説明

注出キャップ

【課題】注出口を開ける操作が簡便に行える注出キャップを提供する。
【解決手段】内容物が収容された容器1の口部2に装着されるとともに、注出口3が形成されたキャップ本体4と、前記キャップ本体4に第1ヒンジ部11を介して回動可能に連結され、前記注出口3を開閉させる内蓋5と、前記キャップ本体4に第2ヒンジ部12を介して回動可能に連結され、前記内蓋5を覆う外蓋6と、を備える注出キャップ10であって、前記内蓋5は、前記外蓋6に形成された第1被係合部21Bに下側から係合する第1係合部21Aと、この第1係合部21Aに連設されるとともに、前記外蓋6から径方向外方に突出された操作部5Cと、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注出キャップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、内容物が収容される容器の口部に装着されて、内容物を注出する注出キャップが知られている。例えば、特許文献1に示される注出キャップは、容器の口部に装着される中蓋(キャップ本体)を有し、この中蓋には、内容物を注出する注ぎ口(注出口)を備えた注出筒が突設されている。また、中蓋には有頂筒状の上蓋(外蓋)が着脱可能に装着され、注出筒の先端には注ぎ口キャップ(内蓋)が注ぎ口に着脱可能に装着されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭62−90342号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この種の注出キャップにおいては、容器から内容物を注出する際に、キャップ本体から外蓋を外した後、さらに注出口から内蓋を外す操作が必要であり、操作が面倒であった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、注出口を開ける操作が簡便に行える注出キャップを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
すなわち、本発明は、内容物が収容された容器の口部に装着されるとともに、注出口が形成されたキャップ本体と、前記キャップ本体に第1ヒンジ部を介して回動可能に連結され、前記注出口を開閉させる内蓋と、前記キャップ本体に第2ヒンジ部を介して回動可能に連結され、前記内蓋を覆う外蓋と、を備える注出キャップであって、前記内蓋は、前記外蓋に形成された第1被係合部に下側から係合する第1係合部と、この第1係合部に連設されるとともに、前記外蓋から径方向外方に突出された操作部と、を有することを特徴とする。
【0007】
本発明に係る注出キャップによれば、内蓋の操作部を操作して、該内蓋を開く方向に第1ヒンジ部回りに回動させると、内蓋の第1係合部が外蓋の第1被係合部を押し上げて、該外蓋が第2ヒンジ部回りに回動される。この操作により、内蓋が注出口から離間されて該注出口が開くとともに、外蓋が開いて注出口が露出される。すなわち、内蓋を開ける操作のみで外蓋を開くことができることから、注出口を開ける操作が簡便に行える。
【0008】
また、本発明に係る注出キャップにおいて、前記外蓋は、前記内蓋に形成された第2被係合部に下側から係合し、前記操作部の開閉操作にともなって、前記第2被係合部を摺動する第2係合部を有することとしてもよい。
【0009】
本発明に係る注出キャップによれば、内蓋の操作部を操作して、該内蓋を閉める方向に第1ヒンジ部回りに回動させると、内蓋の第2被係合部が外蓋の第2係合部を押し下げて、該外蓋が第2ヒンジ部回りに回動される。すなわち、内蓋を操作して回動させるときに、前述した開ける操作のみならず、該内蓋を閉める際にも、この操作に連動して外蓋が回動するようになっている。従って、注出口を開閉する操作が簡便に行える。
【0010】
また、本発明に係る注出キャップにおいて、前記第2被係合部は、前記操作部側から前記第1ヒンジ部側へ向けて延びる板状体であり、前記内蓋及び前記外蓋の開放端位置で、該第2被係合部における前記第2係合部の前記第1ヒンジ部側への摺動を規制するストッパーを有することとしてもよい。
【0011】
本発明に係る注出キャップによれば、内蓋の第2被係合部にストッパーが設けられているので、内蓋を操作して注出口を開けるときに、この第2被係合部と外蓋の第2係合部との係合の解除が確実に防止される。すなわち、内蓋及び外蓋の開放端位置で、外蓋の第2係合部が内蓋のストッパーに当接等されることによって、この第2係合部が第1ヒンジ部側へ向けて第2被係合部をそれ以上摺動するようなことが規制されている。これにより、内蓋を開ける際に、外蓋の第2係合部が内蓋において第2被係合部の形成された領域を超えて第1ヒンジ部側へ摺動して互いの係合が解除されるようなことが防止される。従って、内蓋を操作して注出口を閉めるときに、内蓋の回動にともなって外蓋が確実に回動されて、前述した作用効果が安定して得られる。
