説明

流体フィルタ

【課題】大きな濾過面積を確保することが可能な構成の流体フィルタを提供する。
【解決手段】オイルフィルタ1は、エレメント配設空間S1とケース流入孔21、流出孔24が形成されたフィルタケース10と、エレメント配設空間S1をケース流入孔に連通する流入空間S2とケース流出孔24に連通する流出空間S4とに分離してエレメント配設空間S1内に装着されるフィルタエレメント40とを備えて構成される。フィルタケースの外周側が流入空間S2に接する第1濾材55と、その内周側に配設された第2濾材65と、第1濾材内周面と第2濾材外周面間に流出空間S4が形成されるように第1及び第2濾材両端部を支持する一対のエンドプレート70,80とを備え、上エンドプレートには流入空間S2と第2濾材の内周空間S5とを連通するプレート流通孔75aが形成し、下エンドプレートには流出空間S4とケース流出孔を連通させる排出孔85が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油等の流体の濾過を行う流体フィルタに関し、さらには着脱自在なフィルタエレメントを設けた流体フィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
各種機械に用いられる潤滑油や、産業用油圧機器の油圧回路中の作動油は、使用によって不純物が混入するため、適宜濾過を行う必要がある。これら作動油等の濾過に用いられるオイルフィルタは、油圧回路配管の途中に設けられたり、戻り側配管端部に繋がってオイルタンク内に設けられたりする。オイルフィルタは、フィルタケース内のエレメント配設空間に着脱自在に装着されるフィルタエレメントを備えており、このフィルタエレメントは、例えば、板状の濾紙を所定幅でプリーツ状(菊花状)に形成してなる濾材と、この濾材の両端側の各端部に取り付けられたエンドプレートとを有して構成される(例えば、特許文献1を参照)。このようなオイルフィルタにおいては、作動油等の流体が濾材を通過する際に、流体中に混入する不純物が濾材によって捕捉されて除去されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−328507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように構成されるオイルフィルタにおいては、小型コンパクト化の要請のため、フィルタケースの容積を小さく抑えつつも、濾過性能をそれまでと同等に維持することが望まれている。しかしながら、一般にフィルタケース内を小スペースにすると、その内部に収容されるフィルタエレメントもその分だけ小さく設計する必要があり、その結果、濾材の有効濾過面積が減少し、濾過効率が低下するという問題があった。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、限られたフィルタケース内のスペースを有効活用して、より大きな濾過面積を確保することが可能な構成の流体フィルタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明に係る流体フィルタは、内部にエレメント配設空間を有しエレメント配設空間と外部とを連通させる流入孔及び流出孔が形成されたフィルタケースと、エレメント配設空間を流入孔に連通する流入空間と流出孔に連通する流出空間とに分離してエレメント配設空間内に着脱自在に装着されるフィルタエレメントとを備え、フィルタケース内においてフィルタエレメントの外側に流入空間が形成され、内側に流出空間が形成されて構成される。そして、フィルタエレメントが、フィルタケース内において外周側が流入空間に接する筒状の第1濾材と、第1濾材の内周側に配設された筒状の第2濾材と、第1濾材の内周面と第2濾材の外周面との間に流出空間が形成されるように第1及び第2濾材の両端部を覆って支持する一対のエンドプレートとを備え、一対のエンドプレートのうち、一方のエンドプレート(例えば、実施形態における上エンドプレート70)には流入空間と第2濾材の内周側に形成される内周空間とを連通させる連通孔(例えば、実施形態におけるプレート流通孔75a)が形成され、他方のエンドプレート(例えば、実施形態における下エンドプレート80)には流出空間と流出孔とを連通させる排出孔が形成されている。
【0007】
上記のように構成される流体フィルタにおいて、流入空間と流出空間とを連通させるリリーフ孔が形成された基部と、リリーフ孔の開閉を行う弁体とを有し、流入空間側の圧力が流出空間側の圧力より所定値以上大きくなったときに弁体によりリリーフ孔を開放するリリーフバルブを更に備えて構成されることが好ましい。
【0008】
また、リリーフバルブが、一方のエンドプレートに着脱自在に取り付けられ、一方のエンドプレートが、リリーフ孔を介して流入空間と流出空間とを連通させる誘導路を有して構成されることが好ましい。
【0009】
