説明

活動量計測装置、活動量計測システム、プログラム及び記録媒体

【課題】気象状況を考慮した活動量を計測可能な活動量計測装置、活動量計測システム、プログラム及び記録媒体を提供すること。
【解決手段】活動量計測装置4は、ユーザーに携帯され、ユーザーの活動量を計測する。活動量計測装置4は、気象を計測する気象計測部20と、ユーザーの活動量を計算する活動量計算部32と、を含む。活動量計算部32は、気象計測部20が計測した気象データに基づいて、ユーザーの活動量を補正計算する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気象状況を考慮した活動量を計測する活動量計測装置、活動量計測システム、プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、「腕装着用バンドが連結されたケースと、温度を検出するための温度センサーと、該温度センサーの検出結果に基づいて気温をケース表面部に構成された表示部の所定領域に表示する表示制御手段とを有し、前記温度センサーは、その感熱部が前記ケースから外部に突出した状態に配置されていることを特徴とする腕装着型環境データ計測装置」が提案されている。
【0003】
一般に登山やハイキング、ジョギング等の体力を消耗する歩行を継続して行う場合は、歩行実行者の体力に応じた計画が重要である。このため従来では、登山やハイキングへ行く場合、予め目的地の地図やガイドブック等の資料を用意して、これら資料を参考に行動計画を作成することが一般に行われている。また行動計画には、目的地までの距離や歩行時間、休憩場所や休憩時間等を盛り込んだ行動(登山)計画表を作成し、この行動計画表に合わせて行動することが多い。しかし、地図やガイドブック等の資料より作成した行動計画表は、あくまでも一般的な人の体力から勘案したものであって、実際に登山やハイキングへ行く人の体力と必ずしも一致しないことが多い。このため、予め作成した行動計画表通りに登山やハイキングが実行できないばかりか、無理に行動計画表通りに行動した場合、体力を消耗して途中で動けなくなったたり、最悪の場合遭難する等の問題が生じる。
【0004】
一方ジョギング等の歩行行動の場合は、体力に限界を感じた時点で何時でも歩行行動を中止することができるため、登山やハイキングほど危険を伴うことは少ないが、予め自己の体力に応じた運動量を把握して歩行行動を行うことができれば、ジョギングにより体調を損なうことがないため、健康管理の上でも得策である。
【0005】
特許文献2では、かかる事情に鑑みなされたもので、利用者の体力に応じた歩行行動をシミュレートしたり、行動計画が容易に作成できる歩行管理システムを提供して、登山やハイキング時の事故を未然に防止したり、体力に合わせたジョギング等が容易に実行できるようにすることを目的とするものであり、「地形の等高線が3次元ディジタルデータで作成された地形図データと、入力手段より入力された個人データと前記地形図データから読み出したディジタルデータから個人の体力に合った初速度、最高速度、最高持続時間を算出して複数の体力曲線を作成し、メモリーに記憶すると共に、得られた体力曲線から個人の体力に合った体力曲線を随時選択して経路及び経過時間とともに表示手段へ出力する制御手段と、前記制御手段が作成した体力曲線に沿って行動した歩行行動を実績データとして個人毎に記憶、管理する行動実績管理手段とを具備したことを特徴とする歩行管理システム」が提案されている。
【0006】
ジョギングやウォーキングをする際、運動した量を定量化し、自らの運動の指標とするため、歩数計を用いることが多い。歩数と、歩数から換算した消費カロリーは利用者にとって一つの指標ではあるが、ただ単にその数値だけを目標として運動するのでは数日間もすれば飽きを生じ、楽しみにはなりにくい。そこで最近では、歩数に応じて画面上のペットが成長する、画面が進むなどのゲーム機能付き歩数計が市販されている。特許文献3では、「生体情報測定部と、前記生体情報測定部の測定結果に基づき運動量を算出する解析部と、前記解析部の算出結果を報知する音声部及び/又は画像表示部を備え、現実の運動を行うことにより仮想コースに沿っての移動を仮想体験できるシミュレーションゲームをリアルタイムで進行させる形で前記算出結果の報知が行われるようにしたことを特徴とする運動インストラクション装置」が提案されている。
【0007】
特許文献4では、前記の要求を満たすために案出されたものであり、住宅において居住者の健康面まで考慮された快適な住空間を得られる住宅の気圧管理システムを提供することを課題とし、これを解決するために、「利用者に装着され当該利用者の生体データを検出するセンサユニットと、前記利用者が所持する携帯通信端末と、この携帯通信端末に対し通信ネットワークを介して接続可能な管理装置とを具備する運動指導システムであって、前記管理装置は、前記利用者の個人データ、生体データ及び運動目的を表すデータを前記携帯通信端末から受信し記憶する手段と、前記記憶された利用者の個人データ、生体データ及び運動目的を表すデータを分析し、その分析結果をもとに前記利用者に適する第1の運動シナリオを作成する手段と、前記作成された第1の運動シナリオを前記携帯通信端末に配信する手段とを備え、前記携帯通信端末は、前記利用者の個人データ、運動前の生体データ及び運動目的を表すデータを前記管理装置へ送信する手段と、前記管理装置から配信される第1の運動シナリオを受信し、この受信された第1の運動シナリオを利用者に提示する手段と、を備えることを特徴とする運動指導システム」が提案されている。
【0008】
特許文献5では、「携帯情報端末を用いて、歩行者等の健康状態の指標を計測する手段から健康チェック用データを取得し、その健康チェック用データを前記歩行者等の識別情報とともに基地局を経由して支援センターに送信して、健康チェックを要求するステップと、前記支援センターにおいて、情報処理装置を用いて前記基地局から受信した前記健康チェック用データ及び前記歩行者等の識別情報を基に、前記歩行者等の健康状態を判定し、その判定結果又はその判定結果及び当該歩行者等の健康管理に有効なアドバイスを含む回答情報を、前記基地局を経由して前記携帯情報端末に送信するステップと、前記携帯情報端末において、受信した前記回答情報を記憶し、かつ、出力するステップと、からなる歩行者等健康チェック支援方法」が提案されている。
【0009】
特許文献6では、「個人の運動量を測定する運動量測定手段と、前記個人のある期間における運動量の目標値を設定する運動量目標値設定手段と、前記運動量測定手段が測定した前記期間よりも短い区間で運動量を逐次受信し、前記運動量目標値設定手段によって設定された目標値を前記期間の終了時に達成できるためのそれぞれの受信時点における運動量の過不足を演算する過不足演算手段と、この過不足演算手段の演算結果を表示する運動量過不足表示手段とを具備することを特徴とする運動量管理システム」が提案されている。
【0010】
特許文献7では、「地図情報データベースを記憶する手段と、位置を算出してこの算出した位置と前記地図情報データベースとから場所を認識する手段と、認識された前記場所の高さを算出する手段と、少なくとも加速度センサーと方位センサーとにより利用者の前記場所における動作を基準座標内におけるX、Y、Z方向の加速度と変化の周期とからなる動作パターンとして検出する手段と、検出された複数種類の前記動作パターンを前記場所及び前記高度の情報と対応付けて前記利用者の動作パターンデータベースとして記憶する手段と、前記加速度センサーにより前記利用者の動作パターンにX、Y、Z方向のいずれかの加速度と変化の周期のいずれかに変化が検出されたとき、前記場所の環境が所定以上の環境であるかを判断する手段と、前記場所の環境が所定以上の環境であると判断されたとき、危険な状態になる可能性を示すガイダンスをする手段と、を備えたことを特徴とする行動記録装置」が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平8−254579号公報
【特許文献2】特開2007−075552号公報
