説明

汚泥中の繊維分濃度測定装置および繊維分濃度調整装置および脱水設備および脱水方法

【課題】汚泥中の繊維分濃度を一定以上に調整して脱水汚泥含水率を低レベルに安定させる。
【解決手段】一次側領域と二次側領域とにおける圧力差を計測するフィルター差圧計38aと、フィルター差圧に基づいて汚泥中の繊維分濃度を演算する繊維検知装置30aとを備え、繊維検知装置30aは測定開始からフィルター差圧が目標値に達するまでに経過する経過時間を指標として経過時間と繊維分濃度との相関において繊維分濃度を求める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚泥中の繊維分濃度測定装置および繊維分濃度調整装置および脱水設備に関し、し尿、浄化槽汚泥、下水、産業排水等の排水処理に伴って発生する有機性汚泥を脱水するのに際して脱水汚泥含水率を低レベルに安定させる技術に係る。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の有機性汚泥を脱水する脱水機としては、主にスクリュープレス型脱水機およびベルトプレス型脱水機があり、このような脱水機においては原料汚泥中の繊維分が脱水性に大きく影響する。繊維分の含有量は汚泥ごとに異なり、し尿や浄化槽汚泥中には多量に含まれているが、一般に余剰汚泥中には比較的低濃度で含まれる。また、浄化槽汚泥中の繊維分も浄化槽ごとに大きな変動がある。し尿処理では、浄化槽汚泥と余剰汚泥を混合して脱水する方式、さらにはし尿を混合して脱水する方式もあり、このような場合に汚泥中の繊維分濃度は大きく変動する。
【0003】
このように繊維分濃度が変動する場合にあって、脱水汚泥含水率を低レベルに安定させる方法としては、機械的圧搾を強化することにより含水率を下げる方法や、汚泥に繊維分を添加して脱水性を改善することにより含水率を下げる方法があった。
【0004】
前者の方法の実施事例としては、フィルタープレスによる余剰汚泥脱水があり、余剰汚泥を対象として無機凝集剤、ポリマーを添加してフィルタープレスで脱水するものである。この方法は、繊維分の少ない余剰汚泥を高圧下で長時間ろ過することで低含水率を達成する。
【0005】
また、他の先行技術としては、傾斜型濃縮機と軸摺動型スクリュープレス脱水機を組み合わせた軸摺動スクリューシステムがある。これは外筒スクリーンの内部に軸心方向に挿通してスクリュー軸を配置し、スクリュー軸にスクリュー羽根を形成してなり、スクリュー軸が汚泥投入側から汚泥排出側へ行くほどに拡径する形状をなすもので、スクリュー軸にスクリュー羽根が軸心方向へ摺動することで汚泥排出口における外筒スクリーンとスクリュー軸との出口クリアランスを調整し、機械的圧搾を制御するものである。
【0006】
しかしながら、ある程度までは含水率を低レベルに安定化できるが、含水率は汚泥中の繊維分濃度に強く影響を受けるので、そのレベルは汚泥によって限界がある。
後者の方法の実施事例としては、スクリュープレスによる余剰汚泥脱水があり、余剰汚泥を対象とし、脱水性を高めるために無機凝集剤、ポリマーおよび解砕古紙を添加してスクリュープレスで脱水するものである。この方法は脱水補助剤として解砕古紙に含まれる繊維質を利用するものであり、解砕古紙を対象の汚泥に定量的に加えるので、そのコストが問題となる。
【0007】
他の先行技術としては、たとえば特許文献1に記載するものがある。これは、回転筒とスクリューコンベアを組み合わせた汚泥遠心脱水機であり、その遠心力と圧搾力により供給汚泥の脱水分離を行う際に、スクリューコンベアのトルクが一定となるように回転筒とスクリューコンベアの回転数の差速を制御し、脱水汚泥ケーキの含水率の変化を把握し、その増減に応じた回転トルク設定及び薬品注入率設定を行うものである。
【0008】
また、特許文献2には、脱水性を改善するために、もみ殻、のこ屑、コーヒー糟等を脱水補助剤として添加することが記載されている。
また、特許文献3には、有機性汚泥に合成繊維と凝集剤を添加して凝集させた後、脱水処理する有機性汚泥の脱水方法が記載されている。
【0009】
また、特許文献4には、植物(廃棄物)を膨張粉砕処理して得られた膨張粉砕物を脱水補助剤として添加することが記載されている。
【特許文献1】特開平10−337598号公報
【特許文献2】特開昭60−225699号公報
【特許文献3】特開2002−219500号公報
【特許文献4】特開2006−766号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記した従来の技術において、機械的圧搾を強化することにより含水率を下げる方法は、スクリュープレスに汚泥を投入した後に、その汚泥性状に応じてフィードバック制御するものであり、スクリュープレス内で汚泥性状が繊維分濃度に因って変動することを前提とするものであるために、脱水汚泥の含水率が変動することは避けられず、含水率を低いレベルで安定化することは困難である。また、ある程度までは含水率を下げることができるが、含水率は汚泥中の繊維分濃度に強く影響を受ける傾向にあるので、汚泥性状毎に含水率の低減可能な限界値が異なる。
