説明

洗濯用染みおよび汚れ前処理シート

【課題】前処理中および前処理済みの衣服を洗濯前に手で取り扱っている間に前処理組成物が皮膚と接触する可能性を著しく低くしつつ、制御された有効ではあるが無駄のない量の前処理洗浄組成物を衣服の布地の染み領域に提供する使い易い洗濯染み前処理シートを提供すること。
【解決手段】水溶性または水分散性キャリア層(好ましくは、ポリビニルアルコール)、除去可能セパレータ層、およびそれらの間の洗浄剤組成物層を含む、洗濯用染みおよび汚れ前処理シート。セパレータ層は除去され、組成物層は衣服の染みに付着され、そして衣服は洗濯されて染みが処理される。キャリア層は、洗濯中にて、溶解または分散する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯時の染みおよび汚れ前処理剤(pretreatments)(これはまた、洗濯用プレスポッターとも呼ばれる)に関し、そして接着テープ、郵便切手、ラベル、装飾用スティッカーなどを貼り付けるのに使用されるような直接的な指圧を使って衣服の染み領域および/または汚れ領域に簡単に適用できる薄い自己粘着性可撓性のシートの形状である前処理剤に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯前に衣服の染み領域および汚れ領域の前処理剤として使用され、洗剤および他の洗浄成分を含有する液状および半固形状組成物は、何年にもわたって市場に出回っている。液状前処理剤の例は、特許文献1および特許文献2に記載されている。半固形状前処理スティックの例は、特許文献3、特許文献4および特許文献5に記載されている。このような前処理剤は、洗濯前に染みに適用されると、処理された衣服を引き続いて普通に洗濯したとき、衣服の染み領域に対して特別な洗浄作用を与える。本発明の前処理シートにより得られる特別な洗浄作用は、以下に例示する現在市場に出回っている各種前処理製品と同様、あるいは、同程度であることを目的としている:「SPRAY’n WASH Stain Stick」(Reckitt Benckiser,Inc.(Parsippany,NJ 07054)から販売されている)、「SHOUT LAUNDRY STAIN REMOVER」(S.C.Johnson & Son,Inc.(Racine,WI 53403)から販売されている)および「Zout Laundry Stain Remover」(The Dial Corporation(Scottsdale,AZ)から販売されている)。これらは、洗濯前に、食品、油、草などによる染みを処理することを目的としている。洗濯用前処理剤が皮膚や目を刺激することは周知であり、広く市販されている上記前処理製品「SPRAY’n WASH Stain Stick」、「SHOUT LAUNDRY STAIN REMOVER」および「Zout Laundry Stain Remover」の包装ラベルにはっきりと表示されている。
【0003】
従来の前処理剤は、布地の染み領域に液状前処理剤を噴霧するかスティック状のペースト状または半固形状前処理剤に擦り込むことにより、染みのついた衣服の布地に直接適用される。噴霧により適用される液状前処理剤の場合、布地の種類、その厚さ、編込および繊維組成(綿、ナイロン、ポリエステルなど)によって液体を吸収する能力がかなり変化するので、染み領域を浸すのにちょうど十分な量の液状前処理剤を一貫して噴霧することが困難である。その結果、染みの上に過剰の液体を噴霧して溜まりができ、液状前処理剤が滴り落ちて無駄になるだけでなく、前処理中および前処理済みの衣服を洗濯前に取り扱っているときに、液状前処理剤が皮膚に触れて刺激するおそれが高まることも珍しくない。
【0004】
半固形前処理スティックの場合、人によって体力や取り扱い経験が違うために、適用中に加える圧力が当然変わるので、染みのついた布地に適用される前処理剤組成物の量が変化する。時には、あまりに少ない前処理剤が適用される一方、過剰な量が適用される場合もある。液状前処理剤と同様に、過剰な前処理剤は、無駄になるだけでなく、前処理済みの衣服を洗濯前に取り扱っているときに、前処理剤が皮膚に触れて刺激するおそれが高まる。本発明は、あらかじめ測定した無駄のない量の洗浄剤を使用し、水溶性/水分散性キャリア層を含んでいるために、皮膚が洗浄剤と接触して皮膚が刺激されるおそれを少なくする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,077,317号
【特許文献2】米国特許第4,595,527号
【特許文献3】米国特許第4,842,762号
【特許文献4】米国特許第5,384,060号