【特許文献3】特開2002−346013号公報
【特許文献4】特開2006−263002号公報
【特許文献5】特開2007−075552号公報
【特許文献6】特開2007−115200号公報
【特許文献7】特開2003−323502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、同じ運動を行ったとしても、気象条件によって体に加わる負荷が大きく異なる。例えば、気温や湿度などがかなり高い、風がかなり強い、気圧がかなり低いといった気象条件では相対的に負荷が大きくなり、実質的な活動量(運動量)が相対的に大きくなると考えられる。逆に、気温、湿度、気圧、風速が適度なものであれば、実質的な活動量(運動量)が相対的に小さくなると考えられる。すなわち、毎日一定の運動を行ったとしても、気象状況によって実質的な活動量(運動量)が異なるため、期待されるトレーニング効果や適切な体調管理を実現できない可能性があるという問題があった。特許文献1乃至7では、この問題に対する有効な解決策が示されていない。
【0013】
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様によれば、気象状況を考慮した活動量を計測可能な活動量計測装置、活動量計測システム、プログラム及び記録媒体を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(1)本発明は、ユーザーに携帯され、前記ユーザーの活動量を計測する活動量計測装置であって、気象を計測する気象計測部と、前記気象計測部が計測した気象データを取得する気象データ取得部と、前記ユーザーの活動量を計算する活動量計算部と、を含み、前記活動量計算部は、前記気象データ取得部が取得した気象データに基づいて、前記ユーザーの活動量を補正計算する、活動量計測装置である。
【0015】
本発明によれば、活動量計測装置に気象を計測する機能を付加し、計測した気象データを用いてユーザーの活動量を補正計算することで、気象状況を考慮したより正確な活動量を計測することができる。
【0016】
(2)この活動量計測装置は、前記ユーザーが運動するエリアの地図情報に基づいて、設定された目標活動量を満たす運動経路の候補を選出する経路候補選出部、をさらに含み、前記経路候補選出部は、前記気象データ取得部が取得した気象データに基づいて、前記目標活動量に到達するために前記ユーザーが運動すべき目標距離を補正計算し、当該補正計算された前記目標距離を有する前記運動経路の候補を選出するようにしてもよい。
【0017】
このようにすれば、ユーザーが目標活動量に合った運動をするための好適な運動経路を提示することができる。
【0018】
(3)この活動量計測装置において、前記経路候補選出部は、前記気象データとともに、前記ユーザーが過去に運動を行った際の活動量に関する実績情報に基づいて、前記運動経路の候補を選出するようにしてもよい。
【0019】
このようにすれば、ユーザーの体力も考慮された好適な運動経路を提示することができる。
【0020】
(4)この活動量計測装置は、前記活動量計算部が補正計算した前記ユーザーの現在までの活動量と設定された目標活動量との差分に基づいて、前記ユーザーの運動経路上の、前記ユーザーの活動量が前記目標活動量に到達する残りの距離又は残りの時間を計算する目標到達値計算部をさらに含むようにしてもよい。
【0021】
このようにすれば、ユーザーの運動中の気象条件の変化を考慮しながら、目標活動量に到達するまでの残りの距離又は残りの時間を提示することができる。
【0022】
(5)この活動量計測装置において、前記気象計測部は、気圧、温度及び湿度を計測するようにしてもよい。
【0023】
同じ運動をしても気圧、温度、湿度の違いによって活動量は大きく異なるので、気圧、温度、湿度を考慮して活動量を補正計算することで、活動量に関するより有効な情報を提示することができる。
【0024】
(6)この活動量計測装置において、前記気象計測部は、さらに空気質を計測するようにしてもよい。
【0025】
酸素濃度の違いによっても活動量が大きく異なるので、空気質(微粒子や窒素酸化物(NO)の濃度等)も考慮して活動量を補正計算することで、活動量に関するより有効な情報を提示することができる。
【0026】
(7)本発明は、ユーザーの活動量を計測する活動量計測システムであって、ユーザーが運動するエリアに分散して配置される複数の気象計測装置と、前記ユーザーに携帯され、前記ユーザーの活動量を計測する活動量計測装置と、を含み、前記活動量計測装置は、気象を計測する気象計測部と、前記気象計測部が計測した気象データ及び前記複数の気象計測装置の少なくとも一部が計測した気象データを取得する気象データ取得部と、前記ユーザーの活動量を計算する活動量計算部と、を含み、前記活動量計算部は、前記気象データ取得部が取得した気象データに基づいて、前記ユーザーの活動量を補正計算する、活動量計測システムである。
【0027】
本発明によれば、活動量計測装置が計測した気象データと、分散配置される複数の気象計測装置の各々が計測した気象データとを組み合わせて気象条件の解析を詳細に行うことで、気象状況を考慮したより正確な活動量を計測することができる。
【0028】
また、この活動量計測システムにおいて、前記活動量計測装置は、前記ユーザーが運動するエリアの地図情報に基づいて、設定された目標活動量を満たす運動経路の候補を選出する経路候補選出部、をさらに含み、前記経路候補選出部は、前記気象データ取得部が取得した気象データに基づいて、前記目標活動量に到達するために前記ユーザーが運動すべき目標距離を補正計算し、当該補正計算された前記目標距離を有する前記運動経路の候補を選出するようにしてもよい。
【0029】
このようにすれば、ユーザーが目標活動量に合った運動をするための好適な運動経路を提示することができる。
【0030】
また、この活動量計測システムにおいて、前記経路候補選出部は、前記気象データとともに、前記ユーザーが過去に運動を行った際の活動量に関する実績情報に基づいて、前記運動経路の候補を選出するようにしてもよい。
【0031】
このようにすれば、ユーザーの体力も考慮された好適な運動経路を提示することができる。
【0032】
(8)この活動量計測システムにおいて、前記活動量計測装置は、前記活動量計算部が補正計算した前記ユーザーの現在までの活動量と設定された目標活動量との差分に基づいて、前記ユーザーの運動経路上の、前記ユーザーの活動量が前記目標活動量に到達する残りの距離又は残りの時間を計算する目標到達値計算部をさらに含むようにしてもよい。
【0033】
このようにすれば、ユーザーの運動中の気象条件の変化を考慮しながら、目標活動量に到達するまでの残りの距離又は残りの時間を提示することができる。
【0034】
(9)この活動量計測システムにおいて、前記目標到達値計算部は、前記気象データ取得部が取得した気象データに基づいて、前記残りの距離又は前記残りの時間を補正計算するようにしてもよい。
【0035】
このようにすれば、分散配置される複数の気象計測装置の各々が計測した気象データを用いることで、活動量計測装置の位置以外の気象条件も解析できるので、リアルタイムに変化する気象条件を考慮して残りの距離や残りの時間を予測することができる。
【0036】
(10)この活動量計測システムにおいて、前記複数の気象計測装置の少なくとも一部は、前記ユーザーの運動経路に沿って配置され、前記目標到達値計算部は、前記気象データ取得部が前記ユーザーの運動経路に沿って前方に配置された所定数の前記気象計測装置から取得した気象データに基づいて、前記残りの距離又は前記残りの時間を補正計算するようにしてもよい。
【0037】
このようにすれば、ユーザーの前方の気象条件がわかるので、残りの距離や残りの時間の予測精度を高めることができる。
【0038】
また、この活動量計測システムにおいて、前記複数の気象計測装置の各々は、気圧センサー、温度センサー及び湿度センサーを含むようにしてもよい。
【0039】
また、この活動量計測システムにおいて、前記複数の気象計測装置の各々は、空気質センサーをさらに含むようにしてもよい。
