説明

油圧差動装置

【課題】可変排出量および固定排出量油圧ユニット間での大きな流体スラスト力を避け、ほどよい製造許容誤差を見越すことが可能な油圧差動装置を提供する。
【解決手段】軸方向ピストン式可変排出量油圧ユニットと、軸方向ピストン式固定排出量油圧ユニットと、該両油圧ユニット搭載用静止ハウジングと、可変速度動力源結合用入力軸と、一定速負荷結合用出力軸と、を有する油圧差動装置であって、該静止ハウジングに結合した該可変排出量油圧ユニット用の斜板およびポート板と、該入力軸に結合した該可変排出量油圧ユニット用軸方向ブロック・ピストンセット、該固定排出量油圧ユニット用ポート板および該固定排出量油圧ユニット用斜板と、該出力軸に結合した該固定排出量油圧ユニット用軸方向ブロック・ピストンセットと、を備え、該両油圧ユニットにより発生する流体スラスト力を最小限度にするため該可変排出量油圧ユニット用ポート板および該固定排出量油圧ユニット用ポート板が周方向境界面で結合している油圧差動装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧差動装置に関し、特に、軸受とハウジング構造に作用する高流体スラスト負荷を除く油圧差動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な方式の油圧差動装置は、可変排出量の第1軸方向ピストン油圧機械と固定排出量の第2軸方向ピストン油圧機械とを備え、可変排出量の軸方向ピストン油圧機械のポーティング(porting)に対する排出量(displacement)の位相と振幅を変えながら、両油圧機械の一つを動力源により所定の回転速度で駆動することが駆動されていない油圧機械の回転速度の変化を引き起こすように、可変排出量の第1軸方向ピストン油圧機械が固定排出量の第2軸方向ピストン油圧機械に結合している。このような動作は、特に可変回転速度動力源を一定回転速度に変換することに役立つ。動力源の速度変化に比例して可変排出量の軸方向ピストン油圧機械の排出量を変えることにより、駆動されていない油圧機械の出力を一定のままにすることができる。
【0003】
そのような油圧差動装置で、油圧機械あるいはユニットの機械的および流体的結合を、可変および固定排出量ユニットが共通回転軸を持つように構成するのが一般的である。このような端と端を接した配列は、非常にコンパクトで、適当なポートとバルブ板で油圧ユニットのブロック間の直接流体結合を許している。しかしながら、そのような端と端を接した配列も、動作の際油圧ユニットがかなりの作動圧を発生するので、それら油圧ユニットの境界面間で高い流体スラスト力を発生させる傾向がある。したがって、このような油圧差動装置はこれら流体スラスト力に耐えることができる大きな軸受を必要とし、油圧差動装置のコストと、重さと、サイズが増す。
【0004】
油圧差動装置の一つのデザインは、下記特許文献1に記述されているように、油圧差動装置が大きな軸受を必要としないように、これら流体スラスト力を抑制する構造を備えている。この差動装置は、固定排出量油圧ユニット用斜板を可変排出量油圧ユニット用ブロック・ピストンセットに固定する構造を備えて、大きな軸受が不要となるように流体スラスト力の全てを抑制する。一つの不利は、可変および固定ユニット用ポート板間の漏れを最小限度にするため、両ポート板が密接するように詰め物を入れてふさぐかあるいはポート板まわりで締め具となる部品が非実用的な許容誤差にまで機械加工される必要があることである。
【特許文献1】米国特許第4794756号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
可変排出量および固定排出量油圧ユニット間での大きな流体スラスト力を避け、ほどよい製造許容誤差を見越すことが可能な油圧差動装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、可変排出量および固定排出量油圧ユニット間での大きな流体スラスト力を避けるために両油圧ユニット間での動的な半径方向ポーティングを施していてポーティングのほどよい製造許容誤差を見越すことが可能になる油圧差動装置を含む。
【0007】
