洗浄具
【課題】 吹付ノズルの吹出口の向きの調整も容易となる洗浄具を提供するものである。
【解決手段】 洗浄ヘッド1と把持体2とを連結して成る洗浄具Aにおいて、把持体2を、棒状の洗浄容器27と、洗浄容器27の軸方向に突設するように洗浄容器27の先端面に取り付けられる吹付ノズル29と、吹付ノズル29に被さるようにして洗浄容器27と同軸にして洗浄容器27に連結される中継筒体22とで構成し、同形状で且つ吹付ノズル操作が可能な大きさの一対の洗浄液の吹出窓23を、中継筒体22の周方向にほぼ180度間隔を設けて形成したことを特徴とする。
【解決手段】 洗浄ヘッド1と把持体2とを連結して成る洗浄具Aにおいて、把持体2を、棒状の洗浄容器27と、洗浄容器27の軸方向に突設するように洗浄容器27の先端面に取り付けられる吹付ノズル29と、吹付ノズル29に被さるようにして洗浄容器27と同軸にして洗浄容器27に連結される中継筒体22とで構成し、同形状で且つ吹付ノズル操作が可能な大きさの一対の洗浄液の吹出窓23を、中継筒体22の周方向にほぼ180度間隔を設けて形成したことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓ガラス等の部材表面に付いた汚れを取るための洗浄具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
窓ガラス用の洗浄具には、高所まで洗浄し易くするために洗浄ヘッドに棒状の把持体を連結して形成されたものがある。この洗浄具の洗浄ヘッドは、通常、軟質発泡体及び拭き取りブレードを上下一対の保持体で挟持して構成されている。把持体には洗浄液の吹付ノズルを先端に有する洗浄容器が取り付けられたものがある。
【0003】
そして、この洗浄具を用いて洗浄する場合には、吹付ノズルから洗浄液を窓ガラス面等の被洗浄面に吹き付け、洗浄ヘッドの軟質発泡体を汚れ面に押し付けながら往復動させて洗浄液を泡立てた後、拭き取りブレードの先端を被洗浄面上をスライドさせて洗浄液と共に汚れを拭き取るようにする。
【0004】
洗浄ヘッドは、軟質発泡体や拭き取りブレードを上下一対の保持体で挟持すると共に上下の保持体をビス等の連結部材で結合して組み立てられる。また、軟質発泡体や拭き取りブレードが劣化したときには、連結部材を外して上下の保持体を引き離した後、新たな軟質発泡体又は拭き取りブレードを挟んだ上下の保持体を再び結合する作業が必要となる。
【0005】
ところで、軟質発泡体はスポンジにて形成され、拭き取りブレードに較べて厚さ寸法が大きくなっている。したがって、軟質発泡体を保持体間にセットする際には、上下一対の保持体を軟質発泡体の厚さ寸法以上に引き離した後に上下の保持体を結合して軟質発泡体を挟持しなければならない。この場合、軟質発泡体を圧縮しながら上下一対の保持体を合致させなければならないので、保持体を結合位置に位置決めし難い。特に、最初の組立又は軟質発泡体等の取り替え後の組立を家庭等のユーザーが行う場合は、作業に手間取るという問題があった。
【0006】
更に、吹付ノズルを吹出窓のあるカバーで覆う形式のものでは、吹付ノズルの吹き出し方向を吹出窓に合致させて組み立てる必要があるが、吹出口が吹出窓と正反対の方向を向いている場合には、吹出口の向きを変える作業が面倒になるという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、吹付ノズルの吹出口の向きの調整が容易な洗浄具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の前記課題を達成するために、本発明は、洗浄ヘッドと把持体とを連結して成る洗浄具において、前記把持体を、棒状の洗浄容器と、該洗浄容器の軸方向に突設するように前記洗浄容器の先端面に取り付けられる吹付ノズルと、該吹付ノズルに被さるようにして前記洗浄容器と同軸にして前記洗浄容器に連結される中継筒体とで構成し、同形状で且つ吹付ノズル操作が可能な大きさの一対の洗浄液の吹出窓を、前記中継筒体の周方向にほぼ180度間隔を設けて形成したことを特徴とする洗浄具である。
