説明

治療器及び信号生成方法

【課題】供給する被験者に違和感を与えることなく、異なる信号同士の干渉波を生成するための信号を出力する。
【解決手段】予め定められる周期性で繰り返す第1の信号を生成する基準信号生成部(11)と、第1の信号の周期と同じ周期の信号であって、第1の信号に対して定められる位相差を有する第2の信号を生成する位相調整信号生成部(12)と、第1の信号を増幅し第1増幅信号を生成し、第2の信号を増幅し第2増幅信号を生成する増幅部(20)と、出力する第1の信号と第2の信号の位相差を制御する制御部(80)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療器及び信号生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発生させた低周波(あるいは中周波)の複数の信号を、生体(被験者)のそれぞれ異なる部位から印加し、生体内で発生する干渉波を作用させる治療に用いる治療器が知られている。
例えば、特許文献1には、周波数の異なる複数の低周波電流を体内に通電し、干渉させることにより患部の治療を行う治療器が示されている。さらに、実際の治療に必要な正弦波は30V程度(R=500Ω、I=60mA)が、必要であることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−267325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の技術によると、発生する信号の周波数は、4000Hzと4002Hzの異なる周波数の信号を用いて干渉波(うなり)を発生させている。4000Hzと4002Hzの周波数の信号が干渉し発生するうなりは、2Hzの成分を有している。
また、2つの信号の波高値(電圧)が同じであれば、高い周波数の信号の方がエネルギー量が高くなる。すなわち、周波数がそれぞれ4000Hzと4002Hzの信号の波高値(電圧)が同じ場合であれば、4000Hzの信号より、4002Hzの信号の方がエネルギー量が高くなる。
しかしながら、このエネルギー量の差があることから、4000Hzと4002Hzの周波数の信号を被験者にそれぞれ印加した場合に、その被験者が違和感(アンバランスな感じ)を感じてしまう。
【0005】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、うなりを生じる信号が供給される場合より、供給される信号により被験者が感じる違和感を減じることができる治療器及び信号生成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上記問題を解決するために、本発明は、周期性を有する複数の信号を電極に出力する治療器であって、予め定められる周期性で繰り返す第1の信号を生成する基準信号生成部と、前記第1の信号の周期と同じ周期の信号であって、前記第1の信号に対して定められる位相差を有する第2の信号を生成する位相調整信号生成部と、前記第1の信号を増幅し第1増幅信号を生成し、前記第2の信号を増幅し第2増幅信号を生成する増幅部と、前記出力する第1の信号と前記第2の信号の位相差を制御する制御部と、を備えることを特徴とする治療器である。
【0007】
(2)また、本発明は、上記の発明において、前記制御部は、前記第1の信号と前記第2の信号において、予め定められた複数の位相差の中から選択した位相差に従って、発生する前記第2の信号の位相を切り換えることを特徴とする。
【0008】
(3)また、本発明は、上記の発明において、前記制御部は、前記選択された位相差に基づいて位相差の切替順序を定め、前記位相差の切替順序に従って発生する前記第2の位相を切り換えることを特徴とする。
【0009】
(4)また、本発明は、上記の発明において、前記第1の信号の波形を示す波形情報を読み出し順に記憶する波形情報記憶部を備え、前記制御部は、前記基準信号生成部と前記位相調整信号生成部に対して、前記波形情報記憶部に記憶されている波形情報の読み出しを開始する位置をそれぞれ独立に制御する前記基準信号生成部と前記位相調整信号生成部は、前記制御部によってそれぞれ指示される前記波形情報の読み出しを開始する位置から、前記記憶される波形情報を順次読み出すことを特徴とする。
【0010】
(5)また、本発明は、上記の発明において、周期性を有する複数の信号は、正弦波、三角波、鋸波、矩形波、パルス波を含む周期性信号の中から選択されたいづれかの波形であることを特徴とする。
【0011】
