説明

注文生産可能な密封材、注文生産可能な密封材を有するマスク及び密封材の使用法

【課題】使用者の表面と密着する注文生産可能な密封構造を提供する。
【解決手段】
本発明は、使用者の面に対向して装着されかつ界面を形成する密封材(18)を備えた密封材及びマスクである。密封材は、ゲル物質で形成された第1の部分と、第1の部分に取り付けられた第2の部分(16)とを備える。第2の部分は、選択的に形成可能な物質を含み、第1のパターンから第2のパターンに成形され、成形された状態に応じて第2のパターンを保持する。密封材の形成可能な部分を順応状態で配置することによって、密封材を有する密封マスク(12)は被験者に合わせて調整され、固定状態で形成可能な部分を配置して、密封材の下に位置する被験者の部位に密着する形を通常保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被験者の一部と当接する注文生産可能な密封材に属し、外部装置、例えば呼吸用マスクと被験者との間に快適で注文生産可能な界面(インターフェイス)を提供する。また、本発明は注文生産可能な密封材を有する呼吸のマスク及び外部装置、例えば密封材を用いた呼吸用マスクと被験者とを連結する方法に属する。
【背景技術】
【0002】
使用者の鼻及び/又は口の周囲を覆いかつ使用者の顔に対して連続的な密封構造を形成する可撓性密封材を有する種々の呼吸用マスクは公知である。密封効果を生じるため、使用者が消費するガスはマスク内に正圧で供給される。この種のマスクは、高所呼吸(航空機用)、水泳、採鉱及び消火活動並びに種々の医療上の診断及び治療の用途がある。
【0003】
前記マスクで特に必要不可欠な医療用呼吸用マスクは、使用者の顔に対する効果的な密封構造を形成して供給ガスの漏洩を防ぐ。一般に、従来のマスク構造で良好なマスク−顔間の密封材は、使用者に対し無視できない程の不快を与える場合が多い。特に使用者が何時間又は何日も連続してマスクを着用する医療用では、最も重要な問題である。この場合、使用者は、マスクの長時間着用に耐えられず、最適な治療若しくは診断の目的は達成されず又は大きな障害を与え、使用者にとって相当な不快感があろう。
【0004】
前記応用例の呼吸用マスクのいくつかのタイプは公知である。最も一般的と思われる型式のマスクは、使用者の顔がマスクの密封面に当接して力が加えられるとき、使用者の顔に有効に密封することを目的とし、マスクの縁から周囲に伸び、均一な平滑密封面、即ち所定の又は固定された密封面を有する外形を備える。密封面は、一般的に空気若しくは流体が充填されたクッションから成り又はプラスチック、ゴム、シリコーン、ビニル若しくは発泡材等の弾性材から成る単に表面が弾力的な密封部材で注型若しくは成形したものでもよい。
【0005】
密封面の外形と対応する使用者の顔の外面形状とが良好に密着すると、マスクの性能は十分に発揮される。例えば、使用者の顔の輪郭と予め規定された密封材の外形とが偶然に一致することはあり得る。しかし、密封材の密着性が不適合であると、密封材と顔との界面に隙間が生じ、隙間を通じてマスクからガスが漏洩する。過剰な力によって、密閉部材を圧縮して隙間を塞ぎ、隙間がある箇所を十分に密封することができる。このような過剰な力は、マスクの密封材形状が顔に対し強制的に変形され使用者の顔の外形に一致する使用者の顔の他の箇所で高圧となり、容認できない。局所的に血流圧力を超える力が加わる箇所は、使用者に無視できない程の不快感を与え、皮膚の刺激及び損傷を生じ、表面血流を止める十分な圧力となる。理想的には、マスクと使用者の顔との間の当接力を制限すべきであり、マスク密封材が相当に変形する箇所でも、局所的に血流圧力を超えることを防ぐべきである。
【0006】
供給ガスの正圧が比較的高いとき又は比較的高いレベルで循環するとき、好適な制限レベルを超えるシール当接力の問題はより顕著に現れる。マスク密封材と使用者の顔との接触によって、マスクは密封するので、十分な力でマスクと顔との密着を維持し、供給ガスのピーク圧力の漏洩を封止しなければならない。このように、供給圧力が高いとき、従来のマスクでは、頭部緊締紐又は他のマスクを比較的強固に緊締し固定する。このことは、マスク密封範囲だけでなく、保持ストラップの範囲に沿う様々な箇所で、顔に高い局所的な圧力を生じる。また、短時間の着用後でさえ使用者は不快を生じる。過剰な局所化圧力の箇所がない場合でも、緊締して取り付けられるマスク及び頭部緊締紐が非常に不快となり、不快感は使用者の治療養生を中断させる。下記特許文献1及び2は、連続クッション密封材の特徴を有する呼吸用マスクの例を示す。
【0007】
下記特許文献3は、軍事用の保護ガスマスクを示す。マスクは3層のフェイスピースから成り、中心層は、V字断面の溝を有する比較的固い材料の厚い層である。V字断面の溝は、使用者の顔の輪郭を密封する顔接触内部層に湾曲部を形成するゲル又はゲル及び圧縮空気で「充填」される。特にゲル/空気を充填するとき、V字断面の溝の構造上の硬さと共に中心層の固有の剛性は、比較的柔軟性のない顔面密封材となる。実際に、使用者の頭に対し確実にフェイスピースを取り付けるため、マスクをきつく取付フードに連結し、所望の顔面密封材を形成する。例えば呼吸治療の使用者が長期間の間にマスクを時々着用する状況を含む前記用途では、快適性が非常に制限される前記構造は必ずしも適当ではない。
【0008】
S.F.C スチュワート、V.パルミエリ及びG.V.B
コクランによる研究で、ゲル及び泡を含むクッション材料の数種が検討された(下記非特許文献1)。この研究では、車椅子のクッションとして使用するクッション材料の皮膚温度に対する材料の効果、皮膚−クッション界面での熱流束及び相対湿度等の相対的な長所及び短所を比較した。局所的な血流圧力レベルを超えて圧力を供給すると、前記ファクターの各々は皮膚−クッション界面での皮膚組織を破壊する一因となることが判明した。
【0009】
前記研究では、発泡体クッションは、数時間程度の使用後に、皮膚温度を数度だけ上昇することが示され、発泡体材料の比較的低い熱流束特性の結果であることを示唆した。即ち、発泡体材料及びその空気混入材料は、熱伝導率を減少する傾向がある。逆に、ゲル製パッド類は、発泡体より相当に高い熱流束を示し、実際に、数時間の使用後、皮膚温度を比較的一定に保つのに充分である。研究で報告されたゲルに対して、発泡体の唯一の利点は、皮膚−クッション界面でのゲルより低い相対湿度を生ずることにある。これは湿気の放散経路である発泡体の開口する細胞組織による。しかし、この表面的な効果は、開口する細胞発泡体が発汗に曝露され、バクテリアの成長を促す問題を生じる。バクテリアは、徐々に発泡体を汚染して発泡体の有効耐用寿命を相当短縮する。
【0010】
発泡体タイプの呼吸用マスクの密封材では、前記の及び他の不利益な特徴は、通常認められる現象である。従って、使用者の顔に対し最適の密封性を与えず、発泡体マスク密封材の固有の性質は、皮膚、特に、頬骨及び鼻梁のようにより突出した顔の外形部に刺激及び損傷を与える。
【0011】