概して、本発明は、軸方向ピストン式可変排出量油圧ユニットと、軸方向ピストン式固定排出量油圧ユニットと、該両油圧ユニット搭載用静止ハウジングと、可変速度動力源結合用入力軸と、一定速負荷結合用出力軸と、を有する油圧差動装置であって、該静止ハウジングに結合した該可変排出量油圧ユニット用の斜板およびポート板と、該入力軸に結合した該可変排出量油圧ユニット用軸方向ブロック・ピストンセット、該固定排出量油圧ユニット用ポート板および該固定排出量油圧ユニット用斜板と、該出力軸に結合した該固定排出量油圧ユニット用軸方向ブロック・ピストンセットと、を備え、該両油圧ユニットにより発生する流体スラスト力を最小限度にするため該可変排出量油圧ユニット用ポート板および該固定排出量油圧ユニット用ポート板が周方向境界面で結合している油圧差動装置を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明を取り入れるにふさわしい油圧差動装置は、可変および固定の軸方向ピストン機械の組合せから成る。この組合せは、所定範囲の入力回転速度に対して出力回転速度を一定に維持するように作動する。このように、上記組合せは、可変速度動力源(例えばエンジン)を一定速度装置(例えば固定周波数交流発電機)駆動にふさわしい一定速度に変える。
【0009】
図1は、本発明を取り入れるにふさわしい油圧差動装置2のブロック図である。油圧差動装置2は、可変排出量油圧ユニット4と、固定排出量油圧ユニット6と、入力軸8と、出力軸10とを含む。可変排出量油圧ユニット4は、可変排出量油圧ユニット用ブロック・ピストンセット12と、可変排出量油圧ユニット用ポート板14と、可変排出量油圧ユニット用斜板16とを含む。固定排出量油圧ユニット6は、固定排出量油圧ユニット用ブロック・ピストンセット18と、固定排出量油圧ユニット用ポート板20と、固定排出量油圧ユニット用斜板22とを含む。
【0010】
入力軸8は、可変排出量油圧ユニット用ブロック・ピストンセット12と、固定排出量油圧ユニット用ポート板20と、固定排出量油圧ユニット用斜板22とを回転させる。固定排出量油圧ユニット用ブロック・ピストンセット18は、出力軸10を回転させる。油圧差動装置2の作動は、固定排出量油圧ユニット用ブロック・ピストンセット18の回転速度が可変排出量油圧ユニット用ブロック・ピストンセット12の回転速度に加算あるいは減算するために、可変排出量油圧ユニット用ポート板14および可変排出量油圧ユニット用斜板16を、例えば固定フレームあるいはハウジング24に固定することによって、入力軸8が駆動する可変排出量油圧ユニット用ブロック・ピストンセット12と、固定排出量ユニット用ポート板20と、固定排出量油圧ユニット用斜板22との回転運動に対して、静止させる必要がある。このように、入力軸8は、可変排出量油圧ユニット用ブロック・ピストンセット12と、固定排出量油圧ユニット用ポート板20と、固定排出量油圧ユニット用斜板22とを一体として一緒に回転させる。同様に、固定排出量油圧ユニット用ブロック・ピストンセット18は、出力軸10を一体として回転させる。
【0011】
この構成で、可変排出量油圧ユニット用静止ポート板14と固定排出量油圧ユニット用回転ポート板20との間でのポーティング(porting)は動的である。さらにまた、上記両ポート板間の動的ポーティング境界面が入出力軸8,10の軸線に対して垂直な平面を含むのであれば、可変排出量油圧ユニット4および固定排出量油圧ユニット6の作動油圧により大きい静圧の引き離し力が上記両ポート板間で発達するおそれがある。したがって、本発明によれば、可変排出量油圧ユニット用静止ポート板14と固定排出量油圧ユニット用回転ポート板20との間の動的ポーティング境界面は、ほぼ周方向に延びる半径方向ポーティング境界面とほぼ円筒状の軸方向表面の間の半径方向ポーティングとを含む。
【0012】
図2は、本発明の実施例による油圧差動装置2の切欠き側面図である。油圧差動装置2は、静止ハウジング24内の可変排出量油圧ユニット4および固定排出量油圧ユニット6を含む。可変排出量油圧ユニット用静止ポート板14は静止ハウジング24に取付けられる。可変排出量油圧ユニット用斜板16は可変排出量油圧ユニット用斜板ハウジング26を介して静止ハウジング24に取り付けられる。
【0013】