(6)また、本発明は、周期性を有する複数の信号を電極に出力する治療器の信号生成方法であって、予め定められる周期性で繰り返す第1の信号を生成する基準信号生成過程と、前記第1の信号の周期と同じ周期の信号であって、前記第1の信号に対して定められる位相差を有する第2の信号を生成する位相調整信号生成過程と、前記第1の信号を増幅し第1増幅信号を生成し、前記第2の信号を増幅し第2増幅信号を生成し、端子部にそれぞれ印加する増幅過程と、前記出力する第1の信号と前記第2の信号の位相差を制御する制御過程と、を含むことを特徴とする信号生成方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、治療器は、周期性を有する複数の信号を電極に出力する。治療器において、基準信号生成部は、予め定められる周期性で繰り返す第1の信号を生成する。位相調整信号生成部は、第1の信号の周期と同じ周期の信号であって、第1の信号に対して定められる位相差を有する第2の信号を生成する。増幅部は、第1の信号を増幅し第1増幅信号を生成し、第2の信号を増幅し第2増幅信号を生成する。端子部は、第1増幅信号と前記第2増幅信号がそれぞれ印加される。制御部は、出力する第1の信号と第2の信号の位相差を制御する。
これにより、うなりを生じる信号が供給される場合より、供給される信号により被験者が感じる違和感を減じることができる治療器及び信号生成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態による治療器を示すブロック図である。
【図2】同実施形態における基準信号と位相差調整信号によって合成される合成信号を示す図である。
【図3】同実施形態における治療器の使用形態を示す図である。
【図4】同実施形態における治療器の使用形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態による治療器について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態による治療器を示す概略ブロック図である。
この図において、治療器1は、電圧生成部100と端子部300を備える。
端子部300は、端子31、32、33、34、35、36を備える。
端子部300は、増幅部20によって増幅された信号を出力する各端子と、その端子が被験者6と接触する状態を保持する保持部を備える。端子31と32、端子33と34、端子35と36はそれぞれ対となり、それぞれの対ごとに信号が出力される。端子部300は、人体に接触させて配置され、出力される信号の電圧を、それぞれ人体に印加する。
【0015】
電圧生成部100は、信号生成部10、増幅部20、記憶部50、入出力部60、及び、制御部80を備える。
信号発生部10は、基準信号生成部11と位相調整信号生成部12を備える。
基準信号生成部11は、記憶部50に記憶されている波形情報を読みだして、基準となる基準信号を生成する。生成する基準信号(第1の信号)は、予め定められた周期で繰り返す信号であり、例えば周波数4kHz(キロヘルツ)の正弦波である。
【0016】
位相調整信号生成部12は、記憶部50に記憶されている波形情報を読みだして、基準信号(第1の信号)の周期と同じ周期の信号であって、基準信号に対して定められる位相差を有する位相差調整信号(第2の信号)、すなわち基準となる基準信号を位相差を調整して遅延させた位相差調整信号を生成する。基準信号に対して位相を調整した位相差調整信号の位相差(遅延量)は、ユーザーによって指示された入力信号に応じて、制御部80が設定する。或いは、予め定められた切替周期に応じて、その位相差(遅延量)を変化させてもよい。
位相調整信号生成部12における位相差(遅延量)制御では、記憶部50に記憶されている波形情報の読みだし開始位置を変更することにより位相差(遅延量)を変更することができる。
なお、上記の説明に示したように、位相差の制御と遅延量の制御とは、等価である。
また、基準信号生成部11は、制御部80によって指示される記憶部50に記憶される波形情報の読み出しを開始する位置から、記憶される波形情報を順次読み出しすことにより、基準信号を生成する。位相調整信号生成部12は、制御部80によって指示される記憶部50に記憶される波形情報の読み出しを開始する位置から、記憶される波形情報を順次読み出しすことにより、位相差調整信号を生成する。
【0017】
増幅部20は、増幅器21、22、23を備える。
増幅部20は、入力される信号をそれぞれ増幅し、増幅した信号を端子部300に出力する。増幅器21は、入力される基準信号を増幅して端子31、32に出力する。増幅部22は、入力される位相差調整信号を増幅して端子33、34に出力する。増幅部23は、入力される位相差調整信号を増幅して端子35、36に出力する。なお、増幅部22と増幅部23とに入力される位相差調整信号は、同じ信号であってよく、或いは、基準信号に対する位相差が異なる信号であってもよい。
【0018】
