説明

流体を用いた自動平衡維持装置及び方法

【課題】本発明の課題は、流体を用いた自動平衡維持装置及び方法を提供すること。
【解決手段】本発明は、本体部を有する医療装置に備えられ、医療装置の平衡状態を維持する自動平衡維持装置であって、流体が収容される流体収容部と、流体と連動して本体部の平衡状態を感知する平衡感知部と、平衡感知部と連動し、流体収容部に収容された流体の移動を調節する流体調節部とを備える。本発明に係る流体を用いた自動平衡維持装置及び方法は、圧力差によって流体が移動し、重心を変更することによって、流体収容部を含む本体部が傾いても本体部を元の平衡状態に復帰させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体を用いた自動平衡維持装置及び方法に関するもので、より詳細には、装置が一方向に傾いたとき、迅速に重心の移動を行って、装置の倒れを防止する流体を用いた自動平衡維持装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断装置は、対象体の体表から体内の所望の部位に向けて超音波信号を照射し、反射された超音波信号(超音波エコー信号)の情報を用いて軟部組織の断層像や血流に関する情報を無侵襲で得る装置である。
【0003】
超音波診断装置は、X線診断装置、CTスキャナ(Computerized Tomography Scanner)、MRI(Magnetic Resonance Image)、核医学診断装置などの他の映像診断装置と比較して、小型である、安価である、リアルタイムで表示が可能である、X線による被曝がなくて安全性が高いなどの長所があるため、心臓、腹部、泌尿器及び産婦人科の診断に幅広く用いられている。
【0004】
上述した技術構成は、本発明の理解を促進するための背景技術であって、本発明の属する技術分野で広く知られた従来技術の全てを意味するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−172484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
超音波診断装置を含む医療装備は、その重量が25kg以上である場合、その医療装備の25%に該当する重さで押したときに倒れてはならないという規定を有する。しかし、最近はデザインのスリム化により、このような規定を充足することが容易でない。特に、超音波診断装置を含む医療装備に車輪が備えられる場合、別途に超音波診断装置を拘束する固定手段を使用することが難しいという問題がある。
【0007】
本発明は、前記のような問題を改善するためになされたもので、超音波診断装置などの装置が外力によって傾いても、重心の変更を通して装置の倒れを防止する流体を用いた自動平衡維持装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面に係る流体を用いた自動平衡維持装置は、本体部を有する医療装置に備えられ、前記医療装置の平衡状態を維持する自動平衡維持装置であって、流体が収容される流体収容部と、前記流体と連動し、前記本体部の平衡状態を感知する平衡感知部と、前記平衡感知部と連動し、前記流体収容部に収容された前記流体の移動を調節する流体調節部とを備える。
【0009】
また、前記流体収容部は、圧力差によって前記流体が移動できるように前記流体によって分離される第1の空間部及び第2の空間部を備える。
【0010】
また、前記流体調節部は、前記流体収容部と連結され、前記流体収容部内部の前記第1の空間部及び前記第2の空間部の圧力を調節する圧力調節装置を備える。
【0011】
また、前記圧力調節装置は、一方が前記第1の空間部と連通し、他方が前記第2の空間部と連通し、前記第1の空間部と前記第2の空間部内の圧力を制御する減圧部と、前記第1の空間部と連通し、前記第1の空間部を選択的に開閉することによって前記第1の空間部の圧力を調節する第1の開閉部と、前記第2の空間部と連通し、前記第2の空間部を選択的に開閉することによって前記第2の空間部の圧力を調節する第2の開閉部とを備える。
【0012】
