説明

洗濯機

【課題】駆動部を繰り返し運転しても駆動ギアと吊り棒の横振れが殆どなく、水槽を傾けているときの駆動部の音が静かな洗濯機を提供する。
【解決手段】吊り棒駆動部20は、回転をギア22を介して伝達するDCモータ21と、2段目ギアケース30の上部に形成されたケース軸受部30aと、ケース軸受部30aに上端部が回動可能に嵌入され、ギア22に連動して回転する駆動ギア23と、駆動ギア23に設けられた軸方向の貫通ネジ孔に貫入され、下端部に吊り棒13が取り付けられ、駆動ギア23の回転方向に応じて軸方向に移動する駆動ネジ部26と、駆動ギア23の軸方向に配列されて1段目および2段目ギアケース29、30に設けられ、駆動ギア23を回動自在に保持する1段目および2段目ベアイング24、25とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水槽傾斜方式の洗濯機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の洗濯機は、水槽の中に回転自在に配設された洗濯兼脱水槽の底部に攪拌翼が設けられ、その攪拌翼の回転によって渦流を発生させ、摩擦または振動などの機械的作用と洗剤による化学作用とによって汚れを除去するものである。洗濯された衣類の脱水には、洗濯兼脱水槽を回転させ、遠心力を利用している。さらに、脱水後の衣類の乾燥は、洗濯兼脱水槽に温風を吹きこみながら攪拌翼を回転させている。この種の洗濯機として、洗濯兼脱水槽が収納された水槽を筐体の四隅に配置された4本の吊り棒によって吊り下げている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2000−237491号公報(図1および図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の洗濯槽は、攪拌翼により発生した渦流は中央部に集中することから布同士が絡んだり、鉛直方向の流れや動きが形成され難いことから効果的な洗濯がなされないことがあった。
【0005】
そこで、洗い工程および乾燥行程において、前述した4本の吊り棒のうち、奧に配設された2本の吊り棒を駆動部(モーターとギア)と連動させて上方に移動させ、水槽を前方に傾かせる洗濯機が提案されている。その駆動部には、ギアの回転方向に応じて吊り棒を軸方向に移動させる駆動ギアが使用されているが、駆動ギアの先端部とその先端部を回動可能に受けている軸受部とに大きな負荷が発生しており、そのため、その部位に熱が生じ、軸受部が摩耗するという現象がある。また、軸受部の摩耗により駆動ギアの先端部との間の間隙が大きくなっていき、これが要因で駆動ギアと吊り棒が横振れを起こし騒音が発生するということがある。
【0006】
本発明は、前述のような課題を解決するためになされたもので、駆動部を繰り返し運転しても駆動ギアと吊り棒の横振れが起こり難く、水槽を傾けているときの駆動部の音が静かな洗濯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る洗濯機は、筐体内に配設された水槽と、水槽を吊り下げる吊り棒と、吊り棒を軸方向に移動させて水槽を傾斜させる吊り棒駆動部とを備え、吊り棒駆動部は、回転をギアを介して伝達するモータと、ギアを収容するギアケースの少なくとも上部に形成されたケース軸受部と、ケース軸受部に上端部が回動可能に嵌入され、ギアに連動して回転する駆動ギアと、駆動ギアに設けられた軸方向の貫通ネジ孔に貫入され、下端部に吊り棒が取り付けられ、駆動ギアの回転方向に応じて軸方向に移動する駆動ネジ部と、駆動ギアの軸方向に配列されてギアケースに設けられ、駆動ギアを回動自在に保持する保持手段とを備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明においては、駆動ギアを回動自在に保持する保持手段を駆動ギアの軸方向に配列したので、駆動ギアの上端部とケース軸受部との間の間隙が大きくなることがなく、水槽を傾けているときの音が静かであるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は本発明の実施の形態に係る洗濯機を示す側面側の説明図である。
洗濯機の筐体1は、図中に示すように外観が矩形状に形成され、上部にはトップカバー4が設置されている。トップカバー4には、外蓋5が開閉自在に設けられている。筺体1内に収納された水槽2は、上部に開口部が設けられた有底円筒状に形成され、その中に洗濯兼脱水槽(図示せず)が回転自在に配設されている。また、水槽2の開口部側には内蓋(図示せず)が設けられており、その内蓋は、機械的または電気的に外蓋5の開閉に連動して開いたり閉じたりするようになっている。