記憶部50は、信号発生部10における信号生成に用いられる波形情報を読み出す順に従って記憶される。波形情報として記憶される周期性を有する複数の信号は、正弦波、三角波、鋸波、矩形波、パルス波を含む。波形情報は、記憶された周期性信号の中から選択されたいづれかの波形が読み出される。
入出力部60は、ユーザーの操作を検出し、検出した操作に応じた操作入力情報を生成する。また、入出力部60は、制御部80による表示処理の制御に応じて、表示部に情報を表示する。
【0019】
制御部80は、信号発生部10の基準信号生成部11を制御して、基準信号を発生させ、信号発生部10の位相調整信号生成部12を制御して、定められる遅延量に応じて、基準信号に対して位相を調整した位相差調整信号を発生させる。
制御部80は、基準信号と位相差調整信号との位相関係において、予め定められた複数の位相差の中から選択した位相差に従って、発生する位相差調整信号の位相を切り換える。
また、制御部80は、選択された位相差に基づいて位相差の切替順序を定め、位相差の切替順序に従って発生する前記第2の位相を切り換えることもできる。
制御部80は、記憶部50に記憶されている波形情報の読み出しを開始する位置を、基準信号生成部11と位相調整信号生成部12に対して、それぞれ独立に制御する。
【0020】
また、制御部80は、増幅部20の増幅率を制御して所望の増幅率で増幅させるとともに、増幅した信号の出力を遮断する。
制御部80は、入出力部60によって生成された、ユーザーの操作に応じた操作入力情報によって、ユーザーの操作入力を判定する。制御部80は、生成した表示情報を入出力部60に供給し、表示させる。制御部80は、ユーザーの操作に応じた操作入力情報によって、発生する信号パターンの種類、電圧、周期、基準信号から位相差調整信号までの遅延量(基準信号と位相差調整信号との位相差の制御)の設定を制御する。
【0021】
(基準信号と位相差調整信号の合成)
図2を参照して、基準信号と位相差調整信号の合成について説明する。
図2は、基準信号と位相差調整信号によって合成される合成信号を示す図である。
この図の横軸は、時間を示し、縦軸は出力する信号の強度(電圧)を示す。またこの図に示される各波形において波形Srefが基準信号の波形を示し、波形Sdelが位相差調整信号の波形を示す。
図2(a)は、遅延がない(位相差が0度の)場合の1周期分の波形を示す。
図2(b)は、遅延量がt1(位相差が45度)の場合の1周期分の波形を示す。
図2(c)は、遅延量がt2(位相差が90度)の場合の1周期分の波形を示す。
図2(d)は、遅延量がt3(位相差が135度)の場合の1周期分の波形を示す。
図2(e)は、遅延量がt4(位相差が180度)の場合の1周期分の波形を示す。
【0022】
このように、同じ波形の2つの信号の位相差(遅延量)を制御することにより、元の波形と異なる信号の波形を生成することができる。元の波形は、周波数が同じであることから、2つの信号を合成してもうなりを生じないため、うなりによって発生する周期的な変動を抑えることができる。
また、位相差(遅延量)を順次切り換えることにより、合成された波形の形を切り換えることができる。このように位相差(遅延量)の切替を制御するだけで、合成される波形を変更することができる。
【0023】
(治療器の使用形態)
次に、図3と図4を参照し、本実施形態における治療器の使用形態について説明する。
この図において、治療器1の本体には、端子部300(端子31、32、33、34、35、36)が接続される。
端子部300の各端子は、被験者6の各所に配置しされ、被験者6にその電極が接触するように保持される。
図3は、治療器の使用形態を示す図である。
図3に示される被験者6の上体背面に信号を作用させる場合を示す図である。
例えば、被験者6に端子部300の電極が接するようにして、端子31を右肩に、端子32を左腰に、端子33を左肩に、端子34を右腰にそれぞれ配置する。
端子部300をこの接続状態に保持したまま、生成した信号を被験者6に与える。つまり、右肩の端子31と左腰の端子32との間に基準信号に基づいた第1増幅信号が与えられ、左肩の端子33と右腰の端子34との間に位相差調整信号に基づいた第2増幅信号が与えられる。
このように対応する端子を結んだ線が交差するように配置することにより、各端子のいちを頂点とする四辺形に囲まれた範囲であれば、治療器1によって生成された信号を効率よく作用させることができる。
なお、端子35、36についても、上記の配置状態に加え、更に他の部位に配置してもよい。
【0024】
図4は、治療器の使用形態を示す図である。
図4に示される被験者6の下肢に信号を作用させる場合を示す図である。
例えば、被験者6に端子部300の電極が接するようにして、端子31を右足首に、端子32を左足首に、端子33を右腰に、端子34を右足首に、端子35を左腰に、端子36を左足首にそれぞれ配置する。
