説明

洪水に対処した折り畳み可能な格納システム

【課題】装置、設備及び自動車のような、物体を、洪水その他に起因する浸水から保護する。
【解決手段】折り畳み可能な水密格納システム10は、水密バッグ11と、自己組み立て式の折り畳み可能なフープシステム24と、水密バッグが浮くのを防止する装置31,14,22,23とを備えている。水密格納システム10は、バッグ11内に収容された1つ又はより多くの物体20の水密格納部を提供することができる。バッグ11は、コンパクトに格納するためユーザが余剰な空気をバッグから除去し又は浮力を減少させることを可能にする真空アクセス穴13と、バッグ11を固定する締結穴21と、水密シール12とを含むことができる。折り畳み可能なフープシステム24は、バッグ11内にて拡張させ且つ水密バッグ11を収容のため拡大した状態に維持することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[001] 本発明は、全体として、洪水からの保護装置、より詳細には、折り畳み可能な水密格納システム、及び、洪水の際に物体を水害から保護する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[002] 毎年、例えば、嵐の大波に起因する浸水又は屋根の水漏りのため、何百万ドルもの価値ある装置、設備及び自動車が不必要に損害を受けている。嵐の前に、影響を受ける可能性のある財物を安全な場所まで移動させることは現実的ではなく且つ(又は)可能ではないからである。洪水は多くの場合は予期せずに生じ、装置、設備及び自動車のような物体の位置を移動する機会がほとんどないため、このようなことになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
[003] 多くの場合、洪水又はその他の上昇した水位状態から保護する必要のある物体は、家の部屋、ガレージ又は小屋のような閉鎖した構造体に配置されている。かかる物体は、時間が許せば、当該技術分野にて周知である、洪水からの保護するためのコンテナ内に配置することができる。
【0004】
[004] 例えば、米国特許明細書6,405,862、米国特許明細書6,059,105には、底部及び頂部分を有するプラスチック製コンテナを含む、洪水からの自動車の保護装置が教示されている。洪水により取り囲まれたとき、コンテナは、その内部に車が保持された状態にて浮く。このような先行技術のコンテナは、使用前に組み立てなければならず、また、防飛沫保護効果(splash protection)も提供するが、水密とすることはできない。また、このような先行技術のコンテナは、浮いてしまい、また、水密とすることはできないため、コンテナが置かれた場所(構造体)の天井(高さ)が低かったり、コンテナの上方に荷物が置かれていて邪魔になったりする場合には、垂直方向への上昇が制限され、「浮く」という特徴が良好に機能することができない。このような先行技術のコンテナは、また、容易に浮くことはできない高密度の機器の保護については制限された効果しか提供できない。
【0005】
[005] 例えば、米国特許明細書4,315,535には、ゴム層及びキャンバス層を含む多層材料にて出来た可撓性で且つ折り畳み可能なコンテナを含み、従って、製造コストが比較的高くなる、洪水からの保護装置が教示されている。コンテナは、水密シールとすることはできない、引きヒモ形式(巾着絞り形式)のシールにて閉鎖されている。更に、コンテナは、装置をその位置に定着する手段は提供しない。
【0006】
[006] 例えば、米国特許明細書5,954,200には、頂部及び底部カバーシートを含む、可撓性のプラスチック材料にて出来た乗物の保護囲い物が教示されている。このシートは、3つの側端縁を合同して密閉的に接続され又は密封されている。保護囲い物は、乗物を挿入した後に密封し、囲い物の開放した端縁を、剛性なストリップ部材上で巻き、次に、締結具を使用してその巻いた端縁を密封する。これにより、洪水の水位が上昇したとき、空気の漏れを最小にすることができる。この囲い物の場合、骨組み体を保護囲い物の開口部に取り付ける必要があり、または、乗物を囲い物内に挿入する間、囲い物を開放した状態に保持するために追加の人間を用いなければならない。
【0007】
[007] 例えば、米国特許明細書6,405,862及び米国特許明細書6,059,105、米国特許明細書5,945,200のような関連技術においては、浮き型保護囲い物又はコンテナを静止物に定着するか、さもなければ繋ぎ留めして、洪水の流れ方向の変化と共に位置が大きく変わるのを防止し、浮く物体がその流れる洪水によってその物体に加わる運動のため、損傷され又はその他の物体を損傷させるのを防止することも知られている。典型的には、保護用の囲い物を地面に固定して浮くのを防止するため、アンカー又はその他の繋ぎ留め装置が使用されることはない。
【0008】