【0010】
水槽2内に配設された洗濯兼脱水槽の側面には脱水のための複数の通水孔(図示せず)が形成されている。また、洗濯兼脱水槽の内側底面には、投入された衣類および注水された水を攪拌する攪拌翼(図示せず)が回動自在に配置されている。水槽2の下方に配設されたモータ3は、ギア、クラッチなどの機構を介して攪拌翼や洗濯兼脱水槽と連結される。吊り下げ手段8、12は、上部側が筐体1の四隅に固定された吊り板6に、下部側が水槽2に固定されたフランジ7にそれぞれ揺動可能に取り付けられ、水槽2を懸架している。手前側の吊り下げ手段8は、支持部9と、吊り棒10と、防振部11とを備え、奧に設けられた吊り下げ手段12は、吊り棒駆動部20と、吊り棒13と、防振部14とを備えている。
【0011】
ここで、前述した吊り下げ手段8、12の構成について図2乃至図4を用いて詳述する。図2は吊り下げ手段の構成を説明するための図、図3は図1に示す吊り棒駆動部(a部)の拡大詳細図、図4は吊り棒駆動部のモータケースを下方から見て示す斜視図である。
吊り下げ手段8の支持部9は、図2に示すように、吊り板6の上面に形成された半球状の凹部(図示せず)に摺動可能に嵌合された上端受け部9aからなり、吊り棒10の一方の先端部が直角に折り曲げられて取り付けられている。防振部11は、フランジ7の下面に摺動可能に当接された下端受け部11aと、ゴムリング11bと、バネ11cと、そのゴムリング11bおよびバネ11cを覆うように取り付けられた筒状の弾性部材11dと、バネ受け部11eとからなり、吊り棒10のもう一方の先端部が直角に折り曲げられてバネ受け11eの下面に当接している。
【0012】
吊り下げ手段12の吊り棒駆動部20は、図3に示すように、回転軸にギア21aが取り付けられたDCモータ21と、断面が凸状に形成されたヘリカルギア22と、軸方向に貫通された挿通孔に雌ネジを有する駆動ギア23と、駆動ギア23が嵌入されたリング状の1段目ベアリング24と、駆動ギア23に嵌入したリング状の2段目ベアリング25と、上端部に突出部である下限ストッパ27が、下端部にリング状の上限ストッパ28が設けられ、駆動ギア23に設けられた貫通の雌ネジ孔に螺合して貫入された駆動ネジ部26と、下方に突出して形成された半球面座29aを有する1段目ギアケース29と、1段目ギアケース29に嵌合した2段目ギアケース30と、この2段目ギアケース30に嵌合したモータケース31と、モータケース31の上部に取り付けられた防塵ケース32とを備えている。1段目ギアケース29の半球面座29aは、吊り板6の上面に形成された半球状の凹部(図示せず)に摺動可能に設置するためのものである。
【0013】
前述したヘリカルギア22は、凸状の大径側の歯がDCモータ21のギア21aに噛合し、小径側の歯が駆動ギア23と噛み合っており、1段目および2段目ギアケース29、30に跨って軸支されたギア軸22aを中心に回転する。1段目ギアケース29の軸支部分には、上方に突出して形成されたリブ29bが設けられている。このリブ29bにより、その部分の強度が高くなっている。
【0014】
駆動ギア23は、1段目および2段目ギアケース29、30にそれぞれ形成されたケース軸受部29c、30aと1段目および2段目ギアケース29、30にそれぞれ保持された1段目および2段目ベアリング24、25とに回動自在に嵌入された状態になっており、ヘリカルギア22が回転した際には、その回転方向に応じて駆動ネジ部26を軸方向(上下方向)に移動させる。駆動ギア23とケース軸受部29c、30aは、異種の材質が使用されており、例えば、駆動ギア23に金属製のものが使用されていた場合は、ケース軸受部29c、30aには樹脂製のものが使用され、また逆に、駆動ギア23に樹脂製のものが使用されていた場合は、ケース軸受部29c、30aには金属製のものが使用される。この異種の材質を用いることにより、駆動ギア23の回転時に生じる摩擦熱を低減させることが可能になり、ケース軸受部29c、30a側の摩耗を軽減できる。従って、駆動ギア23の横振れが小さくなり、横振れによる騒音を抑えることが可能になっている。
【0015】
また、この駆動ギア23は、前述したように1段目および2段目ギアケース29、30にそれぞれ保持された1段目および2段目ベアリング24、25によって支持されている状態になっているので、駆動ネジ部26を軸方向に移動させた際に生じる横振れが小さくなっている。このため、駆動ギア23の回転によるケース軸受部30aとの摩耗が軽減され、摩耗による駆動ギア23とケース軸受部30aとの間の隙間が大きくなるということがなくなり、横振れによる騒音を低減できる。
【0016】