ガスタービンエンジン(図示せず)のような可変速度動力源は、例によって入力ギヤ28を介して入力軸8を駆動する。入力軸8は、それに結合している可変排出量油圧ユニット用ブロック・ピストンセット12と、固定排出量油圧ユニット用回転ポート板20と、固定排出量油圧ユニット用斜板22とを駆動する。図2で、固定排出量油圧ユニット用回転ポート板20は、入力軸8上のスプライン30を介して入力軸8に結合している。可変排出量油圧ユニット用ブロック・ピストンセット12は、可変ブロック軸32と、固定排出量油圧ユニット用回転ポート板20に結合しているスプライン34とを介して入力軸8に結合している。固定排出量油圧ユニット用斜板22は、複数の留め具38によって固定排出量油圧ユニット用回転ポート板20に結合している固定排出量油圧ユニット用ハウジング36を介して入力軸8に結合している。キーあるいはピン40は、固定排出量油圧ユニット用斜板22の固定排出量油圧ユニット用ハウジング36との相対回転を防止する。静止フレーム24は、固定排出量油圧ユニットハウジング用ローラ軸受42で固定排出量油圧ユニット用ハウジング36の他端を支持している。
【0014】
固定排出量油圧ユニット用ブロック・ピストンセット18は、出力軸10を駆動する。図2で、固定排出量油圧ユニット用ブロック・ピストンセット18は、スプライン44を介して出力軸10に結合している。出力軸10は、出力ギヤ46を介して、発電機(図示せず)のような一定速度負荷を駆動する軸(図示せず)に速度を加えるか引いている。固定排出量油圧ユニット用ハウジング36は、出力側ローラ軸受48で出力軸10の一端を支持している。固定排出量油圧ユニット用回転ポート板20は、出力軸ジャーナル軸受50で出力軸10の他端を支持している。
【0015】
可変排出量油圧ユニット用静止ポート板14は、境界面ジャーナル軸受52で固定排出量油圧ユニット用回転ポート板20を支持している。この境界面ジャーナル軸受52は、固定排出量油圧ユニット用回転ポート板20のほぼ円筒状の端54と、可変排出量油圧ユニット用静止ポート板14内の上記円筒状の端54を受けいれるほぼ円筒状に削り取った開口部56を含む。ほぼ円筒状に削り取った開口部56は、圧力が円筒状の端54で増大するのを防ぐとともに切り離し力が発生するのを防ぐ。入力軸8は、入力側ローラ軸受58から追加的な端部支持を得て、出力軸10内を同軸で回転する。可変排出量油圧ユニット用斜板ハウジング26に据え付けられている可変排出量油圧ユニット用ローラ軸受60と可変排出量油圧ユニット用静止ポート板14に据え付けられている可変排出量油圧ユニット用ジャーナル軸受62は可変ブロック軸32を支持している。
【0016】
可変排出量油圧ユニット用ポート板14は、可変排出量油圧ユニット用ポート板14内の充填流体供給マニホールド66用充填流体供給ポート64を経由して、静止ハウジング24から低圧充填流体を受け取る。充填流体供給マニホールド66は、可変排出量油圧ユニット用静止ポート板14内の可変排出量油圧ユニット用充填流体ポート68を介して、充填流体を可変排出量油圧ユニット用ブロック・ピストンセット12に分配している。充填流体供給マニホールド66は、固定排出量油圧ユニット用回転ポート板20の円筒状の端54と可変排出量油圧ユニット用静止ポート板14内の円筒状の開口部56との間に位置する境界面ジャーナル軸受52を備えた周方向境界面に沿う充填流体環状部70を経由して、充填流体を固定排出量油圧ユニット用回転ポート板20に分配もしている。固定排出量油圧ユニット用ブロック・ピストンセット18は、固定排出量油圧ユニット用回転ポート板20内の充填流体環状部70に結合している固定排出量油圧ユニット用充填流体通路72と固定排出量油圧ユニット用充填流体ポート74とを経由して、固定排出量油圧ユニット用回転ポート板20から充填流体を受け取る。充填流体の供給は、充填および作動圧に起因する漏出により失われた流体を補充している。
【0017】
高圧作動流体は、可変排出量油圧ユニット用静止ポート板14内の可変排出量油圧ユニット用作動流体ポート76および可変排出量油圧ユニット用作動流体通路78と、固定排出量油圧ユニット用回転ポート板20の円筒状の端54と可変排出量油圧ユニット用静止ポート板14との間にあり境界面ジャーナル軸受52を備えた周方向境界面に沿う作動流体環状部80と、固定排出量油圧ユニット用回転ポート板20内で作動流体環状部80に連通している固定排出量油圧ユニット用作動流体通路82および固定排出量油圧ユニット用作動流体ポート84を経由して、可変排出量油圧ユニット用ブロック・ピストンセット12と固定排出量油圧ユニット用ブロック・ピストンセット18との間を連通している。
【0018】