[008] 先行技術による、洪水からの保護コンテナは、自動車のような物体を洪水又はその他の上昇した水位状態から保護することができるが、これらのコンテナは、典型的には、組み立てることを必要とする複数の部品から成っている。組み立ては、利用可能な短い時間にて完了することはできず、又は、2人以上の人間を必要とし、かかる人数を用意することはできないであろう。更に、先行技術による、洪水からの保護コンテナは、典型的には、中に物体を収容し且つ密封されたとき、洪水にて浮く。コンテナは、場合によっては、静止物体に固定することはできるが、動く洪水によってコンテナ及び(又は)周囲の物体が損傷されないよう完全に保護することはできない。
【0009】
[009] 理解し得るように、数個の部品のみを含み、1人のユーザが短時間にて組み立て、収容し(中に物体を収容し)、密封し且つ固定することのできる、洪水からの保護装置が必要とされている。更に、軽量で、経済的、再使用可能で且つ容易に格納できる洪水からの保護装置が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[010] 本発明の1つの形態において、折り畳み可能な水密格納システムは、水密バッグと、自己組み立て式の折り畳み可能なフープシステムと、水密バッグが浮くのを防止する装置とを備えている。折り畳み可能なフープシステムは、水密バッグ内にて拡張し且つ、水密バッグを拡大した状態に保つ。
【0011】
[011] 本発明の別の形態において、折り畳み式洪水格納システムは、単一物の管にして第一の端部から第二の端部まで延びる可撓性で且つ折り畳み可能な管と、第二の端部からある距離にて管の内部で水密バッグと一体化された水密シールと、密封されたとき、水密バッグ内に取り込まれた空気を除去することを可能にする、水密バッグと一体化された真空アクセス穴と、自己拡張式の折り畳み可能なばねを含む折り畳み可能なフープシステムと、複数の繋ぎ留め線及びアンカーを含む、水密バッグが浮くのを防止する装置と、複数の重りとを備えている。管は、第一の端部に配置された、恒久的に密封した端縁と、第一の端部と対向した第二の端部に配置された開口部とを有する。シール及び第二の端部は、間隔に等しい幅を有する管の端縁を形成し、該端縁は、複数の締結穴を含む。真空アクセス穴は、密封されたとき、水密バッグ内に取り込まれた空気を除去することを可能にする。ばねは、水密バッグ内にて全寸法まで拡張し且つ、管及び管の開口部を拡大した状態に保ち、また、ばねは、格納のため、折り畳まれる。繋ぎ留め線は、管の締結穴に装着し、また、水密バッグをアンカーに装着する。複数の重りの少なくとも1つは水密バッグ内に配置される。複数の重りの少なくとも1つは、締結穴から反対側にて繋ぎ留め線に装着する。少なくとも1つの物体が開口部を通して水密バッグ内に収容される。水密シールは、開口部を閉じ、水密バッグは、物体に対する水密格納部を提供する。
【0012】
[012] 本発明の更なる形態において、上昇した水位状態にて物体を水害から保護する方法は、可撓性の水密バッグを展開させるステップと、バッグ内にて自己組み立て式の折り畳み可能なフープシステムを拡張させることによりバッグを拡大させるステップと、物体をバッグ内に収容するステップと、バッグを水密シールにて密封するステップと、バッグをその位置にて定着するステップとを備えている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
[013] 本発明の上記及びその他の特徴、形態及び有利な効果は、以下の図面、説明及び特許請求の範囲を参照することにより一層良く理解されよう。
[019] 以下の詳細な説明は、本発明を実施するため、現在、最良であろうと考えられている形態に関するものである。この説明は、限定的な意味にて解釈されるべきではなく、単に、本発明の全体的な原理を示すことを目的とするものである。本発明の範囲は、特許請求の範囲により最も良く規定される。
【0014】
[020] 広い意味で、本発明は、水密格納システム、及び、洪水又はその他の上昇した水位状態にて物体を水害から保護する方法を提供するものである。本発明の1つの実施の形態は、日常であれば環境から保護されるが、水害によって回復不能な損害を受けるであろう、装置、設備及び自動車のような物体を、例えば、屋根の水漏れ、洪水又はその他の上昇した水位に起因する浸水からの保護効果を提供するのに適しているが、これにのみ限定されない、折り畳み可能な水密格納システムを提供する。
【0015】
[021] 先行技術による洪水からの保護コンテナが、一般的には複数の部分を含むのとは相違して、本発明の1つの実施の形態におけるような水密格納システムは、ユーザが自身で閉鎖することができる一体化した水密シールを有する大形の単一物プラスチック又はビニルバッグを含む。本発明の1つの実施の形態におけるように、プラスチック又はビニル材料を使用することにより、典型的に、例えば、ゴム層及びキャンバス層のようなより高価な材料にて製造される先行技術による洪水からの保護コンテナと比較して、製造コストを低減することができる。
