説明

泡発生装置

【課題】
クリーミーで肌理の細かい泡を発生させることができる泡発生装置を提供する。
【解決手段】
泡発生装置1は、洗剤Wを収容する容器本体2と、容器本体2内の洗剤W内に空気を供給して洗剤Wの泡B1を発生させる空気供給手段15と、容器本体2内に発生した洗剤Wの泡B1を通過させて吐出させる吐出管20が設けられている。吐出管20内には、吐出管20内を通過する洗剤の泡B1を粉砕する粉砕手段30が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗剤に空気を送り込んで泡を発生させて吐出管から泡を吐出させる泡発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、泡発生装置は、洗剤を収容する容器本体と、容器本体内の洗剤内に空気を供給して洗剤の泡を発生させる空気供給手段と、容器本体内に発生した洗剤の泡を通過させて吐出させる吐出管とからなる(例えば、特許文献1〜3)。また、発生させた泡を均一にして吐出管の吐出口から吐出させるために吐出口にフィルターを設けたものが存在した(例えば、特許文献4、5)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−78628号公報
【特許文献2】特開平10−137153号公報
【特許文献3】特開2003−33292号公報
【特許文献4】特開2005−621号公報
【特許文献5】特開2007−21466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した泡発生装置は、発生する泡のサイズが大きいので、泡の密度が低く、そのため、クリーミー感、即ち、クリームのように柔らかでなめらかな態様、弾力感、しっとり感がないという問題点があった。また、上記した泡発生装置は、発生する泡のサイズが大きいので、吐出口のフィルターに目詰まりを起こし、泡のスムーズな吐出ができなくなるという問題点があった。
【0005】
本願発明は、上記問題点に鑑み案出したものであって、発生させた泡を吐出管から吐出する前に粉砕手段により細かく粉砕して微細化し、もってフィルターの目詰まりをなくしてスムーズで迅速な泡の吐出を可能にし、しかも吐出される泡のサイズを微細化するので、泡の密度が高く、クリーミー感、弾力感、しっとり感が得られ、さらに肌理が細かいので、理美容効果をも期待できる泡を発生させることができる泡発生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願請求項1記載の泡発生装置は、上記第1の目的を達成するため、洗剤を収容する容器本体と、容器本体内の洗剤内に空気を供給して洗剤の泡を発生させる空気供給手段と、容器本体内に発生した洗剤の泡を通過させて吐出させる吐出管が設けられた泡発生装置において、吐出管内には、吐出管内を通過する洗剤の泡を粉砕する粉砕手段が設けられていることを特徴とする。
【0007】
本願請求項2記載の泡発生装置は、上記第1の目的を達成するため、前記吐出管の吐出口には、粉砕手段によって粉砕された泡を通過させるフィルターが設けられていることを特徴とする。
【0008】
本願請求項3記載の泡発生装置は、上記第1の目的を達成するため、前記粉砕手段は、回転軸と、回転軸に固定された切断刃と、回転軸を回転させる駆動手段とからなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本願発明に係る泡発生装置は、空気供給手段により容器本体内に空気を供給すると、供給された空気が洗剤内において気泡となり、容器本体内において洗剤の泡を発生させ、この洗剤の泡が吐出管を通過して外に吐出させられる。この吐出管内には、吐出管内を通過する洗剤の泡を粉砕する粉砕手段が設けられているので、発生した泡をそのまま通過させるのではなく微細化する。
【0010】
このように本願発明に係る泡発生装置は、吐出する泡のサイズが小さく密度が高いので、クリームのように柔らかで滑らかであり、弾力感、しっとり感があり、肌理が細かく、理美容効果を期待できる泡を発生させることができるという効果がある。また、本願発明に係る泡発生装置は、粉砕手段によって吐出管内を通過する洗剤の泡を粉砕して微細化するので、吐出口に設けられたフィルターの目詰まりをなくしてスムーズで迅速な泡の吐出を可能にすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本願発明に係る泡発生装置の全体断面側面図である。
【図2】図1の泡発生装置の全体側面図である。
【図3】図1の泡発生装置の要部正面図である。
【図4】図1の泡発生装置の動きを説明する説明図である。
【図5】泡の状態を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本願発明の一つの実施の形態の概要を図1乃至図5に基づいて説明する。泡発生装置1は、洗剤Wを収容する容器本体2と、容器本体2内の洗剤W内に空気を供給して洗剤Wの泡B1を発生させる空気供給手段15と、容器本体2内に発生した洗剤Wの泡B1を通過させて吐出させる吐出管20が設けられている。吐出管20内には、吐出管20内を通過する洗剤の泡B1を粉砕する粉砕手段30が設けられている。
