洋式便器に於ける便座洗浄装置
【課題】本発明は便座の表面側と裏面側の洗浄を同時に行えると共に便座の乾きを早めて完全に乾燥させることが可能なものとなり、且つ、洗浄後による便座の汚れや擦り傷などが付かず、見た目が良く、更に洗浄水や温風が人の背中に向って出る恐れもなくなる洋式便器に於ける便座洗浄装置を提供することを目的とする。
【解決手段】便器１上に便座２を持上げ可能に取付け、前面に自動開閉戸31が備えられた密閉可能な洗浄室３を便器１の後部に配置し、便座２の前部が持上げられるように回転して立設するための回動手段４を設け、立設した便座２が洗浄室３の内部に収納するための水平移動手段５を設け、且つ、便座２の両面を洗浄する洗浄手段６と、洗浄した便座２を乾燥させる乾燥手段７とを洗浄室３の内部に具備して少なくとも構成させる。
【解決手段】便器１上に便座２を持上げ可能に取付け、前面に自動開閉戸31が備えられた密閉可能な洗浄室３を便器１の後部に配置し、便座２の前部が持上げられるように回転して立設するための回動手段４を設け、立設した便座２が洗浄室３の内部に収納するための水平移動手段５を設け、且つ、便座２の両面を洗浄する洗浄手段６と、洗浄した便座２を乾燥させる乾燥手段７とを洗浄室３の内部に具備して少なくとも構成させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は使用後の便座を自動的に洗浄して乾燥させるための洋式便器に於ける便座洗浄装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、洋式便器の便座洗浄装置に於いて、便座表面を一気に洗浄した後、乾燥させるものや、便座を持上げて立設した状態で且つ密閉状態で洗浄液を噴射し、蒸気又はエアを噴射して乾燥させるものなど多くの提案がなされている。特に簡単な構造で且つ小型化したものとして、特開平３−２４４４１９号や特開昭６３−９７１２４号がある。特開平３−２４４４１９号の構造は、伏倒使用位置から起立待機位置までの移動自在な便座を備えた洋風便器において、起立待機位置側に、待機中の便座の着座面に臨む洗浄液噴出口を設けたものである。又、特開昭６３−９７１２４号の構造は、便器の後部領域に鉛直に配置されその前面の少なくとも一部に出入用トラップドアが形成された密閉容器と、便器上に水平に載置された使用位置から密閉容器内に鉛直に配置される洗浄位置まで便座を案内し出入用トラップドアの開閉を同時に制御すべく機能する移動手段であって、連結手段によって便器の後部領域と出入用トラップドアとに連結され鉛直方向で上下に移動すべくモータ駆動されるアセンブリを内包する移動手段と、密閉容器に内蔵され洗浄水を便座に噴出すべく構成された洗浄手段と、密閉容器内で空気を循環させるように構成された乾燥手段と、モータ駆動されるアセンブリと洗浄手段と乾燥手段とのタイミング制御手段とを組み合わせて有する構造としたものである。
【０００３】
しかしながら特開平３−２４４４１９号は、便座の使用時には扉が閉じず、温風供給箱, 洗浄液用送液管,温風突出口などが正面から見えるため、見た目が良くないものであると共に、洗浄水や温風が人の背中に向って出る恐れがあった。しかも便座の表面側の洗浄しかできず、裏面側の洗浄は定期的に人手によって行わなければならなかった。
【０００４】
一方、特開昭６３−９７１２４号は、便座の後部が引上げられて密閉容器内に且つ鉛直に収納されるが、この時、便座の前部下面が便器表面を摺動するため、便座の下面が汚れていると便器表面を毎回汚れが塗布された状態となってしまう恐れがあると共に便座下面と便器表面に硬いゴミや砂状のゴミなどが付着していると、便器表面に、擦り傷やペーパーを掛けたような艶消し状の微小な傷を付ける恐れがあった。更に便座表面は毎回トラップドアの裏面に接触して擦れるため、便器表面と同様に、トラップドアの裏面に汚れが付着すると毎回汚れが便座表面に塗布された状態となってしまう恐れがあると共にトラップドアの裏面に硬いゴミや砂状のゴミなどが付着していると、便座表面には、擦り傷や艶消し状の微小な傷が付き、便器全体のイメージダウンとなる恐れがあった。又、便座が密閉容器の内部で洗浄された後に乾燥しても、便座を完全に乾燥させるためには時間が多く掛かると共に洗浄水が下方へ流れて集められるため、便座前側及びトラップドア下部に水滴が残り易く、且つ、トラップドア下部と便座表面が接触して便器にセットされるため、便座表面に水滴が残って完全な乾燥が難しいものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開平３−２４４４１９号公報
【特許文献２】特開昭６３−９７１２４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