更に、空気、流体若しくは下記特許文献4のようにゲルが充填され、又は、例えば発泡体、プラスチック、ゴム、シリコーン等の弾性材として形成される材料に無関係に、頭部緊締紐(ヘッドストラップ)の適度な張力がないと、現在のクッションタイプの呼吸用マスク密封材に付与される弾力性又はばね特性は、使用者の顔の表面構造に適合する有効な密封材を形成できない。
【0012】
マスク−顔界面の隙間を減少する方法は、個々の使用者のサイズに適合させて密封材を注文生産(カスタマイズ、customize)して、被験者の顔の微妙な外形と一致させることである。注文生産(customization)の目的は、使用者の顔の特定外部の特徴、即ち被験者の軟組織による外面に密封材を整合させることなので、密封材の微視的注文生産(micro-customization)として考えられる。例えば、使用者の顔に非常に深いしわがあるとき、微視的に注文生産されたマスクは、深いしわに密着する使用者界面の表面で、しわによる隙間を塞ぐ。要するに、微視的に注文生産された密封材は、被験者の柔らかい表面組織の外面と合致するように形成される。
【0013】
微視的に注文生産される密封材、例えば面体、即ち顔面保護マスクの密封材の様々な技術が提案されている。例えば、被験者の顔の彫込み又は注型を製作して、微視的に注文生産された密封材は公知である。完全に注文生産されたマスクを生産して、被験者の顔に整合するように、成形型が形成される。しかしながら、時間を要するこの技法は、コストが高く従来の大規模な製造工程に適さない。
【0014】
また、本発明者は、予想した結果とは逆に、微視的注文生産される面体から満足な密封材が得られないことを発見した。被験者の軟組織の外部表面に正確に整合する比較的精密な微視的に注文生産された面体は、密封位置の変更及び/又は被験者の軟組織の変化により密封構造体と被験者との間に新しい隙間が生じるので、十分な密封構造にならない。このため、前記注型法で形成されかつ微視的に注文生産される密封構造の面体は、成形品を製造するとき、被験者の顔の表面形状の軟組織に具体的に合わせて設計されるので、一般に、被験者の輪郭形状が変化し若しくは面体位置が移動するとき、面体を変形させる機能はなく又はその機能は単に制限される。例えば睡眠時等のように被験者が動いて面体が移動する状況では、微視的に注文生産された密封構造を有する面体は特に不利である。
【0015】
面体と被験者との接触表面の外郭をつけ、一般的な被験者の顔の外形に整合させることもまた公知である。このことは、巨視的注文生産(macro-customization)と考えられ、その目的は、外部の軟組織による使用者の詳細な外面形状に密封構造を適合させず、使用者の一般的な体形、例えば基礎の骨構造に密封構造を適合させることである。巨視的注文生産は、被験者の軟組織の小さな変化又は密封構造のわずかな変動により隙間が形成される可能性が小さい点で微視的注文生産より優れた利点がある。また、巨視的に注文生産される密封構造体は、骨構造及び軟組織の外形の違いがある状況で、微視的に注文生産される密封構造より有効な密封構造となる。例えば、軟組織により被覆されるため、突出する骨が不明瞭であるとき、巨視的に注文生産される密封構造は、突出する骨構造に適合し、突出する骨の近くの部位で起こる漏洩の可能性を最小限にする。
【0016】
巨視的注文生産された呼吸用マスクの密封構造を形成する技術は、多種多様の密封構造を有する多種多様のマスクを提供することである。使用者は、使用者の顔の構造に最適に密着する密封構造を有するマスクを使用するであろう。例えば、アーチ形鼻梁のサイズが異なる複数のマスクでは、使用者の鼻に最適に密着するアーチ形鼻梁サイズを有するマスクを選ぶことができる。この種のマスクは、例えば、マスク−被験者界面に対し平坦な表面とは異なるいくつかの注文生産の程度がある。しかしながら、巨視的注文生産される既製在庫のマスクは、特定の使用者の顔の特徴に適合させる注文生産が行われず、多くの場合、各被験者に特定の顔の輪郭を考慮した十分な程度の注文生産が行われない。例えば、一般的に、既製の巨視的注文生産されたマスクは特有の顔面特徴を有する被験者に満足な密封構造とならず、被験者が緊締力を増加して隙間を閉鎖すると圧力点が生じる。
【0017】
また、被験者の一般的な顔の特徴を測定し、一般的な特徴に適合する密封構造を生産することにより呼吸用マスクの顔面密封構造の微視的注文生産を達成できる。しかしながら、巨視的注文生産の工程は、微視的注文生産の工程と同様の不利益がある。即ち、この種の特に注文仕立ての巨視的注文生産されるマスクを大量生産することは、時間を浪費し不経済で効率が悪い。
【0018】
また、巨視的注文生産は、被験者の軟組織の物理的な特徴から生じる漏洩の欠点を最小限に抑えることができない。例えば、軟組織に深いしわがあるとき、巨視的注文生産された密封構造は、一般に微視的注文生産された密封構造ほどしわによる漏洩が減少しない。代わりに、使用者は、一般的に緊締力を増加させて漏洩を最小限に抑制するため、被験者の表面に局部的高圧が生ずる問題がある。
【特許文献1】米国特許第2,254,854号
【特許文献2】米国特許第2,931,356号
【特許文献3】米国特許第5,181,506号
【特許文献4】米国特許第5,181,506号
【非特許文献1】建築物理医療リハビリ、第61巻、1980年5月
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
そこで、本発明では、使用者の表面と密着する注文生産可能な密封構造を提供し、それと共に密封された界面を形成して、従来の密封構造技術の欠点を克服することを目的とする。本発明による一実施の形態では、ゲル物質により形成される第1の部分及び第1の部分と連結した第2の部分を有する密封構造を提供し、選択的に形成可能な物質を含み、第1のパターンから第2のパターンに成形され、並びに、成形に応じて第2のパターンを保持することによって目的を達成できる。密封構造の第1の部分は、密封構造が容易に合致して、使用者の外面形状、例えば被験者の軟組織による特徴に整合する点で、密封構造の微視的注文生産の効果を有する。密封構造の第2の部分は、一般的な特徴、例えば被験者の骨構造に密着するように成形される点で、巨視的注文生産の効果を有する。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明による発明者は、例えば、人の脂肪に類似するばね特性を有するゲル物質等の材料から呼吸用顔マスクの密封構造を形成する第1の部分を形成すると、クッションタイプの呼吸用マスクに使用する頭部緊締紐の張力及びそれによる使用者の顔に対するマスクの圧縮力は、実質的に減少する。密封構造の第1の部分は、多くの自然な生物学的組織のように作用し、小さい頭部緊締紐力の影響下で、使用者の顔の詳細な外形に自然に適合する傾向がある。このため、密封構造の第1の部分は、密封構造が使用者の皮膚の詳細な特徴に適合する微視的注文生産による効果を生ずる。
【0021】
