洗面台ユニットの支持構造
【課題】洗面台を支持する部材によって洗面台の幅を小さくすることなく、かつ、洗面ボールに接続する配管を洗面台の正面から見えないように隠すことができる洗面台ユニットの支持構造を提供する。
【解決手段】洗面台ユニット1を構成する枠体3が壁10に固定され、床15に立設されたカバー板16によって、枠体3の底面に設けられた水平板4の奥側の端部が下方から支持されているので、洗面台ユニット1の幅を狭くすることなく洗面台ユニット1をカバー板16によって支持できるとともにこのカバー板16によって洗面ボール11に接続される配管17を洗面台ユニット1の正面側から見て隠すことができる。
【解決手段】洗面台ユニット1を構成する枠体3が壁10に固定され、床15に立設されたカバー板16によって、枠体3の底面に設けられた水平板4の奥側の端部が下方から支持されているので、洗面台ユニット1の幅を狭くすることなく洗面台ユニット1をカバー板16によって支持できるとともにこのカバー板16によって洗面ボール11に接続される配管17を洗面台ユニット1の正面側から見て隠すことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗面台ユニットの支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
洗面台のカウンタの支持構造の一例として特許文献1に記載のものが知られている。このカウンタの支持構造は、少なくともカウンタの左右いずれか一方側を、当該カウンタの端縁部に隣接して配置した取付具又は当該端縁部の上方に配置した取付具によって床面上に支持するための構造であって、前記取付具は、前記カウンタより上方に配置され且つ壁面に固定される縦フレーム部と、前記カウンタの端縁部を支持する横フレーム部とを有し、前記縦フレーム部及び横フレーム部によって間仕切り部材が支持されることを特徴としている。
このようなカウンタの支持構造によれば、カウンタの端縁部に隣接させた取付具又は当該端縁部の上方に配置した取付具における縦フレーム部を、カウンタよりも上方で壁面へ固定すると同時に、横フレーム部でカウンタ端縁部を床面上に支持するから、カウンタと床面との間に、障害物の無い空間を形成することが可能である。また、取付具で間仕切り部材を支持するから、当該取付具をカウンタの上部空間の間仕切り部材として機能させることが出来る。従って、本発明を利用してカウンタを施工すれば、観察者に対し、取付具は間仕切りとしての外観を呈することになり、取付具として意識させるとがなくなるので、美観性が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−44200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来の洗面台のカウンタの支持構造では、カウンタの側部を枠体構造を有する取付具によって支持しているため、枠体の厚さの分だけ、カウンタの幅、つまり洗面台の幅が小さくなってしまう。
また、洗面台と床面との間に、障害物の無い空間を形成することが可能であるが、その反面、洗面ボール等に接続される配管が洗面台の正面から見えてしまい、意匠上あまり好ましくないとい問題もある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、洗面台を支持する部材によって洗面台の幅を小さくすることなく、かつ、洗面ボールに接続する配管を洗面台の正面から見えないように隠すことができる洗面台ユニットの支持構造を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、例えば図1〜図9に示すように、洗面ボール11が設置される洗面台ユニット1を支持する洗面台ユニットの支持構造において、
前記洗面台ユニット1は、枠状に形成されて前記洗面ボール11が設置される枠体3と、この枠体3の底面でかつ当該枠体3の奥行き方向の前側略半分に設けられた水平板4とを備え、
前記枠体3が前記壁10に固定され、
前記枠体3の下方の床15に立設されたカバー板16によって、前記水平板4の奥側の端部が下方から支持されるとともに、前記洗面ボール11に接続される配管17が前記洗面台ユニット1の正面側から見て隠されていることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、洗面台ユニット1を構成する枠体3が壁10に固定され、床15に立設されたカバー板16によって、枠体3の底面に設けられた水平板4の奥側の端部が下方から支持されているので、洗面台ユニット1の幅を狭くすることなく洗面台ユニット1をカバー板16によって支持できるとともにこのカバー板16によって洗面ボール11に接続される配管17を洗面台ユニット1の正面側から見て隠すことができる。
また、水平板4が筋交いの役目を果たすので、枠体3を補強できる。さらに、水平板4の奥側の端部がカバー板16によって支持されているので、この水平板4の下方に車椅子等が入れる空間を確保できる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の洗面台ユニットの支持構造において、
現場で造られた造作ユニット2が前記壁10に前記洗面台ユニット1に隣接して固定されるとともに前記洗面台ユニット1に連結されていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、現場で造られた造作ユニット2が壁に洗面台ユニット1に隣接して固定されるとともに前記洗面台ユニット1に連結されているので、造作ユニット2によって洗面台の左右の幅を広げることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の洗面台ユニットの支持構造において、
前記枠体3の側面に、受材8が取り付けられており、
この受材8に前記造作ユニット2の端部(例えば前板22aの端部)が固定されていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、枠体3の側面に取り付けられた受材8に、造作ユニット2の端部が固定されているので、造作ユニット2を洗面台ユニット1に容易に連結できる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、例えば図10〜図14に示すように、請求項1に記載の洗面台ユニットの支持構造において、
予め作製された補助ユニット(例えば引出ユニット)30が前記壁10に前記洗面台ユニット1と所定の間隔をもって固定されるとともに前記洗面台ユニット1に連結材(例えば造作前板)43によって連結されていることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、補助ユニット30が壁10に洗面台ユニット1と所定の間隔をもって固定されるとともに前記洗面台ユニット1に連結材43によって連結されているので、補助ユニット30によって洗面台の左右の幅を広げることができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の洗面台ユニットの支持構造において、
