説明

洗浄液用容器

【課題】本発明は、浴室等の壁面と洗浄液用容器との間に生じる隙間を掃除でき、同時にシャンプー等の洗浄液を最後まで使い切ることが可能な容器装置を提供することを目的とした。
【解決手段】洗浄液を収容する容器本体2と、容器本体2から洗浄液を吸引して排出する吸引手段3と、容器本体2を支持する支持部材5とを有する洗浄液用容器1において、容器本体2は、中間部から下部に向かうに連れて断面積が漸減していて容器本体2は自立困難であり、吸引手段3は吸引管12とポンプ部15を有し、前記吸引手段3の吸引管12は容器本体2の中にあって吸い込み口が容器本体2の底部6に至り、支持部材5は中央に開口を有する支承部22を有し、容器本体2は支承部22の開口に挿入されて開口が容器本体2の外面と接することによって支持される構成となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室などの壁面に設置されて使用される洗浄液用容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
シャンプーやリンス、ボディーソープ等の洗浄液(以下、洗浄液とも言う)を入れた容器(以下、洗浄液用容器とも言う)は、押圧ヘッドを上下動させるのみで洗浄液を適量容器外に吐出することができるようにディスペンサーを備えたものが多数存在している。
【0003】
また、このような洗浄液用容器は、資源の有効活用を図る観点から、洗浄液のみを詰め替えることによって容器そのものを継続して使用できるように詰め替えタイプの容器であることが多い。(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−35707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ホテル等の公共施設などでは、洗浄液用容器は、不特定多数の人が使うことから、盗難等を防止するため、浴室内の壁面に一体的に設置されており、常時据え置かれていることが多い。また、ホテル等の公共施設などの清掃員は、利用者に快適に使用してもらうために、浴室内の清掃や洗浄液の詰め替えを頻繁に行っている。しかしながら、このような洗浄液用容器は、浴室内の壁面から洗浄液用容器を取り外すことが困難であり、例えば、浴室の壁面と洗浄液用容器との隙間に汚れが溜まると、その汚れを掃除することが困難となる。それ故に、浴室内の汚れを使用客が不快に感じ、集客力の低下に繋がる恐れがある。また、洗浄液用容器内の洗浄液の内容量が少なくなってくると、洗浄液をディスペンサーが吸引しにくくなる。そのため、洗浄液を最後まで使い切ることが困難であった。詰め替えの頻度が多くなり、コストがかさんでいる。
【0006】
そこで、本発明では、従来技術の問題に鑑み、浴室内の掃除を容易にし、同時にシャンプー等の洗浄液を最後まで使い切ることが可能な容器装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、洗浄液を収容する容器本体と、容器本体から洗浄液を吸引して吐出する吸引手段と、容器本体を支持する支持部材とを有する洗浄液用容器において、容器本体は、中間部から下部に向かうに連れて断面積が漸減していて容器本体は自立困難であり、吸引手段は吸引管とポンプ部を有し、前記吸引手段の吸引管は容器本体の中にあって吸い込み口が容器本体の底部に至り、支持部材は中央に開口を有する支承部を有し、容器本体は支承部の開口に挿入されて開口が容器本体の外面と接することによって支持されることを特徴とする洗浄液用容器である。
【0008】
ここでいう「中間部」とは、上端と下端を除く領域を表す。即ち、断面積が漸減する部分の上端としては、中央から断面積が漸減していることが好ましい。ここでいう「中間部から下部に向かうに連れて断面積が漸減していて」とは、少なくとも中間部より下方の断面積が漸減していればよい。中間部より上方の形状は特に問わない。
【0009】
また、ここでいう「自立困難」とは、自立不能であることと自立不安定であることを共に含む概念である。自立不安定とは、外部からの衝撃を受けると容易に転倒する状態を表す。
【0010】