また、前記効果に加えて、本発明者は人の脂肪組織のばね特性に似たゲル物質を生産できることを発見した。一実施の形態では、ゲル物質は、例えば、加圧後に、密封構造が実質的に最初形状へ戻るばね(反跳)特性を有しかつ人の脂肪組織に相当する弾力特性を有する粘弾性ポリウレタン重合体である。更なる実施の形態では、保護カバーはゲル物質の外部表面を被覆する。この種のカバーの非存在下では、ゲル物質の固有の粘着特性は、使用者の皮膚に対する顔面密封構造の密着力を高めるのに役立つ。これに対し、粘着性が望ましくないとき、粉状タルク、シリコーン又は類似した生物学的適合性の材料のコーティングにより環状部材(保護カバー)の表面が被覆される。しかしながら、薄い、しなやかな膜カバーでゲル物質の露出部分をカプセル化して、顔面密封構造の耐久性及び耐洗浄性を高めることが好ましい。
【0022】
使用者と接触する顔面密封構造の部分が、人の脂肪組織の反跳特性をシミュレートするので、この種の密封構造を有する外部装置、例えばマスクを装着するとき、使用者は、自身の皮膚に自然物質の感覚を受ける。密封構造は、第1のパターンから第2のパターンに成形される第2の部分を備え、それに従い第2のパターンを保持するので、この種の密封構造を有する呼吸用マスクは、注文生産され、使用者の一般的な顔の特徴に整合する。密封構造の第2の部分は、密封構造が使用者の一般的な顔の特徴に適合する微視的注文生産の効果を生ずる。従って、注文生産可能なこの種の密封構造により提供される外部装置、例えばマスクは、従来技術による公知のマスクよりも、使用者の顔に対するより少ない頭部緊締紐張力で密封結合を維持して快適に圧接される。更に、密封構造の第1の部分のゲル物質の脂肪状特性によって、ゲルが効果的に使用者表面の隙間を充填し、顔の他の外形を形作る。このことにより、マスクに供給される加圧ガスの漏洩を最小限に抑制する。また、ゲル物質は発泡体タイプのマスク密封構造によるバクテリア繁殖を抑えると共に、能率的に熱を放散させる。
【0023】
本発明の更なる目的は、前記注文生産可能な密封構造の呼吸用マスクを提供することである。第1の開口部及び第2の開口部を有する比較的剛性のマスク本体を含む呼吸用マスクを提供することによって目的を達成できる。密封構造は、有効にマスク本体に接続され、使用者表面に対向して接合されて、密封された界面を形成する。前記のように、密封構造は、ゲル物質により形成される第1の部分及び第1の部分に接合された第2の部分を備え、第2の部分は、選択的に形成可能な物質を含み、第1のパターンから第2のパターンが成形され、成形された第2のパターンを保持する。
【0024】
本発明の更に他の目的は、被験者と前記注文生産可能な密封構造を用いた外部装置とを密着させる方法を提供することである。本目的は、(1)被験者表面に対向しかつ順応状態及び固定状態を選択的に形成可能な部分を有する密封構造を備える外部装置を提供して、密封界面を形成する工程と、(2)密封構造の形成可能な部分を順応状態で配置する工程と、(3)密封構造の形成可能な部分を順応状態で被験者表面に当接させて、形成可能な部分を密封構造の下の被験者の外形部と一般に整合する形状にする工程と、及び(4)形成可能な部分が固化状態となり、密封構造の下の被験者の外形部に一般に整合する形状を保持する工程とを含む方法を提供することにより達成される。
【0025】
本発明の前記目的及び他の目的、特徴及び特性、構造の関連要素の操作法及び機能、部品の組合せ並びに製造経済性は、参照符号により各図の対応する部分を示す添付図面に関する以下の説明、請求の範囲及び本明細書の全構成部分により明らかとなる。しかしながら、図面は図解及び説明の目的に過ぎず、本発明の範囲を制限するものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1〜図4に示すように、本発明の第1の実施の形態では、呼吸用マスク10は、ほぼ環状表面16を形成する開口側14を有する殻又は本体12を備え、環状表面16には密封材18が気密に固着される。図示の実施の形態では、後述のように、顔の密封材18は、可撓性及び弾性を有するユニット部材であり、マスク本体12は、通常、剛性のある殻構造が好ましくが必ずしも殻構造にする必要はない。
【0027】
図示の実施の形態では、マスク本体12は、例えばマスク内の空洞部と外部ガス供給源との間で呼吸ガス流体を搬送する流体連結装置を構成する回転継手21が取り付けられる開口部20を備える。本発明では、マスク10により形成される空洞部に対して進退する流体を絶えず又は選択的に開口部20を通じて送る様々な流体連結装置を取付けることができる。図示の実施の形態では、開口部20及び介在継手21は、点線により表されるダクト22を通じてマスク10と、例えばブロワ又は他の適当な装置であるガス供給源24とを接続し、加圧呼吸ガスをマスク10に供給して、使用者26へのガスを管理することができる。
【0028】
図示のマスクは、使用者の顔の鼻の周囲に当接させる鼻マスクである。しかしながら、本発明は、使用者の口及び鼻の両方又は顔の全面に当接させ、被験者の実質的に顔の全範囲に当接する全面面体(フルフェイス)又は口/鼻のマスクでもよいことは理解されよう。従来のように、マスク本体12は、使用者の顔にマスクを保持する適当な調節可能な保持緊締手段(図示せず)に接続する締付装置、例えばタブ25等を備えることが好ましい。図1〜図4に示すこの種の3つの保持装置は、マスク10のほぼ角部に配置されるが、本発明の原理から逸脱せずに他の構造、配置、数及び位置の締付装置を使用できることは理解できよう。本発明のマスク10は、密封材18、マスク本体12、ダクト21又はこれらの構成部品間の接合部に設けられかつ使用者から吐出したガスを大気に排出する1又は2以上の図示しない排気ポート又は他の排気機構を備えている。
【0029】
図示の実施の形態では、密封材18は、固体ではあるが、高弾力及び自己持続圧縮性を有するほぼ環状の弾性部材27を備え、弾性部材27は、弾性部材27が取り付けられるマスク本体12の表面16に実質的に整合するように形成されるほぼ環状のベース又は内端30を有する周壁部28を備えている。更に、周壁部28は、内端30の反対側に外端部32を備える。外端部32は、使用者の顔に対向して密着する環状の外形を有する密封表面34を形成する。本願明細書で完全に後述するように、図示の実施の形態では、密封表面34の外形は、厳密に使用者の顔の構造、特に鼻梁、鼻に隣接する頬、鼻と上唇との中間の隙間及びこれらに隣接する範囲の表面形状に近似する。密封面34の多種多様の外形が用意され、使用者は最も正確に顔面形状に整合する形状の密封材を選択し、その結果、本発明の密封材及びマスクは、前記の微視的注文生産される特徴を提供する。
【0030】
密封材が取り付けられたマスクの型式により、密封面34の外形が代替構造を有することは理解されよう。例えば全面面体(フルフェイスマスク)(図示せず)では、密封面34が、鼻と上唇との中間の領域の代わりに使用者の下顎に適合する外形を有する。いずれにせよ、使用者の顔の構造、特に鼻梁の変化では、例えば、ありそうな複数種の顔の外形に整合する密封材の適応性が必要である。様々な密封面34の異なる外形を形成できるが、密封面34の限定数の異なる外形を提供することは単に実用面から密封材18の効果的な大量生産を容易にする。
【0031】