【0016】
[022] 先行技術においては、洪水からの保護コンテナ内にて閉鎖された乗物又はその他の物体が洪水にてコンテナと共に浮くのとは更に相違して、本発明の1つの実施の形態におけるように水密格納システムは、水密バッグが浮くのを防止する装置を含むことができる。装置は、防水覆布、重り、繋ぎ留め線、及びアンカーを含み、水密バッグ内に格納された物体が洪水又はその他の上昇した水位にて浮くのを防止することができる。1つの実施の形態において、本発明の水密格納システムは、よりコンパクトに格納し且つ、浮力を減少させるため、余剰な空気を密封した水密バッグの内部から除去することを許容する真空アクセス部を含むことができる。
【0017】
[023] 先行技術においては、骨組み体を組み立て且つ、洪水からの保護コンテナの開口部に設置することを必要とし、又は、収容する間、囲い物を開放した状態に保持するため追加の人間を用いなければならないのとは更に相違して、本発明の1つの実施の形態におけるように、折り畳み可能な水密格納システムは、水密バッグの内部に又はその開口部に配置することのできる軽量な折り畳み可能なフープを含むことができる。先行技術と相違して、折り畳み可能なフープは、苦労して組み立てる必要はなく、1人の人間にて迅速に配置することができる。
【0018】
[024] 先ず、図1を参照すると、本発明の1つの実施の形態に従った折り畳み可能な水密格納システム10の頂面図が示されている。水密格納システム10は、バッグ11と、水密シール12と、真空アクセス穴13と、複数の重り14とを含むことができる。
【0019】
[025] バッグ11は、プラスチック又はビニルのような水不透過性シート材料で出来た単一物の可撓性の管として製造することができ、また、第一の端部16から第二の端部18まで延びるようにすることができる。バッグ11は、第一の端部16にて恒久的に密封した端縁15と、第一の端部16と対向する位置に配置された第二の端部18における開口部17とを含むことができる。恒久的に密封した端縁15は、水密で且つ気密とすることができる。矩形体(図示せず)の4側部の3箇所にて恒久的な水密シールにより互いに接続される可撓性で且つ水不透過性のシート材料の2つの矩形のシートからバッグ11を製造することが更に可能である。バッグ11の寸法は、バッグ11内に格納すべき物体20の寸法に従って選ぶことができる。物体20は、例えば、自動車、設備又は装置又は、例えば、洪水の間、又は屋根の水漏れのような上昇した水位により損傷されるであろう任意のその他の物体とすることができる。1つの物体20以上の物体を水密バッグ11内に格納することができる。バッグ11は、使用しないとき、容易に格納し得るよう折り畳むことができる。
【0020】
[026] 水密シール12は、第二の端部18からの距離19にて内部でバッグ11内に一体化することができる。水密シール12は、例えば、ジップロック(zip−lock)(登録商標名)型シールとすることができる。水密シール12は、1人のユーザ30(図3)が閉め且つ開けることができる。シール12は、閉じられたとき、水及び空気が入るのに抵抗することができる。バッグ11のシール12及び第二の端部18は、距離19に等しい幅を有する端縁26を形成することができる。距離19は、締結穴21をバッグ11の端縁26に組み込むのを許容するのに十分に広い幅とすることができる。締結穴21は、繋ぎ留め線22(図2に図示)を固定するため使用することができる。
【0021】
[027] 真空アクセス穴13は、バッグ11に一体化し、また、ユーザ30(図3)が真空アクセス穴13に容易にアクセスし得るような位置に配置することができる。典型的な家庭用又は工業用真空掃除機のホースを真空アクセス穴13内に挿入し、水密シール12を閉じた後、バッグ11内に取り込まれた空気を除去することができる。空気を密封したバッグ11から除去することは、よりコンパクトに格納することを可能にし、また、収容されたバッグ11の浮力を減少させることができる。1つ以上の真空アクセス穴13をバッグ11と一体化することができる。
【0022】
[028]例えば、物体20がバッグ11内に収容された後、複数の重り14をバッグ11内に配置することができる。重り14は、収容したバッグ11が洪水又はその他の上昇した水位にて浮くのを防止することができる。使用される重り14の数は、収容した物体20の重量及び寸法に依存する。重り14は、例えば、砂袋及び鉄重りを含むことができる。重り14は、鈍角な端縁を有することができる。繋ぎ留め線22を使用して(図2に示したように)追加的な重り14を締結穴21に装着することができる。バッグ11を地面25に固定するため(図2)、格納空間を提供することを必要としないであろう、バッグ11の部分の頂部の外側から追加的な重り14を配置することが更に可能である。例えば、物体20が自動車である場合、重り14を物体20の内部に配置することも更に可能である。
