説明

永久磁石リング

【課題】任意の大きさの永久磁石リングを使用者自身により簡単に構成可能な永久磁石リングを提供すると共に、リング一周あたり可及的に多数の単位永久磁石を取り付けることができ、身体各部へ適度な磁力線を作用できる永久磁石リングを提供できるようにする。
【解決手段】複数の単位永久磁石21a,21b,21c…を配設して成る永久磁石リング1に於いて、上記複数の単位永久磁石21a,21b,21c…のそれぞれを、横断面が長円形の円盤状に形成するとともに、上記円盤状に形成し単位永久磁石の所定数を相互に磁気吸着させて所定の大きさのリング状に形成したので、使用者が望む大きさの永久磁石リング1を使用者自身により容易に構成することができると共に、可及的に多数の永久磁石を取り付けることができ、身体各部へ適度な磁力線を作用できる永久磁石リング1を提供できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は永久磁石リングに係わり、更に詳しくは身体の手首、足首、首回り、腕回り、足回り等に装着して、永久磁石リングから出力される磁気の作用により血行を促進させる等する永久磁石リングの改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
周知の通り、永久磁石を使用してリングを構成し、それを身体の手首、足首、首回り等に装着し、上記永久磁石リングから出力される磁気の磁気作用により血行を促進する等の効果を期待しているネックレス又はブレスレット等の身飾品として永久磁石リングが多々実用化され、考案としても提案されている。
【0003】
以前に於いては、日本の実用新案登録番号第3033643号に提案されていたものがある。即ち、湾曲し、その両端が対向している弾性のあるリングと、そのリングに固定された4個の磁石よりなり、上記リングを人体の首回りに取り付けたとき、上記のうち2個の磁石を頚動脈に押接するように固定配置し、残りの2個の磁石を首筋の中央部から両側に向かって所定距離だけ離れた位置に押接するように固定配置し、上記リングの両端部を連結手段により連結し、その連結手段により上記リングの大きさを調節可能にした磁気利用健康具である。
【0004】
又実用新案登録番号第3021225号に提案されていたものもある。即ち、人体の首、手首等に装着する装身具基体を多数の連結部材で連鎖状に連結させたネックレス又はブレスレット等の装身具において、シリコーン等の液化樹脂と麦飯石、蛇紋岩、角閃石、褐廃石、沸石、蛍石、フェルソング石等の多種類の鉱石を粉砕した微粉末鉱石とスギゴケ、ゼニゴケ等のコケ類植物を乾燥させ粉末状とした微粉末植物とを混和させて被覆用主剤とし、該被覆用主剤で永久磁石を被抱させた後に加熱処理して多数のチップ状の基剤を形成し、該基剤を前記装身具基体の人体接触面に形成された凹陥部へ埋設させたことを特徴とする健康装身具である。
【0005】
上記以前の技術の場合、連結部材に対して永久磁石を固定して構成されている。即ち、上記実用新案登録第3033643号の場合には、リングに対して容器を固定し、その容器中に永久磁石を配設している。もう1つの実用新案登録第3021225号の場合は、基体に永久磁石を埋設し、その基体をリング状に連結している。
【0006】
これらの場合、永久磁石をリング上に又はリング状の配列位置に固定する為に容器や基体を設け、それらに永久磁石を埋込等して磁気利用健康具、或いは健康装身具等を構成するので製造工程が多くかかり、製造コストが高くなる問題点があった。又容器や基体を必要とし、それらが一定の大きさを有するので、リング一周あたりに取り付けることのできる永久磁石の数が少なくなり易い。従って、従来の磁気利用健康具や健康装身具の場合においては、永久磁石による磁力線の身体各部への作用も少なくなり勝となる問題があった。
【0007】
そこで本出願人は先に実願2002−008153号で、複数の単位永久磁石を配設して成る永久磁石リングに於いて、上記複数の単位永久磁石のそれぞれを、横断面が円形であって全体として円柱形状に形成するとともに、上記円柱形状に形成した単位永久磁石の所定数を各々の側面で相互に磁気吸着させて所定の大きさのリング状に形成して成ることを特徴とする永久磁石リングを提案とした。(特許文献1参照)
【0008】
【特許文献1】実用新案登録番号第3094850号公報(実願2002−008153号)(実用新案登録請求の範囲,請求項1,図3)
【0009】
上記従来技術によると、任意の大きさの永久磁石リングを使用者自身により簡単に構成可能な永久磁石リングを提供できると共に、リング一周あたり可及的に多数の単位永久磁石を取り付けることができ、使用者の身体各部へ作用する磁力線の密度が濃い永久磁石リングを提供できる。
【0010】
