説明

洗濯、洗浄、及び/又は乾燥操作の品質の標準確認用の試験手段

本発明の基本的な考えは、これに対応する粒子が定められた密度で塗布された、定められた試験手段を設けることである。洗濯機内で、粒子は、特にドラム内の試験手段の機械的応力により、たとえば、ころがす、曲げる、伸ばすことにより、試験手段から引き離される。様々な水噴射における、たとえば様々な圧力における、及びいろいろな化学添加剤を用いた、食器洗い機内の試験手段の物理的及び/又は化学的処理により、粒子が試験手段から引き離される。洗浄、洗濯、及び/又は乾燥プロセス後に試験手段に残っている粒子の数は、試験手段の応力に、したがって洗浄、洗濯、及び/又は乾燥プロセス中の集合体の洗浄品質及び物理的及び/又は化学的作用に関係する値である。洗濯、洗浄、及び/又は乾燥プロセスの品質のために標準化された試験手段は、前記プロセスの少なくとも1つを行う任意の集合体内で使用され得る。したがって、洗濯機及び食器洗い機は、単に一例にすぎない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、織物(織布、編み物、不織布など)又は日々の生活必需品からの二次元及び三次元の物品から構成される、アセンブリ内の洗濯、洗浄、及び/又は乾燥操作の品質の標準確認用の試験手段に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯機又は食器洗い機の形態の、洗濯、洗浄、及び乾燥操作を実施するアセンブリ、及び他の洗濯、洗浄、及び乾燥装置(たとえば床掃除機を含む)が知られている。
【0003】
特に、洗濯してアイロンをかけるべき布、衣服などと共に供給される、一般に回転ドラムの洗濯機において、これらの洗濯物は、ドラムが回転することによりほぐれ、したがって、水及び洗剤と共に、高い機械的応力を受ける。この応力が織物に負荷を課し、個々の繊維及び/又は繊維アセンブリが高い機械的応力を受けるので、裂け、ほころび、又は他の繊維切断が発生する。
【0004】
食器洗い機は、一般に洗濯槽から構成され、この中で、1つ以上の噴射水が回転し、皿、グラス、又は刃物類などの洗濯すべき器物を洗浄する。加えて、この上に洗剤が作用して、洗浄すべき物品から問題の汚れを取り除く化学物質を、水と共に作り出している。したがって、特に食器洗い機の場合には、本目的は、できる限り清潔な状態で洗浄すべき物品を機械から出すことである。
【0005】
特に洗濯機の場合には、洗浄すべき器物についての又は織物材料に対するアセンブリの効果に関する、物理的及び/又は化学的負荷の点において、上記の洗濯、洗浄、及び/又は乾燥機の品質を試験するために、たとえば、先行技術に従って、いろいろな洗濯機の洗濯手順中に織物が露出される物理的及び/又は化学的応力の程度を確認できる試験手段を作るための手段が講じられてきた。このため、予め布に一定の穴を有し、次いで洗濯手順中に、特に、紡織繊維の個々の繊維束が引き離されることにより、これに対応する機械的応力によって引き伸ばされる、繊維布の形態の試験材料を使用することが提案されている。次いで、引き離された繊維束又は繊維の数は、洗濯、洗浄、及び/又は乾燥操作中の織物に対する前記負荷の指標となる。引き離される紡織繊維又は微細繊維の数が大きければ大きい程、機械的負荷が大きい。
【0006】
食器洗い機についても、試験プロセスが知られている。試験プロセスでは、通例として、定められた量の食物の残りかす及び実施形態を洗浄すべき器物に塗布する。したがって、たとえば、ブラシを用いて、磁器製の皿の上に、卵白の部分、ケチャップ、クリーム状サラダドレッシング、及びバター、又は他の食品が塗布される。この試験手段による方法は、数回繰り返されるので、同じ試験手段がいろいろな洗浄手順に利用可能である。
【0007】
しかし、実際の洗濯、洗浄、及び/又は乾燥操作中に、考慮すべきさらなるパラメータがある。たとえば、問題の洗剤や水の硬さであるが、これらも同様に、材料に対する機械的作用に影響を及ぼすことがある。
【0008】
さらなる要因は、装置内の洗浄すべき材料の座位である。
【0009】
追加パラメータには、以下のものが含まれる。即ち、
1.露出時間、
2.たとえば、大きさ、設計、及び対応する分離装置の数及び形状などの、洗濯装置の内部構造、
3.ドラムの及び/又は洗濯すべき材料の及び/又は食器洗い機内の噴射装置の回転速度、
