体材の表面に形成された微生物群からなる生物膜に付着捕捉され、あるいは礫間に棲息する貝類や甲殻類によって摂取されるため、清浄な水を内水域に流入させることができる。
【0004】
ところが、上述した礫間接触酸化機能による懸濁物の除去率は、概ね70〜80%程度と言われており、有機汚濁の進行が通常程度であれば、1.5m〜2m程度の透明度が期待できるものの、赤潮等の汚濁が進行した場合には、透明度の低下は避けられない。
【0005】
加えて、海水浴場に代表される水浴場では、大腸菌群の基準値が設定されているが、礫や砕石からなる石積み浄化堤では、大腸菌群を十分に除去することができず、水浴場の基準値をクリアすることは難しい。
【0006】
そのため、最近では、海浜の砂層を用いた浸透濾過によって内水域における懸濁物の除去率を改善しようとする試みがなされるようになってきた。
【0007】
かかる方法によれば、海水が砂層を通過する際、SSと呼ばれる粒径2mm程度以下の懸濁物質をはじめ、それよりもさらに小さな大腸菌群であっても、これを除去することが可能となり、内水域での懸濁物の除去率を99%に高めることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−1285号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、礫や砕石からなる水質浄化堤では、その間隙が比較的大きいため、礫間接触酸化機能とも相俟って、堤体材の目詰まりが未然に防止できていたのに対し、海浜の砂層を用いた浸透濾過では、砂の粒径が礫や砕石よりも小さい分、目詰まりが生じやすく、浸透濾過機能を継続的に維持することが難しいという問題を生じていた。
【0010】
かかる問題は、礫や砕石からなる粗粒層と砂からなる細粒層とを組み合わせた二段階濾過構造とすることにより回避することができるが(特許文献1)、構造が複雑になるため、構築コストが高くなるという別の問題が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、海、湖沼等の沿岸部に隣接する内水域を浸透濾過で浄化する際、懸濁物の除去率を高く維持しながら、なおかつ目詰まりを防止可能な水質浄化構造を提供することを目的とする。
【0012】
上記目的を達成するため、本発明に係る水質浄化構造は請求項1に記載したように、海、湖沼等の水域が沿岸部に隣接する内水域とその反対側に拡がる外水域とに隔てられるように設置された不透水性の堤体と、該堤体の直下に配置され前記外水域に露出する外水域露出領域が形成された細粒層とからなるとともに、該細粒層を砂又は該砂と粒径が同等の細粒材で構成したものである。
【0013】
また、本発明に係る水質浄化構造は、前記細粒層の下方に拡がる支持地盤と前記堤体との間に杭その他の荷重伝達部材を介在させることにより、前記堤体の鉛直荷重を前記支持地盤に伝達させるようにしたものである。
【0014】
また、本発明に係る水質浄化構造は、前記細粒層の外水域露出領域が前記堤体との間に位置するように前記堤体の外水域側に砂流失防止壁を設置したものである。
【0015】
また、本発明に係る水質浄化構造は、前記外水域露出領域の上方であって前記砂流失防止壁と前記堤体との間に透水性材料で形成された砂流失防止シートを張設したものである。
【0016】
本発明に係る水質浄化構造においては、海、湖沼等の水域が、沿岸部に隣接する内水域とその反対側に拡がる外水域とに隔てられるように設置された不透水性の堤体と、該堤体の直下に配置され前記外水域に露出する外水域露出領域が形成された細粒層とからなるとともに、該細粒層を砂又は該砂と粒径が同等の細粒材で構成してなる。
【0017】
このようにすると、干潮から満潮に移行する際、外水域の水は、細粒層の外水域露出領域から流入し、堤体の下方に潜り込むようにして細粒層内を通過した後、内水域へと移動するが、細粒層内を通過する際、外水域の水は、該細粒層から浸透濾過作用を受けて汚濁物質が除去される。
【0018】
特に、細粒層を構成する砂又は該砂と粒径が同等の細粒材は、石積み浄化堤を構成する礫や砕石よりもはるかに粒径が小さいため、外水域から内水域に流入する水から大腸菌群を除去することが可能となり、かくして水浴場の基準値となっている大腸菌群数を内水域で大幅に減らすことが可能となる。
【0019】
一方、満潮から干潮に移行する際には、内水域の水は、上述の逆の経路で細粒層を経てその外水域露出領域に到達した後、外水域へと流出するが、その際、外水域露出領域に滞留していた汚濁物質は、外水域に流出しようとする水に押し出されるようにして水中に拡散する。
【0020】
