説明

注入オゾン制御システム及び注入オゾン制御方法

【課題】オゾン処理槽へのオゾン注入量を精度良く適切な量に制御可能な注入オゾン制御システム及び制御方法を提供すること。
【解決手段】本発明による注入オゾン制御システム30は、被処理水へのオゾン注入量を制御する制御部31と、被処理水の推定オゾン消費量を求める算出部32と、被処理水の水温から推定オゾン溶解効率を求める算出部33とを備えている。算出部32は、被処理水への塩素注入率によって決定されるオゾン消費量算出式を用いて、被処理水の蛍光強度、水温、濁度、pHの各値に基づいて推定オゾン消費量を算出する。オゾン注入量制御部31は、前記推定オゾン消費量と、予め定められたオゾン処理水の溶存オゾン濃度目標値と、前記推定オゾン溶解効率とを用い、かつオゾン処理水の溶存オゾン濃度測定値と、溶存オゾン濃度目標値との差異を考慮して求めた補正オゾン注入率に基づいて被処理水へのオゾン注入量を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オゾン処理槽と、オゾン処理槽にオゾンを注入するオゾン注入部とを有するオゾン処理設備に設置され、外乱が生じた場合でもオゾン注入量を精度良く適切な量に制御することのできる注入オゾン制御システム及び注入オゾン制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、被処理水にオゾンを注入するため、オゾン処理槽と、オゾン処理槽にオゾンを注入するオゾン注入部とを有するオゾン処理設備が用いられている。被処理水に注入されるオゾンの注入量を制御する方法としては、溶存オゾン濃度が一定となるようオゾンの注入量を制御する方法、排オゾンの濃度を用いてオゾン注入量を制御する方法、オゾン注入部に送られるオゾンの発生量を制御する方法、あるいはこれらの方法を組み合わせた方法がある。このうち溶存オゾンが一定となるようオゾンの注入量を制御する方法は、オゾン処理水内の溶存オゾン濃度をフィードバックさせて一定目標値に制御するものであり、比較的安定してオゾンの注入量を制御することができるため好ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このように溶存オゾン濃度が一定となるよう溶存オゾン濃度をフィードバックさせて制御する手段では、水質が変化した場合など外乱が生じた場合に、溶存オゾン濃度が目標値からかなり離れた値になってしまい、被処理水へのオゾン注入量を精度良く制御することができないことがある。
【0004】
このため外乱が生じた場合には、有機物質の分解効率が低下したり、有害な臭素酸が発生したりするなどの問題が生じている。
【0005】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、水質が変化した場合など外乱が生じた場合であっても、被処理水へのオゾン注入量を精度良く適切な量に制御することができる注入オゾン制御システム及び注入オゾン制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、オゾン処理槽と、オゾン処理槽にオゾンを注入するオゾン注入部とを有するオゾン処理設備に設置され、オゾン注入部からのオゾン注入量を制御する注入オゾン制御システムにおいて、被処理水に注入されるオゾン注入量を制御するオゾン注入量制御部と、被処理水に注入される塩素の塩素注入率によって決定されるオゾン消費量算出式を用いて、被処理水の蛍光強度と、被処理水の水温と、被処理水の濁度と、被処理水のpHの各値に基づいて、被処理水の推定オゾン消費量を求める推定オゾン消費量算出部と、被処理水の水温から決定される推定オゾン溶解効率を算出する推定オゾン溶解効率算出部とを備え、オゾン注入量制御部は、前記推定オゾン消費量と、予め定められたオゾン処理水内の溶存オゾン濃度目標値と、前記推定オゾン溶解効率とを用い、かつオゾン処理水内の溶存オゾン濃度測定値と、溶存オゾン濃度目標値との差異を考慮して求めた補正オゾン注入率に基づいて被処理水に注入されるオゾン注入量を制御することを特徴とする注入オゾン制御システムである。
【0007】
本発明は、溶存オゾン濃度目標値をオゾン注入量制御部に入力する溶存オゾン濃度目標値入力部を更に備えたことを特徴とする注入オゾン制御システムである。
【0008】
