説明

洗浄パッド及び洗浄器具

本発明は、ハンドル;上面と、側縁部によって上面に接続した下面とを備える、ハンドルに旋回可能に取り付けられた先端部分;及び先端部分に取り外し可能に取り付けられた洗浄パッド;を備える洗浄器具に関し、洗浄パッドは、先端部分の下面の上に広がる吸収層と、先端部分の側縁部に沿って伸びるこすり落としストリップとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬い表面、特に床を洗浄するための洗浄パッド及び洗浄器具に関する。より具体的には、本発明は、無作為に発生する傾向があるが取り除くのに集中的な洗浄を必要とする頑固な染みの洗浄に関する。
【背景技術】
【0002】
タイルの床、リノリウムの床、堅木の床、カウンタートップなど、硬い表面を洗浄するために、多くの器具が既知である。床の洗浄に関しては、適した器具は一般に、ハンドルと、液体洗浄組成物を床に塗布するための手段とを備える。器具には再利用可能なものがあり、綿糸、セルロースストリップ及び/又は合成ストリップ並びにスポンジなどを含有するモップが挙げられる。これらのモップは硬い表面から多くの汚れを除去する際にはうまくいくものの、一般に、使用中にモップが、ごみ、汚れ、及び他の残留物で飽和状態になるのを回避するために、1回以上のすすぎ工程を行う不便さを伴う。これには、別個の容器を使用してすすぎ工程を行う必要があり、また一般に、これらのすすぎ工程ではごみの残留物が充分に除去されない。その結果として、モップの次の通過中に有意な量の汚れが再堆積することがある。更に、再利用可能なモップは長期にわたり使用されるので、ますます汚れて悪臭がするようになる。これが次の洗浄性能に負の影響を与える。
【0003】
再利用可能な洗浄器具に関連する負の特性をいくらか軽減するために、使い捨て洗浄パッドを有するモップが提供される。例えば、PCT国際公開特許WO−A−0027271は、ハンドルと該ハンドルに旋回可能に取り付けられた先端部分とを備える洗浄装置、及び先端部分に取り付けるための取り外し可能な洗浄パッドを記載し、洗浄パッドは、少なくとも1つの吸収層と、液体透過性こすり落とし層を含む他の様々な任意機構とを備え、頑固な染みの除去を援助する。こすり落とし層は単層構造体又は多層構造体であり、洗浄される表面のこすり落としを容易にするための、また表面から除去された粒子状物質を取り込むための開口部を含んでもよい。洗浄パッドはまた、典型的には洗浄パッドの下面、すなわち、通常の洗浄作業中、洗浄される表面に接触する表面の中央に位置する研磨材のこすり落としストリップを備えてもよい。別個のこすり落としストリップが洗浄器具の先端部分の前縁部に取り付けられてもよく、同ストリップは、先端部分を傾け、それを90度まで回転させることにより、洗浄される表面と接触してもよい。頑固な染みの洗浄での主要な難題は、家庭では頑固な染みは無作為に発生するが、除去するために研磨材による洗浄を必要とすることである。一般的な頑固な染みの例には、乾燥した粒子状食物、パスタ、トマトソース、及び擦り傷が挙げられる。頑固な染みが発生したとき、それらを除去するための手段を有することは望ましいものの、表面を損傷するおそれがあるために、洗浄される表面全体にわたってそれらの手段を使用することは望ましくない。これは確かに、PCT国際公開特許WO−A−0027271に開示される洗浄器具に伴う問題であり、同特許では、こすり落としストリップは洗浄パッドの下面上に、また好ましくは、洗浄パッドの下面中央に位置する。
【0004】
PCT国際公開特許WO−A−02090483は、硬い表面を洗浄するのに適した、液体洗浄組成物を含浸した拭き取り物品、すなわち、同組成物で予め湿らせたものを記載する。拭き取り物品は、一方の面に、40〜100ショアD単位の範囲の硬度を有する研磨材料の小瘤及び/又は条線から形成された非平坦研磨表面を有する吸収性基材を備える。研磨材料は拭き取り物品の表面全体の上に広がっているので、拭き取り物品を使用すると、頑固な染みが存在しない領域で、洗浄される表面を損傷することがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在のところ、洗浄される表面への損傷を回避するための唯一の代案は、洗浄プロセスを中断して、更なる洗浄器具、例えばブラシ、布、又はタオルを使用することにより頑固な染みを除去しようと試みることである。床を洗浄するとき、これには、頑固な染みを除去するために体を曲げて、手で困難な作業を行うことが必要である。
【0006】
更に、洗浄器具自体の先端部分上のこすり落としストリップの位置に関連する問題は、こすり落とした結果、剥がれた粒子状物質が洗浄器具上に残ることである。これは洗浄器具の有効性を時間と共に低減させるだけでなく、先に除去された粒子状物質の再堆積も生じ、洗浄プロセス全体の効率を悪くすることがある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1態様によれば、洗浄器具は、ハンドル;上面と、側縁部によって上面に接続した下面とを備える、ハンドルに旋回可能に取り付けられた先端部分;及び先端部分に取り外し可能に取り付けられた洗浄パッドであって、先端部分の下面の上に広がる吸収層と、先端部分の側縁部に沿って伸びるこすり落としストリップとを備える洗浄パッド;を備える。
【0008】
本発明の第2態様によれば、洗浄キットは、ハンドルと、該ハンドルに旋回可能に取り付けられた先端部分とを備える洗浄器具;及び上述のタイプの洗浄パッド;を備える。
【0009】
本発明の第3態様によれば、硬い表面を洗浄する方法は、ハンドルと該ハンドルに旋回可能に取り付けられた先端部分とを備え、先端部分が上面と、側縁部によって上面に接続した下面とを有する洗浄器具を用意すること;上述のタイプの洗浄パッドを、吸収層が先端部分の下面の上に広がり、こすり落としストリップが先端部分の側縁部に沿って伸びるように、先端部分に取り付けること;適宜、洗浄される表面及び/又は洗浄器具の先端部分に液体洗浄組成物を塗布すること;硬い表面を洗浄器具で拭くこと;並びに適宜、洗浄パッドを洗浄器具の先端部分から取り外すこと;を含む。
【0010】
請求される発明の第4実施形態によれば、使い捨て洗浄パッドは、吸収層を備え長手方向に伸びる中央パネルと、中央パネルの長手方向に伸びる少なくとも各側縁部に隣接するサイドパネルとを備え、サイドパネルの少なくとも一方はこすり落としストリップを備え、中央パネルはサイドパネルより高い吸収性がある。典型的には、中央パネルは洗浄パッドの幅の少なくとも3分の1を含む。
【0011】
上記から明白なように、本発明で使用するための洗浄パッドは、こすり落としストリップを含み、洗浄パッドが洗浄器具に取り付けられるとき、同ストリップは通常の洗浄作業中、洗浄される表面と接触せず、その結果、洗浄される表面を損傷するのが回避される。しかし、頑固な染み又は頑強な染みを除去することが望まれるとき、こすり落としストリップを洗浄される表面に接触させるために、洗浄器具は、例えば器具の先端部分を傾けることにより操作されてもよく、また関係する頑固な染みを除去するために、こすり落とす動作が繰り返されてもよい。一旦表面から除去されると、頑固な染みの物質は洗浄器具上に残るよりも洗浄パッドと共に処分され、その結果、洗浄器具の更なる使用で染み(strain)が再堆積するおそれが回避されることがある。
好ましくは、このタイプの洗浄パッドは、液体洗浄組成物で予め湿らせるか又は含浸される。
【0012】
(定義)
本明細書で使用する「x−y寸法」という用語は、洗浄パッド又はその構成要素の厚さに直交する平面を指す。x寸法及びy寸法は、洗浄パッド又はパッド構成要素の長さ及び幅にそれぞれ相当する。このような関係では、パッドの長さはパッドの最長寸法であり、幅は最短寸法である。一般に、使用中に洗浄器具は、パッドのy寸法(又は幅)に平行な方向に動かされる。もちろん本発明は、4辺を有する洗浄パッドの使用に限定されない。円形、楕円形など、他の形状を使用することもできる。z寸法の任意の点でパッドの幅を決定するとき、パッドはその所期の用途に従って評価されることが理解される。