さらに、フィルタエレメントが、第1濾材の外周面を覆ってエンドプレートに取り付けられ該フィルタエレメントの外周部を形成する筒状の外筒(例えば、実施形態における第1外筒51)を有し、フィルタケースが、エレメント配設空間内における該フィルタケースの底面上に配設されるリテーナを有し、外筒には、流入空間内の流体を濾材に通過させるための上側流入孔(例えば、実施形態における第1外筒流通孔52)及び下側流入孔が形成されており、リテーナは、フィルタエレメントがエレメント配設空間内に装着された状態において、フィルタエレメントの下端部を受けるプレート当接部と、プレート当接部の外周から上方に突設されフィルタエレメントの外周下部を取り囲む筒状部(例えば、実施形態における円筒部34)と、排出孔と流出孔とを液密状態で繋ぐ接続部(例えば、実施形態におけるガスケット保持部32)とを備え、フィルタエレメントがエレメント配設空間に装着された状態において、下部流通孔と筒状部の上端とが略同一高さとなるように配置されていることが好ましい。
【0010】
また、一方のエンドプレートが、第1濾材の一端部を支持する第1プレートと、第2濾材の一端部を支持する第2プレートと、第1及び第2濾材の中心軸が同軸となるように第1及び第2プレートを連結するリブとを備えて構成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に関する流体フィルタによれば、限られたフィルタケース内のスペースを有効活用して、外側と内側に濾材を別個配置し各々の濾材に対する流体の流通経路(濾過経路)を形成する2重構造とすることで、フィルタの高さ及び幅方向の寸法が従来のものと同一であっても、より大きな有効濾過面積を確保することが可能になる。そのため、流体の濾過効率が向上するとともに、フィルタエレメントの寿命が延長されその交換頻度を低減させることができる。
【0012】
なお、流入空間側の圧力が流出空間側の圧力より所定値以上大きくなったときに弁体によりリリーフ孔を開放するリリーフバルブを更に備えて構成することで、濾材に目詰まりが生じて流入空間内が異常圧となった場合などに、流体を的確にリリーフすることが可能なため、流体フィルタの損傷を防止することができる。
【0013】
また、リリーフバルブが一方のエンドプレートに着脱自在に取り付けられ、この一方のエンドプレートがリリーフ孔を介して流入空間と流出空間とを連通させる誘導路を有して構成されることで、長時間の使用等によってフィルタエレメントを交換する際に、濾材やエンドプレート等は新品に交換し、このリリーフバルブについては再利用することが可能になる。
【0014】
さらに、フィルタエレメントがエレメント配設空間に装着された状態において、外筒の下部流通孔とリテーナの筒状部の上端とが略同一高さとなるように配置される構成とすることで、フィルタケース内に濾過前の流体がリテーナの上端を越えて残留することがなく、流体が濾過されずに流出孔に排出されるのが防止される。
【0015】
一方のエンドプレートが、第1及び第2濾材の中心軸が同軸となるように第1及び第2プレートを連結するリブを備えて構成されることで、簡便な構成によりフィルタエレメントを精度良く組み立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の流体フィルタの一例であるオイルフィルタを示す側面断面図である。
【図2】上記オイルフィルタの一部を構成するフィルタエレメントを示し、(A)は平面図であり、(B)は側面断面図である。
【図3】リリーフバルブを取り外した状態の上記フィルタエレメントを示し、(A)は平面図であり、(B)は側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。図1に本実施形態に係るオイルフィルタ(リターンフィルタ)1の側面断面図を示しており、まず、この図1を用いて、油圧回路中の戻り側配管の端部に繋がるとともに、オイルタンク2内に装着されて作動油(リターンオイル)の濾過を行うオイルフィルタ1について説明する。
【0018】
オイルフィルタ1は、内部に円筒状のエレメント配設空間S1を有するフィルタケース10と、エレメント配設空間S1内に着脱自在に取り付けられるフィルタエレメント40とを主体に構成される。
【0019】
フィルタケース10は、オイルタンク2の上面部に固設されたタンクフランジ11と、タンクフランジ11の上面側に着脱自在に取り付けられるケース蓋13と、タンクフランジ11の底面側に固設された薄肉円筒状のケース本体20と、ケース本体20の底面を塞ぐ円盤状の底板23と、底板23上に載置されるリテーナ30とを主体に構成されている。これらタンクフランジ11、ケース蓋13、ケース本体20、及び底板23は、例えばアルミ合金等の非鉄金属や鉄等の金属材料によって形成される。
【0020】
フィルタケース10は、内部にフィルタエレメント40を収容可能なエレメント配設空間S1を有しており、ケース本体20の側面に開口されたケース流入孔21に中空パイプ状の戻り側配管22が嵌合接合されることにより、オイルタンク2から戻り側配管22を通過するリターンオイルをエレメント配設空間S1へ流入させることができる。一方、フィルタケース10における底板23の中心部にはケース流出孔24が開口形成されており、このケース流出孔24から中空パイプ状の出口配管25が上方(すなわち、エレメント配設空間S1内)に延びるようにして嵌合接合されている。