端子部300をこの接続状態に保持したまま、生成した信号を被験者6に与える。つまり、右足首の端子31と左足首の端子32との間に基準信号に基づいた第1増幅信号が与えられ、右腰の端子33と右足首の端子34との間に位相差調整信号に基づいた第2増幅信号が与えられ、左腰の端子35と左足首の端子36との間に位相差調整信号に基づいた第2増幅信号が与えられる。
このように配置することにより、両方の下肢に、治療器1によって生成された信号を効率よく作用させることができる。
【0025】
(信号生成処理の手順)
治療器1は、次の手順により記憶部50に記憶されている波形情報を読み出して出力信号を生成する。
【0026】
(手順1)制御部80による表示処理の制御に応じて、入出力部60の表示部に表示された情報に従って、ユーザーは、治療器1が生成する波形情報を選択する。
入出力部60は、ユーザーの操作を検出し、検出した操作に応じた操作入力情報を生成する。制御部80は、入出力部60によって生成された、ユーザーの操作に応じた操作入力情報によって、ユーザーの操作入力を判定する。
【0027】
(手順2)制御部80は、ユーザーの操作入力の判定結果から、判定結果と関連付けられる情報として予め定められている、生成する信号波形の種類、周波数、位相差調整量を確定する。
【0028】
(手順3)制御部80は、確定した生成する信号波形の種類に対応する記憶部50に記憶された波形情報を確定し、その波形情報の読み出し処理を行うために、波形情報を参照する先頭アドレス、最終アドレス、読み出しアドレスの初期値を確定する。
制御部80は、基準信号の読み出しアドレスを先頭アドレスとする。位相差調整信号の読み出しアドレスは、生成する信号波形の位相差調整量に対応するオフセット量を先頭アドレスに加算した値とする。制御部80は、確定した先頭アドレス、最終アドレス、読み出しアドレスの初期値、及び、生成する信号波形の周波数を信号発生部10に供給する。
【0029】
(手順4)制御部80は、確定した生成する信号波形の種類に対応させて、増幅部20の増幅率を設定し、増幅部20からの出力が行える状態にする。この設定により出力する信号の振幅が定められる。
【0030】
(手順5)信号発生部10の基準信号発生部11は、基準信号の読み出しアドレスを読み出して、読み出した波形情報に応じた信号を生成し増幅器21に出力する。信号発生部10の位相差調整信号発生部12は、基位相差調整信号の読み出しアドレスを読み出して、読み出した波形情報に応じた信号を生成し増幅器22と23に出力する。
基準信号発生部11と位相差調整信号発生部12は、生成する信号波形の周波数に対応する読み出し時間間隔ごとに、それぞれの読み出しアドレスの値に1を加算して次のアドレスに記憶される波形情報の読み出し処理を行う。
ただし、読み出しアドレスが最終アドレスに一致して、そのアドレスの情報を読み出した場合には、読み出しアドレスを先頭アドレスに変換して、アドレス順に読み出す処理を継続させる。
【0031】
以上の手順により、記憶部50に記憶された波形情報を連続する周期性を有する信号として読み出すことができる。
【0032】
(位相差の切替制御)
位相差の切替を周期的に行うことにより、被験者6の体内で合成される合成信号を周期的に切り換えることができ、あたかも切替周期に応じた周期性の信号として作用させることができる。
制御部80が位相差調整量を45度刻みで変化させた場合を例にして説明する。
制御部80は、位相差調整量を45度、90度、135度、180度、225度、270度、315度、360度(0度)の順に切り換える。位相差調整量を切り換える切替間隔を0.1秒とすれば、0.8秒の周期で変化する信号を生成することができる。
この切替時間は、入出力部60を用いてユーザーが指定することができる。
制御部80は、入出力部60によって切替時間の変更入力を検出すると、入力された切替時間に応じて、内部に備えるタイマー機能による割込み処理をきっかけに、信号生成部10を制御して、位相調整信号生成部12の位相調整量を順に切り換える。
このように、位相差の切替を周期的に行って、被験者6の体内で合成される合成信号を周期的に切り換えることにより、被験者6は、優しく撫で摩るように感じることができる。
【0033】
以上に示した実施形態によれば、位相差のある同じ周波数の信号に基づいて合成された信号のエネルギー量が、被験者6に作用する。合成された信号では、周波数が同じであることから「うなり」は生じない。
つまり、本実施形態に示した治療器1を用いることにより、うなりを生じる信号が供給される場合より、供給される信号により被験者が感じる違和感を低減することが可能となる。
また、被験者6に生じている炎症を鎮めるような治療の用途に適した、低刺激性の信号を生成することが可能となる。
【0034】