【0013】
前記吐出管20の吐出口25には、粉砕手段30によって粉砕された泡B3を通過させるフィルター26,27が設けられている。前記粉砕手段30は、回転軸31と、回転軸31に固定された切断刃32と、回転軸31を回転させる駆動手段40とからなる。
【0014】
泡発生装置1は、空気供給手段15により容器本体2内に空気を供給すると、供給された空気が洗剤W内において気泡となり、容器本体2内において洗剤Wの泡B1を発生させ、この洗剤Wの泡B1が吐出管20を通過して外に吐出させられる。この吐出管20内には、吐出管20内を通過する洗剤Wの泡B1を粉砕する粉砕手段30が設けられているので、発生した泡B1をそのまま通過させるのではなく微細化する。
【0015】
このように泡発生装置1は、吐出させた泡B3のサイズが小さく密度が高いので、クリームのように柔らかで滑らかであり、弾力感、しっとり感があり、肌理が細かく、理美容効果を期待できる泡B3を発生させることができる。また、泡発生装置1は、粉砕手段30によって吐出管20内を通過する洗剤Wの泡B1を粉砕して微細化するので、吐出口25に設けられたフィルター26,27の目詰まりをなくしてスムーズで迅速な泡B3の吐出を可能にすることができる。
【0016】
さらに、泡発生装置1について詳細に説明する。容器本体2は、底壁3と、底壁3の一方に形成された洗剤収容体5と、底壁3の他方に形成された空気供給管6とで構成されている。洗剤収容体5は、周壁7と、周壁7の上端開口部を塞ぐ上壁8とからなる。空気供給管6の下端と洗剤収容体5の下端は、連通管9によって連通してる。空気供給管6は、上端開口に空気ポンプ(空気供給手段)15の空気排出管16の先端が接続されている。
【0017】
前記上壁8には、略直角に折曲された円筒状の吐出管20が固定されている。吐出管20は、垂直管21と水平管22とからなり、垂直管21に吸入口23が形成され、水平管22に吐出口25が形成されている。吐出管20は、垂直管21が上壁8に固定され、吸入口23が洗剤収容体5内に位置している。垂直管21の吸入口23は、洗剤収容体5の洗剤W内に没入しないようになっている。吐出管20の吐出口25近傍には、洗剤の泡を細粒化するメッシュ状の第1の泡吐出側フィルター26と第2の泡吐出側フィルター27が所定間隔あけて連続して配置されている。
【0018】
洗剤収容体5内には、メッシュ状のフィルター11,12,13が設けられている。第1の気泡発生フィルター11は、最下部に位置している。第2の気泡発生フィルター12は、第1の気泡発生フィルター11の直上に位置している。この第1の気泡発生フィルター11及び第2の気泡発生フィルター12は、洗剤内に浸かるようになっており、気泡を細粒化する。泡吸入側フィルター13は、洗剤Wの液面W1上部に位置し、洗剤収容体5内に発生する初期泡B1を細粒化する。
【0019】
吐出管20には、吐出管20内を通過する洗剤の泡を粉砕する粉砕手段30が設けられている。粉砕手段30は、回転軸31と、回転軸31に固定された切断刃32と、回転軸31を回転させる駆動装置(駆動手段)40とからなる。回転軸31は、円筒状の軸受けボス35に転がり軸受け36を介して回動可能に取り付けられている。軸受けボス35は、吐出管20の屈曲部20aに固定して取り付けられ、回転軸31が吐出管20の水平管22と略同一軸心となるように配置されている。
【0020】
回転軸31には、略十字状に切断刃32が取り付けられた円筒状の取付部材37が固定して取り付けられている。取付部材37は、スプライン、キー、ネジ等の固定手段によって回転軸31に固定して取り付けられるが、状況に合わせて固定手段を変更することは設計技術上当然のことである。回転軸31に切断刃32を直接設けることが可能であることは言うまでもない。
【0021】
回転軸31には、切断刃32が略45度ずつずれるようにして4つの取付部材37が固定されているので、4つの切断層を備えていることになる。切断刃32は、回転軸31によって吐出管20内を回転するが、切断刃32の先端が吐出管20の内径近傍まで伸びているので、吐出管20内を通過する洗剤の泡B2を隈無く粉砕する。切断刃32は、洗剤の泡を粉砕する目的で形成されているので、物を現実に細断する程の切れを必要とはしない。また、切断刃32は、水平管22の軸方向と略直角となるように取付部材37に固定されているが、プロペラのように傾けても構わない。切断刃32は、プロペラのように傾けることによって、泡の切断と同時に泡を吐出口25方向へ送り出すことができる。
【0022】
吐出管20には、回転軸31を回転させる駆動装置(駆動手段)40が設けられている。駆動装置(駆動手段)40は、駆動モータ41と、駆動モータ41の駆動軸42に設けられた駆動歯車43と、駆動歯車43と噛み合う平歯車45と、平歯車45の中心軸46と回転軸31の端部に設けられた固定軸47を連結するジョイント49とで構成されている。この駆動装置(駆動手段)40は、吐出管20の側面に取り付けられた駆動ケース50内に収納されている。駆動装置(駆動手段)40は、回転軸31を回転させる構成であれば、上記構成に限定されるものでないことは当然であり、設計技術上種々変更が可能である。また、駆動装置(駆動手段)40は、吐出管20に取り付けられなくても構わないのは当然である。