図3及び図4に示す本発明による実施の形態では、環状の弾性部材27の全体は、人の脂肪組織にほぼ等しい弾力性又はばね特性を有する例えば粘弾性ポリウレタン重合体等のゲル物質で形成される。より具体的には、密封材18は、非常に柔らかい弾性材料の弾力性に用いられるショア00スケールをデュロメータで測定することが好ましく、弾力性は約10又はそれより柔らかく、最も好ましくは約0である。この種の弾力性は、デュロメータでショア00スケールの0を読み込み、実質的に人の脂肪組織と一致する。図1〜図4に示す密封材18の実施の形態では、密封材18のデュロメータ測定値は、環状の弾性部材27及び後述の保護カバー(カバーの薄さ及び可撓性のため、デュロメータ測定値を本質的に無視できる)のデュロメータ測定値と一致する。図5に示す密封材では、環状の弾性部材27は保護カバーを備えず、顔面密封材のデュロメータ測定値は、環状部材の測定値と同じである。
【0032】
本質的に空隙を充填できる人の脂肪組織は、構造保全性がごくわずかで、自己保持性はない。従って、本質的に脂肪と同一の構造特性を有する密封材は、使用の観点から非実用的である。即ち、弾力性に関して人の脂肪組織と構造的に区別できない材料で密封材を形成する場合、重力の影響で無定形状になる傾向があり、頭部緊締紐の張力が非常に高くても、使用者の顔の外形にあまり効果的に整合しないであろう。この理由から、適正に設計された密封材は、同一にはならないが、構造上、特に全体的な弾力性が実質的に人の脂肪組織に似ていなければならない。密封材は、構造的に自己持続する測定可能なばね性の「記憶」を示し、紐の小さい頭部緊締張力でも、使用者の顔の微細構成に密封材は穏やかに当接し、顔との当接が解除されると、重力効果に逆らう抵抗力で初期の形態に自己回復する。また、密封材はマスクに供給されるガスの正圧による変形に耐えなければならない。
【0033】
前記及び他の有益な特性を同時に達成するため、ショア00スケールが実質的に人の脂肪組織と区別できないゲル物質から本発明の環状の弾性部材27を形成することが好ましく、デュロメータで約20〜45のショア000スケール(このスケールは極めて柔らかい弾性材料の弾力性の測定に使用される)又は弾力性を表す。比較すると、人の脂肪組織は、デュロメータで約10のショア000スケールを示す。
【0034】
従来の成形技術で環状の弾性部材27を形成できる。例えば、所望の最終生成物の特性を達成するのに必要な可塑剤及び調整剤を含む液体ポリウレタン重合体は、適正に形成された注型に注入又は噴射される。重合体は、製品が所望の固体ゲル形状を達成するまで、特定の組成物及び重合体の硬化特性によって、加熱し又は加熱せずに硬化される。
【0035】
環状部材の重合体は、マスク本体12に直接確実に固着する十分な構造上の完全性がないので、密封材18は、取付構造36を有することが好ましく、本発明の一実施の形態では、形成の際、一体に環状の弾性部材27の内端30に成形される。取付構造36では、実質的に内端30に対応する形状を有する剛性環状リングを周壁部28の壁厚以下の厚さで形成することが望ましい。しかし、取付構造36は、環状の弾性部材27のゲル物質より弾力性が最小限小さい部材である。環状の弾性部材27に対する取付構造36の接着性を向上するため、取付構造36は、固定装置38を含むことが望ましい。図示の実施の形態では、固定装置は、開口部を設けた取付構造36を有する離間した構成体又はそれに類似した構造であり、環状の弾性部材27を形成する際に、周囲又は内部で流動性の重合体が流動し最終的に硬化する。しかしながら、取付構造36の様々な技術が考えられ、例えばネジ、小釘、接着剤又はさねはぎの組合せの何れかの連結技術を用いて密封材18をマスク本体12に固定する。
【0036】
図示の実施の形態では、環状の弾性部材27を形成する際に、周壁部28に環状の弾性部材27を形成し外端部32の方向へ内端30から伸びる複数の必要不可欠な突起42を形成することが好ましい。この種の部材が使用者の顔と接触するとき、突起42は、環状の弾性部材27に対して構造上補助し、環状の弾性部材27の均一圧縮を促進する。本発明による実施の形態では、周壁部に左右対称に突起を配置し、数及び位置が固定機構38と一致することが好ましい。図3に示すように、5つの固定手段38に対応する5つの突起42の構造が好ましい。しかし、ボス42の数及び位置は、形成すべき所望の構造上の特性に従い変化することは理解されよう。
【0037】
前記のように、密封材18の一実施の形態では、環状の弾性部材27が保護カバー40で被覆される。保護カバー40は、環状の弾性部材27に不利な条件が増えるが、密封材18の清掃を容易にする。保護カバー40は、物理的な基準を満たさなければならない。なかでも、(1)断裂及び穴が形成されることを防止し、(2)外形の変更又は変形せずに環状の弾性部材27に確実に整合し、(3)化学的に環状の弾性部材27と互換性があり、(4)生物学的適合性があり、使用者の皮膚に刺激がなく、及び(5)十分に薄く、その存在が顔面密封材18のデュロメータで無視してよい程の影響を有する弾力性である。この点に関し、本発明の例示的な実施の形態では、カバー40は、薄い(約2〜10mmの厚さ)可撓性のプラスチックフィルムである。比較的に安価なウレタンは、この種の材料が本発明の目的に合致すると共に、容易に環状の弾性部材27の面に適合しこの特定の目的に好ましいと考える。
【0038】
何れかの適当なプロセスで環状の弾性部材27に保護カバー40を適用できる。例えば、噴射又は浸漬して液体ウレタンを硬化させる。しかしながら、制御可能な及び均一な厚さの皮膜にウレタンを予め形成し、その後、従来技術による真空形成によって、環状の弾性部材27を形成することが好ましい。
【0039】
密封材18を完全に組み立てる際に、本発明の一実施の形態では、顔面密封材の内端30及び/又はマスク本体12の環状の台座面16を適当な接着剤で被覆してマスク本体12に取り付け、台座面16を有する支台へ内端30を押圧し、その後接着剤を硬化させる。
【0040】
図5は、本発明による密封材118の更なる好適な実施の形態を示す。密封材118は、環状の弾性部材27の外面上に保護カバーがない点で本質的に密封材18と異なる。他の全ての関連する材料では、密封材118は、密封材18と実質的に同様に構成され作用する。
【0041】
本発明の好適な実施の形態で製造する際に、環状の弾性部材27の露出面は粘着力がある。このように、環状の弾性部材27の輪郭を示す密封面34の固有の粘着性は、使用者の顔に対し密封材の密着力を高めるため有効である。それに対し、粘着性を望まない場合、粉状タルク、シリコーン又は類似する生物学的適合性の材料によるコーティングで密封材118の環状の弾性部材27の面を被覆する。
【0042】