本発明は、オゾン処理水内の溶存オゾン濃度を測定する溶存オゾン濃度測定部が設けられ、 オゾン処理槽の上流に、被処理水に塩素を注入する塩素注入部が設けられていることを特徴とする注入オゾン制御システムである。
【0009】
本発明は、塩素注入部は、塩素注入率を入力する塩素注入率入力部に接続され、当該塩素注入率入力部は、推定オゾン消費量算出部に接続されていることを特徴とする注入オゾン制御システムである。
【0010】
本発明は、被処理水の蛍光強度を測定する蛍光強度計と、被処理水の水温を測定する水温計と、被処理水の濁度を測定する濁度計と、被処理水のpHを測定するpH計とが設けられ、推定オゾン消費量算出部は、被処理水の蛍光強度を測定する蛍光強度計と、被処理水の水温を測定する水温計と、被処理水の濁度を測定する濁度計と、被処理水のpHを測定するpH計とに接続されていることを特徴とする注入オゾン制御システムである。
【0011】
本発明は、推定オゾン溶解効率算出部は、水温計に接続されていることを特徴とする請注入オゾン制御システムである。
【0012】
本発明は、オゾン消費量算出式は、塩素注入率が0.0mg/l,0.5mg/l及び1.0mg/lの際に用いられる予め定められた三種類の式から選ばれることを特徴とする注入オゾン制御システムである。
【0013】
本発明は、オゾン処理槽と、オゾン処理槽にオゾンを注入するオゾン注入部とを有するオゾン処理設備に適用され、オゾン注入部からのオゾン注入量を制御する注入オゾン制御方法において、推定オゾン消費量算出部において、被処理水に注入される塩素の塩素注入率によって決定されるオゾン消費量算出式を用いて、被処理水の蛍光強度と、被処理水の水温と、被処理水の濁度と、被処理水のpHの各値に基づいて、被処理水の推定オゾン消費量を求める推定オゾン消費量算出工程と、推定オゾン溶解効率算出部において、被処理水の水温から決定される推定オゾン溶解効率を算出する推定オゾン溶解効率算出工程と、オゾン注入量制御部において、推定オゾン消費量と、予め定められたオゾン処理水内の溶存オゾン濃度目標値と、前記推定オゾン溶解効率とを用い、かつオゾン処理水内の溶存オゾン濃度測定値と、溶存オゾン濃度目標値との差異を考慮して補正オゾン注入率を求めるとともに、この補正オゾン注入率に基づいて、被処理水に注入されるオゾン注入量を制御する工程と、を備えたことを特徴とする注入オゾン制御方法である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、水質が変化した場合など外乱が生じた場合であっても、被処理水に注入するオゾンの量を精度良く適切な量に制御することができる注入オゾン制御システム及び注入オゾン制御方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施の形態
以下、本発明に係る注入オゾン制御システムの実施の形態について、図面を参照して説明する。ここで、図1及び図2は本発明による注入オゾン制御システムの実施の形態を示す図である。
【0016】
図1に示すように、本発明による注入オゾン制御システム30は、オゾン処理槽10と、オゾン処理槽10内にオゾンを注入するオゾン注入部12とを有するオゾン処理設備50に設置されている。この注入オゾン制御システム30は、オゾン注入部12からオゾン処理槽10へ注入されるオゾン注入量を制御するためのものである。
【0017】
また、オゾン処理槽10の上流側には、被処理水をオゾン処理槽10へ供給する入口ライン20が接続され、オゾン処理槽10の下流側にはオゾン処理槽10からのオゾン処理水を排出する出口ライン25が接続されている。
【0018】
図1に示すように、本発明の注入オゾン制御システム30は、オゾン処理槽10中の被処理水にオゾンを注入するオゾン注入部12を制御するオゾン注入量制御部31と、オゾン注入量制御部31に接続され、推定オゾン消費量を求める推定オゾン消費量算出部32と、推定オゾン溶解効率を算出する推定オゾン溶解効率算出部33と、予め定められたオゾン処理水内の溶存オゾン濃度目標値を入力する溶存オゾン濃度目標値入力部36とを備えている。
【0019】
また図1に示すように、オゾン処理槽10の下流側に設けられた出口ライン25には、オゾン処理水の溶存オゾン濃度を測定する溶存オゾン濃度測定部11が設けられている。またオゾン処理槽の上流側に設けられた入口ライン20には、被処理水に塩素を注入する塩素注入部13が設けられている。