【0023】
泡発生装置1は、上記構成を有し、以下のように使用することができる。空気ポンプ15を作動すると、圧縮空気が空気排出管16、空気供給管6、連通管9を介して容器本体2内の底壁3近傍に送られる。この送られた空気が第1の気泡発生フィルター11及び第2の気泡発生フィルター12を通過して容器本体2の洗剤W内に気泡を発生させ、洗剤Wの液面W1上に大量の初期泡B1を発生させる。この初期泡B1は、泡吸入側フィルター13を通過することによって、若干小さくなって中間泡B2となり、吐出管20の吸入口23から吸入されて吐出口25から吐出される。
【0024】
駆動モータ41を駆動すると、駆動軸42、駆動歯車43、平歯車45、中心軸46、ジョイント49、固定軸47を介して回転軸31が回転する。回転軸31の回転に従って、各切断刃32も回動する。上記したように吐出管20の吸入口23から吸入されて吐出口25から吐出される中間泡B2は、吐出管20内を通過する際、切断刃32によって粉砕され、微細化されて最終泡B3となる。なお、泡吸入側フィルター13を外した状態で発生する初期泡B1であっても、吐出管20内を通過する際、切断刃32によって粉砕され、微細化されて最終泡B3となる。最終泡B3は、極小サイズとなっているので、第1の泡吐出側フィルター26及び第2の泡吐出側フィルター27を目詰まりすることなくスムーズ且迅速に通過する。このように泡発生装置1によって発生させられた泡B3は、密度が高いので、クリームのように柔らかで滑らかであり、弾力感、しっとり感がある。また、肌理が細かいので、肌に浸透し易く、理美容効果を期待できる。
【実施例】
【0025】
(a)泡発生装置1において、泡吸入側フィルター13、第1の泡吐出側フィルター26及び第2の泡吐出側フィルター27を外し、切断刃32を回転させない状態の時に、空気ポンプ15を作動すると、泡サイズの大きく肌理の粗い初期泡B1(図5(c)参照)がそのまま吐出管20から吐出された。
(b)泡発生装置1において、泡吸入側フィルター13を外し、第1の泡吐出側フィルター26及び第2の泡吐出側フィルター27を取り付け、切断刃32を回転させない状態の時に、空気ポンプ15を作動すると、(a)よりも泡サイズが小さくはなったもののまだ肌理が粗くムラのある中間泡B2(図5(b)参照)がそのまま吐出管20から吐出された。
(c)泡発生装置1において、泡吸入側フィルター13、第1の泡吐出側フィルター26及び第2の泡吐出側フィルター27を取り付け、切断刃32を4層状態にして回転させた状態の時に、空気ポンプ15を作動すると、泡サイズが小さくて肌理が細かくムラのない最終泡B3(図5(a)参照)がそのまま吐出管20から吐出された。
(d)切断刃の厚みを2mm、1mm、0.5mmと変更すると、2mmでも十分効果の高いクリーミーな泡をムラなく発生したが、0.5mmの厚みが最も良好であった。なお、上記実施例のフィルターは、素材がポリエステル繊維で、メッシュの径サイズが約0.3mmのものを使用した。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本願発明は、泡の密度が高く、クリーミー感、弾力感、しっとり感が得られ、さらに肌理が細かいので、理美容効果をも期待できる泡を発生させることが洗顔用泡発生装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0027】
W 洗剤
W1 液面
B1 初期泡
B2 中間泡
B3 最終泡
1 泡発生装置
2 容器本体
3 底壁
5 洗剤収容体
6 空気供給管
7 周壁
8 上壁
9 連通管
11 第1の気泡発生フィルター
12 第2の気泡発生フィルター
13 泡吸入側フィルター
15 空気ポンプ(空気供給手段)
16 空気排出管
20 吐出管
20a 屈曲部
21 垂直管
22 水平管
23 吸入口
25 吐出口
26 第1の泡吐出側フィルター
27 第2の泡吐出側フィルター
30 粉砕手段
31 回転軸
32 切断刃
35 軸受けボス
36 転がり軸受け
37 取付部材
40 駆動装置(駆動手段)
41 駆動モータ
42 駆動軸
43 駆動歯車
45 平歯車
46 中心軸
47 固定軸
49 ジョイント
50 駆動ケース



【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗剤を収容する容器本体と、
容器本体内の洗剤内に空気を供給して洗剤の泡を発生させる空気供給手段と、
容器本体内に発生した洗剤の泡を通過させて吐出させる吐出管が設けられた泡発生装置において、
吐出管内には、吐出管内を通過する洗剤の泡を粉砕する粉砕手段が設けられていることを特徴とする泡発生装置。
【請求項2】
前記吐出管の吐出口には、粉砕手段によって粉砕された泡を通過させるフィルターが設けられていることを特徴とする請求項1記載の泡発生装置。
【請求項3】
前記粉砕手段は、回転軸と、回転軸に固定された切断刃と、回転軸を回転させる駆動手段とからなることを特徴とする請求項1又は2記載の泡発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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