説明

注文システムおよび注文処理方法、並びにプログラム

【課題】投資家の監視負担の軽減および投資家の利便性の向上を図ることができる注文システムおよび注文処理方法を提供する。
【解決手段】注文システム10では、条件付き注文受付処理手段24により、注文画面に、相関性データベース33から取得した外部要因識別情報の外部要因を発注条件項目として表示し、注文データとして、注文銘柄についての銘柄識別情報とともに、外部要因に係る条件を含んで構成された発注条件を受け付け、発注条件成否判断処理手段25により、受け付けた発注条件が成立したか否かを監視し、発注条件が成立したら、発注処理手段29により、証券取引所システム50等の金融商品の取引市場システムへの発注処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金融商品の売買注文を受け付ける処理を実行するコンピュータにより構成された注文システムおよび注文処理方法、並びにプログラムに係り、例えば、株式等の有価証券の売買注文を受け付ける場合等に利用できる。
【背景技術】
【0002】
一般に、投資家は、株式等の有価証券を取引市場で売買する際には、主として指値および成行の機能を利用し、証券会社を経由して注文を出している。また、株価が、ある値段以上になったら買い、ある値段以下になったら売るという逆指値と称される条件付き注文を受け付ける証券会社のシステムもある。さらに、一部の投資家は、経済指標の他、NY株式市況、為替相場、原油価格等の外部要因も投資判断の材料として用いている。
【0003】
なお、外部環境の変化を考慮し、将来の株価を定量的に分析するシステムが知られている(特許文献1参照)。このシステムでは、金利、為替、物価指数、GDP等の変数で回帰分析を行い、将来の株価を予測する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−9502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述したように、例えば指値注文や逆指値注文といった株価に関する条件を付した注文の受付は行われている。しかし、株価に影響を与えうる為替等の外部要因については、一部の投資専門家によっては、投資判断の材料として用いられているものの、投資家自身が各種の外部要因データの変動を監視することにより、適切と思われる投資時期を判断し、注文を出しているに過ぎない。
【0006】
従って、外部要因データの変動を考慮して株式の投資を行う場合には、投資家の監視負担が大きくなる。そして、監視負担が大きい結果として、投資機会の損失に繋がるおそれもある。
【0007】
また、一部の投資専門家であれば、どの株式の銘柄に、どのような種類の外部要因が影響を与え得るのかを判断することができる知識を持ち合わせているが、一般投資家の場合には、売買対象の株式の銘柄と相関性のある外部要因を判断することも比較的困難である。さらに、銘柄毎に外部要因が与える影響は異なるので、投資専門家であったとしても、その相関性を毎回判断することは面倒で手間のかかる作業であり、特に、売買対象銘柄と相関性のある外部要因の件数が多い程、あるいは売買対象銘柄を同時期に多く抱えている程、判断の手間の増大は顕著になる。
【0008】
そして、以上のことは、株式等の有価証券の売買注文の場合に限らず、金融商品全般の売買注文を行う際に同様に生じる課題である。つまり、従来より、外部要因データの変動を考慮して金融商品の売買注文を出すという思想は存在するものの、それを実現しようとすると、投資家の監視負担が大きくなる、判断に手間がかかる、あるいはそもそも金融商品の各銘柄と相関性のある外部要因の特定が困難な場合もあるという課題が生じる。
【0009】
本発明の目的は、投資家の監視負担の軽減および投資家の利便性の向上を図ることができる注文システムおよび注文処理方法、並びにプログラムを提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
<条件付き注文の場合>
【0011】
本発明は、金融商品の売買注文を受け付ける処理を実行するコンピュータにより構成された注文システムであって、金融商品の各銘柄と相関性のある外部要因についての外部要因識別情報を、各銘柄についての銘柄識別情報と関連付けて記憶する相関性データベースと、投資家端末装置からネットワークを介して送信されてくる注文銘柄についての銘柄識別情報を受信し、受信した銘柄識別情報に対応する外部要因識別情報を相関性データベースから取得し、取得した外部要因識別情報の外部要因を発注条件項目とする注文画面の表示用データを、ネットワークを介して投資家端末装置へ送信し、投資家端末装置からネットワークを介して送信されてくる外部要因に係る条件を含んで構成された発注条件、並びに、注文銘柄についての銘柄識別情報を含む注文データを受信する処理を実行する条件付き注文受付処理手段と、この条件付き注文受付処理手段により受信した注文データを、注文の入力を行った投資家についての投資家識別情報と関連付けて記憶する注文データベースと、外部要因データベースに記憶された外部要因データの現在値を用いて、注文データベースに記憶された注文データに含まれる外部要因に係る条件を含む発注条件が成立したか否かを判断する処理を繰り返し実行する発注条件成否判断処理手段と、この発注条件成否判断処理手段により発注条件が成立したと判断した場合に、注文データベースに記憶された注文データを用いて作成した発注データを、金融商品の取引市場システムへ通信回線を介して送信する処理を実行する発注処理手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0012】
ここで、「相関性データベース」に記憶される「金融商品の各銘柄と相関性のある外部要因」は、過去のデータを用いて統計的な分析を行って特定した外部要因でもよく、あるいは投資家が事前に自らの判断で登録した外部要因でもよい。
【0013】
このような本発明の注文システムにおいては、条件付き注文受付処理手段により、注文画面に、相関性データベースから取得した外部要因識別情報の外部要因を発注条件項目として表示し、注文データとして、注文銘柄についての銘柄識別情報とともに、外部要因に係る条件を含んで構成された発注条件を受け付け、発注条件成否判断処理手段により、受け付けた発注条件が成立したか否かを監視し、発注条件が成立したら、発注処理手段により、金融商品の取引市場システムへの発注処理を行う。
【0014】
このため、投資家が、注文画面で、外部要因に係る条件を含んで構成された発注条件を入力しておけば、発注条件成否判断処理手段による監視処理が行われ、発注条件が満たされる適切な時期に取引市場への発注を行うことが可能となるので、外部要因を考慮した金融商品の売買注文を実現するにあたり、投資家の監視負担が軽減される。
【0015】
また、外部要因に係る条件を含んで構成された発注条件の成否判断は、発注条件成否判断処理手段により、つまりシステムにより行われるので、投資機会の損失の発生も抑えることが可能となる。
【0016】
さらに、注文画面に、相関性データベースから取得した外部要因識別情報の外部要因が発注条件項目として表示されるので、投資家は、注文画面に発注条件項目として表示された外部要因を用い、あるいは表示された外部要因の中から必要な外部要因を選択し、その外部要因に係る条件(例えば、外部要因データの値が幾ら以上、幾ら以下、前日比で幾ら上昇、幾ら下落等のような条件)を入力すればよいため、発注条件を入力するにあたり、売買対象銘柄と相関性のある外部要因を考えたり、当該銘柄に関連する情報の記憶を辿ったり、知識を再確認する等の手間を省くことが可能となり、投資家の利便性の向上が図られる。
【0017】
そして、注文画面に、相関性データベースから取得した外部要因識別情報の外部要因が発注条件項目として表示されることから、比較的知識の少ない一般投資家であっても、売買対象銘柄と相関性のある外部要因を把握し、その外部要因に係る条件を入力することが可能となり、これによっても、投資家の利便性の向上が図られ、これらにより前記目的が達成される。
【0018】
また、前述した注文システムにおいて、価格データベースに記憶された金融商品の価格データの複数の過去値を目的変数として用いるとともに、外部要因データベースに記憶された外部要因データの複数の過去値を説明変数として用いて、金融商品の各銘柄毎に回帰分析を行い、この回帰分析の結果として得られた外部要因データの回帰係数のt値および/または決定係数R若しくは自由度修正済決定係数Rを用いて、金融商品の価格と相関性のある外部要因を各銘柄毎に特定し、特定した外部要因についての外部要因識別情報を、各銘柄についての銘柄識別情報と関連付けて相関性データベースに記憶させる処理を実行する分析処理手段を備えた構成とすることが望ましい。
【0019】
このように回帰分析を行う分析処理手段を設け、回帰分析の結果として得られた相関性のある外部要因を相関性データベースに記憶させる構成とした場合には、客観的な分析結果として得られた相関性のある外部要因を登録しておくことができるので、金融商品の売買注文を行おうとする投資家に対し、注文画面で客観性のある情報を提供し、より妥当な発注条件の入力が可能となるような入力補助を実現することが可能となる。
【0020】
そして、相関性データベースに記憶させる相関性のある外部要因を特定するための具体的な処理内容、すなわち分析処理手段の具体的な構成としては、次のような3つの構成を採用することができる。
【0021】
先ず、第1番目の構成として、分析処理手段は、外部要因データベースに記憶された複数種類の外部要因データのうちの全部または一部の種類の外部要因データを用いて外部要因データの組み合わせの異なる複数の回帰式を求め、これらの複数の回帰式のうち、決定係数R若しくは自由度修正済決定係数Rが最大の回帰式を選択し、選択した回帰式を構成する回帰係数のうち、t値が予め定められた閾値を超えるか、または閾値以上となっている回帰係数に対応する外部要因についての外部要因識別情報を、銘柄識別情報と関連付けて相関性データベースに記憶させる処理を実行する構成とすることができる。
【0022】
次に、第2番目の構成として、分析処理手段は、外部要因データベースに記憶された複数種類の外部要因データのうちの全部または一部の種類の外部要因データを用いて外部要因データの組み合わせの異なる複数の回帰式を求め、これらの複数の回帰式のうち、回帰式を構成する外部要因データの回帰係数の全てのt値が予め定められた閾値を超えるか、または閾値以上となっている回帰式を選択し、さらに、選択した回帰式のうち、決定係数R若しくは自由度修正済決定係数Rが最大の回帰式を選択し、選択した回帰式を構成する回帰係数に対応する外部要因についての外部要因識別情報を、銘柄識別情報と関連付けて相関性データベースに記憶させる処理を実行する構成とすることができる。
【0023】
さらに、第3番目の構成として、分析処理手段は、外部要因データベースに記憶された複数種類の外部要因データを用いて1つの回帰式を求め、この回帰式を構成する外部要因データの回帰係数のうち、t値が予め定められた閾値を超えるか、または閾値以上となっている回帰係数に対応する外部要因についての外部要因識別情報を、銘柄識別情報と関連付けて相関性データベースに記憶させる処理を実行する構成とすることができる。
【0024】
また、上述した回帰分析を行う分析処理手段を設けた構成とする場合において、条件付き注文受付処理手段は、注文画面で発注条件項目として外部要因を表示する際には、t値の絶対値の大きい回帰係数に対応する外部要因から順番に表示する処理を実行する構成とされていることが望ましい。
【0025】
このようにt値の絶対値の大きい回帰係数に対応する外部要因から順番に表示する構成とした場合には、投資家は、表示の順番を見て相関性の大小を把握することが可能となるので、より相関性の大きい外部要因に係る条件を重視した発注条件の入力が可能となるうえ、相関性の大きい外部要因に係る条件を重視して発注条件を入力していけば、結果的に、採用する外部要因(条件を入力する外部要因)の位置が注文画面上で大きく分散しないことが期待されるので、入力作業が容易になり、投資家にとって、システムの使い勝手が向上する。
【0026】
さらに、上述したt値の絶対値の大きい回帰係数に対応する外部要因から順番に表示する構成とした場合において、投資家により入力設定されて投資家端末装置からネットワークを介して送信されてくる、発注条件項目としての外部要因の最大表示件数を受信する処理を実行する条件項目設定受付処理手段と、この条件項目設定受付処理手段により受信した最大表示件数を、最大表示件数の入力設定を行った投資家についての投資家識別情報と関連付けて記憶する条件項目設定データベースとを備え、条件付き注文受付処理手段は、注文画面で発注条件項目として外部要因を表示する際には、条件項目設定データベースに記憶された最大表示件数を超えない項目数の外部要因を表示する処理を実行する構成としてもよい。
【0027】
このように発注条件項目としての外部要因の最大表示件数を条件項目設定データベースに記憶させておく構成とした場合には、注文画面の表示が簡潔になり、投資家による発注条件の入力の際の判断や作業が容易になり、利便性が向上する。
【0028】
そして、前述した回帰分析を行う分析処理手段を設けた構成とする場合において、相関性データベースは、回帰式の決定係数Rまたは自由度修正済決定係数Rも、銘柄識別情報と関連付けて記憶する構成とされ、条件付き注文受付処理手段は、注文銘柄についての銘柄識別情報に関連付けられて相関性データベースに記憶された決定係数Rまたは自由度修正済決定係数Rが、予め定められた境界値以下または未満である場合には、相関性データベースから取得した外部要因識別情報の外部要因のみを注文画面で発注条件項目として表示するのではなく、予め定められた全種類の外部要因を注文画面で発注条件項目として表示する処理を実行する構成としてもよい。
【0029】
このように決定係数Rまたは自由度修正済決定係数Rの値が小さいときのことを考慮して注文画面への発注条件項目としての外部要因の表示を行う構成とした場合には、回帰式の当てはまりが良くないとき、すなわち分析結果として得られた各銘柄と外部要因との相関性についての信頼性が高くないときは、全種類の外部要因を注文画面で発注条件項目として表示するという修正処理を行うことが可能となる。これにより、実際には注文銘柄との相関性が高い外部要因であるが、注文画面に発注条件項目として表示されない外部要因が生じるという事態を未然に防止することが可能となる。
【0030】
また、前述した注文システムにおいて、条件付き注文受付処理手段は、注文データとして、複数種類の外部要因に係る条件をANDまたはORを用いて組み合わせるか、または複数種類若しくは一種類の外部要因に係る条件および注文銘柄の価格に係る条件をANDまたはORを用いて組み合わせて構成された複合的な発注条件を受信する処理を実行する構成とされ、注文データベースは、ANDまたはORを用いて組み合わせて構成された複合的な発注条件を含む注文データを、投資家識別情報と関連付けて記憶する構成とされ、発注条件成否判断処理手段は、外部要因データベースに記憶された複数種類の外部要因データの現在値を用いるか、または外部要因データベースに記憶された複数種類若しくは一種類の外部要因データの現在値および価格データベースに記憶された注文銘柄の価格データの現在値を用いて、注文データベースに記憶された注文データに含まれる複合的な発注条件が成立したか否かを判断する処理を繰り返し実行する構成とすることが望ましい。
【0031】
このようにANDまたはORを用いて組み合わせて構成された複合的な発注条件を受け付ける構成とした場合には、投資家の多様な投資思想や複雑な投資思想を反映させた発注条件の入力設定を実現することが可能となり、投資家の利便性が、より一層向上する。
【0032】
さらに、前述した注文システムにおいて、投資家端末装置からネットワークを介して送信されてくる設定対象銘柄についての銘柄識別情報を受信し、受信した銘柄識別情報に対応する外部要因識別情報を相関性データベースから取得し、取得した外部要因識別情報の外部要因を注文画面への表示用の発注条件項目の候補として表示する条件項目設定画面の表示用データを、ネットワークを介して投資家端末装置へ送信し、条件項目設定画面で投資家により入力設定されて投資家端末装置からネットワークを介して送信されてくる追加または削除された状態の外部要因についての外部要因識別情報を受信し、受信した追加または削除された状態の外部要因についての外部要因識別情報を、条件項目設定を行った投資家についての投資家識別情報および設定対象銘柄についての銘柄識別情報と関連付けて相関性データベースに記憶させる処理を実行する条件項目設定受付処理手段を備え、条件付き注文受付処理手段は、投資家により追加または削除された状態の外部要因についての外部要因識別情報が、注文の入力を行った投資家についての投資家識別情報および注文銘柄についての銘柄識別情報に関連付けられて相関性データベースに記憶されている場合には、投資家による追加または削除された状態の外部要因を発注条件項目とする注文画面の表示用データを、ネットワークを介して投資家端末装置へ送信する処理を実行する構成とすることが望ましい。
【0033】
このように条件項目設定受付処理手段を設け、注文画面に発注条件項目として表示される外部要因について、投資家が事前に追加または削除して相関性データベースに登録しておくことができる構成とした場合には、投資家は、注文を行う際に、自分の意図する外部要因に係る条件を入力して発注条件を構成することができるようになり、投資家の意図に沿った発注条件の入力を実現することが可能となるうえ、注文画面に表示される外部要因を事前に追加または削除しておくことができるので、同じ銘柄の注文を繰り返す場合等には、その都度、注文画面で修正する必要がなくなり、投資家の作業の手間も軽減される。
【0034】
そして、前述した回帰分析を行う分析処理手段を設けた構成とする場合において、回帰式を構成する全ての回帰係数を、銘柄識別情報と関連付けて記憶する回帰式データベースを備え、条件付き注文受付処理手段は、注文銘柄についての銘柄識別情報に対応する回帰係数を回帰式データベースから取得し、取得した回帰係数、および外部要因データベースに記憶された外部要因データを用いて、目的変数としての注文銘柄の価格データが一定割合若しくは一定金額または投資家により入力指定された割合若しくは金額だけ変化したときの説明変数としての外部要因データの変化の割合または金額を算出し、算出した外部要因データの変化の割合または金額を注文画面またはその付随画面に表示する処理を実行する構成とすることが望ましい。
【0035】
このように目的変数としての注文銘柄の価格データの変動分に相当する説明変数としての外部要因データの変動分を算出し、表示する構成とした場合には、投資家は、外部要因に係る条件を入力する際の参考情報を得ることができるので、投資家の利便性が、より一層向上し、より適切な発注条件の入力設定が可能となる。
【0036】
<報知後の注文の場合>
【0037】
また、本発明は、金融商品の売買注文を受け付ける処理を実行するコンピュータにより構成された注文システムであって、金融商品の各銘柄と相関性のある外部要因についての外部要因識別情報を、各銘柄についての銘柄識別情報と関連付けて記憶する相関性データベースと、投資家端末装置からネットワークを介して送信されてくる報知対象銘柄についての銘柄識別情報を受信し、受信した前記銘柄識別情報に対応する外部要因識別情報を相関性データベースから取得し、取得した外部要因識別情報の外部要因を報知条件項目とする報知条件入力画面の表示用データを、ネットワークを介して投資家端末装置へ送信し、投資家端末装置からネットワークを介して送信されてくる外部要因に係る条件を含んで構成された報知条件、並びに、報知対象銘柄についての銘柄識別情報を含む報知条件データを受信する処理を実行する報知条件受付処理手段と、この報知条件受付処理手段により受信した報知条件データを、報知条件の入力を行った投資家についての投資家識別情報と関連付けて記憶する報知条件データベースと、外部要因データベースに記憶された外部要因データの現在値を用いて、報知条件データベースに記憶された報知条件データに含まれる外部要因に係る条件を含む報知条件が成立したか否かを判断する処理を繰り返し実行する報知条件成否判断処理手段と、この報知条件成否判断処理手段により報知条件が成立したと判断した場合に、報知条件が成立した報知対象銘柄を注文銘柄とする注文画面の表示用データを、ネットワークを介して投資家端末装置へ送信し、投資家端末装置からネットワークを介して送信されてくる注文銘柄についての銘柄識別情報を含む注文データを受信する処理を実行する報知対象銘柄注文受付処理手段と、この報知対象銘柄注文受付処理手段により受信した注文データを、注文の入力を行った投資家についての投資家識別情報と関連付けて記憶する注文データベースと、この注文データベースに記憶された注文データを用いて作成した発注データを、金融商品の取引市場システムへ通信回線を介して送信する処理を実行する発注処理手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0038】
ここで、「相関性データベース」に記憶される「金融商品の各銘柄と相関性のある外部要因」は、過去のデータを用いて統計的な分析を行って特定した外部要因でもよく、あるいは投資家が事前に自らの判断で登録した外部要因でもよい。
【0039】
このような本発明の注文システムにおいては、報知条件受付処理手段により、報知条件入力画面に、相関性データベースから取得した外部要因識別情報の外部要因を報知条件項目として表示し、報知条件データとして、報知対象銘柄についての銘柄識別情報とともに、外部要因に係る条件を含んで構成された報知条件を受け付け、報知条件成否判断処理手段により、受け付けた報知条件が成立したか否かを監視し、報知条件が成立したら、報知対象銘柄注文受付処理手段により、報知条件が成立した報知対象銘柄についての注文を受け付け、発注処理手段により、金融商品の取引市場システムへの発注処理を行う。
【0040】
このため、投資家が、報知条件入力画面で、外部要因に係る条件を含んで構成された報知条件を入力しておけば、報知条件成否判断処理手段による監視処理が行われ、報知条件が満たされる適切な時期に、報知対象銘柄についての注文を行い、取引市場へ発注することが可能となるので、外部要因を考慮した金融商品の売買注文を実現するにあたり、投資家の監視負担が軽減される。
【0041】
また、外部要因に係る条件を含んで構成された報知条件の成否判断は、報知条件成否判断処理手段により、つまりシステムにより行われるので、投資機会の損失の発生も抑えることが可能となる。
