説明

決済方法、決済システムおよび決済プログラム

【課題】店舗側に対する制約を軽減するとともに、債務者装置が接続する通信回線を確実に特定し、その回線利用料金に重畳して債務金額を回収することを課題とする。
【解決手段】決済システム1の債権者装置10は、債権者(店舗)を一意に識別する債権者識別子と債務金額とを含む決済依頼情報を債務者装置20に送信する。そして、債務者装置20は、送信された決済依頼情報を受信すると、当該決済依頼情報を回線特定可能通信網50に接続された決済装置30へ転送する。そして、回線特定可能通信網50は、転送された決済依頼情報の転送元である債務者装置20が利用している回線の回線識別子を特定し、決済依頼情報に当該回線識別子を付加して決済装置30へ送信する。その後、決済装置30は、送信された決済依頼情報を受信すると、決済依頼情報に付加された回線識別子に対応する回線利用料に、決済依頼情報に含まれた債務金額を重畳して決済を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、通信回線の利用料金に重畳して債務を回収する決済方法、決済システムおよび決済プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、インターネット等のネットワーク上に設置した店舗サーバ(物品販売、コンテンツ販売等)におけるネットショッピングの利用料金債務の決済においては、銀行振り込みやクレジットカードによる決済が一般的であるが、これらの方法では、利用者の決済用個人情報を店舗に通知する必要があり、利用者の情報保護の観点から問題があった。
【0003】
これを回避する方法として、物品販売の場合には代引きによる決済があるが、物品販売とコンテンツ販売等との両方に応用可能な決済手段としては、従来からインターネットサービスプロバイダ(ISP)や通信回線事業が、回線利用料やネット接続料に重畳して債務を回収する回収代行サービスが知られている。
【0004】
この様な回線利用料やネット接続料に重畳して債務を回収するサービスを利用するには、確実に利用者のISP契約または回線契約を特定するため、店舗サーバ(債権者装置)をISPや通信回線事業者の提供する利用者回線を特定する機能を持つ閉域網内に設置するか、あるいはISPや通信事業者の提供するサービス提供プラットフォーム(モール、コンテンツ配信プラットフォーム等)に出店する。
【0005】
前者の店舗サーバを閉域網内に設置して債務を回収するサービスとしては、例えば、エヌ・ティ・ティ・ドコモがiモード公式サイトに対して提供している回収代行サービスが知られており(非特許文献1参照)、後者のサービス提供プラットフォームに出店して債務を回収するサービスとしては、例えば、フレッツ・オンデマンドやダイヤルQ2で提供している回収代行サービスが知られている(非特許文献2および非特許文献3参照)。
【0006】
【非特許文献1】“iモードご利用料金の目安”、[online]、[平成20年3月17日検索]、インターネット<http://www.nttdocomo.co.jp/charge/introduction/imode/>
【非特許文献2】“フレッツ・オンデマンド”、[online]、[平成20年3月17日検索]、インターネット<http://flets.com/company/kadai/ib_page1.html>
【非特許文献3】“ダイヤルQ2のしくみ”、[online]、[平成20年3月17日検索]、インターネット<http://www.ntt-east.co.jp/q2/shikumi.html>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記した従来の技術では、店舗サーバ(債権者装置)をISPや通信回線事業者の提供する利用者回線を特定する機能を持つ閉域網内に設置するか、あるいはISPや通信事業者の提供するサービス提供プラットフォーム(モール、コンテンツ配信プラットフォーム等)に出店する必要があるので、店舗(債権者)側に対する制約が大きかった。
【0008】
また、債権者装置が債務者装置と、利用者回線の特定ができないインターネット等の通信網を介して通信した場合には、当該通信網では債務者装置が通信に利用している回線の物理的実態およびそれに付随する回線利用契約を債権者装置が特定する事が困難であるという問題点がある。
【0009】
そこで、この発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、店舗(債権者)側に対する制約を軽減するとともに、通信網では債務者装置が通信に利用している回線の物理的実態およびそれに付随する回線利用契約を債権者装置が特定する事が困難である場合でも、債務者装置が接続する通信回線を確実に特定し、その回線利用料金に重畳して債務金額の回収が可能な決済方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1に係る発明は、利用中の通信回線の回線識別子を一意に特定できる回線特定可能通信網に回線接続された債務者装置と、当該債務者装置と通信網を介して通信可能な債権者装置と、前記回線特定可能通信網に接続された決済装置とで構成される決済システムにおいて、前記決済装置が債務者装置の回線利用料に債務金額を重畳して決済する決済方法であって、前記債権者装置が、前記債務者装置に債権者識別子と債務金額とを含む決済依頼情報を送信する決済依頼情報送信ステップと、前記債務者装置が、前記決済依頼情報送信ステップによって送信された前記決済依頼情報を受信すると、当該決済依頼情報を前記回線特定可能通信網を介して前記決済装置へ転送する決済依頼情報転送ステップと、前記回線特定可能通信網が、前記決済依頼情報転送ステップによって転送された前記決済依頼情報の転送元である前記債務者装置が利用している前記通信回線の回線識別子を特定し、前記決済依頼情報に当該回線識別子を付加して前記決済装置へ送信する回線特定結果送信ステップと、前記決済装置が、前記回線特定結果送信ステップによって送信された前記決済依頼情報を受信すると、前記回線識別子に対応する回線利用料に前記債務金額を加算し、前記債権者識別子に対応する売上に前記債務金額を加算する債務金額重畳ステップと、を含んだことを特徴とする。
【0011】
また、請求項2に係る発明は、利用中の通信回線の回線識別子を一意に特定できる回線特定可能通信網に回線接続された債務者装置と、当該債務者装置と通信網を介して通信可能な債権者装置と、前記回線特定可能通信網に接続された決済装置とで構成される決済システムにおいて、前記決済装置が債務者装置の回線利用料に債務金額を重畳して決済する決済方法であって、前記債権者装置が、前記債務者装置に債権者識別子と債務金額とを含む決済依頼情報を送信する決済依頼情報送信ステップと、前記債務者装置が、前記決済依頼情報送信ステップによって送信された前記決済依頼情報を受信すると、当該決済依頼情報を前記回線特定可能通信網に接続された前記決済装置へ転送する決済依頼情報転送ステップと、前記決済装置が、前記決済依頼情報転送ステップによって転送された前記決済依頼情報を受信すると、前記回線特定可能通信網に対して回線特定依頼を送信する回線特定依頼送信ステップと、前記回線特定可能通信網が、前記回線特定依頼送信ステップによって送信された前記回線特定依頼を受信すると、前記債務者装置が利用している前記通信回線の回線識別子を特定し、前記決済装置に当該回線識別子を送信する回線特定結果送信ステップと、前記決済装置が、前記回線特定結果送信ステップによって送信された前記回線識別子を受信すると、当該回線識別子に対応する回線利用料に前記債務金額を加算し、前記債権者識別子に対応する売上に前記債務金額を加算する債務金額重畳ステップと、を含んだことを特徴とする。
【0012】