前記枠体3と前記補助ユニット30の互い対向する側面に、それぞれ受材8,42が取り付けられており、この受材8,42に前記連結材43の両端部がそれぞれ固定されていることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、枠体3と補助ユニット30の互い対向する側面にそれぞれ取り付けられた受材8,42に、連結材43の両端部がそれぞれ固定されているので、補助ユニット30を連結材43を介して洗面台ユニット1に容易に連結できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、洗面台ユニットを構成する枠体が壁に固定され、床に立設されたカバー板によって、枠体の底面に設けられた水平板の奥側の端部が下方から支持されているので、洗面台ユニットの幅を狭くすることなく洗面台ユニットをカバー板によって支持できるとともに、このカバー板によって洗面ボール等に接続される配管を正面側から隠すことができる。
また、水平板が筋交いの役目を果たすので、枠体を補強できる。さらに、水平板の奥側の端部がカバー板によって支持されているので、この水平板の下方に車椅子等が入れる空間を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る洗面台ユニットの支持構造の一例を示すもので、その正面図である。
【図2】同、平面図である。
【図3】同、図1におけるA−A線断面図である。
【図4】同、洗面台ユニットと造作ユニットの枠構造を示す斜視図である。
【図5】同、壁に洗面台ユニットの枠体を固定した状態を示す斜視図である。
【図6】同、造作ユニットを作製している状態を示す斜視図である。
【図7】同、化粧幕板を取り付けている状態を示す斜視図である。
【図8】同、カウンタを設置している状態を示す斜視図である。
【図9】同、カバー板を取り付けている状態を示す斜視図である。
【図10】本発明に係る洗面台ユニットの支持構造の他の例を示すもので、洗面台ユニットと引出ユニットの枠構造を示す斜視図である。
【図11】同、壁に洗面台ユニットの枠体を固定した状態を示す斜視図である。
【図12】同、壁に引出ユニットを固定した状態を示す斜視図である。
【図13】同、化粧幕板を取り付けている状態を示す斜視図である。
【図14】同、カウンタを設置している状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図1〜図3は、本発明に係る洗面台ユニットの支持構造の一例を示すもので、図1は正面図、図2は平面図、図3は図1におけるA−A線断面図である。
これらの図において、符号1は洗面台ユニット、符号2は造作ユニットを示す。
洗面台ユニット1は、図4に示すように、矩形枠状に形成された枠体3と、この枠体3の底面に設けられた水平板4とを有している。
枠体3の内部には仕切板5が枠体3の左右の側板3a,3aと平行に、かつ右の側板3a側に寄せて設けられている。また、枠体3の右端部にはカウンタ受板6が枠体3の上面と面一に設けられている。さらに、枠体3の左の側板3aの表面には前後に離間して受金具7,7が取り付けられ、仕切板5の表面にも前後に離間して受金具7,7が取り付けられている。
【0019】
さらに、枠体3の左側面、すなわち左側の側板3aの表面には受材8が取り付けられている。この受材8は角材によって構成されており、その高さは枠体3の高さと等しくなっている。また、受材8は、枠体3の左側面のうちの前側の部位に左側の側板3aの前端から所定の長さだけ奥側に配置されている。なお、この所定の長さは、造作ユニット2の後述する前板22aの厚さに相当する。
前記水平板4は枠体3の底面でかつ当該枠体3の奥行き方向の前側略半分に設けられ、かつ左右の長さは左の側板3aと仕切板5との間の距離と等しくなっている。そして、水平板4の左右の端面は左の側板3aと仕切板5とにそれぞれ当接固定されている。また、水平板4の下面は枠体3の底面と面一になっている。
【0020】
前記枠体3の左の側板3a、仕切板5、前板3b、背板3cによって囲まれた部分に、洗面ボール11(図1〜図3参照)が設置されており、この洗面ボール11は前記受金具7に下方からネジを挿入し、洗面ボール11に形成されたネジ孔に螺合することによって、枠体3に固定されている。また、枠体3の前板3bには、図1および図3に示すように、化粧幕板12が取り付けられている。この化粧幕板12は造作ユニット2の前板22aまで延びる長尺なものであり、当該化粧幕板12はこの前板22aにも取付けられている。
さらに、枠体3の上面には、洗面ボール11に隣接してカウンタ13が設置されている。このカウンタ13の一部は前記カウンタ受板6に当接しており、このカウンタ受板6の下方から当該カウンタ受板6を通してビスをカウンタ13にねじ込むことによって、当該カウンタ13は枠体3に固定されている。
【0021】
上記のような構成の洗面台ユニット1は、図2および図5に示すように、平面視コ字形の壁10に固定されている。
すなわち、壁10は左右の側壁10a,10aと、この側壁10a,10aの奥側に設けられた正面壁10bとから構成されており、右の側壁10aと正面壁10bにそれぞれ洗面台ユニット1の右側の側板3aと背板3cが当接され、ビスによって固定されている。これによって、洗面台ユニット1は壁10に水平に固定されている。
また、図1および図3に示すように、枠体3の水平板4の下方の床15には、カバー板16が立設されている。このカバー板16は洗面ボール11等に接続される配管17を洗面台ユニット1の正面側から見て隠すものであり、前記水平板4の左右の長さとほぼ等しい長さを有し、高さは床15から水平板4までの高さと等しくなっている。
この水平板4の奥側の端部下面にカバー板16の上端部が固定され、これによって水平板4の奥側の端部がカバー板16によって下方から支持されている。
【0022】
上記のような洗面台ユニット1に隣接して造作ユニット2が壁10に固定されるとともに、洗面台ユニット1に連結されている。
造作ユニット2は、現場で造られるものであり、図4に示すように、側板部21と前板部22と、カウンタ受材23とによって平面視コ字形に形成されたコ字形枠20を有している。
側板部21は帯板状の側板21aと、この側板21aの裏面に固定された角材状の受材21bとから構成されており、受材21bの前端部は側板21aの前端面より所定寸法だけ奥側に位置している。
前板部22は帯板状の前板22aと、この前板22aの裏面に固定された角材状の受材22bとから構成されており、受材22bの両端部は前板22aの両端面より所定寸法だけ内側に位置している。
カウンタ受材23は角材によって形成されており、その両端面はそれぞれ前記受材21bの端部と前記洗面台ユニット1の左側の側板3aの端部に当接されている。
【0023】
このような構成の造作ユニット2を現場で壁10に固定するとともに洗面台ユニット1に連結するには、まず、図5に示すように、前記洗面台ユニット1を構成する枠体3を、その右側の側板3aを右の側壁10aに当接するとともに、背板3cを正面壁10bに当接したうえで、これら側板3aおよび背板3cを通してビスを側壁10aおよび正面壁10bにねじ込むによって行う。これによって、枠体3を水平に壁10に固定する。
【0024】