【0042】
さらに、報知条件入力画面に、相関性データベースから取得した外部要因識別情報の外部要因が報知条件項目として表示されるので、投資家は、報知条件入力画面に報知条件項目として表示された外部要因を用い、あるいは表示された外部要因の中から必要な外部要因を選択し、その外部要因に係る条件(例えば、外部要因データの値が幾ら以上、幾ら以下、前日比で幾ら上昇、幾ら下落等のような条件)を入力すればよいため、報知条件を入力するにあたり、報知対象銘柄と相関性のある外部要因を考えたり、当該銘柄に関連する情報の記憶を辿ったり、知識を再確認する等の手間を省くことが可能となり、投資家の利便性の向上が図られる。
【0043】
そして、報知条件入力画面に、相関性データベースから取得した外部要因識別情報の外部要因が報知条件項目として表示されることから、比較的知識の少ない一般投資家であっても、報知対象銘柄と相関性のある外部要因を把握し、その外部要因に係る条件を入力することが可能となり、これによっても、投資家の利便性の向上が図られ、これらにより前記目的が達成される。
【0044】
また、前述した注文システムにおいて、価格データベースに記憶された金融商品の価格データの複数の過去値を目的変数として用いるとともに、外部要因データベースに記憶された外部要因データの複数の過去値を説明変数として用いて、金融商品の各銘柄毎に回帰分析を行い、この回帰分析の結果として得られた外部要因データの回帰係数のt値および/または決定係数R若しくは自由度修正済決定係数Rを用いて、金融商品の価格と相関性のある外部要因を各銘柄毎に特定し、特定した外部要因についての外部要因識別情報を、各銘柄についての銘柄識別情報と関連付けて相関性データベースに記憶させる処理を実行する分析処理手段を備えた構成とすることが望ましい。
【0045】
このように回帰分析を行う分析処理手段を設け、回帰分析の結果として得られた相関性のある外部要因を相関性データベースに記憶させる構成とした場合には、客観的な分析結果として得られた相関性のある外部要因を登録しておくことができるので、金融商品の売買注文を行おうとする投資家に対し、報知条件入力画面で客観性のある情報を提供し、より妥当な報知条件の入力が可能となるような入力補助を実現することが可能となる。
【0046】
そして、相関性データベースに記憶させる相関性のある外部要因を特定するための具体的な処理内容、すなわち分析処理手段の具体的な構成としては、前述した<条件付き注文の場合>と同様に、3つの構成を採用することができるが、ここでは、記載を省略する。つまり、分析処理手段の具体的な構成は、前述した<条件付き注文の場合>と同様の構成とすることができる。
【0047】
また、上述した回帰分析を行う分析処理手段を設けた構成とする場合において、報知条件受付処理手段は、報知条件入力画面で報知条件項目として外部要因を表示する際には、t値の絶対値の大きい回帰係数に対応する外部要因から順番に表示する処理を実行する構成とされていることが望ましい。
【0048】
このようにt値の絶対値の大きい回帰係数に対応する外部要因から順番に表示する構成とした場合には、投資家は、表示の順番を見て相関性の大小を把握することが可能となるので、より相関性の大きい外部要因に係る条件を重視した報知条件の入力が可能となるうえ、相関性の大きい外部要因に係る条件を重視して報知条件を入力していけば、結果的に、採用する外部要因(条件を入力する外部要因)の位置が報知条件入力画面上で大きく分散しないことが期待されるので、入力作業が容易になり、投資家にとって、システムの使い勝手が向上する。
【0049】
さらに、上述したt値の絶対値の大きい回帰係数に対応する外部要因から順番に表示する構成とした場合において、投資家により入力設定されて投資家端末装置からネットワークを介して送信されてくる、報知条件項目としての外部要因の最大表示件数を受信する処理を実行する条件項目設定受付処理手段と、この条件項目設定受付処理手段により受信した最大表示件数を、最大表示件数の入力設定を行った投資家についての投資家識別情報と関連付けて記憶する条件項目設定データベースとを備え、報知条件受付処理手段は、報知条件入力画面で報知条件項目として外部要因を表示する際には、条件項目設定データベースに記憶された最大表示件数を超えない項目数の外部要因を表示する処理を実行する構成としてもよい。
【0050】
このように報知条件項目としての外部要因の最大表示件数を条件項目設定データベースに記憶させておく構成とした場合には、報知条件入力画面の表示が簡潔になり、投資家による報知条件の入力の際の判断や作業が容易になり、利便性が向上する。
【0051】
そして、前述した回帰分析を行う分析処理手段を設けた構成とする場合において、相関性データベースは、回帰式の決定係数Rまたは自由度修正済決定係数Rも、銘柄識別情報と関連付けて記憶する構成とされ、報知条件受付処理手段は、報知対象銘柄についての銘柄識別情報に関連付けられて相関性データベースに記憶された決定係数Rまたは自由度修正済決定係数Rが、予め定められた境界値以下または未満である場合には、相関性データベースから取得した外部要因識別情報の外部要因のみを報知条件入力画面で報知条件項目として表示するのではなく、予め定められた全種類の外部要因を報知条件入力画面で報知条件項目として表示する処理を実行する構成としてもよい。
【0052】
このように決定係数Rまたは自由度修正済決定係数Rの値が小さいときのことを考慮して報知条件入力画面への報知条件項目としての外部要因の表示を行う構成とした場合には、回帰式の当てはまりが良くないとき、すなわち分析結果として得られた各銘柄と外部要因との相関性についての信頼性が高くないときは、全種類の外部要因を報知条件入力画面で報知条件項目として表示するという修正処理を行うことが可能となる。これにより、実際には報知対象銘柄との相関性が高い外部要因であるが、報知条件入力画面に報知条件項目として表示されない外部要因が生じるという事態を未然に防止することが可能となる。
【0053】
また、前述した注文システムにおいて、報知条件受付処理手段は、報知条件データとして、複数種類の外部要因に係る条件をANDまたはORを用いて組み合わせるか、または複数種類若しくは一種類の外部要因に係る条件および報知対象銘柄の価格に係る条件をANDまたはORを用いて組み合わせて構成された複合的な報知条件を受信する処理を実行する構成とされ、報知条件データベースは、ANDまたはORを用いて組み合わせて構成された複合的な報知条件を含む報知条件データを、投資家識別情報と関連付けて記憶する構成とされ、報知条件成否判断処理手段は、外部要因データベースに記憶された複数種類の外部要因データの現在値を用いるか、または外部要因データベースに記憶された複数種類若しくは一種類の外部要因データの現在値および価格データベースに記憶された報知対象銘柄の価格データの現在値を用いて、報知条件データベースに記憶された報知条件データに含まれる複合的な報知条件が成立したか否かを判断する処理を繰り返し実行する構成とすることが望ましい。
【0054】
このようにANDまたはORを用いて組み合わせて構成された複合的な発注条件を受け付ける構成とした場合には、投資家の多様な投資思想や複雑な投資思想を反映させた報知条件の入力設定を実現することが可能となり、投資家の利便性が、より一層向上する。
【0055】
さらに、前述した注文システムにおいて、投資家端末装置からネットワークを介して送信されてくる設定対象銘柄についての銘柄識別情報を受信し、受信した銘柄識別情報に対応する外部要因識別情報を相関性データベースから取得し、取得した外部要因識別情報の外部要因を報知条件入力画面への表示用の報知条件項目の候補として表示する条件項目設定画面の表示用データを、ネットワークを介して投資家端末装置へ送信し、条件項目設定画面で投資家により入力設定されて投資家端末装置からネットワークを介して送信されてくる追加または削除された状態の外部要因についての外部要因識別情報を受信し、受信した追加または削除された状態の外部要因についての外部要因識別情報を、条件項目設定を行った投資家についての投資家識別情報および設定対象銘柄についての銘柄識別情報と関連付けて相関性データベースに記憶させる処理を実行する条件項目設定受付処理手段を備え、報知条件受付処理手段は、投資家により追加または削除された状態の外部要因についての外部要因識別情報が、報知条件の入力を行った投資家についての投資家識別情報および報知対象銘柄についての銘柄識別情報に関連付けられて相関性データベースに記憶されている場合には、投資家により追加または削除された状態の外部要因を報知条件項目とする報知条件入力画面の表示用データを、ネットワークを介して投資家端末装置へ送信する処理を実行する構成とすることが望ましい。
【0056】
このように条件項目設定受付処理手段を設け、報知条件入力画面に報知条件項目として表示される外部要因について、投資家が事前に追加または削除して相関性データベースに登録しておくことができる構成とした場合には、投資家は、報知対象銘柄の売買を行う際に、自分の意図する外部要因に係る条件を入力して報知条件を構成することができるようになり、投資家の意図に沿った報知条件の入力を実現することが可能となるうえ、報知条件入力画面に表示される外部要因を事前に追加または削除しておくことができるので、同じ銘柄の売買を繰り返す場合等には、その都度、報知条件入力画面で修正する必要がなくなり、投資家の作業の手間も軽減される。
【0057】
そして、前述した回帰分析を行う分析処理手段を設けた構成とする場合において、回帰式を構成する全ての回帰係数を、銘柄識別情報と関連付けて記憶する回帰式データベースを備え、報知条件受付処理手段は、報知対象銘柄についての銘柄識別情報に対応する回帰係数を回帰式データベースから取得し、取得した回帰係数、および外部要因データベースに記憶された外部要因データを用いて、目的変数としての報知対象銘柄の価格データが一定割合若しくは一定金額または投資家により入力指定された割合若しくは金額だけ変化したときの説明変数としての外部要因データの変化の割合または金額を算出し、算出した外部要因データの変化の割合または金額を報知条件入力画面またはその付随画面に表示する処理を実行する構成とすることが望ましい。
【0058】
このように目的変数としての報知対象銘柄の価格データの変動分に相当する説明変数としての外部要因データの変動分を算出し、表示する構成とした場合には、投資家は、外部要因に係る条件を入力する際の参考情報を得ることができるので、投資家の利便性が、より一層向上し、より適切な報知条件の入力設定が可能となる。
【0059】
<条件付き注文および報知後の注文に共通の事項>
【0060】
また、前述した回帰分析を行う分析処理手段を設けた構成とする場合において、分析処理手段は、回帰分析を定期的に行い、相関性データベースに記憶された外部要因識別情報を更新する処理を実行する構成とされていることが望ましい。
【0061】
このように回帰分析を定期的に行う構成とした場合には、例えば、市場の関心が変わったり、会社の取り扱い分野が変わる等の様々な要因により、各銘柄と外部要因との相関性は、時間の経過に伴って変わるので、最新のデータを用いて回帰分析を行うことで、最新の状況を反映させて相関性のある外部要因の特定を行うことが可能となる。
【0062】
<方法の発明>
【0063】
そして、以上に述べた本発明の注文システムにより実現される注文処理方法として、以下のような本発明の注文処理方法が挙げられる。
【0064】
すなわち、本発明は、金融商品の売買注文を受け付ける処理を実行するコンピュータにより構成された注文システムで実行される注文処理方法であって、金融商品の各銘柄と相関性のある外部要因についての外部要因識別情報を、各銘柄についての銘柄識別情報と関連付けて相関性データベースに記憶させておき、条件付き注文受付処理手段が、投資家端末装置からネットワークを介して送信されてくる注文銘柄についての銘柄識別情報を受信し、受信した銘柄識別情報に対応する外部要因識別情報を相関性データベースから取得し、取得した外部要因識別情報の外部要因を発注条件項目とする注文画面の表示用データを、ネットワークを介して投資家端末装置へ送信し、投資家端末装置からネットワークを介して送信されてくる外部要因に係る条件を含んで構成された発注条件、並びに、注文銘柄についての銘柄識別情報を含む注文データを受信する処理を実行し、条件付き注文受付処理手段により受信した注文データを、注文の入力を行った投資家についての投資家識別情報と関連付けて注文データベースに記憶させ、発注条件成否判断処理手段が、外部要因データベースに記憶された外部要因データの現在値を用いて、注文データベースに記憶された注文データに含まれる外部要因に係る条件を含む発注条件が成立したか否かを判断する処理を繰り返し実行し、発注処理手段が、発注条件成否判断処理手段により発注条件が成立したと判断した場合に、注文データベースに記憶された注文データを用いて作成した発注データを、金融商品の取引市場システムへ通信回線を介して送信する処理を実行することを特徴とするものである。
【0065】
また、本発明は、金融商品の売買注文を受け付ける処理を実行するコンピュータにより構成された注文システムで実行される注文処理方法であって、金融商品の各銘柄と相関性のある外部要因についての外部要因識別情報を、各銘柄についての銘柄識別情報と関連付けて相関性データベースに記憶しておき、報知条件受付処理手段が、投資家端末装置からネットワークを介して送信されてくる報知対象銘柄についての銘柄識別情報を受信し、受信した銘柄識別情報に対応する外部要因識別情報を相関性データベースから取得し、取得した外部要因識別情報の外部要因を報知条件項目とする報知条件入力画面の表示用データを、ネットワークを介して投資家端末装置へ送信し、投資家端末装置からネットワークを介して送信されてくる外部要因に係る条件を含んで構成された報知条件、並びに、報知対象銘柄についての銘柄識別情報を含む報知条件データを受信する処理を実行し、報知条件受付処理手段により受信した報知条件データを、報知条件の入力を行った投資家についての投資家識別情報と関連付けて報知条件データベースに記憶させ、報知条件成否判断処理手段が、外部要因データベースに記憶された外部要因データの現在値を用いて、報知条件データベースに記憶された報知条件データに含まれる外部要因に係る条件を含む報知条件が成立したか否かを判断する処理を繰り返し実行し、報知対象銘柄注文受付処理手段が、報知条件成否判断処理手段により報知条件が成立したと判断した場合に、報知条件が成立した報知対象銘柄を注文銘柄とする注文画面の表示用データを、ネットワークを介して投資家端末装置へ送信し、投資家端末装置からネットワークを介して送信されてくる注文銘柄についての銘柄識別情報を含む注文データを受信する処理を実行し、報知対象銘柄注文受付処理手段により受信した注文データを、注文の入力を行った投資家についての投資家識別情報と関連付けて注文データベースに記憶させ、発注処理手段が、注文データベースに記憶された注文データを用いて作成した発注データを、金融商品の取引市場システムへ通信回線を介して送信する処理を実行することを特徴とするものである。
【0066】
このような本発明の注文処理方法においては、前述した本発明の注文システムで得られる作用・効果がそのまま得られ、これにより前記目的が達成される。
【0067】
<プログラムの発明>
【0068】
さらに、本発明のプログラムは、前述した注文システムとして、コンピュータを機能させるためのものである。
【0069】
なお、上記のプログラムまたはその一部は、例えば、光磁気ディスク(MO)、コンパクトディスク(CD)を利用した読出し専用メモリ(CD−ROM)、CDレコーダブル(CD−R)、CDリライタブル(CD−RW)、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)を利用した読出し専用メモリ(DVD−ROM)、DVDを利用したランダム・アクセス・メモリ(DVD−RAM)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去および書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)等の記録媒体に記録して保存や流通等させることが可能であるとともに、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等の有線ネットワーク、あるいは無線通信ネットワーク、さらにはこれらの組合せ等の伝送媒体を用いて伝送することが可能であり、また、搬送波に載せて搬送することも可能である。さらに、上記のプログラムは、他のプログラムの一部分であってもよく、あるいは別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。
【発明の効果】
【0070】
以上に述べたように本発明によれば、注文画面や報知条件入力画面に、相関性データベースから取得した外部要因識別情報の外部要因を発注条件項目や報知条件項目として表示し、注文データや報知条件データとして、注文銘柄や報知対象銘柄についての銘柄識別情報とともに、外部要因に係る条件を含んで構成された発注条件や報知条件を受け付け、受け付けた発注条件や報知条件が成立したか否かをシステムで監視し、発注条件が成立したら取引市場システムへの注文の発注処理を行い、報知条件が成立したら報知対象銘柄の注文を受け付けて取引市場システムへの発注処理を行うので、投資家の監視負担の軽減および投資家の利便性の向上を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の一実施形態の注文システムの全体構成図。
【図2】前記実施形態の株価データベース(価格データベース)の構成図。
【図3】前記実施形態の外部要因データベースの構成図。
【図4】前記実施形態の回帰式データベースの構成図。
【図5】前記実施形態の相関性データベースの構成図。
【図6】前記実施形態の条件項目設定データベースの構成図。
【図7】前記実施形態の注文データベースの構成図。
【図8】前記実施形態の条件付き注文を行う場合の処理の流れを示すフローチャートの図。
【図9】前記実施形態の報知後の注文を行う場合の処理の流れを示すフローチャートの図。
【図10】前記実施形態の注文方法選択画面の一例を示す図。
【図11】前記実施形態の条件項目設定画面の一例を示す図。
【図12】前記実施形態の注文画面の一例を示す図。
【図13】前記実施形態の注文画面に付随する参考情報の画面の一例を示す図。
【図14】前記実施形態の報知条件入力画面の一例および報知条件データベースの構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0072】
以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1には、本実施形態の注文システム10の全体構成が示されている。図2には、価格データベースである株価データベース30の構成が示され、図3には、外部要因データベース31の構成が示され、図4には、回帰式データベース32の構成が示され、図5には、相関性データベース33の構成が示され、図6には、条件項目設定データベース34の構成が示され、図7には、注文データベース35の構成が示されている。また、図8には、条件付き注文を行う場合の処理の流れがフローチャートで示され、図9には、報知後の注文を行う場合の処理の流れがフローチャートで示されている。さらに、図10には、注文方法選択画面100の一例が示され、図11には、条件項目設定画面200の一例が示され、図12には、注文画面300,400の一例が示され、図13には、注文画面400に付随する参考情報の画面500の一例が示され、図14には、報知条件入力画面600の一例および報知条件データベース36の構成が示されている。
【0073】
図1において、注文システム10は、投資家による金融商品(本実施形態では、一例として株式とする。)の売買注文を受け付けて取引市場へ発注する証券会社等の金融機関のシステムであり、1台または複数台のコンピュータにより構成されている。この注文システム10には、ネットワーク1を介して投資家の操作する投資家端末装置40が接続されている。また、注文システム10には、通信回線2を介して金融商品の取引市場システムである証券取引所システム50が接続されるとともに、通信回線3を介して情報提供システム60が接続されている。
【0074】
ここで、ネットワーク1は、インターネット、イントラネット、エクストラネット、LAN、MAN、WAN、あるいはこれらの組合せ等、様々な形態のものが含まれ、有線であるか無線であるか、さらには有線および無線の混在型であるかは問わず、要するに、複数地点(距離の長短は問わない。)間で、ある程度の速度をもって情報を伝送することができるものであればよい。
【0075】
また、注文システム10と証券取引所システム50とを接続する通信回線2は、通常は専用線であるが、ネットワーク1でもよい。さらに、注文システム10と情報提供システム60とを接続する通信回線3も、ネットワーク1でも専用線でもよい。
【0076】
注文システム10は、価格データ・外部要因データ取得処理手段である株価データ・外部要因データ取得処理手段21と、分析処理手段22と、条件項目設定受付処理手段23と、条件付き注文受付処理手段24と、発注条件成否判断処理手段25と、報知条件受付処理手段26と、報知条件成否判断処理手段27と、報知対象銘柄注文受付処理手段28と、発注処理手段29と、価格データベースである株価データベース30と、外部要因データベース31と、回帰式データベース32と、相関性データベース33と、条件項目設定データベース34と、注文データベース35と、報知条件データベース36とを含んで構成されている。
【0077】
株価データ・外部要因データ取得処理手段21は、情報提供システム60から、通信回線3を介して金融商品の価格データ(本実施形態では、一例として株価データとする。)および外部要因データを定期的に取得し、株価データベース30(図2参照)および外部要因データベース31(図3参照)に記憶させる処理を実行するものである。この際、株価データ・外部要因データ取得処理手段21は、株価データについては、株式の銘柄識別情報(銘柄コード)および株価の発生日時とともに取得し、それらと関連付けて株価データベース30に記憶させ、外部要因データについては、外部要因識別情報および外部要因の値の発生日時とともに取得し、それらと関連付けて外部要因データベース31に記憶させる。なお、本実施形態では、売買対象の金融商品が株式であるため、株価データ・外部要因データ取得処理手段21となっているが、より一般には、金融商品の価格データを取得することになるので、価格データ・外部要因データ取得処理手段となる。