【0021】
タンクフランジ11は、中空円筒状に形成されており、その中心部にはフィルタエレメント40を上下方向に挿通可能なエレメント挿入孔12が形成されている。ケース蓋13は、その下面側に円形溝14を有した円盤状に形成されており、その円形溝14の中心部には下方に突出する円盤状のスプリング支持部15が形成されている。スプリング支持部15にはセットスプリング16の一端部が支持されており、このセットスプリング16によってフィルタエレメント40はリテーナ30側に押圧されるようになっている。ケース蓋13は図示省略する複数の固定用ネジにより、エレメント挿入孔12を上面側から塞ぐようにしてタンクフランジ11に上方から着脱自在に取り付けられる。なお、図1では、ケース蓋13をタンクフランジ11から脱着した状態を示している。
【0022】
リテーナ30は、内側から順に、中央にガスケット31を保持するための中心孔が形成された断面L字状を成す環状のガスケット保持部32と、ガスケット保持部32の外側上端に繋がりフィルタエレメント40の下端部を受ける円環状のプレート当接部33と、プレート当接部33の外側端から上方に延びた薄肉円筒状の円筒部34と、プレート当接部33の外側端に繋がり断面U字状を成す環状の外周部35とが一体に形成されて構成されており、ガスケット保持部32に支持されたガスケット31を介して出口配管25に上方から挿脱自在に設けられるようになっている。
【0023】
続いて、図2および図3を追加参照して、リターンオイルを濾過するためにフィルタケース10に着脱自在に配設されるフィルタエレメント40について説明する。ここで、図2はフィルタエレメント40の平面図及び側面断面図であり、図3は後述のリリーフバルブ90等を取り外した状態のフィルタエレメント40を示す平面図及び側面断面図である。
【0024】
フィルタエレメント40は、第1エレメント50、第2エレメント60、上エンドプレート70、下エンドプレート80、リリーフバルブ90、及びハンドル99を主体に構成されており、第1及び第2エレメント50,60の各々にリターンオイルを濾過するための濾材が設けられた2重構造となっている。
【0025】
フィルタエレメント40において外側部分を構成する第1エレメント50は、第1外筒51と、この第1外筒51の内部に配設された第1内筒56と、第1内筒56の外周に配設される第1濾材55とから構成される。ここで、第1外筒51及び第1内筒56は、例えばプラスチック等の可燃性の樹脂材料や紙等によって、焼却可能に形成されている。
【0026】
第1外筒51は、ケース本体20の内周面に対して所定の流入空間S2が形成されるように、ケース本体10の内径よりも小さい外径で円筒状に形成されており、その側面上方部には、外側から内側に向かって貫通した第1外筒流通孔52が上下一対として円周方向に等間隔で複数形成されている。また、第1外筒51の側面下方部には、外側から内側に向かって貫通した下部流通孔53が円周方向に等間隔で複数形成されており、この下部流通孔53の高さ位置は、フィルタエレメント40がフィルタケース10のエレメント配設空間S1内に取り付けられた状態において、リテーナ30の上端部の高さとほぼ同じになるように設定されている。
【0027】
第1濾材55は、第1外筒51の内周面に対して所定の外周空間S3が形成されるように、第1外筒51の内径よりも小さい外径で円筒状に形成され、且つ、その内周面が第1内筒56の外周面に当接接触するように装着されている。なお、この第1濾材55は、板状の濾紙を所定の幅でプリーツ状(菊花状)に形成したり、濾紙、グラスファイバー、不織布等によって所定の厚さを有して形成されている。
【0028】
第1内筒56は、パンチングメタル等を用いて第1濾材55の内周面に沿って円筒状に形成されており、その側面に第1濾材55によって濾過されたオイルを流通可能な多数の第1内筒流通孔57が形成されている。この第1内筒56と第1濾材55は、第1外筒51の円筒軸方向(上下方向)の両端にそれぞれ配設されたエンドプレート70,80で挟持されている。
【0029】
一方、フィルタエレメント40において内側部分を構成する第2エレメント60は、第2外筒61と、この第2外筒61の内部に配設された第2内筒66と、第2内筒66の外周に配設される第2濾材(インナ側濾材)65とから構成される。ここで、第2外筒61及び第2内筒66は、例えばプラスチック等の可燃性の樹脂材料や紙等によって、焼却可能に形成されている。
【0030】
第2外筒61は、第1内筒56の内周面に対して所定の流出空間S4が形成されるように、この第1内筒56の内径よりも小さい外径で形成されており、その側面には多数の第2外筒流通孔(図示しない)が形成されている。
【0031】
第2濾材65は、第2外筒61の内径よりも若干小さい外径で円筒状に形成され、且つ、その内周面が第2内筒66の外周面に当接接触するように装着されている。なお、この第2濾材65は、第1濾材55と同様に、板状の濾紙を所定の幅でプリーツ状(菊花状)に形成したり、濾紙、グラスファイバー、不織布等によって所定の厚さを有して形成されている。
