説明

流体バリアを作るための方法及び連結部

【課題】食品包装機の充填システムと製品供給パイプラインの間の連結部内に一時的な流体バリアを作る方法を提供すること。
【解決手段】連結部10は、入口部16a及び製品部16bを有するチャンバ16を備え、入口部16aは空気供給部及び蒸気供給部を備える流体システムに連結された入口18を有し、製品部16bは製品供給パイプライン14に連結される入口20及び充填システム12に連結される出口22を有する。蒸気供給部は殺菌状態で使用され、空気供給部は冷却状態及び製造状態で使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品包装機の充填システムと製品供給パイプラインの間の連結部に流体バリア(障壁)を作るための方法及び流体システムに関する。
【背景技術】
【0002】
製品、例えば飲料などの液体食品を包装する食品包装機は、食品加工システムに連結される製品充填システムを備える。例えば、乳製品工場には、乳製品を低温殺菌する加工システムがある。前記加工システムは普通、製造ライン内で1つ又はいくつかの包装機の充填システムに連結された製品供給パイプラインの形をした出口を有する。
【0003】
所望の衛生状態を維持するため、いくつかの方法の包装機の洗浄加工システム及び充填システムがある。1つの従来の洗浄加工は、洗浄する部品を通して適切な流れ及び温度で洗剤溶液を循環させることにより行われる。この目的で、包装機の充填システム及び加工システムの製品供給パイプラインは、洗浄システムを備えている。
【0004】
洗浄システムは、洗剤溶液を調合し、作動温度にし、洗浄する部品を通して循環させる装置を備えている。この装置及び洗剤溶液は両方とも市販されているので、本明細書では詳しくは説明しない。
【0005】
製品供給パイプラインが空で、ライン内の包装機が作動していない場合、包装機の充填システム全て及び加工システムの少なくとも製品供給パイプラインを、同時に洗浄することができる。しかし、本明細書では、ライン内の包装機の残りが動作し、製品供給パイプラインが充填された状態で、包装機の充填システムを中間で洗浄したい場合を中心に説明する。このような場合、洗剤溶液が製品供給パイプライン内で製品と接触しないことを保証できることが望ましい。この理由から、製品供給パイプラインと包装機の充填システムの間に連結部が設けられ、この連結部は弁を有するチャンバ(部屋)を備えている。チャンバはまた、蒸気供給システムに連結され、このシステムは弁と共に、充填システムと製品供給パイプラインの間に蒸気バリアを作り出すことができる。多くの国で、政府規制によりこのような蒸気バリアが必要である。また、例えば製造を再開する前にシステムに洗剤残留物がないことを保証するため、上述の洗剤溶液での蒸気中間洗浄プロセスの後に、蒸気は普通、殺菌の目的で使用される。しかし、連結部内で蒸気を使用する間に、いくつかの部品が加熱され、ある状況ではこれらの加熱された部品が、製造の再開時に製品を加熱する恐れがある。これにより、外気流通用の衛生状態において食品を包装する際にどんな問題も生じない。しかし、例えば冷蔵流通用の低温殺菌製品などのいくつかの製品は、熱に敏感である。現時点で、低温殺菌製品を6℃よりも高く加熱することは避けるべきであるという、政府規制がある。したがって、例えば低温殺菌製品などの熱に敏感な製品を取り扱う、包装機の充填システム内で実施される中間洗浄及び殺菌プロセスは現時点では、ある場合には、製品の望ましくない加熱に対して安全域が不十分な設計である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、包装機の部品及び製品供給パイプラインを加熱することにより製品が加熱される危険を最小限に抑え、さらに製品供給パイプラインと充填システムの間の安全バリアを保証して、洗剤溶液が製品に接触する危険を無くすことができる、包装機の充填システムを中間で洗浄し殺菌する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、食品包装機の充填システムと製品供給パイプラインの間の連結部に流体バリアを作る方法によって達成され、この連結部は入口部及び製品部を有するチャンバを備え、入口部は空気供給部及び蒸気供給部を備える流体システムに連結された入口を有し、製品部は製品供給パイプラインに連結された入口及び充填システムに連結された出口を有する。