次に、コ字形枠20を構成する側板部21を前記洗面台ユニット1の枠体3と同じ高さで左の側壁10aに沿って配置するとともに、側板21aを当該側壁10aに当接したうえで、ビスBを側板部21を通して側壁10aにねじ込むことによって固定する。
次に、図6に示すように、カウンタ受材用の角材K1を現場でカットしてカウンタ受材23を作製し、このカウンタ受材23を側板部21の受材21bの端部と枠体3の左側の側板3aとの間に配置するとともに、カウンタ受材23の両端面をそれぞれ受材21bと側板3aに当接し、さらに当該カウンタ受材23を正面壁10bに当接したうえで、カウンタ受材23を通してビスBを正面壁10bにねじ込む。これによって、カウンタ受材23を正面壁10bに固定する。
【0025】
次に、前板部22用の材料K2を現場でカットして前板部22を作製し、この前板部22を側板部21の受材21bの端部と枠体3の左側の側板3aとの間に配置するとともに、前板22aの左端部を前記受材21bの前端面に当接するとともに、前板22aの右端部を前記側板3aに取り付けられている受材8に当接したうえで、前板22aを通してビスBを受材21b,8にねじ込むことによって、前板部22を側板部21に固定するとともに、前記側板3aに固定する。これによって、造作ユニット2を構成するコ字形枠20を、洗面台ユニット1を構成する枠体3に連結する。
【0026】
次に、図7に示すように、枠体3の前板3bと造作ユニット2の前板22aに、化粧幕板12を取り付ける。この場合、ビスBを前板3bおよび前板22aの裏側からこれらを通して化粧幕板12にねじ込むことによって、化粧幕板12を取り付ける。
次に、図8に示すように、カウンタ13を枠体3の右側の上面に設置したうえで、カウンタ受板6の下方から当該カウンタ受板6を通してビスBをカウンタ13にねじ込むことによって、当該カウンタ13を枠体3に固定する。
また、カウンタ25をコ字形枠20の上面と枠体3の左の側板3aの上面に設置したうえで、カウンタ受材23、受材21b,22bの下方からこれらを通してビスBをカウンタ25にねじ込むことによって、当該カウンタ25をコ字形枠20に固定する。
【0027】
次に、図9に示すように、カバー板16を枠体3の水平板4の下方の床15に立設するとともに、このカバー板16の上端部を水平板4の奥側の端部下面に固定し、これによって、水平板4の奥側の端部をカバー板16によって下方から支持する。
カバー板16を床15に固定する場合、カバー板16の下端部裏面にL形の金具26をビスによって固定したうえで、この金具26を床にビスによって固定することにより行う。また、カバー板16を水平板4に固定する場合、カバー板16の上端部裏面にL形の金具26をビスによって固定したうえで、この金具26を水平板4にビスによって固定することにより行う。
次に、図1〜図3に示すように、枠体3の左の側板3a、仕切板5、前板3b、背板3cによって囲まれた部分に、洗面ボール11を設置したうえで、前記受金具7に下方からネジを挿入し、洗面ボール11に形成されたネジ孔に螺合することによって、当該洗面ボール11を枠体3に固定する。
その後、図1および図3に示すように、洗面ボール11に配管17を接続し、さらに、水平板4の下面にタオル掛け27を取り付けて、施工を終了する。
【0028】
また、前記洗面台ユニット1の上方には、ミラー付き収納キャビネット50が壁10に固定されて設けられている。
このミラー付き収納キャビネット50は、基本収納キャビネット51とオプション収納キャビネット52とから構成されている。
基本収納キャビネット51は、横方向に3個連設されたキャビネット51a,51b,51aと、それぞれのキャビネット51a,51b,51aの前面開口部に、それぞれ左右一方の縦縁部を軸として開閉可能に取り付けられて、当該前面開口部を開閉するミラー板51c,51d,51cとを備えている。また、キャビネット51a,51b,51aには、それぞれ収納棚54が上下に複数段取り付けられ、中央のキャビネット51bにはその下部に照明55が取り付けられ、この照明55の下方は開口している。
このような基本収納キャビネット51は、右側の側壁10aに当接しており、正面壁10bに固定されている。
【0029】
前記オプション収納キャビネット52は、顧客の要望によって取り付けられるものであり、その左右の幅は基本収納キャビネット51より狭くなっている。オプション収納キャビネット52は、1個のキャビネット52aと当該キャビネット52aの前面開口部に、左右一方の縦縁部を軸として開閉可能に取り付けられて、当該前面開口部を開閉するミラー板51bとを備えている。また、キャビネット52aには、それぞれ収納棚54が上下に複数段取り付けられている。
このようなオプション収納キャビネット52は、左側の側壁10aと基本収納キャビネット52の左側面に当接しており、正面壁10bに固定されている。また、オプション収納キャビネット52を取り付ける場合、ミラー板51bを取り付けない選択もある。
また、ミラー付き収納キャビネット50と洗面台ユニット1との間に位置する正面壁10bにはミラー板が取り付けられている。
なお、造作ユニット2の下側には、ワゴン収納56が出し入れ可能に設けられている。
【0030】
本実施の形態によれば、洗面台ユニット1を構成する枠体3が壁10に固定され、床15に立設されたカバー板16によって、枠体3の底面に設けられた水平板4の奥側の端部が下方から支持されているので、洗面台ユニット1の幅を狭くすることなく洗面台ユニット1をカバー板16によって支持できるとともに、このカバー板16によって洗面ボール11に接続される配管17を正面側から見て隠すことができる。
また、水平板4が筋交いの役目を果たすので、枠体3を補強できる。さらに、水平板4の奥側の端部がカバー板16によって支持されているので、この水平板4の下方に車椅子等が入れる空間を確保できる。
さらに、現場で造られた造作ユニット2が壁10に洗面台ユニット1に隣接して固定されるとともに洗面台ユニット1に連結されているので、造作ユニット2によって洗面台の左右の幅を広げることができる。
加えて、枠体3の側面、すなわち側板3aの表面に、受材8が取り付けられており、この受材8に造作ユニット2の前板22aの端部が固定されているので、造作ユニット2を洗面台ユニット1に容易に連結できる。
また、カバー板16と正面壁10bとの間に所定の隙間が設けられているので、この隙間から配管17の状態を確認できるとともに、配管17に付着した湿気を素早く乾かすことができる。
さらに、洗面台ユニット1の上方に、基本収納キャビネット51とオプション収納キャビネット52とから構成されるミラー付き収納キャビネット50を設けたので、オプション収納キャビネット52の取り付けを選択することができ、これによって、好みのデザインに仕上げることができる。
【0031】
(第2の実施の形態)
図10〜図14は本発明の第2の実施の形態を示すものである。この第2の実施の形態が前記第1の実施の形態と異なる点は、造作ユニット2に代えて引出ユニット(補助ユニット)30を設けた点であるので、以下ではこの点について詳しく説明し、第1の実施の形態と共通部分には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
【0032】