又永久磁石リングを構成する単位永久磁石の個数を使用者が自由に設定することができることにより、永久磁石リングの大きさを任意に設定することを可能にして、ネックネス又はブレスレット等として使用する際に、使用者の身体各部への装着性が良好である永久磁石リングを提供できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、この従来技術に示された永久磁石リングの良い点を更に発揮させる技術の開発が望まれていた。即ち単位永久磁石の磁気吸着が強く容易に1つ1つの単位永久磁石が外れないようにすることと、装着した時に人体へ適度な磁力が作用できるようにすることである。
【0012】
従って本発明の目的とするところは、ワイヤー等の機械的な結合手段を用いることなく永久磁石リングを構成する複数の単位永久磁石相互間の磁気吸着が強力で、腕、首、足首等に装着した場合、一つ一つの単位永久磁石が外脱したりすることなくリング状をしっかりと保てる永久磁石リングを提供するにある。
【0013】
更に上記のように永久磁石リングを構成する複数の単位永久磁石の互いの磁気吸着力が強くても、この永久磁石リングが装着される腕、首、足首等に作用する磁力線を血行促進等に適当に良い程度とし、思わぬ副作用を生ぜしめるおそれのない永久磁石リングを提供するにある。
【0014】
そして、永久磁石リングを構成する単位永久磁石同士の磁気吸着が強いことによって互いに離脱方向へは容易に離脱しなくても、非離脱方向への互いの吸着位置の変化が容易で複数の単位永久磁石を吸着させた時にリング状に形をつくることが容易な永久磁石リングを提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は上記目的を達成する為に次の技術的手段を有する。即ち本発明は、実施の形態に示す添付図面に用いた符号を付して説明すると、本発明は、複数の単位永久磁石21a,21b,21c…を配設して成る永久磁石リングであって、上記各単位永久磁石21a,21b,21c…は平盤状あるいは円盤状に形成され、この単位永久磁石21a,21b,21c…の所定数を相互に磁気吸着させてリング状にして成る永久磁石リングに於いて、上記複数の単位永久磁石21a,21b,21c…の各々はネオジウム・鉄・ボロン磁石であると共に表面にメッキ層が形成されてなり、且つネオジウム・鉄・ボロン磁石の原料を磁界中成形する時に形成される容易磁化方向X−X方向に沿って、焼結後に着磁することによって上記容易磁化方向X−Xに直交する一方の側面RをN極又はS極、上記一方の側面の反対端となる他方の側面RにS極又はN極の磁極を形成して成り、しかも上記N極、S極が形成された側面R間の幅Wに比べて、身体の肌に接する表面Eとその反対側である肌に接しない表面Eとの間の間隔である厚さTが小さく形成される一軸異方性磁石であり、而もこの単位永久磁石の磁極が形成された側面Rは湾曲面として形成され、これら一軸異方性磁石である単位永久磁石21a,21b,21c…の所定数を、上記湾曲面である磁極が形成された側面Rで相互に磁気吸着させた際、各単位永久磁石21a、21b、21c・・・は、容易磁化方向X−Xに沿って、焼結後に着磁させることによって上記容易磁化方向X−Xに直交する側面Rであり、且つ湾曲面である側面Rに形成された磁極により線接触態様で互いに磁気吸着されて、所定の大きさのリング状に形成して成ることを特徴とする永久磁石リングである。
加えて、上記単位永久磁石の表面にメッキ層が形成され、そのメッキ層の上に透明な珪酸質コーティング層が形成されていることを特徴とする永久磁石リングである。
【0016】
更に、単位永久磁石21a,21b,21c…が平盤状、円盤状に形成され、この単位永久磁石21a,21b,21c…の所定数を各々の側面Rで相互に磁気吸着されて成る永久磁石リング製法に於いて、ネオジウム・鉄・ボロン磁石の原料を基にインゴットを製し、そのインゴットを粉砕後、磁界中成形する際に容易磁化方向X−Xを定めて結晶を揃え、上記磁界中成形によりブロック状成形体を製し、その後焼結してブロック状焼結体を製し、次いで切断することにより複数の単位永久磁石素材を得、これらの各々を上記平盤状、円盤状に加工後、表面にメッキ層と珪酸質コーティング層を形成し、次いでこれらを上記容易磁化方向X−Xに沿って着磁することによって各単位永久磁石21a,21b,21c…の上記容易磁化方向X−Xに直交する一方の側面RにN極又はS極、この一方の側面の反対端となる他方の側面RにS極又はN極の磁極を形成し、而もこの単位永久磁石の磁極が形成された側面Rを湾曲面に形成し、しかも上記N極、S極が形成された側面R間の幅Wに比べて、身体の肌に接する表面Eとその反対側である肌に接しない表面Eとの間の間隔である厚さTが小さく形成され、次いで、これら一軸異方性磁石である単位永久磁石21a、21b、21c・・・の所定数を、上記湾曲面である磁極が形成された側面Rで相互に磁気吸着させた際、各単位永久磁石21a、21b、21c・・・を、容易磁化方向X−Xに沿って、焼結後に着磁されることによって上記容易磁化方向X−Xに直交する側面Rであり、且つ湾曲面である側面Rに形成された磁極により線接触態様で互いに磁気吸着させて、所定の大きさのリング状に形成して成ることを特徴とする永久磁石リングの製法である。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明によると、ワイヤー等の機械的な結合手段を用いることなく永久磁石リングを構成する複数の平盤状、円盤状の単位永久磁石相互間の磁気吸着が強力で、腕、首、足首等に装着した場合、一つ一つの単位永久磁石が外脱したりすることなくリング状をしっかりと保てる永久磁石リングを提供できる。