【0020】
また図1に示すように、オゾン処理槽10の上流側に設けられた入口ライン20には、被処理水の蛍光強度を測定する蛍光強度計21と、被処理水の水温を測定する水温計24と、被処理水の濁度を測定する濁度計23と、被処理水のpHを測定するpH計22とが各々設けられている。
【0021】
さらに図1に示すように、推定オゾン消費量算出部32には、入口ライン20内に設けられた蛍光強度計21と、濁度計23と、pH計22と、水温計24に接続されている。また推定オゾン溶解効率算出部33には、入口ライン20に設けられた水温計24が接続されている。
【0022】
また図1に示すように、塩素注入部13は、塩素注入率を塩素注入部13に入力する塩素注入率入力部37に接続されている。また、この塩素注入率入力部37は、推定オゾン消費量算出部32に接続されている。なお塩素注入率入力部37は、被処理水に注入する塩素注入率を0.0mg/l,0.5mg/l及び1.0mg/lから選んで入力することのできる3つのボタン(図示せず)を有している。
【0023】
また図1に示すように、オゾン注入量制御部31は、オゾン処理槽10から流れるオゾン処理水内の溶存オゾン濃度を測定する溶存オゾン濃度測定部11に接続されている。
【0024】
また図1に示すように、オゾン注入量制御部31には、オゾン処理槽10に設けられたオゾン注入部12が接続されており、オゾン注入量制御部31は、オゾン注入部12によってオゾン処理槽10内に注入されるオゾン注入量を制御する。
【0025】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について述べる。
【0026】
図1及び図2において、被処理水が入口ライン20を通ってオゾン処理槽10に入り、オゾン処理槽10内において被処理水に対してオゾン注入部12からオゾンが注入される。このように被処理水にオゾンが注入されることによって、被処理水がオゾン処理水となり、オゾン処理槽10から出口ライン25を経て排出される。
【0027】
この間、入口ライン20の被処理水に注入する塩素の塩素注入率を選択し、選択した塩素注入率に対応する塩素注入率入力部37のボタンが押される。このように塩素注入率入力部37のボタンを押すことにより、塩素注入部13から入口ライン20内の被処理水中に所望の塩素注入率に従って塩素が注入される。このようにオゾン処理槽10上流側の入口ライン20内に流れる被処理水中に塩素を注入することによって、有害な臭素酸が発生することを防止することができる。
【0028】
また図1及び図2において、該当する塩素注入率を選んで塩素注入率入力部37のボタンを押すことにより、塩素注入率入力部37からの塩素注入率が推定オゾン消費量算出部32に入力される。この入力される塩素注入率に基づいて、推定オゾン消費量算出部32は、塩素注入率が0.0mg/l,0.5mg/l及び1.0mg/lとなる場合に対応して予め定められた以下の三種類の式からオゾン消費量算出式を決定する。
推定オゾン消費量=0.038×蛍光強度+0.025×水温+0.31×濁度+0.58×pH−4.6 …式(1) (塩素注入率:0.0mg/Lの場合)
推定オゾン消費量=0.055×蛍光強度+0.029×水温+0.14×濁度+0.34×pH−3.3 …式(2) (塩素注入率:0.5mg/Lの場合)
推定オゾン消費量=0.045×蛍光強度+0.029×水温+0.33×濁度+0.45×pH−4.0 …式(3) (塩素注入率:0.0mg/Lの場合)。
【0029】
次に、図1及び図2に示すように、入口ライン20に設けられた蛍光強度計21によって測定された被処理水の蛍光強度が、蛍光強度計21から推定オゾン消費量算出部32に入力される。同様に、入口ライン20に設けられた水温計24と、濁度計23と、pH計22とによって各々測定された、被処理水の水温と、濁度と、pHとが、推定オゾン消費量算出部32に入力される。
【0030】
次に、図1及び図2に示すように、推定オゾン消費量算出部32において、選択された式(式(1),式(2),式(3)のいずれか)に、入力された蛍光強度と、水温と、濁度と、pHとが各々代入される。このことによって、推定オゾン消費量が算出される。
【0031】
この間、入口ライン20に設けられた水温計24によって測定された被処理水の水温が、水温計24から推定オゾン溶解効率算出部33に入力され、推定オゾン溶解効率算出部33において当該水温に従って推定オゾン溶解効率が算出される。