【0078】
株価データ・外部要因データ取得処理手段21により情報提供システム60からデータを取得する外部要因の種類としては、本実施形態では、図3に示すように、為替(外部要因識別情報=G1)、NYダウ(外部要因識別情報=G2)、WTI原油先物(外部要因識別情報=G3)、バルティック海運指数(外部要因識別情報=G4)等が例示されているが、外部要因はこれらに限定されるものではなく、例えば、日本政府の発表による経済指標であれば、失業率、GDP、インフレ率(物価上昇率)、日銀短観、貿易収支、財政収支の赤字(黒字)率、経常収支の赤字・黒字額、景気動向指数、鉱工業生産指数等があり、また、株式関連指標である日経平均株価、東証物価指数(TOPIX)等でもよく、さらには、日本の指標に限らず、海外の指標でもよく、例えば、CRB指数等の国際商品指数等でもよく、あるいは、移動平均線、ボリンジャー・バンド、一目均衡表、RSI、MACD、ストキャスティクス、ポイント&フィギュア等のような各種のテクニカル指標でもよい。要するに、売買対象の金融商品(本実施形態では株式)の価格(株価)の変動に加え、外部要因として、為替の変動、発注市場以外の市場変動(国内外)、有価証券以外の商品変動、景気指数の変動、金利の変動(複数通貨指数・複数指標指定)等の要素を考慮して発注のタイミングを決定することができるようにする。
【0079】
分析処理手段22は、株価データベース30(図2参照)に記憶された一定期間における過去の株価データ(例えば、過去30日分の終値データ)を目的変数(従属変数ともいう。)として用いるとともに、外部要因データベース31(図3参照)に記憶された一定期間における過去の外部要因データ(例えば、過去30日分のデータ)を説明変数(独立変数ともいう。)として用いて、株式の各銘柄毎に回帰分析を行い、この回帰分析の結果として得られた外部要因データの回帰係数(推定係数ともいう。)のt値および/または決定係数R若しくは自由度修正済決定係数R(自由度調整済決定係数ともいう。)を用いて、各銘柄の株価と相関性のある外部要因を各銘柄毎に特定し、特定した外部要因についての外部要因識別情報を、決定係数R若しくは自由度修正済決定係数Rとともに、各銘柄についての銘柄識別情報(銘柄コード)と関連付けて相関性データベース33(図5参照)に記憶させる処理を実行するものである。
【0080】
この際、分析処理手段22による分析処理において、目的変数として用いる株価データの期間と、説明変数として用いる外部要因データの期間とは、一致している必要はなく(同日である必要はなく)、ずれていてもよく、例えば、説明変数である外部要因データの採用日付を、目的変数である株価データの採用日付よりも1日前にずらして先行指標としてもよい。
【0081】
なお、本実施形態では、複数種類の外部要因データ、すなわち2以上の説明変数を用いる重回帰分析を行うものとする。また、本実施形態では、通常用いられている1次式モデルによる線形回帰を採用するが、その他のモデルを用いる非線形回帰としてもよい。さらに、本実施形態では、推計方法は、最小二乗法を採用するが、これに限定されるものではない。
【0082】
より具体的には、分析処理手段22による分析処理は、次のような3通りの処理のうちのいずれかを採用することができる。
【0083】
(分析処理手段22による第1番目の分析処理)
【0084】
分析処理手段22による第1番目の分析処理では、外部要因データベース31(図3参照)に記憶された複数種類の外部要因データのうちの全部または一部の種類の外部要因データを用いて外部要因データの組み合わせの異なる複数の回帰式を求め、これらの複数の回帰式のうち、決定係数R若しくは自由度修正済決定係数Rが最大の回帰式を選択し、選択した回帰式を構成する回帰係数のうち、t値が予め定められた閾値を超えるか、または閾値以上となっている回帰係数に対応する外部要因についての外部要因識別情報を、決定係数R若しくは自由度修正済決定係数Rとともに、銘柄識別情報(銘柄コード)と関連付けて相関性データベース33(図5参照)に記憶させる。
【0085】
例えば、20種類の外部要因データがあったとすると、先ず、20種類の外部要因データから、2種類の外部要因データの組合せを選択し、選択した2種類の外部要因データを説明変数とし、処理対象銘柄の株価データを目的変数として回帰式を求める。従って、20通りの組合せができるので、20通りの回帰式が各銘柄毎に求まる。
【0086】
より具体的には、例えば、銘柄Aの株価データYを目的変数とし、2種類の外部要因データである為替データX1およびNYダウデータX2を説明変数とし、Y=a0+a1・X1+a2・X2という回帰式を求める。ここで、a0は、回帰係数(切片)であり、a1は、説明変数X1である為替データの回帰係数(X1にかかる重み)であり、a2は、説明変数X2であるNYダウデータの回帰係数(X2にかかる重み)である。そして、過去30日分のデータを用いて回帰分析を行うとすれば、銘柄Aの株価データY(1)〜Y(30)、為替データX1(1)〜X1(30)、およびNYダウデータX2(1)〜X2(30)が入力データとなり、一方、回帰係数a0,a1,a2が出力データとなる。また、回帰係数a0のt値、回帰係数a1のt値、回帰係数a2のt値、および決定係数R若しくは自由度修正済決定係数Rも出力データとして得られる。
【0087】
この場合の回帰分析の内容は、本実施形態では推計方法として最小二乗法を採用するので、目的変数Yである銘柄Aの株価データの実績値Y(1)〜Y(30)と、目的変数Yである銘柄Aの株価データの推定値Y’(1)〜Y’(30)との差の2乗平均が最小になるようにする処理である。ここで、後者の推定値Y’(1)〜Y’(30)は、説明変数X1である為替データの実績値X1(1)〜X1(30)および説明変数X2であるNYダウデータの実績値X2(1)〜X2(30)、並びに回帰式Y=a0+a1・X1+a2・X2を用いて求めたもの、すなわち、次式で求めたものである。
【0088】
’(i)=a0+a1・X1(i)+a2・X2(i) (但し、i=1〜30)
【0089】
t値は、回帰係数(推定係数)を、回帰係数(推定係数)の標準誤差(回帰係数の不確かさを示す値)で除した値であり、回帰係数の絶対値が大きければ、t値の絶対値も大きくなり、また、回帰係数の標準誤差が小さければ、t値の絶対値が大きくなる。このt値は、回帰係数に対応する変数(回帰係数が乗じられている変数)が説明変数として適当であることの程度(つまり、目的変数と説明変数との相関性)を示す値であり、一般的には、t値の絶対値が2よりも大きい場合には、その変数は、説明変数として適当であり、t値の絶対値が小さくなる程、説明変数として適当であるとはいえなくなり、回帰式の見直しが必要となる。
【0090】
決定係数R若しくは自由度修正済決定係数Rは、回帰式の当てはまり具合を示す値であり、通常、この値が、例えば0.7〜0.8よりも大きければ、当てはまり具合が良好といえる。なお、自由度修正済決定係数Rは、データの個数が少ないときの不都合を回避するための修正(補正)を行った値であり、本実施形態では、自由度修正済決定係数Rを用いるものとする。
【0091】
同様にして、銘柄Bについても、銘柄Bの株価データYを目的変数として回帰式Y=b0+b1・X1+b2・X2を求め、出力データとして、回帰係数b0,b1,b2およびそれらのt値、並びに決定係数R若しくは自由度修正済決定係数Rを得る。また、銘柄Cについても、銘柄Cの株価データYを目的変数として回帰式Y=c0+c1・X1+c2・X2を求め、出力データとして、回帰係数c0,c1,c2およびそれらのt値、並びに決定係数R若しくは自由度修正済決定係数Rを得る。他の銘柄D,E,…についても同様である。
【0092】
また、2種類の外部要因データの組合せを変えて、例えば、銘柄Aの株価データYを目的変数とし、為替データX1およびWTI原油先物データX3を説明変数とし、Y=a0+a1・X1+a3・X3という回帰式を求め、出力データとして、回帰係数a0,a1,a3およびそれらのt値、並びに決定係数R若しくは自由度修正済決定係数Rを得る。但し、ここで得られるa0,a1は、前述した為替データX1およびNYダウデータX2を説明変数とした場合において同記号で示されているa0,a1とは異なるものである。
【0093】
同様にして、銘柄Bについても、銘柄Bの株価データYを目的変数として回帰式Y=b0+b1・X1+b3・X3を求め、出力データとして、回帰係数b0,b1,b3およびそれらのt値、並びに決定係数R若しくは自由度修正済決定係数Rを得る。また、銘柄Cについても、銘柄Cの株価データYを目的変数として回帰式Y=c0+c1・X1+c3・X3を求め、出力データとして、回帰係数c0,c1,c3およびそれらのt値、並びに決定係数R若しくは自由度修正済決定係数Rを得る。他の銘柄D,E,…についても同様である。
【0094】
そして、2種類の外部要因データの組合せを変えて、説明変数X1,X4の組合せ、説明変数X1,X5の組合せ、…、説明変数X1,X20の組合せ、説明変数X2,X3の組合せ、説明変数X2,X4の組合せ、…、説明変数X2,X20の組合せ等についても、同様な処理を行う。
【0095】
次に、20種類の外部要因データから、3種類の外部要因データの組合せを選択し、選択した3種類の外部要因データを説明変数とし、処理対象銘柄の株価データを目的変数として回帰式を求める。従って、20通りの組合せができるので、20通りの回帰式が各銘柄毎に求まる。
【0096】
より具体的には、例えば、銘柄Aの株価データYを目的変数とし、3種類の外部要因データである為替データX1、NYダウデータX2、およびWTI原油先物データX3を説明変数とし、Y=a0+a1・X1+a2・X2+a3・X3という回帰式を求め、出力データとして、回帰係数a0,a1,a2,a3およびそれらのt値、並びに決定係数R若しくは自由度修正済決定係数Rを得る。但し、ここで得られるa0,a1,a2,a3は、前述した説明変数を2つとした場合において同記号で示されているa0,a1,a2,a3とは異なるものである。他の銘柄B,C,D,E,…についても同様な処理を行う。
【0097】
そして、3種類の外部要因データの組合せを変えて、説明変数X1,X2,X4の組合せ、説明変数X1,X2,X5の組合せ等についても、同様な処理を行う。
【0098】
さらに、20種類の外部要因データから、4種類の外部要因データの組合せを選択し、選択した4種類の外部要因データを説明変数とし、処理対象銘柄の株価データを目的変数として回帰式を求める。従って、20通りの組合せができるので、20通りの回帰式が各銘柄毎に求まる。
【0099】
より具体的には、例えば、銘柄Aの株価データYを目的変数とし、4種類の外部要因データである為替データX1、NYダウデータX2、WTI原油先物データX3、およびバルティック海運指数X4を説明変数とし、Y=a0+a1・X1+a2・X2+a3・X3+a4・X4という回帰式を求め、出力データとして、回帰係数a0,a1,a2,a3,a4およびそれらのt値、並びに決定係数R若しくは自由度修正済決定係数Rを得る。但し、ここで得られるa0,a1,a2,a3は、前述した説明変数を2つとした場合や3つとした場合において同記号で示されているa0,a1,a2,a3とは異なるものである。他の銘柄B,C,D,E,…についても同様な処理を行う。
【0100】
そして、4種類の外部要因データの組合せを変えて、説明変数X1,X2,X3,X5の組合せ、説明変数X1,X2,X3,X6の組合せ等についても、同様な処理を行う。
【0101】
同様にして、5種類の外部要因データの組合せを選択し、20通りの回帰式を各銘柄毎に求め、6種類の外部要因データの組合せを選択し、20通りの回帰式を各銘柄毎に求め、最後に、20種類の外部要因データの組合せを選択し、2020通りの回帰式を各銘柄毎に求める。このように、分析処理手段22は、使用する外部要因データの数を変えながら、かつ、使用する外部要因データの組合せを変えながら、各銘柄毎に複数の回帰式を求める。つまり、各銘柄毎に、2020202020+…+2020通りの回帰式を求める。より一般には、外部要因データベース31(図3参照)にn種類の外部要因データが記憶されているとすれば、Σ(但し、k=2〜n)通りの回帰式を求める。
【0102】
そして、分析処理手段22は、各銘柄毎に、2020202020+…+2020通りの回帰式のうちで、決定係数R若しくは自由度修正済決定係数R(本実施形態では、自由度修正済決定係数Rとする。)が最大の回帰式を選択し、選択した回帰式を構成する回帰係数およびそのt値、並びに決定係数R若しくは自由度修正済決定係数R(本実施形態では、自由度修正済決定係数Rとする。)を、銘柄識別情報(銘柄コード)と関連付けて回帰式データベース32(図4参照)に記憶させる。
【0103】
それから、分析処理手段22は、回帰式データベース32(図4参照)に記憶させた回帰式を構成する回帰係数のうち、t値が予め定められた閾値(例えば2)を超えるか、または閾値以上となっている回帰係数に対応する外部要因についての外部要因識別情報を、決定係数R若しくは自由度修正済決定係数R(本実施形態では、自由度修正済決定係数Rとする。)とともに、銘柄識別情報(銘柄コード)と関連付けて相関性データベース33(図5参照)に記憶させる。この際、相関性データベース33の投資家識別情報のカラムには、全ての投資家に共通に適用されるデータであることを示す情報「T0」を格納する。
【0104】
なお、以上の説明では、Σ(但し、k=2〜n)通りの回帰式を求めるものとしているが、用意されている全種類の外部要因データを説明変数として用いる回帰式は求めない構成、あるいは多種類の外部要因データを説明変数として用いる回帰式は求めない構成としてもよく、例えば、説明変数は5つまでとし、Σ(但し、k=2〜5)通りの回帰式を求める構成としてもよい。
【0105】
(分析処理手段22による第2番目の分析処理)
【0106】
分析処理手段22による第2番目の分析処理では、外部要因データベース31(図3参照)に記憶された複数種類の外部要因データのうちの全部または一部の種類の外部要因データを用いて外部要因データの組み合わせの異なる複数の回帰式を求め、これらの複数の回帰式のうち、回帰式を構成する外部要因データの回帰係数の全てのt値が予め定められた閾値を超えるか、または閾値以上となっている回帰式を選択し、さらに、選択した回帰式のうち、決定係数R若しくは自由度修正済決定係数Rが最大の回帰式を選択し、選択した回帰式を構成する回帰係数に対応する外部要因についての外部要因識別情報を、決定係数R若しくは自由度修正済決定係数Rとともに、銘柄識別情報(銘柄コード)と関連付けて相関性データベース33(図5参照)に記憶させる。
【0107】
より具体的には、分析処理手段22は、前述した第1番目の分析処理の場合と同様にして、使用する外部要因データの数を変えながら、かつ、使用する外部要因データの組合せを変えながら、各銘柄毎に複数の回帰式を求める。つまり、外部要因データベース31(図3参照)に20種類の外部要因データが記憶されているとすれば、各銘柄毎に、2020202020+…+2020通りの回帰式を求める。より一般には、外部要因データベース31(図3参照)にn種類の外部要因データが記憶されているとすれば、Σ(但し、k=2〜n)通りの回帰式を求める。
【0108】
そして、分析処理手段22は、各銘柄毎に、2020202020+…+2020通りの回帰式のうち、回帰式を構成する外部要因データの回帰係数の全てのt値が予め定められた閾値(例えば2)を超えるか、または閾値以上となっている回帰式を選択し、さらに、選択した回帰式のうち、決定係数R若しくは自由度修正済決定係数Rが(本実施形態では、自由度修正済決定係数Rとする。)が最大の回帰式を選択し、選択した回帰式を構成する回帰係数およびそのt値、並びに決定係数R若しくは自由度修正済決定係数R(本実施形態では、自由度修正済決定係数Rとする。)を、銘柄識別情報(銘柄コード)と関連付けて回帰式データベース32(図4参照)に記憶させる。
【0109】
それから、分析処理手段22は、回帰式データベース32(図4参照)に記憶させた回帰式を構成する回帰係数に対応する外部要因についての外部要因識別情報を、決定係数R若しくは自由度修正済決定係数R(本実施形態では、自由度修正済決定係数Rとする。)とともに、銘柄識別情報(銘柄コード)と関連付けて相関性データベース33(図5参照)に記憶させる。この際、相関性データベース33の投資家識別情報のカラムには、全ての投資家に共通に適用されるデータであることを示す情報「T0」を格納する。
【0110】
なお、以上の説明では、Σ(但し、k=2からk=nまでの和)通りの回帰式を求めるものとしているが、前述した第1番目の分析処理の場合と同様に、用意されている全種類の外部要因データを説明変数として用いる回帰式は求めない構成、あるいは多種類の外部要因データを説明変数として用いる回帰式は求めない構成としてもよく、例えば、説明変数は5つまでとし、Σ(但し、k=2からk=5までの和)通りの回帰式を求める構成としてもよい。
【0111】
(分析処理手段22による第3番目の分析処理)
【0112】
分析処理手段22による第3番目の分析処理では、外部要因データベース31(図3参照)に記憶された複数種類の外部要因データを用いて1つの回帰式を求め、この回帰式を構成する外部要因データの回帰係数のうち、t値が予め定められた閾値を超えるか、または閾値以上となっている回帰係数に対応する外部要因についての外部要因識別情報を、決定係数R若しくは自由度修正済決定係数Rとともに、銘柄識別情報(銘柄コード)と関連付けて相関性データベース33(図5参照)に記憶させる。
【0113】
より具体的には、分析処理手段22は、外部要因データベース31(図3参照)に記憶された例えば全種類の外部要因データを説明変数として用いて1つの回帰式を求め、求めた回帰式を構成する回帰係数およびそのt値、並びに決定係数R若しくは自由度修正済決定係数R(本実施形態では、自由度修正済決定係数Rとする。)を、銘柄識別情報(銘柄コード)と関連付けて回帰式データベース32(図4参照)に記憶させる。
【0114】
それから、分析処理手段22は、回帰式データベース32(図4参照)に記憶させた回帰式を構成する回帰係数のうち、t値が予め定められた閾値(例えば2)を超えるか、または閾値以上となっている回帰係数に対応する外部要因についての外部要因識別情報を、決定係数R若しくは自由度修正済決定係数R(本実施形態では、自由度修正済決定係数Rとする。)とともに、銘柄識別情報(銘柄コード)と関連付けて相関性データベース33(図5参照)に記憶させる。この際、相関性データベース33の投資家識別情報のカラムには、全ての投資家に共通に適用されるデータであることを示す情報「T0」を格納する。
【0115】
条件項目設定受付処理手段23は、注文方法選択画面100(図10参照)での投資家による「条件項目設定画面の表示」ボタン103の押下操作により投資家端末装置40からネットワーク1を介して送信されてくる条件項目設定画面表示要求信号を受信し、条件項目設定画面200(図11参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して投資家端末装置40へ送信し、条件項目設定画面200で投資家により入力設定されて投資家端末装置40からネットワーク1を介して送信されてくる、条件項目(注文画面400(図12参照)への表示用の発注条件項目および報知条件入力画面600(図14参照)への表示用の報知条件項目)としての外部要因の最大表示件数、設定対象銘柄についての銘柄識別情報(銘柄コード)、並びに表示対象の条件項目(注文画面400(図12参照)への表示用の発注条件項目および報知条件入力画面600(図14参照)への表示用の報知条件項目)として投資家により追加または削除された状態の外部要因についての外部要因識別情報を受信し、受信した最大表示件数、並びに設定対象銘柄についての銘柄識別情報(銘柄コード)を、条件項目設定を行った投資家についての投資家識別情報と関連付けて条件項目設定データベース34(図6参照)に記憶させるとともに、表示対象の条件項目として投資家により追加または削除された状態の外部要因についての外部要因識別情報を、条件項目設定を行った投資家についての投資家識別情報および設定対象銘柄についての銘柄識別情報(銘柄コード)と関連付けて相関性データベース33(図5参照)に記憶させる処理を実行するものである。
【0116】
この際、条件項目設定受付処理手段23は、投資家端末装置40からネットワーク1を介して送信されてくる条件項目設定画面表示要求信号を受信したときには、条件項目設定画面200(図11参照)の表示用データ(但し、条件項目の表示部分は含まない。)を、ネットワーク1を介して投資家端末装置40へ送信する。
【0117】
また、条件項目設定受付処理手段23は、条件項目の表示が未だ行われていない条件項目設定画面200(図11参照)での投資家による「条件項目表示」ボタン221の押下操作により投資家端末装置40からネットワーク1を介して送信されてくる条件項目の設定対象銘柄についての銘柄識別情報(銘柄コード)を受信したときには、受信した銘柄識別情報に対応する外部要因識別情報を相関性データベース33(図5参照)から取得し、取得した外部要因識別情報の外部要因を注文画面400(図12参照)への表示用の発注条件項目の候補および報知条件入力画面600(図14参照)への表示用の報知条件項目の候補として表示する部分を含む条件項目設定画面200(図11参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して投資家端末装置40へ送信する。
【0118】
