説明

油のような脂肪物質の精製

脂肪物質の処理において用いるのに好適な精製システムを開示する。また、精製システムを用いて、油、食用油、脂肪、及び同様の物質のような脂肪物質を処理する方法も開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油、脂肪のような脂肪物質、及び同様の脂肪物質、例えば食用油を処理するのに有用な精製システムに関する。本発明は更に、油、脂肪のような脂肪物質、及び同様の脂肪物質、例えば食用油を処理するために精製システムを用いる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食用油のような油を処理するための公知の方法及びシステムは、コストを増加させ及び/又は油の産出量を最大にするのを損なう1以上の非効率性を有している。油を処理するための公知の方法及びシステムの典型的な非効率性としては、(i)プロセス内の1以上の製造障害;(ii)所定の油処理サイクル中の頻繁なフィルター交換;及び(iii)プロセス内でのPerlite、珪藻土、セルロース、クレーのような濾過助剤/吸収剤の非効率的な使用;が挙げられるが、これらに限定されない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
油、脂肪のような脂肪物質、及び同様の脂肪物質、例えば食用油をコスト効率よく処理するためのより効率的で有効な方法に対する当該技術における必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、油、脂肪のような脂肪物質、及び同様の脂肪物質を処理するための公知の方法及びシステム、例えば食用油を製造するための方法及びシステムにおいて存在する1以上の非効率性を排除する、油、脂肪のような脂肪物質、及び同様の脂肪物質を処理するための方法及びシステムに関する。本発明の方法及びシステムは、(i)プロセス内の可能性のある製造障害を最小にし;(ii)脂肪物質(例えば、油、脂肪、及び同様の脂肪物質、例えば食用油)を処理する間のフィルターの交換及び/又は洗浄の必要性を排除し;(iii)プロセス内において濾過助剤/吸収剤を効率的に利用し;(iv)プロセス内における成核剤の使用をより少なくして、それによって脂肪物質の損失及び廃棄するフィルターケーキを少なくし;或いは(v)(i)〜(iv)の任意の組み合わせを行う;ように脂肪物質を処理するための精製システムを用いる。
【0005】
本発明は、精製システムを用いて食用油のような脂肪物質(又は脂肪若しくは任意の同様の物質)を処理する方法に関する。本発明による1つの代表的な態様においては、精製システムを用いて脂肪物質を処理する方法は、脂肪物質(例えば、油、脂肪、又は同様の脂肪物質)を液体成核剤と混合し;液体成核剤を用いて脂肪物質を脱ロウし;液体成核剤を含む重質相、及び脂肪物質を含む軽質相を形成し;軽質相から重質相を分離する;工程を含む。1つの代表的な態様においては、このプロセスは乾式脱ロウのような更なる脱ロウに関する必要性を排除する。他の代表的な態様においては、この方法に、油(又は脂肪若しくは任意の他の同様の脂肪物質)を処理する公知の方法において典型的に用いられている多数の更なるプロセス工程を更に含ませることができる。更なる脱ロウ(例えば乾式脱ロウ)を用いる場合には、本発明による湿式脱ロウによって、乾式脱ロウプロセスにおいて必要な濾過助剤の量が減少する。他の態様においては、本発明の液体成核剤を、乾式脱ロウプロセスにおいて濾過助剤と組み合わせて用いることができる。好適な更なるプロセス工程としては、シリカ粒子を用いる不純物除去工程、乾燥工程、漂白工程、脂肪物質(例えば油、脂肪、又は同様の脂肪物質)貯蔵工程、及び脱臭工程を挙げることができるが、これらに限定されない。本発明方法は、食用油の製造において特に有用である。
【0006】
本発明による更なる代表的な態様においては、本組成物は、液体成核剤を含む重質相及び脂肪物質を含む軽質相を含み、ここで液体成核剤はワックスを含む。この代表的な態様においては、脂肪物質は約50ppm未満のワックスを含み、及び/又は重質相は乾燥重質相の全重量を基準として約30重量%より多いワックスを含む。
【0007】
本発明は更に、脂肪物質(例えば油、脂肪、又は同様の脂肪物質)を処理するのに好適な装置に関する。1つの代表的な態様においては、脂肪物質(例えば油、脂肪、又は同様の脂肪物質)を処理するのに好適な装置は、液体成核剤及び脂肪物質を混合するのに好適な混合装置;混合装置と直列配置の冷却装置;成核/結晶成長/凝集を行うのに好適な、冷却装置と直列配置の結晶化装置;及び、脂肪物質から液体成核剤、ワックス、及び不純物を除去するのに好適な、結晶化装置と直列配置の分離装置;を含む。代表的な装置には、油処理装置において典型的に見られる更なる装置要素を更に含ませることができる。好適な更なる要素としては、脂肪物質(例えば油、脂肪、又は同様の脂肪物質)を複数のシリカ粒子と接触させて脂肪物質(例えば油、脂肪、又は同様の脂肪物質)内の不純物の量を減少させるのに好適な混合容器;乾燥機;脂肪物質(例えば油、脂肪、又は同様の脂肪物質)貯蔵容器;又はこれらの任意の組み合わせ;が挙げられるが、これらに限定されない。