また、前記圧力調節装置は、前記第1の空間部に備えられ、前記第1の空間部内の圧力を感知する第1の圧力感知部と、前記第2の空間部に備えられ、前記第2の空間部内の圧力を感知する第2の圧力感知部と、一方が前記第1の空間部と連通し、他方が前記第2の空間部と連通することによって、前記第1の圧力感知部及び前記第2の圧力感知部と連動し、前記第1の空間部及び前記第2の空間部のうち少なくともいずれか一つの圧力を調節する空間圧力調節部とを備える。
【0013】
また、前記流体収容部の断面形状は、U字状であることを特徴とする。
【0014】
また、前記医療装置は、超音波診断装置を含むことを特徴とする。
【0015】
本発明の他の側面に係る流体を用いた自動平衡維持方法は、前述された自動平衡維持装置を用いて前記医療装置の平衡状態を維持する流体を用いた自動平衡維持方法であって、前記流体収容部が設置された前記本体部の前記平衡状態を感知し、前記本体部が傾いた場合、前記流体収容部内の流体を圧力差を用いて移動させることによって、前記本体部を前記平衡状態に復帰させることを含む。
【0016】
また、前記本体部の元の平衡状態への復帰は、前記流体によって分離され、大気圧よりも低い気圧状態に維持されている前記流体収容部の前記第1の空間部及び前記第2の空間部のうち傾きが発生した側の空間部を開放し、前記第1の空間部及び前記第2の空間部のうち前記開放された空間部側から他の空間部側に圧力差によって前記流体を移動させ、前記流体が移動した後、前記他の空間部側を開放することによって、前記他の空間部側の圧力を前記傾きが発生した側の空間部と同一の圧力に調節し、前記第1の空間部と前記第2の空間部の圧力を前記大気圧よりも低い圧力に調節することによってなされる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る流体を用いた自動平衡維持装置及び方法を用いれば、流体の移動を通して装置の重心を変更することによって、超音波診断装置などの装置が傾いて倒れるのを防止することができる。
【0018】
また、本発明に係る流体を用いた自動平衡維持装置及び方法は、圧力差によって迅速かつ正確に流体を移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施例に係る流体を用いた自動平衡維持装置が備えられた超音波診断装置を概略的に示した図である。
【図2】本発明の第1の実施例に係る流体を用いた自動平衡維持装置を概略的に示した断面図である。
【図3】本発明の第1の実施例に係る流体を用いた自動平衡維持装置の流体調節部を概略的に示したブロック図である。
【図4】本発明の第2の実施例に係る流体を用いた自動平衡維持装置を概略的に示した断面図である。
【図5】本発明の第2の実施例に係る流体を用いた自動平衡維持装置の流体調節部を概略的に示したブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施例に係る流体を用いた自動平衡維持装置の作動フローチャートである。
【図7】図6における流体の移動を通した平衡状態維持段階を概略的に示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付の各図面を参照して、本発明に係る流体を用いた自動平衡維持装置及び方法の実施例を説明する。この過程で、図面に示されている線の太さや構成要素の大きさなどは、説明の明瞭性及び便宜上、誇張されて示される場合もある。また、後述する各用語は、本発明における機能を考慮して定義された用語であって、これらは、使用者及び運用者の意図又は慣例により変わることがある。従って、このような用語に対する定義は、本明細書の全般に渡った内容に基づいて下さなければならない。
【0021】
図1は、本発明の一実施例に係る流体を用いた自動平衡維持装置が備えられた超音波診断装置を概略的に示した図で、図2は、本発明の第1の実施例に係る流体を用いた自動平衡維持装置を概略的に示した断面図で、図3は、本発明の第1の実施例に係る流体を用いた自動平衡維持装置の流体調節部を概略的に示したブロック図である。
【0022】
図4は、本発明の第2の実施例に係る流体を用いた自動平衡維持装置を概略的に示した断面図で、図5は、本発明の第2の実施例に係る流体を用いた自動平衡維持装置の流体調節部を概略的に示したブロック図で、図6は、本発明の第1の実施例に係る流体を用いた自動平衡維持装置の作動フローチャートで、図7は、図6における流体の移動を通した平衡状態維持段階を概略的に示したフローチャートである。