図10に示すように、引出ユニット(補助ユニット)30は、工場等で予め作製されるものであり、左右の側板31,31と、当該側板31,31の後端部間に設けられた背板32と、側板31,31の下縁部間に設けられた底板33と、側板31,31の上縁部間に設けられた3枚の上板34とからなる枠体35を有し、さらに、この枠体35に挿入される引出し36を備えている。引出し36は枠体35の前面開口から側板31,31、背板32、底板33、上板34によって囲まれた空間に出し入れ可能に挿入されている。また、枠体35の右側面、すなわち右の側板31の表面には、受材42が取り付けられている。この受材42は角材によって構成されており、その高さは枠体35の高さと等しくなっている。また、受材42は、枠体35の右側面のうちの前側の部位に、側板31の前端から所定の長さだけ奥側に配置されている。なお、この所定の長さは、後述する造作前板43の厚さに相当する。
また、引出ユニット(補助ユニット)30は、枠体35の上面に設置されるカウンタ25を有している。
【0033】
上記のような引出ユニット(補助ユニット)30は、前記壁10に前記洗面台ユニット1と左右に所定の間隔をもって固定されている。
引出ユニット(補助ユニット)30を壁10に固定する場合、図11に示すように、化粧側板40を左の側壁10aにビスBによって固定する。この場合、化粧側板40の上面と前記枠体3の上面とが同じ高さになるようにして化粧側板40を固定する。
次に、図12に示すように、引出し36を取り外した状態で枠体35を化粧側板40と枠体3との間に挿入し、当該枠体35の左の側板31を化粧側板40に当接してビスによって固定するとともに、背板32を正面壁10bに当接してビスによって固定する。
【0034】
次に、図12に示すように、カウンタ受材用の角材K3を現場でカットしてカウンタ受材41を作製し、このカウンタ受材41を右の側板31の端部と枠体3の左側の側板3aとの間に配置するとともに、カウンタ受材41の両端面をそれぞれ側板31と側板3aに当接し、さらに当該カウンタ受材41を正面壁10bに当接したうえで、カウンタ受材41をビスBによって正面壁10bに固定する。
次に、造作前板用の板材K4を現場でカットして造作前板43を作製し、枠体35と枠体3の間に、当該造作前板(連結材)43を枠体3の前板3bと面一になるように配置し、この造作前板43の両端部を前記受材42,8に当接して、この受材42,8にそれぞれビスによって固定する。これによって、引出ユニット(補助ユニット)30の枠体35を洗面台ユニット1の枠体3に造作前板(連結材)43によって連結する。
【0035】
次に、図13に示すように、枠体35に引出し36を挿入したうえで、前記造作前板43と前板3bに化粧幕板44を取り付ける。この場合、ビスBを前板3bおよび造作前板43の裏側からこれらを通して化粧幕板44にねじ込むことによって、化粧幕板44を取り付ける。
次に、図14に示すように、カウンタ13を枠体3の右側の上面に設置したうえで枠体3に固定するとともに、カウンタ25を枠体35、造作前板43、カウンタ受材41に設置したうえで、上板34の下方からこれらを通してビスBをカウンタ25にねじ込むことによって、当該カウンタ25を枠体35に固定する。
【0036】
次に、図示は省略するが、図9に示すものと同様にして、カバー板16を枠体3の水平板4の下方の床15に立設するとともに、このカバー板16の上端部を水平板4の奥側の端部下面に固定し、これによって、これによって水平板4の奥側の端部をカバー板16によって下方から支持する。
次に、枠体3の左の側板3a、仕切板5、前板3b、背板3cによって囲まれた部分に、洗面ボール11を設置したうえで枠体3に固定し、その後、洗面ボール11に配管17を接続し、さらに、水平板4の下面にタオル掛け27を取り付けて、施工を終了する。
【0037】
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、洗面台ユニット1をカバー板16によって支持できるとともに、このカバー板16によって洗面ボール11に接続される配管17を正面側から隠すことができる。
また、水平板4が筋交いの役目を果たすので、枠体3を補強できる。さらに、水平板4の奥側の端部がカバー板16によって支持されているので、この水平板4の下方に車椅子等が入れる空間を確保できる。
また、引出ユニット(補助ユニット)30が壁10に洗面台ユニット1と所定の間隔をもって固定されるとともに洗面台ユニット1に連結材(造作前板)43によって連結されているので、引出ユニット(補助ユニット)30によって洗面台の左右の幅を広げることができる。
さらに、洗面台ユニット1の枠体3と引出ユニット(補助ユニット)30の互い対向する側面にそれぞれ取り付けられた受材8,42に、(造作前板)43の両端部がそれぞれ固定されているので、引出ユニット(補助ユニット)30を連結材43を介して洗面台ユニット1に容易に連結できる。
【0038】
なお、上記2つの実施の形態では、カバー板16を平板によって形成したが、カバー板16は、例えば平面視略コ字状のものや円弧状の板で形成してもよい。ただし、カバー板と正面壁10bとの間には所定の隙間を設けるものとする。
また、上記の2つの実施の形態において、洗面台ユニット1、造作ユニット2、引出ユニット30は、躯体すなわち壁10に固定されているが、これらの床面からの高さは、使用者の身体状況に合わせて、適宜設定される。すなわち、高さ対応が可能となっている。例えば、基本仕様としては、高さHは800mm、車椅子使用者の場合、高さHは780mm、背の高い者の場合、高さHは850mmに設定される。
【符号の説明】
【0039】
1 洗面台ユニット
2 造作ユニット
3 枠体
4 水平板
8 受材
10 壁
11 洗面ボール
15 床
16 カバー板
17 配管
30 引出ユニット(補助ユニット)
42 受材
43 造作前板(連結材)
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗面台ユニットの支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
洗面台のカウンタの支持構造の一例として特許文献1に記載のものが知られている。このカウンタの支持構造は、少なくともカウンタの左右いずれか一方側を、当該カウンタの端縁部に隣接して配置した取付具又は当該端縁部の上方に配置した取付具によって床面上に支持するための構造であって、前記取付具は、前記カウンタより上方に配置され且つ壁面に固定される縦フレーム部と、前記カウンタの端縁部を支持する横フレーム部とを有し、前記縦フレーム部及び横フレーム部によって間仕切り部材が支持されることを特徴としている。
このようなカウンタの支持構造によれば、カウンタの端縁部に隣接させた取付具又は当該端縁部の上方に配置した取付具における縦フレーム部を、カウンタよりも上方で壁面へ固定すると同時に、横フレーム部でカウンタ端縁部を床面上に支持するから、カウンタと床面との間に、障害物の無い空間を形成することが可能である。また、取付具で間仕切り部材を支持するから、当該取付具をカウンタの上部空間の間仕切り部材として機能させることが出来る。従って、本発明を利用してカウンタを施工すれば、観察者に対し、取付具は間仕切りとしての外観を呈することになり、取付具として意識させるとがなくなるので、美観性が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−44200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来の洗面台のカウンタの支持構造では、カウンタの側部を枠体構造を有する取付具によって支持しているため、枠体の厚さの分だけ、カウンタの幅、つまり洗面台の幅が小さくなってしまう。