4.水位、
5.特に洗濯槽の容積に対する、洗濯すべき、及び洗浄すべき、又は乾燥すべき材料の量、
6.種類、量、品質、及び寸法、及び/又は重量及び成分などの、洗浄すべき材料の特性、
7.泡高である。
【0010】
織物の物理的及び/又は化学的露出のための決定的要因は、実質的に、洗濯操作中に布に作用する機械力である。繰り返される、曲げる、伸ばす、及びほぐす、又は引っ張る動きはすべて、繊維素材から汚れを洗濯するという目的を有するが、これは、織物の性質及びこれに対応する特性に対して有害である。
【0011】
食器洗い機内の洗浄すべき器物の機械的露出も、これに対応する水噴射の機械力に決定的に依存する。洗浄すべき器物に対する水噴射の力が大きければ大きい程、食物の残りかすがしかるべく取り除かれる確率が大きくなる。しかし、これらの水噴射が到達しない領域もあるので、ここでは特に、洗剤によって引き起こされる化学的操作が、食物の残りかすを確かに取り除くよう作用する必要がある。
【0012】
さらに、現在のところ、床掃除機のためのプロセス又は試験手段は知られていない。
【0013】
洗濯機及び食器洗い機による洗濯、洗浄、及び/又は乾燥操作の品質を確認する方法は、非常に不便かつ高価であり、たとえば漂白剤などの化学的影響により甚だしくゆがめられる恐れがある。しかも、標準化された手順が全く実行されていないので、他の種類の調査との比較が非常に困難である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、試験手段と、試験手段により、たとえば食器洗い機及び洗濯機などのアセンブリの特に機械的作業を、及びこれに付随する、洗濯すべき、洗浄すべき、又は乾燥すべき材料の機械的及び化学的露出を標準化された方法で決定できるプロセスとを作ることである。
【0015】
つまり、このような試験手段及びこのようなプロセスを用いて、アセンブリにより洗浄すべき材料に課される物理的及び/又は化学的負荷を最高精度で再現し、いろいろなアセンブリを互いに比較することができる。本発明の試験手段及びプロセスは、非常に実際的な診断を保証するものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の中心概念は、対応する粒子が定められた密度で塗布される、定められた試験手段を作ることである。洗濯機の場合には、特にたとえば、ほぐす、曲げる、又は伸ばすことによって達成される、ドラム内の試験手段に対する機械的負荷により、粒子が試験手段から引き離される。洗浄、洗濯、及び/又は乾燥手順後に試験手段に残っている粒子の数は、洗濯操作中のアセンブリの、試験手段に対する負荷と、したがって物理的/化学的作業と相関する変数である。
【0017】
たとえばいろいろな圧力のいろいろな水噴射によって、及び化学補助剤によって達成される、食器洗い機内の試験手段の物理的及び/又は化学的露出により、粒子が試験手段から引き離される。洗浄、洗濯、及び/又は乾燥手順後に試験手段に残っている粒子の数は、洗浄、洗濯及び/又は乾燥操作中のアセンブリの、洗浄品質と、したがって物理的及び/又は化学的作業と相関する変数である。
【0018】
試験手段は、洗濯、洗浄、及び/又は乾燥操作を実施する、全種のアセンブリに適するよう設計されることが好ましい。たとえば、床タイルが、床掃除機をしかるべく試験するために、試験手段の実施形態を有することがある。ある代替形態が、既に敷かれている床タイルに試験手段を塗布することであり得る。
【発明の効果】
【0019】
本発明の利点は、一般に、問題の試験手段が使用されるアセンブリ、たとえば洗濯機又は食器洗い機に依存する。理解を容易にするために、まず以下に、洗濯機の実施形態におけるアセンブリの利点について提示する。その後、食器洗い機の実施形態におけるアセンブリに対する、本発明の試験手段及びプロセスの利点についてより詳細に述べる。試験手段の使用は、これらの2つのアセンブリに限定されるものではないことに注意されたい。試験手段は、洗濯、洗浄、及び/又は乾燥操作を実施するアセンブリのいかなる定性試験にも対する適用形態を有する。
【0020】
洗濯機