【0013】
本明細書で使用する「z寸法」という用語は、本発明の洗浄パッド又はその構成要素の長さ及び幅に直交する寸法を指す。したがって、Z寸法は、洗浄パッド又はパッド構成要素の厚さに相当する。
【0014】
本明細書で使用する洗浄パッドの「上」層とは、洗浄される表面から相対的により離れた(すなわち、器具との関連では、使用中、器具のハンドルに相対的により近い)層である。用語「下」層は逆に、洗浄される表面に相対的により近い(すなわち、器具との関連では、使用中、器具のハンドルから相対的により離れている)洗浄パッドの層を意味する。
【0015】
本明細書で使用する洗浄パッドの「前」又は「前側」縁部は、前向きの拭く動作で、洗浄パッドの対向する「後」又は「後側」縁部に先立って、洗浄される表面を横切る縁部である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明で使用するための洗浄パッドは、使用中、洗浄パッドによって吸収されるいかなる流体及び汚れも保持するのに役立つ吸収層を備える。吸収層は単一の層を備えてもよく、又は複数の層を備えてもよい。好ましくは、吸収層は、以下に更に詳細に説明されるように、多数の平坦な表面及び/又は密度勾配を有する洗浄パッドを提供するように設計された複数の層を備える。
【0017】
吸収層は、使用中に流体を吸収及び保持できるいかなる材料も備える。典型的には、吸収層は繊維性材料、好ましくは不織布の繊維性材料を備える。本発明で有用な繊維には、天然由来の(改質された又は改質されない)もの、並びに合成的に作製された繊維が挙げられる。改質されない/改質された適した天然由来の繊維の例には、綿、エスパルト草、バガス、ケンプ、亜麻、絹、羊毛、木材パルプ、化学的に改質された木材パルプ、黄麻、エチルセルロース、及び酢酸セルロースが挙げられる。適した合成繊維は、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニリデン、オーロン(ORLON)(登録商標)のようなポリアクリル酸類、ポリビニルアセテート、レーヨン(登録商標)、ポリエチルビニルアセテート、不溶性又は可溶性ポリビニルアルコール、ポリエチレン(例えば、パルペックス(PULPEX)(登録商標))及びポリプロピレンなどのポリオレフィン類、ナイロンなどのポリアミド類、ダクロン(DACRON)(登録商標)又はコデル(KODEL)(登録商標)などのポリエステル類、ポリウレタン類、ポリスチレン類などから作製できる。吸収層は、天然由来の繊維だけを含んでもよく、合成繊維だけを含んでもよく、又は天然由来の繊維と合成繊維との適合性のあるいかなる組み合わせを含んでもよい。
【0018】
本明細書で有用な繊維は、親水性でも、疎水性でもよく、又は親水性繊維と疎水性繊維両方の組み合わせでもよい。本明細書で使用する「親水性」という用語は、上に置かれた水性流体によって湿潤性になる表面を指すために使用される。親水性及び湿潤性は通常、関わる流体及び固体表面の接触角及び表面張力によって定義される。この点については、アメリカ化学会(American Chemical Society)の出版物(1964年版権)、名称「接触角、湿潤性、及び接着(Contact Angle,Wettability,and Adhesion)」(ロバート・F・グールド(Robert F.Gould)編)に詳細に説明されている。ある表面は、流体とその表面との間の接触角が90度未満のとき、又は流体が表面全体に自然に広がる傾向があるときのいずれかのときに、流体によって湿潤される(すなわち、親水性)といい、通常は両方の状態が共存する。逆に、ある表面は、接触角が90度より大きい場合及び流体が表面全体に自然に広がらない場合に、「疎水性」であるとされる。
【0019】
親水性繊維又は疎水性繊維の特定の選択は、洗浄パッド、例えば様々な吸収層に含まれる他の材料に依存する。すなわち、繊維の性質は、洗浄パッドが、必要な流体の遅延及び全体的な流体の吸収性を表すようなものである。本発明で使用するのに適した親水性繊維には、セルロース繊維、改質されたセルロース繊維、レーヨン、親水性ナイロン(ハイドロフィル(HYDROFIL)(登録商標))のようなポリエステル繊維が挙げられる。適した親水性繊維は、疎水性繊維を親水性化して、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレンなどのポリオレフィン類、ポリアクリル酸類、ポリアミド類、ポリスチレン類及びポリウレタン類などから誘導された熱可塑性繊維を界面活性剤処理又はシリカ処理などして得ることもできる。
【0020】
適した木材パルプ繊維は、クラフト法及び亜硫酸法など、周知の化学的方法から得ることができる。針葉樹の吸収特性は上質であるので、これらの木材パルプ繊維を南部の針葉樹から誘導することが特に好ましい。これらの木材パルプ繊維はまた、砕木、リファイナーメカニカルプロセス、サーモメカニカルプロセス、ケミメカニカルプロセス、及びケミ・サーモメカニカルパルププロセスなど、機械的方法から得ることもできる。リサイクルした木材パルプ繊維又は二次木材パルプ繊維、並びに漂白した木材パルプ繊維及び無漂白木材パルプ繊維が使用されてもよい。
【0021】
本発明で使用するための別のタイプの親水性繊維は、化学的に剛化されたセルロース繊維である。本明細書で使用する「化学的に剛化されたセルロース繊維」という用語は、乾燥状態及び湿潤状態の両方で繊維の剛性を高めるために、化学的手段により剛化されたセルロース繊維を意味する。そのような手段には、例えば、繊維をコーティングする及び/又は繊維に含浸させる化学的剛化剤を添加することを挙げることができる。そのような手段にはまた、化学構造を変えることによる、例えば、ポリマー鎖を架橋することによる繊維の剛化も挙げることができる。
【0022】
繊維が吸収層(又はその構成要素)として使用される場合、繊維は適宜熱可塑性材料と組み合わされてもよい。融解すると、この熱可塑性材料の少なくとも一部分が、典型的には繊維間の毛管勾配により、繊維の交差点まで移動する。これらの交差点が、熱可塑性材料の固着箇所になる。冷却されたとき、これらの交差点の熱可塑性材料は固結して、各層の各々で繊維のマトリックス又はウェブを合わせて保持する固着箇所を形成する。これは、洗浄パッドに更なる全体的な一体性を提供する際に有益なことがある。
【0023】
その様々な効果の中でも、繊維の交差点での固着は、得られる熱固着した部材の全体的な圧縮弾性率及び強度を高める。化学的に剛化されたセルロース繊維の場合、熱可塑性材料の融解及び移動はまた、得られるウェブの平均孔径を増大する効果を有する一方、最初に形成されたウェブの密度及び坪量を維持する効果も有する。これによって、流体への最初の曝露では、改善された流体浸透性のために、また次の曝露では、濡れたときにその剛性を保持する剛化された繊維の能力と、濡れたとき及び湿り圧縮したとき、繊維の交差点で固着したままである熱可塑性材料の能力とが組み合わされるために、熱固着したウェブの流体獲得特性を改善できる。最終的に、剛化された繊維の熱固着したウェブは、その最初の全体的な体積を保持するが、熱可塑性材料で先に占有された体積領域が開放され、その結果、繊維間の平均毛管孔径を増大させる。
【0024】
本発明で有用な熱可塑性材料は、粒子状、繊維、又は粒子状と繊維との組み合わせを含む様々な形態のいずれであってもよい。熱可塑性繊維は、その多数の繊維間固着箇所を形成する能力のために、特に好ましい形態である。適した熱可塑性材料は、各層の主要ウェブ又はマトリックスを含む繊維をひどく損傷しない温度で融解できるいかなる熱可塑性ポリマーから作製されてもよい。好ましくは、この熱可塑性材料の融点は約90℃未満、好ましくは約75℃〜約175℃である。いかなる場合も、この熱可塑性材料の融点は、洗浄パッドにおいて使用されるとき、熱固着した吸収構造体が保管されるような温度以上であるべきである。熱可塑性材料の融点は、典型的には約50℃以上である。