本発明は便座の表面側と裏面側の洗浄を同時に行えると共に便座の乾きを早めて完全に乾燥させることが可能なものとなり、且つ、洗浄後による便座の汚れや擦り傷などが付かず、見た目が良く、更に洗浄水や温風が人の背中に向って出る恐れもなくなる洋式便器に於ける便座洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明は、便器上に便座を持上げ可能に取付け、前面に自動開閉戸が備えられた密閉可能な洗浄室を便器の後部に配置し、便座の前部が持上げられるように回転して立設するための回動手段を設け、立設した便座が洗浄室の内部に収納するための水平移動手段を設け、且つ、便座の両面を洗浄する洗浄手段と、洗浄した便座を乾燥させる乾燥手段とを洗浄室の内部に具備して少なくとも構成させる。また前記水平移動手段として、便座の後端と固着すると共にＬ字状に形成された支持片と、該支持片の水平部分がガイドされると共に洗浄室に固着するガイド部材と、支持片に固着してそれを所定位置まで水平移動させるためのシリンダーとから少なくとも成したものとしても良く、更に前記自動開閉戸を２枚とし、前記水平移動手段が作動する前に自動開閉戸を開くための開閉機構部として、軸支するピニオンの上下で噛合する一対のラックと、ラックの端部に自動開閉戸の端部を固定させるための連結部と、上方の連結部を水平移動させるための開閉用シリンダーとから少なくとも成すと良い。
【発明の効果】
【０００８】
請求項１のように便器（１）上に便座（２）を持上げ可能に取付け、前面に自動開閉戸（31）が備えられた密閉可能な洗浄室（３）を便器（１）の後部に配置し、便座（２）の前部が持上げられるように回転して立設するための回動手段（４）を設け、立設した便座（２）が洗浄室（３）の内部に収納するための水平移動手段（５）を設け、且つ、便座（２）の両面を洗浄する洗浄手段（６）と、洗浄した便座（２）を乾燥させる乾燥手段（７）とを洗浄室（３）の内部に具備して少なくとも構成することにより、便座（２）の表面側と裏面側の洗浄を同時に行えると共に、便座（２）表面の前側が上方に立設するので水のはけ具合が良好になり、便座（２）の乾きを早めて完全に乾燥させることが可能なものとなり、且つ、便座（２）の両面が一切摺動しないので、従来の如き洗浄後による便座（２）の汚れや擦り傷などが付かず、見た目が良く、更に洗浄手段（６）又は乾燥手段（７）が誤作動しても、便器（１）の使用中には自動開閉戸（31）が閉じられているので、洗浄水や温風が人の背中に向って出る恐れもないものとなる。
【０００９】
請求項２のように水平移動手段（５）として、便座（２）の後端と固着すると共にＬ字状に形成された支持片（51）と、該支持片（51）の水平部分がガイドされると共に洗浄室（３）に固着するガイド部材（52）と、支持片（51）に固着してそれを所定位置まで水平移動させるためのシリンダー（53）とから少なくとも成されたものとすることにより、簡単な構造で確実に洗浄室（３）へ便座（２）を収納することが出来るものとなる。
【００１０】
請求項３に示すように自動開閉戸（31）を２枚とし、且つ、水平移動手段（５）が作動する前に自動開閉戸（31）を開くための開閉機構部（８）として、軸支するピニオン（82）の上下で噛合する一対のラック（81）と、各ラック（81）の端部に各自動開閉戸（31）の端部がそれぞれに固定するための連結部（83）と、上方の連結部（83）を水平移動させるための開閉用シリンダー（84）とから少なくとも成されたものとすることにより、簡単で且つコンパクトな構造で自動開閉戸（31）の開閉が確実に行えるものとなる。また誤って洗浄水や温風が噴出しても自動開閉戸（31）によって、人の背中に直接にそれらが掛かる恐れがなくなるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【００１１】
【図１】本発明の実施形態の要部断面を示す説明図である。
【図２】本実施形態の回動手段の作用を示す説明図である。
【図３】本実施形態の開閉機構部を示す説明図である。
【図４】本実施形態の概観を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【００１２】
便座（２）の表面側と裏面側を同時に洗浄できると共に便座（２）の両面の摺動を一切なくし、便座（２）の汚れや擦り傷などが付かず、見た目を良くするという目的を、自動開閉戸（31）が備えられた密閉可能な洗浄室（３）と、便座（２）の回動手段（４）と、立設した便座（２）を洗浄室（３）に収納する水平移動手段（５）と、便座（２）の両面を洗浄する洗浄手段（６）と、それを乾燥させる乾燥手段（７）とから少なくとも構成することにより実現した。
【実施例１】
【００１３】
