説明

洗濯機

【課題】乾燥効率が高く、洗濯、脱水の運転時の筐体振動の小さい、騒音の小さい静かな洗濯機を提供する。
【解決手段】必要時のみ、本体1の出し入れ口9と水槽2の開口部2aとの間の隙間をシール構造11を介して気密にシールする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、洗濯物の洗浄、脱水及び乾燥を行う洗濯機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の洗濯機として、一般に、本体と本体内部に複数のサスペンション・受け筒と、この受け筒内部に中空で2軸構造となった洗濯・脱水軸によって回転自在に支持された洗濯兼脱水槽と、洗濯兼脱水槽内に温風を吹き込むためのファンと循環除湿風路、ヒータからなる温風送風手段とを備え、衣類投入口の外周を覆うように設けた本体の固定側と水槽の振動側とを接続する伸縮性チューブにより構成される構造があった。
【0003】
【特許文献1】特開平11−347280号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の構成では、洗濯時や脱水時の水槽の振動が本体に伝達され、大きな筐体振動及び騒音を生むという課題があった。また、乾燥時の乾燥効率の向上が要請されていた。
【0005】
そこで、本発明では、上記のような問題点を解決するためになされたもので、乾燥効率が高く、洗濯、脱水の運転時の筐体振動の小さい、騒音の小さい静かな洗濯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するため、本体の固定側と水槽側との隙間に、衣類投入口の外周を覆うようにシール部材を設け、乾燥時のみ水槽を上げて、上記弾性体と上記突起体とを接触させて気密する構成にしたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る洗濯機は、洗濯物の出し入れ口を有する本体と、本体内に配置され、出し入れ口に対向する開口部を有する水槽と、水槽内に回転自在に設けられた洗濯兼脱水槽と、水槽を前記本体の四隅から吊り下げる吊り下げ部と、乾燥工程時に水槽内に温風を吹き込む温風送風手段とを備えた洗濯機において、必要時のみ、出し入れ口と水槽の開口部との間の隙間をシール構造を介して気密にシールするようにしたので、乾燥効率が高く、洗濯、脱水の運転時の本体振動の小さい、騒音の小さい静かな洗濯機を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1の洗濯機の縦断面図、図2は、図1の弾性体12を示す図、図3は、図1の突起体13を示す図である。
この洗濯機は、本体1内に水槽2が吊り下げ支持された構成となっている。水槽2は、ばね部材とゴム部材と吊りワイヤ3aで構成された4つの吊り下げ部3によって本体1の四隅から吊り下げ状態で防振支持されている。また、各吊り下げ部3の上部には、それぞれ各吊り下げ部3の吊りワイヤ3aの長さを変化させる4つの水槽上下駆動機構4が配置されており、この水槽上下駆動機構4によって水槽2は本体1内を上下動可能となっている。このように、本例の洗濯機は、本体1の四隅に対応して四カ所に設けられた吊り下げ部3と水槽上下駆動機構4とにより、水槽2が本体1内に上下動可能に吊り下げ支持されている。
【0009】
また、水槽2内には、洗濯物を収容する洗濯兼脱水槽5が回転自在に配置されており、洗濯兼脱水槽5の底部には攪拌翼6が回転自在に配設されている。水槽2の下部には、DCモータ7、ギア8、クラッチ等を含む駆動部が配置されており、駆動部の駆動軸は、フランジによって水槽2に連結され、更に洗濯兼脱水槽5と洗濯兼脱水槽5の底部に設けられた攪拌翼6の回転軸とに締結され、洗濯兼脱水槽5及び攪拌翼6を回転自在に支持している。また、本体1の前面には、洗濯物を出し入れする出し入れ口9が設けられ、蓋10によって開閉される。
【0010】