【0032】
第2内筒66は、パンチングメタル等を用いて第2濾材65の内周面に沿って円筒状に形成されており、その側面には多数の内筒流通孔67が形成されている。また、この第2内筒66の内周面に囲まれて所定の内周空間S5が形成されている。この第2内筒66と第2濾材65は、上述の第1内筒56及び第1濾材55とともに、両外筒51,61の円筒軸方向の両端にそれぞれ配設されるエンドプレート70,80で挟持される。
【0033】
上エンドプレート70は、第1外筒51の上端面に固着された第1プレート71と、第2外筒61の上端面に固着された第2プレート74と、第1及び第2プレート71,74の間に周方向等間隔に設けられこれら両プレート71,74を連結する複数のリブ77とを備えて構成される。
【0034】
第1プレート71の上面側には、リリーフバルブ90を上エンドプレート70に固定するための平面視略羽根状の3つのクランプ72が上下方向軸を中心軸として旋回自在に取り付けられている。また、この第1プレート71の上面側であって各クランプ72よりも内側には、ゴム等の弾性部材によって形成された円環状のシール部材73が装着されている。
【0035】
第2プレート74は、上下方向に延びる中空円筒状を成す筒状連結部75を備えており、この筒状連結部75の中心には第2内筒66の内径よりも小径に形成され流入空間S2と内周空間S5とを連通させるプレート流通孔75aが形成されている。また、筒状連結部75の側面部に形成されたOリング溝内には、この第2プレート74とリリーフバルブ90とをシールするためのOリング76が装着されている。
【0036】
複数のリブ77は、第1内筒56と第2外筒61との間に上記所定の流出空間S4が形成されるように、第1プレート71と第2プレート74との間を所定距離だけ離間させた状態で両プレート71,74間において周方向等間隔にそれぞれ接合されており、各リブ77の間には後述するリリーフバルブ90のリリーフ孔92から流入したリリーフオイルの誘導路77a(リブによって周方向に区画される通油口)が上下方向に貫通して形成されている。
【0037】
下エンドプレート80は、下方に開口した開口部82を有する円筒皿状のベース部81を備えており、フィルタエレメント40がフィルタケース10内に取り付けられた状態で、このベース部81は出口配管25の先端と対向位置するようになっている。この下エンドプレート80の下面側においてベース部81よりも外側には、ゴム等の弾性部材によって形成されたシール部材83が装着されている。また、下エンドプレート80には、上方に延びて流出空間S4内に挿入された連通部84が形成されており、この連通部84に形成された円環状の排出孔85を介して流出空間S4と上記開口部82(及び出口配管25)とが連通するようになっている。
【0038】
フィルタケース10内にフィルタエレメント40が装着された状態において、エレメント配設空間S1内であってフィルタエレメント40の上方(すなわち、タンクフランジ11のエレメント挿入孔12近傍)には、流入空間S2内に流入したオイルを(第1濾材55に通過させずに)第2エレメント60の第2濾材65へ導くオイル流通路17が形成されており、このオイル流通路17に対して安全弁としてのリリーフバルブ90が設けられている。
【0039】
リリーフバルブ90は、リリーフオイルを流通させるためのリリーフ孔92が形成された基部91と、基部91下方に固設された断面L字状を成す円環状の受け台93と、基部91の外側面に沿って上下方向に摺動自在に設けられた断面視L字状を成す円環状の弁体94と、受け台93と弁体94との間に介装されたバルブ用スプリング95と、複数のリブ96aを介して基部91の内側に設けられた円環状のスプリング受け部96とを備えて構成され、基部91を筒状連結部75に嵌合させた状態でクランプ72を所定角度だけ水平方向に旋回させて、基部91とクランプ72とを係合させることにより、上エンドプレート70に上方から着脱自在に取り付けられる。
【0040】
基部91は、上記リリーフ孔92を有して断面L字状を成す円環状に形成されたスリーブ部91aと、このスリーブ部91aの外側端(上端の鍔部)から下方に向かって外方に拡径した延設部91bとを備えており、スリーブ部91aの内周側にはリターンオイルを第2濾材へ流通させるための円筒状の基部流通孔91cが形成されている。
【0041】
弁体94は、バルブ用スプリング95の弾性的な付勢力によって通常時にはリリーフ孔92を閉塞し、このリリーフ孔92がリブ77間に形成された誘導路77aを介して流出空間S4に連通しないように構成されている。一方、オイル流通路17内の圧力が所定以上の異常圧となった場合には、弁体94がバルブ用スプリング95の付勢力に抗して開弁され(リリーフ孔92が開放され)、リリーフ孔92と流出空間S4とが連通することとなる。
【0042】