【特許文献5】米国特許第5,747,442号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
それゆえ、本発明のいくつかの有利な点は、前処理中および前処理済みの衣服を洗濯前に手で取り扱っている間に前処理剤組成物が皮膚と接触する可能性を著しく低くしつつ、制御された有効ではあるが無駄のない量の前処理洗浄組成物を衣服の布地の染み領域に提供する使い易い洗濯用染み前処理シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
水溶性または水分散性キャリア層、除去可能セパレータ層、および該キャリア層と該セパレータ層の間の洗浄剤組成物層を含む、洗濯用染みおよび汚れ前処理シート。上記シートを提供する工程、該セパレータ層を除去する工程、該洗浄剤組成物層が該染みと該キャリア層の間になるように、該洗浄剤組成物層を該染みに付着させる工程、および該キャリア層が溶解または分散する間に、該衣料品を洗濯する工程を包含する、衣料品の染みを処理する方法。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、3つの層の相対位置を示す本発明の前処理シートの側面図である。
【図2】図2は、セパレータ層を除去した状態の図1で示した前処理シートの側面図である。
【図3】図3は、セパレータ層を除去しシートに指圧を適用して染み付き布地に付着させた前処理シートの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の記載では、好ましい範囲(例えば、5から25(あるいは5〜25))を示すとき、これは、好ましくは、少なくとも5、また、別個かつ独立して、好ましくは、25以下を意味する。ペーストとの用語は、ゲルを含む。本明細書中で述べた全ての特許の全内容は、本明細書中にて参考として援用される。
【0010】
図1を参照すると、本発明による前処理シートが示されており、これは、水溶性または水分散性キャリア層14、除去可能セパレータ層16、および洗浄剤組成物層12を含む。
【0011】
キャリア層14は、好ましくは、可撓性であり(例えば、可撓性フィルムまたは可撓性シート)、そして家庭用洗濯機にて冷水洗濯および温水洗濯の両方で通常使用される水温にて、水溶性である;あるいは、キャリア層14は、通常の家庭用洗濯機にて冷水洗濯および温水洗濯の両方で洗濯する際に使用されるとき、水分散性である。キャリア層14は、好ましくは、ポリビニルアルコール(PVA)フィルム、それよりは好ましくないが、以下のような水溶性ポリマーで出来ているかそれらをベースにした他の水溶性フィルムである:ポリエチレンオキシド、部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニル、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、化工デンプン(modified starch)、および当該技術分野で公知の他のもの。PVAは、水溶性が良好であり、物理的強度が良好であり、そして価格が安い。あるいは、キャリア層14は、水分散性層(例えば、紙の層、または短い水不溶性不織繊維(例えば、ポリエステル繊維)から出来た類似の材料の層)であり得、これらは、水に浸すと、急速に分解または分散するように設計されている;これらの種類の製品の例としては、「Washaway Foundation Paper」(W.H.Collins,Inc.(Spartanburg,SC,29304))、「Paper Solvy,Water Soluble Stabilizer」(Sulky of America(Port Charlotte,FL 33949))および「RinsAway Water Soluble Backing」(HTC,Inc.(Roseland,NJ,07068))がある;他のポリエステル繊維系の紙は、使用できる。キャリア層14は、好ましくは、0.001〜0.005インチ(0.025〜0.13mm)または0.002〜0.004インチ(0.051〜0.1mm)の厚さ、それよりは好ましくないが、0.001〜0.01または0.001〜0.02インチ(0.025〜0.25または0.025〜0.51mm)の厚さである。MonoSol,LLC(Portage,IN 46368)製のMonoSol M8630は、使用できる市販のPVAフィルムである。キャリア層14は、水溶性または水分散性であり、染みのついた衣服を洗濯するときに溶解/分散するので、フィルターまたはパイプなどを詰まらせない。使用中、キャリア層14は、(a)皮膚が洗浄剤組成物と接触するのを防止し、そして(b)染みのついた衣服にシートを適用した後、および、衣服を洗濯する前に手で扱ったり機械で扱っている間、洗浄剤が擦り落ちたり布地の他の部分に擦り入ることを防止する。