【0011】
汚泥に繊維分を添加して脱水性を改善することにより含水率を下げる方法では、脱水補助剤として、もみ殻、のこ屑、コーヒー糟等を添加する場合に、原料としては安価であるが、脱水性改善に寄与できる繊維分の含有率が低いので、脱水補助剤としては古紙に比べて大量に供給する必要がある。
【0012】
また、脱水補助剤として合成繊維を添加する場合には、古紙と同等以上の効果を奏するが、コストが大きくなる。さらに、電荷を有しているので、古紙に比べて水槽の壁面、攪拌羽根などに吸着し易く、メンテナンスが煩雑となる。また、微生物による分解が期待できないので、脱水汚泥を堆肥化する場合には不向きである。
【0013】
また、脱水補助剤として植物(廃棄物)を膨張粉砕処理して得られる膨張粉砕物を添加する場合には、膨張粉砕処理のための機械設備が必要となる。脱水性改善に寄与できる繊維分の含有率が低いので、古紙に比べて大量に供給する必要がある。
【0014】
本発明は上記した課題を解決するものであり、汚泥中の繊維分濃度を一定以上に調整することで脱水汚泥含水率を低レベルに安定させることができる有機性汚泥の繊維分濃度測定装置および繊維分濃度調整装置および脱水設備および脱水方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために、本発明の汚泥中の繊維分濃度測定装置は、ケーシングと、ケーシング内に配置し、一次側領域と二次側領域とを隔てるフィルターと、フィルターの一次側領域に汚泥を一定流量で供給する定流量汚泥供給手段と、一次側領域と二次側領域とにおける圧力差を計測する差圧計測手段と、差圧計測手段の計測値であるフィルター差圧に基づいて汚泥中の繊維分濃度を演算する繊維分濃度演算手段を備え、繊維分濃度演算手段は測定開始からフィルター差圧が目標値に達するまでに経過する経過時間を指標として経過時間と繊維分濃度との相関において繊維分濃度を求めることを特徴とする。
【0016】
本発明の汚泥中の繊維分濃度測定装置は、ケーシングと、ケーシング内に配置し、一次側領域と二次側領域とを隔てるフィルターと、フィルターの一次側領域に汚泥を一定流量で供給する定流量汚泥供給手段と、一次側領域と二次側領域とにおける圧力差を計測する差圧計測手段と、差圧計測手段の計測値であるフィルター差圧に基づいて汚泥中の繊維分濃度を演算する繊維分濃度演算手段を備え、繊維分濃度演算手段は単位測定時間当たりのフィルター差圧の圧力増加割合を指標として圧力増加割合と繊維分濃度との相関において繊維分濃度を求めることを特徴とする。
【0017】
本発明の汚泥中の繊維分濃度測定装置は、ケーシングと、ケーシング内に配置し、一次側領域と二次側領域とを隔てるフィルターと、フィルターの一次側領域に汚泥を一定圧力で供給する定圧汚泥供給手段と、一次側領域における流量を計測する流量計測手段と、流量計測手段の計測値であるフィルター流入流量に基づいて汚泥中の繊維分濃度を演算する繊維分濃度演算手段を備え、繊維分濃度演算手段は測定開始からフィルター流入流量が目標値に達するまでに経過する経過時間を指標として経過時間と繊維分濃度との相関において繊維分濃度を求めることを特徴とする。
【0018】
本発明の汚泥中の繊維分濃度測定装置は、ケーシングと、ケーシング内に配置し、一次側領域と二次側領域とを隔てるフィルターと、フィルターの一次側領域に汚泥を一定圧力で供給する定圧汚泥供給手段と、一次側領域における流量を計測する流量計測手段と、流量計測手段の計測値であるフィルター流入流量に基づいて汚泥中の繊維分濃度を演算する繊維分濃度演算手段を備え、繊維分濃度演算手段は特定時間におけるフィルター流入流量の流量減少割合を指標として流量減少割合と繊維分濃度との相関において繊維分濃度を求めることを特徴とする。
【0019】
本発明の繊維分濃度調整装置は、上述した何れかの構成を備えた繊維分濃度測定装置と、汚泥を貯溜する汚泥貯溜槽と、汚泥貯溜槽へ脱水補助剤を供給する脱水補助剤供給装置を備え、繊維分濃度測定装置の繊維分濃度演算手段は、検知した汚泥貯溜槽から供給する汚泥中の繊維分濃度をもとに、汚泥貯溜槽における汚泥中の繊維分濃度を所定繊維分濃度とするのに必要な脱水補助剤添加量を算出して、脱水補助剤供給装置を制御して脱水補助剤添加量に相応する脱水補助剤を汚泥貯溜槽に供給することを特徴とする。
【0020】