スプリング受け部96は、フィルタエレメント40がフィルタケース10内に取り付けられた状態で、フィルタケース10内でのフィルタエレメント40の挙動を防止するためのセットスプリング16の他端部を受けるようになっている。また、スプリング受け部96は、その中心部に上下方向に貫通した挿通孔96bを有しており、基部91の基部流通孔91cに流入したオイルは、この挿通孔96bとともに各リブ96aの間を通って第2プレート74のプレート流通孔75aから第2内筒66の内周空間S5へ流れるようになっている。
【0043】
ハンドル99は、リリーフバルブ90における基部91の延設部91bに枢結され、直立位置(引き上げ位置)と倒伏位置との間で上下に揺動自在に構成される。フィルタエレメント40をフィルタケース10に挿脱するときには、このハンドル99を直立位置に位置させて掌で掴みフィルタエレメント40を持ち運ぶことができ、フィルタエレメント40をフィルタケース10内に装着させたときには、ハンドル99を倒伏位置に位置させてコンパクトに収容することができる。
【0044】
なお、このフィルタエレメント40を組み立てる手順としては、まず、第1エレメント50の内周面と第2エレメント60の外周面との間に流出空間S4が形成されるようにして両エレメント50,60を下エンドプレート80に取り付けた状態で、その上方から第1プレート71及び第2プレート74をそれぞれ取り付ける。そして、第1濾材55と第2濾材65との上下方向の中心軸の軸心が合致するようにセンター出しがなされた状態で両濾材55,65間に複数のリブ77を接合させる。これにより、第1濾材55と第2濾材65を同心状に精度良く配置することができる。ここで、リブ77の下方において第2プレート74の上端周縁部を受ける部分には、所定隙間のクリアランス部77b(図3を参照)が設けられており、このクリアランス部77bにより、濾材55,65等の高さ方向の寸法誤差や上記組み立て上のばらつきを吸収して、フィルタエレメント40を適切に組み立てることができるようにしている。
【0045】
その後で、リリーフバルブ90を上エンドプレート70に取り付けるときは、リリーフバルブ90における基部91のスリーブ部91a(基部流通孔91c)と第2プレート74の筒状連結部75とを嵌合させるとともに、基部91の延設部91bを上エンドプレート74のシール部材73に押し付けるようにして密着させた状態で、各クランプ72を所定角度だけ相対的に旋回させることによりクランプ72と基部91(延設部91b)とを係合させればよい。
【0046】
このように構成されるオイルフィルタ1によってリターンオイルの濾過を行う場合について説明する。まず、フィルタケース10にフィルタエレメント40を装着する手順について説明する。フィルタケース10への装着は、タンクフランジ11の上部開口(エレメント挿入孔12)から行われるため、前もって固定用ネジを外してケース蓋13をタンクフランジ11から取り外しておく。ケース蓋13を取り外せば、タンクフランジ11の上部開口(エレメント挿入孔12)が開放されることとなる。
【0047】
オペレータはハンドル99をつかんでフィルタエレメント40をフィルタケース10の上方からまっすぐに挿入すると、フィルタエレメント40下部がリテーナ30の円筒部34内に入り込み、下エンドプレート80底面のシール部材83がリテーナ30上面に突き当たった状態で、フィルタエレメント40がフィルタケース10内に装着される。
【0048】
フィルタエレメント40が装着された後は、ケース蓋13を再びタンクフランジ11に固定用ネジを用いて取り付けることにより、ケース蓋13に支持されたセットスプリング16の付勢力によって、フィルタエレメント40がフィルタケース10内でしっかりと保持される。このとき、セットスプリング16によりフィルタエレメント40が下方に常時付勢されるとともにフィルタエレメント40の重みにより、シール部材83が下エンドプレート80とリテーナ30との間で弾性的に変形して両者に密着し、これによりフィルタケース10の流入空間S2と出口配管25とが液密に保持される。このため、リターンオイル(濾過されていないオイル)が、フィルタケース10内の流入空間S2からリテーナ30とフィルタエレメント40との間を通って出口配管25へ漏れ出ることがない。
【0049】
次に、上記のようにフィルタエレメント40が装着されたオイルフィルタ1によって濾過されるリターンオイルの流れについて再び図1を参照しながら説明する。なお、図1において、オイルの流れは、矢印Fによって表されている。リターンオイルは、オイルタンク2の外部から戻り側配管22を通ってフィルタケース10内の流入空間S2に流入する。このとき、フィルタケース10内(エレメント配設空間S1)は、ほぼオイルで満たされた状態となっている。
【0050】
戻り側配管22から流入空間S2に流入してきたリターンオイルは、リテーナ30の円筒部34の外側壁に当たることで流れの向きを変えられて(流れが整流化され)、流入空間S2内において上方へ向かって流れていき、第1外筒51の外側壁上方に形成された第1外筒流通孔52を外側から内側へ通って、第1濾材55の外周空間S3に流入する。なおこのとき、戻り側配管22から流入するリターンオイルの圧力(流入圧)により、第1外筒51に対して外側から内側に向かって押し込む方向の力が作用し、第1外筒51が内側に押動される場合があっても、第1外筒51と第1濾材55との間には所定のクリアランスより成る外周空間S3が形成されているため、第1外筒51の内周面が第1濾材55に接触してオイルの流通路ともなる外周空間S3を遮断することもない。