【0018】
更に上記のように永久磁石リングを構成する複数の単位永久磁石リングの互いの磁気吸着力が強くても、この永久磁石リングが装着される腕、首、足首等に作用する磁力線を血行促進等に適当に良い程度とし、思わぬ副作用を生ぜしめるおそれのない永久磁石リングを提供できる。
【0019】
そして、永久磁石リングを構成する単位永久磁石リング同士の磁気吸着が強いことによって互いに離脱方向へは容易に離脱しなくても、非離脱方向への互いの吸着位置の変化が容易で複数の単位永久磁石を吸着させた時にリング状に形をつくることが容易な永久磁石リングを提供できる。
【0020】
そして、請求項2記載の発明によると上記利点に加えて、金メッキ等の装飾状態を長く維持できる。
【0021】
加えて、請求項3記載の発明によると一軸異方性の平盤状、円盤状の単位永久磁石の複数を用いた永久磁石リングの製法を提供でき、上記利点を発揮する永久磁石リングを容易に製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
次に、添付図面に従い本発明の好ましい実施の形態を説明する。
先ず本発明が係る永久磁石リング1の一般を説明すると、永久磁石リング1は図1図示のように使用者の手首2に取着して使用したり、図2図示のように首回り3に取着して使用したり、図3図示のように足首4に取着して使用したりするものである。この他図示せざるも指輪、腕輪や、足輪等にも使用できる。
上記永久磁石リング1は、図4に示すような単位の永久磁石5a,5b,5c…を、図5に示すように、多数個5a,5b,5c,5d…磁気吸着により相互に接続して構成されているものである。図4,5,6の実施形態においては、上記単位の永久磁石5a,5b,5c,5d…個々の横断面形状を円形とし、全体を円柱状に形成した例を示している。そして、上記円柱状に形成した単位永久磁石の多数5a,5b,5c,5d…の所定数を磁気吸着により接続することにより、所望の大きさに構成することが簡単である。この場合円柱状の単位磁石5a,5b,5c,5d…個々について円柱の両端面をT、径方向の周面をRとすると、単位磁石5a,5b,5c,5dの各々は、図5、図6に示すようにその周面Rで互いに磁気吸着している。そして、所望の大きさにて構成することにより、上記図1、図2、図3の如く手首2の他に、腕回り、足首4、足回り、首回り3等のような、適用する部位に応じた種々の大きさのものを自由に構成することができる。
【0023】
図5に、各永久磁石5a,5b,5c,5d…が磁気吸着により接続されている様子を示す。本実施の形態の永久磁石リング1は、各永久磁石5a,5b,5c,5d…の周面(側面)Rにおいて、N極→S極→N極→S極→N極→S極→…のように、異なる磁極で相互に接続している。
【0024】
上記単位永久磁石5a,5b,5c,5d…各々は、例えば、鉄−ボロン系統の希土類によって形成されている磁石である。近年、このような希土類元素を主成分の一つとする永久磁石は、強力な磁力を得ることが可能であることにより、多くの分野で注目されている。上記単位永久磁石5a,5b,5c,5dを製造するには、成形及び焼結を行なった後に、機械加工や研削加工を行って所定の寸法に仕上げ、さらにメッキ等を行って製造している。この製法の一例は図17以降に於いて詳細に説明する。
【0025】
ところで上記メッキを行う場合には、図9の断面図に示すように、単位永久磁石5a,5b,5c,5d…を構成する希土類8の表面に銅又はニッケルメッキ等の下地層9を例えば20〜25ミクロン程度形成し、上記銅又はニッケルメッキ層9の表面に金又は白金系ロジウムメッキ層10を形成する。上記金メッキ層10を形成する場合、例えば、金−コバルト層にて1〜1.5ミクロン程度の層を形成する。尚、上記金メッキの他に、例えばプラチナメッキでもよい。
【0026】
そして、この図4、図5、図6の図示の例では各単位永久磁石3a,3b,3c,3d…は皆同じ大きさ、且つ各磁極の磁力の強さも同じに定めてあるが、各永久磁石磁極の磁力の強さを互いに異ならしめてもよい。
【0027】