図１は、本発明の１実施例を示す図であり、この図面に基づいて本実施形態を説明する。（１）は洋式の一般的な便器である。（２）は便器（１）上に持上げ可能に取付けた便座であり、該便座（２）の後端は後述する回転軸（41）で貫通して固定されている。（３）は前面に自動開閉戸（31）が備えられた密閉可能な洗浄室であり、該洗浄室（３）は便器（１）の後部に配置している。前記自動開閉戸（31）が開かれた時は、立設した便座（２）が余裕を持って洗浄室（３）の内部に収納される広さが確保されている。また前記洗浄室（３）の上部には着脱可能な蓋体が設けられており、洗浄室（３）の下部には洗浄液が排出される排出口が設けられている。更に前記自動開閉戸（31）は２枚使用された横開きであり、且つその合せ位置側には防水用のゴムパッキン（3a）を取付けておくのが好ましい。尚、前記自動開閉戸（31）は横開きに限定されるものではなく、例えば、上下方向に開閉可能なものとしても良い。また前記自動開閉戸（31）の枚数は２枚に限定されるものではない。
【００１４】
（４）は便座（２）の前部が持上げられるように回転してその便座（２）を立設させるための回動手段であり、該回動手段（４）には、便座（２）の後端部を貫通固定し且つ後述する支持片（51）の上部に設けた軸受部に軸支する回転軸（41）と、その回転軸（41）の一端部に固着したウオームホイール（42）と、該ウオームホイール（42）に噛合し立設するウオーム（43）と、そのウオーム（43）を回動させる駆動モーター（44）と、カバー（45）とがある（図２参照）。この回動手段（４）は立設した便座（２）と一緒に洗浄室（３）側へ移動する。尚、前記駆動モーター（44）は図示しない制御ボックスの指令によって作動する。（５）は立設した便座（２）を洗浄室（３）の内部に収納するための水平移動手段であり、該水平移動手段（５）には、便座（２）の後部両端を軸支する軸受部が上部で固着されると共にＬ字状に形成する支持片（51）と、該支持片（51）の水平部分をガイドするガイド部材（52）と、支持片（51）に固着してそれを所定位置まで水平移動させるためのシリンダー（53）と、前記ガイド部材（52）を水平にして洗浄室（３）に固着するための取付台（54）とがある。前記ガイド部材（52）は支持片（51）の水平部分が出し入れされる鞘状の扁平筒体とし、シリンダー（53）としては、エアや油圧などでシリンダーロッドを伸縮させる機構のものであれば良い。
【００１５】
（６）は便座（２）の両面を洗浄する洗浄手段であり、該洗浄手段（６）としては、便座（２）の表面を洗浄するために便座（２）の形状に合せて略円形状に配置させた管と、便座（２）の裏面を洗浄するために便座（２）の形状よりも大きめな略円形状に配置させた管と、前記略円形状の管を上部で連結する直線状の管とから成る噴射管（61）が洗浄室（３）の内部にあり、洗浄室（３）の外部には、図示しないポンプや洗浄液タンクなどが備えられている。また前記噴射管（61）には噴射孔（62）が多数穿設されている。尚、前記噴射管（61）は直線状の管からの洗浄液で便座（２）裏面を流すようにしても良く、この場合には、大きめな略円形状の管は不要とする。（７）は洗浄した便座（２）を乾燥させる乾燥手段であり、該乾燥手段（７）としては、前記噴射孔（62）からエアを噴射させるために具備したものであり、図示しないがファンや電磁切換弁などが備えられている。尚、前記電磁切換弁は洗浄液とエアを切換えるためのものである。また前記ファンの代りにコンプレッサーから圧搾空気を噴射させるようにしても良い。又、前記洗浄手段（６）と乾燥手段（７）は、本発明者が提案した特願２００１−３１３７７０で開示した構造と略同じ構造のものを用いれば良い。
【００１６】
（８）は図３に示すように、２枚の自動開閉戸（31）が横開きするための開閉機構部であり、該開閉機構部（８）としては、軸支するピニオン（82）の上下で噛合する一対のラック（81）と、各ラック（81）の端部には各自動開閉戸（31）の上部の端部と前記ラック（81）とをそれぞれに固定させるための連結部（83）と、一方の連結部（83）を水平移動させるための開閉用シリンダー（84）とから少なくとも成されている。尚、前記開閉機構部（８）は上記構造に限定されるものではなく、前記便座（２）の出し入れに支障がないように自動開閉戸（31）が開閉できる構造のものであれば良い。（９）は洗浄室（３）の前面に設けたセンサーであり、該センサー（９）は人が便器（１）から離れたことを感知すると、図示しない制御ボックスに入力され、この制御ボックスの指令により、本発明品は作動するのである。尚、前記制御ボックスには、便座（２）の洗浄作業順序や条件等が予めプログラムとして設定され且つそのプログラムが記憶されている。
【００１７】
次に本発明の作用について説明する。先ず使用後に人が便器（１）から離れると、洗浄室（３）の前面に設けたセンサー（９）からの信号が図示しない制御ボックスに送られ、該制御ボックスから回動手段（４）へ指令が送られる。すると駆動モーター（44）が作動し、ウオーム（43）を回転させることにより、それに噛合するウオームホイール（42）が回転されると共に回転軸（41）を回転させ、更に便座（２）が回転するのである。この時、便座（２）は回転軸（41）を中心に回転し図２に示す一点鎖線の矢印や図１に示す点線の矢印のように回転して持上げ、便座（２）の前部が開き、更に持上げて実線の矢印や一点鎖線の矢印のように回転して立設する。そして駆動モーター（44）は停止する。次に前記制御ボックスからの指令が開閉機構部（８）へ送られる。