また、洗面台と床面との間に、障害物の無い空間を形成することが可能であるが、その反面、洗面ボール等に接続される配管が洗面台の正面から見えてしまい、意匠上あまり好ましくないとい問題もある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、洗面台を支持する部材によって洗面台の幅を小さくすることなく、かつ、洗面ボールに接続する配管を洗面台の正面から見えないように隠すことができる洗面台ユニットの支持構造を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、例えば図1〜図9に示すように、洗面ボール11が設置される洗面台ユニット1を支持する洗面台ユニットの支持構造において、
前記洗面台ユニット1は、枠状に形成されて前記洗面ボール11が設置される枠体3と、この枠体3の底面でかつ当該枠体3の奥行き方向の前側略半分に設けられた水平板4とを備え、
前記枠体3が前記壁10に固定され、
前記枠体3の下方の床15に立設されたカバー板16によって、前記水平板4の奥側の端部が下方から支持されるとともに、前記洗面ボール11に接続される配管17が前記洗面台ユニット1の正面側から見て隠されていることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、洗面台ユニット1を構成する枠体3が壁10に固定され、床15に立設されたカバー板16によって、枠体3の底面に設けられた水平板4の奥側の端部が下方から支持されているので、洗面台ユニット1の幅を狭くすることなく洗面台ユニット1をカバー板16によって支持できるとともにこのカバー板16によって洗面ボール11に接続される配管17を洗面台ユニット1の正面側から見て隠すことができる。
また、水平板4が筋交いの役目を果たすので、枠体3を補強できる。さらに、水平板4の奥側の端部がカバー板16によって支持されているので、この水平板4の下方に車椅子等が入れる空間を確保できる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の洗面台ユニットの支持構造において、
現場で造られた造作ユニット2が前記壁10に前記洗面台ユニット1に隣接して固定されるとともに前記洗面台ユニット1に連結されていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、現場で造られた造作ユニット2が壁に洗面台ユニット1に隣接して固定されるとともに前記洗面台ユニット1に連結されているので、造作ユニット2によって洗面台の左右の幅を広げることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の洗面台ユニットの支持構造において、
前記枠体3の側面に、受材8が取り付けられており、
この受材8に前記造作ユニット2の端部(例えば前板22aの端部)が固定されていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、枠体3の側面に取り付けられた受材8に、造作ユニット2の端部が固定されているので、造作ユニット2を洗面台ユニット1に容易に連結できる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、例えば図10〜図14に示すように、請求項1に記載の洗面台ユニットの支持構造において、
予め作製された補助ユニット(例えば引出ユニット)30が前記壁10に前記洗面台ユニット1と所定の間隔をもって固定されるとともに前記洗面台ユニット1に連結材(例えば造作前板)43によって連結されていることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、補助ユニット30が壁10に洗面台ユニット1と所定の間隔をもって固定されるとともに前記洗面台ユニット1に連結材43によって連結されているので、補助ユニット30によって洗面台の左右の幅を広げることができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の洗面台ユニットの支持構造において、
前記枠体3と前記補助ユニット30の互い対向する側面に、それぞれ受材8,42が取り付けられており、この受材8,42に前記連結材43の両端部がそれぞれ固定されていることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、枠体3と補助ユニット30の互い対向する側面にそれぞれ取り付けられた受材8,42に、連結材43の両端部がそれぞれ固定されているので、補助ユニット30を連結材43を介して洗面台ユニット1に容易に連結できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、洗面台ユニットを構成する枠体が壁に固定され、床に立設されたカバー板によって、枠体の底面に設けられた水平板の奥側の端部が下方から支持されているので、洗面台ユニットの幅を狭くすることなく洗面台ユニットをカバー板によって支持できるとともに、このカバー板によって洗面ボール等に接続される配管を正面側から隠すことができる。
また、水平板が筋交いの役目を果たすので、枠体を補強できる。さらに、水平板の奥側の端部がカバー板によって支持されているので、この水平板の下方に車椅子等が入れる空間を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る洗面台ユニットの支持構造の一例を示すもので、その正面図である。
【図2】同、平面図である。
【図3】同、図1におけるA−A線断面図である。
【図4】同、洗面台ユニットと造作ユニットの枠構造を示す斜視図である。
【図5】同、壁に洗面台ユニットの枠体を固定した状態を示す斜視図である。
【図6】同、造作ユニットを作製している状態を示す斜視図である。
【図7】同、化粧幕板を取り付けている状態を示す斜視図である。
【図8】同、カウンタを設置している状態を示す斜視図である。
【図9】同、カバー板を取り付けている状態を示す斜視図である。
【図10】本発明に係る洗面台ユニットの支持構造の他の例を示すもので、洗面台ユニットと引出ユニットの枠構造を示す斜視図である。
【図11】同、壁に洗面台ユニットの枠体を固定した状態を示す斜視図である。
【図12】同、壁に引出ユニットを固定した状態を示す斜視図である。
【図13】同、化粧幕板を取り付けている状態を示す斜視図である。
【図14】同、カウンタを設置している状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図1〜図3は、本発明に係る洗面台ユニットの支持構造の一例を示すもので、図1は正面図、図2は平面図、図3は図1におけるA−A線断面図である。
これらの図において、符号1は洗面台ユニット、符号2は造作ユニットを示す。