例えば、図7(a)に示した単位永久磁石6a,6b,6c…は、図4で示した単位永久磁石5a,5b,5c…と同じであるが、これとは直径が異なり、即ち上記永久磁石6a,6b,6c…の直径よりも細い径の単位永久磁石7a,7b…を構成するようにしてもよい。(図7b)例えば、上記永久磁石5a,5b,5c…,6a,6b,6c…,7a,7b…の直径は3Φ、4Φ、5Φ等とし、長さを1cm程度とすることが考へられる。
【0028】
上記のように細径の単位永久磁石7a,7bをリング状に相互に磁気吸着することにより、細径であるという特性を用いて例えば、指輪やネックレス等を構成するようにしてもよく、又図8に示すように、永久磁石6a,6b,6c…→永久磁石7a,7b→永久磁石6a,6b,6c…→永久磁石7a,7b…→永久磁石6a,6b,6c…のように交互に磁気吸着させてブレスレット1を形成すれば、興趣に富んだブレスレットを構成することができる。
【0029】
又、金メッキした単位永久磁石と、プラチナメッキした単位永久磁石とを交互に磁気吸着してブレスレット等を構成するようにすれば、ファッション性に富んだブレスレットを構成することができる。
【0030】
つまり、本実施の形態の永久磁石リング1を身体の手首、腕回り、足首、足回り、首回り等の装着部位に、ネックレス又はブレスレット等として装着した場合、各単位永久磁石間における異極N,S間に強力な磁力線が通るので、身体の装着部位に上記強力な磁力線が作用し、その部位及び周辺の血行促進等が図られるものである。
【0031】
ところで、上記図9に於いては単位永久磁石5a,5b,5c…,6a,6b,6c…,7a,7b…にメッキ層9,10を形成する例を示したが、図10に示すようにその表面に透明な珪酸質コーティング層11を更に形成すると、この永久磁石リング1を装着した人が発汗等しても、防錆が図られ、金色等の光沢が保たれる。この透明シリカ質層11の形成については図17以降の単位永久磁石又は永久磁石リングの製法の説明の所で、更に詳述する。
【0032】
さて、以上までの実施形態では、円柱状の単位永久磁石の例を示したが、図11〜図16に従い他の形態の単位永久磁石及び永久磁石リングを説明する。
図11、図12の例は単位永久磁石12a,12b…の個々を球状の形状にした例である。図11の球状の、単位永久磁石12aの11−11線に沿う断面図を図12(a)に示し、12−12線に沿う断面図を図12(b)に示してある。このように球状の単位永久磁石12a,12b,12c…をその周面(側面)Rにて互いに磁気吸着させ、全体を輪状にしたものでもよい。
【0033】
図13、図14の例は単位永久磁石13a,13b,13c…を平盤状(小判状)にしたもので、上下端Gではなく、左右側面Rで図14に示すように相互に磁気吸着させ、永久磁石リングとしたものである。この場合、磁極の形成された左右側面R間の幅Wに比べて、身体の肌に接する表面Eとその反対側の肌に接しない表面Eとの間の間隔である厚さTが小さく形成されている。
【0034】
図15(a)(b)の例も単位永久磁石14a,14b,14c…を円盤状にしたもので、円盤状の端面Gではなく、側面Rで図15(b)に示すように相互に磁気吸着させ、永久磁石リングとしたものである。この場合、磁極の形成された左右側面R間の幅Wに比べて、身体の肌に接する表面Eとその反対側の肌に接しない表面Eとの間の間隔である厚さTが小さく形成されている。
【0035】
図16(a)(b)の例は、単位永久磁石15a,15b,15c…を平面視して略四角状とし、アールのつけられた側面Rで互いに磁気吸着され、永久磁石リングとしたものである。その他単位永久磁石の形としては、横断面が楕円形であって、全体として楕円柱状のもの、横断面が5角形以上の多角形であって、全体として角柱状のものが上げられる。この場合、磁極の形成された左右側面R間の幅Wに比べて、身体の肌に接する表面Eとその反対側の肌に接しない表面Eとの間の間隔である厚さTが小さく形成されている。
【0036】
ところで、上記迄では、永久磁石リング1の実施形態の単位永久磁石5a,5b,5c…又は6a,6b,6c…、7a,7b…あるいは12a,12b,12c…、13a,13b,13c…、14a,14b,14c…、15a,15b,15c…を各々の側面Rで相互に磁気吸着させて全体として輪状に、即ち永久磁石のリングと成したところまでを示したもので、以下図17以降に従い、本発明の一軸異方性磁石を用いた単位永久磁石及びそのリングの製法の実施形態を示す。
図17はこの製法工程図を示したものであって、先ずStep1で原料16を準備する。
原料としては希土類、例えばNd−Fe−B系(ネオジウム−鉄−ボロン系)がSm−Co系(サマリウム−コバルト系)を用いる。上記Nd−Fe−B系の場合、一例として重量%で、Nd26%、Fe68%、B2%、Dy(デイスプロシウム)3%、Tb(テルビウム)1%の配合比の原料を用いる。Sm−Co系の場合、SmとCoを用いる例と、SmとCo17を用いる例を上げることができる。上記SmCo系の場合、重量%でSm34〜37%、Co66〜63%の配合比の原料を用いる。又SmCo17系の場合、Sm20〜28%、Fe10〜20%、Cu3〜15%、Co1767〜37%の配合比の原料を用いる。但しこれらの配合比は適宜変更してもよい。