【0023】
図1を参照すれば、本発明の一実施例に係る自動平衡維持装置100は、超音波診断装置1の本体部5に備えられる。超音波診断装置1の本体部5は、プローブを介して送信される超音波信号を送信集束させ、プローブを介して受信される超音波信号を受信集束させるビームフォーマ(図示せず)と、ビームフォーマから出力される信号に基づいてフレームデータを形成するデータ形成部(図示せず)と、フレームデータに基づいて対象体の2次元又は3次元映像を形成するプロセッサ(図示せず)と、データを格納する格納部(図示せず)とを備える。
【0024】
本体部5上部には、超音波診断装置1を駆動させたり、機能を選択するためのコントロールパネル7と、プローブから得られる映像情報やその他の情報を表示するためのディスプレイ部9とが備えられる。
【0025】
自動平衡維持装置100は、超音波診断装置1の本体部5の外側に設置されるか、本体部5に内蔵される。本実施例では、本体部5の下部側面と下面とを覆うように設置されている。また、この自動平衡維持装置100は、超音波診断装置1以外にも、重さの均衡を必要とする多様な医療装置(例えば、X線診断装置)やその他の装置に装着することが可能である。
【0026】
図2と図4を参照すれば、自動平衡維持装置100には、流体収容部10と、平衡感知部20及び流体調節部30が備えられる。
【0027】
流体収容部10には、本体部5の平衡状態を維持する流体40が収容される。このような流体収容部10は、図1に示すように、本体部5の外側に設置されるか内蔵される。本発明の一実施例に係る流体収容部10は、上部が離隔し、下部が連通するU字状の断面を有する。流体収容部10には流体40が収容される。このような流体40は、重力によって流体収容部10の下部に集まる。本実施例で、流体収容部10は、その内部に、流体40が移動できるように流体40によって分離される第1の空間部11及び第2の空間部12を備えている。このような第1の空間部11と第2の空間部12は、大気圧よりも低い圧力状態、例えば、真空状態を維持する。
【0028】
平衡感知部20は、流体40と連動し、本体部5の平衡状態を感知する。すなわち、本体部5が傾いて平衡状態を失うと、これと連動して流体収容部10の流体40が移動し、平衡感知部20は、このような流体40の移動を感知する。本実施例では、平衡感知部20は流体収容部10の内部に装着されている。このような平衡感知部20は、第1の空間部11と第2の空間部12に設置される。したがって、流体収容部10の傾きによって第1の空間部11又は第2の空間部12のうちいずれか一つに流体40が移動すれば、平衡感知部20は、流体40と接触し、これを感知するようになる。
【0029】
流体調節部30は、平衡感知部20と連動し、流体収容部10に収容された流体40の移動を調節する。本実施例で、流体調節部30は、流体収容部10内部の圧力を調節する圧力調節装置を備える。このような圧力調節装置は、第1の空間部11と第2の空間部12の圧力を調節し、流体40を移動させる。このようにして圧力調節装置による流体40の移動により、流体収容部10とそれを備えている本体部5が平衡を維持する。
【0030】
図2と図3を参照すれば、本発明の第1の実施例に係る流体調節部30(圧力調節装置)には、減圧部313、第1の開閉部311及び第2の開閉部312が備えられている。
【0031】
減圧部313は、一方が第1の空間部11と連通し、他方が第2の空間部12と連通することによって、第1の空間部11と第2の空間部12内の圧力を制御する。すなわち、減圧部313は、第1の空間部11と第2の空間部12の圧力が大気圧よりも低くなるように調節する。
【0032】
第1の開閉部311は、第1の空間部11と連通し、第1の空間部11を選択的に開閉することによって第1の空間部11の圧力を調節する。大気圧が第1の空間部11の圧力より高いので、第1の開閉部311が開放されれば、第1の空間部11に空気が流入し、これに連動して流体40が第2の空間部12に移動する。
【0033】