また、請求項3に係る発明は、利用中の通信回線の回線識別子を一意に特定できる回線特定可能通信網に回線接続された債務者装置と、当該債務者装置と通信網を介して通信可能な債権者装置と、前記通信網に接続された決済装置とで構成される決済システムにおいて、前記決済装置が債務者装置の回線利用料に債務金額を重畳して決済する決済方法であって、前記債権者装置が、前記債務者装置に債権者識別子と債務金額とを含む決済依頼情報を送信する決済依頼情報送信ステップと、前記債務者装置が、前記決済依頼情報送信ステップによって送信された前記決済依頼情報を受信すると、当該決済依頼情報を前記通信網に接続された前記決済装置へ転送する決済依頼情報転送ステップと、前記決済装置が、前記決済依頼情報転送ステップによって転送された前記決済依頼情報を受信すると、前記債務者装置に対して回線特定依頼を送信する回線特定依頼送信ステップと、前記債務者装置が、前記回線特定依頼送信ステップによって送信された前記回線特定依頼を受信すると、当該回線特定依頼を前記回線特定可能通信網に転送する回線特定依頼転送ステップと、前記回線特定可能通信網が、前記回線特定依頼転送ステップによって転送された前記回線特定依頼を受信すると、前記債務者装置が利用している前記通信回線の回線識別子を特定し、前記債務者装置に当該回線識別子を送信する回線特定結果送信ステップと、前記債務者装置が、前記回線特定結果送信ステップによって送信された前記回線識別子を受信すると、当該回線識別子を前記決済装置に転送する回線特定結果転送ステップと、前記決済装置が、前記回線特定結果転送ステップによって転送された前記回線識別子を受信すると、当該回線識別子に対応する回線利用料に前記債務金額を加算し、前記債権者識別子に対応する売上に前記債務金額を加算する債務金額重畳ステップと、を含んだことを特徴とする。
【0013】
また、請求項4に係る発明は、上記の発明において、前記決済装置が、前記決済依頼情報を受信すると、前記債務者装置との間で個人認証処理を実施する個人認証ステップをさらに含み、前記債務金額重畳ステップは、前記個人認証ステップによって実施された個人認証処理が失敗した場合には、前記加算を中断することを特徴とする。
【0014】
また、請求項5に係る発明は、上記の発明において、前記決済依頼情報送信ステップは、前記債権者識別子と前記債務金額とともに、当該債権者識別子と当該債務金額とを含む情報に対する電子署名をさらに含む決済依頼情報を前記債務者装置に送信し、前記決済装置が、前記決済依頼情報を受信すると、当該決済依頼情報に含まれた電子署名を検証する検証処理を実施する電子署名検証ステップをさらに含み、前記債務金額重畳ステップは、前記電子署名検証ステップによって実施された検証処理が失敗した場合には、前記加算を中断することを特徴とする。
【0015】
また、請求項6に係る発明は、上記の発明において、前記決済装置が、前記決済依頼情報を受信すると、前記債権者装置との間で当該決済依頼情報の内容確認処理を実施する内容確認ステップをさらに含み、前記債務金額重畳ステップは、前記内容確認ステップによって実施された内容確認処理の結果、内容確認処理が失敗した場合には、前記加算を中断することを特徴とする。
【0016】
また、請求項7に係る発明は、上記の発明において、前記回線特定結果送信ステップは、前記回線識別子とともに、前記回線に関する属性情報を前記決済装置に送信し、前記決済装置が、前記属性情報を受信すると、当該属性情報に基づいて、処理の続行可否を判断する続行可否判断ステップをさらに含むことを特徴とする。
【0017】
また、請求項8に係る発明は、上記の発明において、前記回線特定結果送信ステップは、前記回線識別子とともに、前記回線に関する属性情報を前記決済装置に送信し、前記決済装置が、前記属性情報を受信すると、当該属性情報に基づいて、決済手数料を決定する手数料決定ステップをさらに含むことを特徴とする。
【0018】
また、請求項9に係る発明は、上記の発明において、前記回線特定結果送信ステップは、前記回線特定可能通信網内で前記債務者装置に付与されたIPアドレスに基づいて、前記回線の回線識別子を特定し、当該回線識別子を送信することを特徴とする。
【0019】
また、請求項10に係る発明は、上記の発明において、前記回線特定結果送信ステップは、前記回線特定可能通信網の発信者番号通知機能に基づいて、前記回線の回線識別子を特定し、当該回線識別子を送信することを特徴とする。
【0020】
また、請求項11に係る発明は、上記の発明において、前記回線特定結果送信ステップは、前記回線特定可能通信網内に接続するための前記債務者装置の回線接続部の接続機器識別番号に基づいて、前記回線の回線識別子を特定し、当該回線識別子を送信することを特徴とする。
【0021】
また、請求項12に係る発明は、利用中の通信回線の回線識別子を一意に特定できる回線特定可能通信網に回線接続された債務者装置と、当該債務者装置と通信網を介して通信可能な債権者装置と、前記回線特定可能通信網に接続された決済装置とで構成される決済システムにおいて、前記決済装置が債務者装置の回線利用料に債務金額を重畳して決済する決済システムであって、前記債権者装置が、前記債務者装置に債権者識別子と債務金額とを含む決済依頼情報を送信する決済依頼情報送信手段を備え、前記債務者装置が、前記決済依頼情報送信手段によって送信された前記決済依頼情報を受信すると、当該決済依頼情報を前記回線特定可能通信網を介して前記決済装置へ転送する決済依頼情報転送手段を備え、前記回線特定可能通信網が、前記決済依頼情報転送手段によって転送された前記決済依頼情報の転送元である前記債務者装置が利用している前記通信回線の回線識別子を特定し、前記決済依頼情報に当該回線識別子を付加して前記決済装置へ送信する回線特定結果送信手段を備え、前記決済装置が、前記回線特定結果送信手段によって送信された前記決済依頼情報を受信すると、前記回線識別子に対応する回線利用料に前記債務金額を加算し、前記債権者識別子に対応する売上に前記債務金額を加算する債務金額重畳手段を備えたことを特徴とする。
【0022】
また、請求項13に係る発明は、利用中の通信回線の回線識別子を一意に特定できる回線特定可能通信網に回線接続された債務者装置と、当該債務者装置と通信網を介して通信可能な債権者装置と、前記回線特定可能通信網に接続された決済装置とで構成される決済システムにおいて、前記決済装置が債務者装置の回線利用料に債務金額を重畳して決済する決済システムであって、前記債権者装置が、前記債務者装置に債権者識別子と債務金額とを含む決済依頼情報を送信する決済依頼情報送信手段を備え、前記債務者装置が、前記決済依頼情報送信手段によって送信された前記決済依頼情報を受信すると、当該決済依頼情報を前記回線特定可能通信網に接続された前記決済装置へ転送する決済依頼情報転送手段を備え、前記回線特定可能通信網が、前記決済装置によって送信された回線特定依頼を受信すると、前記債務者装置が利用している前記通信回線の回線識別子を特定し、前記決済装置に当該回線識別子を送信する回線特定結果送信手段を備え、前記決済装置が、前記決済依頼情報転送手段によって転送された前記決済依頼情報を受信すると、前記回線特定可能通信網に対して前記回線特定依頼を送信する回線特定依頼送信手段と、前記回線特定結果送信手段によって送信された前記回線識別子を受信すると、当該回線識別子に対応する回線利用料に前記債務金額を加算し、前記債権者識別子に対応する売上に前記債務金額を加算する債務金額重畳手段と、を備えたことを特徴とする。
【0023】
また、請求項14に係る発明は、利用中の通信回線の回線識別子を一意に特定できる回線特定可能通信網に回線接続された債務者装置と、当該債務者装置と通信網を介して通信可能な債権者装置と、前記通信網に接続された決済装置とで構成される決済システムにおいて、前記決済装置が債務者装置の回線利用料に債務金額を重畳して決済する決済システムであって、前記債権者装置が、前記債務者装置に債権者識別子と債務金額とを含む決済依頼情報を送信する決済依頼情報送信手段を備え、前記債務者装置が、前記決済依頼情報送信手段によって送信された前記決済依頼情報を受信すると、当該決済依頼情報を前記通信網に接続された前記決済装置へ転送する決済依頼情報転送手段と、前記決済装置によって送信された回線特定依頼を受信すると、当該回線特定依頼を前記回線特定可能通信網に転送する回線特定依頼転送手段と、前記回線特定可能通信網によって送信された回線識別子を受信すると、当該回線識別子を前記決済装置に転送する回線特定結果転送手段と、を備え、前記回線特定可能通信網が、前記回線特定依頼転送手段によって転送された前記回線特定依頼を受信すると、前記債務者装置が利用している前記通信回線の回線識別子を特定し、前記債務者装置に当該回線識別子を送信する回線特定結果送信手段を備え、前記決済装置が、前記決済依頼情報転送手段によって転送された前記決済依頼情報を受信すると、前記債務者装置に対して前記回線特定依頼を送信する回線特定依頼送信手段と、前記回線特定結果転送手段によって転送された前記回線識別子を受信すると、当該回線識別子に対応する回線利用料に前記債務金額を加算し、前記債権者識別子に対応する売上に前記債務金額を加算する債務金額重畳手段と、を備えたことを特徴とする。