連結部はさらに第1の弁を備え、この弁は製品供給パイプラインとチャンバの間の流体連結を可能にする製造位置と、製品供給パイプラインとチャンバの間の流体連結を防止する洗浄位置の間で移動可能である。連結部はさらに第2の弁を備え、この弁は入口部と製品部の間の流体連結を防止する製造位置と、製品部と包装機の充填システムへの出口の間の流体連結を防止する洗浄位置の間で移動可能である。この方法は、蒸気供給部がチャンバと流体連結する殺菌状態を提供する段階であって、第1の弁は洗浄位置にあり、第2の弁は洗浄位置にあり、それによって製品供給パイプラインと包装機の充填システムの間に蒸気バリアが得られる段階と、空気供給部がチャンバに流体連結する冷却状態を提供する段階であって、第1の弁は洗浄位置にあり、それによって製品供給パイプラインと包装機の充填システムの間に空気バリアが得られる段階と、空気供給部がチャンバと流体連結する製造状態を提供する段階であって、第1の弁は製造位置にあり、第2の弁は製造位置にある段階とを含んでいる。このように、通常の中間洗浄を、製品供給パイプラインと充填システムの間の蒸気バリアを使用して、充填システム内で行うことができる。さらに、蒸気を使用した殺菌の後に洗浄手順を行うことができる。製造を再開する前に、弁を備える連結部を、冷却状態で空気、好ましくは殺菌空気によって冷却し、それによって連結部に供給されたときに製品は加熱される恐れがないことが確実に保証される。さらに、製造中に蒸気ではなく殺菌空気が連結部チャンバの入口部に提供されるので、連結部及び充填システムは加熱されない。したがって、ある理由により包装機の動作を一時的に停止させる必要がある場合、停止中に製品が加熱される恐れがなく、それによって事前に洗浄停止する又は製品が流出することなく製造を再開することができる。
【0008】
特許請求の範囲の従属項には、現時点で好ましい実施例が記載されている。第1の実施例では、この方法は冷却状態において、第2の弁を洗浄位置に設ける段階を含んでいる。このように、チャンバ全体が空気供給部と連通することができ、それによってチャンバ及び弁が効率的に冷却される。
【0009】
好ましくは、この方法は、冷却状態において、洗浄位置と製造位置の間の位置に第2の弁を設ける段階を含む。このように、空気流が充填システムを通過することができ、またそれによってチャンバ、弁、及び充填システムを効率的に冷却することができる。
【0010】
別の実施例では、この方法は、入口部に出口を設け、それによって蒸気流を殺菌状態で流体システム及びチャンバを通して得ることができ、空気流を冷却状態で少なくとも流体システム及びチャンバを通して得ることができる段階を含んでいる。蒸気流は、製品供給パイプラインと包装機の充填システムの間にバリアを効果的に形成して、包装機の充填システムの洗浄中に洗剤溶液が製品供給パイプラインに到達しないことを確実に保証する。蒸気バリアはまた、第2の弁に力を加えて、洗浄位置に保持するのを助ける。さらに、温度が十分である場合、流体システム及びチャンバの内部を殺菌するため、蒸気流を殺菌媒体として使用することができる。前に説明したように、本発明による方法は、製造を開始する前に洗浄及び殺菌後に冷却を行うことができる。空気流、好ましくは殺菌空気を使用して、第1及び第2の弁とチャンバを効果的に冷却し、それによって製造中に連結部を通って充填システムまで通過する製品が加熱される危険を最小限に抑えることができる。
【0011】
この方法は、所望量の空気を流体システム及び入口部内に保持するため、製造状態で出口を閉じる段階を含むことが有利である。製造中、蒸気の代わりに空気、好ましくは殺菌空気が流体システム及びチャンバの入口部にあるので、製造中に熱が製品に伝達されない。前に説明したように、これは包装機を例えば、製造中に短時間停止させる必要がある場合に有利である。また、費用の問題もある。殺菌空気を流すよりも、ある量の殺菌空気をシステム内に保持するのはより安価である。