図3は、充填流体環状部70を通る可変排出量油圧ユニット用静止ポート板14および固定排出量油圧ユニット用回転ポート板20のA−A断面に沿う図2に図示の油圧差動装置2の切欠き側面図である。図4は、作動流体環状部80を通る可変排出量油圧ユニット用静止ポート板14および固定排出量油圧ユニット用回転ポート板20のB−B断面に沿う図2に図示の油圧差動装置2の切欠き側面図である。図5は、充填流体マニホールド66および可変排出量油圧ユニット用作動流体通路78を通る可変排出量油圧ユニット用静止ポート板14のC−C断面に沿う図2に図示の油圧差動装置2の切欠き側面図である。
【0019】
動作時、可変速度動力源は、入力ギヤ28を回転させて入力軸8を回転させ、入力軸が、可変排出量油圧ユニット用ブロック・ピストンセット12と、固定排出量油圧ユニット用回転ポート板20と、固定排出量油圧ユニット用斜板22を回転させる。入力軸8と、可変排出量油圧ユニット用ブロック・ピストンセット12と、固定排出量油圧ユニット用回転ポート板20と、固定排出量油圧ユニット用斜板22の回転速度は、したがって、可変速度動力源の回転速度に比例する。
【0020】
制御システム(図示せず)は、これら回転速度の所望の設定値からのずれを検知して、可変排出量油圧ユニット用ブロック・ピストンセット12の排出量を変えるために可変排出量油圧ユニット用斜板16の角度を変える。回転速度の所望の設定値からのずれを検知しないとき、制御システムは、可変排出量油圧ユニット用斜板16の位置を入力軸8の中心線と直角すなわち0度をなすように調整する。可変排出量油圧ユニット用斜板16の位置が0度であるとき、可変排出量油圧ユニット用ブロック・ピストンセット12と固定排出量油圧ユニット用ブロック・ピストンセット18との間の流体の流れがない。この場合、固定排出量油圧ユニット用ブロック・ピストンセット18の回転速度が可変排出量油圧ユニット用ブロック・ピストンセット12と同じになるように(“連動(straight through”速度条件)、固定排出量油圧ユニット用ブロック・ピストンセット18は、流体的に可変排出量油圧ユニット用ブロック・ピストンセット12に固定される。出力軸10の回転速度は、それゆえ入力軸8の回転速度と同じとなり、出力ギヤ46に結合している一定速度負荷の回転速度は入出力軸の回転速度に比例する。
【0021】
可変速度動力源と入力軸8の回転速度が設定値より上にそれていることを検知したならば、制御システムは、可変排出量油圧ユニット用斜板16の位置を、図1が示すように入力軸8の中心線の垂直面に対して角度をなすように調整する。両ブロック・ピストンセット間で流体が流れ始めるので、固定排出量油圧ユニット用ブロック・ピストンセット18は、可変排出量油圧ユニット用ブロック・ピストンセット12に対して回転し始める。この場合、固定排出量油圧ユニット用ブロック・ピストンセット18は、ポンプとして働き、可変排出量油圧ユニット用ブロック・ピストンセット12はモータとして働く。出力軸10の回転速度が可変排出量油圧ユニット用ブロック・ピストンセット12の回転速度から固定排出量油圧ユニット用ブロック・ピストンセット18の回転速度を引いた結果となるように、固定排出量油圧ユニット用ブロック・ピストンセット18の回転方向は、可変排出量油圧ユニット用ブロック・ピストンセット12の回転方向と逆である。
【0022】
同様に、可変速度動力源と入力軸8の回転速度が設定値より下にそれていることを検知したならば、制御システムは、可変排出量油圧ユニット用斜板16の位置を入力軸8の中心線の垂直面に対して図1が示す角度と反対の角度をなすように調整する。両ブロック・ピストンセット間で流体が流れ始めるので、固定排出量油圧ユニット用ブロック・ピストンセット18は、可変排出量油圧ユニット用ブロック・ピストンセット12に対して再度回転し始める。この場合、可変排出量油圧ユニット用ブロック・ピストンセット12は、ポンプとして働き、固定排出量油圧ユニット用ブロック・ピストンセット18はモータとして働く。出力軸10の回転速度が可変排出量油圧ユニット用ブロック・ピストンセット12の回転速度に固定排出量油圧ユニット用ブロック・ピストンセット18の回転速度を加えた結果となるように、固定排出量油圧ユニット用ブロック・ピストンセット18の回転方向は、可変排出量油圧ユニット用ブロック・ピストンセット12の回転方向と同じである。
【0023】