本発明の脱水設備は、脱水装置と繊維分濃度調整装置を備え、脱水装置は、脱水機と、脱水機に対象汚泥を供給する混和槽と、混和槽に凝集剤を供給する凝集剤供給系を有し、繊維分濃度調整装置は、繊維分濃度測定装置と、汚泥を貯溜する汚泥貯溜槽と、汚泥貯溜槽へ脱水補助剤を供給する脱水補助剤供給装置を有し、繊維分濃度測定装置は、上述した何れかの構成を備えた繊維分濃度測定装置からなり、繊維分濃度測定装置の繊維分濃度演算手段は、検知した汚泥貯溜槽から供給する汚泥中の繊維分濃度をもとに、汚泥貯溜槽における汚泥中の繊維分濃度を所定繊維分濃度とするのに必要な脱水補助剤添加量を算出して、脱水補助剤供給装置を制御して脱水補助剤添加量に相応する脱水補助剤を汚泥貯溜槽または混和槽に供給することを特徴とする。
【0021】
本発明の脱水方法は、脱水装置と繊維分濃度調整装置を備え、脱水装置は、脱水機と、脱水機に対象汚泥を供給する混和槽と、混和槽に凝集剤を供給する凝集剤供給系を有し、繊維分濃度調整装置は、繊維分濃度測定装置と、汚泥を貯溜する汚泥貯溜槽と、汚泥貯溜槽へ脱水補助剤を供給する脱水補助剤供給装置を有し、繊維分濃度測定装置が、上記した何れかの繊維分濃度測定装置からなる脱水設備において、繊維分濃度測定装置の繊維分濃度演算手段により、検知した汚泥貯溜槽から供給する汚泥中の繊維分濃度をもとに、汚泥貯溜槽における汚泥中の繊維分濃度を所定繊維分濃度とするのに必要な脱水補助剤添加量を算出して、脱水補助剤供給装置を制御して脱水補助剤添加量に相応する脱水補助剤を汚泥貯溜槽または混和槽に供給することを特徴とする。
【0022】
本発明の脱水設備は、脱水装置と繊維分濃度調整装置を備え、脱水装置は、脱水機と、脱水機に対象汚泥を供給する混和槽と、混和槽に凝集剤を供給する凝集剤供給系を有し、繊維分濃度調整装置は、繊維分濃度測定装置と、汚泥を貯溜する汚泥貯溜槽と、汚泥貯溜槽へ脱水補助剤を供給する脱水補助剤供給装置を有し、繊維分濃度調整装置は、汚泥貯溜槽における汚泥中の繊維分濃度を所定繊維分濃度とするのに必要な脱水補助剤添加量を算出して、脱水補助剤供給装置を制御して脱水補助剤添加量に相応する脱水補助剤を汚泥貯溜槽または混和槽に供給することを特徴とする。
【0023】
本発明の脱水方法は、脱水装置と繊維分濃度調整装置を備え、脱水装置は、脱水機と、脱水機に対象汚泥を供給する混和槽と、混和槽に凝集剤を供給する凝集剤供給系を有し、繊維分濃度調整装置は、繊維分濃度測定装置と、汚泥を貯溜する汚泥貯溜槽と、汚泥貯溜槽へ脱水補助剤を供給する脱水補助剤供給装置を有する脱水設備において、繊維分濃度調整装置により汚泥貯溜槽における汚泥中の繊維分濃度を所定繊維分濃度とするのに必要な脱水補助剤添加量を算出して、脱水補助剤供給装置を制御して脱水補助剤添加量に相応する脱水補助剤を汚泥貯溜槽または混和槽に供給することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
以上のように本発明によれば、汚泥中の繊維分濃度に応じて不足する繊維分を脱水補助剤として添加することにより汚泥中の繊維分濃度を常時一定レベル以上に調整することができ、脱水汚泥含水率を低レベルに安定させることができる。繊維分の不足分のみ脱水補助剤を添加するので、従来の定量添加に比べて無駄な添加がなくなって脱水補助剤の添加量を節減できる。
【0025】
また、繊維分が常時一定レベル以上に調整されるので脱水装置において脱水ケーキの含水率が安定して排出口での閉塞が起こり難くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1に示すように、脱水設備は脱水装置1と繊維分濃度調整装置20を備えている。
(脱水装置)
脱水装置1は、スクリュープレス、ベルトプレス、フィルタープレス等の脱水機2と、攪拌機3を有して脱水機2に対象汚泥を供給する混和槽4と、混和槽4に無機凝集剤を供給する無機凝集剤槽5および凝集剤供給系5aと、混和槽4にポリマーを供給するポリマー槽6およびポリマー供給系6aと、脱水機2から排出する脱水ろ液を受ける脱水ろ液槽7を備えている。
(繊維分濃度調整装置)
繊維分濃度調整装置20は、繊維分濃度測定装置30と、汚泥を貯溜する汚泥貯溜槽40と、汚泥貯溜槽へ脱水補助剤を供給する脱水補助剤供給装置50を備えている。
【0027】
繊維分濃度測定装置30は、ケーシング31の内部にフィルター32が配置してあり、フィルター32はケーシング31の内部を一次側領域と二次側領域とに隔てるもので、ウェッジワイヤー、パンチングメタル、メッシュなどからなり、そのろ過に関する特性は脱水機2のろ過機構と同等のものである。
【0028】
本実施の形態においてフィルター32は円筒状をなし、フィルター32の内部に洗浄ノズル33が回転自在に配置してあり、洗浄ノズル33に回転装置34が接続している。洗浄ノズル33はフィルター32の二次側から一次側へ洗浄水を噴射するものであり、回転装置34により軸心廻りに回転しつつフィルター32の全面に洗浄水を噴射する。
