説明

氷菓子の製造方法

【課題】食べた際の舌触りにおけるふわふわ感の良好な氷菓子の製造方法を提供する。
【解決手段】氷菓子の製造方法は、氷塊を削って得られる氷菓子の製造方法であって、所定量の水、所定量の甘味料、および全体の量に対する重量比率を0.15〜0.30重量%としたゼラチンを混合した混合液を準備する準備工程(A〜C)と、混合液を所定の容器に入れ、所定の容器の近傍に配置した冷媒を用いて、−35℃以下の温度で冷却し、混合液を凍らせて氷塊を得る冷凍工程(E)と、冷凍工程の後に、得られた氷塊を削ってかき氷状とする削り工程(F)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、氷菓子の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
昨今、予め凍らせた氷塊を専用の器械で削って製造される、いわゆるかき氷等の氷菓子においては、顧客や消費者から味や食感について様々なものが求められる。種々の顧客のニーズに応えるため、様々な味や食感、形態のものが開発されている。
【0003】
ここで、氷菓の内部に混在物が含有されている氷菓子に関する技術が、特表2001−512980号公報(特許文献1)に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2001−512980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1によると、ガム混在物、ナッツ、果実片、キャンディ又はチョコレート片といった混在物を氷菓の中に含有させることにより、消費者に魅力のある氷菓とすることとしている。
【0006】
しかし、特にかき氷等の氷塊を削って作られる氷菓子においては、食感の観点から、顧客からの要求レベルにまだまだ到達できていないものもある。特に、食べたときの舌触りにおけるふわふわ感については、未だ要求レベルに達していないのが現状である。
【0007】
この発明の目的は、食べた際の舌触りにおけるふわふわ感の良好な氷菓子の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明者は、氷塊を削って製造される氷菓子のうち、食感の良好な氷菓子、具体的には、顧客の求めるふわふわ感を十分に満足させた氷菓子を得る方法として、まず、氷菓子の材料およびその配分比率に着目した。そして本願発明者は、氷菓子の製造方法についても鋭意検討し、さらに研究を重ねることにより、顧客の求める食感におけるふわふわ感が十分に満足できるものを得るに至った。
【0009】
すなわち、この発明に係る氷菓子の製造方法は、氷塊を削って得られる氷菓子の製造方法であって、所定量の水、所定量の甘味料、および全体の量に対する重量比率を0.15〜0.30重量%としたゼラチンを混合した混合液を準備する準備工程と、混合液を所定の容器に入れ、所定の容器の近傍に配置した冷媒を用いて、−35℃以下の温度で冷却し、混合液を凍らせて氷塊を得る冷凍工程と、冷凍工程の後に、得られた氷塊を削ってかき氷状とする削り工程とを備える。
【0010】
このような氷菓子の製造方法によると、上記した比率で含有されるゼラチンが十分均一に氷塊中に分散しているため、氷塊を削った後に得られるかき氷状の氷菓子において、ふわふわ感を十分に実現することができる。したがって、食べた際の舌触りにおけるふわふわ感の良好な氷菓子を得ることができる。
【0011】
好ましくは、冷媒は、液体窒素を含む。液体窒素は、1気圧で沸点が−200℃程度であるため、効率よく混合液を均一に凍らせることができる。
【0012】
冷凍工程においては、混合液の量を、1900〜2500g(グラム)とすると、混合液を12時間以上凍らせるのが良い。このようにすると、混合液を確実に均一に凍らせることができる。
【発明の効果】
【0013】
この発明に係る氷菓子の製造方法によると、得られたかき氷状の氷菓子において、食感におけるふわふわ感を十分に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の一実施形態に係る氷菓子の製造方法の代表的な工程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、この発明の一実施形態に係る氷菓子について、簡単に説明する。