【0024】
また、請求項15に係る発明は、前記決済装置が、前記決済依頼情報を受信すると、前記債務者装置との間で個人認証処理を実施する個人認証手段をさらに備え、前記債務金額重畳手段は、前記個人認証手段によって実施された個人認証処理が失敗した場合には、前記加算を中断することを特徴とする。
【0025】
また、請求項16に係る発明は、前記決済依頼情報送信手段は、前記債権者識別子と前記債務金額とともに、当該債権者識別子と当該債務金額とを含む情報に対する電子署名をさらに含む決済依頼情報を前記債務者装置に送信し、前記決済装置が、前記決済依頼情報を受信すると、当該決済依頼情報に含まれた電子署名を検証する検証処理を実施する電子署名検証手段をさらに備え、前記債務金額重畳手段は、前記電子署名検証手段によって実施された検証処理が失敗した場合には、前記加算を中断することを特徴とする。
【0026】
また、請求項17に係る発明は、前記決済装置が、前記決済依頼情報を受信すると、前記債権者装置との間で当該決済依頼情報の内容確認処理を実施する内容確認手段をさらに備え、前記債務金額重畳手段は、前記内容確認手段によって実施された内容確認処理の結果、内容確認処理が失敗した場合には、前記加算を中断することを特徴とする。
【0027】
また、請求項18に係る発明は、前記回線特定結果送信手段は、前記回線識別子とともに、前記回線に関する属性情報を前記決済装置に送信し、前記決済装置が、前記属性情報を受信すると、当該属性情報に基づいて、処理の続行可否を判断する続行可否判断手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0028】
また、請求項19に係る発明は、前記回線特定結果送信手段は、前記回線識別子とともに、前記回線に関する属性情報を前記決済装置に送信し、前記決済装置が、前記属性情報を受信すると、当該属性情報に基づいて、決済手数料を決定する手数料決定手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0029】
また、請求項20に係る発明は、前記回線特定結果送信手段は、前記回線特定可能通信網内で前記債務者装置に付与されたIPアドレスに基づいて、前記回線の回線識別子を特定し、当該回線識別子を送信することを特徴とする。
【0030】
また、請求項21に係る発明は、前記回線特定結果送信手段は、前記回線特定可能通信網の発信者番号通知機能に基づいて、前記回線の回線識別子を特定し、当該回線識別子を送信することを特徴とする。
【0031】
また、請求項22に係る発明は、前記回線特定結果送信手段は、前記回線特定可能通信網内に接続するための前記債務者装置の回線接続部の接続機器識別番号に基づいて、前記回線の回線識別子を特定し、当該回線識別子を送信することを特徴とする。
【0032】
また、請求項23に係る発明は、請求項1〜11のいずれか一つに記載の決済方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0033】
請求項1、12または23の発明によれば、債務者装置が債権者装置から受信した決済依頼情報を決済装置に転送することにより、債権者装置が回線特定可能通信網に接続していない場合や、回線特定可能通信網の提供事業者等が提供する決済プラットフォームに出店していない場合でも、決済装置が回線特定可能通信網によって付加された回線識別子に基づいて債務者の回線特定可能通信網の回線利用料に重畳する決済を利用することができる結果、債権者装置側に対する制約を軽減するとともに、債務者装置が接続する通信回線を確実に特定し、その回線利用料金に重畳して債務金額を回収することが可能である。また、債務者が債務者装置による決済依頼情報の転送を実施しなければ決済が実施されないため、転送が実施された場合には、債務者の決済実施意思があると確認することが可能である。
【0034】
また、請求項2、13または23の発明によれば、債務者装置が債権者装置から受信した決済依頼情報を決済装置に転送する事により、債権者装置が回線特定可能通信網に接続していない場合や、回線特定可能通信網の提供事業者等が提供する決済プラットフォームに出店していない場合も、決済装置が回線特定可能通信網に債務者装置の利用回線の特定を依頼し、その返信として取得した回線識別子に基づいて債務者の回線特定可能通信網の回線利用料に重畳する決済を利用することができる結果、債権者装置側に対する制約を軽減するとともに、債務者装置が接続する通信回線を確実に特定し、その回線利用料金に重畳して債務金額を回収することが可能である。また、債務者が債務者装置による決済依頼情報の転送を実施しなければ決済が実施されないため、転送が実施された場合には債務者の決済実施意思があると確認することが可能である。
【0035】
また、請求項3、14または23の発明によれば、債務者装置が債権者装置から受信した決済依頼情報を決済装置に転送し、決済装置から受信した回線特定依頼を回線特定可能通信網に転送することにより、債権者装置が回線特定可能通信網に接続していない場合や、回線特定可能通信網の提供事業者等が提供する決済プラットフォームに出店していない場合や、決済装置が回線特定可能通信網に接続していない場合でも、決済装置が回線特定可能通信網に債務者装置の利用回線の特定を依頼し、その返信として取得した回線識別子に基づいて債務者の回線特定可能通信網の回線利用料に重畳する決済を利用することができる結果、債権者装置側に対する制約を軽減するとともに、債務者装置が接続する通信回線を確実に特定し、その回線利用料金に重畳して債務金額を回収することが可能である。また、債務者が債務者装置による決済依頼情報の転送を実施しなければ決済が実施されないため、転送が実施された場合には債務者の決済実施意思があると確認することが可能である。
【0036】
また、請求項4、15または23の発明によれば、個人認証処理を行うので、債務者個人を特定することができるため、代金回収時の請求先を、回線契約者でなく特定された債務者にすることができ、また、取引の安全を確保することが可能である。
【0037】
また、請求項5、16または23の発明によれば、電子署名の検証処理を行うので、決済依頼情報の改竄を防ぐことができ、より正確で安全な決済を行うことが可能である。
【0038】
また、請求項6、17または23の発明によれば、決済依頼の内容を確認する処理を行うので、決済依頼情報の改竄が無いか債権者装置に確認することができ、より正確で安全な決済を行うことが可能である。
【0039】
また、請求項7、18または23の発明によれば、回線特定可能通信網が持つ回線の属性情報(住所、利用限度額、料金支払状況等)を基に決済処理の続行可否を判断することが可能である。
【0040】
また、請求項8、19または23の発明によれば、回線特定可能通信網が持つ回線の属性情報(住所、利用限度額、料金支払状況等)を基に決済手数料を決定することが可能である。
【0041】
また、請求項9、20または23の発明によれば、回線特定可能通信網としてIP網で構成された網を利用することが可能である。
【0042】
また、請求項10、21または23の発明によれば、回線特定可能通信網として電話網(PSTN、ISDN、IMS等のSIP網(NGN、携帯電話網))で構成された網を利用することが可能である。
【0043】
また、請求項11、22または23の発明によれば、回線特定可能通信網としてEthernet(登録商標)を利用して回線識別子としてMACアドレス等の物理IDを利用したり、回線特定可能通信網として携帯電話網等を利用して回線識別子としてSIM−IDを利用したりすることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下に、本発明に係る決済方法、決済システムおよび決済プログラムの実施の形態について説明する。まず最初に、図1〜3を用いて、本発明の概要を説明する。図1〜3は、本発明の原理構成を説明するための図である。
【0045】
図1に示すように、決済システム1は、商品(または、コンテンツダウンロード等の情報)を利用者に販売する店舗の債権者装置10と、商品を購入する利用者の債務者装置20と、債権者装置10と債務者装置20との間の取引に係る決済を処理する決済機関の決済装置30とで構成される。
【0046】