【0025】
熱可塑性材料、及び特に熱可塑性繊維は、ポリエチレン(例えば、パルペックス(PULPEX)(登録商標))及びポリプロピレンなどのポリオレフィン類、ポリエステル類、コポリエステル類、ポリビニルアセテート、ポリエチルビニルアセテート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリル酸類、ポリアミド類、コポリアミド類、ポリスチレン類、ポリウレタン類並びに塩化ビニル/ビニルアセテートなど前述の任意のコポリマー類などが挙げられる、様々な熱可塑性ポリマー類から作製できる。所望の特性によって、適した熱可塑性材料には、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレンなどポリオレフィン類、ポリアクリル酸類、ポリアミド類、ポリスチレン類及びポリウレタン類などから誘導された、界面活性剤で処理した熱可塑性繊維又はシリカで処理した熱可塑性繊維など、親水性にされた疎水性繊維が挙げられる。疎水性の熱可塑性繊維の表面は、例えば、繊維に界面活性剤をスプレーすることにより、繊維を界面活性剤に浸すことにより、又は熱可塑性繊維を製造する際にポリマー融解物の一部分として界面活性剤を含むことにより、非イオン性界面活性剤又は陰イオン性界面活性剤などの界面活性剤で処理することにより親水性にしてもよい。融解して再凝固すると、界面活性剤は熱可塑性繊維の表面に留まる傾向がある。適した界面活性剤には、デラウエア州ウィルミントンのICIアメリカズ社(ICI Americas,Inc.)により製造されたブリジ(Brij)(登録商標)76などの非イオン性界面活性剤、及びコネチカット州グリニッチ(Greenwich)のグリコケミカル社(Glyco Chemical,Inc.)により、ペゴスパース(Pegosperse)(登録商標)の商標で販売される様々な界面活性剤が挙げられる。非イオン性界面活性剤の他に、陰イオン性界面活性剤もまた使用できる。これらの界面活性剤は、例えば、熱可塑性繊維1平方センチメートル当たり約0.2〜約1gのレベルで熱可塑性繊維に塗布されてもよい。
【0026】
適した熱可塑性繊維は、単一のポリマーで作製してもよく(単一成分繊維)、又は2つ以上のポリマーで作製してもよい(例えば、2成分繊維)。本明細書で使用する「2成分繊維」は、1つのポリマーから作製された熱可塑性シースに入った、別のポリマーから作製されたコア繊維を含む熱可塑性繊維を指す。シースを構成するポリマーは、コアを構成するポリマーと異なる、典型的にはそれより低い温度で融解することが多い。その結果、これらの2成分繊維は、シースのポリマーの融解による熱固着をもたらす一方、コアのポリマーの望ましい強度特性を保持する。
【0027】
本発明で使用するのに適した2成分繊維には、次のポリマーの組み合わせを有するシース/コア繊維が挙げられる:ポリエチレン/ポリプロピレン、ポリエチルビニルアセテート/ポリプロピレン、ポリエチレン/ポリエステル、ポリプロピレン/ポリエステル、コポリエステル/ポリエステルなど。本明細書で使用するのに特に適した2成分熱可塑性繊維は、ポリプロピレン又はポリエステルのコアと、より低い温度で融解するコポリエステル、ポリエチルビニルアセテート又はポリエチレンのシースとを有するもの(例えば、ダナクロン(Danaklon a/s)及びチッソ社(Chisso Corp.)から入手可能なもの)である。これらの2成分繊維は同心であってもよく、又は偏心であってもよい。本明細書で使用する「同心」及び「偏心」という用語は、シースが、2成分繊維の断面領域を通して等しい厚さを有するか又は等しくない厚さを有するかを指す。より薄い繊維の厚さでより強い圧縮強度をもたらすには、偏心の2成分繊維が望ましいことがある。好ましい2成分繊維は、約81%未満のポリエチレンテレフタレートのコアと、約51%未満のコポリオレフィンのシースとを含むコポリオレフィンの2成分繊維を含む。そのような好ましい2成分繊維は、商標名セルボンド(CELBOND)(登録商標)T−255で、ニュージャージー州のヘキストセラニーズ社(Hoechst Celanese Corporation)から市販されている。2成分繊維の量は、好ましくは、それが使用される材料の密度により変化する。
【0028】
熱固着した繊維材料を調製する方法は、米国特許第5,607,414号(リチャーズ(Richards)ら、1997年3月4日発行)、及び米国特許第5,549,589号(ホーニー(Horney)ら、1996年8月27日発行)(特に9欄〜10欄参照)に記載される。そのような発泡体とその調整の方法は、米国特許第5,550,167号(デスマライス(DesMarais)、1996年8月27日発行)、及び米国特許第5,563,179号(デスマライス(Desmarais)ら、1996年10月8日発行)に記載される。
【0029】
比較的高い吸収力(吸収性材料1グラム当たりの流体のグラム数)を有する材料を吸収層に含有するのが望ましいことがある。本明細書で使用する「超吸収性材料」という用語は、2kPa(0.3psi)の制限圧力で測定されるとき、少なくとも約15g/gの、水に対するg/gの吸収力を有するいかなる吸収性材料も意味する。本発明と共に有用な洗浄流体の大部分は水性系であるので、超吸収性材料は、水又は水系流体に対して比較的高いg/gの吸収力を有することが好ましい。
【0030】
本発明で有用な超吸収性ゲル化ポリマーには、様々な非水溶性ポリマーが挙げられるが、水膨潤性(ゲル化)ポリマーは、大量の流体を吸収できる。これらの材料は水に対して非常に高い吸収力を示す。そのような高分子材料はまた、一般に「ヒドロコロイド」とも呼ばれ、カルボキシメチルデンプン、カルボキシメチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースなどの多糖類;ポリビニルアルコール及びポリビニルエーテル類などの非イオンタイプ;ポリビニルピリジン、ポリビニルモルホリニオン(polyvinyl morpholinione)、並びにN,N−ジメチルアミノエチルアクリレート類及びメタクリレート類又はN,N−ジエチルアミノプロピルアクリレート類及びメタクリレート類などの陽イオンタイプ、並びにそれら各々の四級塩が挙げられる。周知の材料が、例えば、米国特許第4,076,663号(マスダ(Masuda)ら、1978年2月28日発行)、及び米国特許第4,062,817号(ウェスターマン(Westerman)、1977年12月13日発行)に更に詳細に記載される。
【0031】
好ましい超吸収性ゲル化ポリマーは、カルボキシ基を含有する。これらのポリマーには、加水分解されたデンプン−アクリロニトリルグラフトコポリマー類、部分的に中和され加水分解されたデンプン−アクリロニトリルグラフトコポリマー類、デンプン−アクリル酸グラフトコポリマー類、部分的に中和されたデンプン−アクリル酸グラフトコポリマー類、鹸化された酢酸ビニル−アクリルエステルコポリマー類、加水分解されたアクリロニトリルコポリマー類又はアクリルアミドコポリマー類、前述のコポリマー類の任意の、僅かに網状架橋したポリマー類、部分的に中和されたポリアクリル酸、及び部分的に中和されたポリアクリル酸の、僅かに網状架橋したポリマー類が挙げられる。これらのポリマー類は単独で使用してもよく、又は2つ以上の異なるポリマーの混合物の形態で使用してもよい。これらのポリマー材料の例は、米国特許第3,661,875号、米国特許第4,076,663号、米国特許第4,093,776号、米国特許第4,666,983号、及び米国特許第4,734,478号に開示される。
【0032】
超吸収性ゲル化ポリマーを作製する際に使用するのに最も好ましいポリマー材料は、部分的に中和されたポリアクリル酸の、僅かに網状架橋したポリマー類及びそれらのデンブン誘導体である。最も好ましくは、ヒドロゲル形成吸収性ポリマー類は、約50〜約95%、好ましくは約75%中和され、僅かに網状架橋したポリアクリル酸(すなわち、ポリ(アクリル酸ナトリウム/アクリル酸))を含む。網状架橋はポリマーを実質的に非水溶性にして、部分的に、超吸収性ゲル化ポリマーの吸収能力と、抽出可能ポリマー含有物の特性とを決定する。これらのポリマーを網状架橋する方法と典型的な網状架橋剤は、米国特許第4,076,663号に更に詳細に記載される。