駆動ネジ部26は、下端部に螺入された吊り棒13を有し、駆動ギア23の回転に応じて上方に移動したときに吊り棒13を介して水槽2を傾斜させ、駆動ギア23の逆回転によって下限ストッパ27が所定位置に達したときに停止して水槽2を直立状態にする。駆動ギア23の回転に対して駆動ネジ部26が軸方向の移動をするのは、モータケース31および防塵ケース32にそれぞれ設けられたストッパ案内溝31a、32aに、下限ストッパ27が間隙を有して挿入されているからである(図3のA−A断面図参照)。その間隙は、駆動ネジ部26が軸方向に移動開始したときに生じる下限ストッパ27の横振れが殆どない程度の間隔である。この下限ストッパ27とストッパ案内溝31a、32aとの最小間隙によって、駆動ネジ部26の横振れを最小限に抑えることができるので、駆動ギア23の横振れによるケース軸受部30aへの負担を軽減することができる。
【0017】
前述した所定位置は、センサ(図示せず)などで下限ストッパ27を検出して判別している。センサが故障などによって下限ストッパ27の検出不可能になったときの安全対策として、センサの下方に、下限ストッパ27が接触したときにDCモータ21の駆動を停止させるためのストッパプレート(図示せず)が配置されている。また、駆動ネジ部26の下端部に設けられた上限ストッパ28が駆動ギア23の端部に接触したとき、DCモータ21の駆動を停止させるようにしている。
【0018】
1段目および2段目ギアケース29、30とモータケース31は、剛性を有し、1段目ギアケース29と2段目ギアケース30との嵌合部分および2段目ギアケース30とモータケース31との嵌合部分には、難燃性のクッション材(図示せず)が介在している。そして、これら3段重ねのケース29、30、31は、モータケース31に設けられたネジ固定部31cまでネジ40が螺入して一体に固定されている。このネジ40による固定箇所は、図4に示すように、少なくとも7カ所で、駆動ギア23側のネジ40の固定間隔が短くなっている。防塵ケース32は、モータケース31の上部にクッション材33を介在してネジ32bで固定されている。この7カ所のボルト締めおよびクッション材によって3段重ねのケース29、30、31が密接した状態で連結され、また、ネジ32bとクッション材33により、DCモータ21の駆動時および駆動ネジ部26の上下動しているときの音や振動を軽減させることができる。
【0019】
また、1段目ギアケース29の底部には、図3に示すように、DCモータ21のギア21a近傍で内側に折り曲げられてなる凹部が形成されている。また、図4に示すように、モータケース31に設けられた仕切壁31dに対向するDCモータ21側の壁面の角部が肉厚を有して円弧状に形成され、さらに、DCモータ21側の頂面から各壁面にかけて四方に延びて形成された複数のリブ31bが設けられている。モータケース31のDCモータ21側の角部に形成された円弧状の壁および複数のリブ31、また、1段目ギアケース29の底部に形成された凹部によってケース内の無駄な空間をなくしている。これは、DCモータ21の駆動時および駆動ネジ部26の上下動しているときの振動を抑えるためである。これによって、振動による騒音を低く抑えることが可能になっている。
【0020】
なお、前記の実施の形態では、3段重ねのケース29、30、31をクッション材とネジ40とで密接させたことを述べたが、これに加えて、例えば1段目および2段目ギアケース29、30の外周をゴムで覆うようにしても良いし、モータケース31も含めて外周をゴムで覆うようにしても良い。このようにした場合、DCモータ21の駆動時および駆動ネジ部26の上下動しているときの振動をさらに抑えることができ、振動による騒音を大幅に抑えることができる。
【0021】
また、前記の実施の形態では、駆動ギア23に2つのベアリング24、25を用いたことを述べたが、例えば、2段目ギアケース30のケース駆動部30a内周面に接する駆動ギア23の上端部外周面に金属製スリーブを組み込むようにしても良いし、また逆に、ケース駆動部30a内周面に金属製スリーブを組み込むようにしても良い。この金属製スリーブによって、駆動ギア23の回転によるケース軸受部30aとの摩耗が大幅に軽減され、このため、駆動ギア23の横振れが殆どなくなり、横振れによる騒音を抑えることができる。
【0022】
さらに、DCモータ21の外形が略直方体形状の場合には、モータケース31のDCモータ21側の角部には、モータ形状に合わせてほぼ等間隔の隙間を空けて形成された角状の壁が形成されるものとする。この場合にも、ケース内の無駄な空間が抑制され、振動による騒音を低く抑えるといった効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態に係る洗濯機を示す側面側の説明図である。
