説明

洗浄装置

【課題】 本発明の課題は、携帯型のガス圧測定器を必要に応じて随時洗浄でき且つ洗浄のばらつきを抑えることができる洗浄装置を提供することである。
【解決手段】 本発明の洗浄装置1は、洗浄液を蓄えた洗浄タンク5と、洗浄タンク5から洗浄液を搬送する供給管7と、洗浄を終えた洗浄液を洗浄タンク5内に戻す排出管9と、ポンプ11と、移動可能な台車2とを備え、携帯型のガス圧測定器3に供給管7及び排出管9を接続し、ポンプ11で洗浄液をガス圧測定器3に循環させてガス圧測定器3の洗浄を行なう洗浄装置1であって、洗浄タンク5、ポンプ11、供給管7及び排出管9は台車2の上にまとめて設けている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型のガス圧測定器の洗浄を行う洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、洗浄液を蓄えた洗浄タンクと、測定器に向けて洗浄液を供給する供給管と、洗浄の終えた洗浄液を洗浄タンクに戻す排出管と、ポンプとを備え、洗浄液を測定器に循環させることで測定器を洗浄する洗浄装置が開示されている。
【0003】
一方、特許文献2には、携帯型のガス圧測定器において、注射器やスポイドを用いてガス圧測定器を洗浄する技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開平10−186342号公報
【特許文献2】特開平10−202207号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の従来技術は、洗浄タンク、ポンプ、供給管及び排出管を測定器に一体に設けているため、携帯型の測定器には適用できないという問題がある。
【0006】
一方、特許文献2に記載の従来技術は、携帯型のガス圧測定器を注射器等で洗浄する場合は、人手によって行うので、人により洗浄の度合いにばらつきが生じるという問題がある。
【0007】
本発明は、携帯型のガス圧測定器を必要に応じて随時洗浄でき且つ洗浄のばらつきを抑えることができる洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、請求項1に記載された発明は、洗浄液を蓄えた洗浄タンクと、洗浄タンクから洗浄液を搬送する供給管と、洗浄を終えた洗浄液を洗浄タンク内に戻す排出管と、ポンプと、移動可能な台車とを備え、携帯型のガス圧測定器に供給管及び排出管を接続し、ポンプで洗浄液をガス圧測定器に循環させてガス圧測定器の洗浄を行なう洗浄装置であって、洗浄タンク、ポンプ、供給管及び排出管は台車の上にまとめて設けてあることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載の発明において、ポンプの駆動時間を設定するタイマ装置を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載された発明は、請求項2に記載の発明において、供給管には分岐管を設けてあり、供給管を通じて水をガス圧測定器に供給可能としていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、ガス圧測定器を洗浄する場合には、台車にガス圧測定器を載せ、ガス圧測定器に供給管及び排出管の一端を接続する。ポンプを駆動させると、洗浄タンク内の洗浄液は供給管を通ってガス圧測定器内に流れ込み、排出管を通って洗浄タンクに戻される。洗浄タンクに戻った洗浄液は、再び供給管、ガス圧測定器に送られる。このように、洗浄液が循環することで、ガス圧測定器の洗浄が行なわれる。
【0012】
洗浄タンク、循環ポンプ、供給管及び排出管は台車の上にまとまて設けてあるので、任意の場所に台車を移動することができ、携帯型のガス圧測定器を必要に応じて随時洗浄できる。
【0013】
また、ガス圧測定器の洗浄を自動的に行なうので、個人差による洗浄のばらつきを抑えることができる。
【0014】
請求項2に記載された発明によれば、請求項1に記載された発明と同様の効果が得られるとともに、任意に洗浄時間を設定できるので、汚れに応じて洗浄時間を設定することで、ガス圧測定器の汚れを確実に落とすことができる。
【0015】
請求項3に記載された発明によれば、請求項2に記載された発明と同様の効果が得られるとともに、洗浄後に供給管を通じて水を供給することで、ガス圧測定器、供給管及び分岐管のすすぎを自動的に行うことができ、作業効率が良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本実施の形態に係る洗浄装置の斜視図、図2は図1に示す洗浄装置の配管図である。
【0017】
本実施の形態に係る洗浄装置1は、携帯型のガス圧測定器3を自動的に洗浄する装置であり、移動式の台車2に洗浄液を蓄えた洗浄タンク5と、洗浄タンク5からガス圧測定器3に向けて洗浄液を搬送する供給管7と、洗浄を終えた洗浄液を洗浄タンク5内に戻す排出管9と、循環ポンプ(ポンプ)11とを備えている。また、供給管7には水をガス圧測定器3に供給する分岐管17をさらに備えている。分岐管17の一端は工場内に張り巡らされた配水管33のバルブ35に接続するようになっている。
【0018】