【0012】
この方法は、出口に弁を設ける段階を含むことが好ましい。出口に従来の弁を設けることは、一定の空気流を提供する代わりに、ある量の空気をシステム内に保持する簡単かつ安価な方法である。
【0013】
別の実施例では、この方法は出口に蒸気トラップ(捕集具)を設ける段階を含む。このように、システム内に堆積する濃縮液を簡単かつ安価な方法で抜くことができ、それによって新しい蒸気をシステムに供給することができる。
【0014】
本発明はまた、包装機の充填システムと製品供給パイプラインの間の連結部内に流体バリアを作るための流体システムに関する。このシステムは、空気供給弁に連結され、その後空気フィルタの第1の側部に連結される空気供給部を備えた空気配管であって、空気フィルタの第2の側部は連結部に連結される空気配管と、蒸気供給弁に連結され、その後連結部に連結される蒸気供給部を備えた蒸気配管とを備える。このように、連結部に蒸気を供給するのと空気を供給するのを容易に切り替えることが可能である。さらに、所望の殺菌レベルを得るのに十分な温度の蒸気を使用する場合、蒸気を使用して、空気フィルタを容易に殺菌することができる。
【0015】
流体システムの好ましい実施例では、殺菌状態において、蒸気供給弁は開かれ、空気供給弁は閉じられ、それによって蒸気は蒸気配管を通って連結部及び空気フィルタに流れることができる。前に説明したように、蒸気を使用してフィルタを殺菌することができる。
【0016】
流体システムの別の実施例では、冷却状態及び製造状態において、蒸気供給弁は閉じられ、空気供給弁は開かれ、それによって空気は空気配管及び空気フィルタを通って連結部まで流れることができる。このように、また前に説明したように、システムを例えば殺菌後に容易に冷却することができ、製造中に一定の温度に保持することができる。
【0017】
連結管が、空気配管と蒸気配管の間に設けられ、この連結管は連結弁を備え、空気供給弁と空気フィルタの間の位置で空気配管に連結されていることが好ましい。このように、フィルタが損傷する危険が最小限に抑えられる。洗浄又は殺菌の始動中、蒸気が流体システムに供給されると、空気フィルタを損傷する可能性のある蒸気圧による衝撃の危険がある。流体システムを連結管を備えて設計することにより、この危険がなくなる。というのは、蒸気はその後空気フィルタの第1及び第2の側部に同時に到達するからである。
【0018】
有利には、殺菌状態において、蒸気供給弁及び連結弁は開かれ、空気供給弁は閉じられ、それによって蒸気の一部は蒸気配管を通って配管に流れることができ、蒸気の一部は連結管及び空気フィルタを通って連結部に流れることができる。既に説明したように、蒸気を使用して、空気フィルタを殺菌することができる。弁を連結管で開くことにより、フィルタを損傷する危険がなくなり、流体システムに蒸気を静かに供給して、蒸気圧による衝撃を防ぐ制御システムの必要がなくなるだろう。
【0019】
流体システムの好ましい実施例では、冷却状態及び製造状態において、蒸気供給弁及び連結弁は閉じられ、空気供給弁は開かれ、それによって空気は空気配管及び空気フィルタを通って連結部に流れることが可能である。このように、また前に説明したように、このシステムを、例えば殺菌後に簡単に冷却し、製造中に一定温度に保持することができる。
【0020】
蒸気供給弁は、連結管と連結部の間に設けられていることが好ましい。安全面の理由から、弁が機能しなくなった場合に、非殺菌空気がチャンバ内に逃げるのを防ぐように、相互連結管内で相互連結弁の蒸気側に蒸気が存在することが有利である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】製造状態における、充填システムと製品供給パイプラインの間の連結部の略断面図である。
【図2】図1に類似しているが、連結部が洗浄又は冷却状態にある場合の略断面図である。
【図3】本発明による流体システムの配管の略図である。
【実施例】
【0022】
以下に、本発明の現時点で好ましい実施例を、添付の図面を参照してより詳細に説明する。
【0023】
図1及び2は、食品包装機(図示せず)の充填システム12と加工システム(図示せず)に連結された製品供給パイプライン14との間の、図では全体を10で示す連結部を示している。