【0033】
超吸収性材料が吸収層に含有される場合、吸収層は好ましくは、吸収層の少なくとも約15重量%、より好ましくは少なくとも約20重量%、更により好ましくは少なくとも約25重量%の超吸収性材料を備える。
【0034】
使用中、洗浄器具の先端部分の側縁部に沿って位置するこすり落としストリップは、様々な形態をとってよい。例えば、こすり落としストリップは、適宜、パターンの形態で、材料の連続するストリップでも、又は不連続なストリップでもよい。
【0035】
こすり落としストリップは必ず、頑固な染みを除去するための研磨材料を備える。適した材料には、研磨パッドを作製するために使用されることが多いもの、典型的には、特定の研磨材を有する又は研磨材のないポリマー又はポリマーブレンドが挙げられる。適したポリマーの例には、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、ポリエステル類(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、ナイロン、ポリスチレン、ポリカーボネート、並びにそれらのブレンド及びコポリマー類などの、熱可塑性ポリマーが挙げられる。
【0036】
典型的な研磨パッドで見出される材料の使用の代案は、こすり落としを行うための剛毛を含むブラシを使用することである。そのような剛毛は、典型的には、研磨材を有する又は研磨材のないポリマー又はポリマーブレンドから構成される。ブラシに関しては、やはりナイロンから作製した剛毛は、剛性、硬さ、及び/又は耐久性のために好ましい。好ましいナイロンの剛毛は、商標名タイネックス(Tynex)(登録商標)612ナイロンで、3M社(3M Corp.)から市販されている。これらの剛毛は、市販のナイロン66と比べて吸水率が低いことが示されている。吸水率は剛毛の剛性及び回複性を低減する一方、こすり落とす能力に影響を与えるので、本発明の接着性こすり落としストリップの、水を吸収する能力を下げることが重要である。
【0037】
別の方法は、こすり落としストリップを形成するために網目材料又はスクリム材料を使用することである。やはりこの場合も、網目又はスクリムは、典型的には、研磨材を有する又は研磨材のないポリマー又はポリマーブレンドから構成される。網目又はスクリムは、典型的には、嵩をもたらすために二次構造体の周囲に巻かれる。網目の孔の形状には、正方形、矩形、ダイヤモンド形、六角形、又はそれらの混合など、様々な形状が挙げられるが、これらに限定されない。典型的には、網目の孔によって構成される領域が小さい程、こすり落とす能力は高い。これは主に、床に接触するのが交差箇所であるので、スクリム材料が交差する、より多くの箇所があるという事実のためである。網目又はスクリムを巻くことの代案は、融解して押出し成形したポリマーを、不織布などの二次構造体上に直接塗布することである。ポリマーを固結すると、二次不織布と比較して尖頭の高い、より硬い材料を作り、その結果、こすり落とす能力をもたらす。
【0038】
更に別の代案は、こすり落としストリップが研磨材又は粗い粒子状物質を含むことである。適した粒子状物質は、ポリテックス(Polytex)(登録商標)から入手可能な粗いインク、又はアクリルABX−30のような、ヴィナマル(Vinamul)からの粗いポリマーを含む。
【0039】
こすり落としストリップは、単層構造体でも、又は多層構造体でもよい。好ましいこすり落とし層は、フィルムが繰り返されるこすり落とし動作に耐えるのに必要な曲げ剛性を有する場合、フィルム材料の形態をとる。適したフィルム材料は一般に、カトーテック社(Kato Tech Co.,Ltd)からの川端曲げテスター(Kawabata Bending Tester)モデルKES−FBを使用して測定される、少なくとも0.05mm(2ミル)の厚さと、少なくとも0.10gcm2/cmの曲げ剛性を有する。
【0040】
こすり落としストリップとして使用するのに適した曲げ剛性材料の典型的な坪量は、20〜150gsm、例えば30〜125gsmの範囲である。しかし、曲げ剛性を決定するのは、弾性率と厚さとの組み合わせである。矩形の均質な等方性プレート又はフィルムに対する理論的観点から、曲げ剛性は以下の式から計算される:
【0041】
【数1】

式中、Eは弾性率であり、bはプレートの幅であり、またhはプレートの厚さである。この式は、ウェブの厚さの重要性を示している。
【0042】
繊維から成るウェブでは、この関係はより複雑であり、ウェブの剛性と繊維の剛性との両方が、重要な要因となり得る。単一繊維の曲げ剛性は、以下の式から計算されることができる:
【0043】
【数2】

式中、dは繊維の直径である。
【0044】
上記の式で示されるように、繊維の直径は、こすり落としストリップとして使用できるウェブを選択する際に重要である。一般に、20〜75ミクロンの直径を有する繊維が有用である。高い弾性率又は引張強さの繊維もまた、重要な要因である。
【0045】
好ましいフィルム材料は、液体、特に、汚れを含有する液体に対して透過性であるにもかかわらず、非吸収性であり、また液体をその構造体へ戻して、洗浄される表面を再湿潤させる傾向を軽減する。故に、洗浄作業中フィルムの表面は乾燥したままである傾向があり、その結果、洗浄される表面に薄膜が生じたり、すじ状になるのを軽減して、拭かれる表面を実質的に乾燥した状態にさせる。
好ましくは、フィルム材料は、フィルム表面から外側に伸びて洗浄パッドの本体から離れる複数の突出部を備える。別の方法としては、又は追加的に、フィルムは複数の開口を備えてもよい。
【0046】
上述のフィルム材料において形成される突出部及び/又は開口は、様々な形状及び/又は大きさであってもよい。例えば、突出部は、フィルム材料の平面から、そこに傾斜した向きで外側に伸びるフラップの形態をとってもよい。突出部はまた、横断面において矩形、正方形又は三角形である歯の形態をとってもよく、あるいはドーム、又は円錐形若しくは円錐台形の構造体を備えてもよい。適宜、突出部は、それ自体に開口を備えてもよい。開口は、例えば正方形、矩形、三角形、円形、楕円形、及び/若しくは六角形の形状であってもよく、又は狭いスリットの形態をとってもよい。別の選択肢は、好ましくは、使用中床に最も近い開口末端部での直径が、その開口の対向する末端部での直径より大きくなるように、開口が先細になっているか又は漏斗形であって、洗浄パッドが洗浄される表面を横切って移動するとき、開口は吸引効果を表す。加えて、先細になった開口又は漏斗形の開口は、こすり落としストリップから洗浄される表面まで液体が戻るのを防ぐ。
【0047】
突出部及び/又は開口は、こすり落としストリップ内でパターンで配置されてもよい。その場合、染みを除去する能力を高めるために、突出部及び/又は開口は、好ましくは、隣接する突出部及び/又は開口に関してずれている。
【0048】
次に、こすり落としストリップとして使用されてもよいフィルムの具体的な例は、以下のとおりである:
1)形状の実質的な損失なく硬い表面を研磨できる、矩形の歯又は他の形状の歯の形態をとることがある平面外突出部を有する、(上述の川端曲げテスター(Kawabata Bending Tester)によって決められるような)曲げに対し剛性のフィルム。歯は対向する少なくとも2つの面を有する壁を有する。
2)フィルムの平面から高くなった少なくとも1つのフラップを有し、また形状の実質的な損失なく硬い表面を研磨(adbrading)できる、重なり合う対の切断したフラップを備えるスリット構造体を有する、(上述の川端曲げテスター(Kawabata Bending Tester)によって決められるような)曲げに対し剛性のフィルム。これらのタイプのフィルムはどちらも、一方のローラー上の不連続な小さい擬矩形の歯と、もう一方のローラー上の連続する歯を噛み合わせることを含んで、逆回転するローラーの間に熱可塑性フィルム又は不織布ウェブを通すことにより作られる。得られる突出部の大きさは、不連続な歯の幅に近い。典型的には、突出部は機械方向に1〜3mmの範囲であり、また機械横方向に0.5〜3mmの範囲である。突出部の高さは5mmまでであることができる。