【0008】
本発明のこれらの及び他の特徴並びに有利性は、開示された態様の以下の詳細な説明並びに特許請求の範囲を検討すれば明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、脂肪物質(例えば油、脂肪、又は同様の脂肪物質)を処理するために好適な精製システムを含む従来の装置の概念図である。
【図2】図2は、本発明による脂肪物質(例えば油、脂肪、又は同様の脂肪物質)を処理するのに好適な精製システムを含む代表的な装置の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の原理の理解を促進するために、以下において本発明の特定の態様の説明を行い、特定の用語を用いて特定の態様を説明する。しかしながら、特定の用語を用いることによって本発明の範囲を限定することは意図していないことが理解されよう。議論される本発明の原理の変更、更なる修正、及びかかる更なる適用は、本発明が属する技術の当業者に通常的に想到されると考えられる。
【0011】
本発明は、食用油のような脂肪物質(例えば油、脂肪、又は同様の脂肪物質)の処理方法において用いるのに好適な精製システムに関する。本発明は更に、精製システムを用いて食用油、脂肪のような脂肪物質、又は同様の脂肪物質を製造する方法に関する。以下に、脂肪物質(例えば油、脂肪、又は同様の脂肪物質)を処理する代表的な方法の説明を与える。
【0012】
本明細書及び特許請求の範囲において用いる単数形「a」、「and」、及び「the」は、記載が他に明確に示さない限り複数の指示物を包含することに注意すべきである。したがって、例えば「酸化物」という記載は複数のかかる酸化物を包含し、「酸化物」という記載は1種類以上の酸化物及び当業者に公知のその均等物などの記載を包含する。
【0013】
例えば、本発明の幾つかの態様の説明において用いる組成物中の成分の量、濃度、体積、プロセス温度、プロセス時間、回収率又は収率、流速、及び同様の値、並びにその範囲を修飾する「約」は、例えば通常の測定及び取り扱い手順を通して、これらの手順における偶然のエラーを通して、方法を行うために用いる成分における差を通して起こる可能性のある数量の変動;並びに同様の近似考慮事項を指す。「約」という用語はまた、特定の初期濃度を有する配合物又は混合物の熟成によって相違する量、並びに特定の初期濃度を有する配合物又は混合物の混合又は処理によって相違する量も包含する。「約」という用語によって修飾されているかどうかにかかわらず、特許請求の範囲はこれらの量の均等範囲を包含する。
【0014】
ここで用いる「油」という用語は、油、脂肪、及びトリグリセリド;油、脂肪、及びトリグリセリド含有脂肪物質;並びに、油、脂肪、トリグリセリド、食用油(例えばトリグリセリド)に転化しうる油、脂肪、及びトリグリセリド前駆体脂肪物質;を説明するように用いる。本明細書において記載するプロセスは例えば漂白油を製造するための油処理に関して記載されているが、開示されたプロセスを用いて脂肪及び同様の物質などの他の脂肪物質を処理することができる。
【0015】
ここで用いる「化学精製」とは、粗油を過剰の苛性物質(caustic)(通常はNaOH)で処理して粗油中に存在する遊離脂肪酸を石鹸に転化させる中和プロセスである。これらの生成した石鹸は、粗油中に存在するホスファチドと一緒に油から分離し、次に1以上の洗浄工程を行う。
【0016】
ここで用いる「酸脱ガム」とは、粗油を強酸で処理して粗油中に存在する非水和性ホスファチドを分解し、それによってホスファチジン酸を遊離させる脱ガムプロセスである。このホスファチジン酸は、次に水を加えることによって水和させて、脱ガムされた油から分離することができる。
【0017】
ここで用いる「酸精製」とは、粗油を強脱ガム酸で処理して非水和性ホスファチドを分解する脱ガムプロセスである。このホスファチジン酸は、次に、塩基を加えることによって脱ガム酸を部分的に中和する際に水和するので、脱ガムされた油から分離することができる。
【0018】
ここで用いる「粗油」とは、おそらくは粗油を流通仕様に確実に合致させる水脱ガム処理を除いていかなる処理にもかけられておらず、保存及び輸送中に堆積物を沈殿させない、その源から単離された脂肪物質に関する一般名称である。したがって、粗油は遊離脂肪酸及び/又はガムを含んでいてよい。
【0019】
ここで用いる「脱ガム」とは、粗油を水溶液で洗浄すること(水脱ガム)によるか、それを酸溶液で処理して(酸脱ガム)次に水洗浄することによるか、或いはそれを酸溶液で処理し次に部分的中和を行うこと(酸精製)によって粗油からホスファチドを除去することに関する一般用語である。
【0020】