そのため、細粒層の外水域露出領域における目詰まりが未然に防止される。
【0021】
加えて、外水域においては、静穏か荒天かの程度こそあれ、常に波浪が生じており、その力学的なエネルギー、すなわち水を移動させようとする力は、細粒層を構成する砂や細粒材を舞い上げて上方に攪拌させる力として細粒層の外水域露出領域に作用する。
【0022】
そのため、細粒層の外水域露出領域に滞留し、あるいは細粒層を構成する砂や細粒材の間隙に存在していた汚濁物質は、上述した砂や細粒材の攪拌に伴って水中へと拡散することとなり、かくして、上述した内水域から外水域に向かう水流の押出し作用と相俟って、外水域露出領域近傍での細粒層の目詰まりがより確実に防止される。
【0023】
細粒層は、砂又は該砂と粒径が同等の細粒材で構成することが可能であり、細粒材には、例えば再生細骨材を用いることができる。
【0024】
堤体は、水底に載置された捨石の上に設置される従来の堤体とは異なり、浸透濾過のための細粒層の直上に設置されるものであって、該細粒層を経由した水交換が確実に行われる限り、具体的な構成は任意であって、例えばコンクリートケーソンで形成することができるほか、既存の石積み浄化堤に止水体をあらたに設けて構成することも可能である。
【0025】
一方、堤体の鉛直荷重が細粒層に作用することによって砂又は細粒材の間隙が狭くなり、細粒層での浸透濾過作用が低下したり、細粒層を介した水交換自体に支障が生じる場合には、前記細粒層の下方に拡がる支持地盤と前記堤体との間に杭その他の荷重伝達部材を介在させることにより、前記堤体の鉛直荷重を前記支持地盤に伝達させるようにすればよい。
【0026】
かかる構成によれば、堤体の鉛直荷重は、細粒層に作用することなく、荷重伝達部材を介して支持地盤に伝達されることとなり、堤体の鉛直荷重によって細粒層の浸透濾過作用が阻害される懸念はなくなる。
【0027】
かかる構成の具体例としては、例えば荷重伝達部材としての杭を支持地盤に打ち込み、該杭の頭部で堤体を支持する構成や、荷重伝達部材としてのブロック状の支持体を支持地盤の上に複数載置し、該支持体の上に堤体を架け渡す構成を採用することが可能である。ちなみに、前者の場合には、杭の周囲に拡がる空間が、後者の場合には、支持体と支持体で挟まれた空間がそれぞれ細粒層の設置スペースとなる。
【0028】
堤体は、細粒層との間に隙間が生じないようにその直上に配置されればよく、例えばその下端が細粒層に埋設されるように設置してもよいし、細粒層の上面に当接されあるいは載置されるように設置してもよい。
【0029】
ここで、細粒層の外水域露出領域では、上述したように波浪による砂や細粒材の攪拌に伴って外水域露出領域に滞留しあるいは砂や細粒材の間隙に存在していた汚濁物質が水中へと拡散し、それによって外水域露出領域近傍での細粒層の目詰まりが未然に防止されるが、攪拌された砂や細粒材が元通りの位置に沈降せずに流失し、結果として細粒層が薄くなって浸透濾過作用が低下する事態が懸念される。
【0030】
その場合、砂や細粒材を適宜補充することで細粒層の厚みを維持するようにしてもよいが、前記細粒層の外水域露出領域が前記堤体との間に位置するように前記堤体の外水域側に砂流失防止壁を設置するようにすれば、波浪エネルギーによる砂や細粒材の攪拌作用を享受しつつ、それらの流失を砂流失防止壁によって防止することが可能となる。
【0031】
さらに、前記外水域露出領域の上方であって前記砂流失防止壁と前記堤体との間に透水性材料で形成された砂流失防止シートを張設するようにしてもよい。
【0032】
かかる構成においては、砂流失防止シートは、その透水性によって外水域と内水域との水交換や細粒層による浸透濾過作用を阻害することなく、波浪の大きさや性状に応じて上方に膨らんだり下方に押し下げられたりするため、波浪エネルギーを細粒層の外水域露出領域に到達させることが可能となり、砂流失防止壁と相俟って、砂の流失をより確実に防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本実施形態に係る水質浄化構造1の図であり、(a)は全体平面図、(b)はA−A線に沿う鉛直断面図。
【図2】本実施形態に係る水質浄化構造1を構築する手順を示した図であり、(a)は全体平面図、(b)はB−B線に沿う鉛直断面図。
【図3】引き続き水質浄化構造1を構築する手順を示した鉛直断面図。
【図4】本実施形態に係る水質浄化構造1の作用を説明した図。
【図5】変形例に係る水質浄化構造1を示した鉛直断面図。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明に係る水質浄化構造の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0035】