可変排出量油圧ユニット用静止ポート板14と固定排出量油圧ユニット用回転ポート板20との間の充填液通路および作動液通路は、境界面ジャーナル軸受52を備える固定排出量油圧ユニット用回転ポート板20の円筒状端54と可変排出量油圧ユニット用静止ポート板14内の円筒状開口部56との間にある周方向境界面を通って半径方向に流れるように続くので、その結果として生じる流体スラスト力の大部分は上記境界面に軸方向ではなく半径方向に作用する、それによって、油圧差動装置2が大きな軸受を必要としないように流体スラスト力の全てを抑制する。これは、油圧差動装置2のサイズ、重さとコストを下げる。
【0024】
記述された本発明の実施例は、いくらかの説明に役立つ本発明の実施態様にすぎない、付属した請求項に記されているように、いろいろな部品とその配置の変更と置換は本発明の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明を取り入れるにふさわしい油圧差動装置のブロック図。
【図2】本発明のありうる実施例による油圧差動装置の切欠き側面図。
【図3】図2に示された油圧差動装置用高圧ポーティングの断面図。
【図4】図2に示された油圧差動装置用低圧ポーティングの断面図。
【図5】図2に示された油圧差動装置用油移動通路の断面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向ピストン式可変排出量油圧ユニットと、軸方向ピストン式固定排出量油圧ユニットと、該両油圧ユニット搭載用静止ハウジングと、可変速度動力源結合用入力軸と、一定速負荷結合用出力軸と、を有する油圧差動装置であって、
該静止ハウジングに結合した該可変排出量油圧ユニット用の斜板およびポート板と、
該入力軸に結合した該可変排出量油圧ユニット用軸方向ブロック・ピストンセット、該固定排出量油圧ユニット用ポート板および該固定排出量油圧ユニット用斜板と、
該出力軸に結合した該固定排出量油圧ユニット用軸方向ブロック・ピストンセットと、
を備え、
該両油圧ユニットにより発生する流体スラスト力を最小限度にするため該可変排出量油圧ユニット用ポート板および該固定排出量油圧ユニット用ポート板が周方向境界面で結合している油圧差動装置。
【請求項2】
該周方向境界面が該固定排出量油圧ユニット用ポート板のほぼ円筒状の端を収納する該可変排出量油圧ユニット用ポート板におけるほぼ円筒状の開口部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の油圧差動装置。
【請求項3】
該可変排出量油圧ユニット用ポート板が充填流体を受け、両ポート板間の該周方向境界面に沿う充填流体環状部を通って、この充填流体を該固定排出量油圧ユニット用ポート板に分配することを特徴とする請求項1に記載の油圧差動装置。
【請求項4】
作動流体が、両ポート板間の該周方向境界面に沿う作動流体環状部を通って、該可変排出量油圧ユニット用ポート板と固定排出量油圧ユニット用ポート板との間で、連通することを特徴とする請求項1に記載の油圧差動装置。
【請求項5】
該入力軸が該出力軸内に同軸で据えつけられていることを特徴とする請求項1に記載の油圧差動装置。
【請求項6】
該可変排出量油圧ユニットおよび該固定排出量油圧ユニットが該入出力軸に対して半径方向に並んでいることを特徴とする請求項1に記載の油圧差動装置。
【請求項7】
該入出力軸が該静止ハウジングの一つの端から延びていることを特徴とする請求項1に記載の油圧差動装置。
【請求項8】
該周方向境界面が該可変排出量油圧ユニット用ポート板で該固定排出量油圧ユニット用ポート板を支持する軸受を備えていることを特徴とする請求項1に記載の油圧差動装置。
【請求項9】
軸方向ピストン式可変排出量油圧ユニットと、軸方向ピストン式固定排出量油圧ユニットと、該両油圧ユニットを互いに対して実質的に半径方向に並べて搭載する静止ハウジングと、可変速度動力源結合用入力軸と、一定速負荷結合用出力軸と、を有する油圧差動装置であって、
該静止ハウジングに結合した該可変排出量油圧ユニット用の斜板およびポート板と、
該入力軸に結合した該可変排出量油圧ユニット用軸方向ブロック・ピストンセット、該固定排出量油圧ユニット用ポート板および該固定排出量油圧ユニット用斜板と、
該出力軸に結合した該固定排出量油圧ユニット用軸方向ブロック・ピストンセットと、
を備え、
該両油圧ユニットにより発生する流体スラスト力を最小限度にするため該可変排出量油圧ユニット用ポート板および該固定排出量油圧ユニット用ポート板が該固定排出量油圧ユニット用ポート板のほぼ円筒状の端を収納する該可変排出量油圧ユニット用ポート板におけるほぼ円筒状の開口部を備えている周方向境界面で結合している油圧差動装置。