【0016】
氷菓子は、氷塊を削って製造されるいわゆるかき氷状の氷菓子である。このかき氷状の氷菓子は、水に後述する諸材料を添加した混合液を凍らせた氷塊をまず製造し、その後、得られたこの氷塊を、かき氷を作る専用のかき氷器を使って削って、かき氷状とすることによって得られる。このかき氷状の氷菓子については、後述する混合液に甘味料が添加されているため、既にそのままでも味を有するが、もちろんかき氷状の氷菓子にシロップや蜜等を上からかけて食するようにしてもよいものである。
【0017】
氷菓子の種となる冷凍前の混合液は、主に食感を特徴付ける第一の液、および主に味を特徴付ける第二の液をそれぞれ予め用意し、これらを混ぜ合わせることによって得られる。こうすることにより、より効率的に所望の混合液を得ることができる。第一の液に溶解させるものについては、ゼラチンがよく、例えば、寒天については、十分に溶解しきれないこともあり、好ましくない。第二の液に混合する甘味料については、糖類や乳製品、シロップ類など幅広く用いられ、要求される味覚や風味等により任意に設定される。
【0018】
次に、この発明の一実施形態に係る氷菓子の製造方法について説明する。図1は、この発明の一実施形態に係る氷菓子の製造方法の代表的な工程を示すフローチャートである。
【0019】
図1を参照して、まず、主に食感を特徴付ける第一の液、および主に味を特徴付ける第二の液を準備する。
【0020】
ここで、まず、主に食感を特徴付ける第一の液の準備について説明する(図1(A))(第一の液準備工程)。第一の液については、まず、温水、およびゼラチンを準備する。ゼラチンの配合比率に関しては、全体の量、すなわち、後述する甘味料等を添加して得られる混合液の全体に対するゼラチンの重量比率を、混合液/ゼラチン=100/0.15〜0.30とする。すなわち、全体に対するゼラチンの重量比率を0.15〜0.30重量%とする。この場合、例えば、温水を200g準備し、準備した200gの温水に対し、ゼラチンを6g〜8g添加する。そして、温水を所定の容器に入れる。このときの温度は、ゼラチンが溶解する温度であればよく、例えば、65℃程度の温水から100℃に近い熱湯までが用いられる。そして、この温水にゼラチンを徐々に添加し、攪拌する。このようにしてゼラチンを温水に溶解させる。ここで、ゼラチンを溶解した温水に対し、得られた氷菓子の味覚を向上させる観点から、食塩を1g程度この時点で添加するとよい。
【0021】
次に、主に味を特徴付ける第二の液の準備について説明する(図1(B))(第二の液準備工程)。第二の液については、ココナッツミルク、マンゴーシロップ、加糖練乳、および水、ここでは、浄水を用意する。この場合、得られた氷菓子をマンゴー味とするためにマンゴーシロップを入れるが、他の味、例えば、イチゴ味やバナナ味とする場合には、相当の甘味料を選択して入れるとよい。それぞれの配合比率について、特に規定されるものではなく、求められる味や香り等に応じて任意に設定される。具体的な配合比率としては、例えば、浄水約1800cc(ml(ミリリットル))に対し、ココナッツミルク約200ml、マンゴーシロップ約600ml、加糖練乳約50mlといった配合が採用される。そして、準備した浄水等をそれぞれ混ぜ合わせて第二の液を準備する。この場合、例えば、浄水を所定の容器に入れ、ココナッツミルク、マンゴーシロップ、および加糖練乳を順次添加し、攪拌機で攪拌して十分に混ぜ合わさるように混合する。
【0022】
次に、準備した第一の液と第二の液とを混合する(図1(C))(混合工程)。具体的には、第一の液と第二の液とを足し合わせた後、十分に攪拌して混ぜ合わせる。攪拌については、市販の攪拌機を用いると、時間や労力の面からも効率的である。
【0023】
そして、得られた混合液を、一旦70℃程度の温度で30分程度加熱する(図1(D))(加熱工程)。この加熱工程においては、混合液における混合状態をより良好にすることができる。また、殺菌を行うこともできる。加熱した混合液を一旦常温に冷ました後、所定の容器に流し込む。この場合、削り工程において用いる削り器にセット可能な形状となるような容器に流し込むとよい。