【0029】
フィルター32の一次側領域には汚泥貯溜槽40から汚泥を一定流量で供給する定流量汚泥供給手段をなす定流量汚泥供給系35が接続しており、定流量汚泥供給系35に汚泥供給ポンプ35aおよび流量計35bを設けている。ケーシング31の二次側領域にはろ液を汚泥貯溜槽40へ戻すろ液返送系36が接続しており、ケーシング31の一次側領域に接続した洗浄ドレン37が電磁弁からなるドレン弁37aを介してろ液返送系36に連通している。
【0030】
ケーシング31の一次側領域とろ液返送系36とに連通するバイパス管38には一次側領域と二次側領域とにおける圧力差を計測する差圧計測手段をなすフィルター差圧計38aを設けている。洗浄ノズル33には洗浄水供給系39が接続しており、洗浄水供給系39はプロセス水を貯溜する洗浄水槽39aと洗浄ポンプ39bからなる。
【0031】
繊維分濃度測定装置30は繊維分濃度演算手段をなす繊維分濃度演算装置30aを有しており、繊維分濃度演算装置30aはフィルター差圧計38の計測値に基づいて汚泥中の繊維分濃度を演算し、脱水補助剤供給装置50を制御するものであり、後に詳述する。
【0032】
繊維分濃度を測定する他の方法としては、浸漬型ろ過膜またはセラミック膜での吸引圧を測定したり、液の繊維の画像処理を行う方法があり、繊維懸濁液の濃度を測定するための変換器としての剪断力変換器、光学変換器、およびパルプ濃度に依存する圧力変化もしくは流速変化に伴って作動する変換器がある。
【0033】
汚泥貯溜槽40には混和槽4へ汚泥を供給する給泥系41が接続しており、給泥系41には給泥ポンプ41aを設けている。また、汚泥貯溜槽40には槽内の汚泥を攪拌するために槽底部側と槽上部側を連通する循環系42が設けてあり、循環系42は攪拌ポンプ42aを有している。
【0034】
脱水補助剤供給装置50は、脱水補助剤を貯溜する脱水補助剤貯溜槽51と、脱水補助剤貯溜槽51から汚泥貯溜槽40へ脱水補助剤を供給する脱水補助剤供給系52からなり、脱水補助剤供給系52に脱水補助剤供給ポンプ52aおよび流量計52bを設けている。本実施の形態では脱水補助剤として解砕古紙(離解繊維)を使用する。
【0035】
以下、上記した構成における作用を説明する。
(基本操作)
繊維分濃度調整装置20は、汚泥貯溜槽40に貯溜する汚泥を所定繊維分濃度に調整した後に、給泥ポンプ41aにより給泥系41を通して混和槽4に供給する。繊維分濃度調整装置20の濃度調整操作については後述する。
【0036】
混和槽4では、凝集剤供給系5aを通して凝集剤槽5から適当量の凝集剤を添加し、ポリマー供給系6aを通してポリマー槽6から適当量のポリマーを添加し、攪拌機3で攪拌して凝集剤およびポリマーを汚泥と混和し、その後に脱水機2へ供給する。脱水機2では汚泥を脱水して低含水率の脱水汚泥と脱水ろ液に分離し、脱水ろ液を脱水ろ液槽7に貯溜する。
(濃度調整操作)
繊維分濃度測定装置30では、繊維分濃度演算装置30aによる制御によって汚泥貯溜槽40における汚泥中の繊維分濃度を検知し、汚泥貯溜槽40における汚泥中の繊維分濃度を所定繊維分濃度とするのに必要な脱水補助剤添加量を算出する。そして、脱水補助剤供給装置50を制御し、脱水補助剤供給ポンプ52aを駆動して流量計52bで測定しつつ脱水補助剤添加量に相応する脱水補助剤を脱水補助剤貯溜槽51から脱水補助剤供給系52を通して汚泥貯溜槽40に供給する。
【0037】
汚泥中の繊維分濃度を検知する操作は、図3に示すように、汚泥供給工程、洗浄工程および脱水補助剤供給工程で1サイクルをなす。
1.汚泥供給開始
ドレン弁37aを閉栓する状態で、汚泥供給ポンプ35aを駆動し、定流量汚泥供給系35を通して汚泥貯溜槽40の汚泥をケーシング31の一次側領域に一定流量で供給し、フィルター32でろ過しつつろ液をろ液返送系36を通して汚泥貯溜槽40へ戻す。
2.圧力計PV値・圧力SV値到達時間
繊維分濃度演算装置30aは、フィルター差圧計38aで一次側領域と二次側領域とにおける圧力差を計測しつつ、測定開始からフィルター差圧が目標値に達するまでに経過する経過時間を測定する。
3.圧力SV値到達時間より繊維濃度決定
測定した経過時間を指標として経過時間と繊維分濃度との相関において繊維分濃度を求める。例えば、図2に示すように、フィルター差圧と経過時間の関係は概ね直線的な比例関係を有している。フィルター32の形状や目幅、汚泥供給ポンプ35aの流量、圧力SV値(設定値)は任意に設定できるが、図2に例示するものにおいて、フィルター32は形状がφ164mm×H241mmで、ろ過面積0.515mであり、ウェッジワイヤ目幅が0.5mmであり、汚泥供給ポンプ35aの流量は1.0m/hである。