ここで用いる食用油の「ウィンタリゼーション」又は「脱ロウ」とは、異なる融点を有する油及びワックスの分離である。通常は、ワックスを結晶化させて固体を形成するために一定時間油を冷却し、次に油から結晶又は固体を分離する。結晶又は固体は、遠心分離(「湿式脱ロウ」としても知られている)を行い、次にPerlite又は珪藻土のような濾過助剤を用いる冷濾過(「乾式脱ロウ」としても知られている)を行うことによって除去する。冷濾過は、図1に示すように漂白の後に行う。
【0021】
ここで定義する「ワックス」とは、長鎖アルコールとの長鎖脂肪酸のエステルである。これらのワックスは室温において結晶化し、精製油における「濁り(turbidity)」を引き起こす。
【0022】
ここで用いる「湿式油脱ロウ」とは、洗浄及び乾燥/漂白の前に行う脱ロウであり、図1に示すように遠心分離を用いることによって化学的又は物理的精製プロセス中に直接統合される。
【0023】
ここで用いる「乾式油脱ロウ」とは、制御された条件下で、湿潤剤として特定の化学薬品を加えるか又は加えないで、濾過助剤を用いる冷濾過によって行う油の脱ロウである。冷濾過は、漂白の後又は脱臭の後に行う。
【0024】
ここで用いる「脂肪物質」とは、主として脂肪酸基を含む有機分子から構成される植物性物質又は動物性物質から誘導される生成物として定義される。
ここで用いる「FFA」は遊離脂肪酸の標準的な略号である。
【0025】
ここで用いる「金属酸化物」とは、金属がカチオンであり酸化物がアニオンである二元酸素化合物として定義される。金属はメタロイドも包含することができる。金属としては、周期律表上のホウ素からポロニウムへ引かれる対角線の左側の元素が挙げられる。メタロイド又は半金属としては、この線上の元素が挙げられる。金属酸化物の例としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア等、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0026】
ここで用いる「液体成核剤」とは、ゾル状、コロイド状、懸濁液など、並びにこれらの混合物など(しかしながらこれらに限定されない)の、連続液相の、粗油を精製することができる物質である。
【0027】
ここで用いる「分離装置」としては、フィルター、遠心分離機、デカンター、清澄化機などが挙げられる。
ここで用いる「ソープストック(soapstock)」とは、粗トリグリセリド油の化学的中和の副生成物である。これは、多くの着色性化合物、粒子状物質、及び他の不純物、並びに種々の塩を含有する水に加えて、石鹸、ホスファチド、及び中性油を含む。
【0028】
図1に、食用油のような脂肪物質を物理的又は化学的脱ロウ及び精製するための従来の装置1を示す。脱ガムされた油2は、タンク内において脂肪物質を酸と混合することによって中和にかけて、続いて十分に(例えば約2〜約5分間)混合する。次に、インラインミキサーを用いてこの混合物を苛性物質と混合する。中和された油を次に遠心分離機5中に供給して、ソープストック又は酸ガム6を除去する。次に、冷却/冷凍水システム交換器7を用いて油を冷却することができる。続いて、油を1以上の混合タンク(例えば結晶化機)8中に供給して、ここで水相中でワックス粒子を形成及び成長させるのに好適な時間(例えば、ゆっくりとした撹拌で10℃より低い温度では約8時間〜約24時間)混合することができる。場合によっては、この混合物は、熱交換器を用いて加熱した後に第2の遠心分離機9に送り、ここで重質相10を油から分離することができる。重質相は結晶化工程において形成されたワックス粒子を含む。遠心分離機9から得られる脂肪物質を含む非水相は、熱交換器11を用いて加熱し、インラインミキサー12を用いて水で洗浄し、次に任意の通常の分離機13(例えば遠心分離機)を用いて分離を行って脂肪物質を更に精製することができる。1台又は複数の遠心分離機の後、油を乾燥機15に送って、次に混合タンク17内においてシリカゲル(例えばGrace GmbH & Co. KGから入手できるTriSyl(登録商標))のような吸着剤16又は漂白クレーと混合することができる。次に、混合物を漂白機18に送って油から不純物(例えば、リン脂質、Ca、Mg、及びFeのような関連する微量元素、並びに石鹸)を除去し、続いてフィルター19及び20を用いて油から吸着剤/漂白クレーを分離することができる。油は、次に場合によっては保持タンク21内に保存するか、及び/又は脱臭22にかけて遊離脂肪酸を除去する。この従来の精製プロセスは、最終精製油中の低いワックス量(約10ppm)を得るために湿式脱ロウ及び乾式脱ロウの両方を用いる。しかしながら、乾式脱ロウは、それぞれ100ppmのワックスを除去するために油1トンあたり1kgの濾過助剤を必要とするので、精製コストが非常に増加する。この従来の技術では精製収率が減少する。
【0029】