【0024】
次に、容器に入れた混合液を−35℃以下の温度で凍らせる(図1(E))(冷凍工程)。この場合、冷媒として、液体窒素を用いることにより、急速に冷凍することができるので好適である。液体窒素は、1気圧で沸点が−200℃程度であり、取扱いが他の低温の媒体よりも容易である。また、冷凍する際には、混合液が徐々に冷凍していくのであるが、冷凍していく段階で、比較的比重の重い成分が下部側に、比較的比重の軽い成分が上部側に徐々に移動していき、その結果、混合液の均一性が低下し、いわゆる混合液の相の分離が起こってしまうおそれがある。しかし、液体窒素を用いると、比較的急速に混合液を冷凍することができる。したがって、混合液中の均一性を保ったまま、混合液を冷凍させて、かき氷の種となる氷塊を高品質で得ることができる。
【0025】
ここで、混合液の重量が1900〜2500gであれば、冷凍時間は、12時間以上とすることが好ましい。12時間以下であれば、十分な冷凍状態に達せず、得られる氷塊の品質が不十分なものとなってしまう。すなわち、氷塊の内部において、混合液の成分のムラが生じ、得られた氷塊の内部に成分のムラができるおそれがあるためである。具体的には、12〜24時間程度とするのが作業効率の観点からも好ましい。
【0026】
そして、得られた氷塊を容器から取り出す。その後、かき氷を得るための専用の削り器械で氷塊を削り、かき氷状の氷菓子を得る(図1(F))。
【0027】
このようにして得られた氷菓子は、上記した比率で含有されるゼラチンが十分均一に氷塊中に分散しているため、削った後に得られる氷菓子において、ふわふわ感を十分に実現することができる。したがって、食感を良好にすることができる。
【実施例】
【0028】
(実施例1)
まず、作業場全体をスチームクリーナー等のアルコール類で洗浄する。そして、作業に入る。まず、第一の液を準備するために、ビーカー等の処理容器を用意し、処理容器内に、約98℃の熱湯を200ml入れる。そして、この熱湯に、ゼラチン7g、および食塩1gを添加する。その後、この熱湯を攪拌し、熱湯にゼラチンおよび食塩を溶解させる。
【0029】
次に、第二の液を準備するために、他の処理容器を用意し、処理容器内に常温の浄水を1800ml入れる。そして、この浄水に、ココナッツミルク230ml、マンゴーシロップ600ml、および加糖練乳200mlを順次添加する。その後、全体が均一な液になるようにする。この場合、攪拌機として、電動ドリル(軸径:10mm)を用いると、攪拌効率、すなわち、攪拌に要する時間の短縮や、攪拌度合いの向上を図ることができるので、好適である。
【0030】
次に、浄水、具体的には、ココナッツミルク、マンゴーシロップ、および加糖練乳を添加した浄水と、熱湯、具体的には、ゼラチンおよび食塩を溶解させた熱湯とを混合する。
【0031】
この混ぜ合わせた混合液を十分に攪拌する。具体的には、マキタ製の攪拌機を用い、回転数を1200rpm(rotation per minute)とし、10分以上攪拌する。
【0032】
その後、得られた液を、68℃以上の温度で、30分以上加熱する。次に、加熱後の液を常温に冷ました後、専用の型に流し込む。
【0033】
その後、混合液を流し込んだ型を、液体窒素を用い、−35℃以下の温度で、12時間以上冷凍する。ここで、中心部分に上記した混合液を流し込んだ型を配置可能であり、型の近傍に液体窒素を位置させることができる冷凍機を用い、混合液を冷凍する。具体的には、冷凍には、DAH CHYUAN社(台湾)製の冷凍機(型式:SM−600、外型寸法:810mm×960mm×1100mm、電力用量:1000W)を用いた。その後、型ごと冷凍機から取り出し、かき氷状の氷菓子を得るための専用の器械で削り、かき氷状の氷菓子を得た。ここで、器械については、スワン社製の型式「SI80」を用い、刃先の突出量を、0.5〜1mmとした。なお、実施例1においては、全体の量が2800ml、2935gであり、実施例1におけるゼラチンの全体の量に対する重量比率は、約0.24重量%であった。なお、実施例1の配合比率、判定等については、表1に示す。実施例2以降についても、同様である。