【0038】
グラフ線aは汚泥中の繊維分濃度が9%である場合におけるフィルター差圧と経過時間の関係を示しており、このケースにおいて、繊維分濃度が9%以上に高くなると、フィルター差圧と経過時間の関係はグラフ線bに近づくように遷移し、繊維分濃度が9%以下に低くなると、フィルター差圧と経過時間の関係はグラフ線cに近づくように遷移する。
【0039】
グラフ線bおよびグラフ線cにおける繊維分濃度は予め実験等において求めることができ、さらに多くの繊維分濃度毎にフィルター差圧と経過時間の関係を示すグラフ線を定めることで、経過時間と繊維分濃度との相関が定まる。
【0040】
ここでは、フィルター差圧が圧力SV値0.225に到達するまでに経過時間11分を要しており、この条件を満たすフィルター差圧と経過時間の関係はグラフ線aであり、その繊維分濃度が9%であることが判明する。
【0041】
なお、圧力SV値(設定値)に到達するまでの経過時間は、汚泥供給ポンプ35aの流量によって異なるので、流量を調整することにより、測定時間のレンジ設定を変更することができる。
4.脱水補助剤添加量・SV値決定
汚泥貯溜槽40における汚泥中の繊維分濃度が判明すれば、汚泥貯溜槽40の容量は一定であるので、汚泥貯溜槽40における汚泥中の繊維分濃度を所定繊維分濃度とするのに必要な脱水補助剤添加量は容易に算出できる。
【0042】
例えば、汚泥貯溜槽40の容量が50mであり、繊維分濃度演算装置30aで測定した繊維分濃度が9%であり、目標とする繊維分濃度が15%であった場合、汚泥のSS濃度を平均2%とすると60kgの脱水補助剤添加量となる。
50(m)×1000(リットル/m)×2/100(kg/リットル)
×(15−9)/100(kg/kg)=60(kg)
5.脱水補助剤供給ポンプ・PID制御
脱水補助剤貯溜槽51における脱水補助剤懸濁液の繊維分濃度は設定値に調整したものであるので、脱水補助剤添加量を満たすのに必要な脱水補助剤懸濁液の流量は容易に求めることができ、この流量は脱水補助剤供給ポンプ52aをPID制御して実現する。
【0043】
例えば、脱水補助剤貯溜槽51内の脱水補助剤懸濁液の繊維濃度が8%に調整されており、繊維分濃度演算装置30aの脱水補助剤供給工程の時間が1時間に設定されていたとすると、脱水補助剤の流量を750リットル/hrの流量で添加することになる。
60(kg)×100/8(リットル/kg)×1/1(hr)
=750(リットル/hr)
6.フィルター洗浄工程
測定操作の終わりにフィルター32を洗浄する。洗浄ポンプ39bを駆動し、洗浄水供給系39を通して洗浄水槽39aの洗浄水を洗浄ノズル33へ供給する。
【0044】
ドレン弁37aを開放する状態で、回転装置34により洗浄ノズル33を回転させながらフィルター32の二次側から一次側へ洗浄水を噴射してフィルター32の全面に洗浄水を噴射し、前回の測定時にフィルター32の一次側面に付着した繊維分を含む汚泥を洗い流す。洗い流した汚泥は洗浄ドレン37およびろ液返送系36を通して汚泥貯溜槽40へ戻す。
実施の形態2
繊維濃度の検知は、単位測定時間当たりのフィルター差圧の圧力増加割合を指標として圧力増加割合と繊維分濃度との相関において繊維分濃度を求めることも可能である。
【0045】
すなわち、図2において、測定時間と経過時間は同じであり、経過時間の単位時間当たりにおけるフィルター差圧の圧力増加割合を求める。これはグラフ線aの傾きに相当する。つまり、グラフ線aは汚泥中の繊維分濃度が9%である場合における単位測定時間当たりのフィルター差圧の圧力増加割合を示しており、このケースにおいて、繊維分濃度が9%以上に高くなると、単位測定時間当たりのフィルター差圧の圧力増加割合はグラフ線bに近づくように遷移し、繊維分濃度が9%以下に低くなると、単位測定時間当たりのフィルター差圧の圧力増加割合はグラフ線cに近づくように遷移する。
【0046】
グラフ線bおよびグラフ線cにおける繊維分濃度は予め実験等において求めることができ、さらに多くの繊維分濃度毎に単位測定時間当たりのフィルター差圧の圧力増加割合を示すグラフ線を定めることで、圧力増加割合と繊維分濃度との相関が定まる。
実施の形態3
繊維濃度の検知は、測定開始からフィルター流入流量が目標値に達するまでに経過する経過時間を指標として経過時間と繊維分濃度との相関において繊維分濃度を求めることも可能である。
【0047】
以下に、図4から図6を参照して詳述する。本実施の形態に係る構成は、先に図1で示したものと基本的に同様であり、図1におけるものと同様の構成要素には同符号を付して説明を省略する。
【0048】
図4に示すように、定圧汚泥供給系60は、循環系42から分岐してケーシング31の一次側領域に汚泥を一定圧で供給するものであり、入口弁61およびフィルター入口流量計62を有している。循環系42は所定の高さにまで達する管路を有し、定圧汚泥供給系60を流れる汚泥は循環系42の分岐点における水頭を供給圧として概ね自然流下する。