密封材18及び118の環状密封材部材27の周壁部28の壁厚は、突起42を除外して、好ましくは約5.1〜7.6mm(約0.2〜0.3インチ)の範囲である。密封材18及び118の重量は、使用するマスク本体12の大きさに依存し、臨床検査で本発明により製造されたマスクを着用した被験者に事実上無視できる重量の28〜56g(約1〜2オンス)の範囲である。その上、環状の弾性部材27を形成するゲル物質の脂肪に似た弾力性は、顔面密封材が使用者の顔と接触するとき、着用者に比較的冷たく自然な感覚を与える。また、人の脂肪組織によく似たゲル物質は、密封材18及び118で効果的に隙間を充填し、使用者の顔の微細構成を成形して、マスクに供給されるガスの漏洩を最小限に抑える。従って、密封材18及び118は前記のように微視的注文生産の有益な態様を提供する。実際に、実験では、本発明による呼吸用マスクに取り付けた顔面密封材は、実質的に現在の公知技術のマスク未満の値である1.4kg(3ポンド)又はそれ以下の頭部緊締紐張力で、最小のガス漏洩を示した。本願明細書で示す顔面密封材は、不快感がほとんどなく、使用者が長い期間呼吸用マスクを着用できる。この現象は、長い期間、呼吸用マスクを着用しなければならない使用者、例えば呼吸治療を受けている被験者にとって特に重要である。そのような使用者個人にとって、顔の密封材18,118による快適性のため、呼吸治療に従って治療の利点が増え、治療がより完全に実現される。
【0043】
前記実施の形態に代わって、本発明による呼吸用マスクは、マスク本体に連結される分離した密封材としてよりむしろ、一体成形の部材として形成される。この場合、呼吸用マスクは、マスク本体に対応するマスクの部分から顔面密封材に対応する部分の方向に、デュロメータで柔らかい物質から次第に形成されたユニット部材として加工される。前記ゲル物質を含み、かつ前記弾力特性を有する最も柔らかい材料は、密封材又は環状の弾性部材27の顔−接触部分を構成する。
【0044】
本発明の更に別の実施の形態では、デュロメータで密封面34の方向に徐々により柔らかくなる物質により、マスク全体でなく環状の弾性部材27を形成し、前記ゲル物質を含みかつ前記弾力特性を有する最柔軟材料により、密封材又は環状の弾性部材27の顔−接触部分、即ち密封面34での密封材18の部分を構成することができる。
【0045】
本発明による密封材の更なる実施の形態を図6に示す。本実施の形態による密封材218と前記実施の形態の密封材18及び118との主な相違は、密封材218が前記ゲル物質により形成される第1の部分50と、選択的に形成可能な物質により形成される第2の部分52とを備え、密封材218の一般的な形状を注文生産でき、密封材218を被験者により快適に当接させる点にある。図6に示すマスクの他の部分は、前記実施の形態の対応部分と同一である。
【0046】
密封材218の第2の部分52の選択的に形成可能な物質は、順応状態で配置され、第1のパターンから第2のパターンに成形される。また、形成可能な物質は固化状態となり、成形後に第2のパターンを保持する。図6では、第2の部分52が被験者の外形に整合させる成形前の最初の第1のパターン、即ち第1の部分50と第2の部分52との境界面54を点線で示す。一方、点線56は、第2の部分52が第2のパターンに成形され、被験者の外形に整合した第1の部分50と第2の部分52との境界面を表す。図6の実施の形態では、第2の部分52は、第2のパターンに成形されると、成形された結果として密封材の上下で、第1の部分50と第2の部分52との間の境界面54,56と内端30との距離が減少した。このことは、例えば鼻梁及びあごが突出するため生じる。
【0047】
本発明の例示的な実施の形態では、密封材218の第2の部分52の形成可能な物質は、特定のレベルまで加熱して、固化状態から順応状態へ移行する熱活性を示す。また、特定のレベルに冷却されると、順応状態から固化状態へ移行する。本発明の実施の形態では、第2の部分52を形成する形成可能な物質は、前記ゲル物質及び硬化剤、例えばエチル酢酸ビニルの組合せである。混合比の範囲は、第2の部分52に様々な剛性を付与できるが、本発明の好適な実施の形態では、第2の部分は、約60%のゲル物質及び40%の硬化剤の均一な混合物である。
【0048】
本発明の実施の形態は、例えば図6で示すマスクのように、例えば被験者の鼻の周囲又は鼻及び口の周囲等の被験者の部分に外部の装置を調和させる注文生産可能な密封材を提供する。即ち、密封材218の第2の部分52として形成可能な物質を提供することによって、密封材を巨視的に注文生産して、被験者の一般的な外面形状、例えばマスクを着用した被験者の顔の部分の基礎となる骨構造に整合させる。更に、ゲルが被験者の顔の外形の特徴に容易に適合する微視的注文生産の有益な効果を生じて、使用者の特定の特徴にゲルを整合させて形成する必要がないため、図1〜図5に示す前記ゲル物質である密封材218の第1の部分50は、微視的注文生産の不利益を受けない。代わりに、密封材が使用者に当接されると、ゲルの粘稠度によって、第1の部分は使用者の表面の隙間を充填する。このように、単一の密封材218は、微視的注文生産及び巨視的注文生産の利点がある。
【0049】
更に、第2の部分52の形成可能な物質は、必要に応じて、形成可能な物質を単に順応状態に再び変化させるだけで再形成される。前記実施の形態では、第2の部分を再加熱することにより実行される。このように、例えば、密封材の前の注文生産が被験者にとって不十分な場合、密封材218は再注文生産される。また更に、時間がかかり一般に永久的な前記微視的注文生産法を実行せずに、第1の部分50のゲル物質が微視的注文生産の効果を生じ、第2の部分が注文生産されて、被験者の一般的な外面形状に整合される、第1の部分50及び第2の部分52が共通に形成された密封材は、多種多様な被験者の用途に適応し、製造プロセスの効率を最大化する。この特徴によって、広範囲に異なる物理的特徴を有する一群の被験者から各被験者に適する密封材を提供するのに利用しなければならない種々の異なる形状及び大きさの密封材在庫品の品種数を最小限に抑えることができる。
【0050】
被験者の顔の特徴にほぼ整合させて密封材218を注文生産する方法は、使用者に整合する密封材を最初に選定する。例えば、密封材218の大きさは、通常、密封材で覆う使用者の大きさの範囲と合致しなければならない。例えば、使用者が利用できる様々な大きさの密封材218を形成してこれを達成できる。適切な大きさの密封材を選定した後、密封材218の形成可能な部分を順応状態に変化させる。本発明の好適な実施の形態では、少なくとも密封材218の第2の部分52を十分な温度に加熱し、熱活性の材料(硬化剤)を活性化させて、順応状態に変化させる。
【0051】
密封材の第2の部分を加熱する工程を様々な方法で実行できる。本発明の好適な実施の形態では、例えば熱湯等の加熱された液体中に十分な時間密封材218を浸漬し、第2の部分52を順応状態に変化させる。通常、4分又はそれ以上で十分である。また、例えばオーブン、電子レンジを使用して、又は、熱源を密封材に当てて第2の部分を加熱することができる。
【0052】
形成可能な部分が順応状態に変化する十分な程度に密封材が加熱された後、密封材218の露出部分、好ましくは、被験者接触部32は冷却され、被験者の組織に相当な不快感又は損害を与えずに密封材を人に適用できる。例えば、加熱された液体から密封材を取り出し、大気中又は例えば冷蔵庫等の冷却室内で冷却して冷却が行われる。しかしながら、好適な実施の形態では、密封材を短時間の間、通常、熱湯に配置する時間より短い時間、密封材が順応状態に変化する温度より低い温度の液体、例えば水で急冷することにより冷却が行われる。
【0053】
