説明

河川・水路・運河下の集約的な構成の地下構造

【課題】この発明は、人口の集中する都心部の高架自動車専用路の交通上、安全上、環境上等の問題を改善し、自然環境の回復や道路の確保のみならず、ライフラインや駐車場の確保とともに、防災、有事対応、環境浄化、活性化に貢献する施設を設けられる構造物を提供することを目的としている
【解決手段】現存するあるいはかつて存在した河川や運河や水路の地下を利用して、周辺の地域に必要な施設・設備を整備可能にする地下の構造物を設け、問題の解決につながる施設や設備をその構造物の中に整備する。
その構造物に入る施設の例としては、道路、ライフライン、地下鉄路、駐車場、空気・熱・水の処理施設、防災施設、保管庫、公共公益施設、商業・流通・業務・情報施設・設備などがあり、それらを必要に応じて複合させて設置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
河川・運河等の地下を利用し、既存都心部の複雑に交錯する道路、鉄道、情報幹線、電力・ガスなどのエネルギー幹線、上下水道などの都市の基盤となるもの(以下都市基盤施設)の改善とともに、環境の回復や地域の活性化に貢献する施設を、一括化できるように構築する地下構造に関する。
【背景技術】
【0002】
都心部自動車専用道路の建設では、河川沿い上部を使って高架道路をつくる技術や、運河の用地を利用して道路に変える技術があるが、その技術は、景観的問題のみなら環境問題も生んできた。
【0003】
一方、地下自動車道路や地下鉄道とともに、共同溝の役割を果たす機能を併設する地下構造の技術があるが、都心の道路下には、既存地下鉄道や、設備の幹線が交互に錯綜し、整備や更新の工事が難しい場所もあり、人口集中、経済活動の活発な場所のために、地域の活性化や環境貢献につながるあり方が求められている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、人口の集中する都心部の高架自動車専用路の交通上、安全上、環境上等の問題を改善し、自然環境の回復や道路の確保のみならず、情報幹線、電力・ガスなどのエネルギー幹線、上下水道(以下ライフライン)や駐車場の確保とともに、防災、有事対応、環境浄化、活性化に貢献する施設を設けられる構造物を提供することを目的としている
【課題を解決するための手段】
【0005】
現存するあるいはかつて存在した河川や運河や水路の地下を利用して、周辺の地域に必要な施設・設備を整備可能にする地下の構造物を設け、問題の解決につながる施設や設備をその構造物の中に整備する。
【0006】
その構造物に入る施設・設備の例としては、道路、ライフライン、地下鉄路、駐車場、空気・熱・水の処理施設、防災施設、保管庫、公共公益施設、商業・流通・業務・情報施設・設備などがあり、それらを必要に応じて複合させて設置する。
【発明の効果】
【0007】
複雑且つ高度に関連し、時代とともに変化する都市に必要な都市基盤施設や様々な施設・設備を、併設できる本地下構造によって、耐震性・防災性を備えたより安全な道路・ライフライン・公共交通など都市基盤施設を合理的に複合することが実現でき、都市の自然環境の回復に役立つ水の環境が確保でき、観光や交通に貢献する水運の可能性が広がり、自動車通行等による発生する空気汚染や熱への集中管理や水の活用の管理の可能性が広がり、駐車場の併設によって駐車場不足の問題の軽減とともに地上周辺へ広がる自動車通行の量が軽減し、地域に必要とされる公共公益施設や商業施設や流通施設や業務施設や情報施設や関連設備などの併設によって活性化に貢献し、防災施設や備蓄施設の確保が可能になることによって有事や災害の備えに対応でき、自然的あるいは歴史的な景観の回復や保全になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は、本発明の実施形態の例の全体像を示すもので、地下構造を、一部切断面を見せた透視図で示しており、現存するあるいはかつて存在した河川・運河・水路(a)の地下を利用して、道路(b)、鉄道(c)、ライフライン(d)などの都市の基盤となるものの設置ができ、地表の水の環境の再生とともに、周辺地域に必要な施設・設備(e)、駐車場(f)や備蓄倉庫(h)、空気・温度・水・情報・電力・ガスなどの処理施設(i)、商業・流通・業務・娯楽施設(j)の併設などを必要に応じて集約的に設置できる構成を特徴とする地下構造(k)を、棚を積み重ねたような構造の例で示している。
【0009】
これによって、都市中心部に水の環境や水運(1)を取り戻すことができ、複雑に絡み合う都市に必要な施設や設備を安全かつ合理的にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】 地下構造を、一部切断面を示した透視図
【符号の説明】
【0011】
(a)現存するあるいはかつて存在した河川・運河・水路
(b)道路
(c)鉄道
(d)ライフライン
(e)周辺地域に必要な施設・設備
(f)駐車場
(h)備蓄倉庫
(i)空気・温度・水・情報・電力・ガスなどの処理施設
(j)商業・流通・業務・娯楽施設

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現存するあるいはかつて存在した河川・運河・水路の地下を利用して、道路、鉄道、情報幹線、電力・ガスなどのエネルギー幹線、上下水道などの都市の基盤となるもの(以下都市基盤施設)の設置ができ、地表の水の環境の再生とともに、周辺地域に必要な公共公益施設・設備、駐車場や備蓄倉庫、空気・温度・水・情報・電力・ガスなどの処理施設、商業・流通・業務・娯楽施設の併設などを、必要に応じて集約的に設置する構成を特徴とする地下構造。

【図1】
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【公開番号】特開2006−52621(P2006−52621A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−260288(P2004−260288)
【出願日】平成16年8月12日(2004.8.12)
【出願人】(504340693)株式会社小沢設計計画室 (2)
【Fターム(参考)】