【発明の効果】
【0009】
以上の説明からも明らかなように、本発明によれば、最大ほぼ45度の回転角度で吹付ノズルの吹出口の向きを吹出窓に向けることができるので、吹付ノズルの吹出方向の調整が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の洗浄具の第1の実施形態を示す斜視図である。
【図2】本発明の洗浄具の第1の実施形態を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の洗浄具の第1の実施形態の部分拡大斜視図である。
【図4】本発明の洗浄具の第1の実施形態の洗浄ヘッドの底面図である。
【図5】図4のA―A線断面図ある。
【図6】図4のB―B線断面図ある。
【図7】本発明の洗浄具の第1の実施形態の洗浄ヘッドを示す一部切欠いた斜視図である。
【図8】本発明の洗浄具の第1の実施形態の洗浄ヘッドの下保持体の平面図である。
【図9】本発明の洗浄具の第1の実施形態の洗浄ヘッドの上保持体の底面図である
【図10】本発明の洗浄具の第1の実施形態の洗浄ヘッドの組み立て過程を示す断面図である。
【図11】本発明の洗浄具の第1の実施形態の洗浄ヘッドと把持体との連結状態を示す側断面図である。
【図12】本発明の洗浄具の第1の実施形態の洗浄ヘッドと把持体との連結状態を示す底面図である。
【図13】本発明の洗浄具の第2の実施形態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について図面を参照して説明をする。図1乃至図12は第1の実施の形態を示している。図1に示すように、洗浄具Aは、洗浄ヘッド1に把持体2を連結して構成されている。
【0012】
洗浄ヘッド1は、軟質発泡体3と拭き取りブレード4と上下一対の保持体6,5とから成り、上下の保持体6,5の前部には軟質発泡体3が挟持され、上下の保持体6,5の後部には拭き取りブレード4が挟持されている。
【0013】
軟質発泡体3は、軟質の発泡合成樹脂にて断面矩形で棒状に形成されている。この軟質発泡体3を洗浄液が吹き付けられた汚れ面に押し当てて往復動させることにより洗浄液を泡立てることができる。なお、軟質発泡体3の押し当て部を泡立てに支障のない範囲で薬剤にて硬化させて耐久性を向上させても良い。
【0014】
拭き取りブレード4は、ハードラバーにて形成されており、図5に示すように、拭き取りブレード4の基端部には断面円形の抜け止め部41が形成されている。なお、ハードラバーの材質としては、例えば、天然ゴム、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ネオプレン(登録商標)ゴム、シリコンゴム、エチレンポリプロピレンゴム等が挙げられるが、これらに特に限定されるものではない。
【0015】
図5に示すように、下保持体5の前部には下挟持部51が、下保持体5の後部には下ブレード挟持部52がそれぞれ形成されている。上保持体6の前部には上挟持部61が、上保持体6の後部には上ブレード挟持部62がそれぞれ形成されている。
【0016】
また、図8及び図9に示すように、上下の挟持部61,51の各先端部には係止歯63,53がそれぞれ列設されている。また、上下の保持体6,5の各ブレード挟持部62,52の各基端には拭き取りブレード4の抜け止め部41が嵌まり込む係止溝64,54がそれぞれ形成されている。また、上保持体6の上挟持部ブレード挟持部62の挟持面には係止突起66が列設されている。
【0017】
図8に示すように、下保持体5の左右両側にはねじ孔55が形成され、また、図9に示すように、上保持体6には下保持体5のねじ孔55に対応するねじ挿入孔65が形成されている。
【0018】
図7に示すように、下保持体5の下面には連結用突部7が突設されている。この連結用突部7は、下保持体5の下面中央を囲む同一円上に立設される左右一対の断面円弧状の連結用位置決め突片71と前後一対の連結用係止突片72とで構成されている。
【0019】