洗面台ユニット1は、図4に示すように、矩形枠状に形成された枠体3と、この枠体3の底面に設けられた水平板4とを有している。
枠体3の内部には仕切板5が枠体3の左右の側板3a,3aと平行に、かつ右の側板3a側に寄せて設けられている。また、枠体3の右端部にはカウンタ受板6が枠体3の上面と面一に設けられている。さらに、枠体3の左の側板3aの表面には前後に離間して受金具7,7が取り付けられ、仕切板5の表面にも前後に離間して受金具7,7が取り付けられている。
【0019】
さらに、枠体3の左側面、すなわち左側の側板3aの表面には受材8が取り付けられている。この受材8は角材によって構成されており、その高さは枠体3の高さと等しくなっている。また、受材8は、枠体3の左側面のうちの前側の部位に左側の側板3aの前端から所定の長さだけ奥側に配置されている。なお、この所定の長さは、造作ユニット2の後述する前板22aの厚さに相当する。
前記水平板4は枠体3の底面でかつ当該枠体3の奥行き方向の前側略半分に設けられ、かつ左右の長さは左の側板3aと仕切板5との間の距離と等しくなっている。そして、水平板4の左右の端面は左の側板3aと仕切板5とにそれぞれ当接固定されている。また、水平板4の下面は枠体3の底面と面一になっている。
【0020】
前記枠体3の左の側板3a、仕切板5、前板3b、背板3cによって囲まれた部分に、洗面ボール11(図1〜図3参照)が設置されており、この洗面ボール11は前記受金具7に下方からネジを挿入し、洗面ボール11に形成されたネジ孔に螺合することによって、枠体3に固定されている。また、枠体3の前板3bには、図1および図3に示すように、化粧幕板12が取り付けられている。この化粧幕板12は造作ユニット2の前板22aまで延びる長尺なものであり、当該化粧幕板12はこの前板22aにも取付けられている。
さらに、枠体3の上面には、洗面ボール11に隣接してカウンタ13が設置されている。このカウンタ13の一部は前記カウンタ受板6に当接しており、このカウンタ受板6の下方から当該カウンタ受板6を通してビスをカウンタ13にねじ込むことによって、当該カウンタ13は枠体3に固定されている。
【0021】
上記のような構成の洗面台ユニット1は、図2および図5に示すように、平面視コ字形の壁10に固定されている。
すなわち、壁10は左右の側壁10a,10aと、この側壁10a,10aの奥側に設けられた正面壁10bとから構成されており、右の側壁10aと正面壁10bにそれぞれ洗面台ユニット1の右側の側板3aと背板3cが当接され、ビスによって固定されている。これによって、洗面台ユニット1は壁10に水平に固定されている。
また、図1および図3に示すように、枠体3の水平板4の下方の床15には、カバー板16が立設されている。このカバー板16は洗面ボール11等に接続される配管17を洗面台ユニット1の正面側から見て隠すものであり、前記水平板4の左右の長さとほぼ等しい長さを有し、高さは床15から水平板4までの高さと等しくなっている。
この水平板4の奥側の端部下面にカバー板16の上端部が固定され、これによって水平板4の奥側の端部がカバー板16によって下方から支持されている。
【0022】
上記のような洗面台ユニット1に隣接して造作ユニット2が壁10に固定されるとともに、洗面台ユニット1に連結されている。
造作ユニット2は、現場で造られるものであり、図4に示すように、側板部21と前板部22と、カウンタ受材23とによって平面視コ字形に形成されたコ字形枠20を有している。
側板部21は帯板状の側板21aと、この側板21aの裏面に固定された角材状の受材21bとから構成されており、受材21bの前端部は側板21aの前端面より所定寸法だけ奥側に位置している。
前板部22は帯板状の前板22aと、この前板22aの裏面に固定された角材状の受材22bとから構成されており、受材22bの両端部は前板22aの両端面より所定寸法だけ内側に位置している。
カウンタ受材23は角材によって形成されており、その両端面はそれぞれ前記受材21bの端部と前記洗面台ユニット1の左側の側板3aの端部に当接されている。
【0023】
このような構成の造作ユニット2を現場で壁10に固定するとともに洗面台ユニット1に連結するには、まず、図5に示すように、前記洗面台ユニット1を構成する枠体3を、その右側の側板3aを右の側壁10aに当接するとともに、背板3cを正面壁10bに当接したうえで、これら側板3aおよび背板3cを通してビスを側壁10aおよび正面壁10bにねじ込むによって行う。これによって、枠体3を水平に壁10に固定する。
【0024】
次に、コ字形枠20を構成する側板部21を前記洗面台ユニット1の枠体3と同じ高さで左の側壁10aに沿って配置するとともに、側板21aを当該側壁10aに当接したうえで、ビスBを側板部21を通して側壁10aにねじ込むことによって固定する。
次に、図6に示すように、カウンタ受材用の角材K1を現場でカットしてカウンタ受材23を作製し、このカウンタ受材23を側板部21の受材21bの端部と枠体3の左側の側板3aとの間に配置するとともに、カウンタ受材23の両端面をそれぞれ受材21bと側板3aに当接し、さらに当該カウンタ受材23を正面壁10bに当接したうえで、カウンタ受材23を通してビスBを正面壁10bにねじ込む。これによって、カウンタ受材23を正面壁10bに固定する。
【0025】
次に、前板部22用の材料K2を現場でカットして前板部22を作製し、この前板部22を側板部21の受材21bの端部と枠体3の左側の側板3aとの間に配置するとともに、前板22aの左端部を前記受材21bの前端面に当接するとともに、前板22aの右端部を前記側板3aに取り付けられている受材8に当接したうえで、前板22aを通してビスBを受材21b,8にねじ込むことによって、前板部22を側板部21に固定するとともに、前記側板3aに固定する。これによって、造作ユニット2を構成するコ字形枠20を、洗面台ユニット1を構成する枠体3に連結する。
【0026】
次に、図7に示すように、枠体3の前板3bと造作ユニット2の前板22aに、化粧幕板12を取り付ける。この場合、ビスBを前板3bおよび前板22aの裏側からこれらを通して化粧幕板12にねじ込むことによって、化粧幕板12を取り付ける。
次に、図8に示すように、カウンタ13を枠体3の右側の上面に設置したうえで、カウンタ受板6の下方から当該カウンタ受板6を通してビスBをカウンタ13にねじ込むことによって、当該カウンタ13を枠体3に固定する。
また、カウンタ25をコ字形枠20の上面と枠体3の左の側板3aの上面に設置したうえで、カウンタ受材23、受材21b,22bの下方からこれらを通してビスBをカウンタ25にねじ込むことによって、当該カウンタ25をコ字形枠20に固定する。
【0027】
次に、図9に示すように、カバー板16を枠体3の水平板4の下方の床15に立設するとともに、このカバー板16の上端部を水平板4の奥側の端部下面に固定し、これによって、水平板4の奥側の端部をカバー板16によって下方から支持する。
カバー板16を床15に固定する場合、カバー板16の下端部裏面にL形の金具26をビスによって固定したうえで、この金具26を床にビスによって固定することにより行う。また、カバー板16を水平板4に固定する場合、カバー板16の上端部裏面にL形の金具26をビスによって固定したうえで、この金具26を水平板4にビスによって固定することにより行う。
