説明

波板用ブラシ

【課題】波板トタンの、サビ落とし、汚れ落しに対して、迅速で容易に作業のできる、作業効率のよい波板用ブラシを提供することを目的とする。
【解決手段】ファブロン及びワイヤーブラシの形状を、波板の断面と同形状にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【001】
本発明は、波型断面のトタン板等、いわゆる波板のサビ落しや、汚れ落しに使用するブラシに関する。
【背景技術】
【002】
従来、波板のサビ落しや、汚れ落しについては、手動であれば、一般のワイヤーブラシやビニールブラシが用いられている。
電動の場合は、ジスクグラインダサンダにカップワイヤーブラシを装着したものが用いられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【003】
従来、トタン板のサビ落しであれば、手動の場合、普通のワイヤーブラシで行われている。
図7を参照して説明すると、波板の延長方向にワイヤーブラシ50を波板51の山部、谷部に対し、平行に前後に動かせば、ブラシは、あまりバラけず長持ちする。
しかし、図7のように、自然にワイヤーブラシ50をランダムにかけるようになってしまう。
そのため、ワイヤーブラシ50のワイヤーが、しだいにバラけてきて長持ちしない。
工程的には、それ相応にサビ落しに時間もかかる。
【004】
一方、安全面から図6を参照して説明すると、図6は高所でサビ落しをする場合、脚立やはしごに登って行う場合が多くあるが、図6のように、片手をのばし、もう片方の手で、壁等を押さえてサビ落しを行うさい、当然、体の前方でサビ落し作業をする場合に比べ、ブラシに力もかかりずらく、やりずらくなる。
そのとき、ワイヤーブラシが横ズレしたり、空振りしたりすると体制をくずして転落しやすい。
【005】
次に、図4を参照して、電動ジスクグラインダサンダ40にカップワイヤーブラシ41を装着しての作業について説明すると、手動のワイヤーブラシに比べれば、サビ落し作業量は、はるかに増す。しかし、波板トタンの山部にはよくブラシは当たるが、ジスクグラインダサンダの回転が早すぎるせいもあるが、なかなか谷部には当たらない。
無理やり、谷部に当てようとブラシを谷部に押し込んで、ブラシが谷部にはさまるような状態になると、ジスクグラインダサンダが作業者のほうに跳ね返ってきて大変危険である。
一方、この作業についてであるが、ジスクグラインダサンダの回転がかなり早いので、カップワイヤーブラシ41のワイヤー42が、遠心力で、けっこう抜ける。
作業服やズボンにワイヤーがささるのはまれであるが、眼鏡を使用しなかった場合、目にワイヤーがささる可能性も大いにある。
前述、[背景技術]において、ジスクグラインダサンダにカップワイヤーブラシを装着しての作業も行われていると、いちよう記載したが、これについては、波板のサビ落しについては、むいていなにと言ったほうがよいかもしれない。
【課題を解決するための手段】
【006】
前記課題を解決するための手段として
本発明では、波板断面と同形状に、ワイヤーブラシやファブロンを形成し、その上に持手を設ける、又は電動サンダ等に取り付けられるようにした。
【発明の効果】
【007】
以上の構成により、ブラシが波板断面に、まんべんなくかかるようになった。
また、従来のワイヤーブラシ単体でのサビ落しに比べれば、複数列、複数本のワイヤーブラシでサビを落とすようになり、格段にサビ落し作業が早く行えるようになった。
また、本発明の場合、ブラシをかける場合、前後一方方向のみブラシを動かすため、言い換えれば、ブラシが波板と同断面の波状になっているので、ブラシが自然に波板の山と谷に、ブラシの谷と山が合わさり、横ズレできなくなる。従って、ブラシを動かす場合は前後一方方向となり、ブラシがバラけず長持ちする。
【008】
一方、安全面から、図6を参照して述べると、
単体のワイヤーブラシ50では、どうしても横ズレ、空振りしやすい。しかし、本発明の場合、ブラシが波板の山と谷に複数列接する。いわば、電車の車輪とレールの関係のようになる。そのため、作業者は、足場から体が跳ね出した状態においても、横ズレ、空振りしにくくなる。