密封材の比較的高い熱抵抗は、外部の短時間の冷却、例えば急冷によって、第2の部分の可撓性に大きな影響を与えることを防止する。即ち、冷却過程の冷却の程度は、密封材の形成可能な部分を十分に変化させる必要はなく、又は、熱を保持する密封材内部の性能及び比較的短い急冷時間により固化状態に変化し始める温度である。急冷は密封材の全てに行われるか、又は好ましくは使用者と接触する末端面32に制限される。急冷時間は、被験者の熱感度に依存して被験者によって変化させる。身体の各部に熱感度が高い部分と低い部分があるので、密封材を当接する身体の位置に依存して急冷時間を変化させる。
【0054】
使用者が耐えられる温度まで密封材の外部の温度が低下すると、使用者の表面に密封材を当接し又は使用者の表面を密封材に当接させる。使用者に対して手で密封材を保持し又は密封材がマスク部分の場合には使用者にマスクを締め付けて密封材の当接を行う。十分な力を密封材に加えて密封材の下にある被験者の外形部に第2の部分52をほぼ整合する形状に変形することが好ましい。使用者に密封材を当接すると共に、密封材の第2の部分を冷却するので、順応状態から固化状態へ第2の部分が変化し、その結果、密封材の下にある使用者の外部輪郭にほぼ整合する形状に保持される。図6は、前記の注文生産法による第2の部分52の形状56の例を点線で示す。このように、密封材の形成可能な第2の部分は、巨視的注文生産を可能にするので、密封材は、使用者の一般的な外面形状により正確に整合し、圧力点が減少するため、密封材を固着した外部装置の快適性を増進することができる。
【0055】
順応状態で密封材を配置する前記工程は、密封材を使用者の上に配置して、使用者の一般的な外面形状に対応するパターンを型どりする工程と、密封材の作り直しに必要なだけ新規なパターンを反復して形成した後、密封材を固化状態にする工程とを含む。このように、本発明は、使用者の表面構造に密封材形状を整合させるより高度な適応性を備える。適当な洗浄及び/又は殺菌を当然に行ない、反復可能な注文生産により、異なる被験者に同じ密封材を使用することができる。また、被験者の全体的な顔の外形が変化しても、同じ密封材を同じ被験者に使用できる。
【0056】
図6に示す密封材218の実施の形態では、第1の部分50及び第2の部分52は、一般に平坦な境界面54により形成された2つの部分の接合部で互いに一体化される。例えば、密封材218に対応する形状の成形型に第1の部分50を形成するゲル物質を供給し、その後、第1の部分の頂部上の成形型に第2の部分52を形成する形成可能な物質を供給する。型成形工程は2層を共に溶融して実行され又は製造工程は、例えば接着剤の接着機構により互いに2層を貼着する工程を含んでもよい。
【0057】
図6は、第1の部分50と第2の部分52との間の実質的に平坦な境界面を示すが、第1の部分50と第2の部分52との境界面は平坦である必要がないと思われる。これに対して、密封材によって、要求する構造上の特徴に従い、第1の部分50と第2の部分52との境界面を3次元で変化させることができる。例えば、図7は第1の部分50aと第2の部分52aとの境界面62が範囲64にわたって全般的に平坦な密封材220を示す。しかしながら、境界面62から内端30の距離は、範囲58で減少し、ゲル物質のみ含む第1の部分50aの多くは鼻梁の近くに形成される。
【0058】
図3に類似する図7は、密封材220の露出表面を保護して被覆する薄い膜66を示す。図7の膜66は、第1の部分50a及び第2の部分52aの両方の上に被覆される。しかしながら、膜66は、前記部分の単に1箇所又は使用者が要求する特性に依存して密封材の選択された範囲にわたり形成される。
【0059】
図6は、第1の部分50と第2の部分52との間に比較的明白な区切りを示すが、境界部分の明白な区切りは必要ではないと理解される。これに対し、密封材218は、内端30から外端部32の方向に、硬化剤に対するゲルの混合比が徐々に変化するように構成及び配置される。例えば、本発明による一実施の形態では、内端30から外端部32の方向へ硬化剤に対するゲルの混合比が増加し、実質的に100%のゲル物質である密封材218の第1の部分50は、外端部32に配置され、内端30直近の第2の部分52から第1の部分50まで特に変化しない。
【0060】
硬化剤に対するゲルの混合比が内端30から外端部32の方向に徐々に変化する密封材は、例えば、特定の混合比の前記ゲル物質と硬化剤とを組合せた形成可能な物質で完全に注型を充填して形成される。遠心分離機に注型を配置し、より重い硬化剤が内端30方向へ引張られて、層の分散又はより正確には内端30から外端部32の混合比が変化する構造が形成される。遠心分離機の時間経過及び/又は速度に基づいて、内端30から外端32の方向への混合比の変化が制御される。
【0061】
また、本発明では混合比は3次元で変化する。例えば、硬化剤に対するゲルの混合比は、外面70より内面68に近づくと小さくなるか又はその逆でもよい。また、密封材218の一方の部分から他方の部分への混合比の変化率は、一定、即ち直線的である必要はない。それよりも、混合比の変化率は、密封材218の所望の特徴に従い変化することもできる。更に、密封材の混合比が変化する範囲の物理的配置を使用者の要求に従い変化させることができる。
【0062】
例えば、図7の範囲58として識別される鼻梁に対応する密封材の第2の部分52aは、硬化剤に対するゲルの混合比が第2の部分の全体で2:1に混合され、その後、ゲル物質のみを有する第1の部分に急に変化する。しかしながら、密封材のもう一方の部分、例えば、鼻及び口の各両側の間に伸びる部分72で、第2の部分の混合比は、内端30で約40%のゲル物質及び60%の硬化剤から、第1の部分50aと第2の部分52aとの接合部で、約60%のゲル物質及び40%の硬化剤までの範囲にすることができる。第1の部分50a、即ち境界面62から外端部32を通じて、密封材の組成物は、どの箇所でも実質的に100%のゲル物質である。要するに、本発明では、混合比、混合比の変化率及び混合比の配置は、密封材が前記微視的注文生産及び巨視的注文生産作用を生ずる限り、密封材の全体にわたって3次元で変化させることができる。
【0063】
更に、本発明では、密封材を形成する第1の部分50及び/又は第2の部分52を多層に形成してもよい。例えば、本発明の図示しない実施の形態では、形成可能な物質の第1の層(第2の部分52)は、ゲル物質の第2の層(第1の部分50)に続く内端30に又はその近くに配置される。形成可能な物質の第3の層(第2の部分52)を第2の層上に配置し、ゲル物質の第4の層(第1の部分50)を第3の層上に配置して、外端部32を形成する。
【0064】
図8は、第1の部分50b及び選択的に形成可能な第2の部分52bを有する密封材222の他の実施の形態を示す。本実施の形態では、第1の部分50bを構成するゲル物質の内側に第2の部分52bを配置し、第2の部分52bと内面68との間及び第2の部分52bと外部面70との間に硬化剤を含まないゲル物質を形成する。この実施の形態では、型成形工程で第2の部分52bが第1の部分50b内に埋設する製造工程を単純化し、互いに隣接する異なる物質の多重層を形成する困難な工程を製造工程から排除する。更に、第2の部分52bの差込形状を容易に制御して、形成可能な部分の形状である第2の部分52bの決定法を単純化することができる。更に、第1の部分50bへの挿入物として第2の部分52bを設けることにより、表面積を最大にし、2部分間の接触領域の間で接着強度を増加することができる。