【0012】
セパレータ層16は、製造中、包装中、取り扱い中および保存中にて、洗浄剤組成物12が他の前処理シートまたは他のものと接触して付着するのを防止するために使用される。層16は、組成物12を浸透させず、また、前処理シートを染みの付いた衣服の布地に適用する直前に、組成物12の表面から容易に剥離され除かれる。層16は、好ましくは、ポリエチレンフィルム(これは、例えば、家庭用の食品保存用袋を製造するのに使用される)、それよりは好ましくないが、他の可撓性プラスチックフィルムまたはポリマーフィルム(ポリエステル、ポリ塩化ビニルなど)である。層16は、好ましくは、約0.001〜0.004インチ(0.025〜0.1mm)または0.003インチ(0.076mm)厚、それよりは好ましくないが、0.001〜0.01インチ(0.025〜0.25mm)厚である。当該技術分野で公知の剥離ライナーまたは剥離ストリップ(シリコーン剥離層を有するものを含めて)もまた使用できる。
【0013】
洗浄剤組成物12は、好ましくは、従来の洗濯染みおよび汚れ前処理剤またはプレスポッターと類似の様式で、染みまたは汚れの付いた衣服または布地を処理、または、洗浄するのに有効な組成物である。洗浄剤組成物12は、好ましくは、それが貼り付けられる衣服と共に曲げることができるように、可撓性かつ屈曲性である。組成物12は、指圧で押し付けたとき、家庭用洗濯機での洗濯前の取り扱い中および洗濯サイクル中にて、染みまたは汚れの付いた衣服(例えば、木綿のジーンズ、ポリエステルのジーンズ、リネン、ジャージー、カーキ、ウール、レーヨン、ナイロン、木綿ブレンド、ポリエステルブレンドなどから出来た衣服)に効果的に付着するように、十分に粘着性でなければならない。好ましくは、組成物12は、家庭用洗濯機での洗濯サイクル中にて、衣服の布地から離れて落ちるのではなく、むしろ溶け込むように十分に粘着性である。好ましくは、組成物12は、40、45、50、55または60°Fで、少なくともピーナッツバターと同程度に、あるいは、少なくともバター小片と同程度に、上記衣服の布地に付着する。組成物12は、好ましくは、ペースト、好ましくは、濃厚または粘稠なペーストあるいは堅いペーストであり、好ましくは、食料品店のピーナッツバターよりも堅い;それは、曲げたときに亀裂が入る程度のほぼ十分な堅さにされ得る;それは、40、45、50、55または60°Fで、バター小片の堅牢度(stiffness)と同程度またはそれ未満の堅牢度を有し得る。
【0014】
組成物12は、組成物12が有効に作用できるように、界面活性剤、洗浄剤、酵素、キレート化剤および/または当該技術分野で公知の他の試薬を含有する。ペーストを形成するかそれを濃密にするために、組成物12は、好ましくは、1種またはそれ以上の水溶性または水分散性増粘剤(例えば、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒュームドシリカ、天然ゴム(例えば、グアーガム)、および当該技術分野で公知の他のもの)を含有できる。
【0015】
キャリア層14は水溶性/水分散性であるので、保存中における層14の軟化またはシワ発生あるいは溶解を防止するか最小限に抑えるために、組成物12中の水の量をできるだけ少なくすることが好ましい。組成物12は、好ましくは、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.5、0.3、0.2、0.1または0.01重量%未満の水または非結合水である。組成物12において、添加した酵素または他の添加剤と適応させるために、または粘度を変えるために、あるいは他の理由から、水を一部加える必要がある場合がある。組成物12中の水は、他の分子と結合または錯化することにより最小限にするか中和でき、あるいは、水と親和性がある他の試薬(例えば、アルカノールアミン(例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン)およびそれらの混合物)を加えて、層14を水から保護できる。組成物12中のいずれの水も、層14がキャリア層として有効に作用するのを妨げる量より少なくするべきである。組成物12は、ほぼ水を含まないようにすべきであり、このことは、組成物12中のいずれの水も、層14がキャリア層として有効に作用するのを妨げる量より少なくするべきであることを意味する。
【0016】