【0040】
(11)本発明は、気象を計測する気象計測部を含み、ユーザーに携帯され、前記ユーザーの活動量を計測する活動量計測装置において実行可能なプログラムであって、前記活動量計測装置を、前記気象計測部が計測した気象データを取得する気象データ取得部と、前記ユーザーの活動量を計算する活動量計算部として機能させ、前記活動量計算部は、前記気象データ取得部が取得した気象データに基づいて、前記ユーザーの活動量を補正計算する、プログラムである。
【0041】
(12)本発明は、上記のプログラムを記録した、コンピューター読み取り可能な記録媒体である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本実施形態の活動量計測システムの使用例の説明図。
【図2】活動量計測装置の外観の一例を示す図。
【図3】活動量計測装置の構成例を示す図。
【図4】活動量計測装置の処理部による全体処理のフローチャートの一例を示す図。
【図5】活動量計測装置の処理部による初期設定処理のフローチャートの一例を示す図。
【図6】初期設定の入力画面の一例を示す図。
【図7】初期設定の他の入力画面の一例を示す図。
【図8】活動量計測装置の処理部によるコース設定処理のフローチャートの一例を示す図。
【図9】コース候補の選出についての説明図。
【図10】コースの選択画面の一例を示す図。
【図11】活動量計測装置の処理部による活動量計測処理のフローチャートの一例を示す図。
【図12】活動量の計測結果の表示画面の一例を示す図。
【図13】活動量計測システムの概要についての説明図。
【図14】活動量計測システムの構成例を示す図。
【図15】活動量計測装置の処理部によるコース設定処理のフローチャートの一例を示す図。
【図16】活動量計測装置の処理部による活動量計測処理のフローチャートの一例を示す図。
【図17】活動量計測処理についての説明図。
【図18】変形例2における活動量計測装置の構成例を示す図。
【図19】変形例2における気象計測装置の構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0044】
1.活動量計測装置
1−1.活動量計測装置の概要
本実施形態の活動量計測装置は、ユーザーに携帯され、気象条件を考慮したユーザーの活動量を計測するものである。図1は、本実施形態の活動量計測装置の使用例を示す図である。図1に示すように、ユーザー7は、活動量計測装置4を携帯し、設定されたコース(運動経路)上を移動する運動(ランニング、ジョギング、ウォーキング、サイクリングなど)を行う。ユーザー7が運動するコースは、例えば、道路6上に設定され、複数のコースが存在してもよい。
【0045】
活動量計測装置4は、ユーザー7の活動量を計測するセンサーを備え、センサーの出力データからユーザー7の活動量を計算する。特に、本実施形態の活動量計測装置4は、気象を計測し、計測した気象データに基づいてユーザー7の活動量を補正して計算する。
【0046】
図2(A)及び図2(B)は、活動量計測装置4の外観の一例を示す図である。活動量計測装置4は、携帯できればよく、例えば、図2(A)に示すような腕時計タイプのものであってもよいし、図2(B)に示すような、衣服のポケット等に入れたりクリップで衣服に留めたりするようなタイプのものであってもよい。ユーザー7は、活動量計測装置4の操作部40(アップボタン42、ダウンボタン44、切替/決定ボタン46など)を操作することで初期設定や画面の切り替えなどを行い、ユーザー7の活動量などの情報は活動量計測装置4の表示部(表示画面)70に表示される。これにより、ユーザー7は、運動開始後の活動量を知ることができる。
【0047】
1−2.活動量計測装置の構成
図3は、本実施形態の活動量計測装置の構成例を示す図である。本実施形態の活動量計測装置は、図3の構成要素(各部)の一部を省略したり、他の構成要素を付加した構成としてもよい。
【0048】
図3に示すように、本実施形態の活動量計測装置4は、気象計測部20、処理部(CPU:Central Processing Unit)30、操作部40、記憶部50、記録媒体60、表示部70、通信部80、活動量計測センサー90、GPSデータ受信部92を含んで構成されている。
【0049】
活動量計測センサー90は、活動量計測装置4を携帯するユーザーの活動量に関連するデータを計測するセンサーであり、活動量の計算方法に応じて必要なデータを取得するセンサーが用いられる。例えば、ユーザーの心拍数に基づいて活動量を計算する場合、活動量計測センサー90として心拍計が用いられる。また、ユーザーの歩数に基づいて活動量を計算する場合、活動量計測センサー90として歩数計が用いられる。また、ユーザーの動き(移動速度や移動時間)に基づいて活動量を計算する場合、活動量計測センサー90として3軸加速度センサーなどが用いられる。あるいは、ユーザーの心拍数、歩数、動きに基づいて活動量を総合的に計算する場合、活動量計測センサー90として心拍計、歩数計、3軸加速度センサーが用いられるようにしてもよい。
【0050】
GPSデータ受信部92は、GPS衛星から送信される電波信号を受信し、当該電波信号に重畳されているGPS衛星の軌道情報や時刻情報などを含む航法メッセージを復調する処理を行う。
【0051】
気象計測部20は、活動量計測装置4の周辺の気象を計測する。例えば、気象計測部20は、気圧センサー10、温度センサー11、湿度センサー12を備え、気圧、温度、湿度を計測する。ただし、気象計測部20は、気圧センサー10、温度センサー11、湿度センサー12の一部を備えていなくてもよいし、逆に、他のセンサー(例えば、風速センサー等)を備えていてもよい。
【0052】
気象計測部20は、秒オーダーの周期でリアルタイムに気象を計測し、計測した気象データ(気圧データ、温度データ、湿度データ)は、処理部(CPU)32に送られる。
【0053】
操作部40は、操作キーやボタンスイッチ等により構成される入力装置であり、ユーザーによる操作に応じた操作信号を処理部(CPU)30に出力する。
【0054】
記憶部50は、処理部(CPU)30が各種の計算処理や制御処理を行うためのプログラムやデータ等を記憶している。また、記憶部50は、処理部(CPU)30の作業領域として用いられ、操作部40から入力されたデータ、情報記憶媒体60から読み出されたプログラムやデータ、処理部(CPU)30が各種プログラムに従って実行した演算結果等を一時的に記憶するためにも使用される。
【0055】
処理部(CPU)30は、記憶部50や記録媒体60に記憶されているプログラムに従って、各種の計算処理や制御処理を行う。具体的には、処理部(CPU)30は、気象計測部20、活動量センサー90、GPSデータ受信部92等からデータを受け取って各種の計算処理を行う。また、処理部(CPU)30は、操作部40からの操作信号に応じた各種の処理、表示部70に各種の情報を表示させる処理、通信部80を介した外部装置とのデータ通信を制御する処理等を行う。
【0056】
特に、本実施形態では、処理部(CPU)30は、以下に説明する気象データ取得部31、活動量計算部32、位置情報生成部33、経路候補選出部34、目標到達値計算部35、通信制御部36、表示制御部37を含む。ただし、本実施形態の処理部(CPU)30は、これらの一部の構成(要素)を省略したり、他の構成(要素)を追加した構成としてもよい。
【0057】
気象データ取得部31は、気象計測部20から送られてくる気象データを継続して取得する処理を行う。具体的には、気象データ取得部31は、各気象データを受け取り、受け取った各気象データを順番に記憶部50に保存する。
【0058】
活動量計算部32は、ユーザーの活動量を計算する処理を行う。特に、本実施形態では、活動量計算部32は、気象データ取得部31が取得した気象データに基づいて、ユーザーの活動量を補正計算する。具体的には、活動量計算部32は、気象データに含まれる気圧データ、温度データ、湿度データから現在の気圧、温度、湿度を解析し、解析結果に応じて、ユーザーの活動量を補正計算する。例えば、活動量計算部32は、基準となる気圧、温度、湿度でのユーザーの活動量を計算し、現在の気圧、温度、湿度に応じて、活動量を補正する。すなわち、活動量計算部32は、現在の気圧と基準値との差に応じて活動量を増減させる。また、活動量計算部32は、現在の温度と基準値との差に応じて活動量を増減させる。また、活動量計算部32は、現在の湿度と基準値との差に応じて活動量を増減させる。