【0049】
3)繊維の一部分がフィルムの平面に対してほぼ垂直に高くなったふさ状の(tufted)、曲げに対し剛性の不織布フィルム。典型的な坪量は20〜100g/m2の範囲にあり、繊維の直径は、典型的には20μmを超過する。好ましい繊維には、PET、ナイロン、及びポリプロピレンなど、高強度繊維が挙げられる。ふさ状の(tufted)繊維は、実質的に連続する繊維又は実質的に破断した繊維のどちらでもよい。
4)ドームに似た、多面を有する高くなった構造体を備え、永久に変形することなく、洗浄中に働く典型的な力に耐えるための充分な構造的剛性を有するフィルム。典型的には、ドームの寸法は、機械横方向に2〜10mmの範囲であり、また機械方向に2〜10mmの範囲である。
【0050】
これらのドームは、一方のローラー上の小さい不連続な擬矩形の歯を噛み合わすことと、もう一方のローラー上の、より大きいパターン化した不連続な擬矩形の歯を噛み合わすこととを含んで、逆回転するローラーの間に熱可塑性フィルム又は不織布ウェブを通すことにより作られる。後者のローラー上の不連続な歯は、ダイヤモンド形の集まりなどのパターンで作製される。これに関して、米国特許第5,518,801号及び米国特許第5,968,029号が参照される。典型的には、突出部は、機械方向に1〜10mmの範囲であり、また機械横方向に1〜10mmの範囲である。ドームは、典型的にはフィルムを貫通させることにより開口される。得られる構造体は、片側に開口、及び反対側に1以上の円錐形のストラットを含むポケットを有するドームである。この方法は、フィルムと不織布との両方に使用されてもよい。
【0051】
5)様々な形状を有してもよく、また突出部と組み合わせてもよい開口を有するフィルム、例えば開口は、正方形、矩形、スリット、円形、楕円形の形体、又は他のいかなる形状をとってもよい。開口の大きさは様々に変化してもよいが、典型的には0.5〜10mm2の範囲、例えば0.5〜5mm2の範囲である。得られるフィルムは、フィルムが肉眼で見えないことがある非常に小さい開口を有するとき、0.5〜50%の開放面積、典型的には0.5〜5%の開放面積を有してもよく、又はフィルムがより大きい開口を有する場合は、5〜40%の開放面積を有してもよい。
6)0.05〜3mmの範囲の襞の高さを有する、例えば10mm当たり1〜6の襞を有する波形を有するフィルム又はウェブ。波形は、リングロール積層方法により作製できる。フィルム又はウェブは開口されてもよい。
【0052】
こすり落としストリップは、使用中、先端部分の前側縁部及び後側縁部(すなわち、「長い」側縁部)の一方若しくは両方に沿って横たわるように配置されてもよく、並びに/又はこすり落としストリップは、前側縁部と後側縁部とを接続する、先端部分の側縁部(すなわち、「狭い」側縁部)の一方若しくは両方に沿って配置されてもよい。
【0053】
1つの実施形態では、本発明の洗浄パッドは、典型的には洗浄器具の先端部分の対向する側縁部上、例えば前縁部及び後縁部上に、拭く方に向いて配置されるか、又はこれらの側縁部の1つ、及び隣接する側縁部上に配置される、2本以上のこすり落としストリップを備えてもよい。これらのこすり落とし層は同じ材料を備えてもよく、又は異なる材料を備えてもよい。場合によっては、2つのこすり落とし層が異なる材料を備えるのが有利なことがある。例えば、頑固な染みをばらばらにするために1つの材料が選択され、またその染みからばらばらになった大きい粒子をピックアップするために他の材料が選択されてもよい。
【0054】
こすり落としストリップはまた、添加剤も含んで、改善された研磨性及び抵抗力、強化された剛性、改善された粒子ピックアップ特性、又は香りなど、望ましい特性を示してもよい。研磨性を改善するのに適した材料の例には、炭化ケイ素、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、及びタルクが挙げられる。粒子のピックアップを強化するのに適した添加剤の例には、ワックスが挙げられる。適したワックスは、米国特許第60/448,745号(2003年2月20日出願)に開示される。
【0055】
こすり落としストリップの寸法は、頑固な染み及び汚れを除去するための能力に重大な影響を与えることがある。好ましくは、こすり落としストリップは、洗浄器具に取り付けられるときその器具の先端部分の側縁部のほぼ全長に伸びる。典型的には、こすり落としストリップは矩形である。例えば、こすり落としストリップの幅(又はy寸法)は、典型的には5〜100mm、好ましくは10〜60mm、最も好ましくは15〜30mmの範囲である。こすり落としストリップの長さ(又はx寸法)は、典型的には少なくとも20mm、好ましくは少なくとも50mm、より好ましくは少なくとも100mm、例えば500mmまで、典型的には300mmまでである。最も好ましくは、こすり落としストリップは洗浄パッドの全長に沿って伸びる。
【0056】
同様に、こすり落としストリップのz寸法(厚さ)を増大すると、典型的には、結果として頑固な染みをより良好に除去する。こすり落としストリップの寸法を変えることによって頑固な染みの除去を改善することは、一般に、様々な材料を備えるこすり落としストリップに適用される。加えて、こすり落としストリップのz寸法(厚さ)を増大すると、同ストリップにおいて、研磨材料なしにポリプロピレンのような、より柔軟な材料を使用できると同時に、ナイロンなど、より硬い材料を備えるこすり落としストリップと比較して、同様のレベルの頑固な染みの除去を行うことができる。また、ナイロンと、炭化ケイ素、酸化アルミニウム及び炭酸カルシウムなどの研磨材料などとの、材料の混合物、又はナイロンの網目に包まれたポリエステルの詰め物の組み合わせを、こすり落としストリップに組み込むことにより、頑固な汚れの除去が強化できる。
【0057】
こすり落としストリップは、その使用を容易にするために、又は商標に関する情報を含めるために、洗浄パッドの残部と対照的な色であってもよい。多くのこすり落としストリップが洗浄パッド上に含まれる場合、特に、上述のように、こすり落としストリップが異なる材料を備え、異なる目的に役立つ場合、それらのストリップが異なる色であるのが望ましいことがある。
【0058】
洗浄パッドは、異なる程度の吸収性を有する少なくとも2つの別個のパネル又は部分を備えてもよい。例えば、好ましい洗浄パッドは、吸収層を備え、長手方向に伸びる(すなわち、パッドのx寸法において広がる)中央パネルと、中央パネルの長手方向に伸びる各側縁部に隣接するサイドパネルとを備え、サイドパネルの少なくとも一方はこすり落としストリップを備える。洗浄器具の先端部分に取り付けると、中央パネルは先端部分の下面の上に広がり、その結果、主要な洗浄面を形成する。サイドパネルは、洗浄器具の先端部分の側縁部に沿って伸びる。サイドパネルはまた、吸収性材料も備え、適宜、中央パネルと同じ吸収性材料であるが、典型的には、サイドパネルは中央パネルより液体に対する吸収性が低い。中央パネルの幅(すなわち、y寸法における)は、洗浄器具の先端部分の幅に依存する。しかし、典型的には、中央パネルは洗浄パッドの幅の少なくとも3分の1にわたって広がる。
【0059】
こすり落としストリップを考慮から外して、このタイプの洗浄パッド、実際に、本発明の洗浄パッドは一般に、単層構造体を備えてもよく、又は多層構造体を備えてもよいと考えられる。例えば、単層構造体において、異なる吸収性材料を使用することにより、異なる吸収性のパネルが設けられてもよい。
【0060】