連結用係止突片72は弾性変形可能であり、連結用係止突片72の先端部の外側には掛止突部73が形成され、連結用係止突片72の内側及び掛止突部73の外側の中央には縦方向にリブ74,75が形成されている。
【0020】
図7に示すように、連結用突部7の内側には連結用突部7と同じ高さで上端が閉塞された円筒体8が左右に一対形成され、円筒体8の下端部81は、図5のように下保持体5の上面から立設されている。そして、この円筒体8により円筒体8内には連結用突部7の内部から下保持体5の上面の上方にかけて縦方向に長い円柱状の嵌合孔9(下嵌合部の一例)が形成されている。
【0021】
一方、図5及び図9に示すように、上保持体6の下面中央には下保持体5の嵌合孔9に対応して左右一対の長尺で円柱状の嵌合突起10(上嵌合部の一例)が立設されている。
【0022】
このように、連結用突部7の内の空間を利用して長尺の嵌合孔9を形成するので、下保持体5から下方向にだけ形成するのに比べ、連結用突部7の高さ分だけ嵌合孔9を長くすることができ、また、嵌合孔9に対応して上保持体6の嵌合突起10を長く形成している。したがって、図10のように、上下の保持体6,5を相対向させて上保持体6の嵌合突起10の先端部を下保持体5の嵌合孔9の下端部に嵌合した状態では上下の保持体6、5の間に軟質発泡体3の挿入可能の隙間が確保される。また、図5に示すように、嵌合突起10の先端部を嵌合孔9の奥まで嵌合することにより上下の保持体6,5が結合位置までガイドされて、該結合位置に位置決めされることとなる。
【0023】
なお、嵌合孔9及び嵌合突起10の形状は特に限定されるものではなく、例えば、左右に長い板状等としても良い。
【0024】
したがって、洗浄ヘッド1を組み立てる場合には、上下の保持体6,5は嵌合孔9及び嵌合突起10にてガイドされながら軟質発泡体3を挟持することができ、軟質発泡体3を圧縮しながら上下の保持体6,5を合致位置に位置決めする作業が容易になる。
【0025】
また、上下の保持体6,5が完全に合致する手前で、上下のブレード挟持部62,52の間に拭き取りブレード4を挿入して挟持する。このとき、拭き取りブレード4は下ブレード挟持部62の係止突起66によって係止されるので、上下の保持体6,5を完全に合致させる前であっても拭き取りブレード4が不用意に抜け落ちることがなくなる。また、後述のように上下の保持体6,5をねじ止めして組み立てた状態では、係止突起66が拭き取りブレード4に食い込むことによって拭き取りブレード4は完全に係止され、拭き取りブレード4の前後方向の移動を確実に防止できる。なお、係止突起66の高さや間隔は適宜設計変更できるものである。
【0026】
そして、軟質発泡体3及び拭き取りブレード4を挟持した状態で上下の保持体6,5を合致した後、図6のようにねじ11を上保持体6のねじ挿入孔65を介して下保持体5のねじ孔55に螺合することにより上下の保持体6,5をねじ止めする。
【0027】
図1のように、把持体2は、棒状の把持本体21と、この把持体2と洗浄ヘッド1を継ぐための中継筒体22とで構成されている。
【0028】
図2のように、中継筒体22の中間部には一対の洗浄液の吹出窓23が設けられている。この一対の吹出窓23は中継筒体22の周方向に180度の間隔が設けられると共に、同じ高さ位置に同じ大きさで同じ形状に形成され、中継筒体22の下部の内径は下保持体5の連結用突部7の外径とほぼ同寸法に設定されている。また、中継筒体22の上部の内周側には雌ねじ部32が形成されている。
【0029】
図11および図12に示すように、中継筒体22の下部の内周側には周方向に180度間隔を設けて一対の係止部24が設けられている。この係止部24は左右一対の係止台25と係止台25の外側に位置する左右一対のガイド部26とで構成されている。
【0030】
図2に示すように、把持本体21は、中継筒体22と同径の棒状の洗剤容器27にキャップ28を取り付けて形成されている。キャップ28には吹付ノズル29付き操作ボタン30及びポンプ機構部が取り付けられ、ポンプ機構部から洗剤容器27内に吸引チューブが導出され、キャップ28の操作ボタン30の上下動によってポンプ機構部が駆動して吹付ノズル29の吹出口31から洗浄液が吹き出すようになっている。また、洗剤容器27の上端部の外周には雄ねじ部33が形成されている。