条件付き注文受付処理手段24は、注文方法選択画面100(図10参照)での投資家による「注文画面の表示」ボタン101の押下操作により投資家端末装置40からネットワーク1を介して送信されてくる注文画面表示要求信号を受信し、注文画面300(図12参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して投資家端末装置40へ送信し、投資家端末装置40からネットワーク1を介して送信されてくる注文銘柄についての銘柄識別情報(銘柄コード)、注文数量(本実施形態では、注文株数)、および売買区分を、注文データの一部として受信し、受信した銘柄識別情報(銘柄コード)に対応する外部要因識別情報を相関性データベース33(図5参照)から取得し、取得した外部要因識別情報の外部要因を発注条件項目とする注文画面400(図12参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して投資家端末装置40へ送信し、投資家端末装置40からネットワーク1を介して送信されてくる成行・指値の別および指値、並びに、外部要因に係る条件を含んで構成された発注条件を、注文データの残りの一部として受信し、受信した注文データに対し、注文識別情報(注文番号)を自動付与し、受信した注文銘柄についての銘柄識別情報(銘柄コード)、注文数量(注文株数)、売買区分、成行・指値の別および指値、並びに、外部要因に係る条件を含んで構成された発注条件を含む注文データを、自動付与した注文識別情報(注文番号)、および注文を行った投資家についての投資家識別情報と関連付けて注文データベース35(図7参照)に記憶させる処理を実行するものである。
【0119】
この際、条件付き注文受付処理手段24は、投資家端末装置40からネットワーク1を介して送信されてくる注文銘柄についての銘柄識別情報(銘柄コード)を受信したときには、注文を行った投資家についての投資家識別情報をキーとして、注文銘柄についての銘柄識別情報が、注文を行った投資家による設定対象銘柄についての銘柄識別情報として条件項目データベース34(図6参照)に記憶されているか否かを判断し、記憶されていない場合には、全投資家に共通であることを示す「T0」が投資家識別情報のカラムに記憶され、かつ、注文銘柄についての銘柄識別情報に関連付けられて相関性データベース33(図5参照)に記憶された外部要因識別情報を取得し、取得した外部要因識別情報の外部要因を発注条件項目とする注文画面400(図12参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して投資家端末装置40へ送信する。一方、注文銘柄についての銘柄識別情報が、注文を行った投資家による設定対象銘柄についての銘柄識別情報として条件項目データベース34(図6参照)に記憶されている場合には、注文を行った投資家についての投資家識別情報および注文銘柄についての銘柄識別情報をキーとして、相関性データベース33(図5参照)から、表示対象の条件項目として投資家により追加または削除された状態の外部要因についての外部要因識別情報を取得し、取得した外部要因識別情報の外部要因を発注条件項目とする注文画面400(図12参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して投資家端末装置40へ送信する。
【0120】
また、条件付き注文受付処理手段24は、外部要因を発注条件項目とする注文画面400(図12参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して投資家端末装置40へ送信する際には、t値の絶対値の大きい回帰係数に対応する外部要因から、上から順番に表示する注文画面400の表示用データを作成し、送信する。なお、相関性データベース33(図5参照)には、t値の絶対値の大きい回帰係数に対応する外部要因の順番で、すなわち注文画面400への表示の順番に従って表示対象の外部要因についての外部要因識別情報が記憶されているので、相関性データベース33に記憶された順番の通りに表示すればよい。また、条件項目設定画面200(図11参照)で投資家により表示対象の条件項目の追加または削除が行われた場合には、条件項目設定受付処理手段23により、条件項目設定画面200で投資家により設定された通りの表示の順番で、相関性データベース33(図5参照)に表示対象の外部要因についての外部要因識別情報が記憶されるので、この場合にも、相関性データベース33に記憶された順番の通りに表示すればよい。
【0121】
さらに、条件付き注文受付処理手段24は、外部要因を発注条件項目とする注文画面400(図12参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して投資家端末装置40へ送信する際には、注文を行った投資家についての投資家識別情報をキーとして条件項目データベース34(図6参照)から最大表示件数を取得し、取得した最大表示件数を超えない数の外部要因を発注条件項目とする注文画面400の表示用データを作成し、送信する。
【0122】
そして、条件付き注文受付処理手段24は、外部要因を発注条件項目とする注文画面400(図12参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して投資家端末装置40へ送信する際には、注文銘柄についての銘柄識別情報(銘柄コード)に関連付けられて相関性データベース33(図5参照)に記憶された決定係数Rまたは自由度修正済決定係数R(本実施形態では、自由度修正済決定係数R)が、予め定められた境界値(例えば、0.7〜0.8の間の値)以下または未満である場合には、相関性データベース33から取得した外部要因識別情報の外部要因のみを外部要因に関する発注条件項目として注文画面400に表示するのではなく、予め定められた全種類の外部要因(例えば、外部要因データベース31(図3参照)にデータが記憶されている全種類の外部要因)を発注条件項目とする注文画面400の表示用データを作成し、送信する。なお、条件項目設定画面200(図11参照)で投資家により表示対象の条件項目の追加または削除が行われた場合には、相関性データベース33(図5参照)には決定係数Rまたは自由度修正済決定係数R(本実施形態では、自由度修正済決定係数R)が記憶されていないので、この場合には、相関性データベース33から取得した外部要因識別情報の外部要因(つまり、投資家により追加または削除された状態の外部要因)のみを外部要因に関する発注条件項目として注文画面400に表示する。
【0123】
また、条件付き注文受付処理手段24は、注文データとして、複数種類の外部要因に係る条件をANDまたはORを用いて組み合わせるか、または複数種類若しくは一種類の外部要因に係る条件および注文銘柄の価格(本実施形態では、株価)に係る条件をANDまたはORを用いて組み合わせて構成された複合的な発注条件を受信し、注文識別情報(注文番号)および投資家識別情報と関連付けて注文データベース35(図7参照)に記憶させることができる構成とされている。
【0124】
さらに、条件付き注文受付処理手段24は、注文画面400(図12参照)で投資家により「参考情報の表示」ボタン420の押下操作が行われたときに、注文銘柄についての銘柄識別情報に対応する回帰係数を回帰式データベース32(図4参照)から取得し、取得した回帰係数、および外部要因データベース31(図3参照)に記憶された外部要因データを用いて、目的変数としての注文銘柄の価格データ(本実施形態では、株価データ)が一定割合若しくは一定金額または投資家により入力指定された割合若しくは金額だけ変化したときの説明変数としての外部要因データの変化の割合または金額を算出し、算出した外部要因データの変化の割合または金額を、注文画面400(図12参照)に付随する参考情報の画面500(図13参照)に表示する処理を行う。すなわち、条件付き注文受付処理手段24は、目的変数としての注文銘柄の株価の変化量(変化率)に相当する説明変数の変化量(変化率)を算出し、表示することができるようになっている。
【0125】
具体的には、条件付き注文受付処理手段24は、注文銘柄についての銘柄識別情報に対応する各回帰係数を回帰式データベース32(図4参照)から取得するとともに、取得した各回帰係数に対応する説明変数Xである外部要因データの実績値(現在値が好ましいが、過去値でもよい。)を外部要因データベース31(図3参照)から取得し、取得した各回帰係数および説明変数Xである各外部要因データの実績値を用いて、回帰式に従って、目的変数である注文銘柄の株価の推定値Y’を算出する。続いて、算出した推定値Y’に対し、所定または投資家指定の変化量ΔYを加算若しくは減算し、あるいは所定または投資家指定の変化率εを乗算することにより、推定値Y’の変化後の値Y’afterを算出し、この変化後の値Y’afterおよび参照対象となる説明変数Xtarget以外の説明変数Xnon-targetである外部要因データの実績値(推定値Y’を算出したときと同じデータ)を回帰式(各回帰係数は、推定値Y’を算出したときと同じである。)に代入することにより、参照対象となる説明変数Xtargetの変化後の値Xtarget,afterを算出する。そして、参照対象となる説明変数Xtargetの変化量として、Xtarget,after−Xtargetを算出して表示し、あるいは参照対象となる説明変数Xtargetの変化率として、(Xtarget,after−Xtarget)/Xtargetを算出して表示する。
【0126】
発注条件成否判断処理手段25は、外部要因データベース31(図3参照)に記憶された外部要因データの現在値(逐次更新される最新の値)および株価データベース30(図2参照)に記憶された株価データの現在値(逐次更新される最新の値)を用いて、注文データベース35(図7参照)に記憶された注文データに含まれる外部要因に係る条件を含む発注条件が成立したか否かを判断する処理を繰り返し実行するものである。
【0127】
この際、発注条件成否判断処理手段25は、発注条件が、株価に係る条件を含まずに外部要因に係る条件だけで構成されている場合には、外部要因データベース31(図3参照)に記憶された外部要因データの現在値を用い、発注条件が、外部要因に係る条件および株価に係る条件の双方を含んで構成されている場合には、外部要因データベース31(図3参照)に記憶された外部要因データの現在値および株価データベース30(図2参照)に記憶された株価データの現在値を用いて発注条件の成否判断処理を実行する。
【0128】
報知条件受付処理手段26は、注文方法選択画面100(図10参照)での投資家による「報知条件入力画面の表示」ボタン102の押下操作により投資家端末装置40からネットワーク1を介して送信されてくる報知条件入力画面表示要求信号を受信し、報知条件入力画面600(図14参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して投資家端末装置40へ送信し、投資家端末装置40からネットワーク1を介して送信されてくる報知対象銘柄についての銘柄識別情報(銘柄コード)を、報知条件データの一部として受信し、受信した銘柄識別情報(銘柄コード)に対応する外部要因識別情報を相関性データベース33(図5参照)から取得し、取得した外部要因識別情報の外部要因を報知条件項目とする報知条件入力画面600(図14参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して投資家端末装置40へ送信し、投資家端末装置40からネットワーク1を介して送信されてくる外部要因に係る条件を含んで構成された報知条件を、報知条件データの残りの一部として受信し、受信した報知条件データを、報知条件の入力を行った投資家についての投資家識別情報と関連付けて報知条件データベース36(図14参照)に記憶させる処理を実行するものである。
【0129】
この際、報知条件受付処理手段26は、投資家端末装置40からネットワーク1を介して送信されてくる報知対象銘柄についての銘柄識別情報(銘柄コード)を受信したときには、報知対象銘柄の入力を行った投資家についての投資家識別情報をキーとして、報知対象銘柄についての銘柄識別情報が、報知対象銘柄の入力を行った投資家による設定対象銘柄についての銘柄識別情報として条件項目データベース34(図6参照)に記憶されているか否かを判断し、記憶されていない場合には、全投資家に共通であることを示す「T0」が投資家識別情報のカラムに記憶され、かつ、報知対象銘柄についての銘柄識別情報に関連付けられて相関性データベース33(図5参照)に記憶された外部要因識別情報を取得し、取得した外部要因識別情報の外部要因を報知条件項目とする報知条件入力画面600(図14参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して投資家端末装置40へ送信する。一方、報知対象銘柄についての銘柄識別情報が、報知対象銘柄の入力を行った投資家による設定対象銘柄についての銘柄識別情報として条件項目データベース34(図6参照)に記憶されている場合には、報知対象銘柄の入力を行った投資家についての投資家識別情報および報知対象銘柄についての銘柄識別情報をキーとして、相関性データベース33(図5参照)から、表示対象の条件項目として投資家により追加または削除された状態の外部要因についての外部要因識別情報を取得し、取得した外部要因識別情報の外部要因を報知条件項目とする報知条件入力画面600(図14参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して投資家端末装置40へ送信する。
【0130】
また、報知条件受付処理手段26は、外部要因を報知条件項目とする報知条件入力画面600(図14参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して投資家端末装置40へ送信する際には、t値の絶対値の大きい回帰係数に対応する外部要因から、上から順番に表示する報知条件入力画面600の表示用データを作成し、送信する。なお、相関性データベース33(図5参照)には、t値の絶対値の大きい回帰係数に対応する外部要因の順番で、すなわち報知条件入力画面600への表示の順番に従って表示対象の外部要因についての外部要因識別情報が記憶されているので、相関性データベース33に記憶された順番の通りに表示すればよい。また、条件項目設定画面200(図11参照)で投資家により表示対象の条件項目の追加または削除が行われた場合には、条件項目設定受付処理手段23により、条件項目設定画面200で投資家により設定された通りの表示の順番で、相関性データベース33(図5参照)に表示対象の外部要因についての外部要因識別情報が記憶されるので、この場合にも、相関性データベース33に記憶された順番の通りに表示すればよい。
【0131】
さらに、報知条件受付処理手段26は、外部要因を報知条件項目とする報知条件入力画面600(図14参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して投資家端末装置40へ送信する際には、報知対象銘柄の入力を行った投資家についての投資家識別情報をキーとして条件項目データベース34(図6参照)から最大表示件数を取得し、取得した最大表示件数を超えない数の外部要因を報知条件項目とする報知条件入力画面600の表示用データを作成し、送信する。
【0132】
そして、報知条件受付処理手段26は、外部要因を報知条件項目とする報知条件入力画面600(図14参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して投資家端末装置40へ送信する際には、報知対象銘柄についての銘柄識別情報(銘柄コード)に関連付けられて相関性データベース33(図5参照)に記憶された決定係数Rまたは自由度修正済決定係数R(本実施形態では、自由度修正済決定係数R)が、予め定められた境界値(例えば、0.7〜0.8の間の値)以下または未満である場合には、相関性データベース33から取得した外部要因識別情報の外部要因のみを外部要因に関する報知条件項目として報知条件入力画面600に表示するのではなく、予め定められた全種類の外部要因(例えば、外部要因データベース31(図3参照)にデータが記憶されている全種類の外部要因)を報知条件項目とする報知条件入力画面600の表示用データを作成し、送信する。なお、条件項目設定画面200(図11参照)で投資家により表示対象の条件項目の追加または削除が行われた場合には、相関性データベース33(図5参照)には決定係数Rまたは自由度修正済決定係数R(本実施形態では、自由度修正済決定係数R)が記憶されていないので、この場合には、相関性データベース33から取得した外部要因識別情報の外部要因(つまり、投資家により追加または削除された状態の外部要因)のみを外部要因に関する報知条件項目として報知条件入力画面600に表示する。
【0133】
また、報知条件受付処理手段26は、報知条件データとして、複数種類の外部要因に係る条件をANDまたはORを用いて組み合わせるか、または複数種類若しくは一種類の外部要因に係る条件および報知対象銘柄の価格(本実施形態では、株価)に係る条件をANDまたはORを用いて組み合わせて構成された複合的な報知条件を受信し、投資家識別情報と関連付けて報知条件データベース36(図14参照)に記憶させることができる構成とされている。
【0134】
さらに、報知条件受付処理手段26は、報知条件入力画面600(図14参照)で投資家により「参考情報の表示」ボタン610の押下操作が行われたときに、報知対象銘柄についての銘柄識別情報に対応する回帰係数を回帰式データベース32(図4参照)から取得し、取得した回帰係数、および外部要因データベース31(図3参照)に記憶された外部要因データを用いて、目的変数としての報知対象銘柄の価格データ(本実施形態では、株価データ)が一定割合若しくは一定金額または投資家により入力指定された割合若しくは金額だけ変化したときの説明変数としての外部要因データの変化の割合または金額を算出し、算出した外部要因データの変化の割合または金額を、報知条件入力画面600(図14参照)に付随する参考情報の画面500(図13参照)に表示する処理を行う。すなわち、報知条件受付処理手段26は、目的変数としての報知対象銘柄の株価の変化量(変化率)に相当する説明変数の変化量(変化率)を算出し、表示することができるようになっている。具体的な処理は、条件付き注文受付処理手段24の場合と同様である。
【0135】
報知条件成否判断処理手段27は、外部要因データベース31(図3参照)に記憶された外部要因データの現在値(逐次更新される最新の値)および株価データベース30(図2参照)に記憶された株価データの現在値(逐次更新される最新の値)を用いて、報知条件データベース36(図14参照)に記憶された報知条件データに含まれる外部要因に係る条件を含む報知条件が成立したか否かを判断する処理を繰り返し実行するものである。
【0136】
この際、報知条件成否判断処理手段27は、報知条件が、株価に係る条件を含まずに外部要因に係る条件だけで構成されている場合には、外部要因データベース31(図3参照)に記憶された外部要因データの現在値を用い、報知条件が、外部要因に係る条件および株価に係る条件の双方を含んで構成されている場合には、外部要因データベース31(図3参照)に記憶された外部要因データの現在値および株価データベース30(図2参照)に記憶された株価データの現在値を用いて報知条件の成否判断処理を実行する。
【0137】
報知対象銘柄注文受付処理手段28は、報知条件成否判断処理手段27により報知条件が成立したと判断した場合に、報知条件が成立した報知対象銘柄を注文銘柄とする注文画面700(図14参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して投資家端末装置40へ送信し、投資家端末装置40からネットワーク1を介して送信されてくる注文銘柄についての銘柄識別情報(銘柄コード)、注文数量(本実施形態では、注文株数)、売買区分、並びに、成行・指値の別および指値を含む注文データを受信し、受信した注文データに対し、注文識別情報(注文番号)を自動付与し、受信した注文データを、自動付与した注文識別情報と関連付けて注文データベース35(図7参照)に記憶させる処理を実行するものである。なお、注文画面700(図14参照)に表示された報知対象銘柄である注文銘柄は、確認のために投資家に入力させる構成としてもよい。つまり、注文銘柄についてのデフォルト表示は、報知対象銘柄とするが、これを変更入力可能な構成としてもよい。
【0138】
発注処理手段29は、発注条件成否判断処理手段25により発注条件が成立したと判断した場合に、注文データベース35(図7参照)に記憶された注文データを用いて発注データ(注文識別情報、投資家識別情報、銘柄識別情報、注文数量、売買区分、指値を含む。)を作成し、作成した発注データを、通信回線2を介して金融商品の取引市場システムである証券取引所システム50へ送信する処理を実行するものである。この場合は、注文データベース35(図7参照)の注文方法カラムに「1(条件付き注文)」が記憶されている注文データが発注処理の対象となる。
【0139】
また、発注処理手段29は、報知対象銘柄注文受付処理手段28により受信して注文データベース35(図7参照)に記憶された注文データを用いて発注データ(注文識別情報、投資家識別情報、銘柄識別情報、注文数量、売買区分、指値を含む。)を作成し、作成した発注データを、通信回線2を介して証券取引所システム50へ送信する処理を実行する。この場合は、注文データベース35(図7参照)の注文方法カラムに「2(報知後の注文)」が記憶されている注文データが発注処理の対象となる。
【0140】
株価データベース30は、図2に示すように、株価データ・外部要因データ取得処理手段21により取得した株価データを、株式の銘柄識別情報(銘柄コード)および株価の発生日時と関連付けて記憶するものである。
【0141】
外部要因データベース31は、図3に示すように、株価データ・外部要因データ取得処理手段21により取得した外部要因データを、外部要因識別情報および外部要因の値の発生日時と関連付けて記憶するものである。
【0142】
回帰式データベース32は、図4に示すように、分析処理手段22により求められた回帰式を構成する回帰係数およびそのt値、並びに決定係数R若しくは自由度修正済決定係数R(本実施形態では、自由度修正済決定係数Rとする。)を、銘柄識別情報(銘柄コード)と関連付けて記憶するものである。
【0143】
相関性データベース33は、図5に示すように、分析処理手段22により決定された各銘柄の株価と相関性のある外部要因についての外部要因識別情報を、決定係数R若しくは自由度修正済決定係数R(本実施形態では、自由度修正済決定係数Rとする。)とともに、相関性の高い順に(つまり、注文画面400(図12参照)や報知条件入力画面600(図14参照)に条件項目として上から表示される順に)、銘柄識別情報(銘柄コード)と関連付けて記憶するものである。
【0144】
なお、本実施形態では、回帰式データベース32(図4参照)と相関性データベース33(図5参照)とを別のデータベースとしているが、これらを統合したデータベースとしてもよい。
【0145】