明確にするために、本発明に関しては、洗浄器具の先端部分の下面の上に広がる洗浄パッドの部分を参照するとき、これは、洗浄パッドのその部分が先端部分の下面の上で部分的にのみ広がる実施形態と、洗浄パッドのその部分が、長さの寸法及び幅の寸法のどちらか又は両方において、先端部分のそれぞれの部分のほぼ全体の上で広がる実施形態とを含む。典型的には、中央パネルは洗浄パッドの長さ全体に沿って伸びるが、その幅の一部分の上だけに広がる。
洗浄パッドはまた、洗浄器具に取り付けられるとき、その洗浄器具の先端部分の下面の上に広がるこすり落とし層も備えてよい。典型的には、こすり落とし層は洗浄パッド上の最も外側にあり、その結果、洗浄作業の通常の過程の間、洗浄される表面に接触する。この場合、こすり落とし層は、洗浄される表面を損傷しないように、必ずこすり落としストリップより低い研磨性でなければならない。
【0061】
こすり落とし層は単層構造体でも、又は多層構造体でもよい。例えば、PCT国際公開特許WO−A−0027271に開示されるように、多種多様の材料がこすり落とし層で使用されるのに適している。特に、こすり落とし層は、織布材及び不織布材;孔あき成形熱可塑性フィルム、孔あきプラスチックフィルム及びハイドロフォーミングされた熱可塑性フィルムなどの高分子材料;多孔質発泡体;網状発泡体;網状熱可塑性フィルム;並びに熱可塑性スクリムを含んでもよい。適した織布材及び不織布材は、天然繊維(例えば、木質繊維又は綿繊維)、ポリオレフィン類(例えば、ポリエチレン、特に高密度ポリエチレン、及びポリプロピレン)、ポリエステル類(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、ポリイミド類(例えば、ナイロン)及び合成セルロース類(例えば、レーヨン(RAYON)(登録商標))並びにポリスチレンなどの合成繊維、それらのブレンド及びコポリマー類、並びに天然繊維と合成繊維との組み合わせを含んでもよい。そのような合成繊維は、カード、スパンボンド、メルトブロウン、エアレイド、ニードルパンチなど、既知の方法で製造できる。
【0062】
洗浄パッドはまた、典型的には、同パッドを洗浄器具に取り付けるための取り付け手段も備える。あるいは、洗浄器具自体が、適した取り付け手段を含んでもよい。例えば、洗浄パッドは、同パッドが器具のハンドルか又は先端部分に接続するのを可能にする取り付け層を有してもよい。吸収層が、パッドを洗浄器具に取り付けるのに適さない実施形態では、取り付け層が必要なことがある。取り付け層はまた、洗浄パッドの上面(すなわち、ハンドルに接触する表面)を通る流体の流れを防ぐための手段としても機能でき、またパッドの一体性を更に強化できる。こすり落とし層及び吸収層でのように、取り付け層は、上記の要件を満たす限り、単層構造体から成っても、又は多層構造体から成ってもよい。
【0063】
本発明の好ましい実施形態では、取り付け層は、既知のフックアンドループ技術を使用して洗浄器具の先端部分に機械的に取り付けられることができる表面を備える。そのような実施形態では、取り付け層は、先端部分の底面に永久に付着されるフックに機械的に取り付け可能である少なくとも1つの表面を備える。
【0064】
別の実施形態では、取り付け層は、洗浄器具のハンドルの先端部分上に位置する取り付け構造体と係合できるように、洗浄パッドの他の要素のy寸法より長いy寸法(幅)を有してもよい。
【0065】
洗浄パッドは、多数の洗浄面又は縁部を有するように設計されてもよく、それらの各々が洗浄作業中に汚れた表面に接触する。モップなどの洗浄器具に関しては、これらの表面又は縁部は、典型的な洗浄作業中に(すなわち、器具がパッドのy寸法又は幅にほぼ平行な方向で前後に移動する場合)、洗浄パッドの「ロッキング(rocking)」の結果として、これらの表面又は縁部の各々が洗浄される表面に接触するように設けられる。多数の縁部の効果は、パッドがその寸法にわたって多くの幅を有するようにパッドを構成することにより達成される。すなわち、これらの多数の幅は、パッドの前側及び後側に沿う複数の表面又は縁部を形成する。この態様は、PCT国際公開特許WO−A−0027271で更に詳細に論じられる。
【0066】
洗浄パッドはまた、1以上の「浮動性」の機能的カフも含んでよい。そのようなカフは、粒子のピックアップを改善することにより、洗浄パッドの洗浄性能を改善する。機能的カフを備える洗浄パッドで、硬い表面全体が前後に拭かれるとき、機能的カフは右に左に「反転(flip)」し、その結果、粒子状物質をピックアップして捕える。機能的カフを有する洗浄パッドは、硬い表面上に通常見出される粒子状物質のピックアップ及び捕獲の改善を示し、そのような粒子状物質が洗浄される表面上に再堆積する傾向が低減される。機能的カフは様々な材料を備えてもよく、毛羽立てられたポリプロピレン、レーヨン若しくはポリエステル、水流交絡したポリエステル、スパンボンドされたポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン、綿、ポリプロピレン、又はそれらのブレンドが挙げられるが、これらに限定されない。機能的カフは、洗浄パッドの一体部分として形成されてもよく、又は洗浄パッドに別個に接着されてもよい。機能的カフが洗浄パッドの一体部分である場合、機能的カフは、好ましくは、例えばZ形の折り畳み及び/又はC形の折り畳みで洗浄パッドの下側部分をひだ寄せすることにより形成されるループ状の機能的カフである。あるいは、機能的カフは、当該技術分野において既知の様々な方法により洗浄パッドに別個に接着されてもよく、両面接着テープ、熱接合、接着剤、超音波溶接、縫製及び機械的高圧溶接などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0067】
好ましくは、洗浄パッドは、洗浄パッドの対向する縁部(例えば、y寸法に関して、パッドの前縁部と後縁部)に又は同縁部の近くに位置する2つの機能的カフを備える。好ましくは、機能的カフは、その長さが、消費者によって使用される、前後にモップで掃除する又は拭く方向に垂直であるような位置に配置される。
【0068】
洗浄パッドの大きさは、それが取り付けられる洗浄器具によって決定される。しかし、典型的には、洗浄パッドは100〜300mm(100〜300mm((x寸法)((y寸法)として表される)の範囲の寸法を有する。更に、洗浄パッドの厚さ(z寸法として表される)は、典型的には1mm〜20mmの範囲、より好ましくは2mm〜10mmの範囲であるが、やはりこれも洗浄パッドが用いられる用途による。
【0069】
本発明の洗浄パッドの様々な層及び/又は要素は、好ましくは、合わせて固着されて、単一構造体を形成する。様々な層及び/又は要素は、接着剤結合、熱及び/又は圧力結合、超音波結合などが挙げられるがこれらに限定されない様々な方法で固着できる。様々な層及び/又は要素は、手で又は当該技術分野において既知の従来のライン変換する方法で組立てられて、洗浄パッドを形成することができる。
【0070】
層及び/又は要素が接着剤によって合わせて固着されるとき、接着剤によって形成される固着が、濡れた環境で、特に、洗浄パッドが流体及び/又は汚れで飽和状態であるとき、その強度を維持できるような接着剤が通常選択される。2つの吸収層を合わせて固着するとき、吸収層と取り付け層とを合わせて固着するとき、又は吸収層と液体透過性こすり落とし層とを合わせて固着するとき、接着剤の選択は特に重要である。この関係では、接着剤が水への高い抵抗性を有する固着、例えば、乾燥固着強度値の少なくとも約30%、好ましくは少なくとも約50%、より好ましくは少なくとも約70%の固着保持性を有する固着をもたらすような接着剤が通常選択される。固着強度値は、部分的に改善されたASTM D1876−95(1995)(Iピールテスト)標準方法により測定でき、同方法は、米国特許第5,969,025号(コルザニ(Corzani)、1999年10月19日発行)に詳細に記載される。
【0071】