【0034】
(実施例2)
第一の液中におけるゼラチンの量を6gとした以外は実施例1と同様にして、実施例2に係る氷菓子を得た。実施例2におけるゼラチンの全体の量に対する重量比率は、約0.20重量%であった。
【0035】
(実施例3)
第一の液中におけるゼラチンの量を8gとした以外は実施例1と同様にして、実施例3に係る氷菓子を得た。実施例3におけるゼラチンの全体の量に対する重量比率は、約0.27重量%であった。
【0036】
(比較例1)
第一の液においてゼラチンを添加しなかった、すなわち、ゼラチンの量を0gとした以外は実施例1と同様にして、比較例1に係る氷菓子を得た。
【0037】
(比較例2)
第一の液中におけるゼラチンの量を4gとした以外は実施例1と同様にして、比較例2に係る氷菓子を得た。比較例2におけるゼラチンの全体の量に対する重量比率は、約0.13重量%であった。
【0038】
(比較例3)
第一の液中におけるゼラチンの量を10gとした以外は実施例1と同様にして、比較例3に係る氷菓子を得た。比較例3におけるゼラチンの全体の量に対する重量比率は、約0.34重量%であった。
【0039】
(比較例4)
第一の液中におけるゼラチンの量を4gとし、食塩の量を1.5gとし、新たに寒天をその量として2.5g添加し、第二の液中におけるココナッツミルクの量を150mlとし、マンゴーシロップの量を700mlとし、加糖練乳の量を50mlとした以外は実施例1と同様にして、比較例4に係る氷菓子を得た。
【0040】
(比較例5)
冷凍工程において、−20℃の冷凍庫に処理容器を入れて冷凍させ、氷塊を得た以外は実施例1と同様にして、比較例5に係る氷菓子を得た。
【0041】
(比較例6)
冷凍工程において、冷凍時間を8時間とした以外は実施例1と同様にして、比較例6に係る氷菓子を得た。
【0042】
【表1】

【0043】
表1中の判定においては、非常に優れているものを二重丸印とし、良好なものを通常の丸印とし、劣っているものをバツ印として示した。また、評価を行っていない項目については、横線印で示した。冷凍状態や食感については、その状態を表1中に簡易に示した。
【0044】
溶けにくさの評価については、以下のように行った。まず、上記した通りにかき氷状の氷菓子を得、得られた氷菓子を所定の容器に入れ、おおよそ20℃程度の常温環境下に放置した。その後、食感におけるふわふわ感を維持できる時間を示した。この時間は、長い方が良好である。
【0045】
保存性の評価については、以下のように行った。まず、上記した通りにかき氷状の氷菓子を得、得られた氷菓子を所定の容器に入れ、おおよそ−20℃程度の冷蔵環境下に放置した。その後、食感におけるふわふわ感を維持できる日数を示した。この日数についても、上記した溶けにくさの項目と同様、長い方が良好である。
【0046】
表1を参照して、まず、実施例1に係る冷凍状態を見てみると、氷塊の状態が十分かつ均一であった。すなわち、混合液が十分に凍っており、相が分離したと見られるところはなかった。食感、具体的には、食べた際の舌触りについては、非常にふわふわであることが分かった。これにより、実施例1においては、顧客の要求する食感を十分に実現できていることが認識できる。また、溶けにくさにおいても、60分間もふわふわ感を維持することができる。保存性においても、5日間もふわふわ感を維持することができる。したがって、実施例1に係るかき氷は、非常に優れていることがわかる。
【0047】
次に、実施例2を見てみると、氷塊の状態については実施例1と同様であり、食感については、ふわふわであることが分かった。これにより、顧客の要求する食感を実現できていることが認識できる。また、溶けにくさにおいても、40分間もふわふわ感を維持することができる。保存性においては、3日間もふわふわ感を維持することができる。したがって、実施例2に係るかき氷は、良好である。
【0048】