【００１８】
開閉機構部（８）へ制御ボックスからの指令が送られて来ると、先ず開閉用シリンダー（84）が作動して図３に示す白抜き矢印のように開閉用シリンダー（84）のロッドが伸長されて水平移動し、このロッドの移動に伴って左側の自動開閉戸（31）が細線矢印のように開かれるのである。この時、ピニオン（82）は噛合する上方のラック（81）によって回転され、且つ、該ピニオン（82）の回転に伴って下方のラック（81）を右側の二点鎖線の矢印のように外側へ移動させることにより、ラック（81）と共に右側の自動開閉戸（31）が細線の矢印のように開かれるのである。次に前記制御ボックスから水平移動手段（５）へ指令が送られる。すると、先ずシリンダー（53）が作動してロッドを収縮させることにより、支持片（51）が図１に示す２点鎖線の矢印のように右側へ移動すると共に便座（２）も２点鎖線の矢印のように右側へ移動して洗浄室（３）内に収納される。前記便座（２）が洗浄室（３）内に収納すると、開閉用シリンダー（84）が作動してロッドを収縮させることにより、一対の自動開閉戸（31）が閉じられる。これで便座（２）の洗浄準備が完了するのである。
【００１９】
その後、制御ボックスからの指令が送られて、洗浄手段（６）を作動させる。つまり、図示しない洗浄液タンクからポンプによって噴射管（61）へ洗浄液が供給されると共にその洗浄液が多数の噴射孔（62）から便座（２）の両面に向って噴射して洗浄作業を行う。この洗浄液は便座（２）の両面に当り、水滴となって落下する。所定時間経過すると、前記ポンプが停止されると共に図示しない電磁切換弁が洗浄液からエアに切換えられる。その後、図示しないファンが作動し、エアが噴射管（61）に供給されて、各噴射孔（62）から便座（２）の両面にエアを噴射させ、乾燥作業が開始される。この時、エアは加熱された状態で噴射されるのが好ましい。エアは所定時間を経過すると、前記ファンが停止し、便座（２）の洗浄作業と乾燥作業は完了する。尚、前記洗浄作業と乾燥作業は本発明者が提案した特願２００１−３１３７７０で開示した工程と略同じ工程で行えば良い。
【００２０】
次に制御ボックスから開閉機構部（８）へ指令が送られ、自動開閉戸（31）を開く。そして水平移動手段（５）を作動させて、便座（２）を洗浄室（３）から出し、更に回動手段（４）を作動させて、立設状態の便座（２）を便器（１）上に載置させる。その後、開閉機構部（８）を作動させ、自動開閉戸（31）を閉じることにより、全ての工程が完了し、次の便器（１）の使用を待つのである。このようにして便器（１）が使用されると、便座（２）が立設し、自動開閉戸（31）が開かれた後、便座（２）が洗浄室（３）に入れられて密閉され、その便座（２）を洗浄及び乾燥させる。次に便座（２）を洗浄室（３）から出し、元の位置に便座（２）を戻して便器（１）上に載置させることにより、使用後の便座（２）が自動的に洗浄されて常に便座（２）を清潔に保持することができ、特に公衆トイレや企業内のトイレに於いて、不特定多数の人が使用しても、使用者が清潔で安心して使用出来るものとなるのである。
【符号の説明】
【００２１】
１ 便器
２ 便座
３ 洗浄室
31 自動開閉戸
４ 回動手段
５ 水平移動手段
51 支持片
52 ガイド部材
53 シリンダー
６ 洗浄手段
７ 乾燥手段
８ 開閉機構部
81 ラック
82 ピニオン
83 連結部
84 開閉用シリンダー
【技術分野】
【０００１】
本発明は使用後の便座を自動的に洗浄して乾燥させるための洋式便器に於ける便座洗浄装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、洋式便器の便座洗浄装置に於いて、便座表面を一気に洗浄した後、乾燥させるものや、便座を持上げて立設した状態で且つ密閉状態で洗浄液を噴射し、蒸気又はエアを噴射して乾燥させるものなど多くの提案がなされている。特に簡単な構造で且つ小型化したものとして、特開平３−２４４４１９号や特開昭６３−９７１２４号がある。特開平３−２４４４１９号の構造は、伏倒使用位置から起立待機位置までの移動自在な便座を備えた洋風便器において、起立待機位置側に、待機中の便座の着座面に臨む洗浄液噴出口を設けたものである。又、特開昭６３−９７１２４号の構造は、便器の後部領域に鉛直に配置されその前面の少なくとも一部に出入用トラップドアが形成された密閉容器と、便器上に水平に載置された使用位置から密閉容器内に鉛直に配置される洗浄位置まで便座を案内し出入用トラップドアの開閉を同時に制御すべく機能する移動手段であって、連結手段によって便器の後部領域と出入用トラップドアとに連結され鉛直方向で上下に移動すべくモータ駆動されるアセンブリを内包する移動手段と、密閉容器に内蔵され洗浄水を便座に噴出すべく構成された洗浄手段と、密閉容器内で空気を循環させるように構成された乾燥手段と、モータ駆動されるアセンブリと洗浄手段と乾燥手段とのタイミング制御手段とを組み合わせて有する構造としたものである。