【0023】
[029] 次に、図2を参照すると、本発明の1つの実施の形態に従った折り畳み可能な水密格納システム10の側面斜視図が示されている。収容し、密封し、定着した格納システム10が図2に示されている。水密格納システム10は、防水覆布31(図4)、重り14、繋ぎ留め線22及びアンカー23を含むことができる、上記の水密バッグ11が浮くのを防止する装置29を更に含むことができる。繋ぎ留め線22の一端は、選んだ締結穴21内に挿入し又は該締結穴21に装着し(図1に図示)、繋ぎ留め線22の他端は、アンカー23を使用して地面25に固定することができる。繋ぎ留め線22の長さは、調節可能とすることができる。アンカー23は、スパイクの形状とし、また、地面25が柔らかい場合、地面25内に押し込むこともできる。複数のアンカー23を地面25に予め設置することができる。繋ぎ留め線22は、柱又は予め設置したフックのような任意の利用可能な静止物に更に装着することができる。更に、バッグ11の上に配置することができ、また、予め地面に設置したアンカー23又は重り14を使用して地面25に定着することができる矩形の防水覆布31(図4に図示)を使用することが可能である。図4には、水密シール12にて密封され且つ繋ぎ留め線22及び防水覆布31を使用してその位置に定着された折り畳み可能な水密格納システム10が示されている。
【0024】
[030] 図2に示した折り畳み可能な水密格納システム10は、自己組み立て式とすることができる折り畳み可能なフープシステム24を更に含むことができる。折り畳み可能なフープシステム24は、例えば、軽量金属又はプラスチックにて単一物として製造された自己組み立て式の折り畳み可能なばね27とすることができる。ばね27は、格納のため小さい寸法に折り畳み且つバッグ内にて全寸法まで拡張させることができる。拡張したばね27は、バッグ11を拡大した状態に保ち且つバッグ11の開口部17を通して容易にアクセスすることを可能にすることができる。ばね27をバッグ11の外側にて全寸法まで拡張させ、その後にのみ、ばね27をバッグ11内に挿入することが更に可能である。物体20をバッグ11内に収容した後、ばね27は、バッグ11から除去し又はユーザ30が望むようにバッグ内に止まるようにすることができる(図3)。
【0025】
[031] 次に、図3を参照すると、本発明の1つの実施の形態に従った折り畳み可能な水密格納システム10の側面図が示されている。図3には、収容する間、開放した格納システム10が示されている。理解し得るように、自己組み立て式折り畳み可能なフープシステム24は、自己組み立て式ばね27(図2に図示)に代えて、複数の自己組み立て式折り畳み可能なフープ28を含むことができる。フープ28の各々は、例えば、軽量金属又はプラスチックにて単一物として製造することができる。フープ28の各々は、格納が容易であるよう折り畳むことができ、また、バッグ11内又は外にて全寸法まで拡張させることができる。フープ28は、ユーザ30が望むようにバッグ11内に配置することができる。1つのフープ28(図示せず)をバッグ11の第二の端部18に近接する位置に配置し、物体20を収容する間、バッグ11の開口部17を開放した状態に保持することができる。このフープ28は、シール12を閉じる前、バッグから除去することができる。バッグ11は、内部にて装着され、フープ28をその位置に保持するため使用することができる数対の短いベルクロ(Velcro)(登録商標名)ストラップ(図示せず)を含むことができる。フープ28は、物体20を収容した後且つ物体20を格納する間、バッグ11内に止まるようにし又はフープ28はシール12が閉じられる前、バッグ11から除去することができる。水密格納システム10は、1人のユーザ30により且つ比較的短時間内にて設定し、収容し、密封し且つその位置に固定することができる。
【0026】
[032] 次に、図5を参照すると、本発明の1つの実施の形態に従って、洪水のような上昇した水位状態の間、物体20を水害から保護する方法40を概略図的に示すフローチャートが示されている。方法40は、可撓性の水密バッグ11が展開され且つ地面25の上に平らに配置される、ステップ41を含むことができる。折り畳み可能なフープシステム24は、バッグ11内にて折り畳んだ状態で格納することができ、このため、ステップ41の間、バッグ11内に配置することができる。折り畳み可能なフープシステム24がバッグ11内に格納されていない場合、その後、折り畳み可能なフープシステム24をステップ51にて折り畳んだ状態にてバッグ11内に配置することができる。ステップ42は、折り畳み可能なフープシステム24をバッグ11内にて全寸法まで拡張させるステップを含むことができる。拡張したフープシステム24は、水密バッグ11を拡大させることができる。
【0027】