また、同図に示すように、この債権者装置10と債務者装置20とは、利用回線の特定ができないインターネット40等を介して接続されている。また、債務者装置20と決済装置30とは、利用回線の特定が可能な回線特定可能通信網50を介して接続されている。なお、決済装置30は、記憶部として、債務者装置20ごとの回線利用料の合計額を記憶する回線利用料データ31と、債権者装置10ごとの売上の合計を記憶する売上データ32をそれぞれ保持する。
【0047】
このような構成のもと、決済システム1の債権者装置10は、債権者(店舗)を一意に識別する債権者識別子と債務金額とを含む決済依頼情報を債務者装置20に送信する(図1の(1)参照)。具体的には、債権者装置10は、債務者装置20から商品購入の要求を受け付けると、当該商品の金額と債権者識別子とを含む決済依頼情報を債務者装置に送信する。
【0048】
そして、債務者装置10は、送信された決済依頼情報を受信すると、当該決済依頼情報を回線特定可能通信網50に接続された決済装置30へ転送する(図1の(2)参照)。そして、回線特定可能通信網50は、転送された決済依頼情報の転送元である債務者装置10が利用している回線の回線識別子を特定し、決済依頼情報に当該回線識別子を付加して決済装置30へ送信する(図1の(3)参照)。
【0049】
その後、決済装置30は、送信された決済依頼情報を受信すると、決済依頼情報に付加された回線識別子に対応する回線利用料に、決済依頼情報に含まれた債務金額を重畳して決済を行う。具体的には、決済装置30は、決済依頼情報に付加された回線識別子に対応する回線利用料データ31に記憶される回線利用料に債務金額を加算し、決済依頼情報に含まれる債権者識別子に対応する売上データ32に記憶される売上に債務金額を加算する(図1の(4)参照)。その後、回線利用料データ31に記憶された金額を債務者装置20の利用者から回収し、売上データ32に記憶された金額を基に債権者に入金して決済を行う。
【0050】
このように、決済システム1では、債務者装置20が債権者装置10から受信した決済依頼情報を決済装置30に転送することにより、債権者装置10が回線特定可能通信網50に接続していない場合や、回線特定可能通信網の提供事業者等が提供する決済プラットフォームに出店していない場合でも、決済装置30が回線特定可能通信網50によって付加された回線識別子に基づいて債務者の回線特定可能通信網50の回線利用料に重畳する決済を利用することができる。また、債務者が債務者装置20による決済依頼情報の転送を実施しなければ決済が実施されないため、転送が実施された場合には、債務者の決済実施意思があると確認することが可能である。
【0051】
続いて、図2に示す決済システム1aについて説明する。同図に示すように、図2に示す決済システム1aでは、決済装置30が回線特定可能網50に回線識別子を問い合わせる。同図に示すように、決済システム1aを構成する債権者装置10、債務者装置20および決済装置30の接続関係については、上記した図1の決済システム1と同様である。
【0052】
同図に示すように、決済システム1aの債権者装置10が債権者識別子と債務金額とを含む決済依頼情報を債務者装置20に送信し(図2の(1)参照)、債務者装置20が送信された決済依頼情報を回線特定可能通信網50に接続された決済装置30へ転送した後(図2の(2)参照)、決済装置30は、転送された決済依頼情報を受信すると、回線特定可能通信網50に対して回線特定依頼を送信する(図2の(3)参照)。
【0053】
そして、回線特定可能通信網50は、送信された回線特定依頼を受信すると、債務者装置20が利用している回線の回線識別子を特定し、決済装置30に回線識別子を送信する(図2の(4)参照)。その後、決済装置30は、送信された回線識別子を受信すると、当該回線識別子に対応する回線利用料に、決済依頼情報に含まれた債務金額を重畳して決済を行う(図2の(5)参照)。
【0054】
このように、決済システム1aでは、債務者装置20が債権者装置10から受信した決済依頼情報を決済装置30に転送する事により、債権者装置10が回線特定可能通信網50に接続していない場合や、回線特定可能通信網50の提供事業者等が提供する決済プラットフォームに出店していない場合も、決済装置30が回線特定可能通信網50に債務者装置20の利用回線の特定を依頼し、その返信として取得した回線識別子に基づいて債務者の回線特定可能通信網50の回線利用料に重畳する決済を利用することができる。また、債務者が債務者装置による決済依頼情報の転送を実施しなければ決済が実施されないため、転送が実施された場合には債務者の決済実施意思があると確認することができる。
【0055】
次に、図3に示す決済システム1bについて説明する。同図に示すように、決済システム1bでは、決済装置30が債務者装置20に回線識別子を依頼し、債務者装置20が回線特定可能通信網50に回線識別子を問い合わせる。また、同図に示すように、この債権者装置10と債務者装置20と決済装置30は、利用回線の特定ができないインターネット40等を介してそれぞれ接続されている。また、債務者装置20は、利用回線の特定が可能な回線特定可能通信網50に接続されている。
【0056】
このような構成のもと、決済システム1bでは、債権者装置10が債権者識別子と債務金額とを含む決済依頼情報を債務者装置20に送信し(図3の(1)参照)、債務者装置20が送信された決済依頼情報をインターネット40に接続された決済装置30へ転送した後(図3の(2)参照)、決済装置30は、転送された決済依頼情報を受信すると、債務者装置20に対して回線特定依頼を送信する(図3の(3)参照)。
【0057】
そして、債務者装置20は、送信された回線特定依頼を受信すると、当該回線特定依頼を回線特定可能通信網50に転送する(図3の(4)参照)。続いて、回線特定可能通信網50は、送信された回線特定依頼を受信すると、債務者装置20が利用している回線の回線識別子を特定し、債務者装置20に回線識別子を返信する(図3の(5)参照)。
【0058】
そして、債務者装置20が、回線識別子を受信すると、当該回線識別子を決済装置30に転送する(図3の(6)参照)。その後、決済装置30は、転送された回線識別子を受信すると、当該回線識別子に対応する回線利用料に、決済依頼情報に含まれた債務金額を重畳して決済を行う(図3の(7)参照)。
【0059】
このように、決済システム1bでは、債務者装置20が債権者装置10から受信した決済依頼情報を決済装置30に転送し、決済装置30から受信した回線特定依頼を回線特定可能通信網50に転送することにより、債権者装置10が回線特定可能通信網50に接続していない場合や、回線特定可能通信網50の提供事業者等が提供する決済プラットフォームに出店していない場合や、決済装置30が回線特定可能通信網50に接続していない場合でも、決済装置30が回線特定可能通信網50に債務者装置20の利用回線の特定を依頼し、その返信として取得した回線識別子に基づいて債務者の回線特定可能通信網50の回線利用料に重畳する決済を利用することができる。また、債務者が債務者装置20による決済依頼情報の転送を実施しなければ決済が実施されないため、転送が実施された場合には債務者の決済実施意思があると確認することができる。
【0060】
次に、上記した決済システム1〜1bの処理に個人認証処理を追加した場合について、図4を用いて説明する。同図に示すように、決済装置30は、決済依頼情報を受信してから、回線利用料に債務金額を重畳して決済を行うまでの間に、債務者装置20との間で個人認証を実施する。ここで、決済装置30は、個人認証処理が失敗した場合には、以後の処理を中断する。
【0061】
具体的には、決済装置30は、債務者装置20または回線特定可能通信網50から決済依頼情報を受信すると、債務者装置20との間で個人認証処理(例えば、ID/パスワードを要求し、予め保持する利用者のID/パスワードと一致するか検証する処理)を実施する。そして、決済装置30は、個人認証処理が成功した場合には、決済を行い、個人認証処理が失敗した場合には、決済を中断する。
【0062】
このように、決済装置30が個人認証処理を行うので、債務者個人を特定することができるため、代金回収時の請求先を、回線契約者でなく特定された債務者にすることができ、また、取引の安全を確保することが可能である。
【0063】