【０００３】
しかしながら特開平３−２４４４１９号は、便座の使用時には扉が閉じず、温風供給箱, 洗浄液用送液管,温風突出口などが正面から見えるため、見た目が良くないものであると共に、洗浄水や温風が人の背中に向って出る恐れがあった。しかも便座の表面側の洗浄しかできず、裏面側の洗浄は定期的に人手によって行わなければならなかった。
【０００４】
一方、特開昭６３−９７１２４号は、便座の後部が引上げられて密閉容器内に且つ鉛直に収納されるが、この時、便座の前部下面が便器表面を摺動するため、便座の下面が汚れていると便器表面を毎回汚れが塗布された状態となってしまう恐れがあると共に便座下面と便器表面に硬いゴミや砂状のゴミなどが付着していると、便器表面に、擦り傷やペーパーを掛けたような艶消し状の微小な傷を付ける恐れがあった。更に便座表面は毎回トラップドアの裏面に接触して擦れるため、便器表面と同様に、トラップドアの裏面に汚れが付着すると毎回汚れが便座表面に塗布された状態となってしまう恐れがあると共にトラップドアの裏面に硬いゴミや砂状のゴミなどが付着していると、便座表面には、擦り傷や艶消し状の微小な傷が付き、便器全体のイメージダウンとなる恐れがあった。又、便座が密閉容器の内部で洗浄された後に乾燥しても、便座を完全に乾燥させるためには時間が多く掛かると共に洗浄水が下方へ流れて集められるため、便座前側及びトラップドア下部に水滴が残り易く、且つ、トラップドア下部と便座表面が接触して便器にセットされるため、便座表面に水滴が残って完全な乾燥が難しいものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開平３−２４４４１９号公報
【特許文献２】特開昭６３−９７１２４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
本発明は便座の表面側と裏面側の洗浄を同時に行えると共に便座の乾きを早めて完全に乾燥させることが可能なものとなり、且つ、洗浄後による便座の汚れや擦り傷などが付かず、見た目が良く、更に洗浄水や温風が人の背中に向って出る恐れもなくなる洋式便器に於ける便座洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明は、便器上に便座を持上げ可能に取付け、前面に自動開閉戸が備えられた密閉可能な洗浄室を便器の後部に配置し、便座の前部が持上げられるように回転して立設するための回動手段を設け、立設した便座が洗浄室の内部に収納するための水平移動手段を設け、且つ、便座の両面を洗浄する洗浄手段と、洗浄した便座を乾燥させる乾燥手段とを洗浄室の内部に具備して少なくとも構成させる。また前記水平移動手段として、便座の後端と固着すると共にＬ字状に形成された支持片と、該支持片の水平部分がガイドされると共に洗浄室に固着するガイド部材と、支持片に固着してそれを所定位置まで水平移動させるためのシリンダーとから少なくとも成したものとしても良く、更に前記自動開閉戸を２枚とし、前記水平移動手段が作動する前に自動開閉戸を開くための開閉機構部として、軸支するピニオンの上下で噛合する一対のラックと、ラックの端部に自動開閉戸の端部を固定させるための連結部と、上方の連結部を水平移動させるための開閉用シリンダーとから少なくとも成すと良い。
【発明の効果】
【０００８】
請求項１のように便器（１）上に便座（２）を持上げ可能に取付け、前面に自動開閉戸（31）が備えられた密閉可能な洗浄室（３）を便器（１）の後部に配置し、便座（２）の前部が持上げられるように回転して立設するための回動手段（４）を設け、立設した便座（２）が洗浄室（３）の内部に収納するための水平移動手段（５）を設け、且つ、便座（２）の両面を洗浄する洗浄手段（６）と、洗浄した便座（２）を乾燥させる乾燥手段（７）とを洗浄室（３）の内部に具備して少なくとも構成することにより、便座（２）の表面側と裏面側の洗浄を同時に行えると共に、便座（２）表面の前側が上方に立設するので水のはけ具合が良好になり、便座（２）の乾きを早めて完全に乾燥させることが可能なものとなり、且つ、便座（２）の両面が一切摺動しないので、従来の如き洗浄後による便座（２）の汚れや擦り傷などが付かず、見た目が良く、更に洗浄手段（６）又は乾燥手段（７）が誤作動しても、便器（１）の使用中には自動開閉戸（31）が閉じられているので、洗浄水や温風が人の背中に向って出る恐れもないものとなる。
【０００９】
請求項２のように水平移動手段（５）として、便座（２）の後端と固着すると共にＬ字状に形成された支持片（51）と、該支持片（51）の水平部分がガイドされると共に洗浄室（３）に固着するガイド部材（52）と、支持片（51）に固着してそれを所定位置まで水平移動させるためのシリンダー（53）とから少なくとも成されたものとすることにより、簡単な構造で確実に洗浄室（３）へ便座（２）を収納することが出来るものとなる。