【0049】
繊維分濃度測定装置30の繊維分濃度演算装置30aはフィルター入口流量計62の計測値に基づいて汚泥中の繊維分濃度を演算し、脱水補助剤供給装置50を制御するものである。
【0050】
この構成における作用を説明する。
(基本操作)
繊維分濃度調整装置20は、汚泥貯溜槽40に貯溜する汚泥を所定繊維分濃度に調整した後に、給泥ポンプ41aにより給泥系41を通して混和槽4に供給する。
【0051】
混和槽4では、凝集剤供給系5aを通して凝集剤槽5から適当量の凝集剤を添加し、ポリマー供給系6aを通してポリマー槽6から適当量のポリマーを添加し、攪拌機3で攪拌して凝集剤およびポリマーを汚泥と混和し、その後に脱水機2へ供給する。脱水機2では汚泥を脱水して低含水率の脱水汚泥と脱水ろ液に分離し、脱水ろ液を脱水ろ液槽7に貯溜する。
(濃度調整操作)
繊維分濃度測定装置30では、繊維分濃度演算装置30aによる制御によって汚泥貯溜槽40における汚泥中の繊維分濃度を検知し、汚泥貯溜槽40における汚泥中の繊維分濃度を所定繊維分濃度とするのに必要な脱水補助剤添加量を算出する。そして、脱水補助剤供給装置50を制御し、脱水補助剤供給ポンプ52aを駆動して流量計52bで測定しつつ脱水補助剤添加量に相応する脱水補助剤を脱水補助剤貯溜槽51から脱水補助剤供給系52を通して汚泥貯溜槽40に供給する。
【0052】
汚泥中の繊維分濃度を検知する操作は、図6に示すように、汚泥供給工程と洗浄工程および脱水補助剤供給工程とで1サイクルをなす。
1.汚泥供給開始
ドレン弁37aを閉栓する状態で、定圧汚泥供給系60の入口弁61を開放し、循環系42から自然流下により汚泥を一定圧で供給し、フィルター32でろ過しつつろ液をろ液返送系36を通して汚泥貯溜槽40へ戻す。
2.流量計PV値・流量SV値到達時間
繊維分濃度演算装置30aは、フィルター入口流量計62で測定する流量が測定開始から目標値に達するまでに経過する経過時間を測定する。
3.流量値到達時間より繊維濃度決定
測定した経過時間を指標として経過時間と繊維分濃度との相関において繊維分濃度を求める。フィルター32の形状や目幅、汚泥供給ポンプ35aの流量、流量SV値(設定値)は任意に設定できるが、図5に例示するものの条件は、フィルター32の形状がφ164mm×H241mmで、ろ過面積0.515mであり、ウェッジワイヤ目幅が0.5mmであり、攪拌ポンプ42aの流量は7.0m/hで、ケーシング31の流入側圧力を0.12MPaに設定している。
【0053】
図5において、グラフ線aは汚泥中の繊維分濃度が9%である場合における流入流量とと経過時間の関係を示しており、このケースにおいて、繊維分濃度が9%以上に高くなると、流入流量と経過時間の関係はグラフ線bに近づくように遷移し、繊維分濃度が9%以下に低くなると、流入流量と経過時間の関係はグラフ線cに近づくように遷移する。
【0054】
グラフ線bおよびグラフ線cにおける繊維分濃度は予め実験等において求めることができ、さらに多くの繊維分濃度毎に流入流量と経過時間の関係を示すグラフ線を定めることで、経過時間と繊維分濃度との相関が定まる。
【0055】
ここでは、フィルター入口流量計62の測定値が流量SV値1.2に到達するまでに経過時間92秒を要しており、この条件を満たす流入流量と経過時間の関係はグラフ線aであり、その繊維分濃度が9%であることが判明する。
【0056】
なお、流量SV値(設定値)に到達するまでの経過時間は、循環系42の分岐点における水頭圧によって異なるので、分岐点の高さを調整することにより測定時間のレンジ設定を変更することができる。
4.脱水補助剤添加量・SV値決定
汚泥貯溜槽40における汚泥中の繊維分濃度が判明すれば、汚泥貯溜槽40の容量は一定であるので、汚泥貯溜槽40における汚泥中の繊維分濃度を所定繊維分濃度とするのに必要な脱水補助剤添加量は容易に算出できる。
5.脱水補助剤供給ポンプ・PID制御
脱水補助剤貯溜槽51における脱水補助剤懸濁液の繊維分濃度は設定値に調整したものであるので、脱水補助剤添加量を満たすのに必要な脱水補助剤懸濁液の流量は容易に求めることができ、この流量は脱水補助剤供給ポンプ52aをPID制御して実現する。
6.フィルター洗浄工程
測定操作の終わりにフィルター32を洗浄する。洗浄ポンプ39bを駆動し、洗浄水供給系39を通して洗浄水槽39aの洗浄水を洗浄ノズル33へ供給する。
【0057】
ドレン弁37aを開放する状態で、回転装置34により洗浄ノズル33を回転させながらフィルター32の二次側から一次側へ洗浄水を噴射してフィルター32の全面に洗浄水を噴射し、前回の測定時にフィルター32の一次側面に付着した繊維分を含む汚泥を洗い流す。洗い流した汚泥は洗浄ドレン37およびろ液返送系36を通して汚泥貯溜槽40へ戻す。