【0065】
再び、図6を参照して、図1〜図5に示す実施の形態と同様に、本発明の好適な実施の形態では、取付構造36は固定装置38を含み、外部部材に対して、例えば密封材218、220又は222のように密封材を接続する。図示の実施の形態では、外部部材はマスク本体12である。しかしながら、例えばマスク本体等の外部部材に本発明での密封材18、118、218、220及び222を半永久的に固着する必要はない。全く反対に、密封材と外部部材との本質的な即ち半永久的な連結を行わずに、本発明による密封材を外部部材に連結してもよい。例えば、図9に示す本発明の実施の形態では、密封材318は、従来の何れかの呼吸用マスクであるマスク82の露出表面80に適用される環状の弾性部材27であり、マスク本体84及びクッション86を備える。密封材318は前記密封材の特徴を有する。
【0066】
本発明による実施の形態では、図9の密封材318の露出表面は粘着性があり、密封材固有の粘着性は、クッション86の露出表面80及び使用者に対し、密封材を容易に連結できる。しかしながら、本発明では、例えば膜66のような膜、粉状タルク、シリコーン又は類似した生物学的適合性の材料でコーティングして少なくとも密封材318の一部を形成してもよい。必要に応じて、マスク又は被験者に密封材318を密着する適当な接着剤を使用して、取付構造を補強し又は形成することができる。
【0067】
図10及び図11は、本発明の密封材を注文生産して、使用者の一般的な特徴に整合させる方法の更なる実施の形態の工程を示す。本実施の形態では、保持部材80を密封材218付近に設けて、第1のパターンから第2のパターンに第2の部分52が形状を変化する過程中に密封材の移動を防ぐことができる。図10及び図11に密封材218を図示するが、連結工程の段階で、保持部材の使用はこの密封材に制限されない。一方、第1のパターンから第2のパターンに成形される部分を有する密封材と共に、保持部材80を使用することができ、密封材220又は222のように、被験者に適用される状態での密封材形状の保持を促進し、被験者の物理的な特徴に注文生産する。また、本発明は前記タイプの完成した密封材で保持部材を使用して、使用中の密封材の支持強化、即ち、密封材の剛性を増大させる。
【0068】
図10及び図11に示す実施の形態では、密封材218の加熱前又は密封材218の第2の部分52が十分なレベルに加熱された後の何れかに密封材218付近に保持部材80を形成し、固化状態から順応状態へ第2の部分を変化させる。密封材218の周囲の外面70付近に配置した保持部材80は、密封材218の外部の膨張を最小限に抑えるので、使用者に対し密封材を圧縮する動きは、密封材を平坦にする傾向がないが、第2の部分52の性能を高め、被験者の全体的な形状に型取り成形する。
【0069】
注文生産工程、又は密封材の使用中に、使用者がどのように密封材の保持を希望するかによって、様々な位置又は複数の位置で保持部材を形成することができる。例えば、内面68及び/又は外面70の直近位置に保持部材を形成することができる。保持部材の末端表面70を図示する図10の破線82で示すように、保持部材は、保持のパターンによって様々な形状を有する。更に、保持部材80を環状部材に形成する必要はないが、その一部でもよく、マスク本体12に取り付け可能であり、例えば所望の保持機能を有する。
【0070】
好適な本実施の形態の密封材、特に、注文生産可能な密封材は、外部部材として呼吸用顔マスクの使用について先に検討したが、本発明による密封材の多種多様な他の用途があることが理解されよう。例えば、本発明では、使用者の目を保護するため着用されるマスク、例えば泳ぎ手が着用するゴーグルに前記特徴を有する密封材を使用できる。また、本発明では、イヤホン又は使用者の耳を囲む何れかの装置に外部部材を適用できる。また、外部部材は使用者と頭部装着物及び/若しくはヘルメットとの間、又はヘルメットストラップとの間の快適な並びに注文生産可能な界面を供給する密封材を有する頭部装着物又はヘルメットでもよい。更に、外部部材は、衣服、例えば手袋の袖口に用いる密封材を有する手袋又はブーツでもよく、使用者の手首、手又は腕に密封材を用いる。また、本発明では外部部材は、使用者が着用する例えばショルダパッド、又はギブス包帯若しくは固定器のような医療用の保護製品でもよい。更に、本発明では、密封材、特により大きい外部装置、例えば椅子又はベッドと関連する注文生産可能な密封材や、例えば座席クッション又は靴の中敷きとして供給する密封材を形成できる。
【0071】
本発明では、略示する環状部材に密封材を形成する必要はない。却って、用途に応じて様々な形状に密封材を形成できる。例えば、本発明では、例えばストック及び/又はバット等の小火器の様々な位置に密封材を形成でき、快適な及び注文生産可能な界面を使用者に提供する。オフィスで密封材は、例えば、電話の受話器、キーボード用リストサポート/睡眠枕、マウス、及び書込用具のグリップでさえ使用でき、快適な及び注文生産可能な界面を使用者に提供する。本発明の密封材は、医療用機器の多種多様な用途を有する。例えば、聴診器のイヤホンに密封材を用いれ、この場合、注文生産可能な密封材には特に有利であり、イヤホンが調整されて各個人の使用者の耳に適合する。
【0072】
更に、本発明の前記実施の形態の変更例が本発明の密封材の起こり得る全用途のリストを意味しない。一般に、本発明の密封材は、使用者と外部装置との界面のある全状況で使用される。用語「密封材」は被験者と外部装置との間のあらゆる界面を包含する点に留意すべきである。用語「密封材」を狭義に解釈してはならず、例えば、単に密封材によって、外部からの物質、例えば水又はガスが使用者に達することを防ぐ状況を含み、例えば、水密封材又は気密封材も含む。使用者への物質の到達を密封材により防止するのは、本発明による全実施の形態で必要ではない。例えば、受話器のイヤホンとして本発明の密封材を使用する場合、受信機と使用者との界面は気密性又は防水性の密封材である必要はない。本発明の密封材は使用者と外部装置、例えば受話器との間の保護され及び注文生産可能な界面を提供することが必要不可欠である。
【0073】
単に説明の目的でのみ本発明の実施の形態を詳述したが、特許請求の範囲により制限される場合を除き、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、当業者による本発明の実施の形態に種々の変更を加えられることは理解できよう。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明による密封材の一実施の形態を示す呼吸用マスクの正面図
【図2】略示する呼吸ガス供給源に連通する呼吸用マスクと使用者の顔とを密着する図1の呼吸用マスクの側面図
【図3】図1のIII-III線に沿う呼吸用マスクの断面図
【図4】図2のIV-IV線に沿う呼吸用マスクの断面図
【図5】図3と同様に、本発明の他の実施の形態による密封材を示す呼吸用マスクの断面図
【図6】図3と同様に、本発明による更なる実施の形態の密封材を示す呼吸用マスクの断面図