次に、図1〜図3に示すように、枠体3の左の側板3a、仕切板5、前板3b、背板3cによって囲まれた部分に、洗面ボール11を設置したうえで、前記受金具7に下方からネジを挿入し、洗面ボール11に形成されたネジ孔に螺合することによって、当該洗面ボール11を枠体3に固定する。
その後、図1および図3に示すように、洗面ボール11に配管17を接続し、さらに、水平板4の下面にタオル掛け27を取り付けて、施工を終了する。
【0028】
また、前記洗面台ユニット1の上方には、ミラー付き収納キャビネット50が壁10に固定されて設けられている。
このミラー付き収納キャビネット50は、基本収納キャビネット51とオプション収納キャビネット52とから構成されている。
基本収納キャビネット51は、横方向に3個連設されたキャビネット51a,51b,51aと、それぞれのキャビネット51a,51b,51aの前面開口部に、それぞれ左右一方の縦縁部を軸として開閉可能に取り付けられて、当該前面開口部を開閉するミラー板51c,51d,51cとを備えている。また、キャビネット51a,51b,51aには、それぞれ収納棚54が上下に複数段取り付けられ、中央のキャビネット51bにはその下部に照明55が取り付けられ、この照明55の下方は開口している。
このような基本収納キャビネット51は、右側の側壁10aに当接しており、正面壁10bに固定されている。
【0029】
前記オプション収納キャビネット52は、顧客の要望によって取り付けられるものであり、その左右の幅は基本収納キャビネット51より狭くなっている。オプション収納キャビネット52は、1個のキャビネット52aと当該キャビネット52aの前面開口部に、左右一方の縦縁部を軸として開閉可能に取り付けられて、当該前面開口部を開閉するミラー板51bとを備えている。また、キャビネット52aには、それぞれ収納棚54が上下に複数段取り付けられている。
このようなオプション収納キャビネット52は、左側の側壁10aと基本収納キャビネット52の左側面に当接しており、正面壁10bに固定されている。また、オプション収納キャビネット52を取り付ける場合、ミラー板51bを取り付けない選択もある。
また、ミラー付き収納キャビネット50と洗面台ユニット1との間に位置する正面壁10bにはミラー板が取り付けられている。
なお、造作ユニット2の下側には、ワゴン収納56が出し入れ可能に設けられている。
【0030】
本実施の形態によれば、洗面台ユニット1を構成する枠体3が壁10に固定され、床15に立設されたカバー板16によって、枠体3の底面に設けられた水平板4の奥側の端部が下方から支持されているので、洗面台ユニット1の幅を狭くすることなく洗面台ユニット1をカバー板16によって支持できるとともに、このカバー板16によって洗面ボール11に接続される配管17を正面側から見て隠すことができる。
また、水平板4が筋交いの役目を果たすので、枠体3を補強できる。さらに、水平板4の奥側の端部がカバー板16によって支持されているので、この水平板4の下方に車椅子等が入れる空間を確保できる。
さらに、現場で造られた造作ユニット2が壁10に洗面台ユニット1に隣接して固定されるとともに洗面台ユニット1に連結されているので、造作ユニット2によって洗面台の左右の幅を広げることができる。
加えて、枠体3の側面、すなわち側板3aの表面に、受材8が取り付けられており、この受材8に造作ユニット2の前板22aの端部が固定されているので、造作ユニット2を洗面台ユニット1に容易に連結できる。
また、カバー板16と正面壁10bとの間に所定の隙間が設けられているので、この隙間から配管17の状態を確認できるとともに、配管17に付着した湿気を素早く乾かすことができる。
さらに、洗面台ユニット1の上方に、基本収納キャビネット51とオプション収納キャビネット52とから構成されるミラー付き収納キャビネット50を設けたので、オプション収納キャビネット52の取り付けを選択することができ、これによって、好みのデザインに仕上げることができる。
【0031】
(第2の実施の形態)
図10〜図14は本発明の第2の実施の形態を示すものである。この第2の実施の形態が前記第1の実施の形態と異なる点は、造作ユニット2に代えて引出ユニット(補助ユニット)30を設けた点であるので、以下ではこの点について詳しく説明し、第1の実施の形態と共通部分には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
【0032】
図10に示すように、引出ユニット(補助ユニット)30は、工場等で予め作製されるものであり、左右の側板31,31と、当該側板31,31の後端部間に設けられた背板32と、側板31,31の下縁部間に設けられた底板33と、側板31,31の上縁部間に設けられた3枚の上板34とからなる枠体35を有し、さらに、この枠体35に挿入される引出し36を備えている。引出し36は枠体35の前面開口から側板31,31、背板32、底板33、上板34によって囲まれた空間に出し入れ可能に挿入されている。また、枠体35の右側面、すなわち右の側板31の表面には、受材42が取り付けられている。この受材42は角材によって構成されており、その高さは枠体35の高さと等しくなっている。また、受材42は、枠体35の右側面のうちの前側の部位に、側板31の前端から所定の長さだけ奥側に配置されている。なお、この所定の長さは、後述する造作前板43の厚さに相当する。
また、引出ユニット(補助ユニット)30は、枠体35の上面に設置されるカウンタ25を有している。
【0033】
上記のような引出ユニット(補助ユニット)30は、前記壁10に前記洗面台ユニット1と左右に所定の間隔をもって固定されている。
引出ユニット(補助ユニット)30を壁10に固定する場合、図11に示すように、化粧側板40を左の側壁10aにビスBによって固定する。この場合、化粧側板40の上面と前記枠体3の上面とが同じ高さになるようにして化粧側板40を固定する。
次に、図12に示すように、引出し36を取り外した状態で枠体35を化粧側板40と枠体3との間に挿入し、当該枠体35の左の側板31を化粧側板40に当接してビスによって固定するとともに、背板32を正面壁10bに当接してビスによって固定する。
【0034】
次に、図12に示すように、カウンタ受材用の角材K3を現場でカットしてカウンタ受材41を作製し、このカウンタ受材41を右の側板31の端部と枠体3の左側の側板3aとの間に配置するとともに、カウンタ受材41の両端面をそれぞれ側板31と側板3aに当接し、さらに当該カウンタ受材41を正面壁10bに当接したうえで、カウンタ受材41をビスBによって正面壁10bに固定する。
次に、造作前板用の板材K4を現場でカットして造作前板43を作製し、枠体35と枠体3の間に、当該造作前板(連結材)43を枠体3の前板3bと面一になるように配置し、この造作前板43の両端部を前記受材42,8に当接して、この受材42,8にそれぞれビスによって固定する。これによって、引出ユニット(補助ユニット)30の枠体35を洗面台ユニット1の枠体3に造作前板(連結材)43によって連結する。
【0035】
次に、図13に示すように、枠体35に引出し36を挿入したうえで、前記造作前板43と前板3bに化粧幕板44を取り付ける。この場合、ビスBを前板3bおよび造作前板43の裏側からこれらを通して化粧幕板44にねじ込むことによって、化粧幕板44を取り付ける。