【0024】
連結部10は、入口部16a及び製品部16bを有するチャンバ16を備えている。入口部16aは、流体システム(図1〜2では図示せず)に連結された入口18を有する。説明する実施例では、入口部16aはチャンバ状の形状に形成されているが、1つ又はいくつかの追加の入口及び/又は出口が入口部16aにあるかどうかによって、入口部16aもパイプ又は導管として形成することができることを理解すべきである。製品部16bは、製品供給パイプライン14に連結された入口20と、充填システム12に連結された出口22とを有する。
【0025】
さらに、連結部10は、図1に示す製造位置と図2に示す洗浄位置の間で移動可能な第1の弁24を備えている。製造位置では、第1の弁24により、製品供給パイプライン14とチャンバ16の間の流体連結が可能になる、すなわち製品は製品供給パイプライン14からチャンバ16内に流れることができ、その後そこから普通は包装機の充填システム12内に流れることが可能になる。この製品の流れは、図1のパイプライン14、チャンバ16及び充填システム12内に示す矢印で表される。しかし、洗浄位置では、第1の弁24は、製品供給パイプライン14とチャンバ16の間の流体連結を防止する、すなわち製品が、製品供給パイプライン14から流れることができない。いくつかの包装機が同じ製品供給パイプライン14に連結されている場合、製品はこの閉じた第1の弁24を通過し、(製品供給パイプライン内の弁を開けて)次の包装機まで動作し続ける。
【0026】
この実施例では、弁24はシート・バルブ(着座弁)であり、入口20内に位置決めされた弁体24aを有し、弁24が洗浄位置にある場合に入口20の周りで弁座24bに向かって変位されて密封されるようになっている。シート・バルブは市販されており、詳細には説明しない。しかし、入口を確実に開閉するのに適しているものであれば他の種類の弁を選択できることを理解すべきである。
【0027】
連結部10はまた、図1に示す製造位置と図2に示す洗浄位置の間で移動可能な第2の弁26を備える。製造位置では、第2の弁26は、チャンバ16の入口部16aと製品部16bの間の流体連結を防止する、すなわち入口部16a内に存在するどんな流体も製品部16b及びそこを流れる最終製品に接触できない。洗浄位置では、第2の弁26は、製品部16bと包装機の充填システム12への出口22の間の流体連結を防止する。この位置で、入口部16a及び製品部16bは、互いに流体連結し、したがって製品部16bは流体システムに連結された入口18に流体連結している。この流体システムを以下に説明する。
【0028】
第1の弁24と同様に、第2の弁26はシート・バルブである。弁26は、チャンバ16の製品部16b内に位置決めされた弁体26aを有する。弁体26aは、弁26が洗浄位置にある場合に、出口22の周りで弁座26bに向かって変位されて密封されるようになっており、弁26が製造位置にある場合に、入口部16aと製品部16bの間のインターフェイスの周りで弁座26bに向かって変位されて密封されるようになっている。
【0029】
チャンバ16の入口部16aは、出口28を備えている。出口28は、入口18及び流体システムと共に機能して、チャンバ16を通して流体流を作りだす。この流体流を以下に詳しく説明する。
【0030】
流体流が製品部16bの底部まで確実に到達するように、入口部16aは一方側の入口18と他方側の出口28及び弁体26aの間に隔壁30を備えることができ、弁26が洗浄位置にある場合、この隔壁30を弁ピストン34上のフランジ32によって閉じることができる。弁ピストン34はその後、内部流体経路36を備え、入口18と流体連結し、弁体16a内の開口38と流体連結することができる。例えば、また図2から分かるように、弁体26aを2つの部分に分割することができ、これらの部分は間に開口38を形成するように互いに対して移動可能であり、弁26が洗浄位置にある場合にこの開口38を通して流体が流れることができる。製造位置では、開口38は閉じており、フランジ32は隔壁30内で密封位置から変位され、それによって流体はそこを通って流れることができる。