組成物12は、好ましくは、洗濯技術分野で公知のように、少なくとも50、55、60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.5または100重量%の界面活性剤を含有する。組成物12は、好ましくは、40、35、30、25、20、15、10、8、5、4、3、2または1重量%未満の増粘剤、好ましくは、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.8、0.5、0.3、0.2、0.1または0.01重量%未満の酵素を含有するが、少なくとも0.01または0.1重量%の増粘剤または酵素を含有できる。成分の重量%は、供給業者から受け取ったそのままの状態で計算され、すなわち、その成分中の水または溶媒あるいはキャリアを含む。
【0017】
米国特許第4973416号および米国特許第6037319号は、PVAパウチに保存できる約24重量%までの水を含有する液状洗浄剤組成物を記載している;これらの組成物は使用できるが、例えば、増粘剤の添加、および/または、固形および/またはペースト状界面活性剤および/または水溶性ワックス状固形物(例えば、米国特許第3,953,353号で記載された界面活性剤およびワックス状固形物)を含有させることにより、ペーストに変えなければならない。有用な洗浄剤組成物の例には、米国特許第3,953,353号に記載されたもの(これらは、必要に応じて、粘着性およびペーストとなるように調整できる)が挙げられるが、これらに限定されない。類似の洗浄剤組成物もまた使用できる。洗浄剤組成物12は、好ましくは、本質的に無水である。組成物12は、例えば、0.1〜50または1〜40または10〜35または20〜32または25〜35重量%のポリエチレンオキシドまたは任意の界面活性剤(好ましくは、MW 2000〜6000または3500〜4500g/mol、融点45〜65または50〜60℃)を含有できる。組成物12は、好ましくは、固形またはペースト状界面活性剤(例えば、EO/POブロック共重合体、好ましくは、2000〜10000または3000〜9000または4000〜7000または4000〜6000g/molのMW)を含有できる。あるいは、組成物12は、本質的にソープフリーである。
【0018】
好ましい界面活性剤には、本明細書中の実施例で言及したものまたは同じ種類のものだけでなく、分子量および融点に関して±10%または±20%程度の界面活性剤が挙げられる;それらは、分子量または融点に関して、実施例と同じ重量%、または、±10%、20%、30%、40%または50%まで存在できる。
【0019】
洗浄剤組成物12は、融点、硬度、洗浄能および粘着性が最適となるように選択された界面活性剤、洗浄剤、酵素、キレート化剤、増粘剤などおよび他の成分のブレンドを、約150〜200°Fで共に溶融することにより調製でき、好ましくは、室温まで冷却すると、ペーストとなる。
【実施例】
【0020】
以下の実施例で挙げた物質を、その溶融物の温度が約5分間で約165°Fになるように調整した電気ホットプレートに載せたステンレス鋼容器にて、金属製スパチュラで攪拌しつつ、混合し共に溶融させた。次いで、溶融物を、平坦な水平面に載せた0.003インチ(0.076mm)厚のPVAフィルム(MonoSol,LLC,Portage,IN 46368製のMonoSol M8630)上に注いだ。次いで、0.025インチ(0.64mm)厚の温めた鋼鉄製ドクターブレート(これは、PVAフィルムの上面に載せた0.5インチ(12.7mm)幅、10インチ(254mm)長、0.018インチ(0.46mm)厚のプラスチック製詰め板(shims)で間隔をあけてPVAフィルム上に配置した)による1回の押し流し動作で、溶融物をPVAフィルム上に直ちに広げた。室温まで冷却したとき、その混合物はワックス状ペーストとなり、これは、時間が経過しても、PVA水溶性層14の軟化、シワ発生(wrinkling)またはヒダ発生(puckering)を引き起こさなかった。この時点で、この洗浄剤組成物層の上面に、0.001インチ厚ポリエチレンのセパレータ層を置いた。この洗浄剤組成物は、好ましくは、層14上で、0.1〜5または0.2〜3または0.3〜2または0.3〜1または0.3〜0.6mm厚である。本発明のシートおよび層14は、好ましくは、小さな正方形、長方形、円または他の形状で提供され、好ましくは、その最長寸法が1、2、3、4、5、6または7インチ(25、51、76、102、127、152または178mm)以下であり、例えば、直径が0.5、1、2、3、4、5、6または7インチ(13、25、51、76、102、127、152または178mm)以下の円、あるいは長さが0.5、1、2、3、4、5、6または7インチ(13、25、51、76、102、127、152または178mm)以下の辺を有する正方形または長方形で提供される。この洗浄剤組成物は、好ましくは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15mmの距離だけ、層14の縁から離されている。