本発明で使用できる接着剤には、ビニルアセテート系のもの又は他のビニルエステル類を含み、またホモポリマー類から、エチレン及び/又はアクリルモノマー類とのコポリマー類(ビニルアクリル酸類)の範囲のビニルエマルション類;ホモポリマー類又はコポリマー類のどちらでもよいアクリル酸エマルション類;ポリマー自体(例えば、ヒドロキシル、エポキシ若しくはイソシアネート基と反応するカルボキシル基)を架橋できる反応性コモノマー(例えば、カルボキシル、ヒドロキシル、エポキシ、アミド若しくはイソシアネートなどの官能性を含有するモノマー)を含むことにより、又は外部の架橋剤(例えば、尿素ホルムアルデヒド樹脂、イソシアネート類、ポリオール類、エポキシド類、アミン類、及び金属塩類、特に亜鉛)との反応により作られるものを含有する架橋した接着剤が挙げられる。接着剤にはまた、ビニルアセテート/エチレンコポリマーラテックスへの水素添加ロジンエステル粘着性付与剤の添加など、接着性を改善するための限定量の粘着付与樹脂も挙げられる。他の適した水系接着剤組成物には、米国特許第5,969,025号(コルザニ(Corzani)1999年10月19日発行)に開示されるものが挙げられる。
【0072】
しかし、特にその構造的一体性が、最終的に形成される接着剤固着程強くない場合、材料の中には、接着剤を使用して固着するのが困難なものがある。その場合、材料の、接着剤と直接接触している部分のみが他の材料と固着したままで、材料の残部は、固着を意図された材料から容易に分離する。このタイプの材料は、米国特許出願10/456,288(マックフォール(McFall)ら、2003年6月6日出願)に記載される方法を使用して固着されてもよい。この文書に記載される固着技術で、熱可塑性材料又は接着剤の必要なしにパッド構造体全体にわたる固着が可能になる。
【0073】
好ましくはパッドは、好ましくはその厚さ全体にわたって、選択された位置で固着されるか又は圧縮されて、パッド構造体内に複数の別個のリザーバ又はポケットを形成し、それらは好ましくは互いに流体連通している。予め湿らせた洗浄パッドに関しては、これは特に好ましい。洗浄パッドに、例えば液体洗浄組成物が充填されたとき、リザーバは滴りを低減するのに役立つ。
【0074】
固着は、例えば熱及び/若しくは圧力の適用で、又は超音波によって行われてもよい。1つの実施形態では、洗浄パッドは、上側シート及び下側シート内に封入された吸収性コアを備え、各流体リザーバは吸収性コアの一部分を収容する。固着は、パッドの1つの縁部からパッドのもう1つの縁部までほぼ伸びる線固着の形態をとってもよく、また隣接する複数のリザーバを作るために他の線固着と交差する。あるいは、互いに接するよりも、互いから分離する複数のリザーバを作るように、固着パターンが選択されてもよい。リザーバは、例えば円形、楕円形、ダイヤモンド形、正方形、矩形、三角形、及び六角形、並びにこれらの組み合わせから選択される、様々な形状であってもよい。
【0075】
洗浄パッドは、乾燥した形態で洗浄器具に取り付けられてもよく、又は液体洗浄組成物で予め湿らせて(又は含浸して)いてもよい。洗浄される表面によって、洗浄組成物が選択される。
洗浄パッドは、様々な洗浄器具と共に使用されてもよい。適した洗浄器具の1例は、ハンドルと、例えば自在ジョイントによりハンドルに旋回可能に取り付けられた先端部分(モップヘッド)とを備えるモップの形態である。洗浄器具はまた、液体放出システムも備え、液体を先端部分に又は洗浄される表面に放出してもよい。例えば、液体放出システムは、使用中、洗浄組成物を先端部分の前の洗浄される表面上にスプレーするスプレー機構の形態をとってもよい。スプレー機構は手で操作されてもよく、又は電池、モーター若しくは手ではない他の手段で操作されてもよい。
【0076】
本発明の洗浄器具は、様々な硬い表面を洗浄するために使用されてもよい。しかし、好ましくは、それらの器具は床を洗浄するために使用される。それらの床は主に、セラミック、磁器、大理石、フォーマイカ(Formica)(登録商標)、ワックスのないビニル、リノリウム、木材、クォーリータイル、レンガ、又はセメントなどから成る。
【0077】
洗浄パッドを洗浄器具に取り付けた後、洗浄パッドが乾燥タイプのものである(すなわち、予め湿らせていない)場合、洗浄器具の先端部分(及び、したがって洗浄パッド)に及び/又は洗浄される表面に直接、液体洗浄組成物を塗布する必要がある。洗浄器具の先端部分を、液体洗浄組成物の入ったバケツに単に浸漬することにより、液体洗浄組成物は洗浄パッドに塗布されてもよく、その構成成分によって、液体洗浄組成物は希釈されてもよい。この場合、洗浄パッドは好ましくは、滴り落ちることがないように使用前に絞られるべきである。
【0078】
あるいは、液体洗浄組成物は、例えば洗浄器具に含まれる手段によって、又は直接消費者によって、先端部分に放出されてもよい。
【0079】
別の選択肢は、液体洗浄組成物を液体の形態又はスプレーの形態で、洗浄される表面に直接、塗布することである。これは、別個の噴出ボトル若しくはスプレートリガーシステムにより行われてもよく、又は上述のように、洗浄器具に直接取り付けられた手段若しくは内蔵された手段によって行われてもよい。
しかし、予め湿らせた洗浄パッドが使用される場合、典型的には、洗浄パッド又は洗浄される表面に追加の液体洗浄組成物を塗布する必要はない。
【0080】
洗浄は、洗浄される表面全体を洗浄器具の先端部分で拭くことによって行われる。好ましい拭くパターンは重なり合う上下の動作から成り、洗浄される部分の左(又は右)下側で始まり、上下に拭く動作を続けながら床全体を拭くパターンが進行する。その後、洗浄される部分の右(又は左)上側で始まり、左右の動作を使って、拭くパターンの方向を変えて、拭くことが続けられる。別の好ましい拭くパターンは、上下の拭く動作から成り、次に逆方向の上下の拭く動作が続く。これらの徹底的な、好ましい拭くパターンによって、パッドがより多くの溶液、ごみ、及び細菌をばらばらにして吸収することができ、またそのようにする際に、後に残った残留物を最小化することにより、より良好な最終結果をもたらす。上記の拭くパターンの別の効果は、溶液の広がりが改善された結果として、条痕が最小化され、またパッドの縁部によるすじ状の線が除去されることである。
【0081】
頑固な汚れ又は染みを表面から除去することを望む場合、洗浄器具の先端部分の側縁部上のこすり落としストリップを頑固な汚れに接触させるために、洗浄器具の先端部分は傾けられる。次に、頑固な汚れは、汚れ全体にわたってこすり落としストリップを繰り返し短く前後に動かすことで除去される。
【0082】
典型的には、洗浄後、洗浄パッドは取り外されて処理され、それと共に細菌及びごみは表面から除去され、その結果、より良好な衛生及び悪臭の制御が促進される。しかし、洗浄パッドが液体及び/又はごみで飽和状態になるかどうかによって、パッドは多様な洗浄に使用されてもよい。これは、消費者により容易に確かめられる。
【0083】
洗浄後、表面をすすぐのが望ましいことがあり、また最初のパッドの汚れのレベルによって、この目的のための新しい洗浄パッド、又は別の製品を使用するのが望ましいことがある。
【0084】
典型的には、複数の洗浄パッドが、通常は洗浄器具に取り付けるための説明書と共に、消費者に供給するための容器又はフィルム包装内に用意される。洗浄器具及び洗浄パッドを備えるキットもやはり、適した操作説明書を通常備える。
【0085】
次に、本発明は添付図面を参照して更に説明される。
【0086】
図1に関し、洗浄パッド1は、多数の吸収層を備え長手方向に伸びる中央パネル2を備える。長手方向に伸びるサイドパネル3は、中央パネルに隣接し、この実施形態では、中央パネルより吸収性の低い吸収性材料を備える。こすり落としストリップ4は、サイドパネルの一方の上に位置し、サイドパネルのほぼ全長に伸びる。
【0087】
図2及び図3に関し、本発明の1つの態様により作製される洗浄器具10が説明され、洗浄器具10はハンドル11と、自在ジョイント13でハンドルに取り付けられた先端部分12とを備える。洗浄器具10は、洗浄される表面から洗浄液及び粒子を吸収するために、取り外し可能に取り付けられた洗浄パッド基材1を使用する。洗浄基材1は、液体吸収性パッド又は液体で予め湿らせたパッドなど、1以上の形態で設けられてもよい。