次に、上記した決済システム1〜1bにおいて、決済依頼情報に電子署名をさらに含め、電子署名の検証処理を追加した場合について、図5を用いて説明する。同図に示すように、債権者装置10は、決済依頼情報に対して債権者識別子と債務金額とともに、債権者識別子と債務金額とを含む情報に対する電子署名をさらに含めて債務者装置20に送信する。その後、決済装置30が決済依頼情報を受信すると、電子署名を検証し、検証が成功した場合には、決済を行い、検証が失敗した場合には、以後の処理を中断する。
【0064】
このように、決済装置30が電子署名の検証処理を行うので、決済依頼情報の改竄を防ぐことができ、より正確で安全な決済を行うことが可能である。
【0065】
次に、上記した決済システム1〜1bの処理に決済依頼の内容を確認する処理を追加した場合について、図6を用いて説明する。同図に示すように、決済装置30は、決済依頼情報を受信してから、回線利用料に債務金額を重畳して決済を行うまでの間に、債権者装置10との間で決済依頼情報の内容確認処理を実施する。その後、決済装置30は、決済依頼情報の内容確認の結果、内容確認処理が成功した場合には、決済を行い、内容確認処理が失敗した場合には、以後の処理を中断する。
【0066】
このように、決済依頼の内容を確認する処理を行うので、決済依頼情報の改竄が無いか債権者装置10に確認することができ、より正確で安全な決済を行うことが可能である。
【実施例1】
【0067】
以下の実施例では、実施例1に係る決済システムについて説明した後、実施例1による効果を説明する。なお、以下では、店舗サーバ10Aが決済サーバ30Aに対して利用者の商品購入代金の決済を依頼し、依頼された決済サーバ30Aが決済を行う決済システム1Aに本発明を適用する例を説明する。
【0068】
ここで、図7を用いて、実施例1に係る決済システムの構成および動作手順について説明する。図7は、実施例1に係る決済システムのシステム構成および動作手順を説明するための図である。
【0069】
同図に示すように、実施例1に係る決済システム1Aでは、インターネット40A上に設定された店舗サーバ10Aから、NGN(または、地域IP網)などの回線事業者が提供する閉域IP網50A上に設置された通信事業者が運営する決済サーバ30Aに対して、利用者の商品購入代金の決済を依頼する場合のシステム構成およびその動作手順を説明する。
【0070】
債権者装置10Aは、インターネットサービスプロバイダ(ISP)60aを介してインターネット40Aに接続された店舗サーバであり、例えば物品販売やコンテンツダウンロード等の情報販売を、インターネット40Aを介して提供している。
【0071】
債務者たる利用者は、債務者装置20Aたるパーソナルコンピュータ(PC)または携帯電話端末を利用して、インターネット40A上の店舗サーバ10Aから商品を購入する。
【0072】
債務者装置20Aは、通信事業者の提供する閉域IP網50Aを介してISP60bに接続し、ISP60bを介してインターネット40Aに接続しており、インターネット40A上のサーバにも、閉域IP網50A内の装置(決済サーバ30Aを含む)にも接続可能である。
【0073】
ここで、店舗サーバ10Aが通信事業者に対して、債務者装置が購入する商品の代金債務を回線利用料金へ重畳する旨を依頼し、当該依頼を受けた通信事業者が代金を回収する手順を以下に説明する。
【0074】
店舗サーバ10Aは、代金と店舗IDと依頼日時と店舗内で付与した取引IDとを含む情報に、当該情報に対する店舗サーバ10Aの電子署名を付加した決済依頼データを生成し、債務者装置20Aに送信する。この送信手順では、例えば、債務者装置20Aに搭載されたHTTPブラウザの機能を利用し、HTTPリクエストへの応答として実現することができる。
【0075】
そして、決済依頼データを受信した債務者装置20Aは、閉域IP網50A上の決済サーバ30Aに決済依頼データを転送する。この転送手順は、例えば債務者装置に搭載されたHTTPブラウザの機能を利用し、POSTメソッド等によるHTTPリダイレクションにより実現することができる。
【0076】
決済依頼データを受信した決済サーバ30Aは、受信の際に閉域IP網から通知される債務者装置20AのIPアドレスを取得し、電子署名を検証し、決済依頼データに含まれる店舗IDに対応する店舗の電子署名である事を確認する。もし、ここで電子署名が検証失敗した場合には、ここで決済処理を中断し、エラー通知を債務者装置20Aに送信し、債務者装置20Aがエラー通知を店舗サーバ10Aに転送することで取引を中止する。
【0077】
また、電子署名が検証成功した場合には、債務者装置20AのIPアドレスを用いて通信事業者が閉域IP網50A上に設置した回線識別サーバ51Aに回線識別依頼を送信し、回線IDの返信を得る。ここで回線IDとして、例えば電話番号や回線の物理ID(債務者装置20Aの回線接続部の接続機器識別番号)や回線契約IDであってもよい。
【0078】
債務者装置20Aが接続された回線の回線IDを取得した決済サーバ30Aは、当該回線IDに対応する回線料金請求データに決済依頼データに記載された代金金額を追加する事によって回線料金に債務を重畳する。同時に、店舗IDに対応する売上データに代金金額を追加する。その後、債務者装置20の利用者から代金を回収して決済を行う。
【0079】
また、上記する決済サーバ30Aでは、閉域IP網50A上にある場合を説明したが、図8に示すように、決済サーバをインターネット40A上に設置していてもよく、決済サーバ30Aからの回線識別依頼を債務者装置20Aに送信し、債務者装置20Aが閉域IP網50A上に設置された回線識別サーバ51Aに回線識別依頼を転送し、回線識別サーバ51Aが債務者装置20Aに閉域IP網内で振られたIPアドレスを取得し、それに基づいて特定した回線IDを債務者装置20Aに返信し、債務者装置20Aが回線IDをインターネット上の決済サーバに転送することによって実現することも可能である。
【0080】
また、決済処理について具体的に説明すると、例えば、通信事業者は、店舗から債権を買い取り、売上データに基づいて債権購入金額を店舗指定の銀行口座に入金する。ここで、入金金額は一般的には、売上データから決済サービスの利用状況に応じた手数料を差し引いた金額となる。
【0081】
そして、通信事業者は、回線利用料金の徴収に際して、重畳された代金分の金額も債務者たる利用者から回収する。なお、代金回収の方法として、銀行引き落とし、請求書払い、または訪問集金等が考えられる。
【0082】
ここで、上記では通信事業者等の決済事業者が、債権者たる店舗から代金債権を買い取り、債権購入代金を債務者たる利用者からの代金回収に先立って店舗に入金する債権買取型の決済サービスの手順を記載したが、本発明は債務者たる利用者からの代金回収が確認された後に店舗に入金する回収代行型の決済サービスにも適用できる。
【0083】
また、回線IDの返信と供に、回線に関して管理される属性情報、例えば設置場所情報、契約者情報、請求先情報、利用限度額、料金支払状況等が返信される実施例も考えられる。この場合、決済サーバ30Aは、この属性情報に基づいて処理の続行可否を判断したり、決済手数料(金額または料率)を決定することもできる。
【0084】
なお、電子署名の生成・検証方法については、従来から様々な方法が知られており、RSA暗号やECDSA暗号等の公開鍵暗号に基づく電子署名生成・検証方法などがあるが、本発明の実施例がこれらの電子署名方法の自由な選択を妨げるものではない。
【0085】
[実施例1の効果]
上述してきたように、実施例1に係る決済システム1Aでは、債務者装置20Aが店舗サーバ10Aから受信した決済依頼データを決済サーバ30Aに転送する事により、店舗サーバ10Aが閉域IP網50Aに接続していない場合や、閉域IP網50Aの提供事業者等が提供する決済プラットフォームに出店していない場合も、決済サーバ30Aが回線特定可能通信網50に債務者装置20Aの利用回線の特定を依頼し、その返信として取得した回線識別子に基づいて債務者の閉域IP網50Aの回線利用料に重畳する決済を利用することができる。また、債務者が債務者装置20Aによる決済依頼情報の転送を実施しなければ決済が実施されないため、転送が実施された場合には債務者の決済実施意思があると確認することが可能である。
【0086】
また、実施例1によれば、決済サーバ30Aが、電子署名の検証処理を行うので、決済依頼データの改竄を防ぐことができ、より正確で安全な決済を行うことが可能である。
【0087】