条件項目設定データベース34は、図6に示すように、注文画面400(図12参照)や報知条件入力画面600(図14参照)に条件項目として表示する外部要因の最大表示件数、および投資家により表示対象の条件項目の追加または削除が行われた設定対象銘柄についての銘柄識別情報(銘柄コード)を、条件項目設定を行った投資家についての投資家識別情報と関連付けて記憶するものである。
【0146】
注文データベース35は、図7に示すように、注文識別情報(注文番号)、投資家識別情報、銘柄識別情報(銘柄コード)、注文数量(注文株数)、売買区分、成行・指値の別および指値、注文方法(条件付き注文か、報知後の注文かの別)、注文の処理状況を示すステータス、発注条件を構成する条件(株価に係る条件および外部要因に係る条件)、並びに、発注条件の条件式等を対応付けて記憶するものである。
【0147】
報知条件データベース36は、図14に示すように、投資家識別情報、銘柄識別情報(銘柄コード)、報知条件を構成する条件(株価に係る条件および外部要因に係る条件)、報知条件の条件式、並びに、処理状況を示すステータスを対応付けて記憶するものである。
【0148】
そして、以上において、注文システム10を構成する各処理手段21〜29は、注文システム10を構成するコンピュータ本体の内部に設けられた中央演算処理装置(CPU)、およびこのCPUの動作手順を規定する1つまたは複数のプログラムにより実現される。
【0149】
また、注文システム10を構成する各データベース30〜36は、例えばハードディスク等により好適に実現されるが、記憶容量やアクセス速度等に問題が生じない範囲であれば、ROM、EEPROM、フラッシュ・メモリ、RAM、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、FD、磁気テープ、あるいはこれらの組合せ等を採用してもよい。
【0150】
さらに、注文システム10は、1台のコンピュータあるいは1つのCPUにより実現されるものに限定されず、複数のコンピュータあるいは複数のCPUで分散処理を行うことにより実現されるものであってもよい。
【0151】
投資家端末装置40は、コンピュータにより構成され、例えばマウスやキーボード等の入力手段と、例えば液晶ディスプレイやCRTディスプレイ等の表示装置と、印刷装置とを備えている。なお、投資家端末装置40は、例えば携帯電話機(PHSも含む。)や携帯情報端末(PDA)等の携帯機器でもよい。
【0152】
証券取引所システム50は、例えば東京証券取引所等に設置された1台または複数台のコンピュータにより構成されたシステムである。なお、本実施形態では、証券取引所システム50とされているが、本発明における取引市場システムは、これに限定されるものではなく、株式以外の有価証券も含め、より一般に、金融商品を取り扱う取引市場システムが含まれ、例えば、私設取引システム(PTS:Proprietary Trading System)等でもよい。
【0153】
情報提供システム60は、1台または複数台のコンピュータにより構成されたシステムであり、例えば、情報ベンダーのシステム等であるが、証券会社等の金融機関の他のシステムでもよく、あるいは証券取引所システム50等の取引市場システム自体であってもよい。
【0154】
このような本実施形態においては、以下のようにして注文システム10により条件付き注文の処理および報知後の注文の処理が行われる。
【0155】
(条件付き注文の処理の流れ)
【0156】
図8において、注文システム10による処理を開始し(ステップS1)、株価データ・外部要因データ取得処理手段21により、情報提供システム60から、通信回線3を介して金融商品の価格データ(本実施形態では、一例として株価データとする。)および外部要因データを定期的に取得し、取得した株価データについては、株式の銘柄識別情報(銘柄コード)および株価の発生日時と関連付けて株価データベース30(図2参照)に記憶させ、取得した外部要因データについては、外部要因識別情報および外部要因の値の発生日時と関連付けて外部要因データベース31(図3参照)に記憶させる(ステップS2)。
【0157】
続いて、分析処理手段22により、株価データベース30(図2参照)に記憶された一定期間における過去の株価データ(例えば、過去30日分の終値データ)を目的変数として用いるとともに、外部要因データベース31(図3参照)に記憶された一定期間における過去の外部要因データ(例えば、過去30日分のデータ)を説明変数として用いて、株式の各銘柄毎に回帰分析を行い、回帰式を求める。本実施形態では、前述した3通りの分析処理のうち、第1番目の分析処理(詳細は、前述した通りであるため、ここでは説明を省略する。)を採用し、外部要因データベース31(図3参照)にn種類の外部要因データが記憶されているとすれば、Σ(但し、k=2からk=nまでの和)通りの回帰式、あるいはΣ(但し、k=2から例えばk=5等までの和のように、2種類の外部要因での分析から、n種類よりも小さい種類数の外部要因での分析までを行う。)通りの回帰式を求める(ステップS3)。そして、分析処理手段22により、これらの回帰式のうちで、決定係数R若しくは自由度修正済決定係数R(本実施形態では、自由度修正済決定係数Rとする。)が最大の回帰式を各銘柄毎に選択し、選択した回帰式を構成する回帰係数およびそのt値、並びに決定係数R若しくは自由度修正済決定係数R(本実施形態では、自由度修正済決定係数Rとする。)を、銘柄識別情報(銘柄コード)と関連付けて回帰式データベース32(図4参照)に記憶させる(ステップS3)。
【0158】
例えば、銘柄Aについて、銘柄Aの株価を目的変数Yとし、為替(外部要因識別情報=G1)を説明変数X1とし、NYダウ(外部要因識別情報=G2)を説明変数X2とし、WTI原油先物(外部要因識別情報=G3)を説明変数X3とし、バルティック海運指数(外部要因識別情報=G4)を説明変数X4とする4種類の外部要因を用いた回帰分析で得られた回帰式の自由度修正済決定係数Rが0.76で最大であったとする。そして、この回帰式が、Y=a0+a1・X1+a2・X2+a3・X3+a4・X4であり、回帰係数a0,a1,a2,a3,a4が得られるとともに、このときの回帰係数a1のt値が8.3であり、a2のt値が4.9であり、a3のt値が−0.9であり、a4のt値が0.1であったとすると、図4の例に示すように、これらの各値が、回帰分析の結果として回帰式データベース32に記憶される。なお、図4の例では、銘柄Cについては、銘柄Cの株価を目的変数Yとし、為替(外部要因識別情報=G1)を説明変数X1とし、NYダウ(外部要因識別情報=G2)を説明変数X2とし、WTI原油先物(外部要因識別情報=G3)を説明変数X3とする3種類の外部要因を用いた回帰分析で得られた回帰式の自由度修正済決定係数Rが0.73で最大であったので、バルティック海運指数(外部要因識別情報=G4)に関する回帰係数およびそのt値が格納されていない状態となっている。
【0159】
それから、分析処理手段22により、回帰式データベース32(図4参照)に記憶させた回帰式を構成する回帰係数のうち、t値が予め定められた閾値(例えば2)を超えるか、または閾値以上となっている回帰係数に対応する外部要因についての外部要因識別情報を、決定係数R若しくは自由度修正済決定係数R(本実施形態では、自由度修正済決定係数Rとする。)とともに、t値が大きい順に、銘柄識別情報(銘柄コード)と関連付けて相関性データベース33(図5参照)に記憶させる(ステップS4)。つまり、t値で相関性を判断し、相関性が高いと判断することができる外部要因を相関性データベース33に記憶させる。この際、相関性データベース33の投資家識別情報のカラムには、全ての投資家に共通に適用されるデータであることを示す情報「T0」を格納する。
【0160】
図3の例では、銘柄Aについて、説明変数X1である為替(外部要因識別情報=G1)の回帰係数a1のt値が8.3であり、1番目に大きく、説明変数X2であるNYダウ(外部要因識別情報=G2)の回帰係数a2のt値が4.9であり、2番目に大きく、説明変数X3であるWTI原油先物(外部要因識別情報=G3)の回帰係数a3のt値が−0.9であり、閾値(例えば2)よりも小さく、説明変数X4であるバルティック海運指数(外部要因識別情報=G4)の回帰係数a4のt値が0.1であり、閾値(例えば2)よりも小さいので、図3に示すように、1番目にt値が大きい為替についての外部要因識別情報G1、2番目にt値が大きいNYダウについての外部要因識別情報G2が、この順に、相関性データベース33に格納された状態となっている。
【0161】
その後、投資家が、注文画面400(図12参照)や報知条件入力画面600(図14参照)に発注条件項目や報知条件項目として表示される外部要因について追加または削除を行いたい場合、すなわちシステムで提供される外部要因(各銘柄毎に、全投資家に共通する条件項目として、相関性データベース33に記憶されている外部要因)に対する変更の設定を行いたい場合には、注文方法選択画面100(図10参照)の表示要求信号を、ネットワーク1を介して注文システム10へ送信する。注文システム10では、注文方法選択画面100(図10参照)の表示要求信号を受信すると、注文方法選択画面100の表示用データを、ネットワーク1を介して、表示要求を行った投資家の操作する投資家端末装置40へ送信する。すると、投資家端末装置40の画面上には、図10に示すような注文方法選択画面100が表示される。
【0162】
図10において、注文方法選択画面100には、条件付き注文を行う場合の「注文画面の表示」ボタン101と、報知後の注文を行う場合の「報知条件入力画面の表示」ボタン102と、上述した条件項目の設定を行う場合の「条件項目設定画面の表示」ボタン103とが設けられている。
【0163】
図10の注文方法選択画面100において、投資家が、「条件項目設定画面の表示」ボタン103の押下操作を行うと、条件項目設定画面表示要求信号がネットワーク1を介して注文システム10へ送信される。注文システム10では、条件項目設定受付処理手段23により、投資家端末装置40からの条件項目設定画面表示要求信号を受信すると、条件項目設定画面200(図11参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して投資家端末装置40へ送信する。すると、投資家端末装置40の画面上には、図11に示すような条件項目設定画面200が表示される(ステップS5)。
【0164】
図11において、条件項目設定画面200には、条件項目(注文画面400(図12参照)への表示用の発注条件項目および報知条件入力画面600(図14参照)への表示用の報知条件項目)としての外部要因の最大表示件数を入力する最大表示件数入力部210と、この最大表示件数入力部210に入力した最大表示件数を注文システム10へ送信するための「送信」ボタン211と、設定対象銘柄を入力する設定対象銘柄入力部220と、設定対象銘柄についての全投資家に共通の条件項目等を表示するための「条件項目表示」ボタン221とが設けられている。
【0165】
図11の条件項目設定画面200において、投資家が、最大表示件数入力部210に最大表示件数を入力し、「送信」ボタン211を押下操作すると、最大表示件数が、ネットワーク1を介して注文システム10へ送信される。注文システム10では、条件項目設定受付処理手段23により、最大表示件数を受信し、受信した最大表示件数を、入力を行った投資家についての投資家識別情報と関連付けて条件項目設定データベース34(図6参照)に記憶させる(ステップS5)。なお、最大表示件数は、全ての銘柄について共通に適用される。
【0166】
また、図11の条件項目設定画面200において、投資家が、設定対象銘柄入力部220に設定対象銘柄を入力し、「条件項目表示」ボタン221を押下操作すると、設定対象銘柄についての銘柄識別情報(銘柄コード)が、ネットワーク1を介して注文システム10へ送信される。注文システム10では、条件項目設定受付処理手段23により、設定対象銘柄についての銘柄識別情報を受信すると、受信した銘柄識別情報に対応する外部要因識別情報を相関性データベース33(図5参照)から取得し(但し、投資家識別情報のカラムに「T0(共通)」が格納されているレコードの外部要因識別情報を取得する。)、取得した外部要因識別情報の外部要因を注文画面400(図12参照)への表示用の発注条件項目の候補および報知条件入力画面600(図14参照)への表示用の報知条件項目の候補として表示する部分を含む条件項目設定画面200(図11参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して投資家端末装置40へ送信する(ステップS5)。
【0167】
すると、図11の条件項目設定画面200には、設定対象銘柄について全投資家に共通の条件項目として相関性データベース33(図5参照)に記憶されている外部要因について、その外部要因を表示対象の条件項目として採用することを選択する採用選択部222と、その外部要因を表示対象の条件項目から削除することを選択する削除選択部223とが表示されるとともに、外部要因データベース31(図3参照)に記憶された外部要因のうち、設定対象銘柄について全投資家に共通の条件項目として相関性データベース33(図5参照)に記憶されている外部要因以外の外部要因について、その外部要因を表示対象の条件項目として追加することを選択する追加選択部224が表示され、さらに、条件項目設定画面200に表示された全ての外部要因について、その外部要因の表示の順番(上からの順番)を入力指定する表示順入力部225が表示される。また、条件項目設定画面200には、設定対象銘柄について投資家により入力された表示対象の条件項目およびそれらの表示順を設定するための「設定」ボタン230と、他の銘柄についても設定対象銘柄とする場合の「他の銘柄の設定も行う」ボタン240とが表示される。
【0168】
例えば、図11の条件項目設定画面200において、投資家である大和太郎(投資家識別情報=T1)が、設定対象銘柄入力部220に設定対象銘柄として銘柄Aを入力し、「条件項目表示」ボタン221を押下操作すると、条件項目設定画面200には、相関性データベース33(図5参照)に記憶されている外部要因(但し、投資家識別情報のカラムに「T0(共通)」が格納されているレコードの外部要因)である為替およびNYダウが、この順に表示され、さらに、為替およびNYダウ以外の外部要因であるWTI原油先物やバルティック海運指数等も、その下側に表示される。
【0169】
そして、図11の条件項目設定画面200において、投資家が、採用選択部222、削除選択部223、追加選択部224、および表示順入力部225への入力を行い、「設定」ボタン230を押下操作すると、これらの条件項目設定用のデータが、ネットワーク1を介して注文システム10へ送信される。注文システム10では、条件項目設定受付処理手段23により、投資家端末装置40からの条件項目設定用のデータを受信すると、設定対象銘柄についての銘柄識別情報(銘柄コード)を、条件項目設定を行った投資家についての投資家識別情報と関連付けて条件項目設定データベース34(図6参照)に記憶させるとともに、表示対象の条件項目として投資家により追加または削除された状態の外部要因についての外部要因識別情報を、入力指定された表示順に従って、条件項目設定を行った投資家についての投資家識別情報および設定対象銘柄についての銘柄識別情報(銘柄コード)と関連付けて相関性データベース33(図5参照)に記憶させる(ステップS5)。
【0170】
例えば、図11の条件項目設定画面200において、投資家である大和太郎(投資家識別情報=T1)が、設定対象銘柄入力部220に設定対象銘柄として銘柄Aを入力し、「条件項目表示」ボタン221を押下操作した場合に、図11の例に示すように、為替およびNYダウは、そのまま表示対象の条件項目として採用するとともに、WTI原油先物を、表示対象の条件項目として追加し、さらに、為替、WTI原油先物、NYダウの表示順にする入力を行ったとすると、図6の例に示すように、設定対象銘柄についての銘柄識別情報である銘柄Aが、条件項目設定を行った投資家である大和太郎についての投資家識別情報=T1と関連付けて条件項目設定データベース34(図6参照)に記憶される。また、図5の例に示すように、為替、WTI原油先物、NYダウについての外部要因識別情報G1,G3,G2が、この入力指定された表示順と同じ順番で、条件項目設定を行った投資家である大和太郎についての投資家識別情報T1および設定対象銘柄についての銘柄識別情報である銘柄Aと関連付けて相関性データベース33に記憶される。
【0171】
続いて、投資家が、条件付き注文を行いたい場合には、注文方法選択画面100(図10参照)の表示要求信号を、ネットワーク1を介して注文システム10へ送信する。注文システム10では、注文方法選択画面100(図10参照)の表示要求信号を受信すると、注文方法選択画面100の表示用データを、ネットワーク1を介して、表示要求を行った投資家の操作する投資家端末装置40へ送信する。すると、投資家端末装置40の画面上には、図10に示すような注文方法選択画面100が表示される。
【0172】
図10の注文方法選択画面100において、投資家が、「注文画面の表示」ボタン101の押下操作を行うと、ネットワーク1を介して注文画面表示要求信号が注文システム10へ送信される。注文システム10では、条件付き注文受付処理手段24により、投資家端末装置40からの注文画面表示要求信号を受信すると、注文画面300(図12参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して投資家端末装置40へ送信する。すると、投資家端末装置40の画面上には、図12に示すような注文画面300が表示される(ステップS6)。
【0173】
図12において、注文画面300には、注文銘柄を入力する注文銘柄入力部301と、注文数量(注文株数)を入力する注文数量入力部302と、売買区分を入力する売買区分入力部303と、発注条件等の次の事項の入力作業に移るための「次へ」ボタン310とが設けられている。
【0174】
図12の注文画面300において、投資家が、注文銘柄入力部301、注文数量入力部302、および売買区分入力部303にデータを入力し、「次へ」ボタン310を押下操作すると、注文銘柄についての銘柄識別情報(銘柄コード)、注文数量(本実施形態では、注文株数)、および売買区分が、注文データの一部としてネットワーク1を介して注文システム10へ送信される。注文システム10では、条件付き注文受付処理手段24により、銘柄識別情報、注文数量、および売買区分を受信すると、受信した銘柄識別情報(銘柄コード)に対応する外部要因識別情報を相関性データベース33(図5参照)から取得する(ステップS6)。
【0175】
この外部要因識別情報の取得処理の際には、条件付き注文受付処理手段24により、注文を行った投資家についての投資家識別情報(この段階では、投資家により既に入力されている。)をキーとして、注文銘柄についての銘柄識別情報が、注文を行った投資家による設定対象銘柄についての銘柄識別情報として条件項目データベース34(図6参照)に記憶されているか否かを判断する。そして、記憶されていない場合には、全投資家に共通であることを示す「T0」が投資家識別情報のカラムに記憶され、かつ、注文銘柄についての銘柄識別情報に関連付けられて相関性データベース33(図5参照)に記憶された外部要因識別情報を取得する。一方、記憶されている場合には、注文を行った投資家についての投資家識別情報および注文銘柄についての銘柄識別情報をキーとして、相関性データベース33(図5参照)から、表示対象の条件項目として投資家により追加または削除された状態の外部要因についての外部要因識別情報を取得する(ステップS6)。
【0176】
例えば、図12に示すように、大和太郎(投資家識別情報=T1)が銘柄Aについて注文を行ったとすると、図6に示すように、条件項目データベース34には、注文を行った大和太郎についての投資家識別情報T1に関連付けて注文銘柄である銘柄Aについての銘柄識別情報が設定対象銘柄についての銘柄識別情報として記憶されているので、図5に示すように、注文を行った投資家である大和太郎についての投資家識別情報T1および注文銘柄である銘柄Aについての銘柄識別情報をキーとして、相関性データベース33から、表示対象の条件項目として投資家である大和太郎により追加または削除された状態の外部要因である為替、WTI原油先物、NYダウについての外部要因識別情報G1,G3,G2を取得する。
【0177】
また、図12の例とは異なり、大和太郎(投資家識別情報=T1)が銘柄Bについて注文を行ったとすると、図6に示すように、条件項目データベース34には、注文を行った大和太郎についての投資家識別情報T1に関連付けて注文銘柄である銘柄Bについての銘柄識別情報が設定対象銘柄についての銘柄識別情報として記憶されていないので、図5に示すように、全投資家に共通であることを示す投資家識別情報T0および注文銘柄である銘柄Bについての銘柄識別情報をキーとして、相関性データベース33から、WTI原油先物、NYダウについての外部要因識別情報G3,G2を取得する。
【0178】
それから、条件付き注文受付処理手段24により、相関性データベース33から取得した外部要因識別情報の外部要因を発注条件項目とする注文画面400(図12参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して投資家端末装置40へ送信する。すると、投資家端末装置40の画面上には、図12に示すような注文画面400が表示される(ステップS6)。
【0179】
図12において、注文画面400には、既に注文システム10へ送信済みの注文銘柄を表示する注文銘柄表示部401と、送信済みの注文数量(注文株数)を表示する注文数量表示部402と、送信済みの売買区分を表示する売買区分表示部403と、成行で市場へ発注することを選択する成行選択部410と、指値で市場へ発注することを選択する指値選択部411と、市場へ送信する指値を入力する指値入力部412とが設けられている。なお、この指値入力部412に入力する指値データは、証券取引所システム50に送信される指値データであるから、いわゆる逆指値の注文を行う場合の逆指値データは、ここには入力しない。
【0180】
また、注文画面400には、注文銘柄についての発注条件を入力する際の参考情報を表示するための「参考情報の表示」ボタン420と、発注条件を構成する注文銘柄の株価(価格)に係る条件の入力部430〜432と、発注条件を構成する条件項目としての各外部要因に係る条件を入力する入力部440〜446,450〜456,460〜466とが設けられている。
【0181】