【0031】
操作ボタン30は、360度回転できて吹付ノズル29の吹出口31の向きが自由に変えられるようになっている。
【0032】
図11及び図12のように、中継筒体22の下部と洗浄ヘッド1の下保持体5の連結用突部7との連結状態を示している。中継筒体22の下部を連結用突部7に嵌合すると共に、連結用係止突片72を中継筒体22のガイド部26間に挿入することにより、連結用係止突片72が弾性変形して掛止部73が中継筒体22の係止台25に乗り上げる。中継筒体22が連結用突部7に完全に嵌合した場合には、下保持体5の連結用係止突片72の掛止部73が係止台25の下面に係止する。なお、中継筒体22を上記嵌合方向とは逆の方向に通常の洗浄作業では発生しない力で強く引くことにより、掛止部の掛止状態は解除される。
【0033】
把持本体21と中継筒体22は雄ねじ部33と雌めじ部32を螺合することにより連結されるが、吹付ノズル29の吹出口31と中継筒体22の吹出窓23とが合致しない場合には、吹付ノズル29を回転させて吹出口31を吹出窓23に向ける。この場合、吹出口31を一対の吹出窓23のうち回転角度が小さくて済む吹出窓23の方向に向ければ良く、吹付ノズル29を最大でも45度という小さな回転角度で吹付ノズル29の吹出口31を吹出窓23に合致させることができる。
【0034】
図13は、第2の実施の形態を示している。下嵌合部は、先部に掛止部9aが形成され且つ基端が連結用位置決め突片71に固定された軸体9bにて構成され、この軸体9bは、下保持体5の連結用突部7の内部から下保持体5の上面側にかけて形成されている。
【0035】
上嵌合部は、上保持体6の下面から互いに近接して立設される弾性変形可能な一対の受け片10aにて構成され、各受け片10aの中間部の内側には掛止受部10bが形成されている。
【0036】
そして、軸体9bの掛止部9aを一対に受け片10aの上部の間に挿入したときには、第1の実施の形態と同様に、上下の保持体6,5の間に軟質発泡体3を挿入するための隙間が確保される。また、上下の保持体6,5が合致した状態では(下保持体5を二点鎖線で示している)、軸体9bの掛止部9bが一対の受け片10bの下部の間まで進入して掛止受部10bに係止する。
【0037】
また、本実施の形態では、第1の実施の形態のねじ挿通孔65、ねじ孔55及びねじ11に代えて、先部に係止部65aを有する弾性変形可能な連結片65bを上保持体6の左右両側から立設し、上下の保持体6,5が合致したときには係止部65aが下保持体5の両端面を乗り越えて下保持体5の下面に係止するようになっている。
【0038】
このように本実施の形態によれば、ねじ止め作業が不要となって洗浄ヘッド1の組立が容易になる。なお、上下の保持体6,5を引き離すときには、連結片65aを外側に弾性変形させて係止部65aを下保持体5から解除した状態で、上下の保持体6,5を強制的に引き離して軸体9aの掛止部9bを受け片10aの掛止受部10bから解除する。
【0039】
なお、その他の構成は、第1の実施の形態と同じであるので、第1の実施の形態と同符号を付することによりその説明を省略する。
【符号の説明】
【0040】
1 洗浄ヘッド
2 把持体
3 軟質発泡体
4 拭き取りブレード
5 下保持体
6 上保持体
7 連結用突部
9 嵌合孔(下嵌合部の一例)
10 嵌合突起(上嵌合部の一例)
29 吹付ノズル
31 吹出口
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓ガラス等の部材表面に付いた汚れを取るための洗浄具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
窓ガラス用の洗浄具には、高所まで洗浄し易くするために洗浄ヘッドに棒状の把持体を連結して形成されたものがある。この洗浄具の洗浄ヘッドは、通常、軟質発泡体及び拭き取りブレードを上下一対の保持体で挟持して構成されている。把持体には洗浄液の吹付ノズルを先端に有する洗浄容器が取り付けられたものがある。