洗濯機の場合の、洗浄、洗濯及び/又は乾燥操作の品質の試験に対する試験手段の1つの好ましい実施形態は、定められた密度で粒子が配置された担体成分の実施形態における二次元又は三次元の物品である。これらの粒子は、その化学的及び/又は物理的露出により、担体成分から引き離されるという特性を有する。粒子は、定められた保持力という特徴を有し、接着結合、溶融、又は他の方法のいずれかにより塗布されている。粒子自体は、一般にプラスチックから構成される。洗濯機内に生じた機械力(ほぐす、曲げる、伸ばすなど)により、かつ発生した力の大きさに従って、より大きい又はより少ない粒子の数が引き離される。引き離された粒子の又残っている粒子の数は、しかるべく確認され、測定され、一般に、洗浄、洗濯、及び/又は乾燥手順中に起こる機械的負荷の基準値とされる。次いで、制御基準又は測定の簡単な集計を含む、様々な方法に従って、たとえば比色の形態で、診断が行われ得る。
【0021】
試験手段の、消費者と互換性のある実施形態を作るために、本発明に従って、担体成分が、たとえばポリエチレンから構成される粒子が塗布された織布、たとえば平織りで形成されることが提案される。或いは、このため、たとえばポリエチレンから構成された、これに対応する粒子が配置された、羊毛又は別の基本的な織物材料から構成された担体成分を考えることもできる。
【0022】
したがって、担体成分は、一定の表面積が保証されるという条件で、いかなる所望の材料からも構成されることがある。また、担体材料、又は定められた密度で塗布された、これに対応する粒子であり得る試験手段自体から形成された三次元構造を使用することもできる。試験すべき材料によっては、対応するサンプル区間が洗濯されることがある。試験材料が、既存の洗濯物又は織布に縫い付けられる又は取り付けられることも考えられる。本明細書においては、しかるべく現実的な条件を見出すために、たとえば試験材料をタオルに、特にその縁(耳)に取り付けるための手段が講じられることがある。
【0023】
食器洗い機
食器洗い機用の試験手段の1つの好ましい実施形態は、通常の器物、この食器洗い機の場合には洗浄すべき器物の形態、たとえば、皿、湯呑み、グラス、又は刃物をしかるべく有する二次元又は三次元の物品である。粒子は、(接着結合により、溶融により、又は卵白などを用いて塗布された)定められた保持力でこの物品に塗布される。
【0024】
これらの粒子は、一般にプラスチックから構成される。物理的負荷、特に適用された水圧によって作られた機械的負荷により、力が、洗浄すべき器物の性質、位置、及び配置によってしかるべく作用し、これらの力は、より大きい又はより少ない程度に問題の粒子を引き離す。引き離された又は残っている箇所の数は、それぞれ、しかるべく確認され、測定され、一般に、洗濯、洗浄、及び/又は乾燥操作の品質の基準値とされる。次いで、簡単な集計、制御基準、又は測定を含む、様々な方法により、たとえば比色法により、診断が行われる。
【0025】
1つの代替実施形態は、粒子が、たとえば、皿、グラス、湯呑み、又は刃物などの、洗浄すべき器物に塗布されることがある担体材料に塗布された食物の残りかすから形成されることであり得る。食器洗い機内に発生する物理的又は化学的負荷により、いろいろな量の種々の粒子が取り除かれ、このようにして、極めて消費者志向の品質試験が実施され得る。
【0026】
1つの特に好ましい実施形態は、プラスチック、セラミック、又はガラスから構成される担体成分から構成された、試験手段、及び二次元又は三次元の実施形態である。これに対応する粒子が所定の密度で配置されたこの担体成分は、所望通りに形作られ得るか、又はいろいろな形状にされる。このことは、担体材料が、洗浄すべき器物の選択可能な場所に自由に塗布され得るという利点を有し、したがって、また、これにより、洗浄すべき器物の、特に角ばった及び窪んだ領域に延在し得る標準化された測定が可能となる。
【0027】
さらに、試験手段のこの実施形態は、消費者志向の実施形態であるという利点を有するものであり、したがって消費者は、食器洗い機内に毎日置かれる物品を、この試験手段に見出す。
【0028】
粒子自体は、様々な材料から構成されることがある。本発明の中心点は、等しい大きさの、又はいろいろであるが、それぞれ定められた大きさの粒子が、ある特有の方法で、物品に又担体成分に接着され又は溶融されることであり、担体成分に粒子を保持する保持力が定められる。特に標準化された一連の試験を実施する場合には、食物状の又は食物と同一の接着剤を用いて、粒子を塗布するための手段が講じられることがある。
【0029】