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、図2に示した波形は、正弦波であるが、周期性を有する信号であれば、正弦波に限られず、例えば、三角波、鋸波、矩形波、パルス波を含む周期性信号のいづれかの波形を適用することができる。
また、本実施形態では、治療器1が生成する信号の数、端子部300の端子の数、被験者6に設ける端子部300の配置などは、例として示したものであり、限定されるものではない。
また、出力する信号の電流を約1mA程度に低減させた微小電流モードを設けて、微小電流モードによって電流を制限することにより、被験者6が感じる違和感をさらに低減することが可能となる。
また、治療器1は、その微小電流モードと、従来までの通常の電流値を出力する通常モードとを選択によって切り換える切替手段を備えるものであってもよい。
【0035】
なお、上述の治療器1は、内部にコンピュータシステムを有している。そして、治療器1によって処理される各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータシステムが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでいうコンピュータシステムとは、CPU及び各種メモリやOS、周辺機器等のハードウェアを含むものである。
【符号の説明】
【0036】
1…治療器、
100…電圧発生器、
10…信号生成部、11…基準信号生成部、12…位相調整信号生成部、
20…増幅部、21、22、23…増幅器、
50…記憶部、60…入出力部、80…制御部、
300…端子部、31、32、33、34、35、36…端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周期性を有する複数の信号を電極に出力する治療器であって、
予め定められる周期性で繰り返す第1の信号を生成する基準信号生成部と、
前記第1の信号の周期と同じ周期の信号であって、前記第1の信号に対して定められる位相差を有する第2の信号を生成する位相調整信号生成部と、
前記第1の信号を増幅し第1増幅信号を生成し、前記第2の信号を増幅し第2増幅信号を生成する増幅部と、
前記出力する第1の信号と前記第2の信号の位相差を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする治療器。
【請求項2】
前記制御部は、
前記第1の信号と前記第2の信号において、予め定められた複数の位相差の中から選択した位相差に従って、発生する前記第2の信号の位相を切り換える
ことを特徴とする請求項1に記載の治療器。
【請求項3】
前記制御部は、
前記選択された位相差に基づいて位相差の切替順序を定め、前記位相差の切替順序に従って発生する前記第2の位相を切り換える
ことを特徴とする請求項2に記載の治療器。
【請求項4】
前記第1の信号の波形を示す波形情報を読み出し順に記憶する波形情報記憶部
を備え、
前記制御部は、
前記基準信号生成部と前記位相調整信号生成部に対して、前記波形情報記憶部に記憶されている波形情報の読み出しを開始する位置をそれぞれ独立に制御する
前記基準信号生成部と前記位相調整信号生成部は、
前記制御部によってそれぞれ指示される前記波形情報の読み出しを開始する位置から、前記記憶される波形情報を順次読み出す
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の治療器。
【請求項5】
周期性を有する複数の信号は、
正弦波、三角波、鋸波、矩形波、パルス波を含む周期性信号の中から選択されたいづれかの波形である
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の治療器。
【請求項6】
周期性を有する複数の信号を電極に出力する治療器の信号生成方法であって、
予め定められる周期性で繰り返す第1の信号を生成する基準信号生成過程と、
前記第1の信号の周期と同じ周期の信号であって、前記第1の信号に対して定められる位相差を有する第2の信号を生成する位相調整信号生成過程と、
前記第1の信号を増幅し第1増幅信号を生成し、前記第2の信号を増幅し第2増幅信号を生成し、端子部にそれぞれ印加する増幅過程と、
前記出力する第1の信号と前記第2の信号の位相差を制御する制御過程と、
を含むことを特徴とする信号生成方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−70777(P2012−70777A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−215934(P2010−215934)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(591032518)伊藤超短波株式会社 (69)
【Fターム(参考)】