次いでStep2の秤量後、Step3で誘導加熱による高周波溶解法にて約1,000℃〜1,500℃位の温度で原料を溶解し、Step4に示すように鋳型成形し、Step5にて型ばらしたし、Step6にてインゴット17を得る。その後、Step7、Step8の粗粉砕、微粉砕を行う。例えば、ジョークラッシャーを用いて50#アンダーの粒子に粉砕し、次いでハンマーミルを用いて200#アンダーの粒子に粉砕する。
【0037】
この後、Step9に於いて磁界中成形を行う。
この磁界中成形の模式図を示したのが図18である。この模式図の図18に示す通り成形体18の三次元方向をX−X軸、Y−Y軸、Z−Z軸で示すと、三次元の何れか一軸、例えばY−Y軸に沿って上下よりプレスPしながら三次元の他の一軸、例えばX−X軸に沿って磁界H1をかけ、X−X軸に沿った方向に容易磁化方向を形成し、容易磁化方向X−Xに結晶を揃える。
これによりStep10に示すようにブロック状成形体18を得、次いでStep11,12の順で常法に従い10−5〜10−6Torr、1150〜1200℃程度で真空焼結、800〜900℃で真空熱処理を行う。
これによってブロック状焼結体19を製する。
この後Step14によって個々に切断し、Step15に示すように単位永久磁石素材20a,20b,20c…を得る。この切断に於いて、X−X線、Y−Y軸、Z−Z軸に、各個の永久磁石素材20a,20b,20c…の左右側面、上下面、前後面が平行に揃うように切断する。つまり図20に示すように1つの単位永久磁石素材20a又は20b又は20cの前後面をT1、側面をR1、上下面をQ1とすると、容易磁化方向であるX−X線軸に対して上下面Q1が平行に、前後面T1が平行になり、左右側面R1が直交することになる。換言すれば単位永久磁石素材20a,20b,20c…は、一方の側面から他方の側面方向にかけて容易磁化方向X−Xが決められている。
【0038】
この後、Step16及び図21の模式図に示すように機械加工を行う。この実施形態では図1〜図10に示した円柱状の単位永久磁石の各形態に加工する例である。元々各個に切断された単位永久磁石素材20a,20b,20c…は、角柱状なので、図21の一点鎖線に示すように左右側面R1と上下面Q1を円柱状に研削、研摩等して加工する。符号Rは円柱状に加工された周面(側面)を示している。この図21からも判るように円柱状の中心から周面Rに向う方向、即ち半径方向は容易磁化方向X−Xと同じ方向となる。その後、必要な面取り加工等適宜施す。
【0039】
次いでStep17に於いてメッキ処理を施す。即ち常法に従い、円柱状に加工された単位永久磁石素材20a,20b,20c…の表面の酸化物、油脂等を除去し、先ず下地層を電解メッキ法で形成する。
一例としては、Ni−Cu−Niの下地の層を20〜25ミクロン厚に形成する。次に金又は白金系ロジウムメッキ層10を1〜1.5ミクロンの厚さに形成する。
これらの金宝飾や白金装飾等の表面装飾は適宜なものを用いることができる。つまり化学的安定性や、耐熱性、加工性等に応じて材料及び被膜形成手段は色々使い分けることができる。
ところで、この永久磁石リング1を手首や、首回り等に装着すると、人体は発汗するので、又は自然風化により防錆を図ったり光沢の保存を高める必要がある。そこで、Step18に示すようにシリカ(SiO2)を主体とした珪酸質のコーティング材料を、例えば1ミクロンの厚さに吹きつけ又は浸漬法によりコーティングし、透明コーティング層11を形成する。
これにより表面の装飾が長期に亘って維持される。
【0040】
続いてStep19及び図22に示すように単位永久磁石を得るべく着磁する。着磁に当っては、容易磁化方向X−Xに沿って磁界H2をかけて着磁する。着磁方法は、色々なものを用いることができるが、一つはパルス電源を用いて行うことができる。
これによって円柱状の単位永久磁石21a,21b,21c…を製造できる。
この円柱状の単位永久磁石21a,21b,21c…は、容易磁化方向X−Xが円柱状の軸線に対して直交する径方向なので周面Rの一方がN極、径方向の反対に位置する他方がS極となる。
このように容易磁化方向X−Xに沿って着磁する異方性磁石としたので強力な磁石とすることができる。而も容易磁化方向X−Xは単位永久磁石21a,21b,21c…の半径方向に沿っているので、図23の模式図に示すように周面の容易磁化方向に沿った一部に強い磁力が表れる。従って円柱状の単位永久磁石21a,21b,21c…どうしは、端面Tで互いに接合することなく周面Rの容易磁化方向に沿った一部で互いに磁気接合する。従って円柱状の単位永久磁石21a,21b,21c…が互いに周面Rの容易磁化方向に沿った一部で磁気接合されて、リング状となりStep21に示すように永久磁石リング1となる。