水槽2は、開口部2aが本体1の出し入れ口9に対向するように本体1内に配置されており、水槽2の開口部2aと本体1の出し入れ口9との間には、水槽2の開口部2aと本体1の出し入れ口9とを気密性良くシールするためのシール構造11が設けられている。本実施の形態1のシール構造11は、本体1の出し入れ口9の外周部に設けられたリング状の弾性体(中空ゴム)12と、樹脂製のリング状の突起体13とで構成されている。弾性体12は、図2に示すように水槽2の上下動方向に伸縮する弾性部材で構成される。また、突起体13は、図3に示すようにリング状の平坦部13aとその平坦部13aの径方向の中心位置にリング状に設けられた凸部13bとから構成されている。
【0011】
また、本体1内の後方には乾燥循環通路21が設けられている。次の図4は図1の洗濯機を乾燥循環通路21部分で切った縦断面図である。
【0012】
図4は、図1の洗濯機を乾燥循環通路21部分で切った縦断面図である。
乾燥循環通路21は、図4に示すように一方が洗濯兼脱水槽5の開口部2a近傍に設けた給気口22に開口し、他方が洗濯兼脱水槽5の側面に設けた排気口23に開口しており、その乾燥循環通路21内には、洗濯物を乾燥する温風送風手段24が配置されている。なお、温風送風手段24は、ファン24a、ヒータ24b及び除湿機24cから構成されており、ファン24aとヒータ24bは本体1側に固定され、除湿機24cは水槽2側に固定されている。除湿機24cは、上端がジャバラ状の弾性体25でファン24aと接続されており、下端は排気口23と接続されている。かかる構成の温風送風手段24が駆動されると、ヒータ24bによって暖められた空気がファン24aにより図示矢印方向に流れ、給気口22から水槽2内に導風される。そして、水槽2内の洗濯物に当たり、湿気を含んだ空気となって排気口23から排出され、除湿機24cを通過する際に除湿されて乾燥空気となり、ヒータ24bで再度加熱して水槽2内に戻される。これを繰り返すことにより洗濯物を乾燥させる。
【0013】
図5及び図6は、実施の形態1の洗濯機の動作説明図で、図5は、洗浄工程及び脱水工程時におけるシール構造部分の拡大図、図6は乾燥工程時におけるシール構造部分の拡大図である。以下、洗濯機の動作を説明する。
まず、洗濯工程が始まると、洗濯物である衣類の片寄りによるアンバランスによって、洗濯兼脱水槽5および水槽2に大きな振動が発生する。
この水槽2の振動は、吊り下げ部3によって制振される。また、洗濯工程では、図5に示すように、本体1側に配置した弾性体12と水槽2側に配置した突起体13とが垂直距離H1だけ離れた位置にあり、弾性体12と突起体13とは接触していないため、本体1と水槽2との間で振動が伝達遮断され、本体振動及び騒音を著しく低減することができる。
【0014】
また、洗濯工程が終了し、脱水工程が始まると、洗濯工程と同様に、洗濯物である衣類の片寄りによるアンバランスによって、洗濯兼脱水槽5および水槽2に大きな振動が発生する。しかしながらこの時も、本体1側に固定された弾性体12と水槽2側に固定された突起体13とは接触していない(図5参照)ため、本体1と水槽2との間で振動が伝達遮断され、本体振動及び騒音を著しく低減することができる。
【0015】
さらに、脱水工程が終了し、乾燥工程が始まると、図示しない制御手段により各水槽上下駆動機構4が駆動される。これにより、各水槽上下駆動機構4のそれぞれが、各吊り下げ部3を介してそれぞれ同じ距離だけ吊りワイヤ3aを巻き上げて水槽2を上昇させ、図6に示すように水槽2側に配置した突起体13の凸部13bが弾性体12に食い込んだ状態となり密着する。これにより、水槽2内を気密にシールすることができる。そして、温風送風手段24が駆動し、ファン24aによって送風された空気は、ヒータ24bによって暖められ、図4及び図6の矢印の方向に流れ、給気口22を介して水槽2内部に送り込まれる。そして、水槽2内の洗濯物に当たり、湿気を含んだ空気は、排気口23から排出され、除湿機24cを通過して除湿されて乾燥空気となり、再度ヒータ24bで暖められて水槽2内に戻される。以上の乾燥工程時において、本体1側に配置した弾性体12と水槽2に配置した突起体13とが密着しているので、温風は、水槽2外に漏れることなく水槽2へと導かれる。これにより、水槽2内の衣類に無駄なく温風を当てることができ、乾燥効率を著しく高くすることができる。
【0016】
なお、乾燥時の水槽2の振動は、洗濯時や脱水時よりも小さいため、水槽2が本体1に弾性体12を介して連結されていても、本体振動及び騒音が大きくなることはない。
【0017】