本発明は、処理前の脂肪物質と比較してより少ない不純物を有する濾過された脂肪物質を製造するように、油のような脂肪物質(例えば油、脂肪、又は同様の脂肪物質)を処理するのに好適な装置に関する。本発明の装置は、食用油の製造において特に有用である。1つの代表的な態様においては、脂肪物質(例えば油、脂肪、又は同様の脂肪物質)を処理するのに好適な装置は、液体成核剤及び脂肪物質を混合するのに好適な混合装置;ワックス粒子を与えるのに好適な、混合装置と直列配置の結晶化装置;及び、脂肪物質から液体成核剤を除去するのに好適な、冷却装置と直列配置の分離装置;を含む。結晶化装置は、好ましくはワックス粒子の成核、結晶成長、及び凝集を与える。また、結晶化装置に冷却装置を含ませることもできる。本発明の装置には、脂肪物質(例えば油、脂肪、又は同様の脂肪物質)を複数のシリカ粒子と接触させて脂肪物質内の不純物の量を減少させるのに好適な混合容器;乾燥機;脂肪物質(例えば油、脂肪、又は同様の脂肪物質)貯蔵容器、1以上のフローバルブ、及びプロセス制御装置;など(しかしながらこれらに限定されない)の脂肪物質(例えば油、脂肪、又は同様の脂肪物質)の処理装置において典型的に見られる複数の更なる装置要素を更に含ませることができる。本発明の1つの代表的な装置を図2に示す。
【0030】
本発明によって、濾過助剤を用いて濾過によってワックス不純物を除去する従来の脱ロウプロセスにおける乾式脱ロウ工程が排除される。本方法においては、湿式脱ロウ工程において液体成核剤を用いることにより、脂肪物質のワックス含量が100ppm未満、好ましくは80ppm未満、より好ましくは60ppm未満、更により好ましくは50ppm未満に減少する。これにより、精製プロセス中の後段で更なる乾式脱ロウを行う必要性が排除され、乾式脱ロウプロセスに伴う脂肪物質の損失が減少する。他の代表的な態様においては、この方法に、油(又は脂肪若しくは任意の他の同様の物質)を処理する公知の方法において典型的に用いられる複数の更なるプロセス工程を更に含ませることができる。更なる脱ロウ(例えば乾式脱ロウ)を用いる場合には、本発明による湿式脱ロウによって、乾式脱ロウプロセスにおいて必要な濾過助剤の量が減少する。他の態様においては、本発明の液体成核剤を、乾式脱ロウプロセスにおいて濾過助剤と組み合わせて用いることができる。
【0031】
例えば従来の分離工程(例えば物理的又は化学的精製)では脂肪物質中に多少の不純物が残留するので、本発明の一態様においては更なる精製の必要がない脂肪物質が供給される。上記で言及した湿式脱ロウ工程では脂肪物質中の不純物の全てを完全に除去することはできない可能性があるので、米国特許4,698,185に開示されているような引き続く水洗浄、或いはEP−0349718に開示されているような再循環を用いる2台遠心分離機プロセスのような更なる精製工程を行うことができる。上記で言及したこれらの更なる従来の精製工程を用いる代わりに、本発明方法を用いて脱ガムされたトリグリセリド油(例えば酸脱ガム又は酸精製された油)から残留ホスファチドを除去することができる。したがって、酸精製されたか又は化学中和された油からワックスを除去するために用いる遠心分離機から排出される油を、更なる水性液体成核剤と混合することにより本発明方法によって処理することができる。脱ロウプロセスの後に温度を80℃〜100℃の範囲に上昇させることができるが、より低い温度を用いることも本発明の範囲内である。
【0032】
図2に、食用油のような脂肪物質を物理的又は化学的精製及び脱ロウするための本発明による装置30を示す。脱ガムされた油31は、タンク内において脂肪物質を酸と混合することによって中和33にかけて、続いて十分に(例えば約2〜約5分間)混合する。次に、インラインミキサーを用いてこの混合物を苛性物質と混合する。中和された油を次に遠心分離機34中に供給して、ソープストック又は酸ガム35を除去する。次に、インラインミキサー37を用いて油を液体成核剤36及び場合によっては水(図示せず)と混合し、次に冷却/冷凍水システム交換器38を用いて冷却することができる。続いて、油を1以上の混合タンク39(例えば、米国特許5,066,504;4,276,227;及び4,035,402(これらの全ての主題は参照として本明細書中に包含する)に示されているもののようなタンク結晶化機、表面掻き取り結晶化機、又はドラム結晶化機)中に供給して、ここで水相中で成核剤によってワックス粒子を形成及び成長させるのに好適な時間(例えば、ゆっくりとした撹拌で10℃より低い温度では約8時間〜約24時間)ゆっくりと混合することができる。その後、場合によっては混合物を、熱交換器40を用いて加熱した後に第2の遠心分離機41に送り、ここで重質相42を油から分離することができる。重質相はワックス及び不純物を含む液体成核剤を含む。遠心分離機41から得られる脂肪物質を含む非水相は、熱交換器43を用いて加熱し、インラインミキサー44を用いて水で洗浄し、次に任意の通常の分離機45(例えば遠心分離機)を用いて分離を行って脂肪物質を更に精製することができる。1台又は複数の遠心分離機の後、油を乾燥機47に送り、更なる処理を行わないでライン55を通してタンク53に直接送ることができる。場合によっては、脂肪物質を混合タンク49内においてシリカゲル(例えばGrace GmbH & Co. KGから入手できるTriSyl(登録商標))のような吸着剤48又は漂白クレーと混合することができる。次に、混合物を漂白機50に送って、脂肪物質の色に影響を与えるもののような更なる不純物(例えば、リン脂質、Ca、Mg、及びFeのような関連する微量元素、並びに石鹸)を油から除去し、続いてフィルター51及び52を用いて油からクレー又はゲルを分離することができる。油は、次に場合によっては保持タンク53内に保存するか、及び/又は脱臭54にかけて遊離脂肪酸を除去する。