かかる構成によれば、支持部材は中央に開口を有する支承部を有し、容器本体は支承部の開口に挿入されて開口が容器本体の外面と接することによって支持される。即ち、容器本体は開口が容器本体の外面と接することによって支持されている。そのため、容易に支持部材から容器本体を着脱可能になっており、取り外すことによって浴室内の床等の掃除が容易となる。それ故に、例えば、ホテル等の公共施設に使用する場合でも、使用客が浴室内の汚れを不快に感じることを防止することができる。
【0011】
さらに、かかる構成によれば、容器本体は、中間部から下部に向かうに連れて断面積が漸減していて容器本体は自立困難である。即ち、本体容器のみでは、自立困難であるため、例えば、ホテル等の公共施設で使用される壁に固定される支持部材を用いると、使用客が容器本体を持ち帰る恐れが少なくなる。また、中間部から下部に向かうに連れて断面積が漸減しているため、例え、使用時に、シャンプー等の洗浄液の内容量が少なくなっていたとしても、吸引手段の洗浄液の吸引力を低下させずにほぼ最後まで洗浄液を使用できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の洗浄液用容器によれば、支持部材は中央に開口を有する支承部を有し、容器本体は支承部の開口に挿入されて開口が容器本体の外面と接することによって支持される。即ち、容器本体は開口が容器本体の外面と接することによって支持されている。そのため、容易に支持部材から容器本体を着脱可能になっており、取り外すことによって浴室内の床等の掃除が容易となる。それ故に、例えば、ホテル等の公共施設に使用する場合でも、使用客が浴室内の汚れを不快に感じることを防止することができる。
【0013】
さらに本発明の洗浄液用容器によれば、容器本体は、中間部から下部に向かうに連れて断面積が漸減していて容器本体は自立困難である。即ち、本体容器のみでは、自立困難であるため、例えば、ホテル等の公共施設で使用される壁に固定される支持部材を用いると、使用客が容器本体を持ち帰る恐れが少なくなる。また、中間部から下部に向かうに連れて断面積が漸減しているため、例え、使用時に、シャンプー等の洗浄液の内容量が少なくなっていたとしても、吸引手段の洗浄液の吸引力を低下させずにほぼ最後まで洗浄液を使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態の洗浄液用容器の分解斜視図である。
【図2】図1の洗浄液用容器の洗浄液の詰め替え動作の説明図である。
【図3】本発明の第2実施形態の洗浄液用容器の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明において、特に断りがない限り、上下の関係は、洗浄液用容器を略垂直姿勢に設置した状態の姿勢を基準として説明している。
【0016】
まず、本発明の第1実施形態に係る洗浄液用容器1の構成について説明する。
【0017】
第1実施形態における洗浄液用容器1は、ホテル等の公共施設の浴室の壁面に固定されて使用されるものであり、シャンプー等の液状の洗浄液を収容可能なものである。洗浄液用容器1は、容器本体2と吸引手段3と支持部材5から構成されている。
【0018】
以下に洗浄液用容器1の各部材に構成について説明する。
【0019】
まず、容器本体2の構成について説明する。
【0020】
容器本体2は、下方向に頂点を有した略円錐状の容器であり、底部6と側面部7を備えている。また、正面視において容器本体2の外形は、略鋭角三角形状となっている。そのため、容器本体2自体では、自立困難となっている。そして、容器本体2の底部6と側面部7は、互いに連続しており、容器本体2は底部6と側面部7に囲まれた収納空間8を有している。以下の説明において、側面部7から見て収納空間8側を内側と表す。
【0021】
底部6は、容器本体2の下端部に位置する部位であり、下端に向かって先細りしている。底部6の大きさは、後述する吸引手段3の吸引管12の下端部の吸引口24の外径よりやや大きい。
【0022】
側面部7は、底部6の周囲に沿って外側に向けて斜め上方に延伸した部位である。即ち、側面部7の外面は、下端に向かうにつれて先細りしたテーパー状となっている。
【0023】