また、実施例1によれば、決済サーバ30Aが、回線特定可能通信網が持つ回線の属性情報(例えば、設置場所情報、契約者情報、請求先情報、利用限度額、料金支払状況等)を基に決済処理の続行可否を判断することが可能である。
【0088】
また、実施例1によれば、決済サーバ30Aが、回線特定可能通信網が持つ回線の属性情報(例えば、設置場所情報、契約者情報、請求先情報、利用限度額、料金支払状況等)を基に決済手数料を決定することが可能である。
【0089】
また、実施例1によれば、回線特定可能通信網としてIP網で構成された網を利用することが可能である。
【0090】
また、実施例1によれば、例えば、回線特定可能通信網としてEthernet(登録商標)を利用して回線IDとしてMACアドレス等の物理IDを利用したり、回線特定可能通信網として携帯電話網等を利用して回線IDとしてSIM−IDを利用したりすることが可能である。
【実施例2】
【0091】
ところで、上記の実施例1では、インターネット40A上に設定された店舗サーバ10Aから、NGN(または、地域IP網)50Aなどの回線事業者が提供する閉域IP網上に設置された通信事業者が運営する決済サーバ30Aに対して、利用者の商品購入代金の決済を依頼する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、インターネット上に設置された店舗サーバ10Bから、携帯電話事業者が提供する決済サービスに対して、利用者の商品購入債務の決済を依頼する場合に本発明を適用するようにしてもよい。
【0092】
そこで、以下の実施例2では、インターネット40B上に設置された店舗サーバ10Bから、携帯電話事業者が提供する決済サービスに対して、利用者の商品購入債権の決済を依頼する場合として、図9を用いて、実施例2に係る決済システムの構成を説明する。図9は、実施例2に係る決済システムのシステム構成および動作手順を説明するための図である。
【0093】
同図に示すように、債権者装置10Bは、インターネットサービスプロバイダ(ISP)60を介してインターネット40Bに接続された店舗サーバであり、例えば物品販売やコンテンツダウンロード等の情報販売を、インターネット40Bを介して提供している。
【0094】
債務者たる利用者は、債務者装置20Bたる携帯電話端末を利用して、インターネット40B上の店舗サーバ10Bから商品を購入する。債務者装置20Bは、携帯電話事業者の提供するコアIP網70を介してインターネット接続をしており、インターネット40B上のサーバにも、コアIP網70内の装置(決済サーバ30Bを含む)にも接続可能であるものとする。また、携帯電話網はコアIP網70上にIMS(IP Multimedia Subsystem)80として構築されており、SIP手順による音声発呼や、TCP接続が利用可能とする。
【0095】
ここで、この商品の代金債権を、店舗サーバ10Bが携帯電話事業者に対して回線利用料金への重畳を依頼し、代金を回収する手順を以下に説明する。
【0096】
店舗サーバ10Bは、代金と店舗IDを含む決済依頼データを生成し、債務者装置20Bに送信する。この送信手順は、例えば債務者装置20Bに搭載されたHTTPブラウザの機能を利用し、HTTPリクエストへの応答として実現することができる。
【0097】
そして、決済依頼データを受信した債務者装置20Bは、IMS80を介して決済サーバ30Bに対してSIP手順によりTCP接続を張り、その接続を利用して決済サーバ30Bに決済依頼データを転送する。
【0098】
決済依頼データを受信した決済サーバ30Bは、SIP手順のINVITEメソッド受信の際に、IMS80から発信者番号通知機能により通知される債務者装置20Bの発信者番号(SIP−URI)を取得し、例えば専用線やVPN等の通信手段を介して店舗IDに対応する店舗サーバ10Bと通信し、決済依頼データの内容確認を依頼する。店舗サーバ10Bが内容を否決した場合には、ここで決済処理を中断し、エラー通知を店舗サーバ10Bに送信することで取引を中止する。
【0099】
店舗サーバ10Bが内容を承認した場合には、TCP接続を利用して債務者装置20BにIDおよびパスワードを要求する。そして、債務者装置20Bは、ID/パスワード入力要求画面を表示し、利用者がID/パスワードを入力したら、ID/パスワードをTCP接続を利用して決済装置30Bに送信する。
【0100】
そして、決済サーバ30Bは、ID/パスワードが当該発信者番号に対応した利用者のものと一致することを検証し、検証が失敗した場合には、ここで決済処理を中断し、エラー通知を店舗サーバ10Bに送信することで取引を中止する。また、ID/パスワード検証が成功した場合には、債務者装置20Bの発信者番号に対応する回線料金請求データに、決済依頼データに記載された代金金額を追加する事によって回線料金に債務を重畳する。同時に、店舗IDに対応する売上データに代金金額を追加する。
【0101】
ここで、発信者番号に対応するID/パスワードは、一つでも複数でもよい。また、複数のID/パスワードを用意することで、同一の回線を介して複数の利用者が回線料金に重畳した決済を利用でき、個々の決済依頼がどのIDの利用者のものかを分別して計上することができる。
【0102】
携帯電話事業者は、この手順により店舗から回収代行を受け付け、債務者への回線利用料金と重畳した請求・回収を行う。また、携帯電話事業者は、利用者からの当該代金が回収できた場合には、売上データに基づいて精算金額を店舗指定の銀行口座に入金する。ここで、入金金額は一般には、売上データから決済サービスの利用状況に応じた手数料を差し引いた金額となる。携帯電話事業者は、もし代金が一定期間内に回収できない場合には、回収代行不能と判断して回収代行を拒否する。
【0103】
また、本発明は、特に債権者装置たる店舗サーバ10Bが、債務者装置20Bが接続している回線の特定が難しい通信網上に設置された場合に効果を発揮するために為されたものであるが、あえて店舗サーバ10Bを回線の特定が可能な通信網上に設置してもよい。
【0104】
[実施例2の効果]
上述してきたように、実施例2に係る決済システム1Bでは、債務者装置20Bが店舗サーバ10Bから受信した決済依頼情報を決済サーバ30Bに転送することにより、店舗サーバ10BがIMS80に接続していない場合でも、決済サーバ30BがIMS80によって付加された発信者番号に基づいて債務者の回線利用料に重畳する決済を利用することができる。また、債務者が債務者装置20Bによる決済依頼情報の転送を実施しなければ決済が実施されないため、転送が実施された場合には、債務者の決済実施意思があると確認することが可能である。
【0105】
また、実施例2によれば、決済サーバ30Bが、個人認証処理を行うので、債務者個人を特定することができるため、代金回収時の請求先を、回線契約者でなく特定された債務者にすることができ、また、取引の安全を確保することが可能である。
【0106】
また、実施例2によれば、決済サーバ30Bが、決済依頼の内容を確認する処理を行うので、決済依頼情報の改竄が無いか店舗サーバ10Bに確認することができ、より正確で安全な決済を行うことが可能である。
【0107】
また、実施例2によれば、回線特定可能通信網として、電話網(PSTN、ISDN、IMS等のSIP網(NGN、携帯電話網))で構成された網を利用することが可能である。
【実施例3】
【0108】
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
【0109】
図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0110】
また、本実施例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0111】
以上のように、本発明に係る決済方法、決済システムおよび決済プログラムは通信回線の利用料金に重畳して債務を回収する場合に有用であり、特に、店舗(債権者)側に対する制約を軽減するとともに、債務者装置が接続する通信回線を確実に特定し、その回線利用料金に重畳して債務金額を回収することに適する。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】本発明の原理構成を説明するための図である。
【図2】本発明の原理構成を説明するための図である。
【図3】本発明の原理構成を説明するための図である。
【図4】決済装置と債務者装置との間で実施される個人認証処理を説明するための図である。