以上説明したように本実施の形態1によれば、洗濯および脱水工程といった振動の大きい運転時は、弾性体12と突起体13とを接触させずに出し入れ口9と水槽2の開口部2aとの間に隙間がある状態とし、乾燥工程にのみ、前記隙間をシールするようにしたので、洗濯および脱水工程時において水槽2から発生する振動の本体1側への伝達を遮断することができ、本体1振動および騒音の小さい静かな乾燥洗濯機を得ることができる。
【0018】
また、乾燥工程時には、水槽上下駆動機構4により水槽2を蓋10側に上昇させ、本体1側に配置した弾性体12と、水槽2側に配置した突起体13とを接触させて両者の隙間を気密にシールするようにしたので、弾性体12と突起体13との間の隙間から温風が漏れることなく、温風を効率良く洗濯物に接触させることが可能となる。これにより、乾燥効率が上昇して乾燥時間を短くすることができる乾燥洗濯機を得ることができる。
【0019】
また、本体1側に配置した弾性体12は、径方向に幅を持たせ(例えば幅W1が50mm以上)ているので、乾燥工程時に水槽2を上昇させる際に、水槽2が弾性体12との理想の接触位置から前後左右に位置ズレ(前後左右±25mm)が発生した場合でも、突起体13(突起の径方向幅W2が1〜10mm)を弾性体12に接触することが可能となり、水槽2の気密性を確保でき、高い乾燥効率を維持することが可能となる。
【0020】
なお、樹脂製の突起体13は、材料を弾性部材としても良く、この場合も同様に突起体13が弾性体12を押し上げて密着することで、同様の気密効果を発揮できる。
【0021】
さらに、樹脂製の突起体13の上端部に弾性体12をリング状に配設するようにしてもよい。この場合、上記と同様の効果が得られるとともに、樹脂製の突起体13が弾性体12に直接、接触することによる摩耗を低減することが可能となる。
【0022】
さらに、弾性体12は、相対向する側壁と底壁からなる断面コの字形状とし、底壁が突起体13に対向するように本体1側に固定配置して、上記と同様の気密効果を発揮するようにしてもよい。
【0023】
なお、本例では、本体1側に弾性体12を設け、水槽2の開口部2a側に突起体13を設けた例を示したが、逆に設けても良い。
【0024】
実施の形態2.
図7は、実施の形態2の洗濯機の縦断面図である。実施の形態2の洗濯機は、実施の形態1のシール構造11に代えてシール構造31を用いたもので、その他の構成は図1に示した実施の形態1と同様であるため重複する説明は省略し、ここでは、実施の形態2が実施の形態1と相違する部分を中心に以下に説明する。
実施の形態2のシール構造31は、本体1の出し入れ口9の外周部に設けられたリング状の本体側弾性体(中空ゴム)32と、水槽2の開口部2aに設けられたリング状の水槽側弾性体(中空ゴム)33とから構成されている。
【0025】
図8及び図9は、実施の形態2の動作説明図で、図8は、乾燥工程以外の工程(洗浄工程、脱水工程)におけるシール構造部分の拡大図、図9は乾燥工程時におけるシール構造部分の拡大図である。
図8に示すように乾燥工程以外の工程(洗浄工程、脱水工程)では、本体側弾性体32と水槽側弾性体33とが垂直距離H2だけ離間し、両者は接触せずシールしていない状態にある。そして、乾燥工程時になると、図9に示すように水槽2が上昇し、これにより本体側弾性体32と水槽側弾性体33とが互いに変形しながら密着する。これにより、本体側弾性体32と水槽側弾性体33とを気密にシールすることができ、実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0026】
また、実施の形態2のシール構造31では、本体側弾性体32及び水槽側弾性体33を、径方向に幅(例えば、幅W3が50mm以上)を持たせているので、乾燥工程時に水槽2を上昇させる際に、水槽2が本体側弾性体32との理想の接触位置から前後左右に位置ズレ(前後左右±25mm)が発生した場合でも、水槽側弾性体33を本体側弾性体32に接触することが可能となり、水槽2の気密性を確保でき、高い乾燥効率を維持することが可能となる。
【0027】
また、図7から図9において、本体側弾性体32及び水槽側弾性体33を、断面が四角状のものを示しているが、この形状に限られたものではなく、円輪状としてもよい。
【0028】
実施の形態3.