【0012】
また、本発明に係る注出キャップにおいて、前記外蓋の前記第1被係合部と前記第2係合部とによって、前記内蓋が該外蓋の回動方向に挟み込まれていることとしてもよい。
【0013】
本発明に係る注出キャップによれば、外蓋の第1被係合部と第2係合部との間に内蓋が挟み込まれているので、内蓋及び外蓋の開放端位置においても、これら内蓋と外蓋とが相対的に移動してぐらつくようなことがない。従って、内容物を注出する作業が容易に安定して行える。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る注出キャップによれば、注出口を開ける操作が簡便に行える。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る注出キャップを示す側断面図であり、注出キャップの閉状態を説明する図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る注出キャップを示す側断面図であり、注出キャップの開状態を説明する図である。
【図3】図2における注出キャップを、注出口に対向する向きから見た側面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る注出キャップを示す側断面図であり、注出キャップの閉状態を説明する図である。
【図5】図4における注出キャップを、内蓋の操作部側から見た側面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る注出キャップを示す側断面図であり、注出キャップの開状態を説明する図である。
【図7】第2の実施形態に係る注出キャップの内蓋の変形例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る注出キャップ10について、図1〜図3を参照して説明する。
本実施形態に係る注出キャップ10は、内容物が収容された容器1の口部2に装着されて、内容物を注出するものである。この注出キャップ10は、容器1の口部2に装着されるとともに、注出口3が形成された有頂筒状のキャップ本体4と、キャップ本体4に第1ヒンジ部11を介して回動可能に連結され、注出口3を開閉させる矩形板状の内蓋5と、キャップ本体4に第2ヒンジ部12を介して回動可能に連結され、内蓋5を覆う有頂筒状の外蓋6と、を備えている。キャップ本体4及び外蓋6は、共通軸と同軸に配設されている。以下、この共通軸をキャップ軸Oといい、キャップ軸O方向に沿って外蓋6側を上側、キャップ本体4側を下側といい、キャップ軸Oに直交する方向を径方向といい、キャップ軸O回りに沿った方向を周方向という。
【0017】
容器1における口部2の外周面には、雄ネジ2Aが形成されている。
また、キャップ本体4は、口部2よりも大径の筒状に形成されて該口部2の径方向外側に配される周壁部7と、この周壁部7の上端開口を覆うように配されて伏椀状をなす天壁部8とを備えている。
【0018】
キャップ本体4の周壁部7の内周面には、雌ネジ7Aが形成されていて、口部2の雄ネジ2Aに螺合されている。周壁部7の外周面における上端の一端には、外蓋6を介して連結する第2ヒンジ部12が設けられている。また、周壁部7の上端部は、下端部及び中央部よりも一段縮径してフランジ部が形成されている。該フランジ部から起立する周壁には、径方向外方に突出するとともに周方向に沿って延びるリブ状の蓋係止部7Bが形成されている。
【0019】
キャップ本体4の天壁部8は、その外周縁部分8aが周壁部7の上端部から径方向内方へ向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状をなしている。天壁部8の外周縁部分8aにおける下面には、口部2の上端開口縁が当接されており、前記下面における口部2の径方向内方には、口部2内に嵌合された筒部8Aが垂設されている。
【0020】
また、天壁部8のうち、外周縁部分8aよりも径方向内方に位置する中央部分8bは、該外周縁部分8aの径方向内端から上方へ向けて膨出するように形成されており、全体として半球状をなしている。また、天壁部8の中央部分8bの外周面において、キャップ軸Oを径方向に挟む第2ヒンジ部12の反対側には、傾斜面が設けられ、該傾斜面に注出筒9が斜め上方へ向かうように突設されている。この注出筒9の先端には注出口3が形成されており、注出口3は天壁部8及び口部2の内部を通して容器1の内部と連通している。
【0021】