【0033】
図2に示す代表的な装置30は精製システムを含む1つの可能な装置に過ぎず、任意の与えられた装置において種々の構成の変更が可能であることを留意すべきである。例えば、代表的な装置30においては示されていないが、本発明の装置には、それぞれが図2の代表的な装置30において示される精製システム内に配置される1つより多い液体成核剤を除去するための分離装置を含ませることができる。本発明はここで記載する精製システムを含む任意の装置に関することを留意すべきである。
【0034】
図2には示されていないが、代表的な装置30には、装置内の1以上のフローバルブを開放及び閉止して、精製システムを通る異なる流路に沿って1つのプロセスフロー工程から後段のプロセスフロー工程へ脂肪物質(例えば油、脂肪、又は同様の脂肪物質)を移送することができるプロセス制御装置を更に含ませることができる。他のプロセス制御装置(図示せず)を用いて、与えられた装置全体の1以上の位置における1以上の脂肪物質流のインラインでリアルタイムの監視(例えば、与えられた脂肪物質流中の汚染物質の濃度、脂肪物質流の温度、脂肪物質流の色等);与えられた装置全体の1以上の位置における圧力増加の監視;与えられた脂肪全体の1以上の位置における脂肪物質の流速の測定;1以上のポンプの起動及び停止;装置の故障(例えば漏れ、又は通常の圧力よりも過度に高い圧力)の場合の自動停止;等(しかしながらこれらに限定されない)の複数のプロセス制御機能を与えることができる。
【0035】
金属酸化物のゾル又はコロイド等、並びにこれらの誘導体又は混合物のような種々の液体成核剤を本発明において用いることができる。好ましくは、液体成核剤としては、例えばコロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、コロイダルジルコニア、コロイダルチタニア等、又はこれらの混合物のような金属酸化物のゾル又はコロイドが挙げられる。かかる物質は、種々の粒径、形状、分布、多孔度、固形分濃度、表面被覆、対イオン等を有していてよい。多数の異なる商業的に入手できるグレードがあり、粒子は、ナトリウム又はアンモニウムカチオンのように負電荷及び陽性対イオンを有していてもよく、或いは安定剤対イオンが例えば塩化物アニオンのような陰性アニオンである場合には正電荷を有していてもよい。本発明方法にしたがって処理する脂肪物質が遊離脂肪酸を含む場合には、これらの酸が不純物の除去を妨げるのを阻止しなければならない。したがって、負電荷で、したがって遊離脂肪酸をはじく液体成核剤が好ましく用いられる。
【0036】
液体成核剤は水中の懸濁液の形態であってよく、かかる懸濁液の固形分含量は、一般に25重量%〜50重量%の範囲である。液体成核剤は、当業者に周知の任意の方法によって製造することができる。コストの理由のために、本発明の脂肪物質と混合する液体成核剤の量は、好ましくは可能な限り低く保持する。実際には、用いる液体成核剤の量は、脂肪物質の全重量を基準として約0.1〜約10.0重量%、好ましくは約0.2〜約5.0重量%、より好ましくは約0.3〜約1.0重量%、更により好ましくは約0.4〜約0.6重量%の範囲である。
【0037】
場合によっては、液体成核剤を希釈して、それによってそれを脂肪物質又は第2の相からより容易に分離して本発明方法の第1の相を形成することができるようにする目的を果たす水を、液体成核剤と一緒か又はその後に加えることができる。水を存在させる場合には、その量は重要ではない。典型的には、水の適切量は処理する脂肪物質の約5重量%未満、好ましくは約3重量%未満、より好ましくは約2重量%未満であってよい。5重量%より多い水を用いることができるが、処理及び/又は廃棄する廃水の量、及びその結果、精製コストが全体として増加する。
【0038】
本発明に従ってワックス及び不純物を有効に除去するために、液体成核剤と脂肪物質との間の最小の接触時間が好ましい。この時間は重要ではなく、脂肪物質の温度によって約8時間〜約24時間の範囲であってよい。温度が10℃より低い場合には、より長い結晶化時間が必要である可能性がある。
【0039】
本発明方法にしたがって液体成核剤を含む水相を分離するためには、遠心分離機が好ましく用いられる。したがって、既存の脱ロウ及び中和ラインを改造して、それらによって本発明方法を運転するのを可能にすることが、しばしば非常に単純で直接的である。脱ガム又は中和された油を洗浄するために用いる遠心分離機は、次に液体吸着剤を除去するために用いることができる。このプロセス中に除去される脂肪物質の量は非常に少なく、脂肪物質の全重量を基準として典型的には約2重量%未満、好ましくは約1重量%未満、より好ましくは約0.8重量%未満、更により好ましくは約0.7重量%未満である。