図1は、本実施形態に係る水質浄化構造を示した図である。同図でわかるように、本実施形態に係る水質浄化構造1は、不透水性の堤体4と、砂で構成された細粒層としての砂層5とからなり、堤体4は、海域が、沿岸部である海浜2に隣接する内水域3とその反対側に拡がる外水域6とに隔てられるように設置してある。
【0036】
砂層5は、堤体4の直下に配置してあるとともに、該直下部分から内水域3と外水域6に向けてそれぞれ延設してあり、外水域6の側においては、該水域に露出する外水域露出領域7を形成してある。
【0037】
堤体4は、潮の干満に伴い、その直下に設置された砂層5を経由した海水移動が内水域3と外水域6との間で確実に行われるよう十分な止水性を確保するものとし、例えばコンクリートケーソンで構成することができる。
【0038】
水質浄化構造1を構築するには、図2に示すようにまず、荷重伝達部材としてのブロック状の支持体21を支持地盤である海底22の上に沈設する。
【0039】
支持体21は、例えばコンクリートブロックで形成することが可能であって、堤体4が設置される予定領域に沿って所定の間隔ごとに複数設置すればよいが、設置間隔については、後工程で敷設される砂層5を介した海水交換及び浸透濾過が十分に行われるように適宜設定する。
【0040】
支持体21の沈設と同時に又は相前後して、砂層5の設置範囲を確定しその崩落を防止するための砂止め23を外水域6の海底22に据え付ける。砂止め23は、同図に示すように、堤体4に沿ってかつ該堤体から沖合に所定距離だけ離間するように配置する。かかる砂止め23は、L字状断面からなるコンクリートブロックを材軸方向に複数並べて構成することができる。
【0041】
次に、堤体4を支持体21に架け渡す。堤体4は、例えば複数のコンクリートケーソンを材軸方向に連結して構成するのがよい。
【0042】
次に図3に示すように、砂止め23と海浜2で囲まれた平面範囲にわたって海底22の上に砂32を敷設することにより、外水域6に露出する外水域露出領域7が形成された砂層5を形成する。
【0043】
砂32の敷設によって砂層5を形成するにあたっては、堤体4の下方空間に砂32が隙間なく充填されるようにする。なお、砂層5は、海浜2の水際に存在している砂地31に連続一体化させるのが望ましい。
【0044】
本実施形態に係る水質浄化構造1においては図4(a)に示すように、干潮から満潮に移行する際、外水域6の水は、砂層5の外水域露出領域7から流入し、堤体4の下方に潜り込むようにして砂層5内を同図実線矢印に沿って通過した後、内水域3へと移動する。
【0045】
ここで、砂層5内を通過する際、外水域6の水は、砂層5から浸透濾過作用を受けて汚濁物質が除去されるが、砂層5を構成する砂が石積み浄化堤を構成する礫や砕石よりもはるかに粒径が小さいため、外水域6の水からは大腸菌群も汚濁物質として除去される。
【0046】
一方、満潮から干潮に移行する際には、内水域3の水は、上述の逆の経路で砂層5内を同図破線矢印に沿って移動し、外水域露出領域7に到達した後、外水域6へと流出するが、その際、図4(b)に示したように、外水域露出領域7に滞留していた汚濁物質41は、外水域6に流出しようとする水に押し出されながら水中に拡散する。
【0047】
加えて、外水域6においては、静穏か荒天かの程度こそあれ、常に波浪が生じており、その力学的なエネルギー、すなわち水を移動させようとする力は、砂32を舞い上げて上方に攪拌させる力となり、砂層5の外水域露出領域7に作用する。
【0048】
そのため、図4(c)に示すように、砂層5の外水域露出領域7に滞留し、あるいは砂層5を構成する砂32の間隙に存在していた汚濁物質41は、上述した砂32の攪拌に伴って水中へと拡散する。
【0049】
以上説明したように、本実施形態に係る水質浄化構造1によれば、潮の干満に伴う外水域6と内水域3との間の海水交換が砂層5を介して行われるため、外水域6の水は、砂層5から浸透濾過作用を受けて汚濁物質が除去されるとともに、粒径が小さな砂で砂層5が構成されているため、大腸菌群も汚濁物質として除去される。
【0050】
したがって、水浴場の基準値となっている大腸菌群数を内水域3で大幅に減らすことが可能となる。
【0051】
また、本実施形態に係る水質浄化構造1によれば、満潮に移行する際に外水域露出領域7に滞留した汚濁物質41は、干潮へと移行する際、内水域3からの水の流出によって外水域6へと押し出されながら水中に拡散することとなり、かくして、外水域露出領域7での目詰まりを未然に防止することが可能となる。
【0052】