また、天壁部8の中央部分8bにおける頂面部には、第1ヒンジ部11が設けられている。第1ヒンジ部11は、該中央部分8bにおいて周方向に沿う注出筒9に対応する位置に配置されていて、天壁部8と内蓋5とを連結している。図3に示されているように、本実施形態の第1ヒンジ部11は、天壁部8と内蓋5とを繋ぐ3つの板状体(3点ヒンジ)からなり、これら板状体のうち、両端に配置された一対の板状体が、弾性を有するとともに内蓋5を開く方向に付勢する付勢板11Aとされている。付勢板11Aは、図1において内蓋5が閉められた状態では伸長状態とされるとともに、弾性復元力により内蓋5を開ける方向に付勢する。
【0022】
内蓋5は、径方向内方から径方向外方に向かうに従い漸次上方から下方に向けて延びる平面視長方形状の板状体とされている。そして、内蓋5の上端が、第1ヒンジ部11に連結されている。また、内蓋5において注出筒9に対向される内面には、注出口3に対応する位置に円柱状の栓部5Aが突設されている。栓部5Aの外径は、注出口3の内径と同一又は僅かに大きく設定されており、内蓋5が閉じた状態で、栓部5Aは注出口3に嵌合されるようになっている。また、内蓋5の内面における第1ヒンジ部11とは反対側の先端には、該内蓋5の幅方向に延びるリブ状の内蓋被係止部5Bが形成されている。内蓋5を閉じた状態において、内蓋被係止部5Bはキャップ本体4の蓋係止部7Bに係止され、これにより、第1ヒンジ部11の前述した弾性復元力に抗して内蓋5の閉状態が維持されるようになっている。
【0023】
また、図1に示すように、内蓋5の先端部外面(内蓋被係止部5Bとは反対側の位置)には、キャップ本体4及び外蓋6から径方向外方に突出するとともに該内蓋5の幅方向に沿って延びる鍔状の操作部5Cが形成されている。内蓋5を閉めた状態において、操作部5Cは第1ヒンジ部11よりも下側に位置している。内容物を注出する際には、操作部5Cを第1ヒンジ部11回りに回動させ内蓋5を押し上げて、注出口3を開ける操作を行う。また、内蓋5を閉める際には、操作部5Cを容器1側へ向けて押し下げて、栓部5Aを注出口3に嵌合する操作を行う。尚、注出口3を閉める操作は、後述するように外蓋6を押し下げて行ってもよい。
また、内蓋5の外面における操作部5Cの第1ヒンジ部11側には、第1係合部21Aが連設されている。
【0024】
また、伏碗状をなす外蓋6の外径は、キャップ本体4の外径とほぼ同等になっている。外蓋6の外周面における下端部には、第2ヒンジ部12が設けられている。図2において、第2ヒンジ部12は、周壁部7と外蓋6とを繋ぐ3つの板状体を有している。前述した第1ヒンジ部11同様に、第2ヒンジ部12においては、これら板状体のうち両端に配置された一対の板状体が、弾性を有するとともに外蓋6を開く方向に付勢する付勢板12Aとされている。付勢板12Aは、図1において外蓋6が閉められた状態では伸長状態とされるとともに、弾性復元力により外蓋6を開ける方向に付勢する。
【0025】
また、図1において、外蓋6の下端部内は、周壁部7上端部のフランジ部から起立する周壁に嵌合されている。外蓋6の下端部における内部には、径方向内方に突出するとともに周方向に沿って延びるリブ状の外蓋被係止部6Aが形成されている。外蓋6を閉じた状態において、外蓋被係止部6Aはキャップ本体4の蓋係止部7Bに係止され、これにより、第2ヒンジ部12の前述した弾性復元力に抗して外蓋6の閉状態が維持されるようになっている。
【0026】
外蓋6の下端部において、キャップ軸Oを径方向に挟む第2ヒンジ部12の反対側には、矩形凹状をなす切り欠き部6Bが形成されている。切り欠き部6Bは、下方に向けて開口しており、この切り欠き部6Bを画成する3つの辺部のうち、下側を向き、かつ、内蓋5の第1係合部21Aに対向する辺部に、第1被係合部21Bが形成されている。第1被係合部21Bは、径方向外方から径方向内方へ向かうに従い漸次上側へ向けて傾斜するテーパ面に形成されていて、内蓋5の第1係合部21Aに一様に当接可能とされている。このような構成により、内蓋5の第1係合部21Aが、外蓋6の第1被係合部21Bに下側から係合するようになっている。
【0027】
そして、前述のように内蓋5を押し上げて開ける際、内蓋5の第1係合部21Aは、外蓋6の第1被係合部21Bに係合するとともに押し上げて、外蓋6が該内蓋5とともに開けられるようになっている。一方、外蓋6を閉める操作を行うと、外蓋6の第1被係合部21Bが上側から内蓋5の第1係合部21Aに係合するとともに押し下げて、内蓋5が該外蓋6とともに閉じられるようになっている。尚、前述のように内蓋5を閉めた後、次いで外蓋6を操作して閉じることとしても構わない。
【0028】