【００１０】
請求項３に示すように自動開閉戸（31）を２枚とし、且つ、水平移動手段（５）が作動する前に自動開閉戸（31）を開くための開閉機構部（８）として、軸支するピニオン（82）の上下で噛合する一対のラック（81）と、各ラック（81）の端部に各自動開閉戸（31）の端部がそれぞれに固定するための連結部（83）と、上方の連結部（83）を水平移動させるための開閉用シリンダー（84）とから少なくとも成されたものとすることにより、簡単で且つコンパクトな構造で自動開閉戸（31）の開閉が確実に行えるものとなる。また誤って洗浄水や温風が噴出しても自動開閉戸（31）によって、人の背中に直接にそれらが掛かる恐れがなくなるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【００１１】
【図１】本発明の実施形態の要部断面を示す説明図である。
【図２】本実施形態の回動手段の作用を示す説明図である。
【図３】本実施形態の開閉機構部を示す説明図である。
【図４】本実施形態の概観を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【００１２】
便座（２）の表面側と裏面側を同時に洗浄できると共に便座（２）の両面の摺動を一切なくし、便座（２）の汚れや擦り傷などが付かず、見た目を良くするという目的を、自動開閉戸（31）が備えられた密閉可能な洗浄室（３）と、便座（２）の回動手段（４）と、立設した便座（２）を洗浄室（３）に収納する水平移動手段（５）と、便座（２）の両面を洗浄する洗浄手段（６）と、それを乾燥させる乾燥手段（７）とから少なくとも構成することにより実現した。
【実施例１】
【００１３】
図１は、本発明の１実施例を示す図であり、この図面に基づいて本実施形態を説明する。（１）は洋式の一般的な便器である。（２）は便器（１）上に持上げ可能に取付けた便座であり、該便座（２）の後端は後述する回転軸（41）で貫通して固定されている。（３）は前面に自動開閉戸（31）が備えられた密閉可能な洗浄室であり、該洗浄室（３）は便器（１）の後部に配置している。前記自動開閉戸（31）が開かれた時は、立設した便座（２）が余裕を持って洗浄室（３）の内部に収納される広さが確保されている。また前記洗浄室（３）の上部には着脱可能な蓋体が設けられており、洗浄室（３）の下部には洗浄液が排出される排出口が設けられている。更に前記自動開閉戸（31）は２枚使用された横開きであり、且つその合せ位置側には防水用のゴムパッキン（3a）を取付けておくのが好ましい。尚、前記自動開閉戸（31）は横開きに限定されるものではなく、例えば、上下方向に開閉可能なものとしても良い。また前記自動開閉戸（31）の枚数は２枚に限定されるものではない。
【００１４】
（４）は便座（２）の前部が持上げられるように回転してその便座（２）を立設させるための回動手段であり、該回動手段（４）には、便座（２）の後端部を貫通固定し且つ後述する支持片（51）の上部に設けた軸受部に軸支する回転軸（41）と、その回転軸（41）の一端部に固着したウオームホイール（42）と、該ウオームホイール（42）に噛合し立設するウオーム（43）と、そのウオーム（43）を回動させる駆動モーター（44）と、カバー（45）とがある（図２参照）。この回動手段（４）は立設した便座（２）と一緒に洗浄室（３）側へ移動する。尚、前記駆動モーター（44）は図示しない制御ボックスの指令によって作動する。（５）は立設した便座（２）を洗浄室（３）の内部に収納するための水平移動手段であり、該水平移動手段（５）には、便座（２）の後部両端を軸支する軸受部が上部で固着されると共にＬ字状に形成する支持片（51）と、該支持片（51）の水平部分をガイドするガイド部材（52）と、支持片（51）に固着してそれを所定位置まで水平移動させるためのシリンダー（53）と、前記ガイド部材（52）を水平にして洗浄室（３）に固着するための取付台（54）とがある。前記ガイド部材（52）は支持片（51）の水平部分が出し入れされる鞘状の扁平筒体とし、シリンダー（53）としては、エアや油圧などでシリンダーロッドを伸縮させる機構のものであれば良い。
【００１５】
（６）は便座（２）の両面を洗浄する洗浄手段であり、該洗浄手段（６）としては、便座（２）の表面を洗浄するために便座（２）の形状に合せて略円形状に配置させた管と、便座（２）の裏面を洗浄するために便座（２）の形状よりも大きめな略円形状に配置させた管と、前記略円形状の管を上部で連結する直線状の管とから成る噴射管（61）が洗浄室（３）の内部にあり、洗浄室（３）の外部には、図示しないポンプや洗浄液タンクなどが備えられている。また前記噴射管（61）には噴射孔（62）が多数穿設されている。尚、前記噴射管（61）は直線状の管からの洗浄液で便座（２）裏面を流すようにしても良く、この場合には、大きめな略円形状の管は不要とする。（７）は洗浄した便座（２）を乾燥させる乾燥手段であり、該乾燥手段（７）としては、前記噴射孔（62）からエアを噴射させるために具備したものであり、図示しないがファンや電磁切換弁などが備えられている。尚、前記電磁切換弁は洗浄液とエアを切換えるためのものである。また前記ファンの代りにコンプレッサーから圧搾空気を噴射させるようにしても良い。又、前記洗浄手段（６）と乾燥手段（７）は、本発明者が提案した特願２００１−３１３７７０で開示した構造と略同じ構造のものを用いれば良い。