【0003】
そして、この洗浄具を用いて洗浄する場合には、吹付ノズルから洗浄液を窓ガラス面等の被洗浄面に吹き付け、洗浄ヘッドの軟質発泡体を汚れ面に押し付けながら往復動させて洗浄液を泡立てた後、拭き取りブレードの先端を被洗浄面上をスライドさせて洗浄液と共に汚れを拭き取るようにする。
【0004】
洗浄ヘッドは、軟質発泡体や拭き取りブレードを上下一対の保持体で挟持すると共に上下の保持体をビス等の連結部材で結合して組み立てられる。また、軟質発泡体や拭き取りブレードが劣化したときには、連結部材を外して上下の保持体を引き離した後、新たな軟質発泡体又は拭き取りブレードを挟んだ上下の保持体を再び結合する作業が必要となる。
【0005】
ところで、軟質発泡体はスポンジにて形成され、拭き取りブレードに較べて厚さ寸法が大きくなっている。したがって、軟質発泡体を保持体間にセットする際には、上下一対の保持体を軟質発泡体の厚さ寸法以上に引き離した後に上下の保持体を結合して軟質発泡体を挟持しなければならない。この場合、軟質発泡体を圧縮しながら上下一対の保持体を合致させなければならないので、保持体を結合位置に位置決めし難い。特に、最初の組立又は軟質発泡体等の取り替え後の組立を家庭等のユーザーが行う場合は、作業に手間取るという問題があった。
【0006】
更に、吹付ノズルを吹出窓のあるカバーで覆う形式のものでは、吹付ノズルの吹き出し方向を吹出窓に合致させて組み立てる必要があるが、吹出口が吹出窓と正反対の方向を向いている場合には、吹出口の向きを変える作業が面倒になるという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、吹付ノズルの吹出口の向きの調整が容易な洗浄具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の前記課題を達成するために、本発明は、洗浄ヘッドと把持体とを連結して成る洗浄具において、前記把持体を、棒状の洗浄容器と、該洗浄容器の軸方向に突設するように前記洗浄容器の先端面に取り付けられる吹付ノズルと、該吹付ノズルに被さるようにして前記洗浄容器と同軸にして前記洗浄容器に連結される中継筒体とで構成し、同形状で且つ吹付ノズル操作が可能な大きさの一対の洗浄液の吹出窓を、前記中継筒体の周方向にほぼ180度間隔を設けて形成したことを特徴とする洗浄具である。
【発明の効果】
【0009】
以上の説明からも明らかなように、本発明によれば、最大ほぼ45度の回転角度で吹付ノズルの吹出口の向きを吹出窓に向けることができるので、吹付ノズルの吹出方向の調整が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の洗浄具の第1の実施形態を示す斜視図である。
【図2】本発明の洗浄具の第1の実施形態を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の洗浄具の第1の実施形態の部分拡大斜視図である。
【図4】本発明の洗浄具の第1の実施形態の洗浄ヘッドの底面図である。
【図5】図4のA―A線断面図ある。
【図6】図4のB―B線断面図ある。
【図7】本発明の洗浄具の第1の実施形態の洗浄ヘッドを示す一部切欠いた斜視図である。
【図8】本発明の洗浄具の第1の実施形態の洗浄ヘッドの下保持体の平面図である。
【図9】本発明の洗浄具の第1の実施形態の洗浄ヘッドの上保持体の底面図である
【図10】本発明の洗浄具の第1の実施形態の洗浄ヘッドの組み立て過程を示す断面図である。
【図11】本発明の洗浄具の第1の実施形態の洗浄ヘッドと把持体との連結状態を示す側断面図である。
【図12】本発明の洗浄具の第1の実施形態の洗浄ヘッドと把持体との連結状態を示す底面図である。
【図13】本発明の洗浄具の第2の実施形態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について図面を参照して説明をする。図1乃至図12は第1の実施の形態を示している。図1に示すように、洗浄具Aは、洗浄ヘッド1に把持体2を連結して構成されている。