【0059】
さらに、気象計測部20が風速センサーを備える場合には、活動量計算部32は、気象データに含まれる風速データから現在の風速を解析し、解析結果に応じて、ユーザーの活動量を補正計算するようにしてもよい。例えば、活動量計算部32は、基準となる気圧、温度、湿度、風速でのユーザーの活動量を計算し、現在の風速と基準値との差に応じて活動量を増減させる。
【0060】
位置情報生成部33は、GPSデータ受信部92が復調した航法メッセージに含まれる軌道情報や時刻情報を用いて測位計算を行い、活動量計測装置4の位置情報を生成する処理を行う。
【0061】
経路候補選出部34は、ユーザーが運動するエリアの地図情報に基づいて、設定された目標活動量を満たすコース(運動経路)の候補を選出する処理を行う。特に、本実施形態では、経路候補選出部34は、気象データ取得部31が取得した気象データに基づいて、目標活動量に到達するためにユーザーが運動すべき目標距離を補正計算し、当該補正計算された目標距離を有するコース(運動経路)の候補を選出する。例えば、経路候補選出部34は、活動量計算部32と同様の処理により、気象データから現在の気圧、温度、湿度、風速を解析し、解析結果に応じて目標距離を補正計算する。
【0062】
目標到達値計算部35は、活動量計算部32が補正計算したユーザーの現在までの活動量と設定された目標活動量との差分に基づいて、コース(ユーザーの運動経路)上の、ユーザーの活動量が目標活動量に到達する残り距離又は残り時間を計算する処理を行う。
【0063】
通信制御部36は、通信部80を介して所定の通信ネットワークに接続されたサーバー等とのデータ通信を制御する処理を行う。特に、本実施形態では、通信制御部36は、通信部80を介して、サーバーに位置情報を送信し、サーバーから当該位置情報に対応する地図情報(ユーザーが運動するエリアの地図情報)を受信し、記憶部50に保存する。
【0064】
表示制御部37は、表示部70の表示を制御する処理を行う。特に、本実施形態では、表示制御部37は、ユーザーの活動量のデータ、ユーザーが運動する経路(コース)の候補のデータ、目標到達値(残り距離や残り時間)のデータ、地図情報などを、操作部40からの操作信号に応じて選択して表示部70に表示する処理を行う。
【0065】
記録媒体60は、コンピューター読み取り可能な記録媒体であり、特に本実施形態では、活動量計測装置4(コンピューター)を上記の各部として機能させるためのプログラムが記憶されている。そして、本実施形態の処理部(CPU)30は、記録媒体60に記憶されている当該プログラムを実行することで、気象データ取得部31、活動量計算部32、位置情報生成部33、経路候補選出部34、目標到達値計算部35、通信制御部36、表示制御部37として機能する。あるいは、通信部80等を介して有線又は無線の通信ネットワークに接続されたサーバーからプログラムを受信し、受信したプログラムを記憶部50や記録媒体60に記憶して当該プログラムを実行するようにしてもよい。ただし、気象データ取得部31、活動量計算部32、位置情報生成部33、経路候補選出部34、目標到達値計算部35、通信制御部36、表示制御部37の少なくとも一部をハードウェア(専用回路)で実現してもよい。
【0066】
なお、記録媒体60は、例えば、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、メモリー(ROM、フラッシュメモリーなど)により実現することができる。
【0067】
表示部70は、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成される表示装置であり、処理部(CPU)30から入力される表示信号に基づいて各種の情報を表示する。表示部70には、例えば、現在の活動量や残り距離などの情報がリアルタイムに表示される。
【0068】
1−3.活動量計測装置の処理
[全体処理]
図4は、活動量計測装置4の処理部(CPU)30による全体処理のフローチャートの一例を示す図である。
【0069】
活動量計測装置4の起動後、処理部(CPU)30は、最初に、ユーザーに関するデータを設定登録する初期設定処理を行う(S10)。
【0070】
次に、処理部(CPU)30は、ユーザーが運動するコースを設定するコース設定処理を行う(S12)。
【0071】
そして、ユーザーが運動を開始した後(S14のY)、処理部(CPU)30は、ユーザーの活動量を計測する活動量計測処理を行う(S16)。
【0072】
[初期設定処理]
図5は、活動量計測装置4の処理部(CPU)30による初期設定処理(図4のS10の処理)のフローチャートの一例を示す図である。
【0073】
まず、処理部(CPU)30は、表示部70に、図6に示すようなユーザーの年齢、性別、身長、体重の入力画面100を表示する(S110)。ユーザーはこの入力画面100に対して、アップボタン42、ダウンボタン44、切替/決定ボタン46を操作し、年齢、性別、身長、体重を入力する。
【0074】
入力画面100が表示された直後は選択モードになっており、選択モードでは、アップボタン42を押下する毎にカーソルが下方向に移動し、アップボタン44を押下する毎にカーソルが上方向に移動する。カーソルの位置の入力欄は、数字が白黒反転表示されており、切替/決定ボタン46を押下することで入力モードに切り替わり、カーソルの位置の入力欄に数字を入力することができる。入力モードでは、アップボタン42を押下する毎に、カーソルがある入力欄の数字が1だけ増加し、ダウンボタン44を押下する毎に、カーソルがある入力欄の数字が1だけ減少する。ただし、カーソルが性別の入力欄にある状態では、アップボタン42又はダウンボタン44を押下する毎に、「男」と「女」が交互に表示される。入力モードで切替/決定ボタン46を押下することで、入力内容が決定されるとともに、選択モードに戻る。ユーザーは、アップボタン42、ダウンボタン44、切替/決定ボタン46を操作して年齢、性別、身長、体重を入力した後、「OK」ボタンの位置にカーソルを移動して切替/決定ボタン46を押下すると、入力された年齢、性別、身長、体重が確定する。
【0075】
ユーザーによる年齢、性別、身長、体重の入力が完了すると(S112のY)、処理部(CPU)30は、入力内容に従い、ユーザーの年齢、性別、身長、体重を設定(記憶部50に保存)し、基礎代謝量を計算する(S114)。
【0076】
次に、処理部(CPU)30は、表示部70に目標値の入力画面を表示する(S116)。例えば、図7に示すように、目標値の入力画面110は、「運動モード」の選択及び「速度」と「活動量」の入力が可能に構成される。ユーザーは、「運動モード」の選択欄にカーソルを移動して切替/決定ボタン46を押下した後、例えば、ダウンボタン44を押下する毎に、「ランニング」→「ジョギング」→「ウォーキング」→「サイクリング」の順に表示が変更される。そして、ユーザーは、切替/決定ボタン46を押下することで、自分が行う運動として「ランニング」、「ジョギング」、「ウォーキング」、「サイクリング」のいずれかを選択することができる。「速度」の入力欄は、運動モードの選択と連動して、選択された運動モードの標準的な数値が初期値として表示される。ユーザーは、「速度」の入力欄(単位は「km/h」)にカーソルを移動して切替/決定ボタン46を押下した後、アップボタン42とダウンボタン44を操作して目標速度を0.1km/h単位で入力することができるようになっている。また、ユーザーは、「活動量」の入力欄(単位は「Ex(エクササイズ)」)にカーソルを移動して切替/決定ボタン46を押下した後、アップボタン42とダウンボタン44を操作して目標活動量を0.1Ex単位で入力することができるようになっている。
【0077】