【図2】吊り下げ手段の構成を説明するための図である。
【図3】図1に示す吊り棒駆動部の拡大詳細図である。
【図4】吊り棒駆動部のモータケースを下方から視て示す斜視図である。
【符号の説明】
【0024】
1 筐体、2 水槽、6 吊り板、7 フランジ、8 吊り下げ手段、9 支持部、
10 吊り棒、11 防振部、12 吊り下げ手段、13 吊り棒、14 防振部、
20 吊り棒駆動部、21 DCモータ、22 ヘリカルギア、23 駆動ギア、
24 1段目ベアリング、25 2段目ベアリング、26 駆動ネジ部、27 下限ストッパ、28 上限ストッパ、29 1段目ギアケース、30 2段目ギアケース、
31 モータケース、32 防塵ケース、33 クッション材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内に配設された水槽と、
該水槽を吊り下げる吊り棒と、
該吊り棒を軸方向に移動させて前記水槽を傾斜させる吊り棒駆動部とを備え、
前記吊り棒駆動部は、
回転をギアを介して伝達するモータと、
前記ギアを収容するギアケースの少なくとも上部に形成されたケース軸受部と、
該ケース軸受部に上端部が回動可能に嵌入され、前記ギアに連動して回転する駆動ギアと、
該駆動ギアに設けられた軸方向の貫通ネジ孔に貫入され、下端部に吊り棒が取り付けられ、前記駆動ギアの回転方向に応じて軸方向に移動する駆動ネジ部と、
前記駆動ギアの軸方向に配列されて前記ギアケースに設けられ、前記駆動ギアを回動自在に保持する保持手段と
を備えたことを特徴とする洗濯機。
【請求項2】
前記駆動ネジ部の上端部に設けられた突出部と、
前記モータおよび前記駆動ネジ部を覆うように形成され、前記ギアケースの上部に重ねられて固定されたモータケースと、
少なくとも前記モータケースに設けられ、前記突出部を前記駆動ネジ部の軸方向に間隙を有して案内するための案内部とを備え、
前記間隙は、前記駆動ネジ部が軸方向に移動開始したときに生じる前記突出部の横振れが起こり難い所定の間隔であることを特徴とする請求項1記載の洗濯機。
【請求項3】
前記ギアケースは、1段目ギアケースと、この1段目ギアケースの上部に重ねられ、前記ケース軸受部を有する2段目ギアケースとでなり、その内の2段目ギアケースの上部に前記モータケースが重ねられ、これら各ケースの重ね部分の少なくとも一箇所にクッション材が介在して複数のネジにより固定されていることを特徴とする請求項2記載の洗濯機。
【請求項4】
前記ネジによる固定間隔は、前記モータ側よりも前記駆動ネジ部側が短くなり、その駆動ネジ部の移動時に発生する振動を抑えるようにしたことを特徴とする請求項3記載の洗濯機。
【請求項5】
前記1段目ギアケースは、内部の空間が必要最小限になるように、底部の一部が内側に入り込んだ凹部が形成されたことを特徴とする請求項3又は4記載の洗濯機。
【請求項6】
前記モータケースの側壁は、モータ形状に合わせてほぼ等間隔の隙間を空けて形成され、内周壁に複数のリブが設けられたことを特徴とする請求項2乃至5の何れかに記載の洗濯機。
【請求項7】
前記保持手段は、前記駆動ギアの軸方向に配置された1段目ベアリングと2段目ベアリングとでなり、前記1段目ベアリングは、前記1段目ギアケースに前記駆動ギアを回動自在に設けられ、前記2段目ベアリングは、前記2段目ギアケースに前記駆動ギアを回動自在に設けられ、前記駆動ネジ部を軸方向に移動させているときの横振れを抑制することを特徴とする請求項3乃至6の何れかに記載の洗濯機。
【請求項8】
前記1段目および2段目ギアケースあるいは前記モータケースも含めて外周を弾性部材または多孔質体で覆うことを特徴とする請求項3乃至6の何れかに記載の洗濯機。
【請求項9】
前記保持手段は、前記駆動ギアを回動自在に保持する1つのベアリングからなり、前記ケース軸受部あるいは前記駆動ギアの上端部に金属製スリーブが設けられていることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の洗濯機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−212183(P2008−212183A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−49546(P2007−49546)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000004422)日本建鐵株式会社 (152)
【出願人】(000002233)日本電産サンキョー株式会社 (1,337)
【Fターム(参考)】