【0032】
次に、推定オゾン消費量算出部32によって算出された推定オゾン消費量と、推定オゾン溶解効率算出部33によって算出された推定オゾン溶解効率とが、オゾン注入量制御部31に入力される。
【0033】
また、オゾン処理槽10の下流側の出口ライン25に設けられた溶存オゾン濃度測定部11によって溶存オゾン濃度測定値が、溶存オゾン濃度測定部11からオゾン注入量制御部31に入力される。
【0034】
また、予め定められた溶存オゾン濃度目標値が、溶存オゾン濃度目標値入力部36からオゾン注入量制御部31に入力される。
【0035】
次に、オゾン注入量制御部31において、推定オゾン消費量と、予め定められたオゾン処理水内の溶存オゾン濃度目標値と、推定オゾン溶解効率とを用い、かつオゾン処理水内の溶存オゾン濃度測定値と、溶存オゾン濃度目標値との差異を考慮して補正オゾン消費量が求められ、求められた補正オゾン注入率を用いて、オゾン注入部12からオゾン処理槽10内の被処理水中へ注入されるオゾン注入量が制御される。
【0036】
次に、オゾン注入量制御部31における上述した制御方法について更に詳述する。
【0037】
まず、オゾン注入量制御部31において、推定オゾン注入率が、
推定オゾン注入率=(推定オゾン消費量+溶存オゾン濃度目標値)/推定オゾン溶解効率 …式(4)
により算出される。この式を変形すると、
推定オゾン注入率×推定オゾン溶解効率=推定オゾン消費量+溶存オゾン濃度目標値 …式(5)
となる。
【0038】
ここで実際のオゾン消費量と、推定オゾン消費量とは若干の誤差があるため、推定オゾン注入量を補正し、精度を高める。実際のオゾン消費量と、推定オゾン消費量との差は溶存オゾン濃度目標値と溶存オゾン濃度測定値の差として現れるため、
実際のオゾン消費量=推定オゾン消費量+(溶存オゾン濃度目標値−溶存オゾン濃度測定値) …式(6)
となる。
【0039】
この式(6)によって求められた実際のオゾン消費量を、式(4)の推定オゾン消費量に置き換えて、推定オゾン注入率を補正した補正オゾン注入率を求めると、
補正オゾン注入率={推定オゾン消費量+(溶存オゾン濃度目標値−溶存オゾン濃度測定値)+溶存オゾン濃度目標値}/推定オゾン溶解効率 …式(7)
となる。
【0040】
なお、推定オゾン消費量は、被処理水に注入する塩素の塩素注入率によって変わる式(1)−式(3)に、被処理水の蛍光強度と、被処理水の水温と、被処理水の濁度と、被処理水のpHとを代入することにより得ることができる。また推定オゾン溶解効率は、被処理水の水温により決定される値である。
【0041】
このように求められた補正オゾン注入率に基づき、補正オゾン注入量が算出され、当該補正オゾン注入量を用いて、オゾン注入部12からオゾン処理槽10に注入されるオゾン注入量を制御することができる。
【0042】
このように本発明によれば、推定オゾン消費量と、予め定められたオゾン処理水内の溶存オゾン濃度目標値と、推定オゾン溶解効率とを用い、かつオゾン処理水内の溶存オゾン濃度測定値と、溶存オゾン濃度目標値との差異を考慮して求めた補正オゾン注入率に基づいて被処理水に注入されるオゾン注入量を制御することができるので、フィードフォワード制御とフィードバック制御とを組み合わせた制御方法を用いて、オゾン注入量を精度良く制御することができる。
【0043】
このため、水質が変化した場合など外乱が生じた場合であっても、オゾン処理槽に注入するオゾン注入量を精度良く適切な量に制御することができるため、有機物質の分解効率を高い値で維持し、かつ有害な臭素酸の発生を防止することができる。
【0044】
なお本実施の形態において、塩素注入率に対応して予め定められた三種類の式(1)−式(3)を示したが、これらの式の係数は、使用されるオゾン処理槽の大きさや、被処理水の流速などによって変化するものである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明による注入オゾン制御システムの一実施の形態を示す概略図。
【図2】本発明による注入オゾン制御システムにおけるオゾン注入量の制御フローを示すブロック図。
【符号の説明】
【0046】
10 オゾン処理槽
11 溶存オゾン濃度測定部
12 オゾン注入部
13 塩素注入部
20 入口ライン