側面部7の上端内側側面には、容器本体2の周方向に沿った係合溝10を有している。係合溝10は、後述する吸引手段3の係合部18と係合可能となっている。また、側面部7は、上下方向の中間位置に周方向に沿って形成された固定溝14を有している。固定溝14の幅は、支持部材5の支承部22の外径よりやや大きい。
【0024】
収納空間8は、シャンプーなどの洗浄液を収容可能な空間である。収納空間8の上方は開放している。そして、収納空間8は、上下方向中間部から底部6に向かうにつれて断面積が漸減している。
【0025】
続いて、吸引手段3の構成について説明する。
【0026】
吸引手段3(ディスペンサー)は、容器本体2内を密封状態にする蓋部11と、容器本体2内の洗浄液を吸引する吸引管12と、容器本体2内の洗浄液の吸引、加圧、圧送を制御するポンプ部15と、上下動させてポンプ部15を駆動する押圧ヘッド部16からなっており、押圧ヘッド部16は、加圧により洗浄液を外部へ吐出するノズル部17が一体的に設けられている。
【0027】
蓋部11は、略円板状の板材であり、外部側面に周方向に沿った係合部18を有している。この係合部18は上記したように容器本体2の係合溝10と係合可能となっている。
【0028】
また、ポンプ部15は、蓋部11の中央位置に配されており、蓋部11の下面から下方向に立設されており、その内部に押圧ヘッド部16の一部が挿入可能となっている。
【0029】
また、押圧ヘッド部16及びノズル部17は、一体的に蓋部11の中央位置に上方向に立設されている。
【0030】
吸引管12は筒状の部位であり、その上端部の内側にポンプ部15の下端が接続されている。吸引管12の下端(下方向先端)には、洗浄液を吸引する吸引口24を有する。吸引口24の内径は、底部6の外形よりも小さい。
【0031】
続いて、支持部材5の構成について説明する。
【0032】
支持部材5は、容器本体2の転倒を防止するための部材であり、浴室の壁面に一体的に固定される壁固定部20と、容器本体2を固定する容器固定部21を有する。
【0033】
壁固定部20は図示しないネジ等の公知の部材によって浴室の壁面に固定されている。
【0034】
容器固定部21は、円環状に連続した支承部22と、支承部22と壁固定部20を接続する接続部23から形成されている。壁固定部20と接続部23と支承部22は、全て一体となっている。また、壁固定部20の接続面25の略中央位置に接続部23が立設しており、接続部23の突出方向先端は、支承部22と接続している。支承部22全体の内径は、容器本体2の固定溝14の外径とほぼ等しい。
【0035】
続いて、洗浄液用容器1の各部材の位置関係について主に図1を用いて説明する。
【0036】
容器本体2は、支持部材5に略垂直姿勢に支持されている。具体的には、支持部材5の支承部22は、容器本体の側面部7の固定溝14と係合することによって、容器本体2を支持している。即ち、支持部材5の支承部22は、容器本体2の外面に接している。そして、支持部材5に対して容器本体2は着脱可能となっている。そのため、容易に容器本体2を取り外し可能であり、例え、浴室の壁面と容器本体2との間に汚れが溜まったとしても、容易に掃除が可能である。
【0037】
また、支持部材5の支承部22の内部に上方から容器本体2が挿入されている。言い換えると、支持部材5の支承部22によって容器本体2の下方向への移動を規制している。そのため、使用者は、片手で押圧ヘッド部16を押圧することで洗浄液を取り出すことが可能であるため、操作性が良い。
【0038】
蓋部11の係合部18は、容器本体2の係合溝10と係合し接続されている。具体的には、一方に対して螺合し接続されている。そして、洗浄液用容器1は、容器本体2と蓋部11が接続することによって収納空間8を密閉状態に保っている。
【0039】
容器本体2内の収納空間8に吸引手段3の吸引管12の一部又は全部が挿入されている。即ち、収納空間8内に吸引口24が配されており、吸引部材3の吸引口24は容器本体2の底部6に至っている。また、容器本体2の底部6はポンプ部15の吸引口24の投影面に向けて先細りしている。そして、吸引口24は、その投影面付近の洗浄液を吸引可能になっている。
【0040】
続いて、洗浄液用容器1の洗浄液の詰め替え方法について説明する。
【0041】