【図5】決済装置が実施する電子署名の検証処理を説明するための図である。
【図6】決済装置と債権者装置との間で実施される決済依頼の内容確認処理を説明するための図である。
【図7】実施例1に係る決済システムのシステム構成および動作手順を説明するための図である。
【図8】実施例1に係る決済システムの他のシステム構成および動作手順を説明するための図である。
【図9】実施例2に係る決済システムのシステム構成および動作手順を説明するための図である。
【符号の説明】
【0113】
1、1a、1b 決済システム
10 債権者装置
20 債務者装置
30 決済装置
31 回線利用料データ
32 売上データ
40 インターネット
50 回線特定可能通信網

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用中の通信回線の回線識別子を一意に特定できる回線特定可能通信網に回線接続された債務者装置と、当該債務者装置と通信網を介して通信可能な債権者装置と、前記回線特定可能通信網に接続された決済装置とで構成される決済システムにおいて、前記決済装置が債務者装置の回線利用料に債務金額を重畳して決済する決済方法であって、
前記債権者装置が、前記債務者装置に債権者識別子と債務金額とを含む決済依頼情報を送信する決済依頼情報送信ステップと、
前記債務者装置が、前記決済依頼情報送信ステップによって送信された前記決済依頼情報を受信すると、当該決済依頼情報を前記回線特定可能通信網を介して前記決済装置へ転送する決済依頼情報転送ステップと、
前記回線特定可能通信網が、前記決済依頼情報転送ステップによって転送された前記決済依頼情報の転送元である前記債務者装置が利用している前記通信回線の回線識別子を特定し、前記決済依頼情報に当該回線識別子を付加して前記決済装置へ送信する回線特定結果送信ステップと、
前記決済装置が、前記回線特定結果送信ステップによって送信された前記決済依頼情報を受信すると、前記回線識別子に対応する回線利用料に前記債務金額を加算し、前記債権者識別子に対応する売上に前記債務金額を加算する債務金額重畳ステップと、
を含んだことを特徴とする決済方法。
【請求項2】
利用中の通信回線の回線識別子を一意に特定できる回線特定可能通信網に回線接続された債務者装置と、当該債務者装置と通信網を介して通信可能な債権者装置と、前記回線特定可能通信網に接続された決済装置とで構成される決済システムにおいて、前記決済装置が債務者装置の回線利用料に債務金額を重畳して決済する決済方法であって、
前記債権者装置が、前記債務者装置に債権者識別子と債務金額とを含む決済依頼情報を送信する決済依頼情報送信ステップと、
前記債務者装置が、前記決済依頼情報送信ステップによって送信された前記決済依頼情報を受信すると、当該決済依頼情報を前記回線特定可能通信網に接続された前記決済装置へ転送する決済依頼情報転送ステップと、
前記決済装置が、前記決済依頼情報転送ステップによって転送された前記決済依頼情報を受信すると、前記回線特定可能通信網に対して回線特定依頼を送信する回線特定依頼送信ステップと、
前記回線特定可能通信網が、前記回線特定依頼送信ステップによって送信された前記回線特定依頼を受信すると、前記債務者装置が利用している前記通信回線の回線識別子を特定し、前記決済装置に当該回線識別子を送信する回線特定結果送信ステップと、
前記決済装置が、前記回線特定結果送信ステップによって送信された前記回線識別子を受信すると、当該回線識別子に対応する回線利用料に前記債務金額を加算し、前記債権者識別子に対応する売上に前記債務金額を加算する債務金額重畳ステップと、
を含んだことを特徴とする決済方法。
【請求項3】
利用中の通信回線の回線識別子を一意に特定できる回線特定可能通信網に回線接続された債務者装置と、当該債務者装置と通信網を介して通信可能な債権者装置と、前記通信網に接続された決済装置とで構成される決済システムにおいて、前記決済装置が債務者装置の回線利用料に債務金額を重畳して決済する決済方法であって、
前記債権者装置が、前記債務者装置に債権者識別子と債務金額とを含む決済依頼情報を送信する決済依頼情報送信ステップと、
前記債務者装置が、前記決済依頼情報送信ステップによって送信された前記決済依頼情報を受信すると、当該決済依頼情報を前記通信網に接続された前記決済装置へ転送する決済依頼情報転送ステップと、
前記決済装置が、前記決済依頼情報転送ステップによって転送された前記決済依頼情報を受信すると、前記債務者装置に対して回線特定依頼を送信する回線特定依頼送信ステップと、
前記債務者装置が、前記回線特定依頼送信ステップによって送信された前記回線特定依頼を受信すると、当該回線特定依頼を前記回線特定可能通信網に転送する回線特定依頼転送ステップと、
前記回線特定可能通信網が、前記回線特定依頼転送ステップによって転送された前記回線特定依頼を受信すると、前記債務者装置が利用している前記通信回線の回線識別子を特定し、前記債務者装置に当該回線識別子を送信する回線特定結果送信ステップと、
前記債務者装置が、前記回線特定結果送信ステップによって送信された前記回線識別子を受信すると、当該回線識別子を前記決済装置に転送する回線特定結果転送ステップと、
前記決済装置が、前記回線特定結果転送ステップによって転送された前記回線識別子を受信すると、当該回線識別子に対応する回線利用料に前記債務金額を加算し、前記債権者識別子に対応する売上に前記債務金額を加算する債務金額重畳ステップと、
を含んだことを特徴とする決済方法。
【請求項4】
前記決済装置が、前記決済依頼情報を受信すると、前記債務者装置との間で個人認証処理を実施する個人認証ステップをさらに含み、
前記債務金額重畳ステップは、前記個人認証ステップによって実施された個人認証処理が失敗した場合には、前記加算を中断することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の決済方法。
【請求項5】
前記決済依頼情報送信ステップは、前記債権者識別子と前記債務金額とともに、当該債権者識別子と当該債務金額とを含む情報に対する電子署名をさらに含む決済依頼情報を前記債務者装置に送信し、
前記決済装置が、前記決済依頼情報を受信すると、当該決済依頼情報に含まれた電子署名を検証する検証処理を実施する電子署名検証ステップをさらに含み、
前記債務金額重畳ステップは、前記電子署名検証ステップによって実施された検証処理が失敗した場合には、前記加算を中断することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の決済方法。
【請求項6】
前記決済装置が、前記決済依頼情報を受信すると、前記債権者装置との間で当該決済依頼情報の内容確認処理を実施する内容確認ステップをさらに含み、
前記債務金額重畳ステップは、前記内容確認ステップによって実施された内容確認処理の結果、内容確認処理が失敗した場合には、前記加算を中断することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の決済方法。
【請求項7】
前記回線特定結果送信ステップは、前記回線識別子とともに、前記回線に関する属性情報を前記決済装置に送信し、
前記決済装置が、前記属性情報を受信すると、当該属性情報に基づいて、処理の続行可否を判断する続行可否判断ステップをさらに含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の決済方法。
【請求項8】
前記回線特定結果送信ステップは、前記回線識別子とともに、前記回線に関する属性情報を前記決済装置に送信し、
前記決済装置が、前記属性情報を受信すると、当該属性情報に基づいて、決済手数料を決定する手数料決定ステップをさらに含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の決済方法。
【請求項9】
前記回線特定結果送信ステップは、前記回線特定可能通信網内で前記債務者装置に付与されたIPアドレスに基づいて、前記回線の回線識別子を特定し、当該回線識別子を送信することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の決済方法。
【請求項10】
前記回線特定結果送信ステップは、前記回線特定可能通信網の発信者番号通知機能に基づいて、前記回線の回線識別子を特定し、当該回線識別子を送信することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の決済方法。