【0012】
洗浄ヘッド1は、軟質発泡体3と拭き取りブレード4と上下一対の保持体6,5とから成り、上下の保持体6,5の前部には軟質発泡体3が挟持され、上下の保持体6,5の後部には拭き取りブレード4が挟持されている。
【0013】
軟質発泡体3は、軟質の発泡合成樹脂にて断面矩形で棒状に形成されている。この軟質発泡体3を洗浄液が吹き付けられた汚れ面に押し当てて往復動させることにより洗浄液を泡立てることができる。なお、軟質発泡体3の押し当て部を泡立てに支障のない範囲で薬剤にて硬化させて耐久性を向上させても良い。
【0014】
拭き取りブレード4は、ハードラバーにて形成されており、図5に示すように、拭き取りブレード4の基端部には断面円形の抜け止め部41が形成されている。なお、ハードラバーの材質としては、例えば、天然ゴム、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ネオプレン(登録商標)ゴム、シリコンゴム、エチレンポリプロピレンゴム等が挙げられるが、これらに特に限定されるものではない。
【0015】
図5に示すように、下保持体5の前部には下挟持部51が、下保持体5の後部には下ブレード挟持部52がそれぞれ形成されている。上保持体6の前部には上挟持部61が、上保持体6の後部には上ブレード挟持部62がそれぞれ形成されている。
【0016】
また、図8及び図9に示すように、上下の挟持部61,51の各先端部には係止歯63,53がそれぞれ列設されている。また、上下の保持体6,5の各ブレード挟持部62,52の各基端には拭き取りブレード4の抜け止め部41が嵌まり込む係止溝64,54がそれぞれ形成されている。また、上保持体6の上挟持部ブレード挟持部62の挟持面には係止突起66が列設されている。
【0017】
図8に示すように、下保持体5の左右両側にはねじ孔55が形成され、また、図9に示すように、上保持体6には下保持体5のねじ孔55に対応するねじ挿入孔65が形成されている。
【0018】
図7に示すように、下保持体5の下面には連結用突部7が突設されている。この連結用突部7は、下保持体5の下面中央を囲む同一円上に立設される左右一対の断面円弧状の連結用位置決め突片71と前後一対の連結用係止突片72とで構成されている。
【0019】
連結用係止突片72は弾性変形可能であり、連結用係止突片72の先端部の外側には掛止突部73が形成され、連結用係止突片72の内側及び掛止突部73の外側の中央には縦方向にリブ74,75が形成されている。
【0020】
図7に示すように、連結用突部7の内側には連結用突部7と同じ高さで上端が閉塞された円筒体8が左右に一対形成され、円筒体8の下端部81は、図5のように下保持体5の上面から立設されている。そして、この円筒体8により円筒体8内には連結用突部7の内部から下保持体5の上面の上方にかけて縦方向に長い円柱状の嵌合孔9(下嵌合部の一例)が形成されている。
【0021】
一方、図5及び図9に示すように、上保持体6の下面中央には下保持体5の嵌合孔9に対応して左右一対の長尺で円柱状の嵌合突起10(上嵌合部の一例)が立設されている。
【0022】
このように、連結用突部7の内の空間を利用して長尺の嵌合孔9を形成するので、下保持体5から下方向にだけ形成するのに比べ、連結用突部7の高さ分だけ嵌合孔9を長くすることができ、また、嵌合孔9に対応して上保持体6の嵌合突起10を長く形成している。したがって、図10のように、上下の保持体6,5を相対向させて上保持体6の嵌合突起10の先端部を下保持体5の嵌合孔9の下端部に嵌合した状態では上下の保持体6、5の間に軟質発泡体3の挿入可能の隙間が確保される。また、図5に示すように、嵌合突起10の先端部を嵌合孔9の奥まで嵌合することにより上下の保持体6,5が結合位置までガイドされて、該結合位置に位置決めされることとなる。
【0023】
なお、嵌合孔9及び嵌合突起10の形状は特に限定されるものではなく、例えば、左右に長い板状等としても良い。
【0024】