この代替形態として、ポリエステル又はポリアミド粒子を設けることもできる。さらに、いかなる所望の金属、石材料、ガラス、又は同様の材料をも使用することが考えられ、これらは、接着剤によって塗布される。問題の粒子の下には接着剤のみが配置されることが重要である。
【0030】
したがって、塗布するためのプロセスは、以下のように提案される。
【0031】
一方、所定のグリッド寸法により、箇所毎に又は粒子毎に担体成分に塗布することが考えられ得る。さらに、担体成分の上に置かれたマトリックスを介して、対応する粒子材料を塗布することが考えられるであろう。しかも、既に薄膜に塗布された構造物により、定められた大きさ及び部分の担体成分に粒子を塗布することが考えられるであろう。したがって、布に又は定められた担体成分にこのような粒子を塗布するための、非常に多数の考えられる変形形態がある。
【0032】
接着結合プロセスは、所望の保持力に従って選択され得る。一方、本発明に従って、これに対応する接着剤により個々の粒子を塗布するための手段が講じられることがある。他方、担体成分への噴霧塗布及び/又は溶融塗布により、担体成分及び粒子が、これに対応する保持力の大きさを有する定められた相互接続をするための手段が講じられることがある。
【0033】
この代替形態として、それぞれの粒子に接着剤を設け、次いで前もって定められたパターンに従って、このような粒子を担体成分に塗布するための手段が講じられることがある。
【0034】
設けられた接着材料はまた卵白でもあり得るので、特に食器洗い機と共に試験手段を使用する分野において、消費者志向の品質評価が行われることがある。
【0035】
さらなる実施形態は、一体形構成部品を形成する、担体成分と粒子とを有することがある。粒子と担体成分との間の保持力を決定するために、粒子にこれに対応する薄い断面積を設けることが好ましい。この代替形態として、粒子に、定められたある所定の切断点を挿入することができる。
【0036】
試験手段が担体成分の実施形態をとる場合には、様々な方法でかつ多様な形態で物品に取り付けられ得る。たとえば、担体成分が、帯板の形態で設計され、特に食器洗い機の分野において、洗浄すべき器物に接着することができるようにするための手段が講じられる。これは、器物の任意の部位に取り付けられ得、その柔軟性のある設計により、いかなる所望の曲線及び隅、また縁にも配置されることがある。
【0037】
また食物の残りかすが、担体成分に既に配置されていることがある。これらの食物の残りかすは、人工的に又は現実に作られていることがあり、次いで、食器洗い機内で洗浄すべき器物の毎日の使用に対応する属性を有する。
【0038】
特に食器洗い機用の、試験手段のさらなる実施形態では、担体成分及び/又は物品は円形であり得るので、特に皿に、又はカップ又はグラスの基部に取り付けられ得る。
【0039】
前述の試験手段はまた、手洗いにおける洗浄製品の品質を診断することにも適している。
【0040】
以下の記載、特許請求の範囲、及び図面より、さらなる好ましい実施形態が明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
図1は、本発明の試験手段を示す断面図である。この試験手段1は、担体成分2の及び表面3上に配置された粒子4の実施形態における二次元又は三次元の物品から構成される。粒子4は、担体成分2の表面3上の領域5内に配置され、互いから距離6だけ隔てられている。担体成分2の厚さ7は任意であり、たとえば洗濯機の品質監視について、シャツ、パンツなどの繊維素材に対応する、実際に供用中でもある、この種の担体成分2を使用することが好ましいことが考えられる。
【0042】
粒子4は、担体成分2の表面3の下面8に塗布される。個々の粒子の間の隙間9には、自由空間がある。
【0043】
図2〜図5は、粒子4を有する、この種の担体成分2を平面図で表している。特に図2では、粒子4が担体成分2の表面3から引き離されたために生じた、小さい空洞10があることが明らかである。また、個々の粒子4の間の距離6は容易に明らかである。
【0044】
図3では、複数の空洞10が既に発生しており、図5では、高い機械的及び/又は化学的応力が発生したために、粒子4が担体成分2との接触を失ったことによって引き起こされた、非常に多数の空洞10がある。
【0045】