第2の開閉部312は、第2の空間部12と連通し、第2の空間部12を選択的に開閉することによって第2の空間部12の圧力を調節する。大気圧が第2の空間部11の圧力より高いので、第2の開閉部312が開放されれば、第2の空間部12に空気が流入し、これに連動して流体40が第1の空間部11に移動する。
【0034】
制御部50は、平衡感知部20と連動し、第1の開閉部311、第2の開閉部312及び減圧部313を制御する。したがって、流体収容部10が図2の右側方向に傾けば、平衡感知部20は、制御部50に流体収容部10の傾いた状態に関する情報を伝達する。制御部50は、平衡感知部20の信号を受信した後、第2の開閉部312を開放し、これに連動して外部空気が第2の空間部12に流入する。外部空気が流入すれば、第2の空間部12の圧力が第1の空間部11の圧力より高いので、圧力差によって流体40が第1の空間部11に移動する。第1の空間部11と第2の空間部12の圧力差によって流体40が第1の空間部11に移動すれば、重心が第1の空間部11側に移動し、転倒を防止することができる。流体収容部10が平衡状態になれば、制御部50は、減圧部313を制御し、第1の空間部11と第2の空間部12内の圧力を外部圧力よりも低い状態に調節する。
【0035】
一方、平衡感知部20は、流体収容部10の傾き変化を感知する。例えば、流体収容部10が平衡状態からずれて、平衡感知部20が流体40と接触する場合、流体収容部10が右側方向に傾けば流体40が第2の空間部12に移動し、第1の空間部11に位置する平衡感知部20から遠ざかる。このとき、第1の空間部11に位置する平衡感知部20が制御部50に信号を送り、制御部50は、流体収容部10が傾いていることを認知する。または、他の感知方法として、流体収容部10が平衡状態であって、平衡感知部20が流体40から離隔して第1の空間部11と第2の空間部12の上部に位置する場合、流体収容部10が右側に傾けば、流体40が第2の空間部12に位置する平衡感知部20と接触する。このとき、第2の空間部12に位置する平衡感知部20が制御部50に信号を送り、制御部50は、第2の空間部12に流体40が移動し、流体収容部10が傾いていることを認知する。
【0036】
図4と図5を参照すれば、本発明の第2の実施例に係る流体調節部30には、第1の実施例にかかる流体調節部30とは異なり、第1の圧力感知部321、第2の圧力感知部322及び空間圧力調節部323が備えられる。なお、第1の実施例と同じ構成には同じ符号を付している。
【0037】
第1の圧力感知部321は、第1の空間部11の上部(好ましくは平衡感知部20よりも上部)に備えられて第1の空間部11内の圧力を感知し、第2の圧力感知部322は、第2の空間部12の上部(好ましくは平衡感知部20よりも上部)に備えられて第2の空間部12内の圧力を感知する。
【0038】
空間圧力調節部323は、一方が第1の空間部11と連通し、他方が第2の空間部12と連通している。空間圧力調節部323は、第1の圧力感知部321及び第2の圧力感知部322と連動し、第1の空間部11及び第2の空間部12のうち少なくともいずれか一つの圧力を調節する。
【0039】
制御部50は、平衡感知部20と連動し、第1の圧力感知部321、第2の圧力感知部322及び空間圧力調節部323を制御する。
【0040】
例えば、流体収容部10が図4の右側方向に傾けば、平衡感知部20は、制御部50に流体収容部10の傾いた状態に関する情報を伝達する。このとき、流体40の移動によって第1の空間部11と第2の空間部12の圧力が異なるようになり、第1の圧力感知部321と第2の圧力感知部322は、それぞれ第1の空間部11と第2の空間部12の圧力値を制御部50に伝達する。制御部50は、受信された信号を用いて空間圧力調節部323を制御し、第2の空間部12の圧力調節を通して流体40を第1の空間部11に移動させることによって、流体収容部10の平衡を維持する。このとき、制御部50は、第1の空間部11と第2の空間部12の圧力が一致するまで空間圧力調節部323の駆動を制御する。
【0041】
次に、上述した構成を有する本発明の第1の実施例に係る流体を用いた自動平衡維持装置の自動平衡維持方法を図6を用いて説明する。
【0042】