図10は、実施の形態3の洗濯機の洗濯機の縦断面図である。実施の形態3の洗濯機は、実施の形態1のシール構造11に代えてシール構造41を用いたもので、その他の構成は図1に示した実施の形態1と同様であるため重複する説明は省略し、ここでは、実施の形態3が実施の形態1と相違する部分を中心に以下に説明する。
【0029】
図11及び図12は、実施の形態3の動作説明図で、図11は、乾燥工程以外の工程(洗浄工程、脱水工程)におけるシール構造部分の拡大図、図12は乾燥工程時におけるシール構造部分の拡大図である。
実施の形態3のシール構造41は、本体1の出し入れ口9の外周部に設けられたリング状の本体側弾性体42と、水槽2の開口部2aに設けられたリング状の突起体43とから構成されている。本体側弾性体42は、相対向する側壁42a,42a及び底壁42bからなり断面コの字形状に構成された枠体42cと、枠体42cの向かい合う側壁42aから内側方に互い違いに枠体42cのほぼ中心まで延出する複数の壁部42dとから構成されている。突起体43は、水槽2の開口部2aに固定された固定部43aと固定部43aから本体側弾性体42の方向にほぼ垂直に立設された突片部43bとから構成されている。
【0030】
このように構成されたシール構造41においては、図11に示すように乾燥工程以外の工程(洗浄工程、脱水工程)では、本体側弾性体42と突起体43とが垂直距離H3だけ離間し、両者は接触せずシールしていない状態にある。そして、乾燥工程時になると、図12に示すように水槽2が上昇し、これにより突起体43の突片部43bが枠体42c内の壁部42dに接触しながら入り込み、水槽2を気密にシールする。これにより、実施の形態1と同様の作用効果が得られる。
【0031】
また、実施の形態3のシール構造41においても、実施の形態1と同様に本体1側に配置した本体側弾性体42は、径方向にある程度の幅(例えば幅W4が50mm以上)を持っており、且つ、実施の形態3のシール構造41においては、枠体42c内の径方向の中央部分に突片部43bが案内される状態で挿入されるため、水槽2を引き上げる際に水槽2が左右前後に位置ずれがあっても、突片部43bが枠体42c内の中央部部分に案内されて挿入されるため、確実にシールすることが可能となり、水槽2の気密性を確保でき、高い乾燥効率を維持することが可能となる。
【0032】
なお、本例では、本体1側に弾性体を設け、水槽2の開口部2a側に突起体43を設けた例を示したが、逆に設けても良い。
【0033】
実施の形態4.