したがって、洗浄ヘッド1を組み立てる場合には、上下の保持体6,5は嵌合孔9及び嵌合突起10にてガイドされながら軟質発泡体3を挟持することができ、軟質発泡体3を圧縮しながら上下の保持体6,5を合致位置に位置決めする作業が容易になる。
【0025】
また、上下の保持体6,5が完全に合致する手前で、上下のブレード挟持部62,52の間に拭き取りブレード4を挿入して挟持する。このとき、拭き取りブレード4は下ブレード挟持部62の係止突起66によって係止されるので、上下の保持体6,5を完全に合致させる前であっても拭き取りブレード4が不用意に抜け落ちることがなくなる。また、後述のように上下の保持体6,5をねじ止めして組み立てた状態では、係止突起66が拭き取りブレード4に食い込むことによって拭き取りブレード4は完全に係止され、拭き取りブレード4の前後方向の移動を確実に防止できる。なお、係止突起66の高さや間隔は適宜設計変更できるものである。
【0026】
そして、軟質発泡体3及び拭き取りブレード4を挟持した状態で上下の保持体6,5を合致した後、図6のようにねじ11を上保持体6のねじ挿入孔65を介して下保持体5のねじ孔55に螺合することにより上下の保持体6,5をねじ止めする。
【0027】
図1のように、把持体2は、棒状の把持本体21と、この把持体2と洗浄ヘッド1を継ぐための中継筒体22とで構成されている。
【0028】
図2のように、中継筒体22の中間部には一対の洗浄液の吹出窓23が設けられている。この一対の吹出窓23は中継筒体22の周方向に180度の間隔が設けられると共に、同じ高さ位置に同じ大きさで同じ形状に形成され、中継筒体22の下部の内径は下保持体5の連結用突部7の外径とほぼ同寸法に設定されている。また、中継筒体22の上部の内周側には雌ねじ部32が形成されている。
【0029】
図11および図12に示すように、中継筒体22の下部の内周側には周方向に180度間隔を設けて一対の係止部24が設けられている。この係止部24は左右一対の係止台25と係止台25の外側に位置する左右一対のガイド部26とで構成されている。
【0030】
図2に示すように、把持本体21は、中継筒体22と同径の棒状の洗剤容器27にキャップ28を取り付けて形成されている。キャップ28には吹付ノズル29付き操作ボタン30及びポンプ機構部が取り付けられ、ポンプ機構部から洗剤容器27内に吸引チューブが導出され、キャップ28の操作ボタン30の上下動によってポンプ機構部が駆動して吹付ノズル29の吹出口31から洗浄液が吹き出すようになっている。また、洗剤容器27の上端部の外周には雄ねじ部33が形成されている。
【0031】
操作ボタン30は、360度回転できて吹付ノズル29の吹出口31の向きが自由に変えられるようになっている。
【0032】
図11及び図12のように、中継筒体22の下部と洗浄ヘッド1の下保持体5の連結用突部7との連結状態を示している。中継筒体22の下部を連結用突部7に嵌合すると共に、連結用係止突片72を中継筒体22のガイド部26間に挿入することにより、連結用係止突片72が弾性変形して掛止部73が中継筒体22の係止台25に乗り上げる。中継筒体22が連結用突部7に完全に嵌合した場合には、下保持体5の連結用係止突片72の掛止部73が係止台25の下面に係止する。なお、中継筒体22を上記嵌合方向とは逆の方向に通常の洗浄作業では発生しない力で強く引くことにより、掛止部の掛止状態は解除される。
【0033】
把持本体21と中継筒体22は雄ねじ部33と雌めじ部32を螺合することにより連結されるが、吹付ノズル29の吹出口31と中継筒体22の吹出窓23とが合致しない場合には、吹付ノズル29を回転させて吹出口31を吹出窓23に向ける。この場合、吹出口31を一対の吹出窓23のうち回転角度が小さくて済む吹出窓23の方向に向ければ良く、吹付ノズル29を最大でも45度という小さな回転角度で吹付ノズル29の吹出口31を吹出窓23に合致させることができる。
【0034】
図13は、第2の実施の形態を示している。下嵌合部は、先部に掛止部9aが形成され且つ基端が連結用位置決め突片71に固定された軸体9bにて構成され、この軸体9bは、下保持体5の連結用突部7の内部から下保持体5の上面側にかけて形成されている。