図12の例では、大和太郎(投資家識別情報=T1)が銘柄Aについて注文を行った場合であるから、株価(価格)に係る条件の入力部には、発注条件を構成する条件として銘柄Aの株価(価格)に係る条件1を選択する条件1選択部430と、銘柄Aの株価(価格)に係る条件として銘柄Aの株価(価格)を入力する株価入力部(価格入力部)431と、以上・以下を選択する以上・以下選択部432とが設けられている。なお、株価(価格)に係る条件を、前日比等で入力できるようにしてもよい。例えば、前日の終値や当日の始値等に対し、何%以上上昇・下落、何円以上上昇・下落等のような入力を行うことができるようにしてもよい。
【0182】
また、外部要因に係る条件を入力する入力部には、発注条件を構成する条件として為替に係る条件2を選択する条件2選択部440と、為替に係る条件として為替の値を入力する為替値入力部441と、以上・以下を選択する以上・以下選択部442と、為替に係る条件を前日比のパーセンテージで入力する前日比パーセンテージ入力部443と、上昇・下落を選択する上昇・下落選択部444と、為替に係る条件を前日の値との相対値で入力する前日比相対値入力部445と、上昇・下落を選択する上昇・下落選択部446とが設けられている。
【0183】
さらに、外部要因に係る条件を入力する入力部には、発注条件を構成する条件として為替に係る条件3を選択する条件3選択部450と、WTI原油先物に係る条件としてWTI原油先物の値を入力するWTI原油先物値入力部451と、以上・以下を選択する以上・以下選択部452と、WTI原油先物に係る条件を前日比のパーセンテージで入力する前日比パーセンテージ入力部453と、上昇・下落を選択する上昇・下落選択部454と、WTI原油先物に係る条件を前日の値との相対値で入力する前日比相対値入力部455と、上昇・下落を選択する上昇・下落選択部456とが設けられている。
【0184】
また、外部要因に係る条件を入力する入力部には、発注条件を構成する条件としてNYダウに係る条件4を選択する条件4選択部460と、NYダウに係る条件としてNYダウの値を入力するNYダウ値入力部461と、以上・以下を選択する以上・以下選択部462と、NYダウに係る条件を前日比のパーセンテージで入力する前日比パーセンテージ入力部463と、上昇・下落を選択する上昇・下落選択部464と、NYダウに係る条件を前日の値との相対値で入力する前日比相対値入力部465と、上昇・下落を選択する上昇・下落選択部466とが設けられている。
【0185】
そして、図12の例では、発注条件を構成する条件項目としての各外部要因に係る条件を入力する入力部440〜446,450〜456,460〜466は、為替、WTI原油先物、NYダウの順で表示されているが、この表示順は、相関性データベース33(図5参照)への為替、WTI原油先物、NYダウについての外部要因識別情報G1,G3,G2の格納順と同じである。なお、相関性データベース33(図5参照)への外部要因の格納順は、t値の絶対値の大きい回帰係数に対応する外部要因の順、すなわち相関性の高い外部要因の順であるか、あるいは投資家により入力指定された順である。
【0186】
さらに、注文画面400には、選択した全ての条件(図12の例では、条件1〜条件4のうちから選択した条件1,4)を「AND」で結んで構成される発注条件とすることを選択するAND選択部470と、選択した全ての条件を「OR」で結んで構成される発注条件とすることを選択するOR選択部471と、投資家が条件式を入力する条件式入力部472と、入力データを注文システム10へ送信するための「注文」ボタン480とが設けられている。なお、条件式入力部472への条件式の入力は、予め定められたルールに従って行われるが、このルールは、例えば、条件式の入力マニュアルのように別途に用意しておいてもよい。
【0187】
そして、図12の注文画面400において、投資家が、成行・指値の別および指値、並びに発注条件(株価に係る条件、外部要因に係る条件、および条件式)を入力し、「注文」ボタン480を押下操作すると、それらの入力データが、ネットワーク1を介して注文システム10へ送信される。注文システム10では、条件付き注文受付処理手段24により、投資家端末装置40からの成行・指値の別および指値、並びに発注条件(株価に係る条件、外部要因に係る条件、および条件式)を、注文データの残りの一部として受信し、受信した注文データ(注文銘柄についての銘柄識別情報、注文数量、売買区分、成行・指値の別および指値、発注条件)に対し、注文識別情報(注文番号)を自動付与し、受信した注文データを、自動付与した注文識別情報(注文番号)、および注文を行った投資家についての投資家識別情報と関連付けて注文データベース35(図7参照)に記憶させる(ステップS6)。
【0188】
図12の例では、大和太郎(投資家識別情報=T1)により、銘柄Aの株価が600円(いわゆる逆指値)以上になり、かつ、NYダウが前日比3.0%以上上昇したら、銘柄Aを610円(指値)以下で2000株買いという入力が行われているので、図7の例の注文識別情報=D0001のように注文データが格納される。なお、図12の例では、条件1選択部430および条件4選択部460が選択された状態で、AND選択部470が選択されているので、図7に示すように、条件式=(条件1)AND(条件4)が自動的に格納されるが、投資家が条件式入力部472に手作業で(条件1)AND(条件4)を入力しても同じことである。
【0189】
また、図12の注文画面400において、投資家が、「参考情報の表示」ボタン420を押下操作すると、参考情報表示要求信号がネットワーク1を介して注文システム10へ送信される。注文システム10では、条件付き注文受付処理手段24により、投資家端末装置40からの参考情報表示要求信号を受信すると、注文銘柄についての銘柄識別情報に対応する回帰係数を回帰式データベース32(図4参照)から取得し、取得した回帰係数、および外部要因データベース31(図3参照)に記憶された外部要因データを用いて、目的変数としての注文銘柄の価格データ(本実施形態では、株価データ)が一定割合若しくは一定金額または投資家により入力指定された割合若しくは金額だけ変化したときの説明変数としての外部要因データの変化の割合または金額を算出し、算出した外部要因データの変化の割合または金額を含む参考情報の画面500(図13参照)の表示用データを作成し、作成した参考情報の画面500(図13参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して投資家端末装置40へ送信する。すると、投資家端末装置40の画面上には、図13に示すような参考情報の画面500が表示される。
【0190】
図13において、参考情報の画面500には、注文銘柄の現在の株価(価格)を示す株価表示部(価格表示部)501と、現在の為替の値を示す為替値表示部(第1番目の外部要因現在値表示部)502と、現在のWTI原油先物の値を示すWTI原油先物値表示部(第2番目の外部要因現在値表示部)503と、現在のNYダウの値を示すNYダウ値表示部(第3番目の外部要因現在値表示部)504とが設けられている。
【0191】
この際、株価表示部(価格表示部)501への表示は、株価データベース30(図2参照)に記憶された注文銘柄の株価データの現在値を用いて行う。また、為替値表示部502、WTI原油先物値表示部503、およびNYダウ値表示部504への表示は、外部要因データベース31(図3参照)に記憶された各外部要因データの現在値を用いて行う。
【0192】
また、参考情報の画面500には、目的変数である注文銘柄の株価の変化のパーセンテージを入力する株価変化パーセンテージ入力部510と、目的変数である注文銘柄の株価の変化量を入力する株価変化量入力部511と、説明変数である為替(第1番目の外部要因)の変化のパーセンテージを表示する為替変化パーセンテージ表示部512と、説明変数である為替(第1番目の外部要因)の変化量を表示する為替変化量表示部513と、説明変数であるWTI原油先物(第2番目の外部要因)の変化のパーセンテージを表示するWTI原油先物変化パーセンテージ表示部514と、説明変数であるWTI原油先物(第2番目の外部要因)の変化量を表示するWTI原油先物変化量表示部515と、説明変数であるNYダウ(第3番目の外部要因)の変化のパーセンテージを表示するNYダウ変化パーセンテージ表示部516と、説明変数であるNYダウ(第3番目の外部要因)の変化量を表示するNYダウ変化量表示部517と、計算を実行するための「計算実行」ボタン520とが設けられている。
【0193】
図13の参考情報の画面500において、投資家が、株価変化パーセンテージ入力部510に、目的変数である注文銘柄の株価の変化のパーセンテージεを入力するか、あるいは株価変化量入力部511に、目的変数である注文銘柄の株価の変化量ΔYを入力し、「計算実行」ボタン520を押下操作すると、計算要求信号が、ネットワーク1を介して注文システム10へ送信される。注文システム10では、条件付き注文受付処理手段24により、投資家端末装置40からの計算要求信号を受信すると、注文銘柄についての銘柄識別情報に対応する各回帰係数を回帰式データベース32(図4参照)から取得するとともに、取得した各回帰係数に対応する説明変数Xである外部要因データの実績値(現在値が好ましいが、過去値でもよい。)を外部要因データベース31(図3参照)から取得し、取得した各回帰係数および説明変数Xである各外部要因データの実績値を用いて、回帰式に従って、目的変数である注文銘柄の株価の推定値Y’を算出する。
【0194】
例えば、注文銘柄が銘柄Aであれば、回帰式データベース32(図4参照)から、各回帰係数a0,a1,a2,a3,a4を取得するとともに、外部要因データベース31(図3参照)から、説明変数X1である為替データの実績値(現在値が好ましい。)、説明変数X2であるNYダウデータの実績値(現在値が好ましい。)、説明変数X3であるWTI原油先物データの実績値(現在値が好ましい。)、および説明変数X4であるバルティック海運指数データの実績値(現在値が好ましい。)を取得し、これらを、Y’=a0+a1・X1+a2・X2+a3・X3+a4・X4に代入し、注文銘柄である銘柄Aの株価の推定値Y’を算出する。
【0195】
続いて、算出した推定値Y’に対し、投資家により入力指定された変化量ΔYを加算若しくは減算し、あるいは投資家により入力指定された変化率ε(例えば、3%増加なら、ε=1.03とする。)を乗算することにより、推定値Y’の変化後の値Y’afterを算出し、この変化後の値Y’afterおよび参照対象となる説明変数Xtarget以外の説明変数Xnon-targetである外部要因データの実績値(推定値Y’を算出したときと同じデータ)を回帰式(各回帰係数は、推定値Y’を算出したときと同じである。)に代入することにより、参照対象となる説明変数Xtargetの変化後の値Xtarget,afterを算出する。
【0196】
例えば、注文銘柄が銘柄Aであれば、算出した推定値Y’に対し、変化量ΔYを加算若しくは減算し、あるいは変化率εを乗算することにより、すなわち、Y’after=Y’±ΔY、あるいはY’after=ε・Y’により、推定値Y’の変化後の値Y’afterを算出する。そして、参照対象となる説明変数Xtargetを、例えば説明変数X2(NYダウデータ)とすれば、各回帰係数a0,a1,a2,a3,a4は変えずに、かつ、参照対象となる説明変数Xtarget以外の説明変数Xnon-targetである説明変数X1(為替データ)、説明変数X3(WTI原油先物データ)、説明変数X4(バルティック海運指数データ)も変えずに、Y’after=a0+a1・X1+a2・X2after+a3・X3+a4・X4に代入することにより、参照対象となる説明変数Xtargetである説明変数X2の変化後の値X2afterを算出する。また、説明変数X1(為替データ)の変化後の値X1after、および説明変数X3(WTI原油先物データ)の変化後の値X3afterも同様に算出する。なお、図12および図13の例では、バルティック海運指数データは、表示対象の条件項目とされていないので、説明変数X4の変化後の値X4afterは算出しなくてもよい。
【0197】
そして、参照対象となる説明変数Xtargetの変化量として、Xtarget,after−Xtargetを算出して表示し、あるいは参照対象となる説明変数Xtargetの変化率として、(Xtarget,after−Xtarget)/Xtargetを算出して表示する。なお、参照対象となる説明変数Xtargetの変化量や変化率の表示は、プラスマイナスの符号を含めて行われ、また、目的変数Yである注文銘柄の株価の変化量や変化率の入力も、プラスマイナスの符号を含めて行うことができるので、株価データ(価格データ)が幾ら増加(または減少)したら、外部要因データが幾ら減少(または増加)するといった変化の方向も把握することができるようになっている。
【0198】
例えば、注文銘柄が銘柄Aであれば、為替変化パーセンテージ表示部512に(X1after−X1)/X1を表示し、為替変化量表示部513に(X1after−X1)を表示し、WTI原油先物変化パーセンテージ表示部514に(X3after−X3)/X3を表示し、WTI原油先物変化量表示部515に(X3after−X3)を表示し、NYダウ変化パーセンテージ表示部516に(X2after−X2)/X2を表示し、NYダウ変化量表示部517に(X2after−X2)を表示する。
【0199】
その後、発注条件成否判断処理手段25により、外部要因データベース31(図3参照)に記憶された外部要因データの現在値(逐次更新される最新の値)および株価データベース30(図2参照)に記憶された注文銘柄の株価データの現在値(逐次更新される最新の値)を用いて、注文データベース35(図7参照)に記憶された注文データに含まれる発注条件(株価に係る条件、外部要因に係る条件、および条件式からなる発注条件)が成立したか否かを判断する処理を繰り返し実行する(ステップS7)。なお、発注条件に、前日比等の条件が含まれる場合には、発注条件成否判断処理手段25により、外部要因データベース31(図3参照)に記憶された外部要因データの過去値や、株価データベース30(図2参照)に記憶された注文銘柄の株価データの過去値も用いて、発注条件の成否の判断処理を行う。
【0200】
それから、ステップS7で、発注条件成否判断処理手段25により発注条件が成立したと判断した場合に、発注処理手段29により、注文データベース35(図7参照)に記憶された注文データを用いて発注データ(注文識別情報、投資家識別情報、銘柄識別情報、注文数量、売買区分、指値を含む。)を作成し、作成した発注データを、通信回線2を介して金融商品の取引市場システムである証券取引所システム50へ送信し(ステップS8)、条件付き注文の場合の一連の処理を終了する(ステップS9)。
【0201】
(報知後の注文の処理の流れ)
【0202】
図9において、ステップS21〜25の処理は、前述した図8の条件付き注文の場合のステップS1〜5の処理と同様であるため、ここでは詳しい説明は省略する。
【0203】
続いて、投資家が、報知後の注文を行いたい場合には、注文方法選択画面100(図10参照)の表示要求信号を、ネットワーク1を介して注文システム10へ送信する。注文システム10では、注文方法選択画面100(図10参照)の表示要求信号を受信すると、注文方法選択画面100の表示用データを、ネットワーク1を介して、表示要求を行った投資家の操作する投資家端末装置40へ送信する。すると、投資家端末装置40の画面上には、図10に示すような注文方法選択画面100が表示される。
【0204】
図10の注文方法選択画面100において、投資家が、「報知条件入力画面の表示」ボタン102の押下操作を行うと、ネットワーク1を介して報知条件入力画面表示要求信号が注文システム10へ送信される。注文システム10では、報知条件受付処理手段26により、投資家端末装置40からの報知条件入力画面表示要求信号を受信すると、報知条件入力画面600(図14参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して投資家端末装置40へ送信する。すると、投資家端末装置40の画面上には、図14に示すような報知条件入力画面600が表示される(ステップS26)。
【0205】
図14において、報知条件入力画面600には、報知対象銘柄を入力する報知対象銘柄入力部601と、報知対象銘柄についての報知条件項目を表示するための「報知条件項目の表示」ボタン602とが設けられている。
【0206】
図14の報知条件入力画面600において、投資家が、報知対象銘柄入力部601に報知対象銘柄を入力し、「報知条件項目の表示」ボタン602を押下操作すると、報知対象銘柄についての銘柄識別情報(銘柄コード)が、報知条件データの一部としてネットワーク1を介して注文システム10へ送信される。注文システム10では、報知条件受付処理手段26により、報知対象銘柄についての銘柄識別情報を受信すると、受信した銘柄識別情報(銘柄コード)に対応する外部要因識別情報を相関性データベース33(図5参照)から取得する(ステップ2S6)。
【0207】
この外部要因識別情報の取得処理の際には、報知条件受付処理手段26により、報知対象銘柄の入力を行った投資家についての投資家識別情報(この段階では、投資家により既に入力されている。)をキーとして、報知対象銘柄についての銘柄識別情報が、報知対象銘柄の入力を行った投資家による設定対象銘柄についての銘柄識別情報として条件項目データベース34(図6参照)に記憶されているか否かを判断する。そして、記憶されていない場合には、全投資家に共通であることを示す「T0」が投資家識別情報のカラムに記憶され、かつ、報知対象銘柄についての銘柄識別情報に関連付けられて相関性データベース33(図5参照)に記憶された外部要因識別情報を取得する。一方、記憶されている場合には、報知対象銘柄の入力を行った投資家についての投資家識別情報および報知対象銘柄についての銘柄識別情報をキーとして、相関性データベース33(図5参照)から、表示対象の条件項目として投資家により追加または削除された状態の外部要因についての外部要因識別情報を取得する(ステップS26)。
【0208】
例えば、図14に示すように、大和太郎(投資家識別情報=T1)が銘柄Bについて報知対象銘柄の入力を行ったとすると、図6に示すように、条件項目データベース34には、報知対象銘柄の入力を行った大和太郎についての投資家識別情報T1に関連付けて報知対象銘柄である銘柄Bについての銘柄識別情報が設定対象銘柄についての銘柄識別情報として記憶されていないので、図5に示すように、全投資家に共通であることを示す投資家識別情報T0および報知対象銘柄である銘柄Bについての銘柄識別情報をキーとして、相関性データベース33から、WTI原油先物、NYダウについての外部要因識別情報G3,G2を取得する。
【0209】
それから、報知条件受付処理手段26により、相関性データベース33から取得した外部要因識別情報の外部要因を報知条件項目とする<報知条件>の入力部分を含む報知条件入力画面600(図14参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して投資家端末装置40へ送信する。すると、投資家端末装置40の画面上には、図14に示すような<報知条件>の入力部分を含む報知条件入力画面600が表示される(ステップS26)。
【0210】
図14において、報知条件入力画面600には、報知対象銘柄入力部601および「報知条件項目の表示」ボタン602に加え、報知対象銘柄についての報知条件を入力する際の参考情報を表示するための「参考情報の表示」ボタン610と、報知条件を構成する報知対象銘柄の株価(価格)に係る条件の入力部620〜622と、報知条件を構成する条件項目としての各外部要因に係る条件を入力する入力部630〜636,640〜646とが設けられている。
【0211】
図14の例では、大和太郎(投資家識別情報=T1)が銘柄Bの入力を行った場合であるから、株価(価格)に係る条件の入力部には、報知条件を構成する条件として銘柄Bの株価(価格)に係る条件1を選択する条件1選択部620と、銘柄Bの株価(価格)に係る条件として銘柄Bの株価(価格)を入力する株価入力部(価格入力部)621と、以上・以下を選択する以上・以下選択部622とが設けられている。なお、株価(価格)に係る条件を、前日比等で入力できるようにしてもよい。例えば、前日の終値や当日の始値等に対し、何%以上上昇・下落、何円以上上昇・下落等のような入力を行うことができるようにしてもよい。
【0212】
また、外部要因に係る条件を入力する入力部には、報知条件を構成する条件としてWTI原油先物に係る条件2を選択する条件2選択部630と、WTI原油先物に係る条件としてWTI原油先物の値を入力するWTI原油先物値入力部631と、以上・以下を選択する以上・以下選択部632と、WTI原油先物に係る条件を前日比のパーセンテージで入力する前日比パーセンテージ入力部633と、上昇・下落を選択する上昇・下落選択部634と、WTI原油先物に係る条件を前日の値との相対値で入力する前日比相対値入力部635と、上昇・下落を選択する上昇・下落選択部636とが設けられている。
【0213】
さらに、外部要因に係る条件を入力する入力部には、報知条件を構成する条件としてNYダウに係る条件3を選択する条件3選択部640と、NYダウに係る条件としてNYダウの値を入力するNYダウ値入力部641と、以上・以下を選択する以上・以下選択部642と、NYダウに係る条件を前日比のパーセンテージで入力する前日比パーセンテージ入力部643と、上昇・下落を選択する上昇・下落選択部644と、NYダウに係る条件を前日の値との相対値で入力する前日比相対値入力部645と、上昇・下落を選択する上昇・下落選択部646とが設けられている。
【0214】
そして、図14の例では、報知条件を構成する条件項目としての各外部要因に係る条件を入力する入力部630〜636,640〜646は、WTI原油先物、NYダウの順で表示されているが、この表示順は、相関性データベース33(図5参照)へのWTI原油先物、NYダウについての外部要因識別情報G3,G2の格納順と同じである。なお、相関性データベース33(図5参照)への外部要因の格納順は、t値の絶対値の大きい回帰係数に対応する外部要因の順、すなわち相関性の高い外部要因の順であるか、あるいは投資家により入力指定された順である。
【0215】