21 蛍光強度計
22 pH計
23 濁度計
24 水温計
25 出口ライン
30 注入オゾン制御システム
31 オゾン注入量制御部
32 推定オゾン消費量算出部
33 推定オゾン溶解効率算出部
36 溶存オゾン濃度目標値入力部
37 塩素注入率入力部
50 オゾン処理設備

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オゾン処理槽と、オゾン処理槽にオゾンを注入するオゾン注入部とを有するオゾン処理設備に設置され、オゾン注入部からのオゾン注入量を制御する注入オゾン制御システムにおいて、
被処理水に注入されるオゾン注入量を制御するオゾン注入量制御部と、
被処理水に注入される塩素の塩素注入率によって決定されるオゾン消費量算出式を用いて、被処理水の蛍光強度と、被処理水の水温と、被処理水の濁度と、被処理水のpHの各値に基づいて、被処理水の推定オゾン消費量を求める推定オゾン消費量算出部と、
被処理水の水温から決定される推定オゾン溶解効率を算出する推定オゾン溶解効率算出部とを備え、
オゾン注入量制御部は、前記推定オゾン消費量と、予め定められたオゾン処理水内の溶存オゾン濃度目標値と、前記推定オゾン溶解効率とを用い、かつオゾン処理水内の溶存オゾン濃度測定値と、溶存オゾン濃度目標値との差異を考慮して求めた補正オゾン注入率に基づいて被処理水に注入されるオゾン注入量を制御することを特徴とする注入オゾン制御システム。
【請求項2】
溶存オゾン濃度目標値をオゾン注入量制御部に入力する溶存オゾン濃度目標値入力部を更に備えたことを特徴とする請求項1記載の注入オゾン制御システム。
【請求項3】
オゾン処理水内の溶存オゾン濃度を測定する溶存オゾン濃度測定部が設けられ、
オゾン処理槽の上流に、被処理水に塩素を注入する塩素注入部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の注入オゾン制御システム。
【請求項4】
塩素注入部は、塩素注入率を入力する塩素注入率入力部に接続され、
当該塩素注入率入力部は、推定オゾン消費量算出部に接続されていることを特徴とする請求項3記載の注入オゾン制御システム。
【請求項5】
被処理水の蛍光強度を測定する蛍光強度計と、被処理水の水温を測定する水温計と、被処理水の濁度を測定する濁度計と、被処理水のpHを測定するpH計とが設けられ、
推定オゾン消費量算出部は、被処理水の蛍光強度を測定する蛍光強度計と、被処理水の水温を測定する水温計と、被処理水の濁度を測定する濁度計と、被処理水のpHを測定するpH計とに接続されていることを特徴とする請求項1記載の注入オゾン制御システム。
【請求項6】
推定オゾン溶解効率算出部は、水温計に接続されていることを特徴とする請求項1記載の注入オゾン制御システム。
【請求項7】
オゾン消費量算出式は、塩素注入率が0.0mg/l,0.5mg/l及び1.0mg/lの際に用いられる予め定められた三種類の式から選ばれることを特徴とする請求項1記載の注入オゾン制御システム。
【請求項8】
オゾン処理槽と、オゾン処理槽にオゾンを注入するオゾン注入部とを有するオゾン処理設備に適用され、オゾン注入部からのオゾン注入量を制御する注入オゾン制御方法において、
推定オゾン消費量算出部において、被処理水に注入される塩素の塩素注入率によって決定されるオゾン消費量算出式を用いて、被処理水の蛍光強度と、被処理水の水温と、被処理水の濁度と、被処理水のpHの各値に基づいて、被処理水の推定オゾン消費量を求める推定オゾン消費量算出工程と、
推定オゾン溶解効率算出部において、被処理水の水温から決定される推定オゾン溶解効率を算出する推定オゾン溶解効率算出工程と、
オゾン注入量制御部において、推定オゾン消費量と、予め定められたオゾン処理水内の溶存オゾン濃度目標値と、前記推定オゾン溶解効率とを用い、かつオゾン処理水内の溶存オゾン濃度測定値と、溶存オゾン濃度目標値との差異を考慮して補正オゾン注入率を求めるとともに、この補正オゾン注入率に基づいて、被処理水に注入されるオゾン注入量を制御する工程と、
を備えたことを特徴とする注入オゾン制御方法。

【図1】
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【図2】
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