流体収容部10は、超音波診断装置などの医療装備の本体部5に備えられ、平衡感知部20は、このような本体部5の平衡状態を感知する(S10)。すなわち、流体収容部10には平衡感知部20が装着され、流体40の移動によって本体部5の傾きの有無を感知し、これに関する情報を制御部50に伝送する。
【0043】
平衡感知部20が流体40の移動を感知すれば(S20)、制御部50は、流体調節部30を制御し、流体40を強制的に移動させる(S30)。
【0044】
移動した流体40は、流体収容部10の重心を移動させるため、最終的には傾いていた本体部5は平衡状態に復帰する。
【0045】
以下、流体調節部30を用いて平衡状態を維持する過程を図7を用いて概略的に説明する。
【0046】
まず、医療装置の本体部5が傾斜することに伴って流体収容部10が傾斜した場合、制御部50は、流体40によって分離され、大気圧よりも低い気圧状態に維持されている流体収容部10の第1の空間部11及び第2の空間部12のうち傾きが発生した側の空間部を開放する(S31)。
【0047】
すなわち、流体収容部10が右側に傾くと、制御部50は、第2の開閉部312を開放し、外部空気を第2の空間部12に流入させる。第1の空間部11と第2の空間部12は、大気圧よりも低い真空状態を維持しているため、外部空気の流入によって第2の空間部12の圧力が第1の空間部11の圧力よりも高くなる。
【0048】
第1の空間部11と第2の空間部12の圧力差によって、流体40は、圧力が相対的に低い第1の空間部11に移動する(S32)。
【0049】
圧力差による流体40の移動は、流体収容部10を含む本体部5の重心を変更し、傾いた本体部5を元の状態に復帰させる。
【0050】
第1の空間部11に流体40が移動し、流体収容部10が平衡状態に復帰すれば、制御部50は、次に第1の開閉部311を開放する(S33)。そうすれば、第1の空間部11と第2の空間部12に外部空気が流入し、第1の空間部11と第2の空間部12の圧力が同一になる。
【0051】
制御部50は、別途の圧力感知部を用いて第1の空間部11と第2の空間部12の圧力が同一であるかどうかを感知してもよい。または、制御部50は、大気圧によって第1の空間部11と第2の空間部12が同一の圧力になるまで少し時間がかかるように待機時間を設けても良い。
【0052】
第1の空間部11と第2の空間部12の圧力が同一であれば、第1の空間部11と第2の空間部12から空気を抜いて圧力を下げる(S34)。
【0053】
制御部50は、減圧部313を制御し、第1の空間部11と第2の空間部12の空気を排出することによって、第1の空間部11と第2の空間部12を大気圧よりも低い圧力に維持する。
【0054】
本発明は、図面に示した実施例を参考にして説明したが、これは例示的なものに過ぎず、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば、これから多様な変形及び均等な他の実施例が考案可能であることを理解できるであろう。また、本実施例では、超音波診断装置を例に挙げて説明したが、超音波診断装置のみならず、他の医療装備などの装置にも本発明が適用可能であり、多様な変形実施が可能である。
【0055】
したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、下記の特許請求の範囲によって定められなければならない。
【符号の説明】
【0056】
1:超音波診断装置、5:本体部、7;コントロールパネル、9;ディスプレイ部、10:流体収容部、11:第1の空間部、12:第2の空間部、20:平衡感知部、30:流体調節部、40:流体、50:制御部、311:第1の開閉部、312:第2の開閉部、313:減圧部、321:第1の圧力感知部、322:第2の圧力感知部、323:空間圧力調節部、100:自動平衡維持装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部を有する医療装置に備えられ、前記医療装置の平衡状態を維持する流体を用いた自動平衡維持装置であって、
流体が収容される流体収容部と、
前記流体と連動し、前記本体部の平衡状態を感知する平衡感知部と、
前記平衡感知部と連動し、前記流体収容部に収容された前記流体の移動を調節する流体調節部と、を備えることを特徴とする流体を用いた自動平衡維持装置。