実施の形態4は、実施の形態1と基本的には同様であるので、ここでは実施の形態4が実施の形態1と相違する部分を中心に説明する。
実施の形態1(実施の形態2、3も同様)では、本体1内の四隅の各吊り下げ部3のそれぞれに水槽上下駆動機構4を設け、水槽2を4カ所から持ち上げるようにしたのに対し、実施の形態4は、前方2カ所の吊り下げ部3の水槽上下駆動機構4は削除し、後方2カ所のみに水槽上下駆動機構4を設けたものである。
【0034】
図13(a)は、水槽2を持ち上げる前の状態を示した図、図13(b)は洗浄工程、乾燥工程時に水槽2を持ち上げた後の状態を示した図である。なお、本実施の形態4では、水槽2は洗浄工程や脱水工程では本体1内に水平状態で吊り下げ支持されているものとする。
ここで、実施の形態4では、弾性体12の本体1との接触面が、水槽2の開口部2aの開口面に対して、手前側(図示左側)が下方に傾斜する傾斜面となっている。そして、乾燥工程以外の洗浄工程や脱水工程では、図13(a)に示すように、弾性体12と突起体13とは離れており、乾燥工程になると、本例では、図13(b)に示すように後方2カ所の水槽上下駆動機構4が駆動して吊りワイヤ3aを巻き上げる。これにより、水槽2は、前方に傾斜しながら上昇する。ここで、弾性体12は前方に傾斜して配置されているので、水槽2の後方が持ち上げられることによって、水槽2の突起体13が、弾性体12に接触して密着する。
【0035】
これにより、上記実施の形態1と同様の作用効果が得られると共に、前方二カ所の水槽上下駆動機構4を省略できるため、コスト低減に寄与する。
【0036】
なお、前記実施の形態1〜3における乾燥工程において、一時停止または終了直前では気密シールをしないようにしてもよい。これにより、衣類の熱放射が促進され、衣類温度が低くなる時間が早くなり、衣類取り出し時に衣類が熱くなく、快適で使い勝手の良い洗濯機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施の形態1の洗濯機の縦断面図である。
【図2】図1の弾性体を示す図である。
【図3】図1の突起体を示す図である。
【図4】図1の洗濯機を乾燥循環通路部分で切った縦断面図である。
【図5】本発明の実施の形態1の動作説明図(洗濯、脱水運転)である。
【図6】本発明の実施の形態1の動作説明図である。
【図7】実施の形態2の洗濯機の縦断面図である。
【図8】本発明の実施の形態2の動作説明図(洗濯、脱水運転)である。
【図9】本発明の実施の形態2の動作説明図(乾燥運転)である。
【図10】実施の形態3の洗濯機の縦断面図である。
【図11】本発明の実施の形態3の動作説明図(洗濯、脱水運転)である。
【図12】本発明の実施の形態3の動作説明図(乾燥運転)である。
【図13】本発明の実施の形態4の動作説明図((a)洗濯、脱水運転(b)乾燥運転)である。
【符号の説明】
【0038】
1 本体、2 水槽、2a 開口部、3 吊り下げ部、4 水槽上下駆動機構、5 洗濯兼脱水槽、6 攪拌翼、9 出し入れ口、11 シール構造、12 弾性体、13a 平坦部、13b 凸部、13 突起体、24 温風送風手段、31 シール構造、32 本体側弾性体、33 水槽側弾性体、41 シール構造、42 本体側弾性体、42a 側壁、42b 底壁、42c 枠体、42d 壁部、43 突起体、43a 固定部、43b 突片部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯物の出し入れ口を有する本体と、本体内に配置され、前記出し入れ口に対向する開口部を有する水槽と、該水槽内に回転自在に設けられた洗濯兼脱水槽と、前記水槽を前記本体の四隅から吊り下げる吊り下げ部と、乾燥工程時に前記水槽内に温風を吹き込む温風送風手段とを備えた洗濯機において、
必要時のみ、前記出し入れ口と前記水槽の前記開口部との間の隙間をシール構造を介して気密にシールするようにしたことを特徴とする洗濯機。
【請求項2】
洗濯物の出し入れ口を有する本体と、本体内に配置され、前記出し入れ口に対向する開口部を有する水槽と、該水槽内に回転自在に設けられた洗濯兼脱水槽と、前記水槽を前記本体の四隅から吊り下げる吊り下げ部と、乾燥工程時に前記水槽内に温風を吹き込む温風送風手段とを備えた洗濯機において、