【0021】
(洗浄剤組成物の例)
(実施例1) 重量部
Pluriol E−4000(ポリエチレンオキシドワックス状固形物、MW=4,000g/mol、MP=55℃) 30
Pluronic P−84(半固形状EO/POブロック共重合体界面活性剤、MW=4,200g/mol) 41
Lutensol TDA−3(液状界面活性剤、トリデシルアルコール+3モルのエチレンオキシド) 29
BASF Corporation(Mount Olive,NJ 07628)から調達した。
【0022】
(実施例2) 重量部
Lutensol AT−25(固形界面活性剤、ステアリルアルコール+12モルのエチレンオキシド) 30
Pluronic P−84(半固形状EO/POブロック共重合体界面活性剤、MW=4,200g/mol) 40
Lutensol TDA−3(液状界面活性剤、トリデシルアルコール+3モルのエチレンオキシド) 30
BASF Corporation(Mount Olive,NJ 07628)から調達した。
【0023】
(実施例3) 重量部
Pluronic F−87(固形EO/POブロック共重合体界面活性剤、MW=7700g/mol) 29
Pluronic P−84(半固形状EO/POブロック共重合体界面活性剤、MW=4,200g/mol) 40
Lutensol TDA−3(非イオン性界面活性剤、トリデシルアルコール+3モルのエチレンオキシド) 29
Purastar HP Am 5000L**(自社独自のアルファアミラーゼ酵素水溶液) 1
Purafect Prime 4000L**(自社独自のタンパク分解酵素水溶液) 1
BASF Corporation(Mount Olive,NJ 07628)から調達した。
**Genencor International(Rochester,NY 14618)から調達した。
【0024】
(実施例4) 重量部
Pluronic F−87(固形EO/POブロック共重合体界面活性剤、MW=7700g/mol) 30
Pluronic P−84(半固形状EO/POブロック共重合体界面活性剤、MW=4,200g/mol) 40
Lutensol TDA−3(液状界面活性剤、トリデシルアルコール+3モルのエチレンオキシド) 10
Pluronic L−64(液状EO/POブロック共重合体界面活性剤、MW=2900g/mol) 20
BASF Corporation(Mount Olive,NJ 07628)から調達した。
【0025】
上記方法を使用して、実施例1の組成物で19mm×19mm平方の前処理シートを形成し、これを、引き続いて、染色した料理用植物油(粉末にしたイエローアナトーシードを4%添加)、フレンチドレッシングおよびトマトケチャップで予め染みを付けた綿100%のニットTシャツ布地に塗布した。染みは、0.1ミリリットルの染み物質を布地に塗布した直径19mmの円であり、試験前に12時間乾燥させた。各染みに対して1枚の前処理シートを適用し、2時間接触させたままにした後、「2X Ultra Tide」液状洗剤を通常量で使用して、冷水洗濯に設定したWhirlpool Model WTW5700W0家庭用洗濯機で洗濯した。試験布地は通常の方法で洗濯し、乾燥させた。洗濯し乾燥した試験布地を目で検査すると、実施例1の前処理シートで処理した染み領域は、洗濯前に前処理シートを適用しなかった対応する染み領域よりも、著しく色が薄くなっていた。
【0026】
セパレータ層16は、洗浄剤組成物12の冷却し固化した層の上面に僅かな圧力で適用された後、さらに処理され、そして完成した前処理シートに包装される。さらなる処理には、このシートを消費者の要望に合うように小さなサイズに切断すること、層14および/またはセパレータ層16の露出表面に品質管理情報、ロゴ、使用説明などを印刷することのような操作を挙げることができる。セパレータ層は、染みの付いた衣服布地に洗浄剤−キャリア層の組み合わせを適用する前に除去し捨てるべきであることを使用者に視覚的に明らかにするように、着色または印刷され得る。
【0027】