【0051】
外周空間S3に流入したオイルは、第1濾材55の外側から内側に向かって流れるが、このときにオイル内に混入したゴミ等の不純物がこの第1濾材55によって濾過される。第1濾材55によって濾過されたオイルは、第1内筒56の第1内筒流通孔57を通って流出空間S4に流入する。なお、第1濾材55は、その内周が第1内筒56の外周と当接しているため、外周方向(外周空間S3)からオイルが流入しても変形することがない。流出空間S4に流入したオイルは、この流出空間S4内を下方に向かって流れていき、下端部の排出孔85からオイルフィルタ1外へ排出される。
【0052】
一方で、戻り側配管22から流入空間S2に流入するリターンオイル全量が、前述した第1外筒流通孔52を通って第1濾材55によって濾過される濾過経路を流通するのではなく、流入空間S2内を更に上方(第1外筒流通孔52よりも上方)に向かったオイルの流れもあり、このオイルはリリーフバルブ90上方のオイル流通路17を流通し、その後、スプリング受け部96の挿通孔96b、リブ96a間、第2プレート74のプレート流通孔75a等を通過して、第2内筒66の内周空間S5へ流入する経路へと進む。
【0053】
なおこのとき、リリーフバルブ90は通常は閉弁状態となっているため、流入空間S2からのリターンオイルがリリーフバルブ90上方のオイル流通路17を通過しても、このオイルがリリーフ孔92からリリーフされて流出空間S4に流入することはなく、そのため、濾過されていないオイルがオイルタンク2へ排出される虞はない。また、リリーフバルブ90における延設部91bの先端部が上エンドプレート70の複数のクランプ72と係合された状態では、延設部91bの先端部が下方のシール部材73に密着してシールされているため、オイル流通孔17を流れるオイルが(第2濾材65を通らずに)基部91と第1プレート71との間から流出空間S4へ直接流れるのを防止している。さらに、筒状連結部75に装着されたOリング76は、この筒状連結部75の外周面とリリーフバルブ90の基部91の内周面との間の嵌合部をシールしているため、基部91の基部流通孔91cを流れるオイルが(第2濾材65を通らずに)上記嵌合部から流出空間S4へ直接流れるのを防止している。
【0054】
オイル流通路17から内周空間S5内に流入したオイルは、第2内筒66における第2内筒流通孔67を経て、第2濾材65の内側から外側へ向かって流れるが、このときにオイル内に混入した不純物がこの第2濾材65によって濾過される。第2濾材65によって濾過されたオイルは、第2外筒61の第2外筒流入孔62を通って流出空間S4に流入する。
【0055】
第2濾材65を経て流出空間S4に流入したオイルは、第1濾材55(第1エレメント50)を通過して流入してきたオイルと当該流出空間S4で合流し、この流出空間S4内を下方に向かって流れていき、下端部の排出孔85からオイルフィルタ1外へ排出され、最終的には出口配管25を通ってオイルタンク2へ流入する。
【0056】
このように、戻り側配管22から流入空間S2に流入したオイルは、第1エレメント50の外側から内側に向かって流れる経路と、第2エレメント60の内側から外側に向かって流れる経路との2つの経路に分流してそれぞれの濾材55,65で各々濾過されるため、限られたフィルタケース10内のスペースにおいて有効濾過面積を増大させ、オイルの濾過効率を向上させることができる。
【0057】
ここで、濾材55,65に目詰まりが生じると流入空間S2及び内周空間S5内のオイルの圧力が高くなり、上記空間S2,S5と流出空間S4との間の圧力差が所定圧以上となる。そのため、オイル流入路17を流通するオイルが弁体94に対してバルブ用スプリング95の付勢力以上の力で作用し、弁体94はバルブ用スプリング95の付勢力に抗して下方に押し下げられて開弁し、これによりオイル流通路17と流出空間S4とが連通することとなる。したがって、オイル流通路17を流れるオイルはリリーフ孔92から濾材55,65を通過せずに流出空間S4に直接流入し(このときのオイルの流れを図1において矢印F′で示す)、下端部の排出孔85からフィルタエレメント40外へ排出させ、オイルフィルタ1の損傷を防止することとしている。
【0058】
上記のように構成されるオイルフィルタ1は、長時間の使用により濾材55,65の目詰まりが生じる(濾材55,65の性能が低下する)ため、定期的(所定の交換時期ごと)にフィルタエレメント40を交換する必要があるが、フィルタエレメント40の取り外しは、取り付けと逆の手順で行われる。
【0059】