【請求項2】
前記流体収容部は、
圧力差によって前記流体が移動できるように前記流体によって分離される第1の空間部及び第2の空間部を備えることを特徴とする、請求項1に記載の流体を用いた自動平衡維持装置。
【請求項3】
前記流体調節部は、
前記流体収容部と連結され、前記流体収容部内部の前記第1の空間部および前記第2の空間部の圧力を調節する圧力調節装置を備えることを特徴とする、請求項2に記載の流体を用いた自動平衡維持装置。
【請求項4】
前記圧力調節装置は、
一方が前記第1の空間部と連通し、他方が前記第2の空間部と連通することによって、前記第1の空間部と前記第2の空間部内の圧力を制御する減圧部と、
前記第1の空間部と連通し、前記第1の空間部を選択的に開閉することによって前記第1の空間部の圧力を調節する第1の開閉部と、
前記第2の空間部と連通し、前記第2の空間部を選択的に開閉することによって前記第2の空間部の圧力を調節する第2の開閉部と、を備えることを特徴とする、請求項3に記載の流体を用いた自動平衡維持装置。
【請求項5】
前記圧力調節装置は、
前記第1の空間部に備えられ、前記第1の空間部内の圧力を感知する第1の圧力感知部と、
前記第2の空間部に備えられ、前記第2の空間部内の圧力を感知する第2の圧力感知部と、
一方が前記第1の空間部と連通し、他方が前記第2の空間部と連通することによって、前記第1の圧力感知部及び前記第2の圧力感知部と連動し、前記第1の空間部及び前記第2の空間部のうち少なくともいずれか一つの圧力を調節する空間圧力調節部と、を備えることを特徴とする、請求項3に記載の流体を用いた自動平衡維持装置。
【請求項6】
前記流体収容部の断面形状は、U字状であることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の流体を用いた自動平衡維持装置。
【請求項7】
前記医療装置は、超音波診断装置を含むことを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の流体を用いた自動平衡維持装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の自動平衡維持装置を用いて前記医療装置の平衡状態を維持する流体を用いた自動平衡維持方法であって、
前記流体収容部が設置された前記本体部の前記平衡状態を感知し、
前記本体部が傾いた場合、前記流体収容部内の前記流体を圧力差を用いて移動させることによって、前記本体部を前記平衡状態に復帰させることを含むことを特徴とする流体を用いた自動平衡維持方法。
【請求項9】
前記本体部を前記平衡状態に復帰させるため、
前記流体によって分離され、大気圧よりも低い気圧状態にある前記流体収容部の前記第1の空間部及び前記第2の空間部のうち、傾きが発生した側の空間部を開放し、
前記第1の空間部及び前記第2の空間部のうち、前記開放された空間部側から他の空間部側に圧力差によって前記流体を移動させ、
前記流体が移動した後、前記他の空間部側を開放することによって、前記他の空間部側の圧力を前記傾きが発生した側の空間部と同一の圧力に調節し、
前記第1の空間部と前記第2の空間部の圧力を前記大気圧よりも低い圧力に調節することを含むことを特徴とする、請求項8に記載の流体を用いた自動平衡維持方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−240141(P2011−240141A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−109804(P2011−109804)
【出願日】平成23年5月16日(2011.5.16)
【出願人】(597096909)三星メディソン株式会社 (269)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG MEDISON CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】114 Yangdukwon−ri,Nam−myun,Hongchun−gun,Kangwon−do 250−870,Republic of Korea
【Fターム(参考)】