蓋部材3の蓋部11を容器本体2に対して相対的に回転させ、蓋部材3を取り外す。その後、図2のように、公知の洗浄液の詰め替え容器から容器本体2の内部に洗浄液を移し替える。この時、容器本体2は上方の開口は大きいため、詰め替え容器から漏らさずに移し替えることが容易となる。
【0042】
本発明の洗浄液用容器1を用いれば、容器本体2は、収納空間8は、上下方向中間部から底部6に向かうにつれて断面積が漸減しているため、例え、使用時に、シャンプー等の洗浄液の内容量が少なくなっていたとしても、吸引手段3の洗浄液の吸引力を低下させずにほぼ最後まで洗浄液を使用できる。正面視において容器本体2の外形は、略鋭角三角形状となっているため、側面部7に水滴等がついても、水切れが良く、ぬめりがつきにくい。
【0043】
続いて、以下、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同様のものは同じ符番を付して説明を省略する。
【0044】
第2実施形態における洗浄液用容器50は、床面等に配置して使用されるものであり、シャンプー等の液状の洗浄液を収容可能なものである。第2実施形態の洗浄液用容器50は、第1実施形態の洗浄液用容器1とは支持部材5が異なる。
【0045】
支持部材51は、浴室の床面に載置された床固定部52と、容器本体2を固定する容器固定部53を有する。床固定部52は、略中央位置に固定穴55を有している。固定穴55は、容器本体2の底部6の先端と係合可能な穴である。床固定部52の断面積は容器本体2の外形の面積と同じかやや大きい。容器固定部53は、支承部22と、支承部22と床固定部52を接続する接続部56からなる。床固定部52と接続部56と支承部22は全て一体となっている。また、接続部56は、略L状をしており、床固定部52の上面に接続部56が立設している。そして、支承部22の下方位置に床固定部52が配されている。
【0046】
続いて、洗浄液用容器50の支持部材51と各部材の位置関係について説明する。
【0047】
容器本体2は支持部材51に略垂直姿勢に支持されている。具体的には、支持部材51の支承部22が容器本体2の側面部7の固定溝14と係合し、さらに、固定穴55と容器本体2の底部6が係合することによって、支持されている。即ち、容器本体2の下方向の動きと水平方向の動きを規制している。
【0048】
上記した実施形態では、容器本体2の外形が略円錐状のものを用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、中間部から下部に向かうに連れて断面積が漸減していればよい。即ち、下端のみが傾斜した鉛筆状のものでもよい。
【0049】
上記した実施形態では、側面部7の内側側面に係合溝10を形成する所謂内ネジ形状のものを採用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、側面部7の外側側面に係合溝10を形成する外ネジ形状のものを採用してもよい。
【符号の説明】
【0050】
1 洗浄液用容器
2 容器本体
3 吸引手段
5 支持部材
6 底部
12 吸引管
15 ポンプ部
22 支承部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄液を収容する容器本体と、容器本体から洗浄液を吸引して吐出する吸引手段と、容器本体を支持する支持部材とを有する洗浄液用容器において、容器本体は、中間部から下部に向かうに連れて断面積が漸減していて容器本体は自立困難であり、吸引手段は吸引管とポンプ部を有し、前記吸引手段の吸引管は容器本体の中にあって吸い込み口が容器本体の底部に至り、支持部材は中央に開口を有する支承部を有し、容器本体は支承部の開口に挿入されて開口が容器本体の外面と接することによって支持されることを特徴とする洗浄液用容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−224384(P2012−224384A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−95358(P2011−95358)
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】