以上説明したように、本実施形態に係る注出キャップ10によれば、内蓋5の操作部5Cを操作して、該内蓋5を開く方向に第1ヒンジ部11回りに回動させると、内蓋5の第1係合部21Aが外蓋6の第1被係合部21Bを押し上げて、該外蓋6が第2ヒンジ部12回りに回動される。この操作により、内蓋5の栓部5Aが注出口3から外れるとともに離間されて該注出口3が開くとともに、外蓋6が開いて注出口3が露出される。すなわち、内蓋5を開ける操作のみで外蓋6を開くことができることから、注出口3を開ける操作が簡便に行える。
【0029】
また、第1ヒンジ部11が、内蓋5を開く方向に付勢する付勢板11Aを備えているので、内容物を注出しやすい。すなわち、容器1を傾けて内容物を注出口3から注出するときに、内蓋5が閉まる方向に回動して注出口3を覆ってしまうようなことが防止されるので、内容物を安定して確実に注出できる。
【0030】
また、第2ヒンジ部12が、外蓋6を開く方向に付勢する付勢板12Aを備えているので、内容物を注出する際に、外蓋6が閉まる方向に回動して注出の妨げになるようなことがない。また、外蓋6を開いた状態のまま、内蓋5を開閉して使用できる。
【0031】
また、第1ヒンジ部11が天壁部8の頂面に配設されており、内蓋5を閉める際には、操作部5Cを容器1側へ向けて押し下げる操作となることから、この操作で注出キャップ10に加えられる外力が容器1を載置した台等に分散されて、操作が安定して行える。また、内蓋5を閉める際に、注出口3から内容物が上方や側方へ向けて飛散するようなことが防止される。
【0032】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る注出キャップ20について、図4〜図7を参照して説明する。尚、前述の実施形態と同一部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0033】
本実施形態の注出キャップ20においては、内蓋5の幅方向の両端に、該内蓋5から幅方向に向けて突出するとともに、操作部5C側から第1ヒンジ部11側へ向けて延びる鍔状の第2被係合部22Bが形成されている。
【0034】
また、外蓋6の内周面における下端部には、内蓋5の第2被係合部22Bに下側から係合する鉤状又は爪状の第2係合部22Aが一対形成されている。図5に示すように、これら第2係合部22Aは、内蓋5の幅方向に沿うように互いに接近する向きに突出して形成されており、上面が平坦面とされ、下面が前記接近する向きへ向かうに従い漸次上側へ向けて傾斜するテーパ面とされている。また、第2係合部22A同士の間隔は、内蓋5の幅方向に沿う外形寸法(すなわち一対の第2被係合部22B同士の幅方向外側間の距離)よりも小さく設定されている。
【0035】
操作部5Cを操作して内蓋5を開閉させる際には、この開閉操作にともなって、外蓋6の第2係合部22Aは、内蓋5の第2被係合部22B上を摺動する。詳しくは、外蓋6の第2係合部22Aは、内蓋5の第2被係合部22Bにおいて注出口3側を向く内面に摺接されつつ、操作部5Cと第1ヒンジ部11との間を該第2被係合部22Bの延在方向に沿って移動する。
【0036】
また、内蓋5は、外蓋6の第1被係合部21Bと第2係合部22Aとによって該外蓋6の回動方向に挟み込まれている。
このような構成により、本実施形態では前述の開閉操作にともなって、外蓋6の第1被係合部21Bが、内蓋5の第1係合部21A上を摺動する。すなわち、内蓋5の外面における略全体が第1係合部21Aとされているとともに、外蓋6の第1被係合部21Bは、内蓋5の第1係合部21Aに摺接されつつ、操作部5Cと第1ヒンジ部11との間を移動する。
【0037】
そして、内蓋5を押し上げて開ける際、内蓋5の第1係合部21Aは、外蓋6の第1被係合部21Bに下側から係合するとともに押し上げて、外蓋6が該内蓋5とともに開けられるが、本実施形態では、内蓋5及び外蓋6の開放端位置においても、これら内蓋5と外蓋6との互いの係合が解除されない点が前述の実施形態とは異なっている。図6は、内蓋5及び外蓋6の開放端位置を示しており、この状態において、内蓋5は第1ヒンジ部11の前述した弾性復元力により開位置に維持され、外蓋6は第2ヒンジ部12の前述の弾性復元力により開位置に維持されている。
【0038】
一方、操作部5Cを操作して内蓋5を閉める際には、内蓋5の第2被係合部22Bが、外蓋6の第2係合部22Aに上側から係合するとともに押し下げて、外蓋6が該内蓋5とともに閉められる。
【0039】
以上説明したように、本実施形態に係る注出キャップ20によれば、内蓋5の操作部5Cを操作して、該内蓋5を閉める方向に第1ヒンジ部11回りに回動させると、内蓋5の第2被係合部22Bが外蓋6の第2係合部22Aを押し下げて、該外蓋6が第2ヒンジ部12回りに回動される。すなわち、内蓋5を操作して回動させるときに、前述した開ける操作のみならず、該内蓋5を閉める際にも、この操作に連動して外蓋6が回動するようになっている。従って、注出口3を開閉する操作が簡便に行える。