台車2は、キャスタ15が取り付けられた底板13と、底板13に立設して設けられたフレーム枠16とから構成されており、底板13に洗浄タンク5が載置されており、フレーム枠16の中段には循環ポンプ11及びガス圧測定器3を設置する測定器設置台10が設けられている。
【0019】
また、洗浄タンク5と循環ポンプ11との間の供給管7には第1切替バルブ19が設けられており、分岐管17から導入される水と、洗浄タンク5から導入される洗浄液との切替えができるようになっている。同様に分岐管17にも第2切替バルブ21が設けられており、水と洗浄液との切替えができるようになっている。
【0020】
フレーム枠16の上段には制御盤23が設けられており、制御盤23には電源スイッチ25と、運転時間の設定を行うタイマ(タイマ装置)27とを備えており、制御盤23は循環ポンプ11に接続されている。また、制御盤23には通電時(電源が入った状態)に点灯する電源ランプ31と、循環ポンプ11の運転時に点灯する運転ランプ29が設けられている。
【0021】
次に、上記した構成に基づき、本実施の形態の作用を説明する。ガス圧測定器3の洗浄を行う場合には、所定の位置に台車2を移動させた後、電源コード20をコンセントに差し込み、分岐管17の一端を工場内に張り巡らされた配水管33のバルブ35に接続する。
【0022】
そして、台車2の測定器設置台10の上にガス圧測定器3を載せ、ガス圧測定器3のカラム側(入口側)に供給管7の先端部を接続する。そして、制御盤23の電源スイッチ25を入れると循環ポンプ11が駆動し、分岐管17から供給管7内に水が流れ込み、供給管7内の水抜きが行なわれる。
【0023】
水抜きが終了した後、ガス圧測定器3のブロー側に排出管9の一端を取り付け、排出管9の他端を洗浄タンク5に入れる。また、第2切替バルブ21を閉じるとともに第1切替バルブ19を開ける。そして、タイマ27で洗浄時間を設定した後、電源スイッチ25を入れることで、洗浄液が洗浄タンク5から供給管7を通ってガス圧測定器3内に流れ込み、排出管9を通って洗浄タンク5に戻される。洗浄タンク5に戻った洗浄液は、再び供給管7、ガス圧測定器3に送られる。このように、洗浄液が循環することで、ガス圧測定器3の洗浄が行なわれる。そして、タイマ27で設定した所定時間が経過した後に循環ポンプ11は自動的に停止する。
【0024】
その後、第1切替バルブ19を閉め、第2切替バルブ21を開いて、循環ポンプ11を駆動させることで、分岐管17から供給管7内に水が送り込まれ、供給管7、ガス圧測定器3及び排出管9のすすぎが行なわれる。
【0025】
洗浄タンク5、供給管7及び排出管9は台車2の上にまとめて載せられているので、任意の場所に台車2を移動することができ、携帯型のガス圧測定器3を必要に応じて随時洗浄できる。
【0026】
また、ガス圧測定器3の洗浄を自動的に行なうので、個人差による洗浄のばらつきを抑えることができる。
【0027】
任意に洗浄時間を設定できるので、ガス圧測定器3の汚れに応じて洗浄時間を設定することで、ガス圧測定器3の汚れを確実に落とすことができる。
【0028】
洗浄後に水を供給することで、ガス圧測定器3、供給管7及び分岐管9のすすぎを自動的に行うことができ、作業効率が良い。
【0029】
本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
【0030】
上述の実施の形態では、第1切替バルブ19および第2切替バルブ21の開閉を手動により行なうようにしているが、自動的に切替えを行うような構成であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本実施の形態に係る洗浄装置の斜視図である。
【図2】図1に示す洗浄装置の配管図である。
【符号の説明】
【0032】
1 洗浄装置
2 台車
3 ガス圧測定器
5 洗浄タンク
7 供給管
9 排出管
11 循環ポンプ(ポンプ)
27 タイマ(タイマ装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄液を蓄えた洗浄タンクと、洗浄タンクから洗浄液を搬送する供給管と、洗浄を終えた洗浄液を洗浄タンク内に戻す排出管と、ポンプと、移動可能な台車とを備え、携帯型のガス圧測定器に供給管及び排出管を接続し、ポンプで洗浄液をガス圧測定器に循環させてガス圧測定器の洗浄を行なう洗浄装置であって、洗浄タンク、ポンプ、供給管及び排出管は台車の上にまとめて設けてあることを特徴とする洗浄装置。
【請求項2】
ポンプの駆動時間を設定するタイマ装置を備えたことを特徴とする請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項3】
供給管には分岐管を設けてあり、供給管を通じて水をガス圧測定器に供給可能としていることを特徴とする請求項2に記載の洗浄装置。



【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−7051(P2006−7051A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−185763(P2004−185763)
【出願日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(000000055)アサヒビール株式会社 (535)
【Fターム(参考)】