なお、「活動量」の目標値の代わりに、「消費カロリー(単位はkcal)」の目標値の入力画面を表示部70に表示させるようにしてもよい。あるいは、ユーザーが「活動量」の表示位置にカーソルを移動して切替/決定ボタン46を押下した後、アップボタン42又はダウンボタン44を押下する毎に、「活動量」と「消費カロリー」が交互に表示される(これに連動して単位も「Ex」と「kcal」が交互に表示される)ようにすることで、入力項目をユーザーが選択できるようにしてもよい。消費カロリー(kcal)=活動量(Ex)×体重(kg)×1.05の関係式を用いて、「活動量」と「消費カロリー」が切り替わる毎にこれに連動して数値も変更されるようにしてもよい。
【0078】
また、入力画面110に「過去の目標値」ボタンを設け、ユーザーが「過去の目標値」ボタンの位置にカーソルを移動して切替/決定ボタン46を押下することで、過去の目標値(速度と活動量の目標値)の一覧を表示し、過去のいずれかの目標値(例えば前回の目標値)を選択できるようにしてもよい。
【0079】
ユーザーは、アップボタン42、ダウンボタン44、切替/決定ボタン46を操作して目標値を入力した後、「OK」ボタンの位置にカーソルを移動して切替/決定ボタン46を押下すると、入力された目標値が確定する。
【0080】
ユーザーによる目標値の入力が完了すると(S118のY)、処理部(CPU)30は、入力内容に従って目標値を設定(記憶部50に保存)し(S120)、初期設定処理を終了する。
【0081】
[コース設定処理]
図8は、活動量計測装置4の処理部(CPU)30によるコース設定処理(図4のS12の処理)のフローチャートの一例を示す図である。
【0082】
まず、処理部(CPU)30は、活動量計測装置4の位置情報を生成し、通信部80を介して当該位置情報をサーバーに送信する(S210)。
【0083】
次に、処理部(CPU)30は、通信部80を介してサーバーから地図情報を取得する(S212)。当該地図情報には、道路の位置や傾斜の情報などが含まれている。
【0084】
次に、処理部(CPU)30は、気象計測部20から気象データを取得し、現在の気象条件(気圧、気温、湿度、風速など)を解析する(S214)。
【0085】
次に、処理部(CPU)30は、基準となる気象条件で目標活動量を達成する距離(目標距離)を計算し(S216)、さらに、現在の気象条件に応じて目標距離を補正する(S218)。例えば、処理部(CPU)30は、現在の気温に応じて補正係数αを決定し、現在の湿度に応じて補正係数βを決定し、現在の気圧に応じて補正係数γを決定し、現在の風速に応じて補正係数δを決定し、目標距離をα×β×γ×δ倍に補正してもよい。例えば、気温と補正係数αの対応関係、湿度と補正係数βの対応関係、気圧と補正係数γの対応関係、風速と補正係数δの対応関係の各々に対応する数式(例えば多項式近似された数式)の係数値又は各対応関係のテーブルデータをあらかじめ記憶部50に記憶させておき、処理部(CPU)30がこの係数値又はテーブルデータを参照することで補正係数α,β,γ,δを計算により決定することができる。
【0086】
次に、処理部(CPU)30は、地図情報に基づいて、補正後の目標距離に合うコース候補を選出する(S222)。例えば、処理部(CPU)30は、図9(A)において点線で示されるコースAと図9(B)において点線で示されるコースBをコース候補として選出する。
【0087】
次に、処理部(CPU)30は、コースの選択画面を表示する(S222)。具体的には、処理部(CPU)30は、ステップS220で計算したコース候補のリストを含む選択画面を表示する。例えば、図10に示すように、コースの選択画面120は、「コースA」、「コースB」、「自由コース」のいずれかの選択が可能に構成される。ユーザーは、「コースA」にカーソルを移動して切替/決定ボタン46を押下することで、例えば、図9(A)のようなコースAの経路(点線矢印の始点から終点までの経路)を示す画面が表示され、コースAを確認することができる。同様に、ユーザーは、「コースB」にカーソルを移動して切替/決定ボタン46を押下することで、例えば、図9(B)のようなコースBの経路(点線矢印の始点から終点までの経路)を示す画面が表示され、コースBを確認することができる。コースA又はコースBの表示画面において、ユーザーが切替/決定ボタン46を押下すれば、コースの選択画面120に戻る。ユーザーがあらかじめコースを決めずに自由に経路を選択したい場合は、「自由コース」を選択する。コースの選択画面120には、「コースA」、「コースB」、「自由コース」の各右側にチェックボックスが設けられており、ユーザーがいずれかのチェックボックスにカーソルを移動して切替/決定ボタン46を押下した後、「OK」ボタンにカーソルを移動して切替/決定ボタン46を押下することで、チェックされたコースが選択される。
【0088】
ユーザーによるコースの選択が完了すると(S224のY)、処理部(CPU)30は、入力内容に従って選択されたコースを設定(記憶部50に保存)し(S225)、コース設定処理を終了する。
【0089】
[活動量計測処理]
図11は、活動量計測装置4の処理部(CPU)30による活動量計測処理(図4のS16の処理)のフローチャートの一例を示す図である。
【0090】
まず、処理部(CPU)30は、気象計測部20から気象データを取得し、現在の気象条件(気圧、気温、湿度、風速など)を解析する(S310)。
【0091】
次に、処理部(CPU)30は、現在の気象条件を加味して、ユーザーの現在までの活動量の総和を計算する(S312)。例えば、処理部(CPU)30は、活動量計測センサー90の出力データから直近の単位時間Δtあたりのユーザーの活動量を計算し、現在の気象条件に応じて、当該単位時間Δtあたりのユーザーの活動量を補正する。そして、処理部(CPU)30は、運動開始から単位時間Δtが経過する毎に、補正後の単位時間Δtあたりのユーザーの活動量を積算することで、現在までのユーザーの活動量の総和を計算する。
【0092】
次に、処理部(CPU)30は、S312で計算したユーザーの現在までの活動量の総和と目標活動量との差分を計算する(S314)。
【0093】
次に、処理部(CPU)30は、S314で計算したユーザーの現在までの活動量の総和と目標活動量との差分から、目標活動量に達するまでの残り距離を計算する(S316)。例えば、処理部(CPU)30は、ユーザーの現在までの活動量の総和と目標活動量との差分を、現在の単位時間Δtあたりのユーザーの活動量で割ることで、ユーザーが運動すべき残り時間を計算し、現在のユーザーの移動速度を元に残り距離を推定する。
【0094】
次に、処理部(CPU)30は、現在の気象条件に応じて、S316で計算した残り距離を補正する(S318)。例えば、処理部(CPU)30は、コースの前方の気象条件が現地点の現在の気象条件と同じであり、その気象条件が維持されると仮定して、S316で計算した残り距離を補正する。
【0095】
次に、処理部(CPU)30は、SS318で計算した補正後の残り距離を表示部70に表示する。例えば、処理部(CPU)30は、図12に示すような、目標活動距離、活動量(現在までの活動量)、移動距離、運動時間、平均速度、推定される残り距離、推定される残り時間の情報を含む画面130を表示部70に表示する。ユーザーは、残り距離や残り時間を確認することで、あとどの程度運動すれば目標活動量に達するか知ることができる。
【0096】
そして、処理部(CPU)30は、ユーザーの活動量が目標活動量に到達したか否かを判定し(S322)、到達した場合は(S322のY)、目標活動量に到達したことをユーザーに通知し、結果情報を表示部70に表示する(S326)。処理部(CPU)30は、表示部70に表示することで目標活動量に到達したことを通知してもよいし、活動量計測装置4がスピーカーを含む場合は音で通知してもよい。結果情報は、当該運動による活動量、移動距離、運動時間、平均速度、消費カロリー、総消費カロリー(=基礎代謝量+消費カロリー)等の情報である。
【0097】