【0040】
更に、かかる既存のラインによって、液体成核剤を油流に加え、その後それを第1の遠心分離機に導入する本発明方法の一態様を運転することもできる。これらの態様においては、消費された液体成核剤がそれぞれワックスの流れ(脱ロウ)、ガムの流れ(脱ガム)、又は石鹸の流れ(中和)の一部を形成するので、別の濾過助剤流を取り扱う必要がない。更に、油は既に多少の液体成核剤に曝露されているので、同等の最終結果を得るために本発明にしたがって加えなければならない新しい液体吸着剤は多少少ない。
【0041】
本発明による脱ロウの前においては、脂肪物質のワックス含量は約0.5重量%以下のワックスであってよい。脱ロウの後においては、脂肪物質(則ち軽質相)中のワックスの量は、約100ppm以下、好ましくは約80ppm以下、より好ましくは約50ppm以下、更により好ましくは約30ppm以下である。重質相は、重質相中の乾燥固形分の全重量を基準として少なくとも約30重量%、好ましくは少なくとも約40重量%、より好ましくは少なくとも約50重量%、更により好ましくは少なくとも約60重量%のワックスを含んでいてよい。軽質相中に得られる処理された脂肪物質は少量の不純物を含む。例えば、残留リン含量は、約20ppm未満、好ましくは約10ppm未満、より好ましくは約8ppm未満、更により好ましくは約6ppm未満にすることができる。軽質相の脂肪物質中に存在する石鹸の量は、約100ppm未満、好ましくは約80ppm未満、より好ましくは約60ppm未満、更により好ましくは約50ppm未満にすることができる。
【0042】
本発明は、更に図2に示す代表的な装置のような精製システムを用いて脂肪物質(例えば油、脂肪、又は同様の脂肪物質)を処理する方法に関する。本発明による1つの代表的な態様においては、精製システムを用いて脂肪物質を処理する方法は、脂肪物質(例えば油、脂肪、又は同様の脂肪物質)を液体成核剤と混合し;液体成核剤を用いて脂肪物質を脱ロウし;液体成核剤を含む重質相及び脂肪物質を含む軽質相を形成し;そして、重質相を軽質相から分離する;工程を含む。脱ロウプロセスには、熱交換器を用いて脂肪物質を約10℃に冷却し、次に結晶化機内でワックス粒子を2〜24時間結晶化することを含ませることができる。本発明の成核剤は、ワックス結晶の形成を促進してより大きな粒子な粒子に成長させ、次に更により大きな粒子に凝集させるための核として機能する。凝集した粒子は、脂肪物質よりも遙かに大きな密度を有し、したがって従来の分離機(例えば遠心分離機)を用いて脂肪物質から遙かに容易に分離される。本発明方法の有利性は、後段の乾式脱ロウの必要なしにワックスを非常に低いレベル(例えば50ppm未満)に大きく減少させることに関する。
【0043】
本発明による更なる代表的な態様においては、脂肪物質組成物は、液体成核剤を含む重質相、及び脂肪物質(例えば油、脂肪、又は同様の脂肪物質)を含む軽質相を含み、液体成核剤はワックスを含み、且つ他の不純物を含んでいてよい。この代表的な態様においては、軽質相中の脂肪物質は、約100ppm以下、好ましくは約80ppm以下、より好ましくは約50ppm以下、更により好ましくは約30ppm以下のワックスを含んでいてよい。重質相中のワックスは、重質相中の乾燥固形分の全重量を基準として少なくとも約30重量%、好ましくは少なくとも約40重量%、より好ましくは少なくとも約50重量%のワックス、更により好ましくは少なくとも約60重量%のワックスを含んでいてよい。液体成核剤はここで記載する金属酸化物ゾルを含んでいてよいが、好ましくはシリカゾルである。
【0044】
この代表的な態様においては、本方法には、脂肪物質(例えば油、脂肪、又は同様の脂肪物質)を処理する公知の方法において通常用いられる複数の更なるプロセス工程を更に含ませることができる。好適な更なるプロセス工程としては、脂肪物質乾燥工程(例えば揮発分除去工程)、シリカ粒子を用いる不純物除去工程、漂白工程、脂肪物質貯蔵工程、及び脱臭工程を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0045】
脂肪物質を処理する方法には、プロセス中の油のような脂肪物質の品質及び/又は色を監視するか、並びに他のプロセスパラメーター(例えば圧力、温度等)を監視して、フローバルブを調節してスタッガードフィルターシステムを通る脂肪物質の流路を変更し、1以上のポンプを始動/停止してスタッガードフィルターシステムを通る脂肪物質流を調節し、システム内の1以上のフィルターの入口表面上に堆積する吸着剤粒子を分離し、吸着剤粒子を廃棄する任意の数のプロセス制御工程など(しかしながらこれらに限定されない)の複数の更なる工程を含ませることができる。
【0046】