このように作られた担体成分2はアセンブリ内に導入され、ここで、たとえば洗濯機又は食器洗い機などのアセンブリに従って露出される。このため、アセンブリの標準負荷を予め定めておき、追加品質試験手段として試験手段1を追加することが考えられるであろう。次いで、このような担体成分2がいくつの空洞10を有するかの評価が、様々な方法で行われ得る。
【0046】
粒子は、担体成分の表面の背景色とは非常に異なっており、背景色とは非常に対照的であるような形で、塗布された時に既に着色されているか又は担体成分2に塗布された後に着色されるかのいずれかで着色されていることが好ましい。これに基づいて、単位表面積当りの粒子4の密度が、光学的な表面測定により分析的に決定され得る。先行技術よりこのための様々な技術が知られており、本明細書においては、さらなる解明は不要である。
【0047】
機械的及び/又は化学的負荷によって引き離された粒子の数4が確認される、上述したプロセスの代替形態で、いろいろな試験材料を試験手順に挿入する必要がある場合、このいろいろな試験材料は、これらの材料が、それぞれ、担体成分2に対していろいろな保持力を有する粒子が設けられるという点において、及び/又はいろいろな担体成分2が使用されるという点において異なっている。
【0048】
次いで、試験手順に続いて、機械的負荷が、試験手段1内で確認され得る。これは、殆どすべての粒子4をまだ担持している時に開始する。
【0049】
本発明の最も重要な利点は、洗濯、洗浄、及び/又は乾燥操作中に物理的及び/又は化学的負荷がどの程度高かったかを、非常に簡単な方法で一見して確かめることができることである。非常に小さい数の空洞10さえも、非常に簡単に容易に識別され、また同じ種類のいろいろなアセンブリとのこれに対応する比較をすることもできる。
【0050】
さらに最も重要な利点は、試験材料1が、あらゆる種の乾燥、洗濯、又は洗浄に適応可能であることである。さらなる要点は、この種の試験が、素早くかつ安価に実施できることであり、特に、唯1回〜5回の洗濯手順の後に機械的負荷に関する確定的な意見が出され得ることである。先行技術より知られている引裂強度試験などの面倒な二次試験は、全く不要となる。
【0051】
また、2つの異なるアセンブリが、織物材料の洗浄、乾燥、又は洗濯に、又は台所及び食器などの洗浄、洗濯、及び乾燥に使用されるかどうかに関わらず、この2つの異なるアセンブリの間の比較が、分析的かつ視覚的に、非常に効果的に容易に表され得る。試験手段を用いた結果は、非常に再現可能であり、とりわけ標準化され得る。この結果はまた、現実に行われ得る消費者概念に対応する。
【0052】
図6は、洗浄すべき器物20、たとえば皿に、試験手段21を塗布した状態を概略図で表している。この試験手段21は、担体成分22の実施形態における二次元又は三次元の物品から、及び表面23上に配置された粒子24から構成される。粒子24は、担体成分22の表面23上の領域25内に配置され、互いから距離26だけ隔てられている。担体成分22の厚さ27は任意である。粒子24は、担体成分22の表面23の下面28に塗布される。個々の粒子24の間の隙間29には自由空間がある。担体成分22は、柔軟性があり、したがって洗浄すべき器物に適応され得ることが好ましい。担体成分22は、粒子24の反対側32に、洗浄すべき器物に堅く取り付けるための接着部分を有する。
【0053】
この代替形態として、担体成分22が、(たとえば図6に表されているように)いかなる所望の鋳型内にも挿入され、適切な器具によって硬化処理されることが考えられる。このことにより、三次元の形態を有し、次いでまた前記形態を保つ試験手段21が作られる。このようにして、試験手段として、湯呑み、カップ、皿、又は同様の製品を非常に容易に作ることができる。
【0054】
図7は、図6のステップの結果を表している。このようにして試験手段21を塗布した結果、洗浄すべき器物のいくらか又はすべてを粒子24で覆うことができる。
【0055】
この代替実施形態が図8に表されている。この場合に提示される試験手段31は、この例示的実施形態においては、粒子34と担体成分32とから構成される。粒子34は、担体成分32により互いに定められた密度で保持される。粒子34は、担体成分32から離れた方を指している側に、担体薄膜35と並んだ接着剤層を有する。担体薄膜35は、粒子34を塗布するために、取り除かれて外されるので、粒子34は物品40に塗布され得る。粒子34が物品40の表面に塗布されると直ぐに、担体成分32は取り除かれ得る。この装置の助けにより、粒子34は、いかなる所望の物品にも固定され得る。