【００１６】
（８）は図３に示すように、２枚の自動開閉戸（31）が横開きするための開閉機構部であり、該開閉機構部（８）としては、軸支するピニオン（82）の上下で噛合する一対のラック（81）と、各ラック（81）の端部には各自動開閉戸（31）の上部の端部と前記ラック（81）とをそれぞれに固定させるための連結部（83）と、一方の連結部（83）を水平移動させるための開閉用シリンダー（84）とから少なくとも成されている。尚、前記開閉機構部（８）は上記構造に限定されるものではなく、前記便座（２）の出し入れに支障がないように自動開閉戸（31）が開閉できる構造のものであれば良い。（９）は洗浄室（３）の前面に設けたセンサーであり、該センサー（９）は人が便器（１）から離れたことを感知すると、図示しない制御ボックスに入力され、この制御ボックスの指令により、本発明品は作動するのである。尚、前記制御ボックスには、便座（２）の洗浄作業順序や条件等が予めプログラムとして設定され且つそのプログラムが記憶されている。
【００１７】
次に本発明の作用について説明する。先ず使用後に人が便器（１）から離れると、洗浄室（３）の前面に設けたセンサー（９）からの信号が図示しない制御ボックスに送られ、該制御ボックスから回動手段（４）へ指令が送られる。すると駆動モーター（44）が作動し、ウオーム（43）を回転させることにより、それに噛合するウオームホイール（42）が回転されると共に回転軸（41）を回転させ、更に便座（２）が回転するのである。この時、便座（２）は回転軸（41）を中心に回転し図２に示す一点鎖線の矢印や図１に示す点線の矢印のように回転して持上げ、便座（２）の前部が開き、更に持上げて実線の矢印や一点鎖線の矢印のように回転して立設する。そして駆動モーター（44）は停止する。次に前記制御ボックスからの指令が開閉機構部（８）へ送られる。
【００１８】
開閉機構部（８）へ制御ボックスからの指令が送られて来ると、先ず開閉用シリンダー（84）が作動して図３に示す白抜き矢印のように開閉用シリンダー（84）のロッドが伸長されて水平移動し、このロッドの移動に伴って左側の自動開閉戸（31）が細線矢印のように開かれるのである。この時、ピニオン（82）は噛合する上方のラック（81）によって回転され、且つ、該ピニオン（82）の回転に伴って下方のラック（81）を右側の二点鎖線の矢印のように外側へ移動させることにより、ラック（81）と共に右側の自動開閉戸（31）が細線の矢印のように開かれるのである。次に前記制御ボックスから水平移動手段（５）へ指令が送られる。すると、先ずシリンダー（53）が作動してロッドを収縮させることにより、支持片（51）が図１に示す２点鎖線の矢印のように右側へ移動すると共に便座（２）も２点鎖線の矢印のように右側へ移動して洗浄室（３）内に収納される。前記便座（２）が洗浄室（３）内に収納すると、開閉用シリンダー（84）が作動してロッドを収縮させることにより、一対の自動開閉戸（31）が閉じられる。これで便座（２）の洗浄準備が完了するのである。
【００１９】
その後、制御ボックスからの指令が送られて、洗浄手段（６）を作動させる。つまり、図示しない洗浄液タンクからポンプによって噴射管（61）へ洗浄液が供給されると共にその洗浄液が多数の噴射孔（62）から便座（２）の両面に向って噴射して洗浄作業を行う。この洗浄液は便座（２）の両面に当り、水滴となって落下する。所定時間経過すると、前記ポンプが停止されると共に図示しない電磁切換弁が洗浄液からエアに切換えられる。その後、図示しないファンが作動し、エアが噴射管（61）に供給されて、各噴射孔（62）から便座（２）の両面にエアを噴射させ、乾燥作業が開始される。この時、エアは加熱された状態で噴射されるのが好ましい。エアは所定時間を経過すると、前記ファンが停止し、便座（２）の洗浄作業と乾燥作業は完了する。尚、前記洗浄作業と乾燥作業は本発明者が提案した特願２００１−３１３７７０で開示した工程と略同じ工程で行えば良い。
【００２０】