また、実施例3に係るかき氷についても、氷塊の状態については実施例1と同様であり、食感については、ふわふわであることが分かった。これにより、顧客の要求する食感を実現できていることが認識できる。また、溶けにくさにおいても、60分間もふわふわ感を維持することができる。保存性においては、3日間ふわふわ感を維持することができる。したがって、実施例3に係るかき氷は、良好である。
【0049】
一方、比較例1を見てみると、氷塊の状態については実施例1と同様であるが、食感については、非常にさらさらであった。すなわち、顧客の要求する食感を実現できていないことが分かる。また、比較例1については、溶けにくさについても15分程度であり、不十分である。比較例2についても、氷塊の状態については実施例1と同様であるが、食感については、さらさらであった。食感におけるさらさらの度合いについては、比較例1よりも良好になっているが、これについても、顧客の要求する食感を実現できていないことが分かる。
【0050】
比較例3を見てみると、氷塊の状態については実施例1と同様であるが、食感については、ねばり気味であった。すなわち、比較例3に係る氷菓子についても、顧客の要求する食感を実現できていないことが分かる。
【0051】
比較例4を見てみると、氷塊の状態については実施例1と同様であるが、食感については、比較例2と同様に、さらさらであった。すなわち、寒天を添加した比較例4に係る氷菓子についても、顧客の要求する食感を実現できていないことが分かる。
【0052】
比較例5を見てみると、冷凍工程において、混合液の冷凍が不均一であることが分かる。すなわち、氷菓子の種となる氷塊において、相が分離している。このような冷凍状態においては、適切な氷菓子を得ることができないことが分かる。また、比較例6を見てみると、冷凍工程において、混合液の冷凍が不十分である。すなわち、氷塊の状態が不十分であり、これも比較例5と同様に、適切な氷菓子を得ることができないことが分かる。
【0053】
以上より、本願発明によれば、得られたかき氷状の氷菓子において、食感におけるふわふわ感を十分に得ることができる。
【0054】
なお、上記の実施の形態においては、冷媒として、液体窒素を用いることとしたが、これに限らず、他の冷媒、例えば、液体酸素等を用いることにしてもよい。
【0055】
また、上記の実施の形態においては、混合液の重量が1900〜2500gの場合には、12時間以上冷凍することとしたが、もちろん混合液の重量に応じて、この時間は任意に定められる。
【0056】
なお、上記の実施の形態においては、ゼラチンを溶解させた温水をベースとする食感を特徴付ける第一の液、および浄水と甘味料を混合した味を特徴付ける第二の液を準備し、これらを混ぜ合わせて混合液を得ることとしたが、これに限らず、例えば、温水にゼラチンを溶解させた後、これを冷まし、甘味料や浄水を添加して攪拌し、混合液を得るようにしてもよい。
【0057】
以上、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明したが、この発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0058】
この発明に係る氷菓子の製造方法は、特に、食感の良好な氷菓子を製造する際に、有効に利用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
氷塊を削って得られる氷菓子の製造方法であって、
所定量の水、所定量の甘味料、および全体の量に対する重量比率を0.15〜0.30重量%としたゼラチンを混合した混合液を準備する準備工程と、
前記混合液を所定の容器に入れ、前記所定の容器の近傍に配置した冷媒を用いて、−35℃以下の温度で冷却し、前記混合液を凍らせて氷塊を得る冷凍工程と、
前記冷凍工程の後に、得られた前記氷塊を削ってかき氷状とする削り工程とを備える、氷菓子の製造方法。
【請求項2】
前記冷媒は、液体窒素を含む、請求項1に記載の氷菓子の製造方法。
【請求項3】
前記混合液の重量は、1900〜2500gであり、
前記冷凍工程は、前記混合液を12時間以上凍らせる、請求項1または2に記載の氷菓子の製造方法。

【図1】
image rotate