乾燥工程時に、前記出し入れ口と前記水槽の前記開口部との間の隙間をシール構造を介して気密にシールするようにしたことを特徴とする洗濯機。
【請求項3】
洗濯物の出し入れ口を有する本体と、本体内に配置され、前記出し入れ口に対向する開口部を有する水槽と、該水槽内に回転自在に設けられた洗濯兼脱水槽と、前記水槽を前記本体の四隅から吊り下げる吊り下げ部と、乾燥工程時に前記水槽内に温風を吹き込む温風送風手段とを備えた洗濯機において、
乾燥工程時に、前記出し入れ口と前記水槽の前記開口部との間の隙間をシール構造を介して気密にシールし、乾燥工程の一時停止または終了直前では気密シールをしないようにしたことを特徴とする洗濯機。
【請求項4】
前記各吊り下げ部のそれぞれを介して前記水槽を上下動させる水槽上下駆動機構と、前記出し入れ口の外周部に設けられたリング状の第1のシール部材と、前記水槽の前記開口部の周縁部に前記第1のシール部材から離間して設けられ、前記第1のシール部材と共に前記シール構造を形成するリング状の第2のシール部材とを備え、乾燥工程時のみ、前記水槽上下駆動機構を駆動して前記水槽を上昇させ、前記第1のシール部材と前記第2のシール部材とを接触させて前記出し入れ口と前記水槽の前記開口部との間の隙間を気密にシールすることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の洗濯機。
【請求項5】
前記第1のシール部材と前記第2のシール部材の何れか一方を、前記水槽の上下動方向に伸縮する弾性体で構成し、他方を、該弾性体側に突出する凸部を有する突起体で構成したことを特徴とする請求項4記載の洗濯機。
【請求項6】
前記突起体を弾性部材で構成したことを特徴とする請求項5記載の洗濯機。
【請求項7】
前記第1のシール部材と前記第2のシール部材の両方を、断面円輪状又は断面四角形状の弾性体としたことを特徴とする請求項4記載の洗濯機。
【請求項8】
前記第1のシール部材と前記第2のシール部材の何れか一方を弾性体で構成し、他方を突起体で構成し、前記弾性体が、相対向する側壁と底壁からなり断面コの字形状に構成された枠体と、枠体の向かい合う側壁から内側方向に互い違いに枠体のほぼ中心まで延出する複数の壁部とから構成され、前記突起体が、前記水槽の前記開口部に固定された固定部と該固定部から前記弾性体の方向にほぼ垂直に立設された突片部とから構成され、前記突片部を前記枠体内の前記壁部に接触しながら押し込むことで気密にシールすることを特徴とする請求項4記載の洗濯機。
【請求項9】
前記水槽上下駆動機構と前記吊り下げ部の組が、前記本体の四隅に対応して四カ所に設けられるとともに、前記各水槽上下駆動機構のそれぞれが、前記各吊り下げ部を介してそれぞれ同じ距離だけ前記水槽を上昇させることで前記第1のシール部材と前記第2のシール部材とを接触させ、前記出し入れ口と前記水槽の前記開口部との間の隙間を気密にシールすることを特徴とする請求項4乃至請求項8の何れかに記載の洗濯機。
【請求項10】
前記吊り下げ部を前記本体の四隅に対応して四カ所に設けるとともに、前記水槽上下駆動機構を前記本体の四隅に対応する各吊り下げ部のうち後方側の二カ所に対してのみ設け、また、前記水槽は、手前側が下方に傾斜するように前記本体内に設けられており、前記後方の二カ所の水槽上下駆動機構により対応の吊り下げ部を介して前記水槽の後方を上昇させることにより、前記第1のシール部材と前記第2のシール部材とがシールされるように、前記本体側に設けるシール部材の配置面を、手前側が下方に傾斜する傾斜面としたことを特徴とする請求項4乃至請求項8の何れかに記載の洗濯機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−476(P2008−476A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−174400(P2006−174400)
【出願日】平成18年6月23日(2006.6.23)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000004422)日本建鐵株式会社 (152)
【Fターム(参考)】