さらに、報知条件入力画面600には、選択した全ての条件(図14の例では、条件1〜条件3のうちから選択した条件1,3)を「AND」で結んで構成される報知条件とすることを選択するAND選択部650と、選択した全ての条件を「OR」で結んで構成される報知条件とすることを選択するOR選択部651と、投資家が条件式を入力する条件式入力部652と、入力データを注文システム10へ送信するための「設定」ボタン660とが設けられている。なお、条件式入力部652への条件式の入力は、予め定められたルールに従って行われるが、このルールは、例えば、条件式の入力マニュアルのように別途に用意しておいてもよい。
【0216】
そして、図14の報知条件入力画面600において、投資家が、報知条件(株価に係る条件、外部要因に係る条件、および条件式)を入力し、「設定」ボタン660を押下操作すると、それらの入力データが、ネットワーク1を介して注文システム10へ送信される。注文システム10では、報知条件受付処理手段26により、投資家端末装置40からの報知条件(株価に係る条件、外部要因に係る条件、および条件式)を、報知条件データの残りの一部として受信し、受信した報知条件データ(報知対象銘柄についての銘柄識別情報、および報知条件)を、報知条件の入力を行った投資家についての投資家識別情報と関連付けて報知条件データベース36(図14参照)に記憶させる(ステップS26)。
【0217】
図14の例では、大和太郎(投資家識別情報=T1)により、銘柄Bの株価が300円以下になり、かつ、NYダウが前日比2.0%以上下落したら、報知条件が成立するという入力が行われているので、図14に示された報知条件データベース36の例のように報知条件データが格納される。なお、図14の例では、条件1選択部620および条件3選択部640が選択された状態で、AND選択部650が選択されているので、図14に示された報知条件データベース36の例のように、条件式=(条件1)AND(条件3)が自動的に格納されるが、投資家が条件式入力部652に手作業で(条件1)AND(条件3)を入力しても同じことである。また、この段階では、投資家は、報知条件を入力しただけであり、注文を行ったわけではないので、注文数量、売買区分、成行・指値の別および指値の入力は、未だ行われていない。報知条件の入力は、注文の機会を逃さないように、適切な注文のタイミングが到来したら、報知して欲しい場合に行う。
【0218】
また、図14の報知条件入力画面600において、投資家が、「参考情報の表示」ボタン610を押下操作すると、前述した図12の注文画面400の「参考情報の表示」ボタン420を押下操作した場合と同様に、投資家端末装置40の画面上に、図13の参考情報の画面500と同様な画面が表示される。この画面表示のための処理も、図13で説明した処理と同様にして行われる。
【0219】
その後、報知条件成否判断処理手段27により、外部要因データベース31(図3参照)に記憶された外部要因データの現在値(逐次更新される最新の値)および株価データベース30(図2参照)に記憶された報知対象銘柄の株価データの現在値(逐次更新される最新の値)を用いて、報知条件データベース36(図14参照)に記憶された報知条件データに含まれる報知条件(株価に係る条件、外部要因に係る条件、および条件式からなる報知条件)が成立したか否かを判断する処理を繰り返し実行する(ステップS27)。なお、報知条件に、前日比等の条件が含まれる場合には、報知条件成否判断処理手段27により、外部要因データベース31(図3参照)に記憶された外部要因データの過去値や、株価データベース30(図2参照)に記憶された報知対象銘柄の株価データの過去値も用いて、報知条件の成否の判断処理を行う。
【0220】
それから、ステップS27で、報知条件成否判断処理手段27により報知条件が成立したと判断した場合には、報知対象銘柄注文受付処理手段28により、報知条件が成立した報知対象銘柄を注文銘柄とする注文画面700(図14参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して投資家端末装置40へ送信する。すると、投資家端末装置40の画面上には、図14に示すような注文画面700が表示される(ステップS28)。なお、注文画面700は、完全に自動的に投資家端末装置40の画面上に表示されるようにしてもよく、あるいは例えば「報知対象銘柄である銘柄Bについての報知条件が成立しました。注文画面を表示しますか?(注文を行いますか?)」等の案内表示を経てから表示されるようにしてもよい。
【0221】
図14において、注文画面700には、報知対象銘柄である注文銘柄を表示する注文銘柄表示部701と、注文数量(本実施形態では、注文株数)を入力する注文数量入力部702と、売買区分を入力する売買区分入力部703と、成行で取引市場へ発注することを選択する成行選択部710と、指値で取引市場へ発注することを選択する指値選択部711と、取引市場へ送信する指値を入力する指値入力部712と、入力した注文データを注文システム10へ送信するための「注文」ボタン720とが設けられている。
【0222】
図14の注文画面700において、投資家が、注文データを入力し、「注文」ボタン720を押下操作すると、注文銘柄についての銘柄識別情報(銘柄コード)、注文数量(本実施形態では、注文株数)、売買区分、並びに、成行・指値の別および指値を含む注文データが、ネットワーク1を介して注文システム10へ送信される。注文システム10では、報知対象銘柄注文受付処理手段28により、投資家端末装置40からの注文データを受信し、受信した注文データに対し、注文識別情報(注文番号)を自動付与し、受信した注文データを、自動付与した注文識別情報および注文を行った投資家についての投資家識別情報と関連付けて注文データベース35(図7参照)に記憶させる(ステップS28)。
【0223】
例えば、図14の報知条件データベース36の例に示すように、大和太郎(投資家識別情報=T1)により、銘柄Bの株価が300円以下になり、かつ、NYダウが前日比2.0%以上下落したら、報知条件が成立するという入力が行われていて、この報知条件が成立した場合に、図14の注文画面700の例のように、報知条件が成立した銘柄Bを、成行で3000株買いという入力が行われたときには、図7の例の注文識別情報=D0002のように注文データが格納される。
【0224】
続いて、発注処理手段29により、報知対象銘柄注文受付処理手段28により受信して注文データベース35(図7参照)に記憶された注文データを用いて、発注データ(注文識別情報、投資家識別情報、銘柄識別情報、注文数量、売買区分、指値を含む。)を作成し、作成した発注データを、通信回線2を介して金融商品の取引市場システムである証券取引所システム50へ送信し(ステップS29)、報知後の注文の場合の一連の処理を終了する(ステップS30)。
【0225】
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。すなわち、注文システム10は、条件付き注文受付処理手段24を備えているので、注文画面400(図12参照)に、相関性データベース33(図5参照)から取得した外部要因識別情報の外部要因を発注条件項目として表示し、注文データとして、注文銘柄についての銘柄識別情報とともに、外部要因に係る条件を含んで構成された発注条件を受け付けることができる。このため、投資家が、注文画面400(図12参照)で、外部要因に係る条件を含んで構成された発注条件を入力しておけば、発注条件成否判断処理手段25による監視処理を行うことができ、発注条件が満たされる適切な時期に取引市場への発注を行うことができるので、外部要因を考慮した金融商品の売買注文を実現するにあたり、投資家の監視負担を軽減することができる。
【0226】
また、外部要因に係る条件を含んで構成された発注条件の成否判断は、発注条件成否判断処理手段25により、つまりシステムにより行われるので、投資機会の損失の発生も抑えることができる。
【0227】
さらに、注文画面400(図12参照)に、相関性データベース33(図5参照)から取得した外部要因識別情報の外部要因が発注条件項目として表示されるので、投資家は、注文画面400に発注条件項目として表示された外部要因を用い、あるいは表示された外部要因の中から必要な外部要因を選択し、その外部要因に係る条件(例えば、外部要因データの値が幾ら以上、幾ら以下、前日比で幾ら上昇、幾ら下落等のような条件)を入力すればよいため、発注条件を入力するにあたり、売買対象銘柄と相関性のある外部要因を考えたり、当該銘柄に関連する情報の記憶を辿ったり、知識を再確認する等の手間を省くことができ、投資家の利便性の向上を図ることができる。
【0228】
そして、注文画面400(図12参照)に、相関性データベース33(図5参照)から取得した外部要因識別情報の外部要因が発注条件項目として表示されることから、比較的知識の少ない一般投資家であっても、売買対象銘柄と相関性のある外部要因を把握し、その外部要因に係る条件を入力することができ、これによっても、投資家の利便性の向上を図ることができる。
【0229】
また、注文システム10は、分析処理手段22を備えているので、回帰分析の結果として得られた相関性のある外部要因を相関性データベース33(図5参照)に記憶させることができるため、客観的な分析結果として得られた相関性のある外部要因を登録しておくことができる。このため、金融商品の売買注文を行おうとする投資家に対し、注文画面400(図12参照)で客観性のある情報を提供し、より妥当な発注条件の入力が可能となるような入力補助を実現することができる。
【0230】
また、条件付き注文受付処理手段24は、注文画面400(図12参照)で発注条件項目として外部要因を表示する際には、t値の絶対値の大きい回帰係数に対応する外部要因から順番に表示する構成とされているので、投資家は、表示の順番を見て相関性の大小を把握することができ、より相関性の大きい外部要因に係る条件を重視した発注条件の入力を行うことができるうえ、相関性の大きい外部要因に係る条件を重視して発注条件を入力していけば、結果的に、採用する外部要因(条件を入力する外部要因)の位置が注文画面400上で大きく分散しないことが期待されるので、入力作業が容易になり、投資家にとってのシステムの使い勝手を向上させることができる。
【0231】
さらに、注文システム10は、条件項目設定受付処理手段23および条件項目設定データベース34(図6参照)を備えているので、条件付き注文受付処理手段24により注文画面400(図12参照)で発注条件項目として外部要因を表示する際には、条件項目設定データベース34に記憶された最大表示件数を超えない項目数の外部要因を表示するようにすることができる。このため、注文画面400の表示を簡潔にすることができ、投資家による発注条件の入力の際の判断や作業を容易なものにすることができ、利便性を向上させることができる。
【0232】
そして、条件付き注文受付処理手段24は、決定係数Rまたは自由度修正済決定係数Rの値が小さいときのことを考慮して注文画面400(図12参照)への発注条件項目としての外部要因の表示を行う構成とされているので、回帰式の当てはまりが良くないとき、すなわち分析結果として得られた各銘柄と外部要因との相関性についての信頼性が高くないときは、全種類の外部要因を注文画面400で発注条件項目として表示するという修正処理を行うことができる。このため、実際には注文銘柄との相関性が高い外部要因であるが、注文画面400に発注条件項目として表示されない外部要因が生じるという事態を未然に防止することができる。
【0233】
また、条件付き注文受付処理手段24は、ANDまたはORを用いて組み合わせて構成された複合的な発注条件を受け付ける構成とされているので、投資家の多様な投資思想や複雑な投資思想を反映させた発注条件の入力設定を実現することができ、投資家の利便性を、より一層向上させることができる。
【0234】
例えば、条件1=銘柄Aの株価が1500円以下、条件2=1ドルが95円以下、条件3=前日比でNYダウが200ドル以上下落、条件4=原油価格が1バレル35ドル以下、条件5=アメリカの失業率が7%以上、条件6=無担保コール翌日物金利が0.25%以上(円)等のように、各種の条件(株価に係る条件や外部要因に係る条件)を組み合わせることができ、条件式=(条件1)AND(条件2)で買いという入力を行えば、銘柄Aの株価が1500円以下であり、かつ、1ドルが95円以下であれば、買いという発注条件となる。また、条件式=(条件1)OR(条件3)で買いという入力を行えば、銘柄Aの株価が1500円以下、または、前日比でNYダウが200ドル以上下落、のいずれかの条件を満たしていれば、買いという発注条件となる。さらに、条件式=(((条件2)AND(条件4))OR(条件5))AND(((条件1)OR(条件6))AND(条件3))で買いという入力を行えば、((1ドルが95円以下であり、かつ、原油価格が1バレル35ドル以下)またはアメリカの失業率が7%以上)かつ((銘柄Aの株価が1500円以下、または、無担保コール翌日物金利が0.25%以上(円))かつ前日比でNYダウが200ドル以上下落)であれば、買いという発注条件となる。
【0235】
さらに、注文システム10は、条件項目設定受付処理手段23を備えているので、注文画面400(図12参照)に発注条件項目として表示される外部要因について、投資家が事前に追加または削除して相関性データベース33(図5参照)に登録しておくことができる。このため、投資家は、注文を行う際に、自分の意図する外部要因に係る条件を入力して発注条件を構成することができ、投資家の意図に沿った発注条件の入力を実現することができるうえ、注文画面400に表示される外部要因を事前に追加または削除しておくことができるので、同じ銘柄の注文を繰り返す場合等には、その都度、注文画面400で修正する必要がなくなり、投資家の作業の手間も軽減することができる。
【0236】
そして、注文システム10は、回帰式データベース32(図4参照)を備えているので、条件付き注文受付処理手段24により、回帰式データベース32に記憶された回帰式を構成する回帰係数等を用いて、目的変数としての注文銘柄の株価データ(価格データ)の変化量や変化率に相当する説明変数としての外部要因データの変化量や変化率を算出し、表示することができる(図13参照)。このため、投資家は、外部要因に係る条件を入力する際の参考情報を得ることができるので、投資家の利便性を、より一層向上させることができ、投資家は、より適切な発注条件の入力設定を行うことができる。
【0237】
また、注文システム10は、報知条件受付処理手段26を備えているので、報知条件入力画面600(図14参照)に、相関性データベース33(図5参照)から取得した外部要因識別情報の外部要因を報知条件項目として表示し、報知条件データとして、報知対象銘柄についての銘柄識別情報とともに、外部要因に係る条件を含んで構成された報知条件を受け付けることができる。このため、投資家が、報知条件入力画面600(図14参照)で、外部要因に係る条件を含んで構成された報知条件を入力しておけば、報知条件成否判断処理手段27による監視処理を行うことができ、報知条件が満たされる適切な時期に、報知対象銘柄についての注文を行い、取引市場へ発注することができるので、外部要因を考慮した金融商品の売買注文を実現するにあたり、投資家の監視負担を軽減することができる。
【0238】
また、外部要因に係る条件を含んで構成された報知条件の成否判断は、報知条件成否判断処理手段27により、つまりシステムにより行われるので、投資機会の損失の発生も抑えることができる。
【0239】
さらに、報知条件入力画面600(図14参照)に、相関性データベース33(図5参照)から取得した外部要因識別情報の外部要因が報知条件項目として表示されるので、投資家は、報知条件入力画面600に報知条件項目として表示された外部要因を用い、あるいは表示された外部要因の中から必要な外部要因を選択し、その外部要因に係る条件(例えば、外部要因データの値が幾ら以上、幾ら以下、前日比で幾ら上昇、幾ら下落等のような条件)を入力すればよいため、報知条件を入力するにあたり、報知対象銘柄と相関性のある外部要因を考えたり、当該銘柄に関連する情報の記憶を辿ったり、知識を再確認する等の手間を省くことができ、投資家の利便性の向上を図ることができる。
【0240】
そして、報知条件入力画面600(図14参照)に、相関性データベース33(図5参照)から取得した外部要因識別情報の外部要因が報知条件項目として表示されることから、比較的知識の少ない一般投資家であっても、報知対象銘柄と相関性のある外部要因を把握し、その外部要因に係る条件を入力することができ、これによっても、投資家の利便性の向上を図ることができる。
【0241】
また、注文システム10は、分析処理手段22を備えているので、回帰分析の結果として得られた相関性のある外部要因を相関性データベース33(図5参照)に記憶させることができるため、客観的な分析結果として得られた相関性のある外部要因を登録しておくことができる。このため、金融商品の売買注文を行おうとする投資家に対し、報知条件入力画面600(図14参照)で客観性のある情報を提供し、より妥当な報知条件の入力が可能となるような入力補助を実現することができる。
【0242】
また、報知条件受付処理手段26は、報知条件入力画面600(図14参照)で報知条件項目として外部要因を表示する際には、t値の絶対値の大きい回帰係数に対応する外部要因から順番に表示する構成とされているので、投資家は、表示の順番を見て相関性の大小を把握することができ、より相関性の大きい外部要因に係る条件を重視した報知条件の入力を行うことができるうえ、相関性の大きい外部要因に係る条件を重視して報知条件を入力していけば、結果的に、採用する外部要因(条件を入力する外部要因)の位置が報知条件入力画面600上で大きく分散しないことが期待されるので、入力作業が容易になり、投資家にとってのシステムの使い勝手を向上させることができる。
【0243】
さらに、注文システム10は、条件項目設定受付処理手段23および条件項目設定データベース34(図6参照)を備えているので、報知条件受付処理手段26により報知条件入力画面600(図14参照)で報知条件項目として外部要因を表示する際には、条件項目設定データベース34に記憶された最大表示件数を超えない項目数の外部要因を表示するようにすることができる。このため、報知条件入力画面600の表示を簡潔にすることができ、投資家による報知条件の入力の際の判断や作業を容易なものにすることができ、利便性を向上させることができる。
【0244】
そして、報知条件受付処理手段26は、決定係数Rまたは自由度修正済決定係数Rの値が小さいときのことを考慮して報知条件入力画面600(図14参照)への報知条件項目としての外部要因の表示を行う構成とされているので、回帰式の当てはまりが良くないとき、すなわち分析結果として得られた各銘柄と外部要因との相関性についての信頼性が高くないときは、全種類の外部要因を報知条件入力画面600で報知条件項目として表示するという修正処理を行うことができる。このため、実際には報知対象銘柄との相関性が高い外部要因であるが、報知条件入力画面600に報知条件項目として表示されない外部要因が生じるという事態を未然に防止することができる。
【0245】
また、報知条件受付処理手段26は、ANDまたはORを用いて組み合わせて構成された複合的な報知条件を受け付ける構成とされているので、投資家の多様な投資思想や複雑な投資思想を反映させた報知条件の入力設定を実現することができ、投資家の利便性を、より一層向上させることができる。
【0246】
さらに、注文システム10は、条件項目設定受付処理手段23を備えているので、報知条件入力画面600(図14参照)に報知条件項目として表示される外部要因について、投資家が事前に追加または削除して相関性データベース33(図5参照)に登録しておくことができる。このため、投資家は、報知条件の入力を行う際に、自分の意図する外部要因に係る条件を入力して報知条件を構成することができ、投資家の意図に沿った報知条件の入力を実現することができるうえ、報知条件入力画面600に表示される外部要因を事前に追加または削除しておくことができるので、同じ銘柄についての報知条件の入力を繰り返す場合等には、その都度、報知条件入力画面600で修正する必要がなくなり、投資家の作業の手間も軽減することができる。
【0247】
そして、注文システム10は、回帰式データベース32(図4参照)を備えているので、報知条件受付処理手段26により、回帰式データベース32に記憶された回帰式を構成する回帰係数等を用いて、目的変数としての報知対象銘柄の株価データ(価格データ)の変化量や変化率に相当する説明変数としての外部要因データの変化量や変化率を算出し、表示することができる(図13参照)。このため、投資家は、外部要因に係る条件を入力する際の参考情報を得ることができるので、投資家の利便性を、より一層向上させることができ、投資家は、より適切な報知条件の入力設定を行うことができる。
【0248】
また、分析処理手段22は、回帰分析を定期的に行う構成とされているので、例えば、市場の関心が変わったり、会社の取り扱い分野が変わる等の様々な要因により、各銘柄と外部要因との相関性は、時間の経過に伴って変わっていくが、このような状況下でも、最新のデータを用いて回帰分析を行うことで、最新の状況を反映させて相関性のある外部要因の特定を行うことができる。
【0249】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内での変形等は本発明に含まれるものである。
【0250】
例えば、前記実施形態では、株式の注文について取り扱っていたが、本発明は、株式以外の有価証券、あるいは有価証券以外の金融商品の注文にも広く適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0251】
以上のように、本発明の注文システムおよび注文処理方法、並びにプログラムは、例えば、株式等の有価証券の売買注文を受け付ける場合等に用いるのに適している。
【符号の説明】
【0252】
1 ネットワーク
2 通信回線
10 注文システム
22 分析処理手段
23 条件項目設定受付処理手段
24 条件付き注文受付処理手段
25 発注条件成否判断処理手段
26 報知条件受付処理手段
27 報知条件成否判断処理手段
28 報知対象銘柄注文受付処理手段
29 発注処理手段
30 価格データベースである株価データベース
31 外部要因データベース
32 回帰式データベース
33 相関性データベース
34 条件項目設定データベース
35 注文データベース
36 報知条件データベース
50 金融商品の取引市場システムである証券取引所システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金融商品の売買注文を受け付ける処理を実行するコンピュータにより構成された注文システムであって、