【0035】
上嵌合部は、上保持体6の下面から互いに近接して立設される弾性変形可能な一対の受け片10aにて構成され、各受け片10aの中間部の内側には掛止受部10bが形成されている。
【0036】
そして、軸体9bの掛止部9aを一対に受け片10aの上部の間に挿入したときには、第1の実施の形態と同様に、上下の保持体6,5の間に軟質発泡体3を挿入するための隙間が確保される。また、上下の保持体6,5が合致した状態では(下保持体5を二点鎖線で示している)、軸体9bの掛止部9bが一対の受け片10bの下部の間まで進入して掛止受部10bに係止する。
【0037】
また、本実施の形態では、第1の実施の形態のねじ挿通孔65、ねじ孔55及びねじ11に代えて、先部に係止部65aを有する弾性変形可能な連結片65bを上保持体6の左右両側から立設し、上下の保持体6,5が合致したときには係止部65aが下保持体5の両端面を乗り越えて下保持体5の下面に係止するようになっている。
【0038】
このように本実施の形態によれば、ねじ止め作業が不要となって洗浄ヘッド1の組立が容易になる。なお、上下の保持体6,5を引き離すときには、連結片65aを外側に弾性変形させて係止部65aを下保持体5から解除した状態で、上下の保持体6,5を強制的に引き離して軸体9aの掛止部9bを受け片10aの掛止受部10bから解除する。
【0039】
なお、その他の構成は、第1の実施の形態と同じであるので、第1の実施の形態と同符号を付することによりその説明を省略する。
【符号の説明】
【0040】
1 洗浄ヘッド
2 把持体
3 軟質発泡体
4 拭き取りブレード
5 下保持体
6 上保持体
7 連結用突部
9 嵌合孔(下嵌合部の一例)
10 嵌合突起(上嵌合部の一例)
29 吹付ノズル
31 吹出口
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄ヘッドと把持体とを連結して成る洗浄具において、
前記把持体を、棒状の洗浄容器と、該洗浄容器の軸方向に突設するように前記洗浄容器の先端面に取り付けられる吹付ノズルと、該吹付ノズルに被さるようにして前記洗浄容器と同軸にして前記洗浄容器に連結される中継筒体とで構成し、
同形状で且つ吹付ノズル操作が可能な大きさの一対の洗浄液の吹出窓を、前記中継筒体の周方向にほぼ180度間隔を設けて形成したことを特徴とする洗浄具。
【請求項1】
洗浄ヘッドと把持体とを連結して成る洗浄具において、
前記把持体を、棒状の洗浄容器と、該洗浄容器の軸方向に突設するように前記洗浄容器の先端面に取り付けられる吹付ノズルと、該吹付ノズルに被さるようにして前記洗浄容器と同軸にして前記洗浄容器に連結される中継筒体とで構成し、
同形状で且つ吹付ノズル操作が可能な大きさの一対の洗浄液の吹出窓を、前記中継筒体の周方向にほぼ180度間隔を設けて形成したことを特徴とする洗浄具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−99506(P2010−99506A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−24136(P2010−24136)
【出願日】平成22年2月5日(2010.2.5)
【分割の表示】特願2000−202287(P2000−202287)の分割
【原出願日】平成12年7月4日(2000.7.4)
【出願人】(000186588)小林製薬株式会社 (518)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月5日(2010.2.5)
【分割の表示】特願2000−202287(P2000−202287)の分割
【原出願日】平成12年7月4日(2000.7.4)
【出願人】(000186588)小林製薬株式会社 (518)
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