一方、ユーザーの活動量が目標活動量に到達していなければ(S322のN)、処理部(CPU)30は、単位時間Δtの経過を待って(S324のY)、S310〜S320の処理をもう一度行う。
【0098】
以上に説明したように、本実施形態の活動量計測装置によれば、気象を計測する機能を付加し、計測した気象データを用いてユーザーの活動量を補正計算することで、気象状況を考慮して、活動量、コース候補の選出、残り距離(残り時間)等の補正計算を行うことができる。特に、ユーザーが同じ運動をしても気圧、温度、湿度の違いによって活動量は大きく異なるので、気圧、温度、湿度を考慮して活動量を補正計算することで当該補正計算を精度よく行うことができる。
【0099】
また、本実施形態の活動量計測装置によれば、計測した気象データを用いて目標活動量に到達するためにユーザーが運動すべき目標距離を補正計算してコースを選出することで、ユーザーが目標活動量に合った運動をするための好適なコースを提示することができる。これにより、ユーザーは、例えば、気象条件に影響されずに、毎日、目標活動量が一定になるようなコースを選択することができる。
【0100】
また、本実施形態の活動量計測装置によれば、計測した気象データを用いて補正計算された現在までの活動量と目標活動量との差分を計算することで、ユーザーの運動中の気象条件の変化を考慮しながら、目標活動量に到達するまでの残りの距離又は残りの時間を提示することができる。これにより、ユーザーは、例えば、気象条件に影響されずに、毎日、目標活動量が一定になるような運動を行うことができる。
【0101】
2.活動量計測システム
2−1.活動量計測システムの概要
図13は、本実施形態の活動量計測システムの概要について説明するための図である。図13に示すように、本実施形態の活動量計測システムでは、ユーザー7が運動するエリアに、複数の気象計測装置2(白抜きの丸で表示)が分散配置されている。ユーザー7は、活動量計測装置4を携帯し、設定されたコース(運動経路)上を移動する運動(ランニング、ジョギング、ウォーキング、サイクリングなど)を行う。ユーザー7が運動するコースは、例えば、道路6上に設定され、複数のコースが存在してもよい。図13では、気象計測装置2は、コース(道路6)に沿ってほぼ一定の間隔(例えば約100m間隔)で配置されている。ただし、気象計測装置2は分散して配置されていればよく、その一部又は全部は、必ずしもコース(道路6)に沿って配置されていなくてもよい。
【0102】
2−2.活動量計測システムの構成
図14は、本実施形態の活動量計測システムの構成例を示す図である。本実施形態の活動量計測システムは、図14の構成要素(各部)の一部を省略したり、他の構成要素を付加した構成としてもよい。
【0103】
図14に示すように、本実施形態の活動量計測システム1は、複数の気象計測装置2と活動量計測装置4を含む。
【0104】
本実施形態では、複数の気象計測装置2の各々は、気圧センサー10、温度センサー11、湿度センサー12を備え、分散して配置される。ただし、気象計測装置2は、気圧センサー10、温度センサー11、湿度センサー12の一部を備えていなくてもよいし、逆に、他のセンサー(例えば、風速センサー等)を備えていてもよい。
【0105】
気象計測装置2は、秒オーダーの周期でリアルタイムに気象を計測し、気圧センサー10、温度センサー11、湿度センサー12により計測された気象データ(気圧データ、温度データ、湿度データ)は、送信部14により、例えば、気象計測装置2毎に割り当てられた周波数の電波で送信される。各気象計測装置2には互いに異なる送信周波数が割り当てられる。
【0106】
活動量計測装置4は、気象計測部20、処理部(CPU)30、操作部40、記憶部50、記録媒体60、表示部70、通信部80、活動量計測センサー90、GPSデータ受信部92、気象データ受信部94を含んで構成されている。
【0107】
気象計測部20、操作部40、記憶部50、記録媒体60、表示部70、通信部80、活動量計測センサー90、GPSデータ受信部92の各機能は、図3に示した各部と同じであるので、その説明を省略する。
【0108】
気象データ受信部94は、受信周波数が順番に気象計測装置2毎に割り当てられた送信周波数になるように所定の周期で切り替えながら各気象計測装置2からの送信データを受信し、気象データを復調する。気象データ受信部20が復調した気象データは、処理部(CPU)30に送られる。
【0109】
本実施形態では、ユーザーが運動するコース上のリアルタイムな気象データが得られればよく、気象データ受信部20は、すべての気象計測装置2からの送信データを受信する必要はない。例えば、気象データ受信部20は、ユーザーが運動するコースに沿って、ユーザーの前方に配置された所定数(N個)の気象計測装置2からの送信データのみを受信するようにしてもよい。
【0110】
なお、各気象計測装置2の送信部14が、同一の送信周波数の電波を用いて、あらかじめ決められた互いに異なる周期的なタイミングで時分割に気象データを送信し、データ処理装置4の気象データ受信部94が、各気象計測装置2の送信タイミングと同期して、時分割に気象データを受信するようにしてもよい。
【0111】
処理部(CPU)30は、気象データ取得部31、活動量計算部32、位置情報生成部33、経路候補選出部34、目標到達値計算部35、通信制御部36、表示制御部37を含む。ただし、本実施形態の処理部(CPU)30は、これらの一部の構成(要素)を省略したり、他の構成(要素)を追加した構成としてもよい。
【0112】
気象データ取得部31は、気象計測部20から送られてくる気象データを継続して取得する処理を行う。具体的には、気象データ取得部31は、各気象データを受け取り、受け取った各気象データを順番に記憶部50に保存する。さらに、気象データ取得部31は、気象データ受信部94から送られてくる気象データ(複数の気象計測装置2の少なくとも一部が計測した気象データ)を、気象計測装置2の識別IDと対応づけて継続して取得する処理を行う。具体的には、気象データ取得部31は、各気象データを受け取り、受け取った各気象データを気象計測装置2毎に割り当てられた識別IDと対応づけて順番に記憶部50に保存する。
【0113】
活動量計算部32は、ユーザーの活動量を計算する処理を行う。特に、本実施形態では、活動量計算部32は、気象データ取得部31が取得した気象データに基づいて、ユーザーの活動量を補正計算する。具体的には、活動量計算部32は、気象データ(気象計測部20が計測した気象データ及び気象計測装置2が計測した気象データ)に含まれる気圧データ、温度データ、湿度データから現在の気圧、温度、湿度を解析し、解析結果に応じて、ユーザーの活動量を補正計算する。さらに、気象計測部20又は気象計測装置2が風速センサーを備える場合には、活動量計算部32は、気象データに含まれる風速データから現在の風速を解析し、解析結果に応じて、ユーザーの活動量を補正計算するようにしてもよい。
【0114】
なお、気象計測部20や気象計測装置2が風速センサーを備えていなくても、活動量計算部32は、各気象計測装置2から取得した気圧データから2点間毎(2つの気圧計測装置2の間毎)の気圧傾度(=2点間の気圧差/2点間の距離)を計算し、気圧傾度の分布から現在の風速を概算することができるので、この概算された現在の風速に応じてユーザーの活動量を補正計算するようにしてもよい。
【0115】
経路候補選出部34は、ユーザーが運動するエリアの地図情報に基づいて、設定された目標活動量を満たすコース(運動経路)の候補を選出する処理を行う。特に、本実施形態では、経路候補選出部34は、気象データ取得部31が取得した気象データ(気象計測部20や気象データ受信部94から送られてくる気象データ)に基づいて、目標活動量に到達するためにユーザーが運動すべき目標距離を補正計算し、当該補正計算された目標距離を有するコース(運動経路)の候補を選出する。例えば、経路候補選出部34は、活動量計算部32と同様の処理により、気象データ(気象計測部20が計測した気象データ及び気象計測装置2が計測した気象データ)から現在の気圧、温度、湿度、風速を解析し、解析結果に応じて目標距離を補正計算する。