【0031】
図面から分かるように、充填システム12はまた洗浄システム40に連結されて、洗剤溶液を充填システム12に供給する。弁42が、充填システム12と洗浄システム40の間に設けられている。
【0032】
図3には、流体システムが示されている。流体システムの機能は、包装機の充填システム12と製品供給パイプライン14の間に流体バリアを作り出すことである。まず、このシステムは、空気供給弁48に連結された空気供給部46を備える、全体を44で示す空気配管を備えている。空気供給部46は、プレフィルタ(図示せず)内で濾過した空気を提供して、殺菌ではなく清浄化する。この空気は、圧縮され、従来の圧縮空気システムから供給される。普通、このような空気は周囲環境の温度、例えば乳製品工場内の温度、又は周囲温度とほぼ同じ温度よりいくらか低い温度をしている。
【0033】
空気供給弁48は、パイプを開いたり、密閉したりするのに適した市販のバルブである。さらに、空気供給弁48はその後、配管を通して空気フィルタ50の第1の側部50aに連結されている。空気フィルタ50は、空気供給部46によって提供される清浄な空気を殺菌するための従来の殺菌空気フィルタである。空気フィルタ50の第2の側部50bは、入口18を介して連結部10に連結される。
【0034】
流体システムはさらに、蒸気供給弁56に連結された蒸気供給部54を備える、全体を52で示す蒸気配管を備え、その後入口18を介して連結部に連結される。空気供給弁48と同様に、蒸気供給弁56は、パイプを開いたり、密閉したりするのに適した市販のバルブである。蒸気配管52に供給される蒸気は、システムの所望の殺菌レベルを得るのに十分な高さの温度であることが好ましい。この例では、蒸気温度は約125℃である。蒸気供給部54と蒸気供給弁56の間に、蒸気を確実に清浄化するため、従来の蒸気フィルタ58を設けることもできる。
【0035】
蒸気配管52と空気配管44の間に、連結管60が設けられる。連結管60は、連結弁62を備え、空気供給弁48と空気フィルタ50の第1の側部50aの間の位置で空気配管44に連結されている。連結管60は、蒸気供給弁56が連結管60と連結部10の入口18の間に配置されるような位置で、蒸気配管52に連結されている。
【0036】
蒸気の冷却により配管に堆積する濃縮液を抜くため、流体システムの他の部品に対してできるだけ低く配置される位置にある、3つの従来の蒸気トラップ64、66、68がある。第1の蒸気トラップ64は蒸気フィルタ58に連結され、第2の蒸気トラップ66は殺菌空気フィルタ50の第1の側部50aに連結され、第3の蒸気トラップ68は出口28に設けられている。
【0037】
使用する蒸気トラップは、蒸気が通過するのを防止するが、使用する空気及び濃縮液が通過することができる種類のものである。この機能は例えば、温度依存型膜を備える従来の蒸気トラップによって達成することができる。この種類の蒸気トラップは市販されており、詳しくは説明しない。
【0038】
さらに、弁70が、空気フィルタ50の第1の側部50aと第2の蒸気トラップ66の間に設けられている。この弁70は、空気を流体システムに供給するときに閉じられて、空気が蒸気トラップ66から逃げるのを防止する。蒸気が流体システムに供給されると、弁70は開かれ、それによって蒸気トラップ66は機能することができる。また、弁72が出口28と蒸気トラップ68の間に設けられていることが好ましい。システムを通る殺菌空気流は望ましくないが、ある量の空気を流体システム内に保持したい場合、この弁72を閉じることができる。
【0039】
本発明はまた、充填システム12と製品供給パイプライン14の間で連結部10内に流体バリアを作る方法に関する。この方法は、蒸気供給部54がチャンバ16、洗浄位置にある第1の弁24、及び洗浄位置にある第2の弁26と流体連結する、殺菌状態を提供する段階を含む。
【0040】