金融商品の各銘柄と相関性のある外部要因についての外部要因識別情報を、各銘柄についての銘柄識別情報と関連付けて記憶する相関性データベースと、
投資家端末装置からネットワークを介して送信されてくる注文銘柄についての銘柄識別情報を受信し、受信した前記銘柄識別情報に対応する前記外部要因識別情報を前記相関性データベースから取得し、取得した前記外部要因識別情報の外部要因を発注条件項目とする注文画面の表示用データを、前記ネットワークを介して前記投資家端末装置へ送信し、前記投資家端末装置から前記ネットワークを介して送信されてくる前記外部要因に係る条件を含んで構成された発注条件、並びに、注文銘柄についての前記銘柄識別情報を含む注文データを受信する処理を実行する条件付き注文受付処理手段と、
この条件付き注文受付処理手段により受信した前記注文データを、注文の入力を行った投資家についての投資家識別情報と関連付けて記憶する注文データベースと、
外部要因データベースに記憶された外部要因データの現在値を用いて、前記注文データベースに記憶された前記注文データに含まれる前記外部要因に係る条件を含む発注条件が成立したか否かを判断する処理を繰り返し実行する発注条件成否判断処理手段と、
この発注条件成否判断処理手段により前記発注条件が成立したと判断した場合に、前記注文データベースに記憶された前記注文データを用いて作成した発注データを、金融商品の取引市場システムへ通信回線を介して送信する処理を実行する発注処理手段と
を備えたことを特徴とする注文システム。
【請求項2】
価格データベースに記憶された金融商品の価格データの複数の過去値を目的変数として用いるとともに、前記外部要因データベースに記憶された外部要因データの複数の過去値を説明変数として用いて、金融商品の各銘柄毎に回帰分析を行い、この回帰分析の結果として得られた外部要因データの回帰係数のt値および/または決定係数R若しくは自由度修正済決定係数Rを用いて、金融商品の価格と相関性のある外部要因を各銘柄毎に特定し、特定した前記外部要因についての外部要因識別情報を、各銘柄についての銘柄識別情報と関連付けて前記相関性データベースに記憶させる処理を実行する分析処理手段を備えた
ことを特徴とする請求項1に記載の注文システム。
【請求項3】
前記分析処理手段は、
前記外部要因データベースに記憶された複数種類の外部要因データのうちの全部または一部の種類の外部要因データを用いて外部要因データの組み合わせの異なる複数の回帰式を求め、これらの複数の回帰式のうち、決定係数R若しくは自由度修正済決定係数Rが最大の回帰式を選択し、選択した回帰式を構成する回帰係数のうち、t値が予め定められた閾値を超えるか、または閾値以上となっている回帰係数に対応する外部要因についての外部要因識別情報を、前記銘柄識別情報と関連付けて前記相関性データベースに記憶させる処理を実行する構成とされている
ことを特徴とする請求項2に記載の注文システム。
【請求項4】
前記分析処理手段は、
前記外部要因データベースに記憶された複数種類の外部要因データのうちの全部または一部の種類の外部要因データを用いて外部要因データの組み合わせの異なる複数の回帰式を求め、これらの複数の回帰式のうち、回帰式を構成する外部要因データの回帰係数の全てのt値が予め定められた閾値を超えるか、または閾値以上となっている回帰式を選択し、さらに、選択した回帰式のうち、決定係数R若しくは自由度修正済決定係数Rが最大の回帰式を選択し、選択した回帰式を構成する回帰係数に対応する外部要因についての外部要因識別情報を、前記銘柄識別情報と関連付けて前記相関性データベースに記憶させる処理を実行する構成とされている
ことを特徴とする請求項2に記載の注文システム。
【請求項5】
前記分析処理手段は、
前記外部要因データベースに記憶された複数種類の外部要因データを用いて1つの回帰式を求め、この回帰式を構成する外部要因データの回帰係数のうち、t値が予め定められた閾値を超えるか、または閾値以上となっている回帰係数に対応する外部要因についての外部要因識別情報を、前記銘柄識別情報と関連付けて前記相関性データベースに記憶させる処理を実行する構成とされている
ことを特徴とする請求項2に記載の注文システム。
【請求項6】
前記条件付き注文受付処理手段は、
前記注文画面で発注条件項目として外部要因を表示する際には、t値の絶対値の大きい回帰係数に対応する外部要因から順番に表示する処理を実行する構成とされている
ことを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の注文システム。
【請求項7】
投資家により入力設定されて前記投資家端末装置から前記ネットワークを介して送信されてくる、発注条件項目としての外部要因の最大表示件数を受信する処理を実行する条件項目設定受付処理手段と、
この条件項目設定受付処理手段により受信した前記最大表示件数を、前記最大表示件数の入力設定を行った投資家についての投資家識別情報と関連付けて記憶する条件項目設定データベースとを備え、
前記条件付き注文受付処理手段は、
前記注文画面で発注条件項目として外部要因を表示する際には、前記条件項目設定データベースに記憶された前記最大表示件数を超えない項目数の外部要因を表示する処理を実行する構成とされている
ことを特徴とする請求項6に記載の注文システム。
【請求項8】
前記相関性データベースは、
回帰式の前記決定係数Rまたは前記自由度修正済決定係数Rも、前記銘柄識別情報と関連付けて記憶する構成とされ、
前記条件付き注文受付処理手段は、
注文銘柄についての銘柄識別情報に関連付けられて前記相関性データベースに記憶された前記決定係数Rまたは前記自由度修正済決定係数Rが、予め定められた境界値以下または未満である場合には、前記相関性データベースから取得した前記外部要因識別情報の外部要因のみを前記注文画面で発注条件項目として表示するのではなく、予め定められた全種類の外部要因を前記注文画面で発注条件項目として表示する処理を実行する構成とされている
ことを特徴とする請求項2〜7のいずれかに記載の注文システム。
【請求項9】
前記条件付き注文受付処理手段は、
前記注文データとして、複数種類の外部要因に係る条件をANDまたはORを用いて組み合わせるか、または複数種類若しくは一種類の外部要因に係る条件および注文銘柄の価格に係る条件をANDまたはORを用いて組み合わせて構成された複合的な発注条件を受信する処理を実行する構成とされ、
前記注文データベースは、
ANDまたはORを用いて組み合わせて構成された前記複合的な発注条件を含む注文データを、前記投資家識別情報と関連付けて記憶する構成とされ、
前記発注条件成否判断処理手段は、
前記外部要因データベースに記憶された複数種類の外部要因データの現在値を用いるか、または前記外部要因データベースに記憶された複数種類若しくは一種類の外部要因データの現在値および価格データベースに記憶された注文銘柄の価格データの現在値を用いて、前記注文データベースに記憶された前記注文データに含まれる前記複合的な発注条件が成立したか否かを判断する処理を繰り返し実行する構成とされている
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の注文システム。
【請求項10】
前記投資家端末装置から前記ネットワークを介して送信されてくる設定対象銘柄についての銘柄識別情報を受信し、受信した前記銘柄識別情報に対応する外部要因識別情報を前記相関性データベースから取得し、取得した前記外部要因識別情報の外部要因を前記注文画面への表示用の発注条件項目の候補として表示する条件項目設定画面の表示用データを、前記ネットワークを介して前記投資家端末装置へ送信し、前記条件項目設定画面で投資家により入力設定されて前記投資家端末装置から前記ネットワークを介して送信されてくる追加または削除された状態の外部要因についての外部要因識別情報を受信し、受信した追加または削除された状態の外部要因についての外部要因識別情報を、条件項目設定を行った投資家についての投資家識別情報および前記設定対象銘柄についての銘柄識別情報と関連付けて前記相関性データベースに記憶させる処理を実行する条件項目設定受付処理手段を備え、
前記条件付き注文受付処理手段は、
投資家により追加または削除された状態の外部要因についての外部要因識別情報が、前記注文の入力を行った投資家についての投資家識別情報および注文銘柄についての銘柄識別情報に関連付けられて前記相関性データベースに記憶されている場合には、前記投資家による追加または削除された状態の外部要因を発注条件項目とする前記注文画面の表示用データを、前記ネットワークを介して前記投資家端末装置へ送信する処理を実行する構成とされている
ことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の注文システム。
【請求項11】
回帰式を構成する全ての回帰係数を、前記銘柄識別情報と関連付けて記憶する回帰式データベースを備え、
前記条件付き注文受付処理手段は、
注文銘柄についての銘柄識別情報に対応する前記回帰係数を前記回帰式データベースから取得し、取得した前記回帰係数、および前記外部要因データベースに記憶された外部要因データを用いて、目的変数としての注文銘柄の価格データが一定割合若しくは一定金額または投資家により入力指定された割合若しくは金額だけ変化したときの説明変数としての外部要因データの変化の割合または金額を算出し、算出した外部要因データの変化の割合または金額を前記注文画面またはその付随画面に表示する処理を実行する構成とされている
ことを特徴とする請求項2〜8のいずれかに記載の注文システム。
【請求項12】
金融商品の売買注文を受け付ける処理を実行するコンピュータにより構成された注文システムであって、
金融商品の各銘柄と相関性のある外部要因についての外部要因識別情報を、各銘柄についての銘柄識別情報と関連付けて記憶する相関性データベースと、
投資家端末装置からネットワークを介して送信されてくる報知対象銘柄についての銘柄識別情報を受信し、受信した前記銘柄識別情報に対応する外部要因識別情報を前記相関性データベースから取得し、取得した前記外部要因識別情報の外部要因を報知条件項目とする報知条件入力画面の表示用データを、前記ネットワークを介して前記投資家端末装置へ送信し、前記投資家端末装置から前記ネットワークを介して送信されてくる前記外部要因に係る条件を含んで構成された報知条件、並びに、報知対象銘柄についての前記銘柄識別情報を含む報知条件データを受信する処理を実行する報知条件受付処理手段と、
この報知条件受付処理手段により受信した前記報知条件データを、報知条件の入力を行った投資家についての投資家識別情報と関連付けて記憶する報知条件データベースと、
外部要因データベースに記憶された外部要因データの現在値を用いて、前記報知条件データベースに記憶された前記報知条件データに含まれる前記外部要因に係る条件を含む報知条件が成立したか否かを判断する処理を繰り返し実行する報知条件成否判断処理手段と、
この報知条件成否判断処理手段により前記報知条件が成立したと判断した場合に、前記報知条件が成立した報知対象銘柄を注文銘柄とする注文画面の表示用データを、前記ネットワークを介して前記投資家端末装置へ送信し、前記投資家端末装置から前記ネットワークを介して送信されてくる前記注文銘柄についての銘柄識別情報を含む注文データを受信する処理を実行する報知対象銘柄注文受付処理手段と、
この報知対象銘柄注文受付処理手段により受信した前記注文データを、注文の入力を行った投資家についての投資家識別情報と関連付けて記憶する注文データベースと、
この注文データベースに記憶された前記注文データを用いて作成した発注データを、金融商品の取引市場システムへ通信回線を介して送信する処理を実行する発注処理手段と
を備えたことを特徴とする注文システム。
【請求項13】
価格データベースに記憶された金融商品の価格データの複数の過去値を目的変数として用いるとともに、前記外部要因データベースに記憶された外部要因データの複数の過去値を説明変数として用いて、金融商品の各銘柄毎に回帰分析を行い、この回帰分析の結果として得られた外部要因データの回帰係数のt値および/または決定係数R若しくは自由度修正済決定係数Rを用いて、金融商品の価格と相関性のある外部要因を各銘柄毎に特定し、特定した前記外部要因についての外部要因識別情報を、各銘柄についての銘柄識別情報と関連付けて前記相関性データベースに記憶させる処理を実行する分析処理手段を備えた
ことを特徴とする請求項12に記載の注文システム。
【請求項14】
前記報知条件受付処理手段は、
前記報知条件入力画面で報知条件項目として外部要因を表示する際には、t値の絶対値の大きい回帰係数に対応する外部要因から順番に表示する処理を実行する構成とされている
ことを特徴とする請求項13に記載の注文システム。
【請求項15】
投資家により入力設定されて前記投資家端末装置から前記ネットワークを介して送信されてくる、報知条件項目としての外部要因の最大表示件数を受信する処理を実行する条件項目設定受付処理手段と、
この条件項目設定受付処理手段により受信した前記最大表示件数を、前記最大表示件数の入力設定を行った投資家についての投資家識別情報と関連付けて記憶する条件項目設定データベースとを備え、
前記報知条件受付処理手段は、
前記報知条件入力画面で報知条件項目として外部要因を表示する際には、前記条件項目設定データベースに記憶された前記最大表示件数を超えない項目数の外部要因を表示する処理を実行する構成とされている
ことを特徴とする請求項14に記載の注文システム。
【請求項16】
前記相関性データベースは、
回帰式の前記決定係数Rまたは前記自由度修正済決定係数Rも、前記銘柄識別情報と関連付けて記憶する構成とされ、
前記報知条件受付処理手段は、
報知対象銘柄についての銘柄識別情報に関連付けられて前記相関性データベースに記憶された前記決定係数Rまたは前記自由度修正済決定係数Rが、予め定められた境界値以下または未満である場合には、前記相関性データベースから取得した前記外部要因識別情報の外部要因のみを前記報知条件入力画面で報知条件項目として表示するのではなく、予め定められた全種類の外部要因を前記報知条件入力画面で報知条件項目として表示する処理を実行する構成とされている
ことを特徴とする請求項13〜15のいずれかに記載の注文システム。
【請求項17】
前記報知条件受付処理手段は、
前記報知条件データとして、複数種類の外部要因に係る条件をANDまたはORを用いて組み合わせるか、または複数種類若しくは一種類の外部要因に係る条件および報知対象銘柄の価格に係る条件をANDまたはORを用いて組み合わせて構成された複合的な報知条件を受信する処理を実行する構成とされ、
前記報知条件データベースは、
ANDまたはORを用いて組み合わせて構成された前記複合的な報知条件を含む報知条件データを、前記投資家識別情報と関連付けて記憶する構成とされ、
前記報知条件成否判断処理手段は、
前記外部要因データベースに記憶された複数種類の外部要因データの現在値を用いるか、または前記外部要因データベースに記憶された複数種類若しくは一種類の外部要因データの現在値および価格データベースに記憶された報知対象銘柄の価格データの現在値を用いて、前記報知条件データベースに記憶された前記報知条件データに含まれる前記複合的な報知条件が成立したか否かを判断する処理を繰り返し実行する構成とされている
ことを特徴とする請求項12〜16のいずれかに記載の注文システム。
【請求項18】
前記投資家端末装置から前記ネットワークを介して送信されてくる設定対象銘柄についての銘柄識別情報を受信し、受信した前記銘柄識別情報に対応する外部要因識別情報を前記相関性データベースから取得し、取得した前記外部要因識別情報の外部要因を前記報知条件入力画面への表示用の報知条件項目の候補として表示する条件項目設定画面の表示用データを、前記ネットワークを介して前記投資家端末装置へ送信し、前記条件項目設定画面で投資家により入力設定されて前記投資家端末装置から前記ネットワークを介して送信されてくる追加または削除された状態の外部要因についての外部要因識別情報を受信し、受信した追加または削除された状態の外部要因についての外部要因識別情報を、条件項目設定を行った投資家についての投資家識別情報および前記設定対象銘柄についての銘柄識別情報と関連付けて前記相関性データベースに記憶させる処理を実行する条件項目設定受付処理手段を備え、
前記報知条件受付処理手段は、
投資家により追加または削除された状態の外部要因についての外部要因識別情報が、前記報知条件の入力を行った投資家についての投資家識別情報および報知対象銘柄についての銘柄識別情報に関連付けられて前記相関性データベースに記憶されている場合には、前記投資家により追加または削除された状態の外部要因を報知条件項目とする報知条件入力画面の表示用データを、前記ネットワークを介して前記投資家端末装置へ送信する処理を実行する構成とされている
ことを特徴とする請求項12〜17のいずれかに記載の注文システム。
【請求項19】
回帰式を構成する全ての回帰係数を、前記銘柄識別情報と関連付けて記憶する回帰式データベースを備え、
前記報知条件受付処理手段は、
報知対象銘柄についての銘柄識別情報に対応する前記回帰係数を前記回帰式データベースから取得し、取得した前記回帰係数、および前記外部要因データベースに記憶された外部要因データを用いて、目的変数としての報知対象銘柄の価格データが一定割合若しくは一定金額または投資家により入力指定された割合若しくは金額だけ変化したときの説明変数としての外部要因データの変化の割合または金額を算出し、算出した外部要因データの変化の割合または金額を前記報知条件入力画面またはその付随画面に表示する処理を実行する構成とされている
ことを特徴とする請求項13〜16のいずれかに記載の注文システム。
【請求項20】
前記分析処理手段は、
前記回帰分析を定期的に行い、前記相関性データベースに記憶された前記外部要因識別情報を更新する処理を実行する
構成とされている
ことを特徴とする請求項2〜8,11,13〜16,19のいずれかに記載の注文システム。
【請求項21】
金融商品の売買注文を受け付ける処理を実行するコンピュータにより構成された注文システムで実行される注文処理方法であって、
金融商品の各銘柄と相関性のある外部要因についての外部要因識別情報を、各銘柄についての銘柄識別情報と関連付けて相関性データベースに記憶させておき、
条件付き注文受付処理手段が、投資家端末装置からネットワークを介して送信されてくる注文銘柄についての銘柄識別情報を受信し、受信した前記銘柄識別情報に対応する前記外部要因識別情報を前記相関性データベースから取得し、取得した前記外部要因識別情報の外部要因を発注条件項目とする注文画面の表示用データを、前記ネットワークを介して前記投資家端末装置へ送信し、前記投資家端末装置から前記ネットワークを介して送信されてくる前記外部要因に係る条件を含んで構成された発注条件、並びに、注文銘柄についての前記銘柄識別情報を含む注文データを受信する処理を実行し、
前記条件付き注文受付処理手段により受信した前記注文データを、注文の入力を行った投資家についての投資家識別情報と関連付けて注文データベースに記憶させ、
発注条件成否判断処理手段が、外部要因データベースに記憶された外部要因データの現在値を用いて、前記注文データベースに記憶された前記注文データに含まれる前記外部要因に係る条件を含む発注条件が成立したか否かを判断する処理を繰り返し実行し、
発注処理手段が、前記発注条件成否判断処理手段により前記発注条件が成立したと判断した場合に、前記注文データベースに記憶された前記注文データを用いて作成した発注データを、金融商品の取引市場システムへ通信回線を介して送信する処理を実行する
ことを特徴とする注文処理方法。
【請求項22】
金融商品の売買注文を受け付ける処理を実行するコンピュータにより構成された注文システムで実行される注文処理方法であって、
金融商品の各銘柄と相関性のある外部要因についての外部要因識別情報を、各銘柄についての銘柄識別情報と関連付けて相関性データベースに記憶しておき、
報知条件受付処理手段が、投資家端末装置からネットワークを介して送信されてくる報知対象銘柄についての銘柄識別情報を受信し、受信した前記銘柄識別情報に対応する外部要因識別情報を前記相関性データベースから取得し、取得した前記外部要因識別情報の外部要因を報知条件項目とする報知条件入力画面の表示用データを、前記ネットワークを介して前記投資家端末装置へ送信し、前記投資家端末装置から前記ネットワークを介して送信されてくる前記外部要因に係る条件を含んで構成された報知条件、並びに、報知対象銘柄についての前記銘柄識別情報を含む報知条件データを受信する処理を実行し、
前記報知条件受付処理手段により受信した前記報知条件データを、報知条件の入力を行った投資家についての投資家識別情報と関連付けて報知条件データベースに記憶させ、
報知条件成否判断処理手段が、外部要因データベースに記憶された外部要因データの現在値を用いて、前記報知条件データベースに記憶された前記報知条件データに含まれる前記外部要因に係る条件を含む報知条件が成立したか否かを判断する処理を繰り返し実行し、
報知対象銘柄注文受付処理手段が、前記報知条件成否判断処理手段により前記報知条件が成立したと判断した場合に、前記報知条件が成立した報知対象銘柄を注文銘柄とする注文画面の表示用データを、前記ネットワークを介して前記投資家端末装置へ送信し、前記投資家端末装置から前記ネットワークを介して送信されてくる前記注文銘柄についての銘柄識別情報を含む注文データを受信する処理を実行し、
前記報知対象銘柄注文受付処理手段により受信した前記注文データを、注文の入力を行った投資家についての投資家識別情報と関連付けて注文データベースに記憶させ、
発注処理手段が、前記注文データベースに記憶された前記注文データを用いて作成した発注データを、金融商品の取引市場システムへ通信回線を介して送信する処理を実行する
ことを特徴とする注文処理方法。
【請求項23】
請求項1〜20のいずれかに記載の注文システムとして、コンピュータを機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−197946(P2011−197946A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−63202(P2010−63202)
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(309006372)株式会社大和総研ビジネス・イノベーション (17)