実施の形態4
繊維濃度の検知は、単位測定時間当たりのフィルター流入流量の流量減少割合を指標として流量減少割合と繊維分濃度との相関において繊維分濃度を求めることも可能である。
【0058】
すなわち、図5において、測定時間と経過時間は同じであり、経過時間の単位時間当たりにおける流量減少割合を求める。これはグラフ線aの各点における傾きに相当する。つまり、グラフ線aの各点における傾きは、汚泥中の繊維分濃度が9%である場合における単位測定時間当たりの流量減少割合を示しており、このケースにおいて、繊維分濃度が9%以上に高くなると、単位測定時間当たりの流量減少割合はグラフ線bに近づくように遷移し、繊維分濃度が9%以下に低くなると、単位測定時間当たりの流量減少割合はグラフ線cに近づくように遷移する。
【0059】
グラフ線bおよびグラフ線cにおける繊維分濃度は予め実験等において求めることができ、さらに多くの繊維分濃度毎に特定時間における流量減少割合を示すグラフ線の傾きを定めることで、流量減少割合と繊維分濃度との相関が定まる。
【0060】
ここで、グラフ線の傾きとは各グラフ線の最大傾き後の緩やかな曲線における傾きで、繊維分濃度の違いによりこの傾きに有意な差がでる測定時間体の特定の時間における傾きをいう。例えば、図5における特定の時間とは経過時間80から120秒における時間帯をいう。この時間帯の特定の時間において、グラフ線の傾きを測定し、繊維分濃度を求める。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施の形態1−2における脱水設備を示す模式図
【図2】同実施の形態1−2におけるフィルター差圧と経過時間の関係を示すグラフ図
【図3】同実施の形態1−2における制御サイクルを示す模式図
【図4】本発明の実施の形態3−4における脱水設備を示す模式図
【図5】同実施の形態3−4におけるフィルター差圧と経過時間の関係を示すグラフ図
【図6】同実施の形態3−4における制御サイクルを示す模式図
【符号の説明】
【0062】
1 脱水装置
2 脱水機
3 攪拌機
4 混和槽
5 凝集剤槽
5a 凝集剤供給系
6 ポリマー槽
6a ポリマー供給系
7 脱水ろ液槽
20 繊維分濃度調整装置
30 繊維分濃度測定装置
30a 繊維分濃度演算装置
31 ケーシング
32 フィルター
33 洗浄ノズル
34 回転装置
35 定流量汚泥供給系
35a 汚泥供給ポンプ
35b 流量計
36 ろ液返送系
37 洗浄ドレン
37a ドレン弁
38 バイパス管
38a フィルター差圧計
39 洗浄水供給系
39a 洗浄水槽
39b 洗浄ポンプ
40 汚泥貯溜槽
41 給泥系
41a 給泥ポンプ
42 循環系
42a 攪拌ポンプ
50 脱水補助剤供給装置
51 脱水補助剤貯溜槽
52 脱水補助剤供給系
52a 脱水補助剤供給ポンプ
52b 流量計
60 定圧汚泥供給系
61 入口弁
62 フィルター入口流量計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングと、ケーシング内に配置し、一次側領域と二次側領域とを隔てるフィルターと、フィルターの一次側領域に汚泥を一定流量で供給する定流量汚泥供給手段と、一次側領域と二次側領域とにおける圧力差を計測する差圧計測手段と、差圧計測手段の計測値であるフィルター差圧に基づいて汚泥中の繊維分濃度を演算する繊維分濃度演算手段を備え、繊維分濃度演算手段は測定開始からフィルター差圧が目標値に達するまでに経過する経過時間を指標として経過時間と繊維分濃度との相関において繊維分濃度を求めることを特徴とする汚泥中の繊維分濃度測定装置。
【請求項2】
ケーシングと、ケーシング内に配置し、一次側領域と二次側領域とを隔てるフィルターと、フィルターの一次側領域に汚泥を一定流量で供給する定流量汚泥供給手段と、一次側領域と二次側領域とにおける圧力差を計測する差圧計測手段と、差圧計測手段の計測値であるフィルター差圧に基づいて汚泥中の繊維分濃度を演算する繊維分濃度演算手段を備え、繊維分濃度演算手段は単位測定時間当たりのフィルター差圧の圧力増加割合を指標として圧力増加割合と繊維分濃度との相関において繊維分濃度を求めることを特徴とする汚泥中の繊維分濃度測定装置。
【請求項3】
ケーシングと、ケーシング内に配置し、一次側領域と二次側領域とを隔てるフィルターと、フィルターの一次側領域に汚泥を一定圧力で供給する定圧汚泥供給手段と、一次側領域における流量を計測する流量計測手段と、流量計測手段の計測値であるフィルター流入流量に基づいて汚泥中の繊維分濃度を演算する繊維分濃度演算手段を備え、繊維分濃度演算手段は測定開始からフィルター流入流量が目標値に達するまでに経過する経過時間を指標として経過時間と繊維分濃度との相関において繊維分濃度を求めることを特徴とする汚泥中の繊維分濃度測定装置。