次に制御ボックスから開閉機構部（８）へ指令が送られ、自動開閉戸（31）を開く。そして水平移動手段（５）を作動させて、便座（２）を洗浄室（３）から出し、更に回動手段（４）を作動させて、立設状態の便座（２）を便器（１）上に載置させる。その後、開閉機構部（８）を作動させ、自動開閉戸（31）を閉じることにより、全ての工程が完了し、次の便器（１）の使用を待つのである。このようにして便器（１）が使用されると、便座（２）が立設し、自動開閉戸（31）が開かれた後、便座（２）が洗浄室（３）に入れられて密閉され、その便座（２）を洗浄及び乾燥させる。次に便座（２）を洗浄室（３）から出し、元の位置に便座（２）を戻して便器（１）上に載置させることにより、使用後の便座（２）が自動的に洗浄されて常に便座（２）を清潔に保持することができ、特に公衆トイレや企業内のトイレに於いて、不特定多数の人が使用しても、使用者が清潔で安心して使用出来るものとなるのである。
【符号の説明】
【００２１】
１ 便器
２ 便座
３ 洗浄室
31 自動開閉戸
４ 回動手段
５ 水平移動手段
51 支持片
52 ガイド部材
53 シリンダー
６ 洗浄手段
７ 乾燥手段
８ 開閉機構部
81 ラック
82 ピニオン
83 連結部
84 開閉用シリンダー
【特許請求の範囲】
【請求項１】
便器（１）上に便座（２）を持上げ可能に取付け、前面に自動開閉戸（31）が備えられた密閉可能な洗浄室（３）を前記便器（１）の後部に配置し、前記便座（２）の前部が持上げられるように回転して立設するための回動手段（４）を設け、立設した前記便座（２）が前記洗浄室（３）の内部に収納するための水平移動手段（５）を設け、且つ、前記便座（２）の両面を洗浄する洗浄手段（６）と、洗浄した前記便座（２）を乾燥させる乾燥手段（７）とを前記洗浄室（３）の内部に具備して少なくとも構成させたことを特徴とする洋式便器に於ける便座洗浄装置。
【請求項２】
前記水平移動手段（５）が、前記便座（２）の後端と固着すると共にＬ字状に形成された支持片（51）と、該支持片（51）の水平部分がガイドされると共に前記洗浄室（３）に固着するガイド部材（52）と、前記支持片（51）に固着してそれを所定位置まで水平移動させるためのシリンダー（53）とから少なくとも成された請求項１記載の洋式便器に於ける便座洗浄装置。
【請求項３】
前記自動開閉戸（31）が２枚であり、且つ、前記水平移動手段（５）が作動する前に前記自動開閉戸（31）を開くための開閉機構部（８）が、軸支するピニオン（82）の上下で噛合する一対のラック（81）と、各ラック（81）の端部に各自動開閉戸（31）の端部がそれぞれに固定するための連結部（83）と、上方の連結部（83）を水平移動させるための開閉用シリンダー（84）とから少なくとも成された請求項１又は２記載の洋式便器に於ける便座洗浄装置。
【請求項１】
便器（１）上に便座（２）を持上げ可能に取付け、前面に自動開閉戸（31）が備えられた密閉可能な洗浄室（３）を前記便器（１）の後部に配置し、前記便座（２）の前部が持上げられるように回転して立設するための回動手段（４）を設け、立設した前記便座（２）が前記洗浄室（３）の内部に収納するための水平移動手段（５）を設け、且つ、前記便座（２）の両面を洗浄する洗浄手段（６）と、洗浄した前記便座（２）を乾燥させる乾燥手段（７）とを前記洗浄室（３）の内部に具備して少なくとも構成させたことを特徴とする洋式便器に於ける便座洗浄装置。
【請求項２】
前記水平移動手段（５）が、前記便座（２）の後端と固着すると共にＬ字状に形成された支持片（51）と、該支持片（51）の水平部分がガイドされると共に前記洗浄室（３）に固着するガイド部材（52）と、前記支持片（51）に固着してそれを所定位置まで水平移動させるためのシリンダー（53）とから少なくとも成された請求項１記載の洋式便器に於ける便座洗浄装置。
【請求項３】
前記自動開閉戸（31）が２枚であり、且つ、前記水平移動手段（５）が作動する前に前記自動開閉戸（31）を開くための開閉機構部（８）が、軸支するピニオン（82）の上下で噛合する一対のラック（81）と、各ラック（81）の端部に各自動開閉戸（31）の端部がそれぞれに固定するための連結部（83）と、上方の連結部（83）を水平移動させるための開閉用シリンダー（84）とから少なくとも成された請求項１又は２記載の洋式便器に於ける便座洗浄装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２０１０−２６８９３０（Ｐ２０１０−２６８９３０Ａ）
【公開日】平成２２年１２月２日（２０１０．１２．２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−１２２７４６（Ｐ２００９−１２２７４６）
【出願日】平成２１年５月２１日（２００９．５．２１）
【出願人】（３０１０６６６３７）
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年１２月２日（２０１０．１２．２）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年５月２１日（２００９．５．２１）
【出願人】（３０１０６６６３７）
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]