【0041】
上記単位永久磁石21a,21b,21c…は異方性磁石であり、而も原料として希土類を用いているので強力な一軸異方性磁石となる。従ってこれら単位永久磁石21a,21b,21c…を円柱状の容易磁化方向に沿った側面(円柱状の周面)にて互いに磁気吸着して永久磁石リング1とした場合、リング状に保つ磁気吸着力は強く、手首等に付けた場合、腕を振り回し等しても脱落する恐れはない。ところで図24に示すように、この永久磁石リング1を手首2等で装着した場合、上述したように上記単位永久磁石21a,21b,21c…は、互いの周面(側面)で強力に磁気吸着し合うが、単位永久磁石21a,21b,21c…はリング状、輪状になって吸着し合っているので、磁束は閉磁路Kとなる。従って、手首2等に直接磁力線が作用しない。
手首2に作用するのは漏洩磁束Lである。従って強力な磁力作用が身体に加わって身体に思わぬ副作用を生ぜしめることがない。漏洩磁束による磁気作用によって副作用等を生ぜしめることなく血行促進等を図ることができる。
つまり、永久磁石リングの形崩れ防止、脱落防止の為に単位永久磁石同士の磁気結合を強くすると、その強い磁気結合を生ずる磁束密度の濃い磁力作用が生じ、身体に思わぬ副作用が生ずる危険がある。逆に身体に適度であって、血行促進等に丁度よい磁力作用を与える程度の磁化の強さにすると、単位永久磁石同士の磁気結合が弱く、永久磁石リングの形崩れや、単位永久磁石の外落が生じかねない。このように相容れない点があるわけであるが、本発明は単位永久磁石を一軸異方性磁石とし、それをリング状にしたものであるから、単位永久磁石同士が側面で互いに強力な磁気吸着し合い、その強力に磁気吸着し合うことによる磁力線の手首等へ作用は、閉磁路の為に直接作用せず、単位永久磁石21a,21b,21c…間のN極からS極へ向う漏洩磁束によって行われるので適度に抑制された強さとなる。それでも単位永久磁石を強力に磁気結合する強さに定められていて、その漏洩磁束であるから、不測の副作用を生ぜしめることなく血行等を十分促進させるに十分となる。
【0042】
そして単位永久磁石21a,21b,21c…が、上述したように一軸異方性磁石であることにより互いに強力に、円柱状の側面の容易磁化方向に沿う側面で磁気結合しているものであるが、その態様をみると図25のように単位永久磁石21a,21b,21c…同士は周面(側面)Rに於いて円柱状の軸方向に沿って線接触の態様で結合している。従って実線図示の状態から一点鎖線図示の状態のように、磁気結合の方向への離脱の為には大きな力を要しても、矢示Vのように離脱方向ではない方向(非離脱方向)であれば極めて弱い力で動き得るものである。従ってリング状にすることが容易である上に、単位永久磁石の数を変えてリングの大きさを変えることも簡単にできる。
【0043】
上記円柱状の永久磁石21a,21b,21c…の具体的な例の互いに吸着し合う側面Rの残留磁束密度(Br)はCGS単位で6KG〜15KG(SI単位で0.6T〜1.5T)が好適であり、これを身体に装着した場合、身体の肌に接触している部分の表面磁束密度、即ち漏洩磁束密度(Br)はSI単位で35mT〜200mTが好適であり、又保磁力(HcB)はCGS単位で10KOe〜40KOe、最大エネルギー積(BH)maxは12〜50MGOeの範囲が好適である。
【0044】
さて、上記の実施形態は円柱状の単位永久磁石の例であったが、図26〜図28に示す球の場合でも、一軸異方性の永久磁石とすることができる。
即ち、焼結した単位永久磁石素材20a,20b,20cの容易磁化方向をX−Xとし、そのように定めた素材を研摩加工して球とし、その後にメッキ加工、珪酸質の透明コーティング層の形成を行なった後に、上記容易磁化方向X−X線に沿って磁界H2をかけて着磁を行う。
これにより球状の単位永久磁石21a,21b,21c…の周面(側面)Rの一方の部分がN極、径方向の反対に位置する他方の部分がS極となり、強力な一軸異方性の球状の永久磁石を加工できる。
この実施形態の場合も、円柱状永久磁石と同様に球状の単位永久磁石21a,21b,21c…が強力に磁気吸着し合う。しかもそれらの多数を結合して輪状として、永久磁石リングとした場合には閉磁路になり強力に吸着し合う磁力を生じても、身体に不測の作用を与えない。つまり身体の腕に作用する磁力線は漏洩磁束態様となり、適度な作用となる。
加えて、球の周面の一部同士で点接触態様にて磁気吸着し合っているので、球状の単位永久磁石21a,21b,21c…の互いの磁気吸着位置を自由に容易に変えることができる。
【0045】
次に図29〜図31に示す平盤状の場合でも、一軸異方性の永久磁石とすることができる。