フィルタエレメント40の交換のためにケース蓋13を取り外すと、フィルタケース10内のオイルはオイルタンク2内の油面とほぼ同じレベルL0まで下降する。このとき、フィルタケース10内に残留するオイルは油面が降下する際に、第1外筒51の側壁面下方に設けられた下部流通孔53からフィルタエレメント40内に流入し(このときのオイルの流れを図1において矢印F″で示す)、第1濾材55を通過する際に濾過されて下端部の排出孔85からフィルタエレメント40外に排出されるため、残留オイルが濾過されずに出口配管25からオイルタンク2へ排出される虞がない。また、この下部流出孔53は、フィルタエレメント40がフィルタケース10に装着された状態で、リテーナ30(円筒部34)の上端部の高さとほぼ同じ高さに位置するように設けられているため、油面がリテーナ30の上端近傍にまで降下するまではオイルは上記のように下部流通孔53からフィルタエレメント40内に流入し濾過されるため、フィルタケース20内においてはリテーナ30の上端の高さを越えてオイルは残留しない。
【0060】
その後、フィルタエレメント40に取り付けられたハンドル99を作業者がつかんで持ち上げることにより、フィルタエレメント40は上方に引き上げられ、フィルタエレメント40をフィルタケース10から排出することができる。
【0061】
フィルタエレメント40が排出されたフィルタケース10内には、濾過されていないオイルが残留しているが、上記下部流通孔53によりオイルの油面はリテーナ30の高さよりも下方に調節されているため、残留する濾過前のオイルがリテーナ30の上端を越えて出口配管25からオイルタンク2内に流入する虞はない。
【0062】
また、第1及び第2濾材55,65に捕捉されたゴミ等の不純物は、フィルタエレメント40の排出作業時やエンジン停止時においてこれら濾材55,65から離脱して落下する虞があるが、第1濾材55と第1外筒51との間には外周空間S3が形成され、第2濾材65(第2内筒66)の内側には内周空間S5が形成されているため、これら濾材55,65から離脱される不純物は全て各空間S3,S5内に封じ込められるようになっている。よって、濾材55,65から離脱される不純物がフィルタケース10内に落下して堆積するのを防止し、フィルタケース10内のメンテナンスの負担を軽減することができる。なお、第1外筒51に下部流通孔53が形成されているが、この下部流通孔53は濾材55からの不純物の落下方向とほぼ直交する方向(半径方向)に形成されるため、不純物が下部流通孔53に落入して流入空間S2に排出される虞もほとんどない。
【0063】
さらに、流入空間S2内においてフィルタケース20の底面へ沈降しようとするオイル中の不純物(金属ダスト等)は、リテーナ30の外周部35内に堆積するため、このリテーナ30をフィルタケース10内から取り出すことで容易に不純物の除去が行える。そのため、フィルタケース10内のメンテナンスの負担をより軽減することが可能になる。
【0064】
そして、フィルタケース10からフィルタエレメント40を排出させた後は、複数のクランプ72とリリーフバルブ90の延設部91bとの係合を解除することにより、フィルタエレメント40からリリーフバルブ90を簡単に取り外すことができる。フィルタエレメント40から取り外したリリーフバルブ90及びハンドル99部分は洗浄等した上で、新品のフィルタエレメント40(リリーフバルブ90及びハンドル99を除く)に再び取り付けることにより反復して使用可能となっている。このため、フィルタエレメント40が交換時期に達したときには、エレメント50,60及びエンドプレート70,80より構成されるアセンブリ部分のみを廃棄し、残りのリリーフバルブ90及びハンドル99については再利用することができるため、廃棄物量を減少させて資源を節約できる。
【0065】
このように構成されたオイルフィルタ1によれば、限られたフィルタケース10内のスペースを有効活用して、外側と内側に濾材55,65を別個配置し各々の濾材に対するオイルの流通経路(濾過経路)を形成する2重構造とすることで、フィルタの高さ及び径方向の寸法が従来のものと同一であっても、より大きな有効濾過面積を確保することが可能になる。そのため、オイルの濾過効率が向上するとともに、フィルタエレメントの寿命が延長されその交換頻度を低減させることができる。
【0066】
これまで本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、上述の実施形態においては、流体フィルタとして、油圧回路中の作動油の濾過を行うためのオイルフィルタ(リターンフィルタ)を適用した場合を例示したが、これに限定されるものではなく、水や燃料等の他の流体の濾過を行うフィルタに適用しても同様の効果を得ることができる。
【0067】
また、上述の実施形態において、エレメント50,60及びエンドプレート70,80が組み立てられたアセンブリ状態に、リリーフバルブ90をクランプ72により係合連結することでフィルタエレメント40が組み立てられるが、これに限定されるものではなく、上記アセンブリ状態でリリーフバルブ90をネジ締結により着脱可能に連結する構成としてもよい。また、上エンドプレート70とリリーフバルブ90とを一体として構成することにより部品点数を集約させて、メンテナンスの作業性を向上させることとしてもよい。