【0056】
洗濯、洗浄、及び/又は乾燥操作の品質の標準確認用の試験手段は、上述した操作の少なくとも1つを実施する任意のアセンブリ内で用いられ得る。したがって、洗濯機及び食器洗い機は、一つの選択肢にすぎない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】担体成分の形態の三次元の物品から構成された本発明の試験材料、及び担体成分に塗布された粒子を示す断面図である。
【図2】非常に低い負荷を受けている、洗濯機内に使用される試験手段を示す平面図である。
【図3】低い負荷を受けている、洗濯機内に使用される試験手段を示す平面図である。
【図4】中程度の負荷を受けている、洗濯機内に使用される試験手段を示す平面図である。
【図5】高い負荷を受けている、洗濯機内に使用される試験手段を示す平面図である。
【図6】洗浄すべきであり、かつ粒子が設けられている材料に担体材料が塗布された状態を示す概略図である。
【図7】図6と同様の、洗浄すべき材料と共に、塗布された担体材料を示す概略正面図である。
【図8】洗浄すべき材料に粒子が塗布された状態を示す概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯、洗浄、及び/又は乾燥操作の品質の標準確認用の試験手段であって、
前記試験手段(1;21;31)が、担体成分(2;22;32)を有し、かつ物理的及び/又は化学的露出により物品から引き離し可能な粒子(4;24;34)が、前記物品上に定められた密度で配置された、二次元又は三次元の物品を有することを特徴とする試験手段。
【請求項2】
前記粒子(4;24;34)が、接続剤により前記担体成分(2;22;32)に塗布されることを特徴とする請求項1に記載の試験手段。
【請求項3】
前記粒子(4)及び前記物品が、一体で設計されることを特徴とする請求項1に記載の試験手段。
【請求項4】
所定の切断点が、前記粒子(4)と前記物品との間に設けられることを特徴とする請求項3に記載の試験手段。
【請求項5】
前記粒子(4;24;34)が、プラスチックから構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の試験手段。
【請求項6】
前記粒子(4;24;34)が、卵白、血液、ケチャップ、又は他の食品、又は食品状の物質のいずれかの、定められた大きさを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の試験手段。
【請求項7】
前記粒子(34)が、一方の側では前記粒子(34)から引き離し可能な担体成分(32)で、他方の側では前記粒子(34)から引き離し可能な担体薄膜(35)で覆われることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の試験手段。
【請求項8】
前記粒子(34)には、前記担体薄膜(35)の方を指している側に、洗浄すべき前記物品に取り付けるための接着剤が設けられることを特徴とする請求項7に記載の試験手段。
【請求項9】
前記担体成分(2;22;32)が、自由に形成可能であり、二次元又は三次元の物品を形成するために、実際にいかなる所望の実施形態でも硬化処理され得ることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の試験手段。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2006−524530(P2006−524530A)
【公表日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−506365(P2006−506365)
【出願日】平成16年3月22日(2004.3.22)
【国際出願番号】PCT/IB2004/000829
【国際公開番号】WO2004/085731
【国際公開日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【出願人】(505355818)エンパ テストマテリアリエン アーゲー (3)
【氏名又は名称原語表記】EMPA TESTMATERIALIEN AG
【Fターム(参考)】