【請求項10】
該可変排出量油圧ユニット用ポート板が充填流体を受け、両ポート板間の該周方向境界面に沿う充填流体環状部を通って、この充填流体を該固定排出量油圧ユニット用ポート板に分配することを特徴とする請求項9に記載の油圧差動装置。
【請求項11】
作動流体が、両ポート板間の該周方向境界面に沿う作動流体環状部を通って、該可変排出量油圧ユニット用ポート板と固定排出量油圧ユニット用ポート板との間で、連通することを特徴とする請求項9に記載の油圧差動装置。
【請求項12】
該入力軸が該出力軸内に同軸で据えつけられていることを特徴とする請求項9に記載の油圧差動装置。
【請求項13】
該可変排出量油圧ユニットおよび該固定排出量油圧ユニットが該入出力軸に対して半径方向に並んでいることを特徴とする請求項9に記載の油圧差動装置。
【請求項14】
該入出力軸が該静止ハウジングの一つの端から延びていることを特徴とする請求項9に記載の油圧差動装置。
【請求項15】
該周方向境界面が該可変排出量油圧ユニット用ポート板で該固定排出量油圧ユニット用ポート板を支持する軸受を備えていることを特徴とする請求項9に記載の油圧差動装置。
【請求項16】
軸方向ピストン式可変排出量油圧ユニットと、軸方向ピストン式固定排出量油圧ユニットと、該両油圧ユニットを互いに対して実質的に半径方向に並べて搭載する静止ハウジングと、可変速度動力源結合用入力軸と、一定速負荷結合用出力軸と、を有する油圧差動装置であって、
該静止ハウジングに結合した該可変排出量油圧ユニット用の斜板およびポート板と、
該入力軸に結合した該可変排出量油圧ユニット用軸方向ブロック・ピストンセット、該固定排出量油圧ユニット用ポート板および該固定排出量油圧ユニット用斜板と、
該出力軸に結合した該固定排出量油圧ユニット用軸方向ブロック・ピストンセットと、
を備え、
該両油圧ユニットにより発生する流体スラスト力を最小限度にするため該可変排出量油圧ユニット用ポート板および該固定排出量油圧ユニット用ポート板が、該固定排出量油圧ユニット用ポート板のほぼ円筒状の端を収納する該可変排出量油圧ユニット用ポート板におけるほぼ円筒状の開口部と、充填流体を該可変排出量油圧ユニット用ポート板から該固定排出量油圧ユニットに分配する充填流体環状部と、作動流体を該可変排出量油圧ユニット用ポート板と固定排出量油圧ユニット用ポート板との間で分配する作動流体環状部とを備えている周方向境界面で結合している油圧差動装置。
【請求項17】
該入力軸が該出力軸内に同軸で据えつけられていることを特徴とする請求項16に記載の油圧差動装置。
【請求項18】
該可変排出量油圧ユニットおよび該固定排出量油圧ユニットが該入出力軸に対して半径方向に並んでいることを特徴とする請求項16に記載の油圧差動装置。
【請求項19】
該入出力軸が該静止ハウジングの一つの端から延びていることを特徴とする請求項16に記載の油圧差動装置。
【請求項20】
該周方向境界面が該可変排出量油圧ユニット用ポート板で該固定排出量油圧ユニット用ポート板を支持する軸受を備えていることを特徴とする請求項16に記載の油圧差動装置。

【図3】
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【図5】
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【図1】
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【図2】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−106941(P2008−106941A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−275873(P2007−275873)
【出願日】平成19年10月24日(2007.10.24)
【出願人】(500107762)ハミルトン・サンドストランド・コーポレイション (165)
【氏名又は名称原語表記】HAMILTON SUNDSTRAND CORPORATION
【住所又は居所原語表記】One Hamilton Road, Windsor Locks, CT 06096−1010, U.S.A.