操作時には、包装品から指を使って染み前処理シートを取り出し、セパレータ層16の縁を握り、そして他方の手の指の間にキャリア層の縁を保持しつつ、洗浄剤組成物12の表面から剥がす。このプロセスにより、図2で示すように、洗浄剤−キャリア層の組み合わせが無傷で残る。次いで、洗浄剤−キャリア層の組み合わせを、布地の染み部分の上に置き、そして洗浄剤−キャリア層の組み合わせを染みの付いた衣服布地18に付着させるのに十分な力で、指20の圧力で染みの上に押し付ける(あるいは、洗浄剤が指20と接触するのを防止するために、ペンの末端またはプラスチック小片のような手工具で押し付けることができる)。本発明は、染みに気づくとすぐに染みに付着でき、そして布地を洗濯する前の1日〜数日あるいは1週間またはそれ以上にわたって放置できる;あるいは、布地を洗濯する目の前で、貼り付けることができる。従来の液状および染み粘着型洗濯用染み前処理剤とは異なり、この前処理シートのキャリア層は、染みに塗布した後、洗浄剤に付着されたままであり、その場合、それは、前処理剤適用中、およびそれに続いて前処理した衣服を洗濯前に手で取り扱っている間に、皮膚に洗浄剤が接触するのを防止するバリアとして機能する。前処理した染み付き衣服は、家庭用または商業用洗濯機にて、通常の手段により、洗濯できる。例えば、本発明のシートを貼り付けた染み付き衣服は、他の衣服と共にあるいは他の衣服なしで、洗濯機に入れることができる;投入する全ての衣服に対して、通常の量で、通常の洗剤を加えることができる;水が加えられる;洗濯機が水中で衣服をかき混ぜる;水が除去される;衣服が濯がれ、そして乾燥される。あるいは、本発明で処理された染み付き布地は、従来の前処理剤または染み抜き剤で前処理した染み付き布地と同じ様式で、洗濯できる。この前処理シートは、染みに直接的に付着されるので、洗濯中に染み領域に集中した洗浄作用を与えて、布地の前処理していない領域よりも優れたレベルの染み除去を与える。このキャリア層は、水溶性/水分散性であるので、洗濯過程において、洗浄水に散逸して害を及ぼさない。
【0028】
上記の本発明の実施形態は、本発明の好ましい実施形態から構成されているけれども、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の目的を逸脱しない変更をすることができると理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶性または水分散性キャリア層、除去可能セパレータ層、および該キャリア層と該セパレータ層の間の洗浄剤組成物層を含む、洗濯用染みおよび汚れ前処理シート。
【請求項2】
前記組成物が、ペーストである、請求項1に記載のシート。
【請求項3】
前記キャリア層が、水溶性フィルムである、請求項1に記載のシート。
【請求項4】
前記キャリア層が、ポリビニルアルコールフィルムである、請求項1に記載のシート。
【請求項5】
前記セパレータ層が、ポリエチレンである、請求項1に記載のシート。
【請求項6】
前記洗浄剤組成物は、水が24重量%未満である、請求項1に記載のシート。
【請求項7】
前記洗浄剤組成物は、水が10重量%未満である、請求項1に記載のシート。
【請求項8】
前記洗浄剤組成物は、界面活性剤が少なくとも50重量%である、請求項1に記載のシート。
【請求項9】
前記洗浄剤組成物層が、0.1〜5mm厚である、請求項1に記載のシート。
【請求項10】
前記シートが、7インチ以下の最長寸法である、請求項1に記載のシート。
【請求項11】
以下の工程を包含する、衣料品の染みを処理する方法:
a)請求項1に記載のシートを提供する工程、
b)該セパレータ層を除去する工程、
c)該洗浄剤組成物層が該染みと該キャリア層の間になるように、該洗浄剤組成物層を該染みに付着させる工程、および
d)該キャリア層が溶解または分散する間に、該衣料品を洗濯する工程。
【請求項12】
前記組成物が、ペーストである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記キャリア層が、水溶性フィルムである、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記キャリア層が、ポリビニルアルコールフィルムである、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記洗浄剤組成物が、水が24重量%未満である、請求項11に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−501372(P2012−501372A)
【公表日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−525113(P2011−525113)
【出願日】平成21年8月21日(2009.8.21)
【国際出願番号】PCT/US2009/054649
【国際公開番号】WO2010/025092
【国際公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(511051579)ダーティー ランドリー, エルエルシー (1)
【氏名又は名称原語表記】DIRTY LAUNDRY, LLC
【住所又は居所原語表記】P.O.Box 22033, Cleveland, OH 44122
【Fターム(参考)】