【0116】
目標到達値計算部35は、活動量計算部32が補正計算したユーザーの現在までの活動量と設定された目標活動量との差分に基づいて、コース(ユーザーの運動経路)上の、ユーザーの活動量が目標活動量に到達する残り距離又は残り時間を計算する処理を行う。特に、本実施形態では、目標到達値計算部35は、気象データ取得部31が取得した気象データ(気象計測部20や気象データ受信部94から送られてくる気象データ)に基づいて、ユーザーの活動量が目標活動量に到達する残り距離又は残り時間を補正計算する。例えば、目標到達値計算部35は、活動量計算部32と同様の処理により、気象データ(気象計測部20が計測した気象データ及び気象計測装置2が計測した気象データ)から現在の気圧、温度、湿度、風速を解析し、解析結果に応じて残り距離又は残り時間を補正計算する。
【0117】
また、目標到達値計算部35は、気象データ取得部31がコース(ユーザーの運動経路)に沿って前方に配置されたN個(1又は複数)の気象計測装置2から取得した気象データに基づいて、ユーザーの活動量が目標活動量に到達する残り距離又は残り時間を補正計算するようにしてもよい。
【0118】
位置情報生成部33、通信制御部36、表示制御部37の各機能は、図3に示した各部と同じであるので、その説明を省略する。
【0119】
2−3.活動量計測システムの処理
[全体処理]
活動量計測装置4の処理部(CPU)30による全体処理のフローチャートは、図4と同じである。すなわち、処理部(CPU)30は、初期設定処理(S10)、コース設定処理(S12)、活動量計測処理(S16)を順に行う。
【0120】
[初期設定処理]
活動量計測装置4の処理部(CPU)30による初期設定処理(図4のS10の処理)は、図5と同じであるため、その説明を省略する。
【0121】
[コース設定処理]
図15は、活動量計測装置4の処理部(CPU)30によるコース設定処理(図4のS12の処理)のフローチャートの一例を示す図である。
【0122】
まず、処理部(CPU)30は、位置情報を生成し、通信部80を介して当該位置情報をサーバーに送信する(S210)。
【0123】
次に、処理部(CPU)30は、通信部80を介してサーバーから地図情報を取得する(S212)。当該地図情報には、道路の位置や傾斜の情報、各気象計測装置2の位置や識別IDの情報などが含まれている。
【0124】
次に、処理部(CPU)30は、気象計測部20や気象計測装置2から気象データを取得し、現在の気象条件(気圧、気温、湿度、風速など)を解析する(S214)。例えば、処理部(CPU)30は、気象計測部20のみから気象データを取得し、現在の気象条件を解析するようにしてもよいし、活動量計測装置4に最も近い気象計測装置2のみから気象データを取得し、現在の気象条件を解析するようにしてもよい。また、例えば、処理部(CPU)30は、活動量計測装置4から所定範囲の距離にあるすべての活動量計測装置4から気象データを取得し、気象データの平均値などから現在の気象条件を解析するようにしてもよい。
【0125】
次に、処理部(CPU)30は、基準となる気象条件で目標活動量を達成する距離(目標距離)を計算し(S216)、さらに、現在の気象条件に応じて目標距離を補正する(S218)。
【0126】
次に、処理部(CPU)30は、地図情報に基づいて、補正後の目標距離に合うコース候補を選出する(S220)。
【0127】
次に、処理部(CPU)30は、図10に示したようなコースの選択画面を表示する(S222)。具体的には、処理部(CPU)30は、ステップS220で計算したコース候補のリストを含む選択画面を表示する。ユーザーはこの選択画面に対して、アップボタン42、ダウンボタン44、切替/決定ボタン46を操作し、運動するコースを選択する。
【0128】
ユーザーによるコースの選択が完了すると(S224のY)、処理部(CPU)30は、入力内容に従って選択されたコースを設定(記憶部50に保存)し(S225)、コース設定処理を終了する。
【0129】
なお、処理部(CPU)30は、S214で地図情報に含まれるすべての気象計測装置2から気象データを取得し、S216〜S220の処理に代えて、各気象計測装置2の位置での気象条件から、コース候補の計算と目標距離の計算を同時に(総合的に)行うにようにしてもよい。
【0130】
[活動量計測処理]
図16は、活動量計測装置4の処理部(CPU)30による活動量計測処理(図4のS16の処理)のフローチャートの一例を示す図である。
【0131】
まず、処理部(CPU)30は、コースに沿って前方に配置された直近のN個の気象計測装置2から気象データを取得する(S310)。例えば、図17に示したコース(点線矢印の始点から終点までの経路のコース)が設定されている場合、このコースに沿って、ユーザー7(活動量計測装置4)の前方に配置された直近の5個(N=5のケース)の気象計測装置2a,2b,2c,2d,2eから気象データを取得する。これにより、コースAに沿って気象計測装置2が約100m間隔で配置されているなら、前方500m前後の気象条件がわかる。
【0132】
次に、処理部(CPU)30は、現在の気象条件を加味して、ユーザーの現在までの活動量の総和を計算する(S312)。
【0133】
次に、処理部(CPU)30は、S312で計算したユーザーの現在までの活動量の総和と目標活動量との差分を計算する(S314)。
【0134】
次に、処理部(CPU)30は、S314で計算したユーザーの現在までの活動量の総和と目標活動量との差分から、目標活動量に達するまでの残り距離を計算する(S316)。
【0135】
次に、処理部(CPU)30は、コースの前方の現在の気象条件に応じて、S316で計算した残り距離を補正する(S318)。例えば、処理部(CPU)30は、S310でコースに沿って前方に配置された直近のN個の気象計測装置2(図17の例では5個の気象計測装置2a,2b,2c,2d,2e)から取得した気象データから、コースの前方の現在の気象条件を解析し、この気象条件が維持されると仮定して、あるいは、ユーザーが当該各気象計測装置2の位置を通過する時の気象条件を予測して、S316で計算した残り距離を補正する。
【0136】
次に、処理部(CPU)30は、SS318で計算した補正後の残り距離を表示部70に表示する。例えば、処理部(CPU)30は、図12に示したような画面を表示部70に表示する。ユーザーは、残り距離や残り時間を確認することで、あとどの程度運動すれば目標活動量に達するか知ることができる。
【0137】
そして、処理部(CPU)30は、ユーザーの活動量が目標活動量に到達したか否かを判定し(S322)、到達した場合は(S322のY)、目標活動量に到達したことをユーザーに通知し、結果情報を表示部70に表示する(S326)。
【0138】
一方、ユーザーの活動量が目標活動量に到達していなければ(S322のN)、処理部(CPU)30は、単位時間Δtの経過を待って(S324のY)、S310〜S320の処理をもう一度行う。
【0139】
以上に説明したように、本実施形態の活動量計測システムによれば、活動量計測装置4が計測した気象データと、分散配置された複数の気象計測装置2の各々が計測した気象データとを組み合わせて気象条件の解析を詳細に行うことで、気象状況を考慮して、活動量、コース候補の選出、残り距離(残り時間)等の補正計算を行うことができる。特に、ユーザーが同じ運動をしても気圧、温度、湿度の違いによって活動量は大きく異なるので、気圧、温度、湿度を考慮することで当該補正計算を精度よく行うことができる。
【0140】
また、本実施形態の活動量計測システムによれば、ユーザーが目標活動量に合った運動をするための好適なコースを提示することができるので、ユーザーは、例えば、気象条件に影響されずに、毎日、目標活動量が一定になるようなコースを選択することができる。
【0141】