即ち、焼結した単位永久磁石素材20a,20b,20cの容易磁化方向をX−Xとし、そのように定めた素材を研摩加工して盤状とし、その後にメッキ加工、珪酸質の透明コーティング層の形成を行なった後に、上記容易磁化方向X−X線に沿って磁界H2をかけて着磁を行う。
これにより平盤状の単位永久磁石21a,21b,21c…の側面Rの一方がN極、反対に位置する他方の側面RがS極となり、強力な一軸異方性の盤状の永久磁石を加工できる。
この実施形態の場合も、先の例と同様に平盤状の単位永久磁石21a,21b,21c…が強力に磁気吸着し合う。しかもそれらの多数を結合して輪状として、永久磁石リングとした場合には閉磁路になり強力に吸着し合う磁力を生じても、身体に不測の作用を与えない。つまり身体の腕に作用する磁力線は漏洩磁束態様となり、適度な作用となる。
加えて、盤状の側面同士で線接触態様にて磁気吸着し合っているので、平盤状の単位永久磁石21a,21b,21c…の互いの磁気吸着位置を自由に容易に変えることができる。上記側面Rは湾曲面(アール面)となっているので、平盤状の単位永久磁石21a,21b,21c…同士は上述したように線接触態様にて磁気吸着している。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】永久磁石リングを手首に装着している様子を示す図である。
【図2】永久磁石リングを首に装着している様子を示す図である。
【図3】永久磁石リングを足首に装着している様子を示す図である。
【図4】永久磁石リングを構成する円柱状の単位永久磁石の一例を示す斜視図である。
【図5】図4の永久磁石リングの平面形状を示す図である。
【図6】図4の複数の単位永久磁石が磁気吸着により互いに接続されている様子を示す図である。
【図7】a,bに示したように大きさが互いに異なる円柱状の単位永久磁石を形成した様子を説明する斜視図である。
【図8】図7の大きさが異なる単位永久磁石を互いに磁気吸着して永久磁石リングを構成した例を示す図である。
【図9】図4の円柱状の単位永久磁石の希土類の表面に銅又はニッケルメッキ層を形成し、その上に金又は白金系ロジウムメッキ層を形成した例を示す断面図である。
【図10】図9の単位永久磁石のメッキ層の上に更に珪酸質の透明コーティング層を形成したところを示す部分断面図である。
【図11】球状の単位永久磁石の複数より成る永久磁石リングを示す平面図である。
【図12】a,b共に球状単位永久磁石の断面を示し、aは、図11の11−11線に沿って示した球状単位永久磁石の断面図であり、bは図11の12−12線に沿って示した球状単位永久磁石の断面図である。
【図13】平盤状の単位永久磁石を示し、aは平面図、bは上面図、cは側面図である。
【図14】図13に示した実施形態の平盤状の単位永久磁石の複数より成る永久磁石リングの平面図である。
【図15】円盤状の単位永久磁石を互いに磁気吸着したところを示し、aは平面図、bは上面図である。
【図16】略四角状の単位永久磁石を互いに磁気吸着したところを示し、aは平面図、bは上面図である。
【図17】本発明の実施の形態の一軸異方性の単位永久磁石及び永久磁石リングの製造工程図である。
【図18】図17の製造工程中Step9の磁界中成形を示す図である。
【図19】図17の製造工程中Step14のプロック状焼結体の切断を示す図である。
【図20】図19の切断によって得られた単位永久磁石素材を示す図である。
【図21】図17の製造工程中Step16の研摩等加工を示す図である。
【図22】図17の製造工程中、Step19の円柱状単位永久磁石の着磁工程を示す図である。
【図23】図22の着磁工程によって一軸異方性磁石に着磁された円柱状単位永久磁石の断面図である。
【図24】図22の着磁工程によって製せられた一軸異方性単位永久磁石の複数を互いに磁気吸着して永久磁石リングとした場合の閉磁路、漏洩磁束の説明図である。
【図25】本発明の実施の形態の一軸異方性円柱状の単位永久磁石の互いの磁気吸着関係の説明図である。
【図26】本発明の実施の形態の一軸異方性の球状の単位永久磁石の加工を説明する図である。
【図27】本発明の実施の形態の一軸異方性の球状の単位永久磁石の図である。
【図28】本発明の実施の形態の一軸異方性の球状の単位永久磁石同士の磁気吸着説明図である。
【図29】本発明の実施の形態の一軸異方性の平盤状の単位永久磁石の加工を説明する図である。
【図30】本発明の実施の形態の一軸異方性の平盤状の単位永久磁石の図である。
【図31】本発明の実施の形態の一軸異方性の平盤状の単位永久磁石同士の磁気吸着説明図である。
【符号の説明】
【0047】
1 永久磁石リング
2 手首
3 首
4 足首
5a,5b,5c,5d… 円柱状単位永久磁石
T 端面
R 側面(周面)
6a,6b,6c… 円柱状単位永久磁石
7a,7b… 円柱状単位永久磁石
8 希土類磁石材
9 銅又はニッケルメッキ層
10 金メッキ層
11 珪酸質コーティング層
12a,12b,12c… 球状単位永久磁石