第1の弁24が洗浄位置にあり、第2の弁26が洗浄位置にあるので、製品供給パイプライン14の入口20は閉じられ、それによって製品はチャンバ16内に入ることができず、充填システム12への出口22が閉じられ、それによって望むなら洗剤溶液での洗浄を充填システム12内で行うことができる。蒸気供給部54とチャンバ16の間の流体連結を得るため、蒸気供給部56及び連結弁62は開かれ、空気供給弁48は閉じられている。蒸気の一部はその後、蒸気配管52を通して連結部10に直接流れることができ、一部の蒸気は連結管60及び空気フィルタ50を通して連結部10まで流れることができる。蒸気は、入口18を介してチャンバ16に入り、入口部16aと製品部16bの両方を通って流れ、出口28でチャンバ16から出る。弁70、72は開いており、濃縮液が蒸気トラップ66、68を通して抜かれ、それによって追加の蒸気を流体システムに供給することができる。蒸気の一部を殺菌空気フィルタ50を通過させるので、蒸気を使用して殺菌することができる。
【0041】
このように、蒸気バリアが製品供給パイプライン14と包装機の充填システム12の間で得られる。前に述べたように、充填システム12内の中間洗浄プロセス中に蒸気バリアを連結部10内で使用して、洗剤溶液が製品に接触しないことを保証することができる。また、蒸気バリアを使用して、包装機の始動前に連結部10を殺菌することができる。
【0042】
さらに、この方法は、空気供給部46がチャンバ16及び洗浄位置にある第1の弁24と流体連通している、冷却状態を提供する段階を含む。この実施例でも、第2の弁26は洗浄位置にある。弁24、26の位置はしたがって、殺菌状態と同様である。しかし、空気供給部46はチャンバ16と流体連結している。この流体連結を得るため、蒸気供給弁56及び連結弁62は閉じられ、空気供給弁48は開かれ、それによって空気が空気配管44、及び空気を殺菌する殺菌空気フィルタ50を通って連結部10まで流れることができる。殺菌空気は、入口18を介してチャンバ16に入り、入口部16aと製品部16bの両方を通って流れ、出口28でチャンバ16から出る。殺菌空気流が望ましい場合、弁72は開かれ、空気が蒸気ストラップ68を通して排出される。
【0043】
このように、空気バリアが製品供給パイプライン14と包装機の充填システム12の間で得られる。空気バリアを使用して、例えば洗浄又は殺菌プロセスの後に、弁24、26及び連結部10を冷却することができる。
【0044】
この方法はまた、空気供給部46がチャンバ16、製造位置にある第1の弁24、及び製造位置にある第2の弁26と流体連結している、製造状態を提供する段階を含む。
【0045】
第1の弁24が製造位置にあり、第2の弁26が製造位置にあるので、製品供給パイプライン14の入口20は開かれ、それによって製品はチャンバ16の製品部16b内に流れることができ、充填システム12への出口22は開かれ、それによって製品は包装機の充填システム12内に流れ続けることができる。空気供給部46と連結部10の間の流体連結は、冷却状態と同じ方法で得られる。しかし、この方法は、製造状態において出口28を閉じて、所望量の空気を流体システム及びチャンバ16の入口部16a内に保持する段階を含んでいる。これは、弁72を出口28内で閉じることにより達成される。
【0046】
流体システムは例えば、図3にA〜Fで示すいくつかのセンサ、又は時間の何れかによって制御することができる。
【0047】
使用する空気圧は、蒸気圧より高く、それによって例えば弁56が機能しなくなった場合に、冷却状態及び/又は製造状態において暖かい蒸気がチャンバ16内に漏れる危険を最小限に抑えることが好ましい。
【0048】
本発明を現時点で好ましい実施例に関して説明したが、添付の特許請求の範囲に規定したような本発明の目的及び範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変更を加えることができることを理解されたい。
【0049】
例えば、説明した実施例では、弁26は冷却状態において洗浄位置にある。別の好ましい実施例では、第2の弁26は、冷却状態において洗浄位置と製造位置の間の位置にある、すなわち弁体26aはチャンバ16の製品部16bのほぼ中間のどこかの位置に変位され、それによって充填システムとある程度流体連結している。充填システムが空の場合、すなわち製品が中になく、殺菌空気を中に供給したい場合、この位置を使用することができる。弁72はその後、チャンバを通る空気流を増加させるように閉じられることが好ましい。