【図7】本発明の他の実施の形態による密封材の断面図
【図8】本発明の他の実施の形態による密封材の断面図
【図9】本発明による他の実施の形態の呼吸用マスク及び密封材の分解図
【図10】図3同様に、本発明による更なる実施の形態で被験者に対する密封材を注文生産する保持部材を示す呼吸用マスクの断面図
【図11】図9に示す呼吸用マスク及び保持部材の正面図
【符号の説明】
【0075】
10・・マスク、 12・・本体、 16・・環状部材、 18,118,218,220・・密封材、 21・・継手、 24・・ガス供給源、 26・・被験者、 28・・周壁部、 30・・内端、 40・・カバー、 42・・突起、 50・・第1の部分、 52・・第2の部分、 80・・保持部材、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の表面に接触する界面を有する密封材において、
ゲル物質により形成される第1の部分と、
第1の部分に連結される第2の部分とを備え、
第2の部分は、第2の部分に圧縮力を作用させて第1のパターンから第2のパターンに成形できると共に、圧縮力を除去した後でも成形された第2のパターンを保持する選択的に形成可能な物質を含むことを特徴とする密封材。
【請求項2】
選択的に形成可能な物質は、ゲル物質及び硬化剤の組合せである請求項1に記載の密封材。
【請求項3】
硬化剤は、エチル酢酸ビニルである請求項2に記載の密封材。
【請求項4】
ゲル物質及び硬化剤の組合せは、約60%のゲル物質及び40%の硬化剤の均一な混合物である請求項2に記載の密封材。
【請求項5】
硬化剤に対するゲル物質の混合比は、密封材の一方の部分から他方の部分に徐々に変化し、第1の部分が密封材表面に配置される請求項2に記載の密封材。
【請求項6】
ゲル物質は、約10未満のショア00デュロメータで規定される弾力性を有する請求項1に記載の密封材。
【請求項7】
ゲル物質は、約20〜45のショア000デュロメータで規定される弾力性を有する請求項1に記載の密封材。
【請求項8】
第1のパターンは、第1の部分と第2の部分との間の略平坦な界面である請求項1に記載の密封材。
【請求項9】
第1の部分に隣接するサイドと反対のサイドの第2の部分に連結され、かつ第2の部分を外部部材に固着させる接続機構を備える請求項1に記載の密封材。
【請求項10】
第1の部分及び第2の部分の少なくとも一方の露出部分を被覆する保護カバーを更に備える請求項1に記載の密封材。
【請求項11】
第2の部分は、第1の部分と実質的に一体化され、ユニット部材として密封材を形成する請求項1に記載の密封材。
【請求項12】
第1の開口部及び第2の開口部を備えるマスク本体と、
第1の開口部でマスク本体と作動接続されかつ使用者の表面に対向して結合し密封材界面を形成する密封材とを備え、
密封材は、
ゲル物質により形成される第1の部分と、
第1の部分に実質的に一体に連結される第2の部分とを備え、
第2の部分は、第2の部分に圧縮力を作用させて第1のパターンから第2のパターンに成形できると共に、圧縮力を除去した後でも成形された第2のパターンを保持する選択的に形成可能な物質を含むことを特徴とする呼吸用マスク。
【請求項13】
選択的に形成可能な物質は、ゲル物質及び硬化剤の組合せである請求項12に記載の呼吸用マスク。
【請求項14】
硬化剤は、エチル酢酸ビニルである請求項13に記載の呼吸用マスク。
【請求項15】
ゲル物質及び硬化剤の組合せは、約60%のゲル物質及び40%の硬化剤の均一な混合物である請求項13に記載の呼吸用マスク。
【請求項16】
硬化剤に対するゲル物質の混合比は、密封材の一方の部分から他方の部分に徐々に変化し、第1の部分が密封材表面に配置される請求項13に記載の呼吸用マスク。
【請求項17】
ゲル物質は、約10未満のショア00デュロメータで規定された弾力性を有する請求項12に記載の呼吸用マスク。
【請求項18】
ゲル物質は、約20〜45のショア000デュロメータで規定される弾力性を有する請求項12に記載の呼吸用マスク。
【請求項19】
第1のパターンは、第1の部分と第2の部分との間の略平坦な界面である請求項12に記載の呼吸用マスク。
【請求項20】
第1の部分及び第2の部分の少なくとも一方の露出部分を被覆する保護カバーを更に備える請求項12に記載の呼吸用マスク。
【請求項21】
第2の部分は、第1の部分と実質的に一体化され、ユニット部材として密封材を形成する請求項12に記載の呼吸用マスク。
【請求項22】
第2の開口部は、第1の開口部にほぼ対向し、マスク本体と外部部材との間を相互接続する請求項12に記載の呼吸用マスク。
【請求項23】
被験者に接続される外部装置を準備する工程と、
外部装置に作動接続される第1の表面と、被験者の外面に対向して取り付けられて被験者との界面を形成する第2の表面とを備えかつ選択的に形成可能な部分を含む密封材を準備する工程と、
第1のパターンを有する密封材の形成可能な部分に圧縮力を加えて被験者の外面に密封材を当接させて、被験者の外形部にほぼ整合する第2のパターンに形成可能な部分を形成する工程とを含み、
選択的に形成可能な部分は、ゲル物質と、選択的に形成可能な硬化剤との組合せを含み、形成可能な部分から圧縮力を除去した後に形成された第2のパターンを保持することを特徴とする密封材形成法。
【請求項24】
密封材は、選択的に形成可能な部分に対して実質的に一体に連結されるゲル物質により形成される第1の部分を備え、
被験者に対して外部装置を接続する際に、選択的に形成可能な部分と被験者との間に第1の部分を配置しながら、選択的に形成可能な部分に対して第1の部分を配置する請求項23に記載の密封材形成法。
【請求項25】
選択的に形成可能な硬化剤は、熱活性材料であり、熱活性材料の活性化に十分な温度まで形成可能な部分を加熱して、密封材の形成可能な部分を第1のパターンから第2のパターンに成形できる請求項24に記載の密封材形成法。
【請求項26】
密封材の形成可能な部分を加熱する工程は、加熱流体に密封材を第1の所定期間配置し、その後、第2の所定期間、密封材を急冷して流体温度を下げて、実質的に不快感のない適当な温度にある密封材の外部表面を人に接触させる請求項25に記載の密封材形成法。
【請求項27】
第1のパターンから第2のパターンに形成可能な部分を変化させると共に、被験者に対する密封材の接触状態を保持する工程を含む請求項23に記載の密封材形成法。
【請求項28】
更に、密封材の直近位置に設けた保持部材により密封材の移動を防ぐ工程を含む請求項23に記載の密封材形成法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−307408(P2007−307408A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−204643(P2007−204643)
【出願日】平成19年8月6日(2007.8.6)
【分割の表示】特願2000−573426(P2000−573426)の分割
【原出願日】平成11年9月28日(1999.9.28)
【出願人】(500053333)レスピロニクス・インコーポレイテッド (9)
【Fターム(参考)】