[033] ステップ43において、次に、物体20を折り畳み可能なフープシステム24により開放した状態に保持することができる開口部17を通してバッグ11内に収容することができる。重り14は、ステップ44にて物体20内に又はバッグ11内に配置することができる。後続のステップ45は、折り畳み可能なフープシステム24をバッグ11の内部から除去し、また、フープシステム24を格納のため折り畳むステップを含むことができる。フープシステム24がバッグ11内に格納され又はステップ45がその他の理由のため望まれない場合、そのとき、ステップ45は、廃止してもよい。
【0028】
[034] 水密シール12は、ステップ46にて閉じ、これによりバッグ11の開口部17を閉じ且つ密封することができる。後続のステップ47にて、真空掃除機のホースを真空アクセス穴13に装着し且つ真空掃除機を作動させることにより密封したバッグ11内に取り込まれた空気を除去して収容したバッグ11の浮力及び寸法を減少させることができる。
【0029】
[035] ステップ48は、繋ぎ留め線22を選んだ又は全ての締結穴21に装着し、アンカー23又は重り14を使用して繋ぎ留め線22を地面25に定着することにより、バッグ11をその位置に定着するステップを含むことができる。重り14及びアンカー23は、物体20が収容されたバッグ11が洪水又はその他の上昇した水位状態にて浮くのを防止することができる。ステップ49において、矩形の防水覆布31をバッグ11上に配置し、また、地面25に定着することができる。ステップ44、47、48、49は、必ずしも常に必要なわけではなく、ユーザ30が望むように、また、予想される洪水状態に基づいて必要とされるように実行することができる。
【0030】
[036] 洪水又はその他の上昇した水位状態の間にて使用した後、バッグ11は、ステップ52にて乾燥させ且つ格納のため折り畳むことができる。ステップ41ないし52は、1人のユーザ30が比較的、短時間内にて実行することができる。
【0031】
[037] 勿論、上記の説明は本発明の一例としての実施の形態に関するものであり、特許請求の範囲に記載された本発明の精神及び範囲から逸脱せずに、改変例を具体化することが可能であることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の1つの実施の形態に従った折り畳み可能な水密格納システムの頂面図である。
【図2】本発明の1つの実施の形態に従った折り畳み可能な水密格納システムの側面斜視図である。
【図3】本発明の1つの実施の形態に従った折り畳み可能な水密格納システムの側面図である。
【図4】本発明の1つの実施の形態に従った折り畳み可能な水密格納システムの正面図である。
【図5】本発明の1つの実施の形態に従って上昇した水位状態の間、物体を水害から保護する方法を概略図的に表すフローチャートである。
【符号の説明】
【0033】
10 折り畳み可能な水密格納システム
11 バッグ
12 水密シール
13 真空アクセス穴
14 重り
15 恒久的に密封した端縁
16 第一の端部
17 バッグの開口部
18 第二の端部
19 距離
20 物体
21 締結穴
22 繋ぎ留め線
23 アンカー
24 フープシステム
25 地面
26 バッグの端縁
27 ばね
28 フープ
29 装置
30 ユーザ
31 防水覆布

【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳み可能な水密格納システム(10)において、
水密バッグ(11)と、
前記水密バッグ(11)内にて拡張し、水密バッグ(11)を拡大した状態に保つ自己組み立て式の折り畳み可能なフープシステム(24)と、
前記水密バッグ(11)が浮くのを防止する装置(31、14、22、23)と、を備える、折り畳み可能な水密格納システム。
【請求項2】
請求項1に記載の折り畳み可能な水密格納システム(10)において、前記水密バッグ(11)は、水密シール(12)と、真空アクセス穴(13)と、を備え、前記水密シール(12)は、前記水密バッグ(11)を密封し、前記真空アクセス穴(13)は、前記水密バッグ(11)が密封されたときに該水密バッグ(11)内に取り込まれた空気を除去することを可能にする、折り畳み可能な水密格納システム。
【請求項3】
請求項1又は2の何れかに記載の折り畳み可能な水密格納システム(10)において、少なくとも1つの物体(20)が前記水密バッグ(11)内に収容されるようになされ、また、前記水密バッグ(11)が前記物体(20)に対する水密格納部を提供するようになされている、折り畳み可能な水密格納システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−223464(P2008−223464A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−22691(P2008−22691)
【出願日】平成20年2月1日(2008.2.1)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】