また、本実施形態に係る水質浄化構造1によれば、波浪エネルギーが砂32を上方に攪拌させる力として砂層5の外水域露出領域7に作用するので、砂層5の外水域露出領域7に滞留し、あるいは砂層5を構成する砂32の間隙に存在していた汚濁物質41は、砂32の攪拌に伴って水中へと拡散する。
【0053】
そのため、内水域3から外水域6に向かう水流の押出し作用と相俟って、外水域露出領域7近傍での砂層5の目詰まりをより確実に防止することが可能となる。
【0054】
また、本実施形態に係る水質浄化構造1によれば、海底22と堤体4との間に支持体21を介在させることで、堤体4の鉛直荷重を、砂層5に作用させることなく、支持体21を介して海底22に伝達させるようにしたので、堤体4の鉛直荷重によって砂層5の浸透濾過作用が阻害される懸念はなくなる。
【0055】
本実施形態では、本発明に係る水質浄化構造を海域に適用した例として説明したが、干満が生じる水域であれば、必ずしも海に限定されるものではなく、湖沼にも適用可能であるし、海水であるか淡水であるかも問わない。
【0056】
また、本実施形態では、水質浄化構造1を構築するにあたり、堤体4を支持体21に架け渡した後で砂32を敷設するようにしたが、逆に、砂32を敷設してから堤体4を支持体21に架け渡すようにしてもかまわない。
【0057】
また、本実施形態では、堤体4をコンクリートケーソンで構成したが、不透水性を有する堤体であれば、その具体的構成は任意である。
【0058】
また、本実施形態では、本発明に係る細粒層を砂層5としたが、砂に代えて、再生細骨材等の細粒材で構成してもかまわない。
【0059】
また、本実施形態では、海底22と堤体4との間に支持体21を介在させることで、堤体4の鉛直荷重を、砂層5に作用させることなく、支持体21を介して海底22に伝達させるようにしたが、例えば堤体の底面積を大きくすることにより、細粒層内の応力を低減して該細粒層による浸透濾過作用を確保することができるのであれば、細粒層の上に堤体を直接載置する構成としてもかまわない。
【0060】
また、本実施形態では特に言及しなかったが、攪拌された砂32が元通りの位置に沈降せずに流失し、結果として砂層5が薄くなって浸透濾過作用が低下する事態が懸念されるのであれば、図5(a)に示すように、砂層5の外水域露出領域7が堤体4との間に位置するように、砂止めを兼ねる砂流失防止壁51を堤体4の外水域側に設置すればよい。
【0061】
かかる構成においては、波浪エネルギーによる砂32の攪拌作用を享受しつつ、それらの流失を防止することができる。
【0062】
また、かかる構成に加えて、同図(b)に示すように、外水域露出領域7の上方であって砂流失防止壁51と堤体4との間に透水性材料で形成された砂流失防止シート52を張設するようにしてもよい。
【0063】
かかる構成においては、砂流失防止シート52は、その透水性によって外水域6と内水域3との水交換や砂層5による浸透濾過作用を阻害することなく、波浪の大きさや性状に応じて上方に膨らんだり下方に押し下げられたりするため、波浪エネルギーを砂層5の外水域露出領域7に到達させることが可能となり、砂流失防止壁51と相俟って、砂の流失をより確実に防止することが可能となる。
【符号の説明】
【0064】
1 水質浄化構造
2 海浜(沿岸部)
3 内水域
4 堤体
5 砂層(細粒層)
6 外水域
7 外水域露出領域
21 支持体(荷重伝達部材)
22 海底(支持地盤)
32 砂
41 汚濁物質
51 砂流失防止壁
52 砂流失防止シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
海、湖沼等の水域が沿岸部に隣接する内水域とその反対側に拡がる外水域とに隔てられるように設置された不透水性の堤体と、該堤体の直下に配置され前記外水域に露出する外水域露出領域が形成された細粒層とからなるとともに、該細粒層を砂又は該砂と粒径が同等の細粒材で構成したことを特徴とする水質浄化構造。
【請求項2】
前記細粒層の下方に拡がる支持地盤と前記堤体との間に杭その他の荷重伝達部材を介在させることにより、前記堤体の鉛直荷重を前記支持地盤に伝達させるようにした請求項1記載の水質浄化構造。
【請求項3】
前記細粒層の外水域露出領域が前記堤体との間に位置するように前記堤体の外水域側に砂流失防止壁を設置した請求項1又は請求項2記載の水質浄化構造。
【請求項4】
前記外水域露出領域の上方であって前記砂流失防止壁と前記堤体との間に透水性材料で形成された砂流失防止シートを張設した請求項3記載の水質浄化構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate