説明

流体ディスペンサ部材

流体貯蔵器(50)と組み合わされるよう設計された流体ディスペンサ部材であって、内部で流体が圧力を受けることになるチャンバ(1)であって、入口弁(161,38)と出口とを備えた前記チャンバと、投与開口部(25)と、主シリンダ(242)の内部と耐漏洩スライド接触しており、チャンバの容積を変化させる主ピストン(133)と、駆動されることで、主ピストンと主シリンダとの間に相対的な移動を生じさせるプッシャ(20)と、そして、プッシャの内部と耐漏洩スライド接触しており、チャンバの出口を選択的に開く差動ピストン(31,32,33)と、を有し、特徴となるのは、プッシャ内での差動ピストンのストロークを制限するストローク制限手段(28,39)を更に有し、前記ストローク制限手段はプッシャと差動ピストンとの間に設けられている点である、という前記流体ディスペンサ部材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的な設計として流体貯蔵器と組み合わされ、それと共に流体ディスペンサを構成する、という流体ディスペンサ部材に関する。これは、通常ユーザが指を使って手動で駆動する型のディスペンサ部材である。流体は細かい液滴の噴霧流、連続した細流、または、流体のかたまり(特に化粧クリームなどの粘性のある流体の場合)の形で投与される。こうした流体ディスペンサ部材は、特に、香水、化粧品、とりわけ薬剤の分野で用いられ、様々に粘性の異なる流体を投与することができる。
【背景技術】
【0002】
さらに具体的に言えば、本発明は、「プッシャポンプ」として言及される種類のディスペンサ部材に関する。ただし、それに限定されるわけではない。上の名称は、ディスペンサ部材が有するプッシャが、投与開口部を形成しているだけでなく、内部で流体が選択的に圧力をかけられる流体チャンバの一部を形作ってもいる、という事実によって説明することができる。ディスペンサ部材がポンプである場合、そのチャンバはポンプチャンバとなる。こうしたプッシャポンプの特殊性は以下の事実に存する。すなわち、プッシャの内表面(当該表面の全体的な形状は実質的に円筒形である)がピストンのための耐漏洩スライドシリンダとして働き、当該ピストンは、前記シリンダ内部に耐漏洩接触する状態で移動し、それによって選択的に投与開口部が開く、という事実である。通常、ここでのピストンは、チャンバ内にある流体の圧力変化に応じて移動する差動型のピストンである。差動ピストンは、プッシャの駆動によって移動させられる主ピストンとは区別すべきである。つまり、こうしたプッシャポンプは、差動ピストンと主ピストンとを含み、それらピストンは、それぞれのシリンダの中を耐漏洩接触した状態で移動することができる。主ピストンのための主シリンダについても、プッシャによって形成することができる。
【0003】
こうしたことは特に、特許文書:WO 97/23304号に記述されたポンプに当てはまる。プッシャはプッシュ壁を有し、このプッシュ壁には、プッシャ駆動の目的で指を使って圧力が加えられる。さらに、プッシャはプッシュ壁から下に延びたスカートを有している。前記スカートは、差動ピストンとのための第1の耐漏洩スライドシリンダとポンプの主ピストンのための第2の主シリンダとを形成している。差動ピストンは主ピストンから分離されている。差動ピストンはスプリングによって、プッシュ壁から遠ざけられる方向に押されるが、当該スプリングは、戻しスプリングと事前圧縮スプリングとの両方の働きをする。差動ピストンのためのスライドシリンダは出口ダクトを備えており、当該ダクトは、プッシャのスカートに形成されたリセスに収容されたノズルに通じる。ノズルには投与開口部が形成されており、流体はここを通ってディスペンサ部材から放出される。加えて、スカートに形成されたリセスは渦システムを備えている。当該システムは、ノズルと協働することで、投与開口部を通って放出される前の段階で渦運動の中にある流体を流す。渦システムは、従来通りの形で、1つまたは複数の接した渦チャネルから作られており、当該チャネルは渦チャンバの中に開き、当該チャンバは投与開口部に正確に中心が来る。渦システムは、スカート内部のリセスとなる凹形ネットワークの形をとる。凹形ネットワークは、そうして、別個のノズルと組み合わされる(当該ノズルは渦チャネルとチャンバとを隔てることになる)。このように、差動ピストンのスライドシリンダは、出口チャンネルだけで中断される円筒面の形である。プッシャが押されると、主ピストンはプッシャの主シリンダの内側で上昇し、それによって差動ピストンは、差動シリンダ内部を耐漏洩様態でスライドする形で移動させられる。その結果としてスプリングは圧縮される。そうすると、差動ピストンは、プッシャのプッシュ壁に向かって上方向に移動する。差動ピストンの能動密封リップ(当該リップは直接的に流体と接触する)は、シリンダのうち出口チャネルより下に位置する下側部分の中でスライドする。差動ピストンが出口ダクトに達すると直ちに、チャンバ内で圧力を受けている流体は、前記ダクトを通ってチャンバから送り出されてノズルに達する。そして、そこで渦を巻く状態となってから、投与開口部経由で放出される。
【0004】
特許文書:WO 97/23304号におけるポンプは、5つの基本的な構成部材(すなわち、流体貯蔵器と組み合わされるように設計された本体、プッシャ、入口弁部材を形成するボール、差動ピストン、そしてノズル)から成っている。本体には主ピストンが形成されている。
先行技術の文書では、差動ピストンは、戻し兼事前圧縮スプリングによって本体に押しつけられ、それにより、差動ピストンに関して休止接触(rest abutment)が形成される。チャンバ内で圧力が上昇すると、差動ピストンは本体上の接触接点を去り、投与壁に向かって上方向に移動することで、ノズルに至る出口ダクトの口を開ける。従って、差動ピストンの休止位置は直接的に本体に依存している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、差動ピストンの移動が全く本体からの影響を受けない、というディスペンサ部材を規定することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的達成のために本発明が提供するのは、流体貯蔵器と組み合わされるよう設計された流体ディスペンサ部材であって、内部で流体が圧力を受けることになるチャンバであって、入口弁と出口とを備えた前記チャンバと、投与開口部と、主シリンダの内部と耐漏洩スライド接触しており、チャンバの容積を変化させる主ピストンと、駆動されることで、主ピストンと主シリンダとの間に相対的な移動を生じさせるプッシャと、そして、プッシャの内部と耐漏洩スライド接触しており、チャンバの出口を選択的に開く差動ピストンと、を有し、特徴となるのは、 プッシャ内での差動ピストンのストロークを制限するストローク制限手段を更に有し、前記ストローク制限手段はプッシャと差動ピストンとの間に設けられている点である、という前記流体ディスペンサ部材である。
【発明の効果】
【0007】
従って、差動ピストンのプッシャへの接続は、その移動がプッシャとの相互作用にのみ依存し、もはや本体とのそれには依存しない、という形になっている。こうして、プッシャと差動ピストンとは一緒になって独立した実体を構成し、単一の操作で本体上に取り付けが可能である。上記の先行技術文献での差動ピストンは、実際にはプッシャや本体に依存はしておらず、そのため、ポンプの組み立ては比較的複雑である。プッシャの内部に差動ピストンを格納した状態では、ディスペンサ部材の組み立ては、はるかに簡単である。
【0008】
また、効果的な実施の形態では、プッシャは、押さえることでプッシャを駆動軸に沿って駆動することができるプッシュ壁と、実質的に円筒形の周縁スカートとを有し、差動ピストンは、スカートの内側表面によって形成されたスライドシリンダと耐漏洩スライド接触の状態にあること、とする。また、ストローク制限手段は、プッシュ壁に形成された保持部材と、差動ピストンに形成された留め部材とを有し、前記留め部材が保持部材と契合状態となることで、差動ピストンの軸方向の移動範囲を高接触位置と低接触位置との間の限られたストロークにすることが可能になる、とするのが効果的である。また、保持部材は少なくとも1つの保持プロフィールを備えており、留め部材は少なくとも1つの留めヘッドを備えており、当該ヘッドは、低接触位置で前記少なくとも1つの保持プロフィールと契合状態となるのに適している、とするのが効果的である。また、プッシュ壁は、プッシュ外表面と内表面と有しており、留め部材は上側で前記内表面に対して接触状態となる、とするのが効果的である。
【0009】
これにより、ストローク制限手段は、差動ピストンとプッシャとにより、プッシュ壁の位置で形成される。
また、効果的な実施の形態では、差動ピストンは、スカートのシリンダと耐漏洩密封接触する密封リップが少なくとも1つ形成された外周縁部が形作られたディスクを有しており、留め部材はディスクからプッシュ壁の方向へ延びていること、とする。また、差動ピストンは軸方向ロッドを有し、当該ロッドは弁シートと協働して両者で前記入口弁を形成すること、とするのが効果的である。
【0010】
また、本発明の別の側面として、差動ピストンは、プッシャと一体の形で形成されたスプリング手段によって押されること、とする。また、スプリング手段は弾性変形可能なタブで成ること、とするのが効果的である。
また、本発明の別の側面として、ディスペンサ部材は、プッシャを休止位置に押し入れる戻しスプリングを有し、前記スプリングがプッシャと一体の形で形成されていること、とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明については、これ以降の部分で、非限定的な例としての本発明の実施の形態を示す添付の図面を参照しながら、より詳しく説明する。
図1、2に示す本発明のディスペンサ部材の実施の形態は、容器50に組み合わせた形で示してあり、当該容器には、ネック53の形で開口部が形作られており、当該ネックは効果的な構成として、外側の面に固定用プロフィールを有している。容器50は、その内部に流体貯蔵器5を形作っている。
【0012】
ディスペンサ部材は、3つの構成部材(すなわち、本体10、プッシャ20、ピストン部材30)から成る。3つの部品は全て、射出成形によってプラスチック素材から製造することができる。
本体10は、容器50のネック53と協働する固定リング11を有する。より厳密に言えば、リング11はネック53を囲む形で契合状態となる。本体10にはまた、ネック53の内壁と密封接触する自己密封式リップ12を設けることもできる。ガイドバンド14は、固定リング11と一直線上に延びる形とすることができる。その頂上側端部に、リング14は、内向きに延びたリム141を備えているが、その機能については下で述べる。本体10にはまた、ブッシング13が設けられているが、これは、ガイドバンド14の内部で、両者の中心が一致する形に延びている。これにより、バンド14とブッシング13との間には環状のスペースが作られる。ブッシング13の上側端部には、密封リップの形で主ピストン133が形成されている。本体10にはさらに入口スリーブ16が設けられており、これは、ブッシング13の内部で、両者の中心が一致する形に延びている。スリーブ16の上側端部には、弁プロフィールまたは弁シート161が形成されている。加えて、本体10に一体化された形で、容器50内部に延びるディップチューブ15が形成されている。ディップチューブの内部には入口ダクト18が形作られ、当該ダクトは入口スリーブ16の中にまで延びている。
【0013】
プッシャ20は、プッシュ壁21と周縁スカート22とを有する。スカート22は、その外周縁部でプッシュ壁20につながっている。プッシュ壁21は、プッシュ外表面211と内表面212とを有している。プッシュ壁21とスカート22とは、全体的な形状がさかさまのカップの形となっており、カップの端壁がプッシュ壁21によって形成され、筒状の側壁がスカート22によって形成された形となっている。プッシュ壁21は、内表面212から延びた弾性変形可能なタブまたはブレード27の形でスプリング手段を備えている。加えて、プッシュ壁21には、内表面212から延びる形で保持部材28も設けられている。保持部材28は、内表面212に面した保持エッジを有した保持プロフィール281を少なくとも1つ備えている。実際の形としては、保持部材は、プッシュ壁21から下に延びたコラムの外側に形成された形で、複数の保持プロフィールを備える構成とすることができる。
【0014】
スカート22は、投与壁23とガイド壁24とを備えている。
投与壁23は、その上側端部を介してプッシュ壁21の外周部につながっている。ガイド壁24は、その上側端部を介して投与壁23の下側端部につながっている。投与壁23は外表面と内表面232とを備えている。内表面は少なくとも一部が円筒形となって、耐漏洩スライドシリンダを構成している。内壁232は、効果的な構成として、円筒面232に凹形のネットワークを形成した渦システム26を備えている。この渦システムは、1以上の渦チャネルと渦チャンバとから成る。さらに、投与壁23は、壁を貫通して内表面から外表面まで達する投与開口部を備えている。投与開口部25は、渦システム26に関して中心に置かれている。
【0015】
ガイド壁24は、ガイドバンド14とブッシング13との間に形成された環状のスペースに嵌め込まれている。ガイド壁には肩241が形成されており、当該肩は、バンド14の内向きに延びたリム141の下側に接する形で働く。効果的な構成として、ガイド壁24の内表面242は主シリンダを形成しており、当該シリンダの内部で、主ピストン133は耐漏洩接触の状態で移動することができる。ガイド壁24はスプリング40によって押され、当該スプリングは肩241を内向きに延びたリム141に押しつける。スプリング40は、効果的な構成として、プッシャと一体の形でガイド壁24と一直線に並ぶ形に作ることができる。こうした構成により、主ピストン133は、プッシャの内部(より厳密に言えば、内部に主シリンダ242を形成するガイド壁24内部)でスライド移動することができる。
【0016】
本例では、ピストン部材30は、移動する入口弁部材と組み合わされる差動ピストンを形成している。ピストン部材30はディスク31を有し、当該ディスクの外周縁部には、2つの密封リップ32、33が形成されている。ディスク31とその2つのリップとは一緒になって差動ピストンを形成する。図1に示す休止位置で、上側リップ32は渦システムより上に位置しているのに対し、下側リップ33は渦システムの下に位置している。このため、渦システムがプッシャの内部と通じることはありえない。加えて、ディスク31には、プッシュ壁に形成された弾性変形可能タブ27の自由端を収容する働きをする環状リセス311が形成されている。さらに、ピストン部材30には留め部材39が形成されており、当該部材39はディスク31からプッシュ壁21の方に延びている。前記留め部材39は留めヘッド392を備えており、当該ヘッドはタブ391の端部に位置している。留めヘッド392は、保持部材28に形成された保持プロフィール281と内部壁212との間に嵌まっている。こうした構成なので、ヘッドは保持プロフィールとプッシュ壁の内側面との間の限られたストロークにわたってのみ移動することが可能である。しかし、弾性変形可能なタブ27がピストン部材30をプッシュ壁21から遠ざける方向に押すと、留めヘッド392は保持プロフィール281と契合する状態にされる。また、弾性変形可能タブ27を曲げることによって、留めヘッド392を内表面212に接触させることができる。こうして、留め部材と協働する保持部材によって構成される形で、ストローク制限手段が存在している。
【0017】
このように、ピストン部材30はプッシャの中に閉じ込められた状態でありながら、限られたストロークにわたって軸方向に移動が可能である。しかし、弾性変形可能タブ27はピストン部材を休止位置に押し込み、当該位置で、留めヘッドは保持プロフィールと契合状態となる。加えて、密封リップ32、33が渦システムの両側に置かれ、それを周囲から隔てている。これは図1に示す休止位置に対応している。
【0018】
加えて、ピストン部材30にはさらに、下側端部に入口弁プロフィール38を有した軸方向中心ロッド37が形成されており、当該プロフィールは、スリーブ16内部の対応するプロフィール161と協働することにより、両者で入口弁を形成している。休止位置では入口弁は開いている。
こうして、本体、プッシャ、そしてピストン部材の間にポンプチャンバ1が作られる。ポンプチャンバ1は下側リップ33によって外部から隔てられているが、開いた入口弁を介して貯蔵器とは連絡している。
【0019】
図1に示す休止位置から始めて、プッシュ壁21のプッシュ外表面211に圧力を加えることが可能である。そうすると、プッシャとピストン部材とが本体に対して移動することになる。第1段階では入口弁が閉じられるが、それは、軸方向ロッド37がスリーブ16内により深く進入することで、スライド耐漏洩接触状態を実現することによる。その段階では、ポンプチャンバ1は外部から隔てられている。その後、ポンプチャンバ内の流体が受ける圧力が大きくなり、それによって、ピストン部材30は、弾性タブ27から加わるプリング力に逆らう形で、プッシュ壁21の方へ移動させられる。そうして、下側リップ33は上方向に移動し、最終的には渦システム26に達する。そこで、流体は、渦システムを通り、さらに投与開口部を抜ける出口通路を見出す。この駆動位置を図2に示す。この位置に達するためには、ポンプチャンバ内の圧力が弾性変形可能タブ27の剛性よりも大きくなることが必要である。つまり、当該タブは事前圧縮スプリングとして作用する。ピストン部材30は、留めヘッド392が内表面212に接する状態になるまで、プッシュ壁21の方向に移動することが可能である。この位置は図2に示してあるが、差動ピストンの下側密封リップ33は渦システムの位置にある。チャンバ内の圧力が再降下すると直ちに、ピストン部材30は、再び、弾性タブ27からの駆動力を受けてプッシュ壁21から遠ざかる方向に移動することが可能となる。最終的には、ピストン部材30は図1に示す休止位置に戻る。
【0020】
図3、4に示す第2の実施の形態では、容器50、本体10、そしてピストン部材30は、図1、2におけるものと同一とすることができる。プッシャ20は、投与壁23とガイド壁24とを有し、壁24は主ピストン133のための主シリンダを内部に形成している。プッシュ壁21にはまた、弾性変形可能タブ27と保持部材28とが形成されている。プッシャ20の内側でのピストン部材の移動は、図1、2における実施の形態のそれと同一とすることができる。しかし、投与壁23の内部面は、渦システムを伴う形では形成されておらず、直通ダクト25だけを有し、投与開口部は形成されていない。また、ここでのプッシャ20は、プッシュ壁21と駆動壁23とを覆うキャップ60と組み合わされている。一例として、プッシャはキャップの中に力嵌めすることができる。キャップ60は外周縁リング63を有し、中心が一致する状態で投与壁23を囲む形に延びており、それとクランプ接触した状態となっている。リング63は投与開口部65を備える形で形成されている。さらに、投与壁23の外表面は、投与開口部65上に中心がくる状態で渦システム26を備える、という形で形成されている。
【0021】
ピストン部材30はプッシャの中に閉じ込められた状態でありながら、軸方向移動に関しては、限られた範囲で自由を与えられている。また、事前圧縮スプリングがプッシャと一体化された形で形成されている点にも注目すべきである。加えて、ピストン部材を閉じ込めること、および、その移動を制限することは、完全にプッシャおよびピストン部材によって達成されるものであり、追加の部品は必要ない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】ディスペンサ部材の第1の実施の形態を、休止状態において、流体貯蔵器(一部分のみ示す)と組み合わされた形で示す縦断面図である。
【図2】図1と同様の図であり、駆動位置における図である。
【図3】本発明の別の実施の形態を休止位置において示す、図1、2と同様の縦断面図である。
【図4】図3と同様の図であり、駆動位置における図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体貯蔵器(50)と組み合わされるよう設計された流体ディスペンサ部材であって、
内部で流体が圧力を受けることになるチャンバ(1)であって、入口弁(161,38)と出口とを備えた前記チャンバと、
投与開口部(25)と、
主シリンダ(242)の内部と耐漏洩スライド接触しており、チャンバの容積を変化させる主ピストン(133)と、
駆動されることで、主ピストンと主シリンダとの間に相対的な移動を生じさせるプッシャ(20)と、そして、
プッシャの内部と耐漏洩スライド接触しており、チャンバの出口を選択的に開く差動ピストン(31,32,33)と、を有し、
特徴となるのは、
プッシャ内での差動ピストンのストロークを制限するストローク制限手段(28,39)を更に有し、前記ストローク制限手段はプッシャと差動ピストンとの間に設けられている点である、
という前記流体ディスペンサ部材。
【請求項2】
プッシャは、押さえることでプッシャを駆動軸(X)に沿って駆動することができるプッシュ壁(21)と、実質的に円筒形の周縁スカート(22)とを有し、差動ピストンは、スカートの内側表面(232)によって形成されたスライドシリンダと耐漏洩スライド接触の状態にあること、
を特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ部材。
【請求項3】
ストローク制限手段は、プッシュ壁に形成された保持部材(28)と、差動ピストンに形成された留め部材(39)とを有し、前記留め部材が保持部材と契合状態となることで、差動ピストンの軸方向の移動範囲を高接触位置と低接触位置との間の限られたストロークにすることが可能になること、
を特徴とする請求項2に記載の流体ディスペンサ部材。
【請求項4】
保持部材(28)は少なくとも1つの保持プロフィール(281)を備えており、留め部材(39)は少なくとも1つの留めヘッド(392)を備えており、当該ヘッドは、低接触位置で前記少なくとも1つの保持プロフィールと契合状態となるのに適していること、
を特徴とする請求項3に記載の流体ディスペンサ部材。
【請求項5】
プッシュ壁は、プッシュ外表面(211)と内表面(212)と有しており、留め部材(39)は上側で前記内表面に対して接触状態となること、
を特徴とする請求項3または4に記載の流体ディスペンサ部材。
【請求項6】
差動ピストンは、スカートのシリンダと耐漏洩密封接触する密封リップ(32,33)が少なくとも1つ形成された外周縁部が形作られたディスク(31)を有しており、留め部材はディスクからプッシュ壁の方向へ延びていること、
を特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の流体ディスペンサ部材。
【請求項7】
差動ピストンは軸方向ロッド(37)を有し、当該ロッドは弁シート(161)と協働して両者で前記入口弁を形成すること、
を特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の流体ディスペンサ部材。
【請求項8】
差動ピストンは、プッシャと一体の形で形成されたスプリング手段(27)によって押されること、
を特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の流体ディスペンサ部材。
【請求項9】
スプリング手段は弾性変形可能なタブ(27)で成ること、
を特徴とする請求項8に記載の流体ディスペンサ部材。
【請求項10】
プッシャを休止位置に押し入れる戻しスプリング(244)を有し、前記スプリングがプッシャと一体の形で形成されていること、
を特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の流体ディスペンサ部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−515285(P2007−515285A)
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−546277(P2006−546277)
【出願日】平成16年12月20日(2004.12.20)
【国際出願番号】PCT/FR2004/050727
【国際公開番号】WO2005/063404
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(502343252)バルワー エス.アー.エス. (144)