【請求項4】
ケーシングと、ケーシング内に配置し、一次側領域と二次側領域とを隔てるフィルターと、フィルターの一次側領域に汚泥を一定圧力で供給する定圧汚泥供給手段と、一次側領域における流量を計測する流量計測手段と、流量計測手段の計測値であるフィルター流入流量に基づいて汚泥中の繊維分濃度を演算する繊維分濃度演算手段を備え、繊維分濃度演算手段は特定時間におけるフィルター流入流量の流量減少割合を指標として流量減少割合と繊維分濃度との相関において繊維分濃度を求めることを特徴とする汚泥中の繊維分濃度測定装置。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1項に記載の繊維分濃度測定装置と、汚泥を貯溜する汚泥貯溜槽と、汚泥貯溜槽へ脱水補助剤を供給する脱水補助剤供給装置を備え、繊維分濃度測定装置の繊維分濃度演算手段は、検知した汚泥貯溜槽から供給する汚泥中の繊維分濃度をもとに、汚泥貯溜槽における汚泥中の繊維分濃度を所定繊維分濃度とするのに必要な脱水補助剤添加量を算出して、脱水補助剤供給装置を制御して脱水補助剤添加量に相応する脱水補助剤を汚泥貯溜槽に供給することを特徴とする繊維分濃度調整装置。
【請求項6】
脱水装置と繊維分濃度調整装置を備え、脱水装置は、脱水機と、脱水機に対象汚泥を供給する混和槽と、混和槽に凝集剤を供給する凝集剤供給系を有し、繊維分濃度調整装置は、繊維分濃度測定装置と、汚泥を貯溜する汚泥貯溜槽と、汚泥貯溜槽へ脱水補助剤を供給する脱水補助剤供給装置を有し、繊維分濃度測定装置は、請求項1〜4の何れか1項に記載の繊維分濃度測定装置からなり、繊維分濃度測定装置の繊維分濃度演算手段は、検知した汚泥貯溜槽から供給する汚泥中の繊維分濃度をもとに、汚泥貯溜槽における汚泥中の繊維分濃度を所定繊維分濃度とするのに必要な脱水補助剤添加量を算出して、脱水補助剤供給装置を制御して脱水補助剤添加量に相応する脱水補助剤を汚泥貯溜槽または混和槽に供給することを特徴とする脱水設備。
【請求項7】
脱水装置と繊維分濃度調整装置を備え、脱水装置は、脱水機と、脱水機に対象汚泥を供給する混和槽と、混和槽に凝集剤を供給する凝集剤供給系を有し、繊維分濃度調整装置は、繊維分濃度測定装置と、汚泥を貯溜する汚泥貯溜槽と、汚泥貯溜槽へ脱水補助剤を供給する脱水補助剤供給装置を有し、繊維分濃度測定装置が、請求項1〜4の何れか1項に記載の繊維分濃度測定装置からなる脱水設備において、
繊維分濃度測定装置の繊維分濃度演算手段により、検知した汚泥貯溜槽から供給する汚泥中の繊維分濃度をもとに、汚泥貯溜槽における汚泥中の繊維分濃度を所定繊維分濃度とするのに必要な脱水補助剤添加量を算出して、脱水補助剤供給装置を制御して脱水補助剤添加量に相応する脱水補助剤を汚泥貯溜槽または混和槽に供給することを特徴とする脱水方法。
【請求項8】
脱水装置と繊維分濃度調整装置を備え、脱水装置は、脱水機と、脱水機に対象汚泥を供給する混和槽と、混和槽に凝集剤を供給する凝集剤供給系を有し、繊維分濃度調整装置は、繊維分濃度測定装置と、汚泥を貯溜する汚泥貯溜槽と、汚泥貯溜槽へ脱水補助剤を供給する脱水補助剤供給装置を有し、
繊維分濃度調整装置は、汚泥貯溜槽における汚泥中の繊維分濃度を所定繊維分濃度とするのに必要な脱水補助剤添加量を算出して、脱水補助剤供給装置を制御して脱水補助剤添加量に相応する脱水補助剤を汚泥貯溜槽または混和槽に供給することを特徴とする脱水設備。
【請求項9】
脱水装置と繊維分濃度調整装置を備え、脱水装置は、脱水機と、脱水機に対象汚泥を供給する混和槽と、混和槽に凝集剤を供給する凝集剤供給系を有し、繊維分濃度調整装置は、繊維分濃度測定装置と、汚泥を貯溜する汚泥貯溜槽と、汚泥貯溜槽へ脱水補助剤を供給する脱水補助剤供給装置を有する脱水設備において、
繊維分濃度調整装置により汚泥貯溜槽における汚泥中の繊維分濃度を所定繊維分濃度とするのに必要な脱水補助剤添加量を算出して、脱水補助剤供給装置を制御して脱水補助剤添加量に相応する脱水補助剤を汚泥貯溜槽または混和槽に供給することを特徴とする脱水方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−137158(P2010−137158A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−315131(P2008−315131)
【出願日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(595011238)クボタ環境サ−ビス株式会社 (19)
【Fターム(参考)】