【0088】
洗浄パッド上のその位置により、こすり落としストリップ4はモップの前縁部に沿って伸びる。こすり落としが必要な場合、モップのユーザはモップを単に90度回転させ、先端部分12を直立位置にするだけで、こすり落としストリップは床に接触する。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明で使用するための洗浄パッドの下面の平面図。
【図2】本発明による洗浄器具の斜視図。
【図3】本発明による洗浄器具の側面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドル(11);
前記ハンドル(11)に旋回可能に取り付けられ、上面と、側縁部によって前記上面に接続した下面とを備える先端部分(12);及び
前記先端部分(12)に取り外し可能に取り付けられた洗浄パッド(1)であって、前記先端部分(12)の前記下面の上に広がる吸収層と、前記先端部分(12)の側縁部に沿って伸びるこすり落としストリップ(4)とを備える前記洗浄パッド(1);
を備える洗浄器具(10)。
【請求項2】
前記洗浄パッド(1)が液体洗浄組成物で含浸された、請求項1に記載の洗浄器具(10)。
【請求項3】
前記こすり落としストリップ(4)が液体透過性である、請求項1又は2に記載の洗浄器具(10)。
【請求項4】
前記こすり落としストリップ(4)が研磨材料を備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の洗浄器具(10)。
【請求項5】
前記こすり落としストリップ(4)が熱可塑性フィルムを備える、請求項4に記載の洗浄器具(10)。
【請求項6】
前記フィルムが、該フィルムから且つ前記洗浄器具(10)の前記側縁部から外側に伸びる複数の突出部を備える、請求項5に記載の洗浄器具(10)。
【請求項7】
前記フィルムが複数の開口を備える、請求項5又は6に記載の洗浄器具(10)。
【請求項8】
前記突出部及び/又は開口が、隣接する突出部及び/又は開口に関してずれている、請求項6又は7に記載の洗浄器具(10)。
【請求項9】
前記こすり落としストリップ(4)が粒子状物質の層を備える、請求項4に記載の洗浄器具(10)。
【請求項10】
前記こすり落としストリップ(4)が前記洗浄パッド(1)のほぼ全長に沿って伸びる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の洗浄器具(10)。
【請求項11】
前記こすり落としストリップ(4)が、前記先端部分(12)の前側縁部上で、前方への洗浄動作の方向に位置する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の洗浄器具(10)。
【請求項12】
前記こすり落としストリップ(4)が、前記洗浄パッド(1)の残部に対して対照的な色である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の洗浄器具(10)。
【請求項13】
前記洗浄パッド(1)が少なくとも2本のこすり落としストリップ(4)を備え、各こすり落としストリップ(4)が前記先端部分(12)の側縁部に沿って伸びる、請求項1〜12のいずれか一項に記載の洗浄器具(10)。
【請求項14】
前記少なくとも2本のこすり落としストリップ(4)が異なる研磨特性を有する、請求項13に記載の洗浄器具(10)。
【請求項15】
前記こすり落としストリップ(4)が異なる色である、請求項14に記載の洗浄器具(10)。
【請求項16】
前記吸収層が超吸収性材料を備える、請求項1〜15のいずれか一項に記載の洗浄器具(10)。
【請求項17】
ハンドル(11)と、該ハンドルに旋回可能に取り付けられた先端部分(12)とを備え、前記先端部分(12)が、上面と、側縁部によって接続した下面とを備える洗浄器具(10);及び
前記洗浄器具(10)に取り外し可能に取り付けるための洗浄パッド(1)であって、前記洗浄器具(10)への取り付けで、吸収層が前記先端部分(12)の前記下面の上に広がり、こすり落としストリップ(4)が前記先端部分(12)の側縁部に沿って伸びるように、前記吸収層と前記こすり落としストリップ(4)とを備える前記洗浄パッド(1);
を備える洗浄キット。
【請求項18】
前記洗浄パッド(1)を前記洗浄器具(10)に取り付けるための説明書を更に含む、請求項17に記載のキット。
【請求項19】
硬い表面を洗浄する方法であって、
ハンドル(11)と、該ハンドルに旋回可能に取り付けられた先端部分(12)とを備え、前記先端部分(12)が、上面と、側縁部によって前記上面に接続した下面とを有する洗浄器具(10)を用意すること;
吸収層とこすり落としストリップ(4)とを備える洗浄パッド(1)を、前記吸収層が前記先端部分(12)の前記下面の上に広がり、前記こすり落としストリップ(4)が前記先端部分(12)の側縁部に沿って伸びるように、前記先端部分(12)に取り付けること;
適宜、洗浄される表面及び/又は前記洗浄器具(10)の前記先端部分(12)に液体洗浄組成物を塗布すること;
前記硬い表面を前記洗浄器具(10)で拭くこと;並びに
適宜、前記洗浄パッド(1)を前記洗浄器具(10)の前記先端部分(12)から取り外すこと;
を含む方法。
【請求項20】
前記洗浄器具(10)の前記先端部分(12)を旋回させること、及び前記洗浄パッド(1)の前記こすり落としストリップ(4)で、前記洗浄される表面をこすることを更に含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
洗浄器具(10)に取り外し可能に取り付けるための使い捨て洗浄パッド(1)であって、前記洗浄パッド(1)が、吸収層を備え長手方向に伸びる中央パネル(2)と、前記中央パネル(2)の長手方向に伸びる各側縁部に隣接するサイドパネル(3)とを備え、前記サイドパネル(3)の少なくとも一方がこすり落としストリップ(4)を備え、前記中央パネル(2)が液体に対して前記サイドパネル(3)より高い吸収性がある、洗浄パッド(1)。
【請求項22】
前記中央パネル(2)が前記洗浄パッド(1)の幅の少なくとも3分の1にわたって広がる、請求項21に記載の洗浄パッド(1)。
【請求項23】
ハンドル(11)と、該ハンドルに旋回可能に取り付けられた先端部分(12)とを備える洗浄器具(10);及び
請求項21又は請求項22で定義されるような洗浄パッド(1);
を備えるキット。
【請求項24】
硬い表面を洗浄する方法であって、
ハンドル(11)と、該ハンドルに旋回可能に取り付けられた先端部分(12)とを備え、前記先端部分(12)が、上面と、側縁部によって前記上面に接続した下面とを有する洗浄器具(10)を用意すること;
前記中央パネル(2)が前記先端部分(12)の前記下面の上に広がり、前記サイドパネル(3)が前記先端部分(12)の側縁部の上に広がるように、請求項21又は請求項22で定義されるような洗浄パッド(1)を前記先端部分(12)に取り付けること;
適宜、洗浄される表面及び/又は前記洗浄器具(10)の前記先端部分(12)に液体洗浄組成物を塗布すること;
前記硬い表面を前記洗浄器具(10)で拭くこと;並びに
適宜、前記洗浄パッド(1)を前記洗浄器具(10)の前記先端部分(12)から取り外すこと;
を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−507325(P2007−507325A)
【公表日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534457(P2006−534457)
【出願日】平成16年10月8日(2004.10.8)
【国際出願番号】PCT/US2004/033537
【国際公開番号】WO2005/034711
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】