以上、説明してきたように、多くの効果を得ることができた。
【発明実施の形態】
【009】
本発明について、図1、図2を参照して述べると、波板断面とファブロン、ワイヤーブラシを同形状にし、複数列、山、谷に接触するようにしたわけであるが、この点は、前述詳しく説明した部分であるが、これにより、サビ落としのブラシが動く方向は、ブラシの前後方向に限られる。よって、ブラシの損耗も、ほぼ一定に損耗される。つまり、波板断面と同形状のまま損耗されていくことになり、普通のワイヤーブラシのサビ落としの場合のように、ランダムにブラシをかけ、ブラシがバラけるということがなくなる。
サビ落とし量、作業効率については、普通のワイヤーブラシに比べ、波板にブラシが接する面積は断然広くなるので、当然、サビ落とし量も、はるかに多くなり、サビ落としの所要時間も、はるかに少なくなる。
安全面については、[発明の効果]の部分で説明済のため省略する。
【010】
上記、[009]については、手動の場合の説明であったが、電動式の場合、図3、図5を参照して説明すると、図5は一般の電動サンダと呼ばれるものであるが、34,35の、やすり紙押さえ具は、回転方向Aの方向に回転し、やすり紙を固定するものである。
図3は、やすり紙の代わりに布31を、やすり紙押さえ具34,35によって固定したもので、布31に、図1のファブロン12を貼り付けた状態の図である。
この構成により、ファブロン全体に振動がかかり、サビ落とし量は、手動の場合に比べ、比較にならないほど増大する。
また、人間の手の疲労も大いに軽減され、気のすむまでと言っていいほど、サビ落とし作業がおこなえる。
【011】
一方、電動サンダの場合、おもに振動であるが、これが図5を参照すれば、前後B方向のレシプロ運動の電動工具でもよい。
【012】
また、前記説明は、電動サンダ33に、やすり紙押さえ具、バー34,35を用いての脱着式の場合であったが、脱着式ではなく、電動サンダそのものに、図1、図2のファブロン、ワイヤーブラシの持手を除いた部分をボルトやビスで直接固定してしまってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、ファブロン使用の波板用ブラシの斜視図である。
【図2】本発明の、ワイヤーブラシ使用の波板用ブラシの正面図である。
【図3】本発明の、ファブロン使用の波板用ブラシを布に貼り付けた脱着型ファブロンブラシを電動サンダに固定したところの図である。
【図4】一般のジスクグラインダサンダにカップワイヤーブラシを取り付けたところの説明図である。
【図5】一般の電動サンダの説明図である。
【図6】高所におけるサビ落とし状態の説明図である。
【図7】従来のワイヤーブラシを用いての、サビ落とし状態の説明図である。
【符号の説明】
10 波板用ファブロンブラシ
11 持手
12 ファブロン
20 波板用ワイヤーブラシ
21 持手
22 ワイヤー
30 脱着型波板用ファブロンブラシ
31 布
32 ファブロン
33 電動サンダ
34 やすり紙押さえ具
35 やすり紙押さえ具
40 ジスクグラインダサンダ
41 カップワイヤーブラシ
42 ワイヤー
50 ワイヤーブラシ
51 波板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
波板の表面と、ファブロンやワイヤーブラシ先端が、全面に接するよう、トタン板等の波板断面と同形状にファブロンやワイヤーブラシを同形状に形成した波板用ブラシ。
【請求項2】
前記記載の波板用ブラシが、電動サンダ等、振動又は前後レシプロ運動する電動工具に取り付け可能にした波板用ブラシ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−139873(P2011−139873A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−14746(P2010−14746)
【出願日】平成22年1月6日(2010.1.6)
【出願人】(592097093)
【Fターム(参考)】