【0040】
また、外蓋6の第1被係合部21Bと第2係合部22Aとの間に内蓋5が挟み込まれているので、内蓋5及び外蓋6の開放端位置においても、これら内蓋5と外蓋6とが相対的に移動してぐらつくようなことがない。従って、内容物を注出する作業が容易に安定して行える。
【0041】
尚、本発明は前述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、第2の実施形態においては、図7に示すように、内蓋5の第2被係合部22Bが、内蓋5及び外蓋6の開放端位置で、該第2被係合部22Bにおける第2係合部22Aの第1ヒンジ部11側への摺動を規制するストッパー23を有することとしてもよい。詳しくは、ストッパー23は、第2被係合部22Bの内面における第1ヒンジ部11側の端部に一対配置されており、該内面から突出して形成されているとともに、内蓋5の幅方向に沿って延びるリブ状をなしている。
【0042】
そして、注出口3を開ける操作を行う際に、前記開放端位置において、ストッパー23における操作部5C側を向く面と、外蓋6の第2係合部22Aにおける第1ヒンジ部11側を向く面とが互いに当接するようにされている。
この場合、内蓋5を操作して注出口3を開けるときに、内蓋5の第2被係合部22Bと外蓋6の第2係合部22Aとの係合の解除が確実に防止される。
【0043】
すなわち、内蓋5及び外蓋6の開放端位置で、外蓋6の第2係合部22Aが内蓋5のストッパー23に当接されることによって、この第2係合部22Aが第1ヒンジ部11側へ向けて第2被係合部22B上をそれ以上に摺動するようなことが規制される。これにより、内蓋5を開ける際に、外蓋6の第2係合部22Aが内蓋5において第2被係合部22Bの形成された領域を超えて第1ヒンジ部11側へ摺動して互いの係合が解除されるようなことが防止される。従って、内蓋5を操作して注出口3を閉めるときに、内蓋5の回動にともなって外蓋6が確実に回動されて、第2の実施形態において説明した作用効果が安定して得られる。
【0044】
その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 容器
2 口部
3 注出口
4 キャップ本体
5 内蓋
5C 操作部
6 外蓋
10、20 注出キャップ
11 第1ヒンジ部
12 第2ヒンジ部
21A 第1係合部
21B 第1被係合部
22A 第2係合部
22B 第2被係合部
23 ストッパー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が収容された容器の口部に装着されるとともに、注出口が形成されたキャップ本体と、前記キャップ本体に第1ヒンジ部を介して回動可能に連結され、前記注出口を開閉させる内蓋と、前記キャップ本体に第2ヒンジ部を介して回動可能に連結され、前記内蓋を覆う外蓋と、を備える注出キャップであって、
前記内蓋は、前記外蓋に形成された第1被係合部に下側から係合する第1係合部と、この第1係合部に連設されるとともに、前記外蓋から径方向外方に突出された操作部と、を有することを特徴とする注出キャップ。
【請求項2】
請求項1に記載の注出キャップであって、
前記外蓋は、前記内蓋に形成された第2被係合部に下側から係合し、前記操作部の開閉操作にともなって、前記第2被係合部を摺動する第2係合部を有することを特徴とする注出キャップ。
【請求項3】
請求項2に記載の注出キャップであって、
前記第2被係合部は、前記操作部側から前記第1ヒンジ部側へ向けて延びる板状体であり、前記内蓋及び前記外蓋の開放端位置で、該第2被係合部における前記第2係合部の前記第1ヒンジ部側への摺動を規制するストッパーを有することを特徴とする注出キャップ。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の注出キャップであって、
前記外蓋の前記第1被係合部と前記第2係合部とによって、前記内蓋が該外蓋の回動方向に挟み込まれていることを特徴とする注出キャップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−111221(P2011−111221A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−272199(P2009−272199)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】