本発明は、更に上記記載の本発明方法によって製造される脂肪物質に関する。上記記載の方法を用いて製造することができる好適な脂肪物質としては、油、漂白油、脂肪、食用油、及び同様の物質が挙げられるが、これらに限定されない。
【実施例】
【0047】
以下の実施例によって本発明を更に説明するが、これらはいかなるようにもその範囲に対して限定を与えるように解釈すべきではない。それどころか、本解決手段は種々の他の態様、修正、及びその均等物を有することができ、これらは本明細書中の記載を読んだ後は、本発明の精神及び/又は特許請求の範囲から逸脱することなくそれ自体当業者に示唆される。
【0048】
実施例1〜4:
酵素で脱ガムしたヒマワリ油の2Lの試料をCereol Mannheimから取り寄せ、その後タンク内において50℃に加熱した。撹拌(則ち磁気撹拌)下において、0.1%のアンモニア(25%)を加え、撹拌及び加熱を更に20分間続けた。次に油を10℃に冷却し、異なるタイプのコロイダルシリカ:LUDOX(登録商標)PX30シリカ(実施例1);LUDOX(登録商標)PW30シリカ(実施例2):LUDOX(登録商標)PW50シリカ(実施例3);及びLUDOX(登録商標)PT40シリカ(実施例4);(全てGrace GmbH & Co. KGから入手できる)で処理した。それぞれのコロイダルシリカを異なる濃度(0.1%、0.3%、及び0.6%)で油の100gの試料に加え、10℃においてゆっくりと2.5時間撹拌した。次に、処理された油試料を含む軽質相から重質相を分離するために、12個の試料をBeckman Coulter, Inc.から入手できるJ2-21M/E遠心分離機内で2300rpmにおいて遠心分離した。デカンテーションの後、処理された油試料を真空下70℃において15分間乾燥した。次に、コロイダルシリカで処理した油試料及び未処理の油試料を−5℃に24時間保持した。コロイダルシリカで処理した油試料はいずれも曇り(haze)又はワックス形成を起こさず、一方、未処理の油試料は僅かな曇りを示した。これはコロイダルシリカ処理の結果として油からワックスが除去されたことを示す。
【0049】
実施例5〜8:
酵素で脱ガムしたヒマワリ油の2L試料をCereol Mannheimから取り寄せた。次に油を、苛性物質によるいかなる処理も行わずに直接10℃に冷却し、異なるタイプのコロイダルシリカ:LUDOX(登録商標)PX30シリカ(実施例5);LUDOX(登録商標)PW30シリカ(実施例6):LUDOX(登録商標)PW50シリカ(実施例7);及びLUDOX(登録商標)PT40シリカ(実施例8);(全てGrace GmbH & Co. KGから入手できる)で処理した。それぞれのコロイダルシリカを異なる濃度(0.1%、0.3%、及び0.6%)で油の100gの試料に加え、10℃においてゆっくりと2.5時間撹拌した。次に、処理された油試料を含む軽質相から重質相を分離するために、12個の試料を遠心分離した。デカンテーションの後、処理された油試料を真空下70℃において15分間乾燥した。次に、コロイダルシリカで処理した油試料及び未処理の油試料を−5℃に24時間保持した。コロイダルシリカで処理した油試料はいずれも曇り又はワックス形成を起こさず、一方、未処理の油試料は僅かな曇りを示した。これはコロイダルシリカ処理の結果として油からワックスが除去されたことを示す。
【0050】
本発明を限られた数の態様によって説明したが、これらの特定の態様は本明細書において他に記載され特許請求されている発明の範囲を制限することを意図するものではない。更なる修正、均等物、及び変更が可能であることは、本明細書中の代表的な態様を検討することにより当業者に明らかである。実施例及び明細書の残りの部分における全ての部及びパーセントは、他に特定しない限り重量基準である。更に、明細書又は特許請求の範囲において示す全ての数値範囲、例えば特性の特定の組、測定値の単位、条件、物理的状態、又は割合を示すものは、明らかに、言及するか又は他の方法で示すかかる範囲内に含まれる全ての数、並びにそのように示されている任意の範囲内の数の任意の部分集合を文字通り含むものであると意図される。例えば、下限R及び上限Rを有する数値範囲が開示されている場合には常に、この範囲内に含まれる任意の数Rが具体的に開示されている。特に、この範囲内の次式の数R:R=R+k(R−R)(式中、kは1%の増分で1%〜100%の範囲の変数であり、例えばkは、1%、2%、3%、4%、5%、・・・50%、51%、52%、・・・95%、96%、97%、98%、99%、又は100%である)が具体的に開示されている。更に、上記で算出されるRの任意の二つの値によって表される任意の数値範囲も、具体的に開示されている。本明細書において示し記載したものに加えて、本発明の任意の修正は、上記の記載及び添付の図面から当業者に明らかとなろう。かかる修正は、特許請求の範囲内に包含されると意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)脂肪物質を液体成核剤と混合し;
(b)液体成核剤を用いて脂肪物質を脱ロウし;