【請求項11】
前記回線特定結果送信ステップは、前記回線特定可能通信網内に接続するための前記債務者装置の回線接続部の接続機器識別番号に基づいて、前記回線の回線識別子を特定し、当該回線識別子を送信することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の決済方法。
【請求項12】
利用中の通信回線の回線識別子を一意に特定できる回線特定可能通信網に回線接続された債務者装置と、当該債務者装置と通信網を介して通信可能な債権者装置と、前記回線特定可能通信網に接続された決済装置とで構成される決済システムにおいて、前記決済装置が債務者装置の回線利用料に債務金額を重畳して決済する決済システムであって、
前記債権者装置が、
前記債務者装置に債権者識別子と債務金額とを含む決済依頼情報を送信する決済依頼情報送信手段を備え、
前記債務者装置が、
前記決済依頼情報送信手段によって送信された前記決済依頼情報を受信すると、当該決済依頼情報を前記回線特定可能通信網を介して前記決済装置へ転送する決済依頼情報転送手段を備え、
前記回線特定可能通信網が、
前記決済依頼情報転送手段によって転送された前記決済依頼情報の転送元である前記債務者装置が利用している前記通信回線の回線識別子を特定し、前記決済依頼情報に当該回線識別子を付加して前記決済装置へ送信する回線特定結果送信手段を備え、
前記決済装置が、
前記回線特定結果送信手段によって送信された前記決済依頼情報を受信すると、前記回線識別子に対応する回線利用料に前記債務金額を加算し、前記債権者識別子に対応する売上に前記債務金額を加算する債務金額重畳手段を備えたことを特徴とする決済システム。
【請求項13】
利用中の通信回線の回線識別子を一意に特定できる回線特定可能通信網に回線接続された債務者装置と、当該債務者装置と通信網を介して通信可能な債権者装置と、前記回線特定可能通信網に接続された決済装置とで構成される決済システムにおいて、前記決済装置が債務者装置の回線利用料に債務金額を重畳して決済する決済システムであって、
前記債権者装置が、
前記債務者装置に債権者識別子と債務金額とを含む決済依頼情報を送信する決済依頼情報送信手段を備え、
前記債務者装置が、
前記決済依頼情報送信手段によって送信された前記決済依頼情報を受信すると、当該決済依頼情報を前記回線特定可能通信網に接続された前記決済装置へ転送する決済依頼情報転送手段を備え、
前記回線特定可能通信網が、
前記決済装置によって送信された回線特定依頼を受信すると、前記債務者装置が利用している前記通信回線の回線識別子を特定し、前記決済装置に当該回線識別子を送信する回線特定結果送信手段を備え、
前記決済装置が、
前記決済依頼情報転送手段によって転送された前記決済依頼情報を受信すると、前記回線特定可能通信網に対して前記回線特定依頼を送信する回線特定依頼送信手段と、
前記回線特定結果送信手段によって送信された前記回線識別子を受信すると、当該回線識別子に対応する回線利用料に前記債務金額を加算し、前記債権者識別子に対応する売上に前記債務金額を加算する債務金額重畳手段と、
を備えたことを特徴とする決済システム。
【請求項14】
利用中の通信回線の回線識別子を一意に特定できる回線特定可能通信網に回線接続された債務者装置と、当該債務者装置と通信網を介して通信可能な債権者装置と、前記通信網に接続された決済装置とで構成される決済システムにおいて、前記決済装置が債務者装置の回線利用料に債務金額を重畳して決済する決済システムであって、
前記債権者装置が、
前記債務者装置に債権者識別子と債務金額とを含む決済依頼情報を送信する決済依頼情報送信手段を備え、
前記債務者装置が、
前記決済依頼情報送信手段によって送信された前記決済依頼情報を受信すると、当該決済依頼情報を前記通信網に接続された前記決済装置へ転送する決済依頼情報転送手段と、
前記決済装置によって送信された回線特定依頼を受信すると、当該回線特定依頼を前記回線特定可能通信網に転送する回線特定依頼転送手段と、
前記回線特定可能通信網によって送信された回線識別子を受信すると、当該回線識別子を前記決済装置に転送する回線特定結果転送手段と、を備え、
前記回線特定可能通信網が、
前記回線特定依頼転送手段によって転送された前記回線特定依頼を受信すると、前記債務者装置が利用している前記通信回線の回線識別子を特定し、前記債務者装置に当該回線識別子を送信する回線特定結果送信手段を備え、
前記決済装置が、
前記決済依頼情報転送手段によって転送された前記決済依頼情報を受信すると、前記債務者装置に対して前記回線特定依頼を送信する回線特定依頼送信手段と、
前記回線特定結果転送手段によって転送された前記回線識別子を受信すると、当該回線識別子に対応する回線利用料に前記債務金額を加算し、前記債権者識別子に対応する売上に前記債務金額を加算する債務金額重畳手段と、
を備えたことを特徴とする決済システム。
【請求項15】
前記決済装置が、前記決済依頼情報を受信すると、前記債務者装置との間で個人認証処理を実施する個人認証手段をさらに備え、
前記債務金額重畳手段は、前記個人認証手段によって実施された個人認証処理が失敗した場合には、前記加算を中断することを特徴とする請求項12〜14のいずれか一つに記載の決済システム。
【請求項16】
前記決済依頼情報送信手段は、前記債権者識別子と前記債務金額とともに、当該債権者識別子と当該債務金額とを含む情報に対する電子署名をさらに含む決済依頼情報を前記債務者装置に送信し、
前記決済装置が、前記決済依頼情報を受信すると、当該決済依頼情報に含まれた電子署名を検証する検証処理を実施する電子署名検証手段をさらに備え、
前記債務金額重畳手段は、前記電子署名検証手段によって実施された検証処理が失敗した場合には、前記加算を中断することを特徴とする請求項12〜15のいずれか一つに記載の決済システム。
【請求項17】
前記決済装置が、前記決済依頼情報を受信すると、前記債権者装置との間で当該決済依頼情報の内容確認処理を実施する内容確認手段をさらに備え、
前記債務金額重畳手段は、前記内容確認手段によって実施された内容確認処理の結果、内容確認処理が失敗した場合には、前記加算を中断することを特徴とする請求項12〜16のいずれか一つに記載の決済システム。
【請求項18】
前記回線特定結果送信手段は、前記回線識別子とともに、前記回線に関する属性情報を前記決済装置に送信し、
前記決済装置が、前記属性情報を受信すると、当該属性情報に基づいて、処理の続行可否を判断する続行可否判断手段をさらに備えたことを特徴とする請求項12〜17のいずれか一つに記載の決済システム。
【請求項19】
前記回線特定結果送信手段は、前記回線識別子とともに、前記回線に関する属性情報を前記決済装置に送信し、
前記決済装置が、前記属性情報を受信すると、当該属性情報に基づいて、決済手数料を決定する手数料決定手段をさらに備えたことを特徴とする請求項12〜18のいずれか一つに記載の決済システム。
【請求項20】
前記回線特定結果送信手段は、前記回線特定可能通信網内で前記債務者装置に付与されたIPアドレスに基づいて、前記回線の回線識別子を特定し、当該回線識別子を送信することを特徴とする請求項12〜19のいずれか一つに記載の決済システム。
【請求項21】
前記回線特定結果送信手段は、前記回線特定可能通信網の発信者番号通知機能に基づいて、前記回線の回線識別子を特定し、当該回線識別子を送信することを特徴とする請求項12〜19のいずれか一つに記載の決済システム。
【請求項22】
前記回線特定結果送信手段は、前記回線特定可能通信網内に接続するための前記債務者装置の回線接続部の接続機器識別番号に基づいて、前記回線の回線識別子を特定し、当該回線識別子を送信することを特徴とする請求項12〜19のいずれか一つに記載の決済システム。
【請求項23】
請求項1〜11のいずれか一つに記載の決済方法をコンピュータに実行させることを特徴とする決済プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2009−230517(P2009−230517A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−75806(P2008−75806)
【出願日】平成20年3月24日(2008.3.24)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】