また、本実施形態の活動量計測システムによれば、分散配置された複数の気象計測装置2の各々が計測した気象データを用いることで、活動量計測装置4の位置以外の気象条件も解析できるので、リアルタイムに変化する気象条件を考慮して残り距離や残り時間を予測することができる。特に、ユーザーの運動経路に沿って前方に配置されたN個の気象計測装置2が計測した気象データを用いることで、ユーザーの前方の気象条件がわかるので、残り距離や残り時間の予測精度を高めることができる。これにより、ユーザーは、例えば、気象条件に影響されずに、毎日、目標活動量が一定になるような運動を行うことができる。
【0142】
3.変形例
本発明は本実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0143】
[変形例1]
例えば、ユーザーが過去に運動を行った際の活動量に関する実績情報を記憶しておき、活動量計測装置4の処理部(CPU)30(特に経路候補選出部34)は、気象条件とともに過去の実績を加味して、コース候補の選出を行うようにしてもよい。実績情報は、例えば、ユーザーが過去に運動を行った際の、活動量、心拍数、移動距離、移動速度、運動時間の各計測値、気象条件、目標活動量、目標距離、目標速度などの情報である。経路候補選出部34は、実績情報を参照し、例えば、その中の気象条件と、目標距離と移動距離との差や心拍数との関係等に応じて、次回の目標距離の補正量を増減する等してコース候補を選出する。
【0144】
このように、ユーザーが過去に運動を行った際の活動量に関する実績情報を用いることで、ユーザーの体力に応じた適切なコースを提示することができる。
【0145】
[変形例2]
例えば、図18に示すように、活動量計測装置4の気象計測部20は、気圧センサー22、温度センサー24、湿度センサー26に加えて、空気質センサー28を備えるようにしてもよい。また、例えば、図19に示すように、各気象計測装置2は、気圧センサー10、温度センサー11、湿度センサー12に加えて、空気質センサー13を備えるようにしてもよい。空気質センサー13は、空気中の微粒子(煙、砂、花粉等)や窒素酸化物(NO)等に反応するセンサーである。空気中に存在する微粒子等の濃度が高いほど酸素濃度が低くなるので、同じ運動をした場合でも活動量が大きくなる。従って、空気質を計測して気象条件に含めることで、活動量、コース候補の選出、残り距離(残り時間)の補正計算をより精度よく行うことができる。
【0146】
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【符号の説明】
【0147】
1 活動量計測システム、2,2a,2b,2c,2d,2e 気象計測装置、3 通信ネットワーク、4 活動量計測装置、6 道路、7 ユーザー、10 気圧センサー、11 温度センサー、12 湿度センサー、13 空気質センサー、14 送信部、20 気象計測部、22 気圧センサー、24 温度センサー、26 湿度センサー、28 空気質センサー、30 処理部(CPU)、31 気象データ取得部、32 活動量計算部、33 位置情報生成部、34 経路候補選出部、35 目標到達値計算部、36 通信制御部、37 表示制御部、40 操作部、42 アップボタン、44 ダウンボタン、46 切替/決定ボタン、50 記憶部、60 記録媒体、70 表示部、80 通信部、90 活動量計測センサー、92 GPSデータ受信部、94 気象データ受信部、100,110,120,130 表示画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーに携帯され、前記ユーザーの活動量を計測する活動量計測装置であって、
気象を計測する気象計測部と、
前記気象計測部が計測した気象データを取得する気象データ取得部と、
前記ユーザーの活動量を計算する活動量計算部と、を含み、
前記活動量計算部は、
前記気象データ取得部が取得した気象データに基づいて、前記ユーザーの活動量を補正計算する、活動量計測装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記ユーザーが運動するエリアの地図情報に基づいて、設定された目標活動量を満たす運動経路の候補を選出する経路候補選出部、をさらに含み、
前記経路候補選出部は、
前記気象データ取得部が取得した気象データに基づいて、前記目標活動量に到達するために前記ユーザーが運動すべき目標距離を補正計算し、当該補正計算された前記目標距離を有する前記運動経路の候補を選出する、活動量計測装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記経路候補選出部は、
前記気象データとともに、前記ユーザーが過去に運動を行った際の活動量に関する実績情報に基づいて、前記運動経路の候補を選出する、活動量計測装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記活動量計算部が補正計算した前記ユーザーの現在までの活動量と設定された目標活動量との差分に基づいて、前記ユーザーの運動経路上の、前記ユーザーの活動量が前記目標活動量に到達する残りの距離又は残りの時間を計算する目標到達値計算部をさらに含む、活動量計測装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかにおいて、
前記気象計測部は、気圧、温度及び湿度を計測する、活動量計測装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記気象計測部は、さらに空気質を計測する、活動量計測装置。
【請求項7】
ユーザーの活動量を計測する活動量計測システムであって、
ユーザーが運動するエリアに分散して配置される複数の気象計測装置と、
前記ユーザーに携帯され、前記ユーザーの活動量を計測する活動量計測装置と、を含み、
前記活動量計測装置は、
気象を計測する気象計測部と、
前記気象計測部が計測した気象データ及び前記複数の気象計測装置の少なくとも一部が計測した気象データを取得する気象データ取得部と、
前記ユーザーの活動量を計算する活動量計算部と、を含み、
前記活動量計算部は、
前記気象データ取得部が取得した気象データに基づいて、前記ユーザーの活動量を補正計算する、活動量計測システム。
【請求項8】
請求項7において、
前記活動量計測装置は、
前記活動量計算部が補正計算した前記ユーザーの現在までの活動量と設定された目標活動量との差分に基づいて、前記ユーザーの運動経路上の、前記ユーザーの活動量が前記目標活動量に到達する残りの距離又は残りの時間を計算する目標到達値計算部をさらに含む、活動量計測システム。
【請求項9】
請求項7又は8において、
前記目標到達値計算部は、
前記気象データ取得部が取得した気象データに基づいて、前記残りの距離又は前記残りの時間を補正計算する、活動量計測システム。
【請求項10】
請求項9において、
前記複数の気象計測装置の少なくとも一部は、前記ユーザーの運動経路に沿って配置され、
前記目標到達値計算部は、
前記気象データ取得部が前記ユーザーの運動経路に沿って前方に配置された所定数の前記気象計測装置から取得した気象データに基づいて、前記残りの距離又は前記残りの時間を補正計算する、活動量計測システム。
【請求項11】
気象を計測する気象計測部を含み、ユーザーに携帯され、前記ユーザーの活動量を計測する活動量計測装置において実行可能なプログラムであって、
前記活動量計測装置を、
前記気象計測部が計測した気象データを取得する気象データ取得部と、
前記ユーザーの活動量を計算する活動量計算部として機能させ、
前記活動量計算部は、
前記気象データ取得部が取得した気象データに基づいて、前記ユーザーの活動量を補正計算する、プログラム。
【請求項12】
請求項11に記載のプログラムを記録した、コンピューター読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−43061(P2013−43061A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−185067(P2011−185067)
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】