(c)液体成核剤を含む重質相、及び脂肪物質を含む軽質相を形成し;そして
(d)軽質相から重質相を分離する;
工程を含む、精製システムを用いて脂肪物質を処理する方法。
【請求項2】
該脂肪物質がトリグリセリド油を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該液体成核剤が金属酸化物ゾルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
該液体成核剤がシリカゾルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
該液体成核剤を脂肪物質の0.2〜1.0重量%の量で加える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
該脱ロウ工程が、脂肪物質及び液体成核剤を冷却し、脂肪物質及び液体成核剤を、ワックス及び成核剤の粒子を形成するのに十分な時間混合することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
該分離工程が遠心分離を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
軽質相からの重質相の除去が遠心分離機を用いる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
軽質相中の脂肪物質が約50ppm以下のワックスを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
乾式脱ロウを含まないか、又は乾式脱ロウにおいて減少した量の濾過助剤を用いることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
除去プロセスによって約2重量%未満の脂肪物質が損失する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
成核剤を用いて乾式脱ロウを行うことを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法によって製造される生成物。
【請求項14】
請求項1に記載の方法を行うための装置。
【請求項15】
(a)液体成核剤を含む重質相;及び
(b)脂肪物質を含む軽質相;
を含み、
(c)液体成核剤がワックスを含む;
脂肪物質組成物。
【請求項16】
該液体成核剤が、組成物の重量を基準として約2重量%未満の量で存在する、請求項15に記載の脂肪物質組成物。
【請求項17】
軽質相中の脂肪物質が50ppm未満のワックスを含む、請求項15に記載の脂肪物質組成物。
【請求項18】
軽質相中の脂肪物質が40ppm未満のワックスを含む、請求項15に記載の脂肪物質組成物。
【請求項19】
該液体成核剤が金属酸化物ゾルを含む、請求項15に記載の脂肪物質組成物。
【請求項20】
該液体成核剤がシリカゾルを含む、請求項15に記載の脂肪物質組成物。
【請求項21】
該脂肪物質がトリグリセリド油を含む、請求項15に記載の脂肪物質組成物。
【請求項22】
(a)液体成核剤及び脂肪物質を混合するのに好適な混合装置;
(b)混合装置と直列配置の結晶化装置;及び
(c)脂肪物質から液体成核剤及びワックスを除去するのに好適な、結晶化装置と直列配置の分離装置;
を含む、脂肪物質からワックスを除去するのに好適な装置。
【請求項23】
冷却装置を含む、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
該混合装置が高剪断ミキサーを含む、請求項22に記載の装置。
【請求項25】
該結晶化装置が、タンク結晶化機、表面掻き取り結晶化機、又はドラム結晶化機を含む、請求項22に記載の装置。
【請求項26】
該分離装置が、遠心分離機、デカンター、又は清澄化機を含む、請求項22に記載の装置。
【請求項27】
該液体成核剤が金属酸化物ゾルを含む、請求項22に記載の装置。
【請求項28】
該液体成核剤がシリカゾルを含む、請求項22に記載の装置。
【請求項29】
該脂肪物質がトリグリセリド油を含む、請求項22に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−504951(P2011−504951A)
【公表日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−535286(P2010−535286)
【出願日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際出願番号】PCT/EP2008/010048
【国際公開番号】WO2009/068277
【国際公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(500445446)グレース・ゲーエムベーハー・ウント・コムパニー・カーゲー (12)
【Fターム(参考)】