次に、図14に示すように、カウンタ13を枠体3の右側の上面に設置したうえで枠体3に固定するとともに、カウンタ25を枠体35、造作前板43、カウンタ受材41に設置したうえで、上板34の下方からこれらを通してビスBをカウンタ25にねじ込むことによって、当該カウンタ25を枠体35に固定する。
【0036】
次に、図示は省略するが、図9に示すものと同様にして、カバー板16を枠体3の水平板4の下方の床15に立設するとともに、このカバー板16の上端部を水平板4の奥側の端部下面に固定し、これによって、これによって水平板4の奥側の端部をカバー板16によって下方から支持する。
次に、枠体3の左の側板3a、仕切板5、前板3b、背板3cによって囲まれた部分に、洗面ボール11を設置したうえで枠体3に固定し、その後、洗面ボール11に配管17を接続し、さらに、水平板4の下面にタオル掛け27を取り付けて、施工を終了する。
【0037】
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、洗面台ユニット1をカバー板16によって支持できるとともに、このカバー板16によって洗面ボール11に接続される配管17を正面側から隠すことができる。
また、水平板4が筋交いの役目を果たすので、枠体3を補強できる。さらに、水平板4の奥側の端部がカバー板16によって支持されているので、この水平板4の下方に車椅子等が入れる空間を確保できる。
また、引出ユニット(補助ユニット)30が壁10に洗面台ユニット1と所定の間隔をもって固定されるとともに洗面台ユニット1に連結材(造作前板)43によって連結されているので、引出ユニット(補助ユニット)30によって洗面台の左右の幅を広げることができる。
さらに、洗面台ユニット1の枠体3と引出ユニット(補助ユニット)30の互い対向する側面にそれぞれ取り付けられた受材8,42に、(造作前板)43の両端部がそれぞれ固定されているので、引出ユニット(補助ユニット)30を連結材43を介して洗面台ユニット1に容易に連結できる。
【0038】
なお、上記2つの実施の形態では、カバー板16を平板によって形成したが、カバー板16は、例えば平面視略コ字状のものや円弧状の板で形成してもよい。ただし、カバー板と正面壁10bとの間には所定の隙間を設けるものとする。
また、上記の2つの実施の形態において、洗面台ユニット1、造作ユニット2、引出ユニット30は、躯体すなわち壁10に固定されているが、これらの床面からの高さは、使用者の身体状況に合わせて、適宜設定される。すなわち、高さ対応が可能となっている。例えば、基本仕様としては、高さHは800mm、車椅子使用者の場合、高さHは780mm、背の高い者の場合、高さHは850mmに設定される。
【符号の説明】
【0039】
1 洗面台ユニット
2 造作ユニット
3 枠体
4 水平板
8 受材
10 壁
11 洗面ボール
15 床
16 カバー板
17 配管
30 引出ユニット(補助ユニット)
42 受材
43 造作前板(連結材)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗面ボールが設置される洗面台ユニットを支持する洗面台ユニットの支持構造において、
前記洗面台ユニットは、枠状に形成されて前記洗面ボールが設置される枠体と、この枠体の底面でかつ当該枠体の奥行き方向の前側略半分に設けられた水平板とを備え、
前記枠体が前記壁に固定され、
前記枠体の下方の床に立設されたカバー板によって、前記水平板の奥側の端部が下方から支持されるとともに、前記洗面ボールに接続される配管が前記洗面台ユニットの正面側から見て隠されていることを特徴とする洗面台ユニットの支持構造。
【請求項2】
請求項1に記載の洗面台ユニットの支持構造において、
現場で造られた造作ユニットが前記壁に前記洗面台ユニットに隣接して固定されるとともに前記洗面台ユニットに連結されていることを特徴とする洗面台ユニットの支持構造。
【請求項3】
請求項2に記載の洗面台ユニットの支持構造において、
前記枠体の側面に、受材が取り付けられており、
この受材に前記造作ユニットの端部が固定されていることを特徴とする洗面台ユニットの支持構造。
【請求項4】
請求項1に記載の洗面台ユニットの支持構造において、
予め作製された補助ユニットが前記壁に前記洗面台ユニットと所定の間隔をもって固定されるとともに前記洗面台ユニットに連結材によって連結されていることを特徴とする洗面台ユニットの支持構造。
【請求項5】
請求項4に記載の洗面台ユニットの支持構造において、
前記枠体と前記補助ユニットの互い対向する側面に、それぞれ受材が取り付けられており、この受材に前記連結材の両端部がそれぞれ固定されていることを特徴とする洗面台ユニットの支持構造。
【請求項1】
洗面ボールが設置される洗面台ユニットを支持する洗面台ユニットの支持構造において、
前記洗面台ユニットは、枠状に形成されて前記洗面ボールが設置される枠体と、この枠体の底面でかつ当該枠体の奥行き方向の前側略半分に設けられた水平板とを備え、
前記枠体が前記壁に固定され、
前記枠体の下方の床に立設されたカバー板によって、前記水平板の奥側の端部が下方から支持されるとともに、前記洗面ボールに接続される配管が前記洗面台ユニットの正面側から見て隠されていることを特徴とする洗面台ユニットの支持構造。
【請求項2】
請求項1に記載の洗面台ユニットの支持構造において、
現場で造られた造作ユニットが前記壁に前記洗面台ユニットに隣接して固定されるとともに前記洗面台ユニットに連結されていることを特徴とする洗面台ユニットの支持構造。
【請求項3】
請求項2に記載の洗面台ユニットの支持構造において、
前記枠体の側面に、受材が取り付けられており、
この受材に前記造作ユニットの端部が固定されていることを特徴とする洗面台ユニットの支持構造。
【請求項4】
請求項1に記載の洗面台ユニットの支持構造において、
予め作製された補助ユニットが前記壁に前記洗面台ユニットと所定の間隔をもって固定されるとともに前記洗面台ユニットに連結材によって連結されていることを特徴とする洗面台ユニットの支持構造。
【請求項5】
請求項4に記載の洗面台ユニットの支持構造において、
前記枠体と前記補助ユニットの互い対向する側面に、それぞれ受材が取り付けられており、この受材に前記連結材の両端部がそれぞれ固定されていることを特徴とする洗面台ユニットの支持構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−192108(P2012−192108A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−60038(P2011−60038)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(307042385)ミサワホーム株式会社 (569)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(307042385)ミサワホーム株式会社 (569)
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