13a,13b,13c… 平盤状単位永久磁石
E 表面
W 側面R間の幅
T 肌に接する表面Eと肌に接しないその反対側の表面Eとの間の間隔たる厚さ
G 上面
14a,14b,14c… 円盤状単位永久磁石
15a,15b,15c… 四角状単位永久磁石
16 原料
17 インゴット
18 ブロック状成形体
19 ブロック状焼結体
20a,20b,20c… 一軸異方性単位永久磁石素材
21a,21b,21c… 一軸異方性単位永久磁石
X−X 容易磁化方向
H1,H2 磁界をかける方向
T1 前後面
Q1 上下面
R1 側面
L 漏洩磁束
K 閉磁路
V 非離脱方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の単位永久磁石21a,21b,21c…を配設して成る永久磁石リングであって、上記各単位永久磁石21a,21b,21c…は平盤状あるいは円盤状に形成され、この単位永久磁石21a,21b,21c…の所定数を相互に磁気吸着させてリング状にして成る永久磁石リングに於いて、
上記複数の単位永久磁石21a,21b,21c…の各々はネオジウム・鉄・ボロン磁石であると共に表面にメッキ層が形成されてなり、且つネオジウム・鉄・ボロン磁石の原料を磁界中成形する時に形成される容易磁化方向X−X方向に沿って、焼結後に着磁することによって上記容易磁化方向X−Xに直交する一方の側面RをN極又はS極、上記一方の側面の反対端となる他方の側面RにS極又はN極の磁極を形成して成り、しかも上記N極、S極が形成された側面R間の幅Wに比べて、身体の肌に接する表面Eとその反対側である肌に接しない表面Eとの間の間隔である厚さTが小さく形成される一軸異方性磁石であり、而もこの単位永久磁石の磁極が形成された側面Rは湾曲面として形成され、これら一軸異方性磁石である単位永久磁石21a,21b,21c…の所定数を、上記湾曲面である磁極が形成された側面Rで相互に磁気吸着させた際、各単位永久磁石21a、21b、21c・・・は、容易磁化方向X−Xに沿って、焼結後に着磁させることによって上記容易磁化方向X−Xに直交する側面Rであり、且つ湾曲面である側面Rに形成された磁極により線接触態様で互いに磁気吸着されて、所定の大きさのリング状に形成して成ることを特徴とする永久磁石リング。
【請求項2】
上記単位永久磁石の表面にメッキ層が形成され、そのメッキ層の上に透明な珪酸質コーティング層が形成されていることを特徴とする請求項1記載の永久磁石リング。
【請求項3】
単位永久磁石21a,21b,21c…が平盤状、円盤状に形成され、この単位永久磁石21a,21b,21c…の所定数を各々の側面Rで相互に磁気吸着されて成る永久磁石リング製法に於いて、
ネオジウム・鉄・ボロン磁石の原料を基にインゴットを製し、そのインゴットを粉砕後、磁界中成形する際に容易磁化方向X−Xを定めて結晶を揃え、上記磁界中成形によりブロック状成形体を製し、その後焼結してブロック状焼結体を製し、次いで切断することにより複数の単位永久磁石素材を得、これらの各々を上記平盤状、円盤状に加工後、表面にメッキ層と珪酸質コーティング層を形成し、次いでこれらを上記容易磁化方向X−Xに沿って着磁することによって各単位永久磁石21a,21b,21c…の上記容易磁化方向X−Xに直交する一方の側面RにN極又はS極、この一方の側面の反対端となる他方の側面RにS極又はN極の磁極を形成し、而もこの単位永久磁石の磁極が形成された側面Rを湾曲面に形成し、しかも上記N極、S極が形成された側面R間の幅Wに比べて、身体の肌に接する表面Eとその反対側である肌に接しない表面Eとの間の間隔である厚さTが小さく形成され、
次いで、これら一軸異方性磁石である単位永久磁石21a、21b、21c・・・の所定数を、上記湾曲面である磁極が形成された側面Rで相互に磁気吸着させた際、各単位永久磁石21a、21b、21c・・・を、容易磁化方向X−Xに沿って、焼結後に着磁されることによって上記容易磁化方向X−Xに直交する側面Rであり、且つ湾曲面である側面Rに形成された磁極により線接触態様で互いに磁気吸着させて、所定の大きさのリング状に形成して成ることを特徴とする永久磁石リングの製法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2007−222648(P2007−222648A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−80484(P2007−80484)
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【分割の表示】特願2003−370241(P2003−370241)の分割
【原出願日】平成15年10月30日(2003.10.30)
【出願人】(390021485)株式会社相模化学金属 (9)
【Fターム(参考)】