【0068】
さらに、上述の実施形態においては、リテーナ30がフィルケース10内において着脱自在に構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、リテーナを出口配管25及び底板23等に固設させて、フィルタケース10内でのリテーナの挙動を完全に防止する構成としてもよい。なお、本実施形態に例示されるように、リテーナ30を着脱自在に構成した場合でも、例えば、出口配管25の側面にガスケット31の一部を嵌入させる嵌合溝を形成したり、リテーナ30と底板23とを係脱自在に保持する係合手段を設けたりすることで、リテーナ30の挙動をより防止することができる。
【符号の説明】
【0069】
1 オイルフィルタ(流体フィルタ)
10 フィルタケース
21 ケース流入孔(流入孔)
24 ケース流出孔(流出孔)
30 リテーナ
32 ガスケット保持部(接続部)
33 プレート当接部
34 筒状部(円筒部)
40 フィルタエレメント
51 第1外筒(外筒)
52 第1外筒流通孔(上側流通孔)
53 下側流通孔
55 第1濾材
65 第2濾材
70 上エンドプレート
75a プレート流通孔(連通孔)
77 リブ
77a 誘導路
80 下エンドプレート
90 リリーフバルブ
91 基部
92 リリーフ孔
94 弁体
S1 エレメント配設空間
S2 流入空間
S4 流出空間
S5 内周空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にエレメント配設空間を有し前記エレメント配設空間と外部とを連通させる流入孔及び流出孔が形成されたフィルタケースと、前記エレメント配設空間を前記流入孔に連通する流入空間と前記流出孔に連通する流出空間とに分離して前記エレメント配設空間内に着脱自在に装着されるフィルタエレメントとを備え、前記フィルタケース内において前記フィルタエレメントの外側に前記流入空間が形成され、内側に前記流出空間が形成されて構成される流体フィルタであって、
前記フィルタエレメントが、
前記フィルタケース内において外周側が前記流入空間に接する筒状の第1濾材と、
前記第1濾材の内周側に配設された筒状の第2濾材と、
前記第1濾材の内周面と前記第2濾材の外周面との間に前記流出空間が形成されるように前記第1及び第2濾材の両端部を覆って支持する一対のエンドプレートとを備え、
前記一対のエンドプレートのうち、一方のエンドプレートには前記流入空間と前記第2濾材の内周側に形成される内周空間とを連通させる連通孔が形成され、他方のエンドプレートには前記流出空間と前記流出孔とを連通させる排出孔が形成されていることを特徴とする流体フィルタ。
【請求項2】
前記流入空間と前記流出空間とを連通させるリリーフ孔が形成された基部と、前記リリーフ孔の開閉を行う弁体とを有し、前記流入空間側の圧力が前記流出空間側の圧力より所定値以上大きくなったときに前記弁体により前記リリーフ孔を開放するリリーフバルブを更に備えて構成されることを特徴とする請求項1に記載の流体フィルタ。
【請求項3】
前記リリーフバルブが、前記一方のエンドプレートに着脱自在に取り付けられ、
前記一方のエンドプレートが、前記リリーフ孔を介して前記流入空間と前記流出空間とを連通させる誘導路を有して構成されることを特徴とする請求項2に記載の流体フィルタ。
【請求項4】
前記フィルタエレメントが、前記第1濾材の外周面を覆って前記エンドプレートに取り付けられ該フィルタエレメントの外周部を形成する筒状の外筒を有し、
前記フィルタケースが、前記エレメント配設空間内における該フィルタケースの底面上に配設されるリテーナを有し、
前記外筒には、前記流入空間内の流体を前記濾材に通過させるための上側流入孔及び下側流入孔が形成されており、
前記リテーナは、前記フィルタエレメントが前記エレメント配設空間内に装着された状態において、前記フィルタエレメントの下端部を受けるプレート当接部と、前記プレート当接部の外周から上方に突設され前記フィルタエレメントの外周下部を取り囲む筒状部と、前記排出孔と前記流出孔とを液密状態で繋ぐ接続部とを備え、
前記フィルタエレメントが前記エレメント配設空間に装着された状態において、前記下部流通孔と前記筒状部の上端とが略同一高さとなるように配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の流体フィルタ。
【請求項5】
前記一方のエンドプレートが、前記第1濾材の一端部を支持する第1プレートと、前記第2濾材の一端部を支持する第2プレートと、前記第1及び第2濾材の中心軸が同軸となるように前記第1及び第2プレートを連結するリブとを備えて構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の流体フィルタ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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