【0050】
さらに、説明したように、空気フィルタ50の第2の側部50bと蒸気供給弁56は両方とも、入口18を介して連結部に連結される。2本の管を、入口18の前で1本の管に合流させることができる、あるいは入口18はチャンバ内への2つの別個の入口を備えることができる。
【0051】
洗浄、殺菌、及び冷却の3つの状態を順に説明した。しかし、これらの状態は別々に設けることができ、例えば洗浄状態だけを使用する、又は特定の要求にしたがって、あるいは充填システム、包装機及び加工システムの動作にしたがって、状態を適切な順に設けることができる。
【0052】
3つの蒸気トラップ64、66、68が設けられる。流体システムはもちろん、流体システムの設計により多少異なる数のトラップを備えることができる。
【0053】
説明した実施例では、蒸気が流体システムに供給される時に、殺菌空気フィルタ50が損傷されないことを確実にするように、連結管60が設けられている。しかし、別の実施例では、連結管60を省くことができ、蒸気供給部54は、蒸気を流体システムに静かに供給して、蒸気圧による衝撃を避けることが可能な制御システムを備えることができる。殺菌状態では、蒸気供給弁56は開かれ、空気供給弁48は閉じられ、それによって蒸気は蒸気配管52を通して配管10及び空気フィルタ50に流れることができる。冷却状態及び製造状態では、蒸気供給弁56は閉じられ、空気供給弁48は開かれ、それによって空気は空気配管44及び空気フィルタ50を通して連結部10に流れることができる。
【符号の説明】
【0054】
10 連結部
12 充填システム
14 製品供給パイプライン
16 チャンバ
16a 入口部
16b 製品部
18、20、22 入口
24 第1の弁
24a、26a 弁体
24b、26b 弁座
26 第2の弁
28 出口
34 弁ピストン
36 内部流体経路
40 洗浄システム
44 空気配管
46 空気供給部
48 空気供給弁
52 蒸気配管
54 蒸気供給部
56 蒸気供給弁
58 蒸気フィルタ
60 連結管
62 連結弁
64、66、68 蒸気トラップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品包装機の充填システム(12)と製品供給パイプライン(14)の間の連結部(10)内に流体バリアを作る方法において、前記連結部(10)は入口部(16a)及び製品部(16b)を有するチャンバ(16)を備え、前記入口部(16a)は空気供給部(46)及び蒸気供給部(54)を備える流体システムに連結された入口(18)を有し、前記製品部(16b)は、前記製品供給パイプライン(14)に連結される入口(20)及び前記充填システム(12)に連結される出口(22)を有し、前記連結部(10)はさらに第1の弁(24)を備え、この第1の弁は前記製品供給パイプライン(14)と前記チャンバの間の流体連結を可能にする製造位置と、製品供給パイプライン(14)とチャンバ(16)の間の流体連結を防止する洗浄位置の間で移動可能であり、前記連結部(10)はさらに第2の弁(26)を備え、この第2の弁は前記入口部(16a)と前記製品部(16b)の間の流体連結を防止する製造位置と、前記製品部(16b)と前記包装機の前記充填システム(12)の前記出口(22)の間の流体連結を防止する洗浄位置の間で移動可能である方法であって、
前記蒸気供給部(54)が前記チャンバ(16)と流体連結し、前記第1の弁(24)は洗浄位置にあり、前記第2の弁(26)は洗浄位置にあり、それによって製品供給パイプライン(14)と前記包装機の前記充填システム(12)の間に蒸気バリアが得られる殺菌状態を提供する段階と、
前記空気供給部(46)が前記チャンバ(16)と流体連結し、前記第1の弁(24)は洗浄位置にあり、それによって前記製品供給パイプライン(14)と前記包装機の前記充填システム(12)の間に空気バリアが得られる冷却状態を提供する段階と、
前記空気供給部(46)が前記チャンバ(16)と流体連結し、前記第1の弁(24)は製造位置にあり、前記第2の弁(26)は製造位置にある製造状態を提供する段階とを含む方法。
【請求項2】
前記冷却状態において、前記第2の弁(26)を洗浄位置に位置させる段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記冷却状態において、前記第2の弁(26)を洗浄位置と製造位置の間の位置に位置させる段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記殺菌状態において、蒸気流を前記流体システム及び前記チャンバ(16)を通して得ることができ、前記冷却状態において、空気流を少なくとも前記流体システム及び前記チャンバ(16)を通して得ることができるように、出口(28)を前記入口部(16a)に設ける段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記製造状態において前記出口(28)を閉じて、所望量の空気を前記流体システム及び前記入口部(16a)内に保持する段階を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記出口(28)に弁(72)を設ける段階を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記出口(28)に蒸気トラップ(68)を設ける段階を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
食品包装機の充填システム(12)と製品供給パイプライン(14)の間にあってそれらの間に流体バリアを作るようになっている連結部(10)であって、前記連結部(10)は入口部(16a)及び製品部(16b)を有するチャンバ(16)を備え、前記入口部(16a)は空気供給部(46)及び蒸気供給部(54)を備える流体システムに連結された入口(18)を有し、前記製品部(16b)は、前記製品供給パイプライン(14)に連結される入口(20)及び前記充填システム(12)に連結される出口(22)を有し、前記連結部(10)はさらに第1の弁(24)を備え、この第1の弁は前記製品供給パイプライン(14)と前記チャンバの間の流体連結を可能にする製造位置と、製品供給パイプライン(14)とチャンバ(16)の間の流体連結を防止する洗浄位置の間で移動可能であり、前記連結部(10)はさらに第2の弁(26)を備え、この第2の弁は前記入口部(16a)と前記製品部(16b)の間の流体連結を防止する製造位置と、前記製品部(16b)と前記包装機の前記充填システム(12)の前記出口(22)の間の流体連結を防止する洗浄位置の間で移動可能になっており、
また前記連結部(10)は、次の状態、すなわち、
前記蒸気供給部(54)が前記チャンバ(16)と流体連結し、前記第1の弁(24)は洗浄位置にあり、前記第2の弁(26)は洗浄位置にあり、それによって製品供給パイプライン(14)と前記包装機の前記充填システム(12)の間に蒸気バリアが得られる殺菌状態と、
前記空気供給部(46)が前記チャンバ(16)と流体連結し、前記第1の弁(24)は洗浄位置にあり、それによって前記製品供給パイプライン(14)と前記包装機の前記充填システム(12)の間に空気バリアが得られる冷却状態と、
前記空気供給部(46)が前記チャンバ(16)と流体連結し、前記第1の弁(24)は製造位置にあり、前記第2の弁(26)は製造位置にある製造状態と、
を提供できるように構成されている連結部。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−189069(P2010−189069A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−129934(P2010−129934)
【出願日】平成22年6月7日(2010.6.7)
【分割の表示】特願2004−201257(P2004−201257)の分割
【原出願日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(591007424)テトラ ラバル ホールデイングス エ フイナンス ソシエテ アノニム (190)
【Fターム(参考)】